JP3088199B2 - 多重通信装置 - Google Patents

多重通信装置

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JP3088199B2
JP3088199B2 JP04178612A JP17861292A JP3088199B2 JP 3088199 B2 JP3088199 B2 JP 3088199B2 JP 04178612 A JP04178612 A JP 04178612A JP 17861292 A JP17861292 A JP 17861292A JP 3088199 B2 JP3088199 B2 JP 3088199B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両などにおける各種
電装品間の通信をおこなう多重通信装置に関するもので
あり、さらに詳細には、共通の多重通信線に、送受信手
段を備えた複数の制御ユニットを接続して、各制御ユニ
ット間で信号の送受信をおこなう多重通信装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子制御技術の発達に伴い、近年の自動
車においては、著しく多くの電子機器が搭載され、その
結果、各電子機器間を接続する配線の数が著しく増大す
るとともに、配線が複雑化するという問題があった。そ
こで、配線の数を減少させ、かつ、配線を簡易化するた
めに、コントローラおよび送受信手段を備えた複数の制
御ユニットを、共通の多重通信線に、それぞれ、ノード
により、接続し、各制御ユニット間で信号の送受信をお
こなうように構成された多重通信装置が提案されている
(例えば、特開昭61−224534公報など)。
【0003】このような多重通信装置にあっては、複数
の制御ユニットが、共通の伝送線を通じて、互いに、信
号を送受信し合う多重通信制御状態に達する前に、所定
の制御ユニットのコントローラが、送受信手段を介し
て、共通の多重通信線に接続しているか否かの応答を求
める接続確認信号を、多重通信線に送り出し、この接続
確認信号に対して、所定の時間内に、接続応答信号を出
力した制御ユニットのみが、共通の多重通信線に接続さ
れており、多重通信が可能であると判定して、どの制御
ユニットが、共通の多重通信線に接続されているかの情
報を含む多重通信開始信号を出力し、その後に、多重通
信制御状態に移行するように構成されており、そのた
め、所定時間内に、コントローラの起動が完了せず、接
続応答信号を出力することができなかった制御ユニット
は、その後に、コントローラの起動が完了しても、多重
通信に参加することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、故障していないにもかかわらず、単に、コントロ
ーラの起動が、所定時間内に完了しなかっただけで、あ
る制御ユニットを除外して、多重通信をおこなうという
ことは、その制御ユニットからの制御データを受信でき
ず、制御のためのデータが不十分になることを意味して
おり、所望のような制御ができなくなるという問題があ
った。
【0005】
【発明の目的】本発明は、それぞれ、コントローラおよ
び送受信手段を備えた複数の制御ユニットが、共通の多
重通信線に接続され、該多重通信線を介して、互いに、
信号を送受信可能に構成され、複数の制御ユニットの間
で、互いに送受信がおこなわれる多重通信状態に達する
前に、所定の制御ユニットが、前記多重通信線に接続し
ている他の制御ユニットに対して応答を求める接続確認
信号を前記多重通信線に出力し、前記所定の制御ユニッ
トでは、前記他の制御ユニットのうち、前記接続確認信
号に対して、所定時間内に、応答信号を前記多重通信線
に出力した第1の制御ユニットのみが、前記多重通信線
に接続されており、多重通信が可能であると判定して、
前記接続確認信号を出力してから、前記所定時間経過後
に、前記第1の制御ユニットの情報を含む多重通信開始
信号を、前記多重通信線に出力して、多重通信を開始す
るように構成された多重通信装置において、所定時間内
に、応答信号を出力できないまま、多重通信開始信号が
出力されたため、多重通信に加わることができなかった
(特定の)制御ユニットも、多重通信開始後に、多重通
信に参加することができ、制御のための必要十分なデー
タを、各制御ユニット間で、送受信して、制御の信頼性
を向上させることができる多重通信装置を提供すること
を目的としている。
【0006】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、前記所定の制御
ユニットとは異なる特定の制御ユニットが、自己の起動
がなされたときに、前記多重通信線からの受信を検出
し、その受信信号が前記接続確認信号であるか否かを判
断し、その受信信号が、前記接続確認信号であるときに
は前記応答信号を前記多重通信線に出力し、前記多重通
信開始信号を受信した時点で多重通信を開始するととも
に、その受信信号が、前記接続確認信号でないときに
は、接続報知信号を前記多重通信線に出力した後に、多
重通信に加わるように構成されることによって達成され
る。
【0007】本発明の好ましい実施態様においては、前
記特定の制御ユニットが、前記接続報知信号を前記多重
通信線に出力した後、この接続報知信号を受信した前記
特定の制御ユニットとは異なる他の制御ユニットから確
認信号を受信した後に、多重通信に加わるように構成さ
れている。本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記特定の制御ユニットが、前記確認信号を前記多
重通信線から受信した後に、前記多重通信線に応答信号
を出力した後に、多重通信に加わるように構成されてい
る。本発明のさらに他の好ましい実施態様においては、
前記特定の制御ユニットが、前記応答信号を前記多重通
信線に出力した後に、前記特定の制御ユニットとは異な
る他の制御ユニットから返答信号を受信した時点で、多
重通信に加わるように構成されている。
【0008】本発明のさらに他の好ましい実施態様にお
いては、前記特定の制御ユニットが、前記多重通信開始
信号を前記多重通信線から受信した時点で、各制御ユニ
ットの接続状態を記憶すると共に、前記返答信号を前記
多重通信線から受信した時点で、各制御ユニットの接続
状態を記憶するように構成されている。本発明のさらに
他の好ましい実施態様においては、前記特定の制御ユニ
ットが、前記多重通信線に接続された複数の制御ユニッ
トである。
【0009】
【発明の作用】本発明によれば、所定時間内に、応答信
号を出力することができず、多重通信開始時に、他の制
御ユニットとの間の多重通信をおこなうことができなか
った特定の制御ユニットも、多重通信の開始後に、他の
制御ユニットとの間で、多重通信をおこなうことが可能
になるから、制御のための必要十分なデータを、各制御
ユニット間で、送受信して、制御の信頼性を向上させる
ことができる。
【0010】
【実施例】以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例
につき、詳細に説明を加える。図1は、本発明の実施例
に係る多重通信装置のネットワーク図である。図1にお
いて、本発明の実施例に係る多重通信装置は、エンジン
の制御を実行するエンジン制御ユニット1、アンチ・ス
キッド・ブレーキンングシステム(以下、ABSとい
う。)およびトラクション・コントロールシステムから
なるタイヤのスリップ制御を実行するスリップ制御ユニ
ット2、各車輪の舵角制御を実行する4WS制御ユニッ
ト3、ボデイのスィッチ類の制御を実行するボデイ系制
御ユニット4からなる4つの制御ユニットを備えてお
り、これら4つの制御ユニットは、ノード5、6、7、
8により、ループ状の共通の多重通信線9に接続されて
いる。各制御ユニットは、コントローラと送受信手段
(図示せず)を備えている。
【0011】エンジン制御ユニット1、スリップ制御ユ
ニット2、4WS制御ユニット3およびボデイ系制御ユ
ニット4は、それぞれ、ノード5、6、7、8を介し
て、多重通信線9に、信号を送信し、かつ、多重通信線
9から、ノード5、6、7、8を介して、信号を受信す
るが、共通の多重通信線9における信号の衝突を防止す
るため、本実施例においては、CSMA/CD−AMP
方式を採用している。ここに、CSMA(Carrier Sens
e Multiple Access)とは、各制御ユニットが、多重通信
線9の空きを確認した上で、多重通信線9に信号を送信
する方法をいい、CD(Collision Detection)とは、各
制御ユニットが、多重通信線9上の送信信号を監視し、
送信した信号の衝突を検知したときは、その信号を再度
送信する方法をいい、AMP(Arbitration on Message
Priority)とは、信号の衝突時に、優先度の高い信号を
破壊することなく、そのまま、送信されるようにする方
法をいう。また、各制御ユニットが送信する信号は、フ
レームよりなり、ある制御ユニットが送信した信号は、
他のすべての制御ユニットが受信するように構成されて
いる。
【0012】図2は、各制御ユニットが送信する信号の
構成を示している。図2に示されるように、各制御ユニ
ットが送信する信号は、フレーム状の信号およびACK
フィールド(受信接続確認信号領域)からなっており、
フレーム状信号のフレームFは、SD(Start Delimite
r)コード、PI(ブライオリティ)コード、IDコー
ド、データ長、データ1ないしデータNおよびチエック
コードからなっている。
【0013】SDコードは、フレームFの開始を表わす
コードであり、各制御ユニットは、このSDコードを受
信すると、フレームFの開始を認識するようになってい
る。PIコードは、同時に、複数の制御ユニットが、信
号を、多重通信線9に送信したために、多重通信線9
で、信号の衝突が起きた場合に、どの信号を優先的に処
理するかを指示するものである。本実施例においては、
多重通信線9では、ローレベルがワイヤード・オア(WI
RED-OR) となっているため、ビット値が低いものを優先
するようになっている。多重通信線9において、信号の
衝突が起こった場合には、優先度の高い制御ユニットの
PIコードが、多重通信線9に残り、優先度の低い制御
ユニットのPIコードは、優先度の高い制御ユニットの
PIコードに変えられるので、優先度の低い制御ユニッ
トは、これにより、送信した信号が衝突を起こし、他の
制御ユニットに受信されなかったことを検知して、その
信号を再度、送信するように構成されている。IDコー
ドは、送信元の制御ユニットを表わすコードである。デ
ータ長には、この後に続くデータの数が書き込まれ、N
個のデータがあるときは、データ長はNとなる。この信
号を受信した制御ユニットは、データ長に続くデータ
を、データ長に対応するだけ読み取るようになってい
る。データ1ないしデータNには、その信号により、送
信しようとする各種データが書き込まれる。チエックコ
ードは、フレーム状信号を受信した制御ユニットに、フ
レーム状信号の終わりであることを確認させるものであ
る。
【0014】各制御ユニットは、フレーム状信号の送信
に続いて、ACKフィールドを送信する。このACKフ
ィールドは、多重通信線9に接続されている制御ユニッ
トの数に等しいビットからなり、各制御ユニットに対
し、あらかじめ定められた固有のビット領域が割り当て
られている。本実施例においては、4つの制御ユニット
が、多重通信線9に接続されているので、ACKフィー
ルドは、4ビットからなり、それぞれ、エンジン制御ユ
ニット1、スリップ制御ユニット2、4WS制御ユニッ
ト3およびボデイ系制御ユニット4に対し、固有のビッ
ト領域が割り当てられている。各制御ユニットは、この
ACKフィールドの各ビット領域により、フレーム状信
号が正常に受信されたか否かの確認をおこなうようにな
っている。すなわち、フレーム状信号を送信する制御ユ
ニットは、フレーム状信号の送信に続いて、ACKフィ
ールドを、その各ビット領域を“0”にして、多重通信
線9に送信する。フレーム状信号を受信する制御ユニッ
トは、フレーム状信号のチエックコードにより、フレー
ム状信号のデータ1ないしデータNの内容に誤りがある
か否かをチエックし、誤りがなければ、他の制御ユニッ
トに対してあらかじめ定められた固有のビット領域に、
受信接続確認信号(ACK信号)を送信して、“1”を
書き込む。
【0015】こうして、ある制御ユニットから送信され
たフレーム状信号を、他のすべての制御ユニットが正常
に受信したときは、多重通信線9上のACKフィールド
の各ビット領域は、すべて“1”になっており、これに
対して、いずれかの制御ユニットが、フレーム状信号を
正常に受信していないときは、その制御ユニットの固有
のビット領域は“0”のままとなっている。したがっ
て、ACKフィールドを受信することにより、フレーム
状信号を送信した制御ユニットは、他の制御ユニット
が、フレーム状信号を正常に受信したか否かを確認する
ことができ、正常に受信していない制御ユニットがある
ときは、フレーム状信号を再度送信するようになってい
る。
【0016】本実施例にかかる多重通信装置において
は、多重通信の開始前に、多重通信線9に接続されてい
る制御ユニットの種類が確認され、この確認が完了した
後、多重通信が開始される。この多重通信線9に接続さ
れている制御ユニットの種類の確認は、本実施例におい
ては、エンジン制御ユニット1によってなされる。すな
わち、エンジン制御ユニット1から接続確認信号が、多
重通信線9に送信され、この接続確認信号に対して、エ
ンジン制御ユニット1が、所定時間t1内に、スリップ
制御ユニット2、4WS制御ユニット3およびボデイ系
制御ユニット4から接続応答信号を受信したか否かによ
って、エンジン制御ユニット1は、多重通信線9に接続
されている制御ユニットの種類を確認する。
【0017】図3は、各制御ユニットから信号の出力を
示すタイムチャートである。図3において、図示しない
イグニッションスィッチがオンになると、各制御ユニッ
トのコントローラの起動が開始される。そして、所定の
条件が満たされたと判定すると、たとえば、エンジン回
転数が500rpmに達したと判定すると、エンジン制
御ユニット1は、接続確認信号F1を、多重通信線9に
送出する。
【0018】こうして、接続確認信号が多重通信線9に
送出されると、多重通信線9に接続されているボデイ系
制御ユニット4、4WS制御ユニット3およびスリップ
制御ユニット2は、接続確認信号を受信し、コントロー
ラの起動が完了次第、接続応答信号F2、F3、F4
を、それぞれ、多重通信線9に出力する。その結果、図
3に示されるように、エンジン制御ユニット1が、接続
確認信号F1を多重通信線9に送出してから、所定時間
t1内に、接続応答信号を受信したときは、エンジン制
御ユニット1は、ボデイ系制御ユニット4、4WS制御
ユニット3およびスリップ制御ユニット2が、多重通信
線9に接続されていると判定して、所定時間t1が経過
した時点で、ボデイ系制御ユニット4、4WS制御ユニ
ット3およびスリップ制御ユニット2が、多重通信線9
に接続されているという接続情報を含む多重通信開始信
号F5を、多重通信線9に送出する。
【0019】ボデイ系制御ユニット4、4WS制御ユニ
ット3およびスリップ制御ユニット2は、この多重通信
開始信号F5を受信すると、接続情報を記憶し、多重通
信が開始される。本実施例においては、CSMA/CD
−AMP方式が採用されており、図3に示されるよう
に、各制御ユニットは、所定時間ΔTの間隔で、自己が
記憶しているデータを含むリフレッシュ信号を、周期的
に、多重通信線9に送信するとともに、図示してはいな
いが、自己が記憶しているデータが変化したときには、
他の制御ユニットに、データの変化を知らせるために、
その都度、イベント信号を多重通信線9に送信し、さら
に、他の制御ユニットから周期的に出力される交互通信
要求信号が入力されたときには、所定時間にわたり、短
い周期の交互通信信号を出力するように構成されてい
る。
【0020】以上のように、多重通信を開始するに先立
って、エンジン制御ユニット1が接続確認信号F1を出
力してから、所定時間t1内に、ボデイ系制御ユニット
4、4WS制御ユニット3およびスリップ制御ユニット
2から、接続応答信号F2、F3、F4が受信された場
合には、エンジン制御ユニット1は、すべての制御ユニ
ットが、多重通信線9に接続されていると判定して、そ
の旨の情報を含む多重通信開始信号F5を、多重通信線
9に出力し、エンジン制御ユニット1、スリップ制御ユ
ニット2、4WS制御ユニット3及びボデイ系制御ユニ
ット4の間で、多重通信が開始される。これに対して、
もし、コントローラの起動の遅れなどにより、所定時間
t1内に、エンジン制御ユニット1からの接続確認信号
F1を受信できず、接続応答信号を出力することができ
なかった制御ユニットがある場合には、エンジン制御ユ
ニット1は、その制御ユニットは、多重通信線9に接続
されていないと判定して、その旨の情報を含む多重通信
開始信号F5を、多重通信線9に出力し、所定時間t1
内に、接続応答信号を受信した制御ユニットとエンジン
制御ユニット1との間で、多重通信を開始する。
【0021】従来は、こうして、多重通信が開始された
後は、たとえ、所定時間t1内に、エンジン制御ユニッ
ト1からの接続確認信号F1を受信できず、接続応答信
号を出力することができなかった制御ユニットのコント
ローラが、その後に、正常に起動して、制御のためのデ
ータを出力し得る状態になったとしても、その制御ユニ
ットは、もはや、他の制御ユニットとの間での多重通信
に参加することはできず、したがって、他の制御ユニッ
トに、十分な制御用のデータが提供されないことにな
り、各制御ユニットにより実行される制御の信頼性が低
下することは免れないという問題があった。
【0022】そこで、本実施例においては、かかる問題
を解決するため、多重通信装置は、所定時間t1内に、
エンジン制御ユニット1からの接続確認信号F1を受信
できず、接続応答信号を出力することができなかった制
御ユニットも、それに異常がないかぎりは、エンジン制
御ユニット1から多重通信開始信号F5が出力され、他
の制御ユニットの間で多重通信が開始された後に、他の
制御ユニットから制御データを含む制御信号を受信した
ときに、他の制御ユニットとの間での多重通信に参加す
ることができるように、スリップ制御ユニット2、4W
S制御ユニット3およびボデイ系制御ユニット4が構成
されている。
【0023】以下、スリップ制御ユニット2を例に、そ
の構成につき、説明を加える。図4は、スリップ制御ユ
ニット2の制御動作を示すフローチャートである。図4
において、まず、図示しないイグニッションスィッチが
オンして、各制御ユニットのコントローラおよび送受信
手段の起動が開始される。これらの起動後に、他の制御
ユニットから信号を受信したときは、スリップ制御ユニ
ット2のコントローラは、その信号が、エンジン制御ユ
ニット1から出力された接続確認信号か否かを判定す
る。
【0024】その結果、受信した信号が、エンジン制御
ユニット1から出力された接続確認信号であると判定し
たときは、スリップ制御ユニット2のコントローラは、
接続確認信号をエンジン制御ユニット1から受信した旨
を記憶して、接続応答信号を出力する。そして、さら
に、信号を受信したときは、スリップ制御ユニット2の
コントローラは、その信号が、エンジン制御ユニット1
から出力された各制御ユニットの接続情報を含む多重通
信開始信号か否かを判定する。
【0025】その結果、YESのときは、スリップ制御
ユニット2のコントローラは、各制御ユニットの接続状
態を記憶して、多重通信を開始する。他方、NOのとき
は、その信号は、エンジン制御ユニット1以外の制御ユ
ニットから出力された接続応答信号と認められるから、
スリップ制御ユニット2のコントローラは、エンジン制
御ユニット1から、各制御ユニットの接続情報を含む多
重通信開始信号が入力されるまで待ち、多重通信開始信
号を受信した時点で、各制御ユニットの接続状態を記憶
して、多重通信を開始する。
【0026】これに対して、コントローラおよび送受信
手段の起動後に、受信した信号が、エンジン制御ユニッ
ト1から出力された接続確認信号でないと判定したとき
は、スリップ制御ユニット2のコントローラの起動の遅
れなどによって、スリップ制御ユニット2が、エンジン
制御ユニット1から出力された接続確認信号を受信でき
ず、フレーム状の接続応答信号F4を出力することがで
きないまま、所定時間t1が経過し、すでに、エンジン
制御ユニット1から多重通信開始信号が出力されて、エ
ンジン制御ユニット1、4WS制御ユニット3およびボ
デイ系制御ユニット4の間で、多重通信が開始されてお
り、受信した信号は、エンジン制御ユニット1、4WS
制御ユニット3あるいはボデイ系制御ユニット4から多
重通信線9に出力された制御用データを含む制御信号で
あると認められるから、この制御信号をトリガー信号と
して、他の制御ユニットとの間での多重通信を開始する
ため、スリップ制御ユニット2は、多重通信線9に接続
されている旨を知らせる接続報知信号を、多重通信線9
に出力する。
【0027】この接続報知信号を受信した他の制御ユニ
ットは、スリップ制御ユニット2が多重通信線9に接続
されていることの確認を求める確認信号を、多重通信線
9に出力する。そして、スリップ制御ユニット2は、こ
の確認信号を、他の制御ユニットから受信すると、応答
信号を出力し、その後に、他の制御ユニットから信号を
受信した時点で、各制御ユニットの接続状態を記憶し
て、多重通信を開始する。
【0028】本実施例によれば、スリップ制御ユニット
2が、エンジン制御ユニット1から接続確認信号が出力
されてから、所定時間t1内に、エンジン制御ユニット
1からの接続確認信号を受信できず、接続応答信号を出
力することができない場合にも、それに異常がないかぎ
りは、エンジン制御ユニット1から多重通信開始信号が
出力され、多重通信が開始された後に、他の制御ユニッ
トから制御データを含む制御信号を受信した時点で、他
の制御ユニットとの間で、多重通信を開始することがで
きるように、スリップ制御ユニット2が構成されている
から、他の制御ユニットに、十分な制御用のデータを提
供することができ、したがって、各制御ユニットにより
実行される制御の信頼性を向上させることが可能にな
る。
【0029】本発明は、以上の実施例に限定されること
なく特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の
変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含され
るものであることはいうまでもない。たとえば、前記実
施例においては、コントローラの起動の遅れによって、
異常がないにもかかわらず、スリップ制御ユニット2
が、エンジン制御ユニット1から接続確認信号が出力さ
れてから、所定時間t1内に、エンジン制御ユニット1
からの接続確認信号を受信できず、接続応答信号を出力
することができなかったときに、他の制御ユニットの間
で多重通信が開始された後において、他の制御ユニット
との間での多重通信に参加させる場合についてのみ説明
を加えているが、4WS制御ユニット3またはボデイ系
制御ユニット4が、コントローラの起動の遅れにより、
異常がないにもかかわらず、エンジン制御ユニット1か
ら接続確認信号が出力されてから、所定時間t1内に、
エンジン制御ユニット1からの接続確認信号を受信でき
ず、接続応答信号を出力することができなかった場合に
も、全く同様にして、多重通信が開始された後に、他の
制御ユニットとの間での多重通信に参加させることがで
きる。
【0030】また、前記実施例においては、エンジン制
御ユニット1が、接続確認信号を出力しているが、他の
制御ユニットに、接続確認信号を出力させるようにして
もよい。この場合に、エンジン制御ユニット1が、コン
トローラの起動の遅れによって、異常がないにもかかわ
らず、他の制御ユニットから接続確認信号が出力されて
から、所定時間t1内に、接続確認信号を受信できず、
接続応答信号を出力することができなかったときも、全
く同様にして、多重通信が開始された後に、エンジン制
御ユニット1を、他の制御ユニットとの間での多重通信
に参加させることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、それぞれ、コントロー
ラおよび送受信手段を備えた複数の制御ユニットが、共
通の多重通信線に接続され、該多重通信線を介して、互
いに、信号を送受信可能に構成され、複数の制御ユニッ
トの間で、互いに送受信がおこなわれる多重通信状態に
達する前に、所定の制御ユニットが、前記多重通信線に
接続しているか否かの応答を求める接続確認信号を他の
制御ユニットに出力し、前記接続確認信号に対して、所
定時間内に、応答信号を、前記所定の制御ユニットに出
力した制御ユニットのみが、共通の多重通信線に接続さ
れており、多重通信が可能であると判定して、前記接続
確認信号を出力してから、前記所定時間経過後に、どの
制御ユニットが、共通の多重通信線に接続されているか
の情報を含む多重通信開始信号を、前記多重通信線に出
力して、多重通信を開始するように構成された多重通信
装置において、所定時間内に、接続応答信号を出力でき
ないまま、多重通信開始信号が出力されたために、多重
通信に加わることができなかった制御ユニットも、多重
通信の開始後に、多重通信に加わることができ、制御の
ための必要十分なデータを、各制御ユニット間で、送受
信して、制御の信頼性を向上させることのできる多重通
信装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例に係る多重通信装置の
ネットワーク図である。
【図2】図2は、各制御ユニットが送信する信号の構成
を示す図面である。
【図3】図3は、各制御ユニットからの信号の出力を示
すタイムチャートである。
【図4】図4は、スリップ制御ユニットの制御動作を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン制御ユニット 2 スリップ制御ユニット 3 4WS制御ユニット 4 ボデイ系制御ユニット 5、6、7、8 ノード 9 多重通信線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−224534(JP,A) 特開 平4−183137(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 H04Q 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ、コントローラおよび送受信手
    段を備えた複数の制御ユニットが、共通の多重通信線に
    接続され、該多重通信線を介して、互いに、信号を送受
    信可能に構成され、 複数の制御ユニットの間で、互いに送受信がおこなわれ
    る多重通信状態に達する前に、所定の制御ユニットが、
    前記多重通信線に接続している他の制御ユニットに対し
    応答を求める接続確認信号を前記多重通信線に出力
    し、前記所定の制御ユニットでは、前記他の制御ユニットの
    うち 、前記接続確認信号に対して、所定時間内に、応答
    信号を前記多重通信線に出力した第1の制御ユニットの
    みが、前記多重通信線に接続されており、多重通信が可
    能であると判定して、 前記接続確認信号を出力してから、前記所定時間経過後
    に、前記第1の制御ユニットの情報を含む多重通信開始
    信号を、前記多重通信線に出力して、多重通信を開始す
    るように構成された多重通信装置において、前記所定の制御ユニットとは異なる特定の制御ユニット
    は、自己の起動がなされたときに、前記多重通信線から
    の受信を検出し、その受信信号が前記接続確認信号であ
    るか否かを判断し、 その受信信号が、前記接続確認信号であるときには前記
    応答信号を前記多重通信線に出力し、前記多重通信開始
    信号を受信した時点で多重通信を開始するとともに、 その受信信号が、前記接続確認信号でないときには、接
    続報知信号を前記多重通信線に出力した後に 、多重通信
    に加わるように構成されたことを特徴とする多重通信装
    置。
  2. 【請求項2】 前記特定の制御ユニットは、前記接続報
    知信号を前記多重通信線に出力した後、この接続報知信
    号を受信した前記特定の制御ユニットとは異なる他の制
    御ユニットから確認信号を受信した後に、多重通信に加
    わるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の
    多重通信装置。
  3. 【請求項3】 前記特定の制御ユニットは、前記確認信
    号を前記多重通信線から受信した後に、前記多重通信線
    に応答信号を出力した後に、多重通信に加わるように構
    成されたことを特徴とする請求項2記載の多重通信装
    置。
  4. 【請求項4】 前記特定の制御ユニットは、前記応答信
    号を前記多重通信線に出力した後に、前記特定の制御ユ
    ニットとは異なる他の制御ユニットから返答信号を受信
    した時点で、多重通信に加わるように構成されたことを
    特徴とする請求項3記載の多重通信装置。
  5. 【請求項5】 前記特定の制御ユニットは、前記多重通
    信開始信号を前記多重通信線から受信した時点で、各制
    御ユニットの接続状態を記憶すると共に、前記返答信号
    を前記多重通信線から受信した時点で、各制御ユニット
    の接続状態を記憶するように構成されたことを特徴とす
    る請求項4記載の多重通信装置。
  6. 【請求項6】 前記特定の制御ユニットは、前記多重通
    信線に接続された複数の制御ユニットであることを特徴
    とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の多重
    通信装置。
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