JP2787885B2 - 低脂肪油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
低脂肪油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法Info
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- JP2787885B2 JP2787885B2 JP5046131A JP4613193A JP2787885B2 JP 2787885 B2 JP2787885 B2 JP 2787885B2 JP 5046131 A JP5046131 A JP 5046131A JP 4613193 A JP4613193 A JP 4613193A JP 2787885 B2 JP2787885 B2 JP 2787885B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、油中水型乳化油脂組成
物である低脂肪マーガリン又は低脂肪スプレッドの製造
方法に関する。
物である低脂肪マーガリン又は低脂肪スプレッドの製造
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】從来の低脂肪マーガリンの製造法では、
油相中に水相を添加し、油中水型乳化油脂組成物（Ｗ／
Ｏ型）を形成した後に、この油中水型乳化油脂組成物を
冷却、混練して固化し、最終製品とする過程がとられて
いた。しかしながら、この製造法においては、少量の油
相中に多量の水相を添加し、安定な油中水型乳化油脂組
成物を得る特殊な操作および手法が必要であり、また、
その油中水型乳化油脂組成物の調製には時間がかかると
いう欠点があった。さらに、乳化油脂組成物中の水分量
が多くなるために、流速の変化や急激な温度変化により
製造工程中でしばしば水中油型乳化油脂組成物へと転相
することが知られており、乳化剤、可塑性油脂の種類、
量、またはその使用方法に厳選を要するため、乳化方
法、攪拌条件または乳化装置等に特別な工夫を必要とし
ていた。
油相中に水相を添加し、油中水型乳化油脂組成物（Ｗ／
Ｏ型）を形成した後に、この油中水型乳化油脂組成物を
冷却、混練して固化し、最終製品とする過程がとられて
いた。しかしながら、この製造法においては、少量の油
相中に多量の水相を添加し、安定な油中水型乳化油脂組
成物を得る特殊な操作および手法が必要であり、また、
その油中水型乳化油脂組成物の調製には時間がかかると
いう欠点があった。さらに、乳化油脂組成物中の水分量
が多くなるために、流速の変化や急激な温度変化により
製造工程中でしばしば水中油型乳化油脂組成物へと転相
することが知られており、乳化剤、可塑性油脂の種類、
量、またはその使用方法に厳選を要するため、乳化方
法、攪拌条件または乳化装置等に特別な工夫を必要とし
ていた。
【０００３】一方、最初に水中油型乳化油脂組成物（Ｏ
／Ｗ型）を形成した後に、この水中油型乳化油脂組成物
を転相させ安定した油中水型乳化油脂組成物をつくるこ
とが知られている。これらの方法は、特開昭５５−８８
６５４、特開昭６１−１８５３３２、特公昭６２−４０
９７５に開示されている。しかしこれらの方法において
は、水中油型乳化油脂組成物を調製後、気体を吹き込む
か、または油を添加するという中間工程を組み込むこと
によってショックを与え、転相の因子を作りだしてい
る。このように、水中油型乳化油脂組成物から油中水型
乳化油脂組成物に転相して低脂肪マーガリンを製造する
ことは極めて困難であり、例えば製造中に転相しようと
しても水中油型乳化油脂組成物のまま転相しなかった
り、または転相をして油中水型乳化油脂組成物となって
も最終製品が不安定であることも多かった。
／Ｗ型）を形成した後に、この水中油型乳化油脂組成物
を転相させ安定した油中水型乳化油脂組成物をつくるこ
とが知られている。これらの方法は、特開昭５５−８８
６５４、特開昭６１−１８５３３２、特公昭６２−４０
９７５に開示されている。しかしこれらの方法において
は、水中油型乳化油脂組成物を調製後、気体を吹き込む
か、または油を添加するという中間工程を組み込むこと
によってショックを与え、転相の因子を作りだしてい
る。このように、水中油型乳化油脂組成物から油中水型
乳化油脂組成物に転相して低脂肪マーガリンを製造する
ことは極めて困難であり、例えば製造中に転相しようと
しても水中油型乳化油脂組成物のまま転相しなかった
り、または転相をして油中水型乳化油脂組成物となって
も最終製品が不安定であることも多かった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水分含有量
が多く、転相が起きやすい水分を５０重量％以上含有し
ている低脂肪油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法
に関するもので、上記のような転相の問題を解決し、最
終製品として安定な低脂肪マーガリン又はスプレッドを
製造することを課題とする。
が多く、転相が起きやすい水分を５０重量％以上含有し
ている低脂肪油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法
に関するもので、上記のような転相の問題を解決し、最
終製品として安定な低脂肪マーガリン又はスプレッドを
製造することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、油相が１５〜５０重量％である低脂肪油
中水型乳化油脂組成物において、乳化剤としてＨＬＢが
２以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
０．０５〜５重量％およびグリセリン脂肪酸エステルを
含有し、安定剤としてゼラチンを０．５〜５重量％含有
することからなる低脂肪油中水型乳化油脂組成物とし、
また上記の低脂肪油中水型乳化油脂組成物を製造するに
あたり、水中油型乳化油脂組成物を調製し、該水中油型
乳化油脂組成物を油中水型乳化油脂組成物へと転相させ
た後、急冷可塑化装置及び／又は混練装置を通すことか
らなる低脂肪油中水型乳化油脂組成物の製造方法とした
のである。この製造方法によると、低脂肪マーガリン又
はスプレッドを製造する際、最初は安定な水中油型乳化
油脂組成物を調製しておき、最終製品である低脂肪油中
水型乳化油脂組成物のマーガリン又はスプレッドになる
ように工程中で一気に油中水型乳化油脂組成物にするこ
とによって、転相の問題を解決したのである。
決するために、油相が１５〜５０重量％である低脂肪油
中水型乳化油脂組成物において、乳化剤としてＨＬＢが
２以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
０．０５〜５重量％およびグリセリン脂肪酸エステルを
含有し、安定剤としてゼラチンを０．５〜５重量％含有
することからなる低脂肪油中水型乳化油脂組成物とし、
また上記の低脂肪油中水型乳化油脂組成物を製造するに
あたり、水中油型乳化油脂組成物を調製し、該水中油型
乳化油脂組成物を油中水型乳化油脂組成物へと転相させ
た後、急冷可塑化装置及び／又は混練装置を通すことか
らなる低脂肪油中水型乳化油脂組成物の製造方法とした
のである。この製造方法によると、低脂肪マーガリン又
はスプレッドを製造する際、最初は安定な水中油型乳化
油脂組成物を調製しておき、最終製品である低脂肪油中
水型乳化油脂組成物のマーガリン又はスプレッドになる
ように工程中で一気に油中水型乳化油脂組成物にするこ
とによって、転相の問題を解決したのである。
【０００６】本発明は、この乳化油脂組成物を例えばラ
インミル、ビスコローターなどの高速剪断乳化機を急冷
可塑化装置及び／又は混練装置の前段に組み込んだ製造
ラインに流し、該高速剪断乳化機にてＯ／Ｗ型乳化油脂
組成物からＷ／Ｏ型乳化油脂組成物に転相後、急冷可塑
化・混練することを特徴とする低脂肪スプレッドの製造
法、及びこれにより得られる製品を提供する。不完全に
なりやすい水中油型乳化油脂組成物の転相を、剪断力を
与えると同時に冷却することによって、容易にかつ完全
な油中水型の乳化油脂組成物に転相した後、常法によっ
て急冷可塑化及び／又は混練によって低脂肪のマーガリ
ン又はスプレッドを提供することに成功したものであ
る。本発明による低脂肪マーガリン又はスプレッドは従
来の製造法による製品に比べ、良好な組織および風味を
有する。
インミル、ビスコローターなどの高速剪断乳化機を急冷
可塑化装置及び／又は混練装置の前段に組み込んだ製造
ラインに流し、該高速剪断乳化機にてＯ／Ｗ型乳化油脂
組成物からＷ／Ｏ型乳化油脂組成物に転相後、急冷可塑
化・混練することを特徴とする低脂肪スプレッドの製造
法、及びこれにより得られる製品を提供する。不完全に
なりやすい水中油型乳化油脂組成物の転相を、剪断力を
与えると同時に冷却することによって、容易にかつ完全
な油中水型の乳化油脂組成物に転相した後、常法によっ
て急冷可塑化及び／又は混練によって低脂肪のマーガリ
ン又はスプレッドを提供することに成功したものであ
る。本発明による低脂肪マーガリン又はスプレッドは従
来の製造法による製品に比べ、良好な組織および風味を
有する。
【０００７】本発明において、安定剤としてはゼラチン
が好ましく、ゼラチン以外ではあまり良い結果は得られ
ない。ゼラチンが０．５重量％未満だと乳化油脂組成物
は離水がひどく、５重量％を超えると最終製品の組織は
固く、食感が劣ったものとなる。乳化剤としては、ＨＬ
Ｂが２以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
ル（以下ＰＧＰＲという）を例示することができる。Ｐ
ＧＰＲが０．０５重量％未満だと転相せず、５重量％以
上だとＷ／Ｏ型の乳化力が強固なため、転相が起こりに
くいばかりでなく、乳化剤特有の風味が出て最終製品の
風味を損ねる。
が好ましく、ゼラチン以外ではあまり良い結果は得られ
ない。ゼラチンが０．５重量％未満だと乳化油脂組成物
は離水がひどく、５重量％を超えると最終製品の組織は
固く、食感が劣ったものとなる。乳化剤としては、ＨＬ
Ｂが２以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
ル（以下ＰＧＰＲという）を例示することができる。Ｐ
ＧＰＲが０．０５重量％未満だと転相せず、５重量％以
上だとＷ／Ｏ型の乳化力が強固なため、転相が起こりに
くいばかりでなく、乳化剤特有の風味が出て最終製品の
風味を損ねる。
【０００８】次に、ＨＬＢが２以下のＰＧＰＲを添加し
た試験例及び添加しない試験例の試験結果を以下に示
す。表１は転相法による乳化油脂組成物の製造に関する
試験の試料の配合である。
た試験例及び添加しない試験例の試験結果を以下に示
す。表１は転相法による乳化油脂組成物の製造に関する
試験の試料の配合である。
【表１】
【０００９】試料の調製方法は、まずゼラチン２Kgを６
０℃の温水５９．２ Kg 中に乳化タンク内で攪拌をしな
がら溶解し、水相とした。これとは別に、例１及び例２
で示されるそれぞれの配合の乳化剤を６５℃の油中に混
合、溶解し油相とした。この油相を水相中に添加し、水
中油型乳化油脂組成物を生成させ、この乳化物を８５℃
まで加温し、次に２８℃まで冷却を行った後、剪断微細
乳化機（ビスコローター）に通してシリンダー回転数３
０ｓｅｃ-1で転相させた後、冷却、混練を行い製品とし
た。また、例１及び例２と同じ配合にて、剪断微細乳化
機（ビスコローター）のシリンダー回転数を０及び１５
ｓｅｃ-1の場合についてもそれぞれ行い、製造可能であ
るかどうか調べた。
０℃の温水５９．２ Kg 中に乳化タンク内で攪拌をしな
がら溶解し、水相とした。これとは別に、例１及び例２
で示されるそれぞれの配合の乳化剤を６５℃の油中に混
合、溶解し油相とした。この油相を水相中に添加し、水
中油型乳化油脂組成物を生成させ、この乳化物を８５℃
まで加温し、次に２８℃まで冷却を行った後、剪断微細
乳化機（ビスコローター）に通してシリンダー回転数３
０ｓｅｃ-1で転相させた後、冷却、混練を行い製品とし
た。また、例１及び例２と同じ配合にて、剪断微細乳化
機（ビスコローター）のシリンダー回転数を０及び１５
ｓｅｃ-1の場合についてもそれぞれ行い、製造可能であ
るかどうか調べた。
【００１０】表２及び表３に、試験の結果を示す。
【表２】 例１の配合の結果
【表３】 例２の配合の結果
【００１１】本発明において、乳化油脂組成物の油相を
構成する油脂としては、油脂が食用であるということ以
外は特に限定されず、例えば、ナタネ油、大豆油、パー
ム油、コーン油、サフラワー油、ヤシ油、乳脂肪、魚
油、牛脂、豚脂等の広範な種類の動植物油脂、およびこ
れらに水素添加、エステル交換、分別等の処理を施した
加工油脂等があり、これらを単独、あるいは２種類以上
を組合せ、混合して使用することができる。
構成する油脂としては、油脂が食用であるということ以
外は特に限定されず、例えば、ナタネ油、大豆油、パー
ム油、コーン油、サフラワー油、ヤシ油、乳脂肪、魚
油、牛脂、豚脂等の広範な種類の動植物油脂、およびこ
れらに水素添加、エステル交換、分別等の処理を施した
加工油脂等があり、これらを単独、あるいは２種類以上
を組合せ、混合して使用することができる。
【００１２】尚、水中油型乳化油脂組成物を調整する
際、その乳化油脂組成物の品温を１５〜３５℃にするこ
とが好ましい。品温が１５℃以下であると、乳化油脂組
成物の粘度が高くなり、Ｏ／Ｗ型の乳化が安定化され、
転相がおこりにくくなる。一方、品温が３５℃以上にな
ると逆に水中油型乳化油脂組成物の粘度が低下するため
により強い剪断力がなければ転相が起こりにくくなり、
本発明で使用する機器では困難となる。
際、その乳化油脂組成物の品温を１５〜３５℃にするこ
とが好ましい。品温が１５℃以下であると、乳化油脂組
成物の粘度が高くなり、Ｏ／Ｗ型の乳化が安定化され、
転相がおこりにくくなる。一方、品温が３５℃以上にな
ると逆に水中油型乳化油脂組成物の粘度が低下するため
により強い剪断力がなければ転相が起こりにくくなり、
本発明で使用する機器では困難となる。
【００１３】本発明で使用する高速剪断乳化機は高速剪
断する機械であれば特に限定されるものではなく、例え
ばＣＲミキサー、ラインミル、ビスコローターといった
様な高速度でシリンダーが回転する際に、表面で乳化油
脂組成物が高い剪断力を得られるものであればよい。ま
た、急冷可塑化装置及び／又は混練装置についても、と
くに限定はされず、公知の装置であるボテーター、パー
フェクター、コンビネーター等を挙げることができる。
断する機械であれば特に限定されるものではなく、例え
ばＣＲミキサー、ラインミル、ビスコローターといった
様な高速度でシリンダーが回転する際に、表面で乳化油
脂組成物が高い剪断力を得られるものであればよい。ま
た、急冷可塑化装置及び／又は混練装置についても、と
くに限定はされず、公知の装置であるボテーター、パー
フェクター、コンビネーター等を挙げることができる。
【００１４】水中油型乳化油脂組成物から油中水型乳化
油脂組成物に転相させる時の高速剪断乳化機の剪断力
は、５〜７５ｓｅｃ-1であることが望ましい。剪断力が
５ｓｅｃ-1以下であるとＯ／Ｗ型からＷ／Ｏ型に転換さ
せるのに十分でなく、転相を生じない。一方剪断力が７
５ｓｅｃ-1以上だとＯ／Ｗ型がさらに安定化された乳化
油脂組成物となる。
油脂組成物に転相させる時の高速剪断乳化機の剪断力
は、５〜７５ｓｅｃ-1であることが望ましい。剪断力が
５ｓｅｃ-1以下であるとＯ／Ｗ型からＷ／Ｏ型に転換さ
せるのに十分でなく、転相を生じない。一方剪断力が７
５ｓｅｃ-1以上だとＯ／Ｗ型がさらに安定化された乳化
油脂組成物となる。
【００１５】図１は、本発明の工程を簡略した図であ
る。添付した図面の図１に例示した工程概略図に沿っ
て、この発明による低脂肪スプレッドの製造工程につい
て具体的に説明をする。
る。添付した図面の図１に例示した工程概略図に沿っ
て、この発明による低脂肪スプレッドの製造工程につい
て具体的に説明をする。
【００１６】まず乳化タンク（１）において、所定量の
水相を入れ攪拌しながら、油相を入れて水中油型乳化油
脂組成物をつくる乳化を行う工程がある。この工程で得
られた乳化油脂組成物はポンプ（３）によりパイプライ
ン（４）を経由して殺菌機（５）に圧送され、加熱殺菌
（６３〜１２０℃）された後すみやかに冷却（２０〜４
０℃）される。この後、パイプライン（６）を経由して
高速剪断乳化機（７）に送られ、ここで、水中油型乳化
油脂組成物から、油中水型乳化油脂組成物に転相させ
る。このときの高速剪断乳化機のシリンダー回転数は５
〜７５ｓｅｃ-1（３００〜４５００回転／分）の範囲で
適宜設定する。油中水型乳化油脂組成物はパイプライン
（８）を経由して急冷可塑化装置（９）に送られ、ここ
で油中水型乳化油脂組成物は冷却、可塑化され、ついで
パイプライン（１０）を経由し混練装置（１１）にて混
練され、出口（１２）から製品として充填機に入れられ
る。なお、この一連の工程においては、殺菌工程におい
て殺菌機を省くこともできる。この場合は乳化タンク
（１）で、水中油型乳化油脂組成物の加熱殺菌、冷却を
行えばよい。
水相を入れ攪拌しながら、油相を入れて水中油型乳化油
脂組成物をつくる乳化を行う工程がある。この工程で得
られた乳化油脂組成物はポンプ（３）によりパイプライ
ン（４）を経由して殺菌機（５）に圧送され、加熱殺菌
（６３〜１２０℃）された後すみやかに冷却（２０〜４
０℃）される。この後、パイプライン（６）を経由して
高速剪断乳化機（７）に送られ、ここで、水中油型乳化
油脂組成物から、油中水型乳化油脂組成物に転相させ
る。このときの高速剪断乳化機のシリンダー回転数は５
〜７５ｓｅｃ-1（３００〜４５００回転／分）の範囲で
適宜設定する。油中水型乳化油脂組成物はパイプライン
（８）を経由して急冷可塑化装置（９）に送られ、ここ
で油中水型乳化油脂組成物は冷却、可塑化され、ついで
パイプライン（１０）を経由し混練装置（１１）にて混
練され、出口（１２）から製品として充填機に入れられ
る。なお、この一連の工程においては、殺菌工程におい
て殺菌機を省くこともできる。この場合は乳化タンク
（１）で、水中油型乳化油脂組成物の加熱殺菌、冷却を
行えばよい。
【００１７】以上述べたように、本発明はゼラチン等の
安定剤を０．５〜５重量％添加した水相中に、ＨＬＢが
２以下のＰＧＰＲの乳化剤を０．０５〜５重量％添加し
ている油相を混合して水中油型乳化油脂組成物を調整
し、この乳化油脂組成物を高速剪断乳化機、たとえばラ
インミル、ビスコローターなどを組み込んだ急冷可塑化
混練装置からなる製造ラインに流し、Ｏ／Ｗ型乳化油脂
組成物からＷ／Ｏ型乳化油脂組成物に転相後、ただちに
表面かきとり式熱交換機を通しながら急冷可塑化し、混
練する低脂肪スプレッドの製造法であり、またこれによ
り得られる製品に関するものである。
安定剤を０．５〜５重量％添加した水相中に、ＨＬＢが
２以下のＰＧＰＲの乳化剤を０．０５〜５重量％添加し
ている油相を混合して水中油型乳化油脂組成物を調整
し、この乳化油脂組成物を高速剪断乳化機、たとえばラ
インミル、ビスコローターなどを組み込んだ急冷可塑化
混練装置からなる製造ラインに流し、Ｏ／Ｗ型乳化油脂
組成物からＷ／Ｏ型乳化油脂組成物に転相後、ただちに
表面かきとり式熱交換機を通しながら急冷可塑化し、混
練する低脂肪スプレッドの製造法であり、またこれによ
り得られる製品に関するものである。
【００１８】以下実施例で詳しく説明する。
【００１９】
（水相の調製）ゼラチン２０ｋｇを約６０℃の温水５９
２ｋｇに溶解し水相６１２ｋｇを得た。 （油相の調製）大豆硬化油（融点３８℃）および大豆油
１：３からなる混合油脂３８１ｋｇをあらかじめ６０℃
に加温し、この油脂にＰＧＰＲ２ｋｇ、グリセリン脂肪
酸エステル５ｋｇを添加し、完全に溶解させて油相３８
８ｋｇを得た。 （低脂肪油中水型乳化油脂組成物の調製）上記により調
製された水相６１２ｋｇに油相３８８ｋｇを１００ｋｇ
／分の速度で添加し、水中油型乳化油脂組成物（Ｏ／Ｗ
型）を得た。この水中油型乳化油脂組成物をジャケット
加温、冷却によって、一旦８５℃まで昇温、殺菌したの
ち、２８℃まで水冷した。 （低脂肪油中水型乳化油脂組成物の製造）上記の低脂肪
水中油型乳化油脂組成物をシリンダー回転数が３０ｓｅ
ｃ-1のビスコローターに通液することで転相させ、低脂
肪油中水型乳化油脂組成物（Ｗ／Ｏ型）が得られた。こ
れをただちにパーフェクターで１０℃に冷却・混練する
ことによって、安定なＷ／Ｏ型の低脂肪スプレッドを得
ることができた。
２ｋｇに溶解し水相６１２ｋｇを得た。 （油相の調製）大豆硬化油（融点３８℃）および大豆油
１：３からなる混合油脂３８１ｋｇをあらかじめ６０℃
に加温し、この油脂にＰＧＰＲ２ｋｇ、グリセリン脂肪
酸エステル５ｋｇを添加し、完全に溶解させて油相３８
８ｋｇを得た。 （低脂肪油中水型乳化油脂組成物の調製）上記により調
製された水相６１２ｋｇに油相３８８ｋｇを１００ｋｇ
／分の速度で添加し、水中油型乳化油脂組成物（Ｏ／Ｗ
型）を得た。この水中油型乳化油脂組成物をジャケット
加温、冷却によって、一旦８５℃まで昇温、殺菌したの
ち、２８℃まで水冷した。 （低脂肪油中水型乳化油脂組成物の製造）上記の低脂肪
水中油型乳化油脂組成物をシリンダー回転数が３０ｓｅ
ｃ-1のビスコローターに通液することで転相させ、低脂
肪油中水型乳化油脂組成物（Ｗ／Ｏ型）が得られた。こ
れをただちにパーフェクターで１０℃に冷却・混練する
ことによって、安定なＷ／Ｏ型の低脂肪スプレッドを得
ることができた。
【００２０】
【発明の効果】本発明は、水相部に安定剤としてゼラチ
ン、油相部に乳化剤としてＨＬＢが２以下のＰＧＰＲを
加えて混合し水中油型乳化油脂組成物を調製した後、剪
断力を与えると同時に冷却し転相させることによって、
完全に安定な油中水型の低脂肪乳化油脂組成物、即ち低
脂肪のマーガリン又はスプレッドを提供するものであ
る。本発明による低脂肪マーガリン又はスプレッドは従
来の製造法による製品に比べ、良好な組織および風味を
有する。
ン、油相部に乳化剤としてＨＬＢが２以下のＰＧＰＲを
加えて混合し水中油型乳化油脂組成物を調製した後、剪
断力を与えると同時に冷却し転相させることによって、
完全に安定な油中水型の低脂肪乳化油脂組成物、即ち低
脂肪のマーガリン又はスプレッドを提供するものであ
る。本発明による低脂肪マーガリン又はスプレッドは従
来の製造法による製品に比べ、良好な組織および風味を
有する。
【図１】本発明の低脂肪油中水型乳化油脂組成物を製造
するための工程概略図である。
するための工程概略図である。
１ 乳化タンク ２ 攪拌モーター及び攪拌部 ３ ポンプ ４ パイプライン ５ 殺菌用熱交換機 ６ パイプライン ７ 高速剪断乳化機 ８ パイプライン ９ 急冷可塑化装置 １０ パイプライン １１ 混練装置 １２ 製品出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A23D 7/005,7/01,7/02
Claims (2)
- 【請求項１】油相が１５〜５０重量％である低脂肪油中
水型乳化油脂組成物において、乳化剤としてＨＬＢが２
以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル０．
０５〜５重量％およびグリセリン脂肪酸エステルを含有
し、安定剤としてゼラチンを０．５〜５重量％含有する
ことを特徴とする低脂肪油中水型乳化油脂組成物。 - 【請求項２】請求項１記載の低脂肪油中水型乳化油脂組
成物を製造するにあたり、水中油型乳化油脂組成物を調
製し、該水中油型乳化油脂組成物を油中水型乳化油脂組
成物へと転相させた後、急冷可塑化装置及び／又は混練
装置を通すことを特徴とする低脂肪油中水型乳化油脂組
成物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5046131A JP2787885B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 低脂肪油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5046131A JP2787885B2 (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 低脂肪油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06237690A JPH06237690A (ja) | 1994-08-30 |
| JP2787885B2 true JP2787885B2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=12738436
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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-
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