JP2785953B2 - スプレッド食品及びその製造法 - Google Patents

スプレッド食品及びその製造法

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JP2785953B2 JP1082647A JP8264789A JP2785953B2 JP 2785953 B2 JP2785953 B2 JP 2785953B2 JP 1082647 A JP1082647 A JP 1082647A JP 8264789 A JP8264789 A JP 8264789A JP 2785953 B2 JP2785953 B2 JP 2785953B2
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克清 上田
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浩之 佐野
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、チーズ成分を多量含有したスプレッド食
品及びその製造法に関する。
(従来技術) 一般に、チーズ類は、その乳化型が水中油型であって
保存安定性に劣り、且つ表面が乾燥して硬化し易いとい
う欠点を有する。これに対し、バターやマーガリンは油
中水型であって保存安定性および展延性に優れた乳化油
脂である。従って、良好なチーズの風味を有し且つ保存
安定性および展延性に優れた乳化油脂を得ることは意義
深いものがある。このような点から、バターやマーガリ
ンにチーズを混入して良好なチーズ風味を呈したスプレ
ッド食品を得ようとする試みが古くからなされてきた
が、単にバターやマーガリンにチーズを混入したのでは
均一な組成にはならず、均一な乳化状態を得る方法は困
難であった。
例えば、流動化したバターやマーガリンの如き食用動
植物固型油脂基剤とチーズ片と混合し、この混合物を機
械的に剪断してチーズ片を細砕しすると共に混合し、次
いで冷却してチーズを固型油脂中に均一に分散させる、
チーズ入り食用動植物固型油脂の製造法が提案された
(特開昭54−122765号)が、このような方法はチーズ片
が細砕されたものであるとはいえ不均一な状態で存在し
且つかかるチーズ細片は水中油型であるため保存性の点
からも好ましくない。
また、ナチュラルチーズにバターの如き食し得る脂
肪、安定剤、水及び場合により食塩を混ぜ合わせ、125
〜130℃に加熱撹拌した後、75〜80℃まで冷却し、均質
化して容器に充填し密封する、チーズスプレッドの製造
法も提案された(特開昭56−158050号)が、かかる方法
で得られるスプレッドは水中油型であって、前記した如
く保存安定性に劣り、表面が乾燥して硬化し易いという
欠点を有する。
さらに、醗酵乳3〜50%、必要に応じてチーズ0.5〜1
5%を含み、レシチン及び/又はバターミルクで乳化す
る、乳化食用油脂スプレッドの製造法も提案されている
(特開昭61−166357号)が、かかる方法においてチーズ
は醗酵乳の風味をまろやかにするために必要に応じて含
有させるものであって風味の主体は醗酵風味であり、且
つ乳化剤もレシチン及び/又はバターミルクのみを使用
するものであって、それ故にスプレッドの脂肪率は60%
を越え75%未満でなければ乳化状態の良好な製品が得ら
れないのであるから、このような方法で良好なチーズ風
味を得るべく多量のチーズを使用した場合の乳化安定性
を期待することはできない。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、チーズを多量含み、従って栄養価に富
み、且つ良好なチーズ風味とその侭食した場合マイルド
な口当たりを有し、さらにパンに塗布してオーブンで焼
成したときチーズとバターあるいはマーガリンの機能を
兼ね備え、しかも保存安定性に優れたスプレッド食品を
得ることを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 以上の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究
した結果、チーズと水との均質化された乳化物を水相と
し、これと油相とを混合し急冷混捏して得た油中水型の
乳化物が、上記課題を解決し得るとの知見を得、この発
明を完成するに到った。
即ちこの発明は、必須の成分として、チーズ由来の乳
蛋白質4〜20重量%、水分25〜60重量%、食用油脂30〜
60重量%、乳化剤および溶融塩を含み、急冷混捏してな
る油中水型のスプレッド食品および食品全量に対し少な
くともチーズ由来の乳蛋白質が4〜20重量%となる量の
チーズと水とを溶融塩の存在下に加熱混合し均質化して
乳化物を調製し、この均質乳化物と油脂とを乳化剤の存
在下に混合した後急冷混捏して油中水型の乳化物を得る
ことを特徴とする、スプレッド食品の製造法、である。
この発明において、チーズはエグモントチーズ、エダ
ムチーズ、ゴーダーチーズ、チェダーチーズ、パルメザ
ンチーズ、クリームチーズ等のナチュラルチーズ、ある
いは各種プロセスチーズが例示でき、スプレッド食品全
量に対しチーズ由来の乳蛋白質が4〜20重量%となる量
のチーズが含まれているのが好ましい。下限未満では、
チーズの風味が薄れると共に、焼成時トーストの表面に
形成される蛋白質の凝固膜が薄弱となり、クリスピーな
食感を得難い。また、上限を越えて乳蛋白質の量が多く
なると、水相が増粘して予備乳化時に水中油型になり易
く、爾後の急冷混捏時に油中水型になり難い。
食用油脂としては乳脂、菜種油、大豆油、ヒマワリ種
子油、綿実油、落花生油、米糠油、トウモロコシ油、サ
フラワー油、オリーブ油、カポック油、パーム油、ヤシ
油、パーム核油、魚油、牛脂、豚脂等が例示でき、これ
らの単独油または混合油、或いはこれらの硬化、分別、
エステル交換等の加工油が適用できる。このような油脂
はスプレッド食品に対し30〜60重量%以上含まれるのが
好ましい。
また、乳化剤としてはグリセリン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸
エステル等が例示でき、これらの一種または二種以上を
食用油脂に対し0.5〜2.5重量%の割合で含まれる。但
し、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、蔗糖脂肪酸エステルはHLB値の低い油溶性の
ものである必要がある。
その他、食塩、ガム質、デンプン類、香料、呈味材等
が適宜含まれていてもよいことはいうまでもない。
この発明の製法についてその概略を述べれば、先ずチ
ーズを、溶融塩を添加した水に加え60〜80℃に加熱し混
合して該チーズ片の固形物が消失するまで撹拌する。チ
ーズは、予め水に溶解ないし分散させ易いように、例え
ばサイコロ状に細断しておくのが有利である。また、撹
拌はプロペラでの高速撹拌によるか、またはその他適当
な撹拌手段により適宜実施すればよい。
溶融塩としては例えば第一リン酸ナトリウム、第二リ
ン酸ナトリウム、正リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナト
リウム、メタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリ
ウム、ポリメタリン酸ナトリウム等の各種リン酸塩類、
およびクエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム等の多価
有機酸塩類等が例示でき、これらの一種または二種以上
を通常チーズに対し0.5〜5重量%の割合で使用する。
但し、塩の種類によってはカルシュウムイオンとのキレ
ート化する能力が異なるため、場合によっては5重量%
以上使用する必要がある場合もある。
次いで、このチーズ水溶液を均質機にて50kg/cm2以上
の条件下に均質化する。この均質化は、かかる均質化処
理が不充分であると、爾後、油脂との混合物を急冷混捏
したとき得られる乳化物が油中水型にならないので、こ
の発明においては特に重要な処理工程である。チーズ水
溶液の均質化終了後は約20〜40℃に冷却しておく。
一方、乳化剤を添加溶解ないし分散させた50〜70℃の
油相をホモミキサー等で撹拌しながら、これに先のチー
ズ水溶液を加えて予備乳化させる。この際、予備乳化物
の乳化型は不完全な油中水型か一部水中油型の状態にあ
るのが好ましく、完全な水中油型であると、爾後の急冷
混捏の際に乳化型が油中水型になり難いので多少の注意
を要する。例えば、前記した如く、チーズ水溶液の均質
化が不充分であった場合、あるいは油相中にチーズ水溶
液を一度に加えた場合などは水中油型になり易い。
次いで、この予備乳化物を急冷混捏して油中水型のス
プレッド食品を得る。急冷混捏処理は、従来よりマーガ
リンなどの製造に使用されるボテータあるいはコンビネ
ーター等の装置を使用すればよい。
かくして得られるスプレッド食品は、栄養価に富み、
良好なチーズ風味とマイルドな口当たりを有し且つ展延
性に優れるので、その侭各種パン類またはその他の食品
に塗布して食することができる。特に、特筆すべきは、
スプレッド食品をパンに塗布してオーブンで焼成したと
き、パンの表面は蛋白の凝固した層を有し、その下に油
脂分の浸み込んだ層を有するので、トースト特有のサク
サクとしたクリスピーな食感を呈すると共に、チーズの
風味およびチーズの焦げた良好な風味とバターやマーガ
リンの油味とが合いまって、一段と食欲をそそる、美味
しいトーストが調理できるのである。
(実施例) 以下、実施例を掲げこの発明の効果をより一層明確に
する。なお、以下に例示の部は何れも重量基準を意味す
る。
実施例1 水10部にトリポリリン酸ナトリウム0.2部を添加して
混合溶解し、これに予めサイコロ状に細断したエグモン
トチーズ10部を加え、混合撹拌しながら約80℃まで加温
して固形物が消失するまで撹拌を続けた。次いで、この
チーズ水溶液を均質機にて100kg/cm2の条件下に均質化
した後、チューブ式熱交換器にて約30℃まで冷却して水
相を調製した。一方、融点36℃の魚油硬化油24部と大豆
油6部との混合油脂30部を約45℃に加温融解し、これに
グリセリン脂肪酸エステル0.15部、シュガーエステル0.
06部およびレシチン0.09部とフレーバー0.06部を混合し
溶解ないし分散させて油相を調製した後、この油相をホ
モミキサーにて撹拌しながら、これに先の水相20部およ
び食塩0.5部を徐々に加えて予備乳化した。しかる後、
この予備乳化物をコンビネーターにて急冷混捏して油中
水型のスプレッド食品を得た。
かくして得たスプレッド食品は、良好なチーズ風味を
有し、その侭食したときチーズ特有の強烈な呈味はな
く、油のコク味と合いまってマイルドな呈味を有してい
た。また、このスプレッド食品は展延性が極めて良好で
あり、市販の食パンに塗布して普通にトーストしたとこ
ろ、パンの表面はサクッとしていてクリスピーな食感を
呈しているにも拘らず、パンの内相はソフトでジューシ
ーな食感を呈し、極めて美味しいものであった。このよ
うな食感は経時的にも変化が少なかった。
なお、比較のため、市販のピザ用のチーズを使用して
同様にトーストしたところ、チーズとしての風味は良好
であったが、ジューシー感はなく、また焼きたては柔ら
かいが、数分後には固くなってしまった。なお、展延性
は全く有していなかった。また、市販のファットスプレ
ッドを使用して同様にトーストしたところ、展延性は良
好であり、油のコク味も有していたが、表面は油脂が完
全に融解しベチャベチャであった。
(効果) 以上のように、この発明にけるスプレッド食品は、長
期間の保存にも表面が硬くなることなく保存安定性に優
れ、栄養価に富み、良好なチーズ風味と油のコク味とが
合いまったマイルドな呈味を有し且つ展延性に優れるの
で、その侭各種パン類またはその他の食品に塗布して食
することができるという顕著な効果を有する。また、特
に、スプレッド食品をパンに塗布してオーブンで焼成し
たとき、パンの表面は蛋白の凝固した層を有し、その下
に油脂分の浸み込んだ層を有するので、トースト特有の
サクサクとしたクリスピーな食感を呈すると共に、チー
ズの風味およびチーズの焦げた良好な風味とバターやマ
ーガリンの油味とが合いまって、一段と食欲をそそる、
美味しいトーストが調理できるという、特筆すべき効果
を有するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−122307(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23D 7/005,7/02,7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須の成分として、チーズ由来の乳蛋白質
    4〜20重量%、水分25〜60重量%、食用油脂30〜60重量
    %、乳化剤および溶融塩を含み、急冷混捏してなる、油
    中水型のスプレッド食品。
  2. 【請求項2】食品全量に対し少なくともチーズ由来の乳
    蛋白質が4〜20重量%となる量のチーズと水とを溶融塩
    の存在下に加熱混合し均質化して乳化物を調製し、この
    均質化物と油脂とを乳化剤の存在下に混合した後、急冷
    混捏して油中水型の乳化物を得ることを特徴とする、ス
    プレッド食品の製造法。
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JP5907665B2 (ja) * 2011-02-25 2016-04-26 株式会社明治 チーズスプレッド食品及びその製造方法
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