JP2784471B2 - バタフライ式排気バルブ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンジン・ブレーキの効果を大きくするた
めの排気ブレーキに用られるバタフライ式排気バルブに
関する。

〔従来の技術〕

排気ブレーキは、エンジン・ブレーキの効果を大きく
する装置であり、エンジンの排気管をバルブで閉塞し、
エンジンを圧縮機として作用させて、制動を行うもので
ある。

従来、排気ブレーキは、第４図に示すような構成にな
っており、運転台の排気ブレーキのスイッチを入れて、
アクセルペダルから足を放すと、制御装置（01）から電
磁弁（02）に信号が送られ、電磁弁（02）は開放され
る。

電磁弁（02）が開放されると、圧縮ガスが充填されて
いるエアータンク（03）から、オペレーティングシリン
ダ（04）へ圧縮ガスが流れ、その内部に取付けられたダ
イヤフラムを下方に押す。そのため、ダイヤフラムに連
結された弁ロッド（05）は、図示しないリンク機構を介
して、バタフライバルブ（06）を閉塞する。

排気管（07）は、エンジン（08）からの排気ガスを、
マフラー（09）を介して排気口（010）へ導く管路であ
り、バタフライバルブ（06）が閉塞されると、その上流
の排気管（07）内は高圧となり、排気マニホールド内の
ガスが圧縮され、負の仕事が発生し、効果的なブレーキ
力が得られる。

第３図に示すように、排気バルブ（Ａ′）は、フラン
ジを介して排気管（07）の途中に配設されるものであ
り、弁胴（011）の前後両端に、周囲にボルト孔（012）
（012）を設けた外向きのフランジ（013）が取付けら
れ、かつ弁胴（011）の両端面には、ロッド孔（014）
（014）が穿設されている。

排気バルブ（Ａ′）は、その通気ポート（015）に弁
板（016）を挿入してから、先端に割り溝（017）を有す
る枢支ピン（018）を各ロッド孔（014）へ挿入し、割り
溝（017）を弁板（016）の両側に設けた切欠溝（019）
に嵌入し、溶接等により接合することによって形成され
る。

組立てられた排気バルブ（Ａ′）は、排気管（07）
に、フランジ（013）のボルト孔（012）（012）を用い
て取付けられる。

この種の排気バルブを長期間使用すると、排気ガス中
の排気塵や含塵油などが、バルブの周辺や枢軸の部分に
溜り易く、保守・点検は欠かせない。

しかし、従来の排気バルブ（Ａ′）では、一旦取付け
たバタフライバルブを取外すことは困難であり、溜った
塵のために、枢支ピン（017）の回転が悪くなり、弁板
（016）が完全に閉塞されず、排気漏れが発生するよう
になる。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、排気バルブの組立構造を変更することによ
って、その弁板、枢支ピン、枢支ピンの枢支部、さらに
通気ポート内を、容易に点検、清掃できるようにするこ
とにより、従来技術の問題点を解決しようとするもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

通気ポートが穿設され、その軸線方向すなわち前後方
向に２分割されるとともに、前後両端に、それぞれ連結
用の外向フランジを備える前後２個の半割弁筐体の一方
における他方との対向面に、前記通気ポートを囲む環溝
を設け、かつ他方の半割弁筐体の対向面に、環溝と嵌合
しうる前記環状突条を設け、さらに両対向面には、通気
ポートの中心軸を横切る半円溝を設け、バタフライ式排
気バルブにおける弁板を通気ポートに、同じく弁板の両
側へ突出する枢支ピンを前記半円溝に嵌入させるととも
に、前後の半割弁筐体同士を対向させて連結することに
より、前記弁板および枢支ピンを、前後の半割弁筐体で
挟み込んである。

〔作 用〕

弁板を通気ポートに、枢支ピンを半円溝に、それぞれ
対応させて、排気バルブを両半割弁筐体で挟み込むこと
により、各半割弁筐体の環溝と環状突条とは嵌合し、位
置決めが完了する。この時、半円溝同士が対峙し、枢支
ピンを適正に枢支しうるほぼ真円の筒穴が形成される。

その後、対向面同士を、取外し可能な連結手段で結合
することによって、排気バルブが組立てられる。

前記対向面同士の連結手段を取外すことによって、弁
体を簡単に取外し、弁板、枢支ピン、枢支ピンの枢支
部、および通気ポート内を、容易に点検掃除することが
できる。

〔実施例〕

第１図及び第２図は、本発明の第１実施例を示すもの
で、排気バルブ（Ａ）は、軸線方向に前後に対向する２
個の半割弁筐体（１）（１）と、弁体（２）とから構成
されている。

各半割弁筐体（１）は、弁胴（３）の前後の端部に外
向フランジ（４）（５）を設けてなり、各外向フランジ
（４）（５）の周辺の対応する個所には、それぞれ複数
のボルト孔（６）（７）が穿設されている。

半割弁筐体（１）の中央には、前後方向を向く通気ポ
ート（８）が貫設されており、かつ半割弁筐体（１）
（１）同士の対向面の一方には、通気ポート（８）より
やや大径の環溝（９）が、通気ポート（８）を囲むよう
にして刻設され、他方の対向面には、環溝（９）へ嵌合
しうる環状突条（10）が形成されている。

また、各半割弁筐体（１）の対向面には、通気ポート
（８）の中心軸を横切る半円溝（11）が形成されてい
る。

弁板（２）は、円形の弁板（12）の左右両側に枢支ピ
ン（13）（13）を突設してなり、弁板（12）と枢支ピン
（13）（13）とは、一体に鋳造、鋳造もしくは切削加工
によって形成されている。

このように形成された２個の半割弁筐体（１）（１）
を弁体（２）を挟み込むようにして突き合わせると、弁
板（12）は、半割弁筐体（１）（１）における通気ポー
ト（８）内に嵌入され、かつ枢支ピン（13）（13）は、
半割弁筐体（１）（１）の対向面における半円溝（11）
（11）により形成される筒穴内に嵌入状態となる。

最終的には、一方の半割弁筐体（１）の対向面におけ
る環溝（９）と、片方の半割弁筐体（１）の対向面にお
ける環状突条（10）とが嵌合することによって、半割弁
筐体（１）（１）の位置決めは完了する。

位置決め完了時においては、半円溝（11）（11）同士
はほぼ完全な円形の受孔を形成するとともに、半割弁筐
体（１）（１）の通気ポート（８）（８）の中心軸も一
致する。

対向する外向フランジ（４）（４）のボルト孔（６）
（６）を利用して、ボルト止めすると、第２図に示すよ
うな排気バルブの組立て体が完成する。

この排気バルブ（Ａ）は、遠端側の外向フランジ
（５）（５）を利用して、排気管に取付けられる。

このようにして組立てられた排気バルブ（Ａ）は、環
溝（９）と環状突条（10）との嵌合により、シール機能
が向上し、排気漏れは減少する。

また排気バルブ（Ａ）は、排気管の途中に取付けられ
ているため、排気ガス中の排気塵や含塵油またはスラッ
ジが溜り易く、保守点検が必要不可欠であるが、保守点
検の際には、近端側の外向フランジ（４）（４）同士を
連結している取付ボルト（14）（14）を外して、容易に
弁体（２）を取出し、弁板（12）、枢支ピン（13）、枢
支ピン（13）の枢支部、および通気ポート（８）内を点
検掃除することができる。

なお、環溝（９）および環状突条（10）の形状は、実
施例に限定されるものではなく、半円溝（11）の部分を
除いて通気ポート（８）を包囲し、かつ両者が適正に嵌
合できるものであれば、どのようなものでもよい。

〔発明の効果〕

本発明は、次の効果を奏しうる。

（ａ）排気バルブを排気管より取外すことなく、単にフ
ランジ同士の連結を外すだけで、弁体を取外して、弁
板、枢支ピン、その枢支部、および通気ポート内を、容
易に点検掃除することができる。

（ｂ）環溝（９）と環状突条（10）との協動により、組
立て時の位置決めが正確に行われ、良好なシール効果が
得られる。

（ｃ）従来のものに比して、各弁胴の長さは、約1/2で
あり、しかもその前後両端に外向フランジが設けられて
いるため、すぐれた放熱効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の第１実施例を、分解して、斜め前方
から見た分解斜視図、 第２図は、第１図の排気バルブの組立完了時の縦断側面
図、 第３図は、従来の排気バルブの分解斜視図、 第４図は、従来の排気ブレーキ系統図である。 Ａ……排気バルブ （１）半割弁筐体 （２）弁体 （３）弁胴 （４）（５）外向フランジ （６）（７）ボルト孔 （８）通気ポート （９）環溝 （10）環状突条 （11）半円溝 （12）弁板 （13）枢支ピン （14）取付ボルト

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通気ポートが穿設され、その軸線方向すな
   わち前後方向に２分割されるとともに、前後両端に、そ
   れぞれ連結用の外向フランジを備える前後２個の半割弁
   筐体の一方における他方との対向面に、前記通気ポート
   を囲む環溝を設け、かつ他方の半割弁筐体の対向面に、
   環溝と嵌合しうる前記環状突条を設け、さらに両対向面
   には、通気ポートの中心軸を横切る半円溝を設け、 バタフライ式排気バルブにおける弁板を通気ポートに、
   同じく弁板の両側へ突出する枢支ピンを前記半円溝に嵌
   入させるとともに、前後の半割弁筐体同士を対向させて
   連結することにより、前記弁板および枢支ピンを、前後
   の半割弁筐体で挟み込んだことを特徴とするバタフライ
   式排気バルブ。