JP2784437B2 - 圧縮機用ベーン - Google Patents

圧縮機用ベーン

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JP2784437B2
JP2784437B2 JP6023619A JP2361994A JP2784437B2 JP 2784437 B2 JP2784437 B2 JP 2784437B2 JP 6023619 A JP6023619 A JP 6023619A JP 2361994 A JP2361994 A JP 2361994A JP 2784437 B2 JP2784437 B2 JP 2784437B2
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vane
rotor
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文夫 清田
達生 藤田
修史 横関
勝美 滝口
学 品田
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、冷媒ガス等の気体を圧
縮するベーン型圧縮機に適するベーンに関するものであ
る。 【0002】 【従来技術】ベーン型圧縮機は、たとえば、通常円筒型
又は楕円型の内筒形状を有するシリンダブロックの両側
にサイドプレートが固定されて圧縮機本体が構成されて
おり、この圧縮機本体内にローターを配置し、このロー
ター又はシリンダブロックには放射方面に向けて複数個
のベーン溝を設け、ベーンを出没自在に挿入し、このベ
ーンを前記シリンダブロックの内周面又はローターの外
周面に押しつけながら前記ローターを回転させることに
よりベーンで仕切られた圧縮室の気体を圧縮するように
なっている。このベーン型圧縮機は、冷蔵庫や車両に積
載されて空調を行なう目的で多用されている。従来のベ
ーン型圧縮機の主要部品の構成について説明する。 【0003】シリンダブロックは、摺動特性や機械加工
性が良好なことから片状黒鉛鋳鉄が一般的に用いられて
いる。ローターは、軸と一体の鋼材や、鉄系の焼結合金
のローターを鋼製軸に圧入したものが多く用いられてい
る。サイドプレートは、ローターやベーンと摺動する面
の耐焼付性が求められることから、保油性の良好な材料
である片状黒鉛鋳鉄や鉄系の焼結合金が多く用いられて
いる。以上のように、摺動上からの材料組合せや、ロー
ターとシャフトの結合については配慮されたものとなっ
ている。しかし、次のような問題点を有している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】シリンダブロックとベ
ーンの間では、焼付やベーンの摩耗が問題となってい
る。特に、低速高負荷のような温度が上昇する使用条件
下では、摺動面間の油膜が薄く切れ易くなるために、ベ
ーン及びシリンダブロック内周面に著しい摩耗を発生す
る。ローターとベーン間では、ローターの溝面とこれに
摺動するベーンの側面との間の焼付が問題となってい
る。たとえば、ベーンはローターの溝の中を往復動する
が、この部品は潤滑効果が不十分なため摩耗と焼付が生
ずる。ローターの材質を高Siアルミニウム合金とするこ
とで、焼付の傾向は緩和されるが、始動時には潤滑油の
皮膜が摺動面に存在しないために、始動の繰り返しによ
り摺動面に発生する傷が大きくなり、やがて焼付を発生
してしまう。それ故に、本発明は、前述した従来技術の
不具合を解消させることを解決すべき課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
を解決するために、密閉された容器内に圧縮機構が配さ
れ、該圧縮機構にて気体を圧縮するベーン型圧縮機に使
用するベーンにおいて、前記ベーンは、相手部材とその
外周面と側面とで摺接するとともに、半径方向に出没自
在であり、該ベーンの外周面又は外周面と側面とがイオ
ンプレーティング層を有し、イオンプレーティング層が
金属クロムと窒化クロムとの微細な混合相からなる層で
あることを特徴とする圧縮機用ベーンを提供する。 【0006】ベーンはシリンダブロックと摺動する頂部
を、厚さ1〜20μm の金属クロムと窒化クロムとの均
一微細な混合相、且つ前記ローターの溝部と摺動する前
記ベーンの側面に1〜20μm の厚さの硬質の同種のイ
オンプレーティング皮膜を設ける。 【0007】 【作用】シリンダブロックはベーン頂部に設けられたイ
オンプレーティング皮膜と優れた摺動上の相性が得られ
る他に、シリンダブロックの剛性、強度が確保される。
このシリンダブロックの内周面と摺動接触するベーンの
頂部は、厚さ1〜20μm の硬質イオンプレーティング
膜を設けることで、両部材間の摩耗と焼付は実用上問題
の無いレベルとなった。硬質イオンプレーティング膜の
厚さが1μm 未満では長期間での摩耗に耐えず、又下地
にアルミニウム合金を用いたとき、該アルミニウム合金
の硬度が低い場合には負荷される荷重によって陥没が起
る。他方20μm を超える場合は密着性が悪くなり、下
地から剥離し易くなる。硬質イオンプレーティング膜と
しては、クロムと窒素とからなる皮膜が用いられる。ク
ロムと窒素とからなるイオンプレーティング膜はHMV
1500〜2200程度の硬度が得られる。特に好まし
く皮膜がクロムと窒化クロムとの混在した組織を有し、
且つ硬度がHMV1500〜2000の領域にあること
である。 【0008】ローターの溝部と摺動するベーンの側面に
前述した金属クロムと窒素を主成分とするイオンプレー
ティング皮膜を1〜20μm 設けることにより従来の摺
動上の問題を解決した。皮膜の組成、その作用及び硬度
は前記ベーンの頂部に施したものと同様である。 【0009】 【実施例】先ず、ベーン型圧縮機の構造について図1、
図2を用いて説明する。図中にて、楕円形の内周面を有
するシリンダブロック1の前後開部に一対のサイドプレ
ート2a、2bが固定されて圧縮機本体が構成されてい
る。この圧縮機本体3内には、円筒状のローター4が配
置されており、このローター4の鋼製シャフト5が結合
されている。この鋼製シャフト5は前記のサイドプレー
ト2a、2bの軸受部6a、6bに支持され、且つ端部
から駆動力を受け入れるようになっている。前記ロータ
ー4には放射方向に向けて5箇所にベーンを収納するベ
ーン溝7が設けられ、それぞれのベーン溝にはベーン8
が出没自在に挿入されている。圧縮機本体3内には、シ
リンダブロック1、サイドプレート2a、2b、ロータ
ー4及びベーンで囲まれて成る圧縮室9が設けられてい
る。 【0010】圧縮機本体3の周囲は、一方のサイドプレ
ート2aに密着固定されたヘッドブロック10と、ヘッ
ドブロック10に密着固定されたケース11とに囲まれ
ている。このケース11には吐出口12は、圧縮機本体
3とケース11に囲まれてなる高圧室14に通じ、吸入
口13はカバー15により高圧14から区切られた低圧
室16に通じている。上記高圧室14はシリンダブロッ
ク1に設けられた吐出弁17が開くと、吐出孔18を介
して圧縮室9からの気体が流入し、一方、低圧室16は
サイドプレート2a、2bに形成された吸入孔19を介
して圧縮室9へ気体を送り込むようになっている。 【0011】又、高圧室14の下部はオイル溜まりとな
っており、このオイル溜まりに溜められた潤滑油は、高
圧室14の圧力により、サイドプレート2a、2bの縦
方向に形成された供給孔20a、20b、軸受部6a、
6b及びサイドプレート2a、2bの内面に形成された
供給溝21を介してベーン8をシリンダブロック1の内
周面に押しつけるとともに、ベーン溝7とベーン8との
間の潤滑、サイドプレート2a、2bと該サイドプレー
トと対向するローター4の端面の間の潤滑、軸受部の潤
滑を行なう。ローター4が回転して1つのベーン8が吸
入孔19を通過する間に、該1つのベーン8と先行する
ベーン8との間に構成された圧縮室9内に低圧室16か
ら気体が吸入され、この気体は1つのベーン8が吸入孔
19を通過すると、該圧縮室9内に閉じ込められ、該圧
縮室9の容積が小さくなるに従って圧縮され、先行する
ベーン8が吐出孔18を通過すると吐出弁17が開いて
高圧室14に吐出される。尚ベーンのチャタリングを防
止するため背圧室22は供給溝21より隔離されて独立
した空間となる。 【0012】ベーン材としての供試材はエアアトマイズ
により得た急冷凝固された粉末を冷間静水圧プレスで圧
縮成形し、これを熱間押出したものである。その素材を
切断後熱処理(T6処理)し、機械加工及び表面処理を
行なった。その分析値、硬度測定結果、熱膨張率(RT
〜300℃)測定結果を表1に示す。 【0013】 【表1】 【0014】ベーンは押出素材を切断しT6の熱処理後
所定形状に加工したものをイオンプレーティング工程に
向けた。硬質イオンプレーティングはベーンを治具にセ
ットしその状態で表面を超音波洗浄後、脱脂処理し反応
性イオンプレーティング装置の真空容器内に取付ける。
容器内を10-5Torr程度の高真空にした後、内蔵するヒ
ーターでベーンを200〜300℃に加熱しアルゴンガ
スを導入して0.2Torr程度としてスパッタリングを行い
ベーン表面の洗浄化を完全なものとする。次に容器内に
窒素ガスを導入しTiやCr等の蒸発速度に応じた所定の窒
素ガス分圧になるよう流量弁を調整する。蒸発材料とし
てTi、Ti合金のブロック、Cr、Cr合金のブロック又はTi
粉末とCr粉末の混合圧粉体をあらかじめ真空容器内に複
数設けられている水冷銅ルツボの中にセットしておき、
ホローカソード型の電子銃により前述の材料を蒸発させ
る。各々のベーンの、ローターと摺動する側面とシリン
ダブロックと摺動する頂面に以下に説明する4種類の皮
膜を設けた。金属チタンと窒化チタンとの均一微細な混
合相でなる皮膜をイオンプレーティングにより設けラッ
プ仕上げとした。前記皮膜のイオンプレーティングは、
水冷銅ルツボ内にチタンブロックをセットしそれを電子
ビームで照射蒸発させることにより行なった。得られた
窒化チタンの厚さは2〜4μm で硬度はHMVで230
0〜2700であった。 【0015】金属クロムと窒化クロムとの均一微細な混
合相でなる皮膜をイオンプレーティングにより設けラッ
プ仕上げとした。水冷銅ルツボ内にクロムブロックをセ
ットし電子ビームで照射し蒸発させることにより行なっ
た。得られた皮膜の厚さは、5〜10μm で、硬度はH
MVで1500〜1800であった。 【0016】金属チタンと金属クロム、及び窒化チタン
と窒化クロムとの均一微細な混合相でなる皮膜をイオン
プレーティングにより設けラップ仕上げとした。前記水
冷銅ルツボの中にTi粉末とCu粉末の混合圧粉体(50:
50)をセットしておき、電子ビームで照射し蒸発させ
ることにより行った。得られた皮膜の厚さは2〜3μm
で硬度はHMVで1500〜2300であった。金属T
i、金属Al及び金属Vと窒素とからなる皮膜をイオンプ
レーティングにより設けラップ仕上げとした。前記水冷
銅ルツボ内にTi−6Al−4V合金のブロックをセット
し、電子ビームで照射し蒸発させることにより行った。
得られた皮膜の厚さは2〜3μm で硬度はHMVで26
00〜2700であった。皮膜を蛍光X線分析をした結
果Tiの他にAlとVが含まれていることを確認した。 【0017】表面にイオンプレーティングしたベーンを
図示ベーン型圧縮機を組み立てた。尚、比較のために、
表面処理を施さない組合せを含めて表2に示す組合せに
てコンプレッサーを構成し耐久テストを行なった。耐久
テストの条件は回転数550r.p.m で連続運転し、吐出
圧力を28kg/cm2 G、吸入圧力を4kg/cm2 Gの過負
荷状態として、トルク変化及びオイルの汚れを監視し、
異常時に止めて、コンプレッサーを分解し各部品の摺動
面の目視評価を行なった。尚、トルク及びオイルの汚れ
に異常の無いものについては、250時間運転後停止
し、同様の分解調査を行なった。表3に、各組合せで耐
久テストした結果を示す。 【0018】 【表2】【0019】 【表3】 【0020】比較例では、オイルの汚れにより1〜14
時間の運転で停止している。これに対し、本発明の実施
の組合せでは250時間運転後開放しての調査結果で
は、摩耗は進行しているものの運転に故障はなかった。 【0021】 【発明の効果】シリンダブロックの内筒部内周面に摺接
するベーンの先端部及びローターの溝部と摺接するベー
ンの側面にイオンプレーティング皮膜を設けることによ
り耐久性の優れたベーン型圧縮機とすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一例のベーンを用いている圧縮機の断
面図である。 【図2】図1の矢視A−Aよりみた断面図である。 【符号の説明】 1 シリンダブロック 2a、2b サイドプレート 4 ローター 5 シャフト 7 ベーン溝 8 ベーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横関 修史 新潟県柏崎市北斗町1番37号 株式会社 リケン 柏崎事業所内 (72)発明者 滝口 勝美 新潟県柏崎市北斗町1番37号 株式会社 リケン 柏崎事業所内 (72)発明者 品田 学 新潟県柏崎市北斗町1番37号 株式会社 リケン 柏崎事業所内 (56)参考文献 特開 昭55−107094(JP,A) 特開 昭59−93870(JP,A) 特公 昭55−36072(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04L 18/344 351

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.密閉された容器内に圧縮機構が配され、該圧縮機構
    にて気体を圧縮するベーン型圧縮機に使用するベーンに
    おいて、前記ベーンは、相手部材とその外周面と側面と
    で摺接するとともに、半径方向に出没自在であり、該ベ
    ーンの外周面又は外周面と側面とがイオンプレーティン
    グ層を有し、イオンプレーティング層が金属クロムと窒
    化クロムとの微細な混合相からなる層であることを特徴
    とする圧縮機用ベーン。
JP6023619A 1994-01-27 1994-01-27 圧縮機用ベーン Expired - Lifetime JP2784437B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5536072B2 (ja) * 1974-01-21 1980-09-18
JPS59200868A (ja) * 1983-04-28 1984-11-14 Hitachi Metals Ltd ピストンリング
JPS6137960A (ja) * 1984-07-28 1986-02-22 Tadanobu Okubo 金属表面加工方法

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