JP2520378B2 - 斜板式圧縮機 - Google Patents

斜板式圧縮機

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JP2520378B2
JP2520378B2 JP62052981A JP5298187A JP2520378B2 JP 2520378 B2 JP2520378 B2 JP 2520378B2 JP 62052981 A JP62052981 A JP 62052981A JP 5298187 A JP5298187 A JP 5298187A JP 2520378 B2 JP2520378 B2 JP 2520378B2
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勝美 滝口
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株式会社 リケン
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
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    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
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    • F04B27/0878Pistons
    • F04B27/0886Piston shoes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は、冷媒ガス等の気体を圧縮する斜板式圧縮機
に関するものである。特に摺動部品の材料と表面処理の
最適組合せによる摺動特性の向上、およびアルミニウム
合金製斜板と鋼製回転軸との結合構造の改善により、車
両積載空調用として軽量で高寿命の圧縮機に関するもの
である。
(従来技術と問題点) 斜板式圧縮機は、一般に第1図に示すように、シリン
ダブロック1内に配置された回転軸2に取付けられ、回
転軸2とともに回転する斜板3、斜板3に接しながら摺
動されるシュー4、及び斜板3をまたいでシュー4によ
って係留されるピストン5を少なくとも含む。回転軸2
とともに回転する斜板3の回転運動は、シュー4によっ
てピストンの往復運動に変換される。このような構造に
よって冷凍回路を循環してきた冷媒ガス等の被圧縮媒体
は、ピストン5にてシリンダボア6内で高圧に圧縮さ
れ、ふたたび冷凍サイクル回路へと送り出される。
このような斜板式圧縮機が、車両積載空調用として用
いられる場合は非常に苛酷な作動条件にさらされる。近
年は車両の軽量化、小型化、前輪駆動化がすすみ、ボン
ネト内に取付けられる圧縮機も小型軽量化が要求され、
圧縮機内のオイルポンプは取り外され、外部の冷凍回路
より圧縮機に戻った油を含んだ冷媒もしくは圧縮機内に
戻り冷媒より分離された油を、圧縮機の各摺動部分に巡
回させて潤滑する方式がとられるようになった。
この潤滑方式では圧縮機の回転数の高い場合は比較的
大量の帰還冷媒があるために、各摺動部への潤滑は充分
に行なわれるので問題は生じない。しかし、圧縮機は駆
動源のエンジンとほぼ同一の回転数となるように取付け
られるため、エンジン回転数の範囲すなわち500〜6000R
PMの広い回転範囲で使用される。このため、帰還冷媒が
少ない低回転の場合には各摺動部への潤滑が不十分とな
り、摩耗が進行したり焼付現象を生じる。また圧縮機は
ボンネット内に取付けられるため、排気対策の機器や燃
料消費改善のための機器の設置によりボンネット内は高
温となり、圧縮機の高温となり潤滑油の粘度が低下し潤
滑効果も低下し、前述の摩耗や焼付の問題が生じやすく
なっている。
以上説明したような厳しい条件で使用される斜板式圧
縮機において、最も問題となる部分は第1図で示した斜
板3とシュー4との摺動部分である。前述のようなエン
ジン回転数と対応するため、斜板3とシュー4間の摺動
速度は、機種によっても異なるが、略2〜25m/secもの
広い範囲におよぶ。通常走行時でも略7〜15m/secの高
速で摺動する。このような摺動速度に加えて、シリンダ
ボアの断面積に冷媒の圧縮圧力をかけた大きな荷重がシ
ュー4には負荷される。荷重は機種によっても異なる
が、通常運転時では略100〜200kg/cm3程度である。従っ
てPV値は3000kg/cm2・m/secと非常に大きな値である。
さらに、シュー4と斜板3の間はスラスト摺動であるた
め油膜の形成が困難であるため、シュー4と斜板3の間
では固体接触の状態となるいわゆる境界潤滑下にされさ
れることから焼付や摩耗を生じやすい。さらに、前述の
ように圧縮機内のオイルポンプは取り外され、外部の冷
凍回路より圧縮機に戻った油を含んだ冷媒もしくは圧縮
機内に戻り冷媒より分離された油を圧縮機の各摺動部分
に巡回させて潤滑する方式がとられるようになっている
ため、斜板とシューとの摺動面には始動から数十秒、長
いときには数分間潤滑油が供給されない状態でシュー4
と斜板3は摺動する。また、長期間の使用で冷媒がリー
クし冷媒が不足した状態で運転される場合は、潤滑状態
は非常に苛酷なものとなる。また昼夜の温度差が大きい
環境下での運転初期や、不足した冷媒を充填する作業時
では、冷媒が液化した状態で運転される場合があり、そ
の場合には潤滑油が冷媒で洗われて摺動面に存在しなく
なるばかりでなく、シリンダボア内で液体を圧縮する状
態となり、シリンダボア内の圧力は100〜150kg/cm2にも
達し、定常の運転状態の4〜6倍もの負荷荷重となるた
め、焼付を発生しやすい。従って、従来生じている斜板
式圧縮機のトラブルの殆どは、斜板とシューの間の焼付
である。
また、斜板式圧縮機も軽量化が必要なためシリンダブ
ロック1やハウジング7、8、ピストン5などがアルミ
ニウム合金化され、さらに従来鋳鉄製であった斜板も高
ケイ素アルミニウム合金化されてきた。斜板を高ケイ素
アルミニウム合金とすると、アルミニウム合金基地中に
分散する硬い初晶ケイ素によってシューの摩耗が発生し
やすくなった。この対策として、シューの斜板との摺動
面に種々の処理を施すこことが提案されている。特公昭
60−54516では浸ボロン処理層を設ける提案、特開昭55
−128681では炭化物層を設ける提案が、特開昭54−6720
9ではイオン窒化層を設ける提案等である。しかしこれ
らの対策ではいずれも不充分であり、現在シューは焼き
入れした高硬度の高クロム炭素鋼(SUJ−2)が使用さ
れている。また斜板については、前記の提案(特公昭60
−54516)で、Siが20%の実施例がありまた詳細説明の
末尾に「斜板を構成する高ケイ素アルミニウム合金中に
鉛か錫もしくはその両方を添加することも可能である」
との記述があるが、実施例はなく鉛や錫の添加効果につ
いて言及説明されていない。本発明人の予備実験では、
高ケイ素アルミニウム合金に錫を単独もしくは鉛と併せ
て添加すると、錫の量で0.1%以上添加したものは、鋳
造材にクラックを生じ、又著しく強度が低下した。また
鍛造性については熱間といえども割れが小変形の過程で
生じ鍛造は全く不可能であった。また鉛の添加は、通常
のDC鋳造方法では初晶Siが粗大化し、また初晶Siの偏析
が著しくなる結果が得られた。そのため熱間鍛造により
初晶Siが割れ、内部欠陥を多く内在した強度や靱性の低
い鋳造材しか得られなかった。また初晶Siの偏析によ
り、初晶Siの殆ど存在しない部分を生じ、鉛を添加しな
いものよりもかえって摺動特性は悪化した。
上述のように、現在多用されている高硬度のSUJ−2
材のシューと高ケイ素アルミニウム合金の組合せでは、
シリンダボアの大きいすなわち負荷荷重の大きい機種
や、斜板径の大きい即ち摺動速度の大きい機種では、有
効な摺動対策となり得えず、依然として強靱鋳鉄の焼き
入れ材を斜板とし、相手シューには高ケイ素アルミニウ
ム合金とする組合せで使用されている。これらの機種で
は、軽量化を目的として斜板をアルミニウム合金とする
ためには、更に耐摩耗性や耐焼付性のよい材料組合せが
強く求められていた。
(発明の目的) 本発明は、上記のような理由で斜板のアルミニウム化
がなされていなかったシリンダボア径がおおきく、且つ
そのピッチ円が大きい斜板式圧縮機の摺動上の問題点を
改良した材料組合せによって軽量な圧縮機を得ることを
目的としなされたものである。
(発明の構成) 本発明では、シリンダブロック内において回転軸によ
り回転される斜板と、該斜板にシューを介して係留され
たピストンを有し、該斜板の回転に応じて前記ピストン
がシリンダボア内を往復運動するようにされた斜板式圧
縮機において、斜板を高ケイ素アルミニウム合金で形成
し、シューを鋼製材とし且つ少なくとも斜板と摺接する
面に2〜30μmの厚さの硬質イオンプレーティイグ皮膜
を設けた組合せからなることを特徴とする斜板式圧縮機
である。本発明での前記シューに設ける硬質イオンプレ
ーティイグ皮膜は、チタンとクロムの内の1種もしすは
併せたものと、窒素とからなることが望ましく、また前
記斜板については、鉛を0.5〜3%含有した高ケイ素ア
ルミニウム合金であることが望ましい。
(発明の構成要素及び作用の詳細説明) 本発明では、斜板を高ケイ素アルミニウム合金で構成
するが、その目的は軽量化及び後述するシューとの組合
せによる摺動特性の改良である。この斜板として用いる
材料としては、Si:14〜20%、Cu:3〜8%、Mg:0.2〜2.0
%を必須の構成成分とし残部が実質的にAlからなる高ケ
イ素アルミニウム合金で更にPbを必要により0.5〜3%
含有したものが最も好ましい。
Siが14%未満では基地中に分散する初晶Si粒子の数が
不足し、斜板の摩耗やシューとの間での焼付を生じる。
他方20%を越えると初晶Siが粗大化し斜板の強度や靱性
を低下させる。CuとMgは熱処理によりアルミニウム合金
の基地の強度を確保する目的で不可欠の元素である。Cu
は3%未満では熱処理による時効効果でも満足する強度
が得られず、他方8%を越えると晶出する化合物が著し
く粗大化し斜板の靱性を損う他、耐食性が低下する。Mg
は0.2%未満では熱処理による時効効果でも満足する強
度が得られず、2.0%を越えると靱性が低下する他、熱
間鍛造が困難となる。なおPbを必要により0.5%から3
%含有させるとPbは初晶Si粒子の中やその近傍に析出す
るため潤滑油が不足した運転条件下での耐焼付性を高め
る。また機械加工時の工具の寿命を長くする製造上の効
果がある。Pbの量は0.5%未満では機械加工面での効果
はあるが耐焼付性への効果は無く、他方3.0%を超える
と良好な組織の連続鋳造材の製造が出来ない。すなわち
初晶Siが著しく粗大化した鋳造組織となり、熱間鍛造時
に初晶Siが割れて、その部分に微小な空隙を生じるた
め、斜板としての使用時にこの部分が内部欠陥として応
力集中を受け疲労強度を著しく低下させてしまう。
斜板の製造は、このような組成のアルミニウム合金を
CD鋳造に比べて冷却速度の早いホットトップ式の連続鋳
造方法によりφ50〜60mmの細径丸棒とし、これを切断後
熱間鍛造により斜板に近い鍛造素材とし、T6もしくはT7
の熱処理後機械加工により所定の形状に仕上げられる。
その後中央の穴部に鋼製軸を圧入し使用する。ホットト
ップ式鋳造では、冷却速度が速く初晶Siを均一微細なも
のとすることが出来る他、鉛を添加した鋳造材でも前述
の成分範囲内に限れば初しSiの粗大化や偏析なしに製造
出来る。また鍛造では鋳造組織を破壊することで材料の
強靱性を高めるが、鍛造によるメタルフローは斜板に負
荷される応力方向に対し出来るだけ直角となるような方
法での鍛造が良い。
シューは高炭素鋼は高クロム軸受鋼を切断し、冷間鍛
造して予備形状とし、さらにサイジング金型中で鍛造し
球面の寸法精度を高めた後熱処理により所定の硬度とす
る。その後底面を研磨して少なくとも斜板と摺接する底
面の平坦部にイオンプレーティングによる硬質皮膜を2
〜30μmの厚さで設ける。皮膜の厚さが2μmより薄い
と長期間の使用で摩耗してしまう。他方30μmをこえる
と皮膜がはく離しやすくなる。イオンプレーティング皮
膜はTiとCrの内1種または合せたものと、窒素とからな
る皮膜が前記斜板と組合せた場合、すぐれた摺動特性が
得られる。Crと窒素からなる皮膜は、Crの蒸発速度がTi
に比べて速いためイオンプレーティングの処理が短時間
で済む利点がある他に、得られる皮膜の密着性がTiを用
いた場合よりも優れている。従って、Crと窒素からなる
皮膜を下地とし次にTiと窒素からなる皮膜をその上につ
けるとはく離しにくい皮膜が得られる。
イオンプレーティングはシューを治具にセットしその
状態で表面に超音波洗浄後、脱脂処理し反応性イオンプ
レーティング装置の真空容器内に取り付ける。容器内を
10-5Torr程度の高真空にした後、内蔵するヒーターでシ
ューを400℃に加熱しアルゴンガスを導入して0.2Torr程
度としてボンバードを行ないシュー表面の洗浄化を完全
なものとする。次に容器内に窒素ガスを導入しTiやCrの
蒸発速度に応じた所定の窒素ガス分圧になるよう流量弁
を調整する。蒸発材料としてTiのブロック、Crのブロッ
クもしくはTi粉末とCr粉末の混合圧粉体をあらかじめ真
空容器内に複数設けられている水冷銅ルツボの中にセッ
トしておき、ホローカソード型の電子銃により前述の材
料を蒸発させる。なお、下地にCrと窒素からなるイオン
プレーティング膜を設け、その上にTiと窒素からなるイ
オンプレーティング膜を設ける場合には、最初はCrのブ
ロックを入れた水冷銅ルツボからCrを蒸発させ所定時間
後に水冷銅ツルボを回転移動させてTiのブロックを入れ
た水冷銅ツルボからの蒸発に切換えることにより行う。
所定の皮膜厚さとなるに必要な時間の経過後、イオンプ
レーティングを中止しシューを容器外に取り出し、その
まま、もしくは軽いバレル仕上げを行なって寸法確認
後、圧縮機に組み込む。
実施例−1 先ず、第2図に上面図、第3図側面図で示したシュー
実体摩擦摩耗試験機により種々の材料組合せで耐焼付性
の評価試験を行った。図中10は図示しない回転動力伝達
機構から回転される軸であり、軸受9で支承され、斜板
用材料の円板状テストピース11が取付けられている。軸
10と平行に設けられ、且つ図示しない支持部により固定
されている軸12に直進及び回転自在となるように取付け
られたホルダー13には、油圧シリンダー14が設けられて
おり、ピストン15によりシュー16を両側から斜板用材料
からなる円板状テストピース11を挟みつける構造となっ
ている。なお、シューは自転が可能なように取付けられ
ている。ホルダー13にはウエイトバランサー17が設けら
れており軸12を支点としてのバランスを調整する。円板
状テストピース11とシュー16との間の摩擦力は、ピアノ
線18を介して引張り型のロードセル19に伝達される。ロ
ードセルからは図示しないストレンアンプで増幅され記
録計に記録される。なお、油圧シリンダーへの油圧は図
示しない油圧ユニットからサーボバルブを介して所定の
圧力が負荷されるようになっている。円板状テストピー
ス材料としては、表1に示すT−6処理した各種アルミ
ニウム合金を用いた。
シューはSUJ−2材をパーツフォーマーによる冷間鍛
造で半球形に近い予備成形体とし、サイジング金型型中
で鍛造し球部の寸法精度を高めた後熱処理により所定の
硬度とする。その後底面を研磨してイオンプレーティン
グによる硬質皮膜4aを2〜30μmの厚さで設ける。イオ
ンプレーティングの方法は前述の通りである。試験に供
したシューのイオンプレーティング皮膜の種類及び皮膜
の厚さ、硬度の測定結果、X線回折による皮膜の結晶構
造は第2表に示す通りであった。なおS−6は比較材
で、SUJ−2材(硬度:HRC62)をそのまま用いた。
試験条件 周速:10m/sec 潤滑油:コンプレッサーオイル(スニソ5GS) 潤滑方法:フエルト塗布(油量:0.5cc/min) 荷重:60kgから開始し30kgきざみでステップ昇圧、各荷
重段階では10分間保持 テストピースの表面粗さ 円板状テストピース:0.8〜1.0S シュー:0.3〜0.4S 焼付の評価は摩擦係数が0.03となった荷重点を焼付発
生荷重とする。
円板状テストピースとシュー材の組合せと試験結果の
焼付発生荷重を第3表に示す。
尚、S−6のシューにイオン窒化やガス窒化を施した
ものについても、同様の試験を実施したが、いずれも30
0kg以下の低い荷重で焼付を発生した。
以上のように、本発明の組合せでは、潤滑油の供給が
少ない試験条件下であるにもかかわらず、耐焼付性が優
れている。特に、斜板に鉛を分散させた斜板材との組合
せでは更に耐焼付性の向上が認められる。高ケイ素アル
ミニウム合金中の鉛はオイル溜りとしての作用によるも
のと考えられる。特に初晶Siの中又は初晶Siに近傍に存
在するため、摺動の機械的応力によってもつぶされるこ
とがないため油溜りとしての効果は長く持続するものと
考えられる。
(実施例−2) 実施例−1に用いたシュー実験摩擦摩耗試験機によ
り、下記の条件で摩耗試験を行った。
試験条件 周速:8m/sec 潤滑油:コンプレッサーオイル(スニソ5GS) 潤滑方法:噴霧潤滑(油量:10cc/min) 荷重:300kg一定 走行距離:500km テストピースの表面粗さ 円板状テストピース:0.8〜1.0S シュー:0.3〜0.4S 材料の組合せと摩耗試験の結果を第4表に示す。摩耗
量の測定は、シューでは球状の凹部を設けた基準ゲージ
にシューをセットした状態で試験前後の寸法をダイヤル
ゲージで測定しその差を摩耗量とした。円板状のテスト
ピースの摩耗量は、試験後の円板部の表面を粗さ計で測
定しその記録チャートから凹部の最大深さを摩耗量とし
た。
第4表の結果から、SUJ−2のシューでは斜板材の摩
耗量は少ないが、シューの摩耗が多い傾向にある。本発
明の組合せではシュー、斜板材料とも摩耗量は少ない。
高ケイ素アルミニウム合金中の鉛の有無は摩耗には影響
はない。
(実施例−3) 次に斜板とシューを実施例−2の材料組合せとして圧
縮機を組立て、下記の条件下でベンチにて実機試験を実
施した。
圧縮機:6気筒の斜板式圧縮機 (シリンダボア径:36mm、 シンダボアのP.C.D:66mm、 総排気量:150cc) 回転数:4000rpm 吐出ガス圧:5〜5.5kg/cm2 吸入側ガス圧:約−50mmHg 運転時間:最高20時間 潤滑油:コンプレッサーオイル(スニソ5GS) 100cc 封入冷媒量:240g(正規量の20%) 運転中、トルクメーターのトルクを自動監視し定常ト
ルクよりも5%増加した時は自動停止するようにした。
本発明のシューと斜板の組合せでは何れも異常がなく20
時間の運転に耐えた。テスト後の分解調査の結果でも焼
付は認められなかった。しかし比較の組合せNo.7のもの
は5時間で、No.8のものは8時間でトルクの増加により
停止し分解調査の結果、シューと斜板の間で焼付を発生
していることが確認された。
シューをSUJ−2材で製造した例を記したが、シュー
をステンレス鋼で製造してもよく、この場合、イオンプ
レーティング層の密着性が良い。イオンプレーティング
の蒸発源としてCr又はTiの他に、Feを10−20%含有させ
たものを用いてもよい。この場合、イオンプレーティン
グ層の効果はほゞ前者と同じである。
(比較例1) 比較のため実施例−1における円板状テストピースP
−1及びP−2並びに表面をイオン窒化処理を施したシ
ューを用い実施例−1と同様に試験し、以下の結果を得
た。
供試材内容(イオン窒化品) 試験条件(実施例−1に準ずる) 周速:10m/sec 潤滑油:コンプレッサーオイル(スニソ5GS) 潤滑方法:フェルト塗布(油量:0.5cc/min.) 荷重:60kgから開始し30kgきざみでステップ昇圧、各荷
重段階では10分間保持 テストピースの表面粗さ 円板状テストピース:0.8〜1.0s シュー:0.3〜0.4s 焼付の評価は摩擦係数が0.03となった荷重点を焼付発
生荷重とする。
試験結果 以上の内容と実施例−1の第3表を比較した結果、本
発明品はイオン窒化シューより耐焼付性に優れることが
判った。
(比較例2) 次に斜板とイオン窒化シューの組合せで圧縮機を組み
立て、下記条件下でベンチにて実機試験を行った。
圧縮機:6気筒の斜板式圧縮機(シリンダボア:36mm、シ
リンダボアのP.C.D:66mm、総排気量:150cc) 回転数:4000rpm 吐出ガス圧:5〜5.5kg/cm2 吸入ガス圧:約−50mmHg 潤滑油:コンプレッサーオイル(スニソ5GS)100cc 封入冷媒量:240g(正規量の20%) 運転中はトルクメータのトルクを自動監視し、定常ト
ルクよりも5%増加した時は自動停止するようにした。
イオン窒化シューは斜板がP−1に相当するもので12時
間、斜板がP−2に相当するもので14時間で何れもトル
ク増加により停止し、分解調査の結果、シューと斜板間
で焼付が発生していることが確認された。
この結果からも本発明品が、イオン窒化シューより耐
焼付性に優れることが判った。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば従来斜板のアルミニウ
ム化が困難であったシリンダボアの大きい、すなわち負
荷荷重の大きい機種や、斜板径の大きい即ち摺動速度の
大きい機種での摺動特性を大幅に改良した材料組合せで
圧縮機の軽量化が可能となる。シューは寸法の小さい部
品であるため、イオンプレーティングの装置で一度に多
量処理が出来るため経済性も優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は斜板式圧縮機の構成を示す断面図である。第2
図は比較試験に用いたシュー実体摩擦摩耗試験機の上面
図、第3図はその側面図、第4a、4b、4c、4d図はそれぞ
れ本発明のシューの実施例を示す断面図である。 図中 3……斜板、4……シュー、4a……イオンプレーティン
グ皮膜層、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝口 勝美 柏崎市剣野町18―18 (56)参考文献 特開 昭54−67209(JP,A) 特開 昭54−163414(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダブロック内において回転軸により
    回転される斜板と、該斜板にシューを介して係留された
    ピストンを有し、該斜板の回転に応じて前記ピストンが
    シリンダボア内を往復運動するようにされた斜板式圧縮
    機において、鉛を0.5〜3%含有した高ケイ素アルミニ
    ウム合金で形成した前記斜板と、少なくとも斜板との摺
    動面に2〜30μmの厚さの硬質イオンプレーティング皮
    膜を有するシューとを備え、該硬質イオンプレーティン
    グ皮膜が少なくともチタン又はクロムの窒化物からなる
    皮膜であることを特徴とする斜板式圧縮機。
JP62052981A 1987-03-10 1987-03-10 斜板式圧縮機 Expired - Lifetime JP2520378B2 (ja)

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