JP2784310B2 - セグメント溝注入用止水材組成物 - Google Patents
セグメント溝注入用止水材組成物Info
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Description
水材組成物に関する。詳しくは、硬化物の強度、耐久性
及び止水性が極めて優れた、組み立て後のセグメント溝
へ注入される止水材組成物に関する。
ら、セグメント接合部の止水に、予めセグメント全周囲
に止水溝を形成し、セグメント組み立て後にその止水溝
に止水材を注入、充填することが知られている。
222号公報には、水と反応してゴム状樹脂化するイソ
シアネート化合物からなる水溶性プレポリマーが、特開
昭50−136931号公報には、ホットメルト型シー
ル材が開示されている。また、止水材としては、前者の
ポリウレタン系止水材が好ましいが、この特公昭48−
6222号公報に記載の物質は、基本的に水と反応して
発泡体を形成するものであるため、強度及び耐水圧の点
が不充分であった。一方、止水材やシール材として、ポ
リウレタン系を始めとする種々の水膨張性物質が提案さ
れている。しかしながら、これをそのままセグメント溝
注入用止水材として用いても、反応性のコントロールな
どが難しく実用的ではない。従って、本発明の目的は、
硬化物の強度、耐久性及び止水性の極めて優れたセグメ
ント溝注入用止水材組成物を提供することにある。
を重ねた結果、水膨張性液状物質と水とからなるセグメ
ント溝注入用止水材組成物が上記目的を達成し得ること
を知見し、本発明に到達した。
組成物について詳述する。本発明において使用する水膨
張性液状物質とは、未硬化状態では液状で、硬化すると
水膨張性弾性体となるもので、液状水膨張性ウレタンプ
レポリマーが好ましく用いられる。
としては、下記〔化2〕(〔化1〕と同じ)の一般式で
示されるポリエーテルポリオールの1種又は2種以上の
混合物をポリイソシアネートと反応させて得られる末端
NCO含量が1〜12%の液状水膨張性ウレタンプレポ
リマーを挙げることができる。
価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコ
ール等)、三価アルコール(グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等)、四価アルコール(エリトリット、ペン
タエリトリット等)、五価アルコール(アラビット、キ
シリット等)、六価アルコール(ソルビット、マンニッ
ト等)等がある。
価アルコールにアルキレンオキサイドを所望の分子量と
なるように付加せしめて製造できる。かかる付加はラン
ダムでもブロックでもよい。オキシエチレン基の割合が
20%以下では、膨潤性が不十分となり、止水材として
あまり好ましくない。ポリイソシアネートとしては、任
意のものが使用できる。ウレタンプレポリマーの末端に
存在するイソシアネート基は1〜12%、より好ましく
は2〜7%である。
が高い場合は、キシレン系溶剤(例えば、キシレン)ま
たはメチル基含有ジフェニルエタンなどの有機溶剤で実
用上差し支えない程度に希釈して用いる。作業上、好ま
しい粘度は、10〜3000cpsである。
膨張性液状物質100重量部に対して、水5〜200重
量部である。混合される水は、顔料などで着色されてい
てもよく、着色されているとどの部分まで注入されてい
るかなどの注入状態を確認することができ好ましい。蛍
光剤を添加するとさらに優れたものになる。
には、さらに強度及び耐水圧を向上させるため、コロイ
ダルシリカ及びその硬化剤を添加することができる。コ
ロイダルシリカとしては、通常、市販の中性シリカゲ
ル、即ち、水ガラス希釈液をイオン交換樹脂に通して、
脱アルカリした後、これを加熱等により分子量数万ある
いはそれ以上に縮合安定化し、次いでSiO2 含量10
〜50%、好ましくは20〜30%に濃縮したもので、
直径10μm程度の粒子の分散体が用いられる。
性液状物質100重量部に対して、5〜200重量部、
好ましくは20〜80重量部とするのが好ましい。コロ
イダルシリカの硬化剤としては、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸
水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが使用される。硬
化剤の使用量は、硬化剤/SiO2 =0.05〜0.4
とするのが好ましい。
酸ソーダ、水酸化カルシウムなどの無機系、あるいはア
ミン系有機化合物などのその他の有機系助剤を加えてお
くと、反応で発生する炭酸ガスを吸収し、注入固化物の
性能が向上する。それらの添加量は、水膨張性物質の硬
化と注入作業に悪影響が出ない範囲内で通常選択される
が、通常水膨張性液状物質100重量部に対して、70
重量部以下とするのが好ましい。また、スズ、鉛系有機
化合物などの硬化促進剤を水膨張性液状物質100重量
部に対して1重量部以下加えると、作業時間を短縮する
ことができる。
組成物をセグメント溝へ注入するプロセスについて説明
すると次の通りである。
液状物質及び水は、それぞれ別のポンプから混合装置へ
送られ、そこで混合される。止水材組成物にコロイダル
シリカを含ませる場合には、上記水膨張性液状物質と混
合する前に水中にコロイダルシリカ及びその硬化剤を配
合しておくのが好ましい。混合装置内で、混合物はエマ
ルションを形成する。エマルションのタイプは、水中油
型でも油中水型であってもよいが、通常は水中油型とな
っている。この混合時間は、数秒〜数分である。ここで
得られた混合物は、混合装置から直ちに注入口へ送ら
れ、セグメント溝へ注入される。尚、混合装置として
は、注入口のすぐ近くにラインミキサーの設置されたも
のが好ましい。このようにしてセグメント溝に注入され
た本発明の止水材組成物は、セグメント溝内において数
分〜数十分で硬化する。
水膨張性物質が水と混合されて注入され、注入後この水
と反応して発泡、硬化するので、水膨張性物質全体が均
一に発泡硬化する。しかも硬化反応時間が短いので、低
発泡物となる。従来のポリウレタン系注入剤では、注入
後に水と接触した部分のみが硬化するため、硬化が不均
一で、未硬化状態の部分は、止水に関与できない。これ
に対して本発明のセグメント溝注入用止水材組成物の場
合は、注入された全量が硬化して止水に関与でき、しか
も硬化物が弾性体でかつ水膨張性であるから(即ち硬化
後に水と接触すると膨張する)、強度、耐久性、止水性
が極めて優れている。本発明のセグメント溝注入用止水
材組成物が、コロイダルシリカとその硬化剤を含む場合
は、セグメント溝への注入硬化後の組成物は、さらに強
度などが向上する。
例1は水膨張性ウレタンプレポリマーの合成例であり、
実施例4及び5は本発明の止水材組成物の効果を示す試
験例である。 実施例1(水膨張性ウレタンプレポリマーの合成) グリセリンにプロピレンオキシドとエチレンオキシドを
付加して得られた3官能ポリエーテル(分子量700
0、オキシエチレン基含有率80%)20部と、プロピ
レングリコールにプロピレンオキシドとエチレノキシド
を付加して得られた3官能ポリエーテル(分子量500
0、オキシエチレン基含有率70%)80部とを混合
し、この混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)
を加えて常法により90℃で、約3時間反応せしめ、N
CO含有量1.8%、粘度9500cps(25℃)の
水膨張性ウレタンプレポリマーを得た。この水膨張性ウ
レタンプレポリマーをプレポリマーAという。
剤(メチル基含有のジフェニルエタン)10部を混合し
て(粘度1100cps)、水60部と攪拌し反応させ
た。約60秒で反応物は硬化し、100秒で指触乾燥
(タックフリー)となった。得られた硬化物の物性値を
下記〔表1〕に示す。
度、伸び、モルタル接着強さ、及び水膨張率は、セグメ
ント溝の止水材として十分の物性があることが判る。
剤(メチル基含有のジフェニルエタン)10部を混合
後、水25部とコロイダルシリカ(旭電化工業(株)
製、アデライトAT−30)25部の混合液を攪拌混合
した。約60秒で反応物は硬化し、100秒で指触乾燥
(タックフリー)となった。得られた硬化物の物性値を
下記〔表2〕に示す。
カを用いて硬化させたものは、引っ張り強さ、モルタル
接着強さが向上し、また水膨張率は、十分保持してお
り、セグメント溝の止水材としてさらに向上した物性が
あることが判る。
物を用いて止水実験を実施した。止水実験は、〔図1〕
に示すフロー図に従って実施し、得られた硬化物が充填
された部分における耐水圧(漏水)及び硬化物の状況を
観察した。それらの結果を下記〔表3〕に示す。
物を用いて止水実験を実施した。止水実験は、実施例4
と同様に行った。それらの結果を下記〔表3〕に示す。
して溝内に充填後硬化した本発明の止水材組成物の硬化
物は、発泡が無く均一に充填され、十分な止水能力があ
ることが判る。
物は、水膨張性物質が水と反応し、硬化、膨張するの
で、その硬化物は強度、耐久性、止水性が極めて優れた
ものである。
作手法を示すフロー図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 水膨張性液状物質100重量部と水5〜
200重量部からなるセグメント溝注入用止水材組成
物。 - 【請求項2】 水膨張性液状物質が、液状水膨張性ウレ
タンプレポリマーである請求項1記載のセグメント溝注
入用止水材組成物。 - 【請求項3】 液状水膨張性ウレタンプレポリマーが、
下記〔化1〕の一般式で示されるポリエーテルポリオー
ルの1種又は2種以上の混合物をポリイソシアネートと
反応させて得られる末端NCO含量が1〜12%の液状
水膨張性ウレタンプレポリマーである請求項2記載のセ
グメント溝注入用止水材組成物。 【化1】 - 【請求項4】 水膨張性液状物質100重量部に対して
5〜200重量部のコロイダルシリカとその硬化剤を含
む請求項1〜3の何れかに記載のセグメント溝注入用止
水材組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5127374A JP2784310B2 (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | セグメント溝注入用止水材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5127374A JP2784310B2 (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | セグメント溝注入用止水材組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06336585A JPH06336585A (ja) | 1994-12-06 |
JP2784310B2 true JP2784310B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=14958408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5127374A Expired - Fee Related JP2784310B2 (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | セグメント溝注入用止水材組成物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2784310B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06101400A (ja) * | 1992-09-16 | 1994-04-12 | Asahi Denka Kogyo Kk | 注入止水工法 |
JPH06287538A (ja) * | 1993-04-01 | 1994-10-11 | Dainichi Kasei Kk | 水膨潤シーリング材及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-05-28 JP JP5127374A patent/JP2784310B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06336585A (ja) | 1994-12-06 |
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