JP3503903B2 - 速硬性岩盤固結用薬液 - Google Patents
速硬性岩盤固結用薬液Info
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- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟弱な地盤に注入し
て、強固な地盤に改善する速硬性岩盤固結用薬液に関す
る。 【0002】 【従来の技術とその課題】従来、軟弱な地盤に注入して
これを強固にする薬液としては、水ガラス系や速硬性セ
メント系などの無機系と、アクリルアミド系やウレタン
系などの有機系等種々の薬液が提案されている。しかし
ながら、いずれも一長一短があり、地盤安定化処理工事
で要求する条件を全て満足する性能は得られていないの
が現状である。 【0003】一般にトンネルのように密閉化された場所
での地盤安定化処理工事で最も恐ろしいものは坑内火災
である。 【0004】無機系薬液はこのような火災に対する問題
は全く無いが、注入工事に手間がかかり、かつ、注入後
の固結時間が長く、強度の発生に時間がかかり現場の工
事を長期間停止しなければならない等の課題があり、そ
れを改良した2液型ウレタン系薬液が提案されている
(特開昭63−8477号公報、特開平4-73313号公報)。 【0005】ウレタン系薬液は固結時間が短く、かつ、
注入工事も簡単で工事の進行にも余り障害にならない極
めて優れた岩盤固結用薬液として知られている。しかし
ながら、ウレタン系薬液は、多価アルコールとイソシア
ネートとが反応しポリウレタンフォームを形成する、主
成分が有機物のものであり、坑内火災が発生した場合、
その固結物は同時に燃焼して状況をますます悪化させる
恐れがあった。また、ポリウレタンは高価な樹脂であ
り、これを多量に地盤中に注入することは経済的にも実
用性を欠くものであった。 【0006】本発明者は種々検討した結果、特定の成分
を使用することによって、前記の無機系薬液や有機系薬
液のもつ課題が解決できる知見を得て本発明を完成する
に至った。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルカ
リ土類金属化合物又はセメント質物質と、アルカリ金属
炭酸塩と、ウレタン反応触媒とを主成分とするスラリー
であるA液と、イソシアネートを主成分とするB液とか
らなる岩盤固結用速硬性薬液である。 【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 【0009】本発明の薬液のA液とB液はその接触によ
って固化する。例えば、地盤中で、不燃性のアルカリ土
類金属化合物又はセメント質物質と、アルカリ金属炭酸
塩と、ウレタン反応触媒とを主成分とするスラリーであ
るA液が、B液中のイソシアネートと接触すると、速や
かに、例えば2分以内に固化反応が生起し、強固な不燃
性硬化物を地盤中に形成するため、軟弱地盤が安定化す
るものである。特に、この反応によって地盤中に形成し
た硬化物は、不燃性であるため、坑内火災に対しても問
題はほとんどみられないものである。 【0010】本発明に係るA液は、アルカリ土類金属化
合物又はセメント質物質と、アルカリ金属炭酸塩、及び
ウレタン反応触媒を主成分とするスラリーである。 【0011】本発明に係るアルカリ土類金属化合物と
は、水溶液中でアルカリ土類金属がイオン化するもの
で、アルカリ土類金属の水酸化物や、炭酸塩等の塩類の
使用が可能である。具体的には、カルシウム、マグネシ
ウム、ストロンチウム、及びバリウムの化合物であっ
て、これらの水酸化物の使用が好ましく、そのうち、水
酸化カルシウムの使用がより好ましい。 【0012】本発明に係るセメント質物質としては、水
と反応して硬化するもの、例えば、普通、早強、超早
強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これら
ポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ又
はシリカを混合した各種混合セメント、アルミナセメン
ト、早硬性セメント、並びに、カルシウムアルミネート
等が挙げられる。 【0013】本発明に係るアルカリ金属炭酸塩として
は、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどが挙げられ、こ
れらを併用することももちろん可能である。 【0014】アルカリ金属炭酸塩の使用量は、アルカリ
土類金属化合物又はセメント質物質100重量部に対し
て、2〜40重量部が好ましく、20〜30重量部がより好ま
しい。アルカリ金属炭酸塩の量が2重量部未満である
と、アルカリ土類金属化合物又はセメント質物質のイソ
シアネートに対する相溶性が悪くなり、40重量部を越え
ると硬化反応時に発泡が激しくなり、十分強度のある硬
化物が得られにくい傾向がある。 【0015】アルカリ土類金属化合物又はセメント質物
質と、アルカリ金属炭酸塩との混合物のスラリーにB液
としてイソシアネートを1:1で混合すると2液混合後
10〜60秒と極めて短時間で硬化を終了し所定の強度を発
現することが可能である。 【0016】本発明では、A液とB液とを混合すること
により、イソシアネートとアルカリ土類金属化合物又は
セメント質物質との反応が直ちに開始されるが、注入工
事を順調に進行させるためには、ウレタン反応触媒をA
液中に配合してその反応速度を促進させることが必要で
ある。 【0017】一般に、イソシアネート基によるウレタン
を生成するウレタン反応の触媒としては、トリエチレン
ジアミン等のアミン系触媒とジブチル錫ジラウレートの
ような有機金属系触媒など各種あり、本発明に使用可能
であるが、アルカリ土類金属化合物又はセメント質物質
のスラリーが存在する場合は、有機金属系触媒の活性は
比較的小さいので、本発明におけるウレタン反応触媒と
してはアミン系触媒が好ましい。 【0018】アミン系触媒としては、エチレンジアミ
ン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、及びテトラメチルヘ
キサメチレンジアミン等が挙げられる。 【0019】ウレタン反応触媒の使用量は、その時に要
求される硬化速度によって決定されるものであるが、一
般にアルカリ土類金属化合物又はセメント質物質100重
量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、1〜5重量
部がより好ましい。0.5重量部未満では、反応速度が遅
く実用的でない。 【0020】本発明においてA液に使用する水の量は、
アルカリ土類金属化合物又はセメント質物質100重量部
に対して、30〜300重量部が好ましく、100〜200重量部
がより好ましい。30重量部未満ではA液とB液との圧送
混合がうまくいかず、300重量部を越えると、硬化物の
強度が低下して、実用上不安があるなど十分な硬化物が
得られにくい傾向がある。 【0021】また、本発明において、硬化物の強度を増
加するために、A液にポリエチレングリコール等のポリ
エーテル類を添加することも有効である。 【0022】本発明に係るB液は、A液のスラリーと接
触すると、速やかに、例えば2分以内に固結するイソシ
アネートを主成分とするものである。 【0023】イソシアネートとしては、ジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレ
ン・ポリフェニル・ポリイソシアネート(ポリメリック
MDI又はクルードMDI)、及びトリレンジイソシア
ネート(TDI)等が好ましく、そのうちの一種又は二種
以上の使用が可能である。 【0024】本発明で用いるイソシアネートのイソシア
ネート基含有量は、特に制限されるものではないが、通
常、イソシアネート基含有量が20〜50重量%程度である
イソシアネートの使用が好ましく、イソシアネート基含
有量30〜35重量%のポリメリックMDIの使用がより好
ましい。 【0025】また、本発明では、例えば、ポリメリック
MDIと、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、又はポリブタジエン等との反応生成物でイソシア
ネート基含有量が3〜20重量%である、いわゆる変性イ
ソシアネートを、ポリメリックMDI100重量部に対し
て、1〜20重量部併用することは、硬化物の実用強度を
得る面から有効である。 【0026】A液とB液の混合割合は、A液100重量部
に対して、B液70〜200重量部が好ましい。A液に対す
るB液の割合が少なくなると、必然的に、不燃性物質で
あるアルカリ土類金属化合物又はセメント質物質の割合
が多くなるので、硬化物の不燃性は増加するが発泡性が
ほとんど無くなり岩盤への浸透性は低下する。一方、A
液に対するB液の割合が多くなると、アルカリ土類金属
化合物又はセメント質物質の割合が低下するので硬化物
の不燃性は低下するが、イソシアネート基と水との反応
で発生する炭酸ガスによる発泡倍率は1.5〜2.5倍となり
岩盤への浸透性は向上する。 【0027】A液100重量部に対して、B液100重量部と
すると、A液とB液の2液混合後の硬化時間が10〜60秒
と極めて短時間で硬化を終了し、必要強度を発現するこ
とが可能である。 【0028】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。 【0029】実施例1 アルカリ土類金属化合物a70重量部とアルカリ金属炭酸
塩A30重量部の合計100重量部に対して、水200重量部
と、表1に示すウレタン反応触媒を用いてA液とし、A
液100重量部に対して、表1に示すイソシアネート液(B
液)を配合し、その固結時間、発泡倍率、及び圧縮強度
を測定し、難燃性の評価を行った。結果を表1に併記す
る。 【0030】<試験方法> 固結時間:A液とB液を混合してから、最大に発泡した
時点までの時間 発泡倍率:A液とB液の合計の容積に対する最大発泡時
の容積 圧縮強度:縦2cm×横2cm×高さ2cmの型枠にA液とB
液の混合液を入れ、成形3時間後強度を測定した。 難燃性 :JIS K 7201に基づき、3mm厚みのシートを作
成して酸素指数を測定した。難燃性の評価は、酸素指数
30以上を良好、30未満を不良とした。 【0031】<使用材料> アルカリ土類金属化合物a:水酸化カルシウム、関東化
学株製、試薬1級 アルカリ金属炭酸塩A:炭酸ナトリウム、関東化学株
製、試薬1級 ウレタン反応触媒:活材ケミカル(株)製商品名「MINICO
TMHD」、主成分第3級アミン イソシアネートα:三井東圧(株)製、ポリメリックMD
I、 イソシアネートβ:ポリブタジエン系プレポリマー ポリエチレングリコール:東邦化学(株)製 【0032】 【表1】【0033】実施例2 アルカリ土類金属化合物又はアルカリ金属炭酸塩の種類
を表2に示すように代えたこと以外は実験No.1- 4の配
合を用いて実施例1と同様に行った。結果を表2に併記
する。 【0034】<使用材料> アルカリ土類金属化合物b:水酸化マグネシウム、関東
化学株製、試薬1級 アルカリ土類金属化合物c:生石灰、キシダ化学株製、
試薬特級 アルカリ金属炭酸塩B:炭酸カリウム、関東化学株製、
試薬1級 【0035】 【表2】 【0036】実施例3 アルカリ土類金属化合物の代わりに、セメント質物質を
使用し、セメント質物質とアルカリ金属炭酸塩の合計10
0重量部に対して、水100重量部と表1に示したウレタン
反応触媒とを配合してA液としたこと以外は実施例1と
同様に行った。結果を表3に併記する。 【0037】<使用材料> セメント質物質:電気化学工業(株)製普通ポルトランド
セメント 【0038】 【表3】 【0039】実施例4 クラックの多い不安定な岩盤を有するトンネル切羽の天
端に、3mの注入ボルトを25度の角度で1mピッチで10
本挿入し、実験No.1- 4の配合のA液とB液を、等量圧
送できるギヤーポンプで、毎分2リットル、圧力10kg/c
m2で圧送して、ボルトの口元にセットしたスタティック
ミキサーを通し、A液とB液を混合しながら、ボルト1
本当たり30リットル、合計300リットル注入した。注入
1時間後に掘削した結果、天端の崩壊もなく、本発明の
薬液の注入効果が十分に確認された。 【0040】 【発明の効果】本発明の速硬性岩盤固結用薬液は、アル
カリ金属炭酸塩によって、薬液の成分であるアルカリ土
類金属化合物又はセメント質物質とイソシアネートとの
相溶性が改良され、各成分が激しく反応して短時間で硬
化は終了し、さらに、2〜3時間の間にポルトランドセ
メントの1ケ月強度に匹敵する高強度を得ることがで
き、土木建築工事等の画期的なスピードアップ化が可能
となった。
て、強固な地盤に改善する速硬性岩盤固結用薬液に関す
る。 【0002】 【従来の技術とその課題】従来、軟弱な地盤に注入して
これを強固にする薬液としては、水ガラス系や速硬性セ
メント系などの無機系と、アクリルアミド系やウレタン
系などの有機系等種々の薬液が提案されている。しかし
ながら、いずれも一長一短があり、地盤安定化処理工事
で要求する条件を全て満足する性能は得られていないの
が現状である。 【0003】一般にトンネルのように密閉化された場所
での地盤安定化処理工事で最も恐ろしいものは坑内火災
である。 【0004】無機系薬液はこのような火災に対する問題
は全く無いが、注入工事に手間がかかり、かつ、注入後
の固結時間が長く、強度の発生に時間がかかり現場の工
事を長期間停止しなければならない等の課題があり、そ
れを改良した2液型ウレタン系薬液が提案されている
(特開昭63−8477号公報、特開平4-73313号公報)。 【0005】ウレタン系薬液は固結時間が短く、かつ、
注入工事も簡単で工事の進行にも余り障害にならない極
めて優れた岩盤固結用薬液として知られている。しかし
ながら、ウレタン系薬液は、多価アルコールとイソシア
ネートとが反応しポリウレタンフォームを形成する、主
成分が有機物のものであり、坑内火災が発生した場合、
その固結物は同時に燃焼して状況をますます悪化させる
恐れがあった。また、ポリウレタンは高価な樹脂であ
り、これを多量に地盤中に注入することは経済的にも実
用性を欠くものであった。 【0006】本発明者は種々検討した結果、特定の成分
を使用することによって、前記の無機系薬液や有機系薬
液のもつ課題が解決できる知見を得て本発明を完成する
に至った。 【0007】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルカ
リ土類金属化合物又はセメント質物質と、アルカリ金属
炭酸塩と、ウレタン反応触媒とを主成分とするスラリー
であるA液と、イソシアネートを主成分とするB液とか
らなる岩盤固結用速硬性薬液である。 【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 【0009】本発明の薬液のA液とB液はその接触によ
って固化する。例えば、地盤中で、不燃性のアルカリ土
類金属化合物又はセメント質物質と、アルカリ金属炭酸
塩と、ウレタン反応触媒とを主成分とするスラリーであ
るA液が、B液中のイソシアネートと接触すると、速や
かに、例えば2分以内に固化反応が生起し、強固な不燃
性硬化物を地盤中に形成するため、軟弱地盤が安定化す
るものである。特に、この反応によって地盤中に形成し
た硬化物は、不燃性であるため、坑内火災に対しても問
題はほとんどみられないものである。 【0010】本発明に係るA液は、アルカリ土類金属化
合物又はセメント質物質と、アルカリ金属炭酸塩、及び
ウレタン反応触媒を主成分とするスラリーである。 【0011】本発明に係るアルカリ土類金属化合物と
は、水溶液中でアルカリ土類金属がイオン化するもの
で、アルカリ土類金属の水酸化物や、炭酸塩等の塩類の
使用が可能である。具体的には、カルシウム、マグネシ
ウム、ストロンチウム、及びバリウムの化合物であっ
て、これらの水酸化物の使用が好ましく、そのうち、水
酸化カルシウムの使用がより好ましい。 【0012】本発明に係るセメント質物質としては、水
と反応して硬化するもの、例えば、普通、早強、超早
強、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これら
ポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ又
はシリカを混合した各種混合セメント、アルミナセメン
ト、早硬性セメント、並びに、カルシウムアルミネート
等が挙げられる。 【0013】本発明に係るアルカリ金属炭酸塩として
は、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどが挙げられ、こ
れらを併用することももちろん可能である。 【0014】アルカリ金属炭酸塩の使用量は、アルカリ
土類金属化合物又はセメント質物質100重量部に対し
て、2〜40重量部が好ましく、20〜30重量部がより好ま
しい。アルカリ金属炭酸塩の量が2重量部未満である
と、アルカリ土類金属化合物又はセメント質物質のイソ
シアネートに対する相溶性が悪くなり、40重量部を越え
ると硬化反応時に発泡が激しくなり、十分強度のある硬
化物が得られにくい傾向がある。 【0015】アルカリ土類金属化合物又はセメント質物
質と、アルカリ金属炭酸塩との混合物のスラリーにB液
としてイソシアネートを1:1で混合すると2液混合後
10〜60秒と極めて短時間で硬化を終了し所定の強度を発
現することが可能である。 【0016】本発明では、A液とB液とを混合すること
により、イソシアネートとアルカリ土類金属化合物又は
セメント質物質との反応が直ちに開始されるが、注入工
事を順調に進行させるためには、ウレタン反応触媒をA
液中に配合してその反応速度を促進させることが必要で
ある。 【0017】一般に、イソシアネート基によるウレタン
を生成するウレタン反応の触媒としては、トリエチレン
ジアミン等のアミン系触媒とジブチル錫ジラウレートの
ような有機金属系触媒など各種あり、本発明に使用可能
であるが、アルカリ土類金属化合物又はセメント質物質
のスラリーが存在する場合は、有機金属系触媒の活性は
比較的小さいので、本発明におけるウレタン反応触媒と
してはアミン系触媒が好ましい。 【0018】アミン系触媒としては、エチレンジアミ
ン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、及びテトラメチルヘ
キサメチレンジアミン等が挙げられる。 【0019】ウレタン反応触媒の使用量は、その時に要
求される硬化速度によって決定されるものであるが、一
般にアルカリ土類金属化合物又はセメント質物質100重
量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、1〜5重量
部がより好ましい。0.5重量部未満では、反応速度が遅
く実用的でない。 【0020】本発明においてA液に使用する水の量は、
アルカリ土類金属化合物又はセメント質物質100重量部
に対して、30〜300重量部が好ましく、100〜200重量部
がより好ましい。30重量部未満ではA液とB液との圧送
混合がうまくいかず、300重量部を越えると、硬化物の
強度が低下して、実用上不安があるなど十分な硬化物が
得られにくい傾向がある。 【0021】また、本発明において、硬化物の強度を増
加するために、A液にポリエチレングリコール等のポリ
エーテル類を添加することも有効である。 【0022】本発明に係るB液は、A液のスラリーと接
触すると、速やかに、例えば2分以内に固結するイソシ
アネートを主成分とするものである。 【0023】イソシアネートとしては、ジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ポリメチレ
ン・ポリフェニル・ポリイソシアネート(ポリメリック
MDI又はクルードMDI)、及びトリレンジイソシア
ネート(TDI)等が好ましく、そのうちの一種又は二種
以上の使用が可能である。 【0024】本発明で用いるイソシアネートのイソシア
ネート基含有量は、特に制限されるものではないが、通
常、イソシアネート基含有量が20〜50重量%程度である
イソシアネートの使用が好ましく、イソシアネート基含
有量30〜35重量%のポリメリックMDIの使用がより好
ましい。 【0025】また、本発明では、例えば、ポリメリック
MDIと、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、又はポリブタジエン等との反応生成物でイソシア
ネート基含有量が3〜20重量%である、いわゆる変性イ
ソシアネートを、ポリメリックMDI100重量部に対し
て、1〜20重量部併用することは、硬化物の実用強度を
得る面から有効である。 【0026】A液とB液の混合割合は、A液100重量部
に対して、B液70〜200重量部が好ましい。A液に対す
るB液の割合が少なくなると、必然的に、不燃性物質で
あるアルカリ土類金属化合物又はセメント質物質の割合
が多くなるので、硬化物の不燃性は増加するが発泡性が
ほとんど無くなり岩盤への浸透性は低下する。一方、A
液に対するB液の割合が多くなると、アルカリ土類金属
化合物又はセメント質物質の割合が低下するので硬化物
の不燃性は低下するが、イソシアネート基と水との反応
で発生する炭酸ガスによる発泡倍率は1.5〜2.5倍となり
岩盤への浸透性は向上する。 【0027】A液100重量部に対して、B液100重量部と
すると、A液とB液の2液混合後の硬化時間が10〜60秒
と極めて短時間で硬化を終了し、必要強度を発現するこ
とが可能である。 【0028】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。 【0029】実施例1 アルカリ土類金属化合物a70重量部とアルカリ金属炭酸
塩A30重量部の合計100重量部に対して、水200重量部
と、表1に示すウレタン反応触媒を用いてA液とし、A
液100重量部に対して、表1に示すイソシアネート液(B
液)を配合し、その固結時間、発泡倍率、及び圧縮強度
を測定し、難燃性の評価を行った。結果を表1に併記す
る。 【0030】<試験方法> 固結時間:A液とB液を混合してから、最大に発泡した
時点までの時間 発泡倍率:A液とB液の合計の容積に対する最大発泡時
の容積 圧縮強度:縦2cm×横2cm×高さ2cmの型枠にA液とB
液の混合液を入れ、成形3時間後強度を測定した。 難燃性 :JIS K 7201に基づき、3mm厚みのシートを作
成して酸素指数を測定した。難燃性の評価は、酸素指数
30以上を良好、30未満を不良とした。 【0031】<使用材料> アルカリ土類金属化合物a:水酸化カルシウム、関東化
学株製、試薬1級 アルカリ金属炭酸塩A:炭酸ナトリウム、関東化学株
製、試薬1級 ウレタン反応触媒:活材ケミカル(株)製商品名「MINICO
TMHD」、主成分第3級アミン イソシアネートα:三井東圧(株)製、ポリメリックMD
I、 イソシアネートβ:ポリブタジエン系プレポリマー ポリエチレングリコール:東邦化学(株)製 【0032】 【表1】【0033】実施例2 アルカリ土類金属化合物又はアルカリ金属炭酸塩の種類
を表2に示すように代えたこと以外は実験No.1- 4の配
合を用いて実施例1と同様に行った。結果を表2に併記
する。 【0034】<使用材料> アルカリ土類金属化合物b:水酸化マグネシウム、関東
化学株製、試薬1級 アルカリ土類金属化合物c:生石灰、キシダ化学株製、
試薬特級 アルカリ金属炭酸塩B:炭酸カリウム、関東化学株製、
試薬1級 【0035】 【表2】 【0036】実施例3 アルカリ土類金属化合物の代わりに、セメント質物質を
使用し、セメント質物質とアルカリ金属炭酸塩の合計10
0重量部に対して、水100重量部と表1に示したウレタン
反応触媒とを配合してA液としたこと以外は実施例1と
同様に行った。結果を表3に併記する。 【0037】<使用材料> セメント質物質:電気化学工業(株)製普通ポルトランド
セメント 【0038】 【表3】 【0039】実施例4 クラックの多い不安定な岩盤を有するトンネル切羽の天
端に、3mの注入ボルトを25度の角度で1mピッチで10
本挿入し、実験No.1- 4の配合のA液とB液を、等量圧
送できるギヤーポンプで、毎分2リットル、圧力10kg/c
m2で圧送して、ボルトの口元にセットしたスタティック
ミキサーを通し、A液とB液を混合しながら、ボルト1
本当たり30リットル、合計300リットル注入した。注入
1時間後に掘削した結果、天端の崩壊もなく、本発明の
薬液の注入効果が十分に確認された。 【0040】 【発明の効果】本発明の速硬性岩盤固結用薬液は、アル
カリ金属炭酸塩によって、薬液の成分であるアルカリ土
類金属化合物又はセメント質物質とイソシアネートとの
相溶性が改良され、各成分が激しく反応して短時間で硬
化は終了し、さらに、2〜3時間の間にポルトランドセ
メントの1ケ月強度に匹敵する高強度を得ることがで
き、土木建築工事等の画期的なスピードアップ化が可能
となった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 寺島 勲
新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地
電気化学工業株式会社 青海工場内
(56)参考文献 特開 昭62−277490(JP,A)
特開 昭50−19885(JP,A)
特開 昭54−30606(JP,A)
特開 昭52−78955(JP,A)
特開 昭54−98010(JP,A)
特開 昭54−63503(JP,A)
特開 昭57−202374(JP,A)
特公 昭50−34327(JP,B2)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルカリ土類金属化合物又はセメント質
物質と、アルカリ金属炭酸塩と、ウレタン反応触媒とを
主成分とするスラリーであるA液と、イソシアネートを
主成分とするB液とからなる速硬性岩盤固結用薬液。
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JP18473292A JP3503903B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 速硬性岩盤固結用薬液 |
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JP18473292A JP3503903B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 速硬性岩盤固結用薬液 |
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JPH061977A JPH061977A (ja) | 1994-01-11 |
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JP18473292A Expired - Fee Related JP3503903B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | 速硬性岩盤固結用薬液 |
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JP3522885B2 (ja) * | 1995-04-03 | 2004-04-26 | 電気化学工業株式会社 | 注入材用硬化性組成物 |
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1992
- 1992-06-19 JP JP18473292A patent/JP3503903B2/ja not_active Expired - Fee Related
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