JPH07242873A - 土質などの安定化注入薬液組成物およびそれを用いた安定強化工法 - Google Patents

土質などの安定化注入薬液組成物およびそれを用いた安定強化工法

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JPH07242873A
JPH07242873A JP2951392A JP2951392A JPH07242873A JP H07242873 A JPH07242873 A JP H07242873A JP 2951392 A JP2951392 A JP 2951392A JP 2951392 A JP2951392 A JP 2951392A JP H07242873 A JPH07242873 A JP H07242873A
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surfactant
rock
stabilizing
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Hirohisa Maki
宏久 牧
Nobuaki Matsushita
伸顕 松下
Sumimasa Ichii
純正 市井
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • C04B28/26Silicates of the alkali metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 土砂、岩石、レンガ、石炭などを固結化ない
し封止し、または岩盤ないし人工構造物の空洞や空隙な
どを密封するための安定化注入薬液組成物およびそれを
用いた安定強化工法を提供すること。 【構成】 (A) アルカリケイ酸塩水溶液、(B) 三級アミ
ン、(C) 陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両
性イオン界面活性剤およびHLB が4〜10の非イオン界面
活性剤から選ばれた少なくもと1種の界面活性剤、およ
び(D) 有機ポリイソシアネートからなる土質などの安定
化注入薬液組成物、ならびにそれを岩盤、地盤ないし人
工構造物に注入し、固結ないし封止する安定強化法。 【効果】 三級アミンの存在下で界面活性剤の作用によ
り、アルカリケイ酸塩水溶液と有機ポリイソシアネート
化合物との反応が均一に進行し、岩盤などへの浸透性が
向上し、かつ固結複合体の強度が大きくなり、また工事
の安全性も高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は破砕帯を有する岩盤や不
安定軟弱地盤の固結安定化、漏水、湧水のある岩盤ない
し地盤の止水や空隙充填、さらにコンクリートなどの人
工構造物のクラック、空隙などの安定強化工法およびそ
れに用いる安定化注入薬液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不安定岩盤や地盤の安定強化、人
工構造物のクラックや空隙の充填法の1つとして無機系
ないし有機系グラウトを注入する方法が採用されてお
り、ある程度の効果をあげている。
【0003】しかしながら、かかる方法を詳細にチェッ
クすると、必ずしも満足しうる結果はえられていない。
たとえば、一般に多用されているセメントミルク系で
は、懸濁液の形態であるため、岩盤や人工構造物などの
クラックや砂礫などの地盤層への浸透性がわるく、かつ
固結速度が遅く、強度発現が遅いため、短時間に固結し
て強度が発現することが要求されるトンネルや地下地盤
掘削時に不安定地山を早期に安定強化させる目的を達し
えない。さらに、湧水や漏水のみられるばあいはなおさ
ら注入セメントミルクが希釈、流失してしまう。また代
表的な無機系グラウトである水ガラス系2液システムグ
ラウトについても固結体強度が3〜10kg/cm2 程度と低
く、さらに固結体が水と接触すると経時変化が起こり、
Na2 OやSiO2 などの主成分が溶脱し、アルカリ汚
染や大幅な強度低下にいたるという問題がある。
【0004】一方、尿素系などの有機系グラウトについ
ても固結強度不足や、硫酸、ホルマリンなどの硬化成分
や助剤成分の溶出が発生するという問題がある。また、
特公昭63-63687号公報、同63-63688号公報、特開昭63-7
413 号公報、同63-7490 号公報、同63-7491 号公報、同
63-8477 号公報、同63-35913号公報などには、ポリオー
ルとポリイソシアネートを主成分とする速硬性硬質発泡
ウレタンを注入することによる岩盤の固結工法が記載さ
れているが、固結効果は期待しうるもののきわめて高価
なうえに可燃性であり、経済性や安全性の面で改善の必
要がある。
【0005】さらに特開昭61-9482 号公報および特開昭
55-160079 号公報には、ポリイソシアネートと水ガラス
(ケイ酸ソーダ水溶液)とを用い、水ガラス側にポリイ
ソシアネートの三量化触媒として特定の三級アミンまた
はアミノアルコールなどのマンニッヒ塩基を配合してな
る注入薬液組成物が記載されている。しかしながら、こ
の組成物には、三級アミンまたはアミノアルコールと、
ポリイソシアネートや水ガラスとの相溶性がわるいもの
であるため、混合するとただちに分離してしまうという
欠点がある。かかる欠点を解消せんとするならば、相溶
性を高めるためにシリコーンポリオールなどのような高
価な薬剤が必要となり、コスト面で不利となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術に着目してなされたものであり、特定成分より
なる注入薬液組成物を注入し、発泡状の無機- 有機複合
固結体を形成することにより、固結強度が大きく、安定
強化効果、耐久性、注入作業性、安全性および経済性に
すぐれた岩盤ないし地盤および人工構造物の安定強化止
水を可能ならしめることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A) アルカリケイ酸塩水溶液、(B) 三級アミン、(C) 陽
イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性イオン界
面活性剤およびHLB が4〜10の非イオン界面活性剤から
選ばれた少なくとも1種の界面活性剤、ならびに(D) 有
機ポリイソシアネート化合物からなる土質などの安定化
注入薬液組成物を第1の発明とし、岩盤、地盤ないし人
工構造物に前記安定化注入薬液組成物を注入し、固結な
いし封止することを特徴とする安定強化工法を第2の発
明とするものである。
【0008】なお、ここで封止とは、空洞や空隙に充填
し、隙間を埋めることを意味する。
【0009】
【作用および実施例】本発明の安定化注入薬液組成物
は、前記したように、(A) アルカリケイ酸塩水溶液、
(B) 三級アミン、(C) 陽イオン界面活性剤、陰イオン界
面活性剤、両性イオン界面活性剤およびHLB が4〜10の
非イオン界面活性剤から選ばれた少なくとも1種の界面
活性剤、ならびに(D) 有機ポリイソシアネート化合物か
ら構成される。
【0010】(A) 成分のアルカリケイ酸塩水溶液は、主
として(A) 成分のシラノール基と(D) 成分のイソシアネ
ート基との反応により、無水ケイ酸−ウレタン複合体を
形成させる成分である。かかる(A) 成分としては、通常
市販されているケイ酸カリウムやケイ酸ソーダの水溶液
を主成分として用いる。このケイ酸ソーダはたとえば
式:Na2 O・xSiO2 ・nH2 Oで表わされ、Na
2 OとSiO2 のモル比は2:1〜1:4である。水溶
液の固形分濃度としては、通常10〜70重量%、なかんづ
く20〜40重量%となるように調整するのが好ましい。
【0011】(B) 成分の三級アミンは、後述する(D) 成
分と、水やシラノール基との反応を促進し、ゲル化時間
を短縮させうる成分である。かかる(B) 成分の具体例と
しては、たとえば三級アルキルアミンや環状アミンなど
があげられ、これらのなかでは、たとえばジメチルオク
チルアミン、ジメチルラウリルアミン、N-メチルモルホ
リン、ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、イ
ミダゾール、N-メチルジエタノールアミン、N-ジメチル
エタノールアミン、ポリエチレンイミンなどが好まし
い。
【0012】前記(B) 成分の使用量は、後述する(D) 成
分100 部(重量部、以下同様)に対して0.1 〜20部、な
かんづく0.5 〜15部であることが好ましい。かかる(B)
成分の使用量は、前記範囲よりも少ないばあいには、硬
化せずに目的とする性能が発現されなくなる傾向があ
り、また前記範囲をこえるばあいには、硬化が速くなっ
て前記(A) 成分、(B) 成分、(C) 成分および(D) 成分を
均一に混合することができなくなる傾向がある。
【0013】(C) 成分の界面活性剤は、主として(A) 成
分、(B) 成分および(D) 成分、とくに(A) 成分と(B) 成
分とを均一に分散、乳化させて反応を均一化させる成分
である。かかる(C) 成分の具体例としては、たとえば四
級アンモニウム塩、イソプロパノールアミン脂肪酸エス
テルなどの陽イオン界面活性剤;油脂や脂肪酸の硫酸エ
ステル、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサル
フェート、アルキルスルホネート、アルキルアリルスル
ホネート、ナフタリンスルホン酸塩、その他の硫酸化ま
たはスルホン化された芳香族化合物、脂肪族カルボン酸
およびその塩、スルホン化された石油製品、ジアルキル
スルホカルボン酸およびその塩、アルキルリン酸エステ
ル、オレイルメチルタウライドスルホネート、その他の
硫酸化またはスルホン化アミドなどの陰イオン界面活性
剤;カルボン酸型またはスルホン酸型両性イオン活性
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
多価アルコールエーテル、その他のエーテル型非イオ
ン、多価アルコールエステル、その他のエステル型非イ
オン、含チッ素非イオン活性剤などの非イオン界面活性
剤であって、HLB が4〜10の非イオン界面活性剤などが
あげられ、これらのなかからえらばれた少なくとも1種
類の界面活性剤が用いられる。
【0014】前記(C) 成分の使用量は、前記(B) 成分10
0 部に対して1〜200 部、なかんづく5〜100 部である
ことが好ましい。かかる(C) 成分の使用量が前記範囲よ
りも少ないばあいには、前記(A) 成分、(B) 成分および
(D) 成分、とくに(A) 成分と(B) 成分の混合が均一に行
なわれなくなり、したがって不均一な固結体となる傾向
があり、また前記範囲をこえるばあいには、固結体がえ
られなかったり、えられたとしても物性が非常にわるく
なる傾向がある。
【0015】(D) 成分の有機ポリイソシアネート化合物
は、前記(A) 成分と(B) 成分、あるいは(A) 成分、(B)
成分および(D) 成分を均一に分散し、乳化させて反応を
均一にする性質を有するものである。かかる(D) 成分の
具体例としては、たとえばポリメチレンポリフェニルポ
リイソシアネート、液状ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジ
イソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネー
トなどの単独または混合物などが好ましく用いられる。
【0016】また、たとえばメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、オクタノール、ラウリルア
ルコールなどのモノオール;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジ
オール、1,6-ヘキサンジオールなどのジオール;グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
などのポリオール;そのほかモノ、ジまたはトリエタノ
ールアミン、ジグリセリン、ソルビトール、蔗糖などの
単独もしくは混合物にエチレンオキシドプロピレンオキ
シド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドなどのアル
キレンオキシドを単独または併用し、公知の方法で付加
重合してえられるモノオールまたはポリオールと前記ポ
リイソシアネートとをNCO/OH当量比が1.5 〜100
、好ましくは2.0 〜50の範囲で公知の方法により反応
させてえられるウレタンプレポリマーも前記(D) 成分と
して好適に用いることができる。
【0017】前記(D) 成分の使用量は、(A) 成分に含ま
れるNa2 OとSiO2 の比などによって異なるので一
概には決定することができないが、通常両者の配合割合
((A) 成分/(D) 成分:重量比)が10/100 〜100 /1
0、なかんづく20/100 〜100/20となるように調整する
ことが好ましい。かかる配合割合が前記範囲よりも小さ
いばあいには、えられる注入薬液組成物がコスト高とな
って不経済となるうえに、比例式注入ポンプなどを用い
て施工するときに配合比のコントロールが困難となる傾
向があり、また前記範囲をこえるばあいには、えられる
注入薬液組成物の固化が不充分となって未硬化状とな
り、たとえ硬化したとしても硬度が小さくなり、脆くな
って実用性に劣る傾向がある。
【0018】なお、本発明の安定化注入薬液組成物に
は、必要により、たとえば塩化メチレン、トリクロロエ
タン、モノフルオロトリクロロエタン、ジクロロジフル
オロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロトリフ
ルオロエタン、アセトン、メチルエチルケトン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサンなどの高揮発性化合物;リン系
あるいはハロゲン系難燃剤;可塑剤;シリコーン系整泡
剤;老化防止剤;耐熱性付与剤;抗酸化剤;エステル系
あるいはラクトン系水ガラス硬化剤;セメント、高炉ス
ラグ、石こう、炭酸カルシウム、粘土、水酸化アルミニ
ウム、三酸化アンチモン、生石灰、消石灰、ベントナイ
トなどの無機充填剤などを配合してもよい。
【0019】本発明の安定化注入薬液組成物の固化反応
は、きわめて複雑であり明確ではないが、おそらく(A)
成分のアルカリケイ酸塩水溶液と、(D) 成分の有機ポリ
イソシアネートとを混合したときに、アルカリケイ酸塩
水溶液中に形成されるシラノール基と、有機ポリイソシ
アネート化合物中のイソシアネート基とが反応して無水
ケイ酸- ウレタン複合体を形成し、同時に有機ポリイソ
シアネート化合物が水と反応して炭酸ガスを発生しなが
ら尿素結合による多量体や無水ケイ酸- 尿素架橋複合体
を形成し、副生した炭酸ガスの一部は、アルカリケイ酸
塩水溶液中に溶解し、アルカリケイ酸塩をゲル化して無
水ケイ酸ゲルを形成することにもとづくものと推定され
る。
【0020】また、(D) 成分と水との反応により発生す
る炭酸ガスおよび(A) 成分と(D) 成分の反応時に発生す
る反応熱によって蒸発する水蒸気により、前記無水ケイ
酸-ウレタン複合体は、発泡固結体を形成し、その体積
を増大させる。このとき、発泡が生じるが、かかる発泡
時の発泡圧により、前記無水ケイ酸- ウレタン複合体が
土砂、岩石、レンガ、石炭、人工構造物などの間隙に入
り込みやすくなる。
【0021】本発明の安定化注入薬組成物においては、
(A) 成分、(B) 成分、(C) 成分および(D) 成分の混合順
序にはとくに制限がないが、たとえば(A) 成分、(B) 成
分および(C) 成分をあらかじめ混合したのち、これらと
(D) 成分とを混合するようにしたばあいには、(A) 成
分、(B) 成分および(C) 成分の混合物と、(D) 成分との
二成分系として用いることができる。
【0022】本発明における特殊な注入薬液である(A)
成分、(B) 成分、(C) 成分および(D) 成分からなる安定
化注入薬液組成物は、空隙やクラックの多い軟質ないし
不安定な地盤、岩盤、破砕帯層、さらにはクラックや空
隙を有する人工構造物などに注入固結されるが、かかる
注入固結する方法についてはとくに限定はなく、公知の
方法を採用しうる。その一例をあげれば、たとえば(A)
成分、(B) 成分、(C)成分および(D) 成分の注入量、圧
力、配合比などをコントロールしうる比例配合式ポンプ
を用い、(A) 成分、(B) 成分および(C) 成分の混合物
と、(D) 成分とを別々のタンクに入れ、岩盤などの所定
箇所(たとえば 0.5〜3m程度の間隔で穿設された複数
個数の孔)に、あらかじめ固定されたスタチックミキサ
ーや逆止弁などを内装した有孔のロックボルトや注入ロ
ッドを通し、この中に前記タンク内の各成分を注入圧
0.5〜50kg/cm2 ・G で注入し、スタチックミキサーを
通して、所定量の前記混合物と(D) 成分とを均一に混合
させ、所定の不安定岩盤ないし地盤箇所に注入浸透、硬
化させて固結安定化する方法などがある。
【0023】また、人工構造物のクラックなどの安定強
化止水は、たとえば該クラック面に対し20〜50cm間隔で
直径10mm深さ5〜10cmにドリルで削孔し、孔内の削りく
ずや粉塵を圧縮空気で吹きとばし、削孔上に脱脂綿を約
5mm厚にのせ、その上から直径約10mm長さ20〜30mmの注
入パイプを打ち込み、注入薬液のリークのない状態にセ
ットする。また、クラックや漏水などの発生箇所に対し
約30cmピッチでU字またはV字カットし、注入パイプを
急結セメントで固定する。つぎにスタチックミキサーな
どを内装したY字管またはT字管を通し、(A) 成分、
(B) 成分、(C) 成分と(D) 成分を比例配合ポンプまたは
手押しポンプなどを用いて所定の配合比で注入圧 0.5〜
20kg/cm2 ・G 、好ましくは 0.5〜2kg/cm2 ・G で所
定量注入する。注入量は、一般に、推定空隙体積量プラ
スαでよい。
【0024】本発明の安定強化工法は、薬液の粘性が低
く、不安定地盤、クラックおよび破砕帯などへの浸透性
がよく、広い範囲にわたって不安定岩盤や地盤、さらに
は人工構造物などの安定化を図ることができる。また、
形成された硬化固結物は、高強度で耐久性を有するもの
であり、岩盤などへの付着、密着性にすぐれ、かつ不燃
性ないし難燃性を呈するものであり、しかも経済的なも
のであるので、実用上有利な方法である。
【0025】以下、製造例と実施例に基づいて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに
限定されるものではない。なお、製造例中の部は重量部
である。
【0026】製造例1〜4 表1に示す(A) 成分、(B) 成分および(C) 成分をあらか
じめ混合し、これらと(D) 成分とを長さ15cm、直径1cm
の静止ミキサー付ポンプによって混合し、圧力5〜10kg
/cm2 ・G で吐出量7kg/m2 で吐出した。
【0027】吐出時からのゲル化するまでの時間、薬液
の均一性、えられた固結体の曲げおよび圧縮試験(JIS
R 5201)、密度(JIS K 5400)から計算して求めた発泡
倍率、燃焼性試験(燃焼時間と燃焼距離。JIS A 9514)
の結果を表1に示す。
【0028】薬液の均一性は、吐出薬液が硬化するまで
に層分離するか否かを調べた。
【0029】(A) 成分にはケイ酸ソーダ3号(Na2
/SiO2 =1/3、モル比)40%水溶液を用いた。
【0030】なお、表1中の各略号はつぎのとおりであ
る。
【0031】Me1200・C-MDI メタノールにエチレンオキシドを6モル付加したモノオ
ール(OH価:47.0)とC-MDI (ポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート)とのウレタンプレポリマー(NC
O 基含有率:29.5モル%) D4000-50・C-MDI オキシプロピレン鎖70重量%とオキシエチレン鎖30重量
%よりなる平均分子量4000のポリオキシアルキレンジオ
ール(OH価:28.0)とC-MDI とのウレタンプレポリマー
(NCO 基含有率:23.0モル%) G5000-80・C-MDI オキシプロピレン鎖20重量%とオキシエチレン鎖80重量
%よりなる平均分子量5000のポリオキシアルキレントリ
オール(OH価:33.0)とC-MDI とのウレタンプレポリマ
ー(NCO 基含有率:20.5モル%) G4000 ・l-MDI グリセリンの酸化プロピレン付加物(平均分子量4000、
OH価42.0)とl-MDI (液状ジフェニルメタンジイソシア
ネート)とのウレタンプレポリマー(NCO 基含有率25.0
モル%)
【0032】
【表1】
【0033】実施例1 破砕帯を有するトンネル天盤部に42mmφビットのレッグ
オーガーにより2m 間隔で削孔角度25〜35°(トンネル
掘削方向に対しての角度)で5個削孔し、えられた孔内
に炭素鋼製(JIS G 3445、STKM 17C)の注入ボルト(外
径27.2mm、内径15mm、長さ3m、静止ミキサーおよび逆
止弁内装)を挿入し、口元部分約30cmに2液硬質発泡ウ
レタン樹脂を含浸させたメリヤス製ウエスを鉄棒で押し
込みシールした。
【0034】ついで固定した各注入孔に対し、表1にお
ける製造例1の薬液を注入圧約20〜50kg/cm2 ・G で、
1孔あたり約80〜120kg 注入した。
【0035】薬液を注入してから約 120分後に、掘進に
より地山の改良状態を調査したところ、固結範囲は半径
3m の半球状であり、固結安定化していた。
【0036】注入固結部分をサンプラーで5cmφ×10cm
の円柱形状にサンプリングし、一軸圧縮強度を測定する
と 130kg/cm2 であった。なお、未改良部は破砕帯のた
めサンプリングが不可能であった。この結果、本発明の
薬液の有効性が充分証明され、固結安定化層が形成され
ることが判明した。
【0037】実施例2 大きな空隙を有する花崗岩破砕帯部のトンネル天盤部の
安定化を図るために、表1における製造例3の薬液注入
による安定化を行なった。施工方法は実施例1と同様に
行なった。
【0038】すなわち、天盤部に42mmφビットのレッグ
オーガーにより約2m 間隔で深さ2mの注入孔を10個削
孔した。削孔角度は20°であった。えられた孔内に実施
例1と同様の炭素鋼製ロックボルト(JIS G 3455、STKM
17C)を挿入し、口元部を実施例1と同様にしてシール
した。
【0039】各注入孔に対して表1における製造例2の
薬液を70〜110kg (注入圧10〜20kg/cm2 ・G )注入し
た。薬液を注入してから約 150分後に地山の安定化状況
を確認するために注入孔周辺を掘進し調査したところ、
固結範囲は半径約2.5mの半球状に固結しており、かつ、
大きな空隙部も高密度でよくシールされていた。なお、
参考のためにとくに大きな空隙部でシール固結している
製造例2の薬液の単独固結部分をサンプラーで5cmφ×
10cmの円柱形状にコアサンプリングして一軸圧縮強度を
測定するとともに燃焼テストを実施した。結果を表2に
示す。
【0040】
【表2】
【0041】実施例2の結果より、本発明の薬液を注入
ボルトよりも大きな空隙を有する花崗岩破砕帯部に注入
することにより空隙を完全にシールしかつ破砕帯部にも
よく浸透固結し、岩盤の安定化を図ることができ、トン
ネル掘削工事において非常に有益であることが立証され
た。
【0042】実施例3 G.L.(地下)7〜10mで砂礫混じりの細砂湧水地盤
におけるシールド掘進工事(地下水位5m)で止水遂お
よび周辺地盤の安定化を図る目的で表1における製造例
4の(A) 成分、(B) 成分、(C) 成分および(D) 成分を静
止ミキサー内装の鉄製注入ロッド(外形40.5mm)を通
し、比例配合ポンプを用いて(A) 成分、(B) 成分と(C)
成分の混合物/(D) 成分が容量比で約1/2となるよう
な割合で1.5 ショット法により掘削予定周辺地盤へ約23
0 m3 注入し改良した。注入前と比較して、表3に示さ
れるような地盤の安定強化および止水効果がえられ、シ
ールド掘削推進を図ることができた。
【0043】
【表3】
【0044】実施例4 鉄筋コンクリート3階建ビルの屋上スラブのコーナー部
にクラックが発生し、降雨時に階下に漏水していた。こ
のクラックに対し、直径10mmのドリルを用い約20cmピッ
チで深さ約5cmの孔を15個削孔し、孔内の削りくずや粉
塵を圧縮空気で吹き飛ばしたのちに削孔上に脱脂綿を約
5mm厚にのせ、その上から外径約10mmの注入パイプを木
製ハンマーで打ち込んだ。静止ミキサーを内装したY字
管を注入パイプにセットし、表1における製造例3の
(A) 成分、(B) 成分、(C) 成分および(D) 成分を、(A)
成分、(B) 成分と(C) 成分の混合物/(D) 成分の容量比
が約1/1.5となるような割合で手押し注入ポンプにより
1孔あたり約2〜3リットル注入した。
【0045】注入後、注入パイプを取り除き、コルク栓
を打ち込み、モルタルを塗布して仕上げた。約2週間後
に激しい降雨があったが、以前のような漏水はまったく
発生せず、クラックシールおよび止水に大変有効なこと
が立証された。
【0046】比較例1 製造例4の各成分のうち、(C) 成分の界面活性剤を用い
なかったほかは同様にしてポンプによって混合して吐出
し、薬液を確認したところ、層分離が発生し、均一な固
結体がえられなかった。
【0047】比較例2 製造例3の(C) 成分のHLB 8 の非イオン活性剤のかわり
に、オクチルフェノール酸化エチレン10モル付加物(HL
B 14)を用いてポンプによって混合し、吐出したとこ
ろ、薬液が層分離し、均一な固結体がえられなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明の注入薬液組成物およびそれを用
いた安定強化工法は、以下に述べる〜の効果を奏す
る。
【0049】 (A) 成分のアルカリケイ酸塩水溶液、
(B) 成分の三級アミンおよび(D) 成分の有機ポリイソシ
アネート化合物は、(C) 成分の界面活性剤を用いること
により、たがいに相溶性が非常によいため、確実な尿素
- 無水ケイ酸複合体、ウレタン- 無水ケイ酸複合体およ
び無水ケイ酸の複合固結体が形成され、さらに岩盤や地
盤ないし人工構造物とのなじみが良好で、接着性が向上
するとともに、空隙の封止効果が大となる。したがっ
て、固結硬化性能が非常に高く確実に岩盤ないし地盤の
安定強化を達成することができ、かつ漏洩部では確実な
止水効果が奏される。
【0050】 (A) 成分、(B) 成分、(C) 成分および
(D) 成分の混合液は粘性が低く、浸透性にすぐれてい
る。
【0051】 (A) 成分のアルカリケイ酸塩水溶液を
用いたこと、(B) 成分の三級アミンを用いたことおよび
(D) 成分の有機ポリイソシアネート化合物による発泡効
果により、単位体積あたりのコストが低く、経済的であ
る。
【0052】 固結体強度が大きく、強度の要求され
る不安定岩盤ないし地盤の安定強化に有効である。
【0053】 耐久性にすぐれ、かつ難燃性ないし不
燃性であり、火災の心配が少ない。また、労働安全衛生
上でもすぐれている。
【0054】このように本発明の工法は、すぐれた特徴
を有しており、一般山岳トンネルはもちろんのこと、大
断面トンネル掘削工事や大深度地下土木工事などにおい
て要求される、より確実かつ高強度で、経済的であり、
安全性にすぐれた不安定岩盤ないし地盤の安定強化を達
成するのにきわめて有効な工法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) アルカリケイ酸塩水溶液、(B) 三級
    アミン、(C) 陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性
    剤、両性イオン界面活性剤およびHLB が4〜10の非イオ
    ン界面活性剤から選ばれた少なくとも1種の界面活性
    剤、ならびに(D) 有機ポリイソシアネート化合物からな
    る土質などの安定化注入薬液組成物。
  2. 【請求項2】 岩盤、地盤ないし人工構造物に請求項1
    記載の安定化注入薬液組成物を注入し、固結ないし封止
    することを特徴とする安定強化工法。
JP2951392A 1992-02-17 1992-02-17 土質などの安定化注入薬液組成物およびそれを用いた安定強化工法 Pending JPH07242873A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233054A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 岩盤ないし地盤固結用の注入薬液組成物及びそれを用いた土壌安定強化止水工法
CN102605759A (zh) * 2012-03-30 2012-07-25 连云港港口工程设计研究院有限公司 淤泥软基的碱渣快速固结法
JP2015140570A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 大地 山下 土留部材撤去方法

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