JP2784157B2

JP2784157B2 - 洗浄装置

Info

Publication number: JP2784157B2
Application number: JP7146536A
Authority: JP
Inventors: 正英内野
Original assignee: JAPAN FUIIRUDO KK
Current assignee: JAPAN FUIIRUDO KK
Priority date: 1995-06-13
Filing date: 1995-06-13
Publication date: 1998-08-06
Anticipated expiration: 2013-08-06
Also published as: JPH091091A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子部品、機械部品、
その他の被洗浄物を洗浄する洗浄装置に係るものであっ
て、被洗浄物の浸漬洗浄及び蒸気洗浄を可能とするもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、塩素系溶剤やフッ素系溶剤等は不
燃性のため、溶剤を加温する場合、ヒーターを溶剤中に
直接浸漬して行う方法が一般的に行われている。しか
し、この方法は不注意等により空焚きをすると熱分解ガ
スを発生する。この熱分解ガスが有毒で、塩素ガス、ホ
スゲンガス、フッ化水素ガス等が発生し、人体にも周囲
の金属に対しても不都合なものとなる。また、可燃性溶
剤を使用する場合には、空焚き状態になると引火、爆発
等の事故を発生させ、極めて危険なものとなる。

【０００３】そこで、従来そのような事故を防ぐため、
直接加熱ではなく、間接的に溶剤を加熱する方法が用い
られている。この方法は、熱媒体液を加熱し、この熱媒
体液により溶剤を加熱する方法が用いられている。この
方法は、溶剤を直接加熱する場合と異なり、空焚き等を
生じる事がなく、安全な加熱を可能とする事ができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱媒体
液を介して溶剤の加熱を行う場合、熱媒体液を高温で用
いるため、熱媒体液の表面から少量のガスが発生する。
例えば、熱媒体液を熱媒体用の油分により構成すれば、
油煙が発生するし、熱媒体液を水により構成すれば、水
蒸気が発生するものとなる。

【０００５】そのため、この熱媒体液から発生するガス
を室内に放出すると、室内の空気を汚染したりする好ま
しくない状況が発生する。また、洗浄槽からも洗浄作業
中に、塩素系溶剤やフッ素系溶剤等を利用する場合に
は、人体にとって有毒なガスが洗浄槽内から外部に少量
ずつ流出し、人間が吸引すると健康を害する危険性を生
じる。また、溶剤に可燃性溶剤を使用する場合は、可燃
性ガスが洗浄槽外へ少量ずつ流出する場合が多いが、こ
の可燃性ガスを滞溜させると引火爆発の可能性を生じ危
険なものとなる。

【０００６】本発明は、上述の如き課題を解決しようと
するものであって、熱媒体液から発生するガスと被洗浄
物を洗浄する槽内の溶剤から発生するガスとを、簡易な
手段により一方向に導き、室内等ではなく外部に排出す
る事を可能にしようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、内部に充填した熱媒体液の加熱部を
下端に設けるとともに充填した熱媒体液の液面よりも上
部の側面に排気口を開口した外槽と、この外槽内に挿入
して熱媒体液と接触し内部に充填した溶剤液を加熱する
とともに上端の内開口部を、外槽の外開口部よりも下方
で排気口よりも上方に配置した内槽とから成るものであ
る。

【０００８】また、内槽は、開口部の内周に凝縮用の冷
却コイルを配置したものであっても良い。

【０００９】また、内槽は、内部に少量の溶剤を充填し
加熱により蒸気を発生させ蒸気洗浄槽として使用するも
のであっても良い。

【００１０】また、内槽は、被洗浄物を浸漬し得る量の
溶剤を内部に充填し浸漬洗浄槽として使用するものであ
っても良い。

【００１１】

【作用】本発明は、上述の如く構成したものであるか
ら、被洗浄物の洗浄を行おうとする場合には、外槽内に
熱媒体液を充填する。この熱媒体液の充填量は、外槽の
排気口に至らない範囲で行う。そして、内槽内に被洗浄
物の洗浄目的に適応した溶剤液を充填する。

【００１２】この溶剤液の充填量は、被洗浄物の浸漬洗
浄を行う場合には、被洗浄物が十分浸漬する事ができる
量を充填する。また、被洗浄物の蒸気洗浄を行う場合に
は、溶剤の無駄な加熱を防止するため、少量の溶剤液を
充填するか、蒸発量に対応する量だけ少量ずつ順次内槽
内に溶剤液を注入するようにしてもよい。

【００１３】このようにしたものに於て、加熱部を加熱
し熱媒体液を加熱すると、この熱媒体液の加熱された熱
エネルギーにより、溶剤液を加熱する事ができる。この
熱媒体液の加熱により発生する水蒸気等の湯気、若しく
は、熱媒体液に油性のものを用いた場合に生じる油煙等
は、排気口から外部に放出される。

【００１４】そして、この排気口よりも、内槽の内開口
部を上方に設けているから、熱媒体液から発生する水蒸
気、油煙等は排気口から排出され、内槽内に流入する事
はない。そのため、水蒸気、油煙等により内槽内の溶剤
を汚染したり、被洗浄物を汚染する恐れはない。

【００１５】また、内槽内の溶剤も加熱により蒸発し、
冷却コイルで冷却しきれなかったガスは、内槽の内開口
部から外部に流出する。しかし、この内開口部は外槽の
外開口部よりも下方に形成しているから、外槽の外開口
部から外部に流出する事はなく、排気口から外部に排出
されるものとなる。したがって、この排気口を適宜のダ
クト等により、安全な場所まで導けば、熱媒体液の水蒸
気、油煙、溶剤液の蒸発ガス等が室内に拡散する恐れは
なく、安全な洗浄作業を可能とする事ができる。

【００１６】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、(１)は外槽で、下端にヒーター等により形成した加
熱部(２)を設けている。また、外槽(１)は内部に油性、
若しくは水等からなる熱媒体液(３)を充填している。

【００１７】この熱媒体液(３)は、外槽(１)の側面に開
口した排気口(４)よりも下方に液面を配置するよう充填
し、排気口(４)から溢れるような充填を行ってはならな
い。この排気口(４)にはファン(５)を形成し、外槽(１)
内部の気体を、強制的に外部に排気し得るように形成し
ている。

【００１８】そして、この外槽(１)の下端には、熱媒体
液(３)が流通可能となるよう、適宜の流通間隔(６)を設
けた支持体(７)を配置している。この、支持体(７)の上
部には内槽(８)を配置している。この内槽(８)は、下端
を熱媒体液(３)内に挿入し、内部に充填する溶剤液(１
０)の加熱を可能としている。

【００１９】そして、この内槽(８)は上端に形成した内
開口部(１１)の内周に、冷却コイル(１２)を巻き回し、
溶剤液(１０)の加熱により発生する蒸気を凝縮可能とし
ている。また、内槽(８)の内開口部(１１)は、外槽(１)
の上端に形成する外開口部(１３)よりも下方に配置する
とともに、外槽(１)の側面に設けた排気口(４)よりも上
方に配置している。

【００２０】このように形成したものに於て、被洗浄物
(１４)の浸漬洗浄を行おうとする場合には、図１に示す
如く、被洗浄物(１４)を浸漬するに十分な量の溶剤液
(１０)を、冷却コイル(１２)に接触しない範囲で内槽
(８)内に充填する。そして、加熱部(２)を加熱し、熱媒
体液(３)を加熱させれば、この熱媒体液(３)を介して、
溶剤液(１０)は加熱され昇温し、内部に浸漬している被
洗浄物(１４)の洗浄を可能とする。

【００２１】そして、この加熱部(２)による熱媒体液
(３)の加熱により発生する水蒸気、油煙等は排気口(４)
からファン(５)に吸引され外部に排出される。また、内
槽(８)の熱媒体液(３)による加熱によって、溶剤液(１
０)から発生する蒸気は、その殆どが内開口部(１１)の
内方に形成した凝縮用の冷却コイル(１２)によって凝縮
されるが、一部は内開口部(１１)から外槽(１)内に流出
する。しかし、内開口部(１１)は外槽(１)の外開口部
(１３)よりも下方に配置しているから、溶剤ガスは外槽
(１)の外に流出する事はなく、外槽(１)内に流出するの
みである。そして、この外槽(１)内に流出した溶剤ガス
は、排気口(４)からファン(５)により吸引され、外部の
安全な場所まで排気する事ができる。

【００２２】また、内槽(８)の上部には必要に応じて蓋
体(１５)を形成する事により、溶剤ガスの外槽(１)内へ
の流出は減少し、洗浄作業に於ける安全度を高める事が
できるものとなる。また、排気口(４)からの排気によ
り、流動する気体は外槽(１)の外開口部(１３)から流入
する外気によって補われるものとなる。また、熱媒体液
(３)内には温度センサー(１６)を挿入し、温度管理を行
う事が可能となる。

【００２３】また、上記実施例に於ては、被洗浄物(１
４)の浸漬洗浄を行ったが、他の異なる使用例に於て
は、図２に示す如く、少量の溶剤を内槽(８)内に充填
し、熱媒体液(３)による加熱により、洗浄蒸気を発生さ
せ、被洗浄物(１４)の蒸気洗浄を行う事が可能となる。
この場合、溶剤液(１０)は被洗浄物(１４)の蒸気洗浄に
必要とされる最小限の量を充填する事により、経済的で
危険度の少ない蒸気洗浄を可能とする事ができる。ま
た、この蒸気洗浄に於ては溶剤液(１０)を必要に応じ
て、ごく少量ずつ順次連続的に充填する事により、内槽
(８)の内部には溶剤を液状の状態では殆ど存在させない
ようにする事も可能である。

【００２４】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものである
から、熱媒体液の水蒸気、油煙等とともに内槽内の溶剤
のガスを外槽から流出させることがなく、洗浄作業場の
室内環境を汚染させずに、排気口から外部の安全な場所
まで導いて排気する事が可能となる。そして、簡易な構
成により安全で効果の高い被洗浄物の浸漬洗浄、若しく
は蒸気洗浄を行う事が可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】被洗浄物の浸漬洗浄の状態を示す断面図であ
る。

【図２】被洗浄物の蒸気洗浄の状態を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１外槽２加熱部３熱媒体８内槽１０溶剤液１１内開口部１２冷却コイル１３外開口部１４被洗浄物

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平６−71236（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−75305（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−184335（ＪＰ，Ａ) 特開平１−226157（ＪＰ，Ａ) 特開平１−231329（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−134088（ＪＰ，Ａ) 実開昭51−53768（ＪＰ，Ｕ) 実開昭62−202301（ＪＰ，Ｕ) 実開昭61−44288（ＪＰ，Ｕ) 実開平４−37580（ＪＰ，Ｕ) 実開昭52−19968（ＪＰ，Ｕ) 特公平７−67552（ＪＰ，Ｂ２) 特公平４−45225（ＪＰ，Ｂ２) 実公昭58−55661（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B08B 3/00 - 3/14 C23G 1/00 - 5/06

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】内部に充填した熱媒体液の加熱部を下端
に設けるとともに充填した熱媒体液の液面よりも上部の
側面に排気口を開口した外槽と、この外槽内に挿入して
熱媒体液と接触し内部に充填した溶剤液を加熱するとと
もに上端の内開口部を、外槽の外開口部よりも下方で排
気口よりも上方に配置した内槽とから成る事を特徴とす
る洗浄装置。
【請求項２】内槽は、開口部の内周に凝縮用の冷却コ
イルを配置した事を特徴とする請求項１の洗浄装置。
【請求項３】内槽は、内部に少量の溶剤液を充填し加
熱により蒸気を発生させ蒸気洗浄槽として使用するもの
である事を特徴とする請求項１の洗浄装置。
【請求項４】内槽は、被洗浄物を浸漬し得る量の溶剤
液を内部に充填し浸漬洗浄槽として使用するものである
事を特徴とする請求項１の洗浄装置。