JP6309118B1 - 被洗浄物の蒸気洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低価格で製造できる常圧型の蒸気洗浄装置を用いながら、大型の被洗浄物を洗浄する場合でも、洗浄溶剤の外部への拡散を抑制して洗浄溶剤の流出に伴う環境へ与える影響を減少するとともに、洗浄溶剤の消耗を抑制し、低コストでの被洗浄物の蒸気洗浄を可能にする。【解決手段】洗浄蒸気5を作業室8に流出させる流出口10を設けた被覆板2と、流出口10から作業室8に流出する洗浄蒸気5を凝縮する凝縮部11と、被覆板2上で凝縮部11と流出口10の間隔に配置して、内部の被洗浄物7の蒸気洗浄を可能とした洗浄筒12とを備える。そして、洗浄筒12の上端開口部14には、この上端開口部14を閉止する蓋体15を被覆配置し、この蓋体15及び/又は洗浄筒12に、洗浄筒12内と作業室8とを連通する連通孔19を設けて洗浄筒12内の洗浄蒸気5を作業室8に排気及び吸気可能とする。【選択図】図1

Description

本発明は常圧環境で行う被洗浄物の蒸気洗浄装置に係るものであって、被洗浄物の蒸気洗浄に於いて洗浄溶剤の大気への拡散を防止し、環境負荷を減少するとともに洗浄溶剤の消耗を減少することにより、被洗浄物の蒸気洗浄コストを低減させることを目的とするものである。
従来、被洗浄物の常圧環境で行う蒸気洗浄方法としては、特許文献1に示す如く、常圧型の蒸気発生部の内部に充填した洗浄溶剤を加熱して洗浄蒸気を上部の作業室一杯に発生させ、この作業室の洗浄蒸気に被洗浄物を接触して蒸気洗浄を行うことが知られている。この従来方法では、蒸気洗浄を行う作業室の上端方向に凝縮部を形成するものであるため、発生した洗浄蒸気は作業室内を上方に立ち上がり、この作業室内の上方に設けた凝縮部と接触する位置まで、作業室一杯に洗浄蒸気を充満させるものとなる。
特開平6−73580号公報 特許第5076033号公報
しかしながら、洗浄溶剤の蒸気は一般的に蒸気密度が空気よりも3〜6倍ぐらい大きいため、空気よりも重く、蒸気が立ち上がってくると、その位置に存在した空気を上方に押し上げて、洗浄槽の上部に設けた作業室内の空気を外部に押し出し拡散するものとなる。その結果、洗浄溶剤を含んだ空気が外部に拡散し環境負荷を高めるとともに洗浄溶剤の消耗を多くし洗浄コストを高めるものとなっていた。また、洗浄蒸気を充満した作業室内に被洗浄物を投入すると、洗浄蒸気は被洗浄物によって凝縮され蒸気レベルが急速に下降するため、この下降した分だけ外部の空気が洗浄槽内に流入するものとなる。
この洗浄槽内から外部への空気の拡散と、外部の空気の洗浄槽内への流入を繰り返すことにより、環境負荷を高めたり、洗浄溶剤の消耗を多くするなどの課題が生じていた。また、オゾン層破壊物質である1.1.1トリクロロエタンやフロン113の使用が禁止され、その代替洗浄溶剤が、従来使用の洗浄溶剤に比較し高価であるため、洗浄溶剤の消耗は重要な問題となっている。また、これらの課題を解決するため密閉した真空槽内で蒸気洗浄を行う方法も知られているが、装置が高価なものとなる。
そこで特許文献2に示す如く、洗浄蒸気を上部の作業室に流出させる流出口を設けた被覆板と、この被覆板の流出口から上部の常圧の作業室に流出する洗浄蒸気を作業室の下方位置で凝縮する凝縮部と、この凝縮部と流出口の間隔に配置して内部に洗浄蒸気を立ち上げ、内部に収納する被洗浄物に洗浄蒸気を接触して蒸気洗浄を可能とした筒状の洗浄筒とから成る蒸気洗浄装置が既に公知となっている。そして上記構成により、被洗浄物の蒸気洗浄を行わない場合は流出口から流出させた蒸気を作業室の下方位置で凝縮部により凝縮し、作業室の空気を上方に押し上げて作業室外に排気することを抑制することを目的としたものである。
しかしながら、例えば特許文献2に示す如き蒸気洗浄装置を用いて特に大型の被洗浄物の蒸気洗浄を行った場合には、この大型の被洗浄物を挿入することができる大型の洗浄筒を使用する必要がある。そして大型の洗浄筒を用いた場合には、この大型の洗浄筒の上端開口部の開放面積が広いものとなるため、洗浄筒からの洗浄溶剤の蒸気の拡散量が多くなってしまうため、作業室全体に蒸気が拡散しやすくなるという問題が生じていた。
本願の第1〜3発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、低価格で製造できる常圧型の蒸気洗浄装置を用いながら、大型の被洗浄物を洗浄する場合でも、洗浄溶剤の外部への拡散を抑制して洗浄溶剤の流出に伴う環境へ与える影響を減少するとともに、洗浄溶剤の消耗を抑制し、低コストでの被洗浄物の蒸気洗浄を可能にしようとするものである。尚、本発明における洗浄筒は、その断面形状を円形、四角形、三角形、多角形等の任意の形状とした筒を意味するものである。
上述の如き課題を解決するため、本願の第1、2発明は洗浄蒸気を上部の常圧の作業室に流出させる流出口を設けた被覆板と、この被覆板の流出口から上記作業室に流出する洗浄蒸気を作業室の下方位置で凝縮する凝縮部と、上記被覆板上で凝縮部と流出口の間隔に配置して内部に洗浄蒸気を立ち上げ、内部に収納する被洗浄物に洗浄蒸気を接触して蒸気洗浄を可能とした筒状の洗浄筒とから成る被洗浄物の蒸気洗浄装置を前提としたものである。
そして本願の第1発明は、上記洗浄筒の上端開口部には、この上端開口部を閉止するとともに洗浄蒸気が通過することのない蓋体を被覆配置し、上記洗浄筒に、洗浄筒内と作業室とを連通する連通孔を設け、この連通孔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたものである。このように洗浄筒の上端開口部に洗浄蒸気が通過することのない蓋体を設けることにより、洗浄筒内に貯留された洗浄蒸気が洗浄筒の上端開口部から作業室内に流出することを防ぐことができる。また、上記洗浄筒内と作業室とを連通する連通孔を設けているため、洗浄筒内の洗浄蒸気はこの連通孔から流出するものとなるから、洗浄蒸気を作業室の下方に集合させるとともに凝縮部で凝縮させることが可能となり、洗浄筒の上端開口部から洗浄蒸気が作業室の上部方向に拡散して外部に洗浄蒸気が流出するという事態を防ぐことができる。
また第1発明の連通孔には、先端部分が水平方向又は下方に向いた管部材を接続し、この管部材及び連通孔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたものであってもよい。これにより、洗浄筒内の洗浄蒸気はこの管部材の先端部分から水平方向又は下方に向けて流出するものとなるから、洗浄蒸気を作業室の下方に集合させるとともに凝縮部で凝縮させることが可能となり、洗浄筒の上端開口部から洗浄蒸気が作業室の上部方向に拡散して外部に洗浄蒸気が流出するという事態を防ぐことができる。
また本願の第2発明は、洗浄筒の上端開口部には、この上端開口部を閉止する蓋体を被覆配置し、この蓋体に洗浄筒内と作業室とを連通する連通孔を設け、この連通孔には、先端部分が水平方向又は下方に向いた管部材を接続し、この管部材及び連通孔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたものである。このように洗浄筒の上端開口部に洗浄蒸気が通過することのない蓋体を設けることにより、洗浄筒内に貯留された洗浄蒸気が洗浄筒の上端開口部から作業室内に流出することを防ぐことができる。また、連通孔には、先端部分が水平方向又は下方に向いた管部材を接続し、この管部材及び連通孔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としているため、洗浄蒸気を作業室の下方に集合させるとともに凝縮部で凝縮させることが可能となり、洗浄筒の上端開口部から洗浄蒸気が作業室の上部方向に拡散して外部に洗浄蒸気が流出するという事態を防ぐことができる。
また蓋体は、洗浄筒に開閉可能に接続したものであってもよい。
また管部材は、その先端部分を作業室内に設けた凝縮部側に配置したものであってもよい。
また管部材には、冷却器を備えたものであってもよい。
また本願の第3発明は、洗浄蒸気を上部の常圧の作業室に流出させる流出口を設けた被覆板と、この被覆板の流出口から上記作業室に流出する洗浄蒸気を作業室の下方位置で凝縮する凝縮部と、上記被覆板上で凝縮部と流出口の間隔に配置して内部に洗浄蒸気を立ち上げ、内部に収納する被洗浄物に洗浄蒸気を接触して蒸気洗浄を可能とした筒状の洗浄筒とから成る被洗浄物の蒸気洗浄装置である。
また、この洗浄筒の上端開口部には、この上端開口部を被覆可能とするとともに洗浄蒸気が通過することのない蓋体を、洗浄筒の上端開口部と蓋体との間に洗浄蒸気の流通間隔を設けて被覆配置し、この流通間隔を通じて、洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたものである。このように洗浄筒の上端開口部に蓋体を設けることにより、洗浄筒内に貯留された洗浄蒸気が洗浄筒の上端開口部から作業室内に流出することを防ぐことができる。洗浄筒の上端開口部と蓋体との間に洗浄蒸気の流通間隔を設けて被覆配置し、この流通間隔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としていることから、洗浄筒内の洗浄蒸気は上記流通間隔から流出するものとなる。従って、洗浄蒸気を洗浄筒の上端開口部から洗浄蒸気が作業室の上部方向に拡散して外部に洗浄蒸気が流出する事態を防ぐことができる。
本願の第1〜3発明は上述の如く、洗浄蒸気を上部の常圧の作業室に流出させる流出口を被覆板に設けたものであるから、洗浄蒸気は流出口のみから作業室に流出し、作業室の内径全面に洗浄蒸気を流出させることがなく、洗浄蒸気の管理が極めて容易となる。即ち、被洗浄物の蒸気洗浄を行わない場合は、流出口から流出させた蒸気を作業室の下方位置で凝縮部により凝縮することが可能となり、作業室内の空気が上方に押し上げられにくいものとなるため、作業室の外方に排気することが極めて少なくなる。
また、被洗浄物の蒸気洗浄を行う場合は、被覆板の上面で流出口の外周に筒状の洗浄筒を配置することにより、この筒状の洗浄筒内に洗浄蒸気を溜めることが出来る。洗浄蒸気によって押し上げられる空気はこの洗浄筒の容積と近似したものとなる。そのため、この洗浄筒を被洗浄物の洗浄に必要な最小限の容積とすることにより、従来作業室の全体の空気が外部に押し出されていたものが、洗浄筒の容積対応分のみとなり、従来に比較し極めて少ないものとすることができる。また、被洗浄物を洗浄筒内に挿入して蒸気洗浄を行う場合も、被洗浄物に凝縮して容積を減少する洗浄蒸気は、洗浄筒の容積対応分となり、外部からの作業室への空気の流入も少ないものとなる。また、洗浄筒から溢れた洗浄蒸気は、作業室の下方位置で凝縮部により凝縮することが可能となり、作業室の空気の上方への押し上げに影響を与えることが極めて少なくなる。
また第1、2発明では、蓋体や洗浄筒に、洗浄筒内と作業室とを連通する連通孔を設けていることから、洗浄筒内の洗浄蒸気は連通孔から流出するものとなる。従って、洗浄蒸気を作業室の下方側に集合させるとともに凝縮部で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気を洗浄筒の上端開口部から作業室の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
また第3発明では、流通間隔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としていることから、洗浄筒内の洗浄蒸気は上記流通間隔から流出するものとなる。従って、洗浄蒸気を洗浄筒の上端開口部から作業室の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
第1発明である実施例1を示す断面図。 第1発明である実施例2において蒸気洗浄時の状態を示す断面図。 実施例2において液洗浄時の状態を示す断面図。 第1発明である実施例3を示す断面図。 第1発明である実施例4を示す断面図。 第2発明である実施例5を示す断面図。 第2発明である実施例6を示す断面図。 第2発明である実施例7を示す断面図。 第1発明である実施例8を示す断面図。 第1発明である実施例9を示す断面図。 第3発明である実施例10を示す断面図。
以下、本発明の実施例1を説明すると、(1)は蒸気洗浄槽で、常圧状態で使用するよう
構成するとともに内部を被覆板(2)により上下に仕切り、下部を、内部に洗浄溶剤(3)を収納するとともにこの洗浄溶剤(3)をヒーター(4)で加熱して洗浄蒸気(5)を発生させる蒸気発生部(6)とし、上部を被洗浄物(7)の蒸気洗浄等の洗浄作業を行う作業室(8)としている。
また本実施例で使用する洗浄溶剤(3)としては、HFC、HFE等のフッ素系溶剤、臭
素系溶剤、PFC、PFPE等のフッ素系不活性液、IPA、エチルアルコール、メタノール等のアルコール類、アセトン等の親水性溶剤、塩素系溶剤等の一種又は複数種を用いる事ができる。また、被覆板(2)には蒸気発生部(6)で発生した洗浄蒸気(5)を上部の作業室(8)に流出させる流出口(10)を設けている。
また、蒸気洗浄槽(1)の作業室(8)の内周には、冷水を流通した冷却パイプ(9)を作業室(8)の上方から被覆板(2)の近傍まで巻き回して配設することにより凝縮部(11)を形成している。このように、凝縮部(11)を作業室(8)の内面且つ被覆板(2)の上面側に設ける事により、流出口(10)から流出した洗浄蒸気(5)が作業室(8)の内周で凝縮されるから、この洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上方に上昇することがない。そのため、作業室(8)内の空気を押し上げによる蒸気洗浄槽(1)外への排気を大幅に減少することができる。
また、この被覆板(2)の上面には、内部に被洗浄物(7)を挿入配置可能とする円筒状の洗浄筒(12)を凝縮部(11)と流出口(10)の間隔に配置している。このように洗浄筒(12)を被覆板(2)上に配置することにより、この洗浄筒(12)の内部に流出口(10)から流出した洗浄蒸気(5)を立ち上げることができる。
そしてこの洗浄筒(12)の外周壁(13)は、洗浄蒸気(5)が通過することのない金属板、樹
脂板等の材質で穴等を設けることなく形成するとともに、この洗浄筒(12)の上端開口部(14)には、外周壁(13)と同じく洗浄蒸気(5)が通過することのない金属等の材質で形成した蓋体(15)を蝶番を介して回動可能に設けており、この蓋体(15)によって上端開口部(14)を閉止可能としている。また、洗浄筒(12)の下端側には、洗浄蒸気(5)が通過可能で被洗浄物(7)が脱落することのない金網等の材質で形成した底板(16)を設けている。
また、この洗浄筒(12)は、被覆板(2)に固定的に設置したものであっても良いし、被覆
板(2)に交換可能に載置したものであっても良い。また、洗浄筒(12)は蒸気洗浄を行う被
洗浄物(7)の容積に対応した最小限の容積とすることが好ましい。そして、洗浄筒(12)を
通い籠として使用する場合には、洗浄筒(12)に任意の取手(図示せず)等を接続しても良い。また前記の凝縮部(11)は、洗浄筒(12)の上端よりも下側の被覆板(2)側にその一部が配置されるように設けている。
またこの洗浄筒(12)の外周壁(13)には連通孔(19)を開口するとともに、この連通孔(19)に略L字型の管部材(17)を、先端部分(18)を下向きに接続配置している。これにより、洗浄筒(12)内と作業室(8)内とをこの連通孔(19)及び管部材(17)を通じて連通可能としている。このように洗浄筒(12)に連通孔(19)及び管部材(17)を設けることによって、洗浄筒(12)の上端開口部(14)に蓋体(15)を被覆した状態で洗浄筒(12)内に洗浄蒸気(5)が充満した際には、この洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)が管部材(17)の先端部分(18)から下方に向けて流出するものとなる。
従って、洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に集合させるとともに凝縮部(11)で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気(5)を洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。また蒸気発生部(6)には、温度センサー(20)及び水位計(21)を備えている。
上述の如く構成したものに於いて被洗浄物(7)の蒸気洗浄を行うには、蒸気発生部(6)の洗浄溶剤(3)をヒーター(4)で加熱して洗浄蒸気(5)を発生させる。この洗浄蒸気(5)は、被覆板(2)に設けた流出口(10)のみから作業室(8)に流出する。この流出した洗浄蒸気(5)は、被洗浄物(7)の蒸気洗浄を行わない場合は作業室(8)の内面に設けた凝縮部(11)で凝縮される。そのため、蒸気洗浄作業の待機中に於いても作業室(8)内に充満して作業室(8)の空気を押し上げて外部に流出させるという事態が極めて少ないものとなる。
次に、上記被覆板(2)には洗浄筒(12)を、流出口(10)の外周で凝縮部(11)との間隔に配
置するとともに、この洗浄筒(12)の内部に被洗浄物(7)を配置した後、洗浄筒(12)に接続
した蓋体(15)にてこの洗浄筒(12)の上端開口部(14)を閉止する。これにより、流出口(10)
から流出した洗浄蒸気(5)が洗浄筒(12)の内部に立ち上がって充満し、内部に収納した被
洗浄物(7)の表面にて洗浄蒸気(5)が凝縮して蒸気洗浄が行われる。
そして、この蒸気洗浄時に洗浄蒸気(5)が洗浄筒(12)に充満した場合には、上記の如く
洗浄筒(12)の上端開口部(14)には蓋体(15)を被覆配置していることから洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)は洗浄筒(12)に接続した管部材(17)から排気されるものとなる。ここで、この管部材(17)は先端部分(18)を下方に配置していることから、洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に向けて排気することができるとともに、作業室(8)の下方に排気された洗浄蒸気(5)は凝縮部(11)にて凝縮されるものとなる。
このように、洗浄筒(12)から排気された洗浄蒸気(5)は、作業室(8)の下方において凝縮されるものとなるから洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
尚、洗浄筒(12)は被覆板(2)の上面に固定的に配置したものであっても良いし、被洗浄
物(7)の洗浄目的に応じて任意の寸法のものを選択的に使用することも出来る。また、洗
浄筒(12)は取っ手(図示せず)等を設けて被洗浄物(7)の通い籠として使用すれば、通常の
通い籠が不要となり洗浄コストを低減することが可能となる。
上記の実施例1に於いては、凝縮部(11)を作業室(8)の内面全体に設けているが、実施
例2では凝縮部(11)を、図2、3に示す如く、被覆板(2)の水平方向側方に設けた連通口(25)に連続して形成した冷却槽(26)に設けている。
この凝縮部(11)は、冷却液を流通した冷却パイプ(27)を内周に配置して成るものであって、蒸気洗浄槽(1)に連通口(25)を介して連接した冷却槽(26)内に設けている。またこの冷却槽(26)内には、冷却した洗浄溶剤(3)を収納している。そして蒸気洗浄を行わない場合は、被覆板(2)の流出口(10)から流出する洗浄蒸気(5)を連通口(25)を通じて冷却槽(26)内に導入し、この冷却槽(26)内の凝縮部(11)にて凝縮することにより作業室(8)内の空気の押し上げを防止している。
また、凝縮部(11)では洗浄蒸気(5)を凝縮して生じた洗浄溶剤(3)を冷却槽(26)内に貯留するとともに、この貯留により生じた洗浄溶剤(3)のオーバーフロー液を、冷却槽(26)と蒸気洗浄槽(1)との間に設けたオーバーフロー管(28)を通じて蒸気洗浄槽(1)内の蒸気発生部(6)に還流可能としている。
また、上記冷却槽(26)にはシャワーポンプ(30)を介してシャワーノズル(31)を接続している。そしてこのシャワーノズル(31)を洗浄筒(12)内に配置するとともにシャワーポンプ(30)を作動させることにより、凝縮部(11)内の洗浄溶剤(3)をシャワーノズル(31)から被洗浄物(7)に噴射して、被洗浄物(7)の液洗浄を可能としている。また、冷却槽(26)内には水位計(32)を配置している。尚、本実施例のその他の構成については上記実施例1と同様としている。
上述の如く形成したものにおいて被洗浄物(7)の蒸気洗浄を行うには、まず蒸気発生部(6)のヒーター(4)により洗浄溶剤(3)を加熱して洗浄蒸気(5)を発生させる。次に、上記実施例1と同様に洗浄筒(12)を、流出口(10)の外周且つ被覆板(2)の上面に配置することにより、洗浄蒸気(5)の作業室(8)上方への流動が阻止されるとともに、蓋体(15)を被覆した洗浄筒(12)の内部に洗浄蒸気(5)が立ち上がって充満するため、この洗浄筒(12)内に収納した被洗浄物(7)の蒸気洗浄が行われる。
また、本実施例でも上記実施例1と同様の連通孔(19)及び管部材(17)を洗浄筒(12)に設けている。そのため、洗浄筒(12)内に充満した洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に集合させるとともに凝縮部(11)で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気(5)を洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
また、この蒸気洗浄の前、又は蒸気洗浄と同時に液洗浄を行う場合がある。この液洗浄は、シャワーポンプ(30)を作動させて、シャワーノズル(31)から被洗浄物(7)に冷却した洗浄溶剤(3)を噴射することにより行われるものである。この液洗浄によって被洗浄物(7)を十分に冷却することができるため、その後の洗浄蒸気(5)の凝縮が良好に行われて被洗浄物(7)の精密洗浄が可能となる。
上述の如く、実施例2では冷却槽(26)内にて凝縮した凝縮液を貯留するとともに、貯留した凝縮液を液洗浄用の洗浄液として利用することが出来るという利点を有している。一方、実施例1では蒸気洗浄機能に限定することにより製造コストを低減し廉価な蒸気洗浄を可能とする利点を有している。
上記の実施例1、2に於いては、被覆板(2)にて上下に仕切った蒸気洗浄槽(1)の下部に蒸気発生部(6)を設けて洗浄蒸気(5)を発生させているが、本実施例3では、図4に示す如く、内部を蒸気発生部(47)とした蒸気発生槽(35)を蒸気洗浄槽(1)とは全く別個に設けている。そしてこの蒸気発生槽(35)内に洗浄溶剤(3)を収納し、この洗浄溶剤(3)をヒーター(48)で加熱することにより洗浄蒸気(5)を発生させている。
そして、蒸気発生槽(35)の上部を洗浄蒸気(5)の溜部(36)とし、更にこの溜部(36)の上
部には、仕切板(40)を介して凝縮室(37)を設けている。そしてこの凝縮室(37)の内周には、冷却水を流通した冷却パイプ(38)を凝縮室(37)の上端から仕切板(40)まで形成している。また、この凝縮室(37)と溜部(36)とを、仕切板(40)に設けた流通口(41)を介して連通している。
そのため、溜部(36)からこの流通口(41)を通じて凝縮室(37)に流入した洗浄蒸気(5)は
、上昇することなく仕切板(40)の近傍で凝縮するものとなる。また、このように仕切板(40)の近傍で凝縮した凝縮液は、凝縮室(37)に連通して設けた水分分離器(42)を通じて蒸気発生槽(35)内の洗浄溶剤(3)に環流させるものとしている。
また、蒸気発生槽(35)の溜部(36)と、蒸気洗浄槽(1)の被覆板(2)の下部に設けた導入室(43)とを、蒸気配管(44)、蒸気開閉弁(45)を介して接続している。そのため、上記溜部(36)から導入室(43)に導入された洗浄蒸気(5)は、被覆板(2)に設けた流出口(10)を介して作業室(8)に流入するものとなる。また、作業室(8)内にて洗浄蒸気(5)の凝縮が行われた場合には、この凝縮液が再び流出口(10)を通じて導入室(43)内に流入し、この導入室(43)に接続した環流配管(46)を通じて蒸気発生槽(35)内に還流される。尚、その他の構成は上記実施例1、2と同一である。
上述の如く形成した実施例3に於いて被洗浄物(7)の蒸気洗浄を行うには、まず蒸気発
生部(47)の底部側に設けたヒーター(48)により、この蒸気発生部(47)内に収納した洗浄溶剤(3)を加熱して洗浄蒸気(5)を発生させる。そして、蒸気開閉弁(45)を開放することにより、洗浄蒸気(5)が図4に示す如く蒸気配管(44)を通じて蒸気洗浄槽(1)の導入室(43)内に導入される。
一方、被覆板(2)の上面には、被覆板(2)の流出口(10)の外周に囲むように洗浄筒(12)を配置するとともに洗浄筒(12)の上端開口部(14)を蓋体(15)にて閉止することにより、導入室(43)内に充満した洗浄蒸気(5)は流出口(10)から洗浄筒(12)内に流入するものとなり、この洗浄筒(12)内に洗浄蒸気(5)が満たされるものとなる。そしてこの状態で、この洗浄筒(12)内に挿入配置した被洗浄物(7)の蒸気洗浄が行われる。
上記の如く、本実施例3では蒸気発生部(47)を蒸気洗浄槽(1)とは全く別個に形成しているので、蒸気発生部(47)と蒸気洗浄槽(1)とを接続する蒸気開閉弁(45)を開閉することにより作業室(8)への洗浄蒸気(5)の供給及び停止を迅速確実に行う事が可能となる。また、蒸気洗浄を行わない場合は、洗浄溶剤(3)を蒸気発生槽(35)内に還流させて回収密閉することにより、不使用時の洗浄溶剤(3)の消耗を確実に防止する事が可能となる。
また、本実施例でも上記実施例1、2と同様の連通孔(19)及び管部材(17)を洗浄筒(12)に設けている。そのため、洗浄筒(12)内に充満した洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に集合させるとともに凝縮部(11)で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気(5)を洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
また、上記実施例1〜3では略L字型の管部材(17)を設けているが、本実施例4ではL字型で、且つ中央部外周に冷却器(55)を設けた管部材(56)を使用している。そのため、管部材(56)を流通する洗浄蒸気(5)はこの冷却器(55)によって冷却されて凝縮するものとなり、凝縮された洗浄液が管部材(56)の先端部分(57)から被覆板(2)に流下するものとなる。尚、本実施例4における他の構成は、上記実施例1と同じである。
このように洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)が管部材(56)を通過する際に凝縮されるため、
洗浄筒(12)の管部材(56)から洗浄蒸気(5)の排気が極めて少ないものとなり、洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散するという事態を防ぐことが可能となる。従って、洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を更に大幅に減らして環境負荷を更に低くすることができる。
また、上記実施例1〜4では洗浄筒(12)の外周壁(13)に連通孔(19)及び管部材(17)(56)を設けているが、本実施例5では、洗浄筒(12)の蓋体(61)の上面(62)に連通孔(65)及び管部材(63)を設けている。即ち、図6に示す如く本実施例の管部材(63)は略U字型に形成したものであって、その一端を平板状の蓋体(61)に接続するとともに他端側である先端部分(64)を下方に向けて配置している。尚、この連通孔(65)及び管部材(63)以外の本実施例の構成については、上記実施例1と同じである。
上記の如く管部材(63)を蓋体(61)に接続配置することにより、洗浄筒(12)の上端開口部(14)に蓋体(61)を被覆した状態で洗浄筒(12)内に洗浄蒸気(5)が充満した際には、この洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)が管部材(63)の先端部分(64)から下方に向けて流出するものとなる。従って、洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に集合させるとともに凝縮部(11)で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気(5)を洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
また、上記実施例5では管部材(63)を硬質素材の金属にて形成しているが、本実施例では図7に示す如く、管部材(70)を軟弾性材製の樹脂材にて形成している。尚、この管部材(70)以外の本実施例の構成については、上記実施例5と同じである。
上記の如く管部材(70)を蓋体(61)に接続配置することにより、洗浄筒(12)の上端開口部(14)に蓋体(61)を被覆した状態で洗浄筒(12)内に洗浄蒸気(5)が充満した際には、この洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)が管部材(70)の先端部分(71)から下方に向けて流出するものとなる。従って、洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に集合させるとともに凝縮部(11)で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気(5)を洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
また、上記実施例5、6では、蓋体(61)の上面(62)に連通孔(65)及び管部材(63)(70)を設けているが、本実施例7では天板(75)と外周壁(13)とを備えた蓋体(77)の外周壁(76)側に連通孔(81)及び管部材(78)を設けている。また本実施例の管部材(78)は断面く字型であって、その先端部分(80)を下方に向けて配置している。尚、この管部材(78)以外の本実施例の構成については、上記実施例5と同じである。また、本実施例及び上記実施例1〜6では管部材(17)(56)(63)(70)(78)の先端部分(18)(57)(64)(71)(80)を下方に向けて配置しているが、他の異なる実施例ではこれに限らず、管部材(78)の先端部分を水平方向に向けて配置することも可能である。
上記の如く管部材(78)を蓋体(77)に接続配置することにより、洗浄筒(12)の上端開口部(14)に蓋体(77)を被覆した状態で洗浄筒(12)内に洗浄蒸気(5)が充満した際には、この洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)が管部材(78)の先端部分(80)から下方に向けて流出するものとなる。従って、洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に集合させるとともに凝縮部(11)で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気(5)を洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
また、上記実施例1〜4では洗浄筒(12)の外周壁(13)に連通孔(19)及び管部材(17)(56)を設けているが、本実施例8では図9に示す如く、洗浄筒(12)の外周壁に連通孔(19)のみを設けている。尚、この連通孔(19)部分以外の本実施例の構成については、上記実施例1と同じである。
上記の如く洗浄筒(12)の上端開口部(14)に蓋体(61)を被覆した状態で洗浄筒(12)内に洗浄蒸気(5)が充満した際には、この洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)が連通孔(19)から流出するものとなる。従って、洗浄蒸気(5)を作業室(8)の下方に集合させるとともに凝縮部(11)で凝縮させることが可能となる。よって、洗浄蒸気(5)を洗浄筒(12)の上端開口部(14)から洗浄蒸気(5)が作業室(8)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(3)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(5)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
また、本実施例9でも上記実施例8と同様に、洗浄筒(12)の外周壁(13)に管部材を設けることなく連通孔(19)のみを設けている。尚、この連通孔(19)部分以外の本実施例の構成については、上記実施例2と同じである。
上記実施例1〜9では、洗浄筒(12)又はその蓋体(61)(77)に連通孔(19)(65)(72)(81)や管部材(17)(56)(63)(70)(78)を設け、この連通孔(19)(65)(72)(81)や管部材(17)(56)(63)(70)(78)を通じて洗浄筒(12)内の洗浄蒸気(5)を作業室(92)内に排気及び吸気可能としているが、本願の第3発明に該当する実施例10では、洗浄筒(96)と蓋体(100)との間に洗浄蒸気(93)の流通間隔(104)を設けて蓋体(100)を被覆配置し、この流通間隔(104)を通じて洗浄筒(96)内の洗浄蒸気(93)を作業室(92)に排気及び吸気可能としている。
本実施例について説明すると、本実施例の蒸気洗浄槽(85)は常圧状態で使用するよう構成するとともに内部を被覆板(86)により上下に仕切り、下部を、内部に洗浄溶剤(87)を収納するとともにこの洗浄溶剤(87)をヒーター(88)で加熱して洗浄蒸気(93)を発生させる蒸気発生部(91)とし、上部を被洗浄物(106)の蒸気洗浄等の洗浄作業を行う作業室(92)としている。
また本実施例で使用する洗浄溶剤(87)としては、HFC、HFE等のフッ素系溶剤、臭素系溶剤、PFC、PFPE等のフッ素系不活性液、IPA、エチルアルコール、メタノール等のアルコール類、アセトン等の親水性溶剤、塩素系溶剤等の一種又は複数種を用いる事ができる。また、被覆板(86)には蒸気発生部(91)で発生した洗浄蒸気(93)を上部の作業室(92)に流出させる流出口(94)を設けている。
また、蒸気洗浄槽(85)の作業室(92)の内周には、冷水を流通した冷却パイプ(95)を作業室(92)の上方から被覆板(86)の近傍まで巻き回して配設することにより凝縮部(110)を形成している。このように、凝縮部(110)を作業室(92)の内面で被覆板(86)の上面に設ける事により、流出口(94)から流出する洗浄蒸気(93)が作業室(92)の内周で凝縮されるから、この洗浄蒸気(93)が作業室(92)の上方に上昇することなく、作業室(92)内の空気を押し上げて外部に排気することを大幅に減少することができる。
また、この被覆板(86)の上面には、内部に被洗浄物(106)を挿入配置可能とする円筒状
の洗浄筒(96)を凝縮部(110)と流出口(94)の間隔に配置している。このように洗浄筒(96)
を被覆板(2)上に配置することにより、流出口(94)から流出した洗浄蒸気(93)をこの洗浄
筒(96)の内部に立ち上げることができる。
そしてこの洗浄筒(96)の外周壁(97)は、洗浄蒸気(93)が通過することのない金属板、樹脂板等の材質で穴等を設けることなく形成するとともに、洗浄筒(96)の上端開口部(98)には、外周壁(13)と同じく洗浄蒸気(93)が通過することのない金属等の材質で形成した断面コ字型の蓋体(100)を設けている。そして、上記洗浄筒(96)の上端開口部(98)に蓋体(100)を被覆配置した際には、洗浄筒(96)の上端開口部(98)と蓋体(100)の天面(101)、及び洗浄筒(96)の外周壁(13)の外周面(102)と蓋体(100)の内周面(103)との間に、洗浄蒸気(93)の流通間隔(104)を設けている。
上記の如く洗浄筒(96)と蓋体(100)との間に流通間隔(104)を設けることによって、洗浄筒(96)の上端開口部(98)に蓋体(100)を被覆した状態で洗浄筒(96)内に洗浄蒸気(93)が充満した際には、この洗浄筒(96)内の洗浄蒸気(93)が流通間隔(104)から下方に向けて流出するものとなる。従って、洗浄蒸気(93)を作業室(92)の下方位置に集合させるとともに凝縮部(110)で凝縮させることが可能となる。
よって、洗浄蒸気(93)を洗浄筒(96)の上端開口部(98)から洗浄蒸気(93)が作業室(92)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(87)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(93)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。また、洗浄筒(96)の下端側には、洗浄蒸気(93)が通過可能で被洗浄物(106)が脱落することのない金網等の材質で形成した底板(105)を設けている。
また、この洗浄筒(96)は、被覆板(86)に固定的に設置したものであっても良いし、被覆板(86)に交換可能に載置したものであっても良い。また、洗浄筒(96)は蒸気洗浄を行う被洗浄物(106)の容積に対応した最小限の容積とすることが好ましい。そして、洗浄筒(96)を通い籠として使用する場合には、洗浄筒(96)に任意の取手(図示せず)等を接続しても良い。また前記の凝縮部(110)は、洗浄筒(96)の上端よりも下側の被覆板(86)側にその一部が配置されるように設けている。また蒸気発生部(91)には、温度センサー(107)及び水位計(108)を備えている。
上述の如く構成したものに於いて被洗浄物(106)の蒸気洗浄を行うには、蒸気発生部(91)の洗浄溶剤(87)をヒーター(88)で加熱して洗浄蒸気(93)を発生させる。この洗浄蒸気(93)は、被覆板(86)に設けた流出口(94)のみから作業室(92)に流出する。この流出した洗浄蒸気(93)は、被洗浄物(106)の蒸気洗浄を行わない場合は作業室(92)の内面に設けた凝縮部(110)で凝縮されるため、蒸気洗浄作業の待機中に於いても作業室(92)の空気を押し上げて洗浄蒸気(93)が外部に流出させることが極めて少ないものとなる。
次に、洗浄筒(12)を、流出口(94)の外周で凝縮部(110)との間隔に配置するとともに、
この洗浄筒(96)の内部に被洗浄物(106)を配置して、この洗浄筒(96)に接続した蓋体(100)にて上端開口部(98)を被覆する。そして、上記発生部から流出口(94)を通じて流出した洗浄蒸気(93)が洗浄筒(96)の内部に立ち上がって充満し、内部に収納した被洗浄物(106)の蒸気洗浄が行われる。
ここで、この流通間隔(104)を通じて洗浄筒(96)から排気された洗浄蒸気(93)は、図9
の矢印に示す如く作業室(92)の下方に向けて排気されるものとなる。よって、洗浄蒸気(93)を洗浄筒(96)の上端開口部(98)から洗浄蒸気(93)が作業室(92)の上部方向に拡散する事態を防ぐことが可能となり、これにより洗浄溶剤(87)の無駄な消耗を防止して洗浄コストを低減することができるとともに、洗浄蒸気(93)の大気への拡散を大幅に減らして環境負荷を更に低くすることが可能となる。
2,86 被覆板
5,93 洗浄蒸気
6,91 蒸気発生部
7,106 被洗浄物
8,92 作業室
10,94 流出口
11,110 凝縮部
12,96 洗浄筒
14,98 上端開口部
15,61,77,100 蓋体
17,56,63,70 管部材
18,57,64,71,80 先端部分
19,65,72,81 連通孔
55 冷却器
104 流通間隔

Claims (7)

  1. 蒸気発生部から洗浄蒸気をこの蒸気発生部の上部に備えた常圧の作業室に流出させる流出口を設けた被覆板と、この被覆板の流出口から上記作業室に流出する洗浄蒸気を作業室の下方位置で凝縮する凝縮部と、上記被覆板上で凝縮部と流出口の間隔に配置して内部に洗浄蒸気を立ち上げ、内部に収納する被洗浄物に洗浄蒸気を接触して蒸気洗浄を可能とした筒状の洗浄筒とを備えた被洗浄物の蒸気洗浄装置において、上記洗浄筒の上端開口部には、この上端開口部を閉止するとともに洗浄蒸気が通過することのない蓋体を被覆配置し、上記洗浄筒に、この洗浄筒内と作業室とを連通する連通孔を設け、この連通孔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたことを特徴とする被洗浄物の蒸気洗浄装置。
  2. 蒸気発生部から洗浄蒸気をこの蒸気発生部の上部に備えた常圧の作業室に流出させる流出口を設けた被覆板と、この被覆板の流出口から上記作業室に流出する洗浄蒸気を作業室の下方位置で凝縮する凝縮部と、上記被覆板上で凝縮部と流出口の間隔に配置して内部に洗浄蒸気を立ち上げ、内部に収納する被洗浄物に洗浄蒸気を接触して蒸気洗浄を可能とした筒状の洗浄筒とを備えた被洗浄物の蒸気洗浄装置において、上記洗浄筒の上端開口部には、この上端開口部を閉止する蓋体を被覆配置し、この蓋体に洗浄筒内と作業室とを連通する連通孔を設け、この連通孔には、先端部分が水平方向又は下方に向いた管部材を接続し、この管部材及び連通孔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたことを特徴とする被洗浄物の蒸気洗浄装置。
  3. 連通孔には、先端部分が水平方向又は下方に向いた管部材を接続し、この管部材及び連通孔を通じて洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたことを特徴とする請求項1の被洗浄物の蒸気洗浄装置。
  4. 蓋体は、洗浄筒に開閉可能に接続したことを特徴とする請求項1、2、または3の被洗浄物の蒸気洗浄装置。
  5. 管部材は、その先端部分を作業室内に設けた凝縮部側に配置したことを特徴とする請求項2、または3の被洗浄物の蒸気洗浄装置。
  6. 管部材には、冷却器を備えたことを特徴とする請求項2、3、または5の被洗浄物の蒸気洗浄装置。
  7. 洗浄蒸気を上部の常圧の作業室に流出させる流出口を設けた被覆板と、この被覆板の流出口から上記作業室に流出する洗浄蒸気を作業室の下方位置で凝縮する凝縮部と、上記被覆板上で凝縮部と流出口の間隔に配置して内部に洗浄蒸気を立ち上げ、内部に収納する被洗浄物に洗浄蒸気を接触して蒸気洗浄を可能とした筒状の洗浄筒とから成る被洗浄物の蒸気洗浄装置において、この洗浄筒の上端開口部には、この上端開口部を被覆可能とするとともに洗浄蒸気が通過することのない蓋体を、洗浄筒の上端開口部と蓋体との間に洗浄蒸気の流通間隔を設けて被覆配置し、この流通間隔を通じて、洗浄筒内の洗浄蒸気を作業室に排気及び吸気可能としたことを特徴とする被洗浄物の蒸気洗浄装置。
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