JP2783890B2 - レーザ発振器 - Google Patents

レーザ発振器

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JP2783890B2 JP2056898A JP5689890A JP2783890B2 JP 2783890 B2 JP2783890 B2 JP 2783890B2 JP 2056898 A JP2056898 A JP 2056898A JP 5689890 A JP5689890 A JP 5689890A JP 2783890 B2 JP2783890 B2 JP 2783890B2
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敬治 宮澤
基司 田頭
裕司 竹中
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レーザ発振器に係り、さらに詳しくは、全
反射ミラーと拡大ミラーを共焦点配置してなる不安定型
共振器の共振器長を制御する機能を備えたレーザ発振器
に関するものである。
[従来の技術] 第11図は例えばレーザハンドブック(オーム社、昭和
57年)に記載された従来の不安定型共振器を用いたレー
ザ発振器の一例を示す構成図である。図において、
(1)は凹面状の例えばCuより成る全反射ミラー、
(2)は全反射ミラー(1)に対向配置された凸面状の
例えばCuより成る拡大ミラーで、全反射ミラー(1)と
拡大ミラー(2)は正枝構成の共焦点配置となってい
る。(3)は例えばCuより成る開口付きの平面ミラー
で、共振器内からレーザビームを取り出すためのもので
ある。(4)は例えばZnSeより成る透過ミラーで、レー
ザビームはこの透過ミラー(4)を通過することにより
レーザ発振器外へ出射される。(5)はレーザ媒質で、
例えばCO2レーザ等のガスレーザの場合は、放電などに
より励起されたガス媒質、YAG等の固体レーザの場合
は、フラッシュランプ等により励起された固体媒質であ
る。(6)はレーザビーム径を制御するアパーチャ、
(7)は共振器の周囲を覆う箱体、(8)は全反射ミラ
ー(1)と拡大ミラー(2)とによって構成される共振
器の内部に発生したレーザビーム、(9)は透過ミラー
(4)により外部に取り出されたレーザビームである。
(10)は交流電圧が印加される放電電極、(11)はレー
ザビーム(9)を集光する集光器、(12)は集光器(1
1)により集光された集束ビーム、(13)はレーザ加工
を行う加工対象物、(14)はレーザビーム(9)を反射
する反射ミラーである。
次に動作について説明する。レーザビーム(8)は全
反射ミラー(1)と拡大ミラー(2)の間を往復し、こ
の往復の間に放電電極(10)間で励起されたレーザ媒質
(5)により増幅される。このようにしてレーザビーム
(8)が増幅されたのち、その一部が平面ミラー(3)
で反射し、透過ミラー(4)を通過する。共振器の外部
に取り出されたレーザビーム(9)は、共振器の構成が
共焦点配置であるため、平行ビームとなる。レーザビー
ム(9)は反射ミラー(14)で反射されたのち、集光器
(11)を通過して集束ビーム(12)となり、鉄板等の加
工対象物(13)の切断、溶接等を行なう。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように構成した従来の不安定型共振器を備えた
レーザ発振器においては、全反射ミラー(1)と拡大ミ
ラー(2)は箱体(7)の端面に圧着された構成をとっ
ている。そのため全反射ミラー(1)と拡大ミラー
(2)は、レーザ動作をさせると、全反射ミラー(1)
と拡大ミラー(2)の背面側と前面側との間に生じる圧
力差、及びレーザ共振器内で発生するレーザ強度から生
じる熱ひずみ等によって変形し、曲率半径が変化してし
まう。このため、不安定型共振器において正規の共焦点
配置を構成することができなくなり、平行なレーザビー
ムを取り出すことができなくなる等の問題があった。従
来は、このような変形を防止するために全反射ミラー
(1)と拡大ミラー(2)の厚みを増大させたりしてい
たが、全反射ミラー(1)及び拡大ミラー(2)の重量
化及び高価格化という問題があり、さらにレーザ出力を
5kWから10kWで発振させる場合は、ミラーの厚みの増加
に伴うレーザ強度から生じる熱ひずみの増大等の問題が
あった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされた
もので、全反射ミラーと拡大ミラーの内側と外側との間
に生じる圧力差、及びレーザ強度から生じる熱ひずみ等
によるミラーの曲率半径の変化を補正し、不安定型共振
器の共焦点配置を常に正常に保ち、平行なレーザビーム
を取り出すことにより、安定なレーザ加工ができるレー
ザ発振器を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係るレーザ発振器は、全反射ミラーと拡大ミ
ラーを共焦点配置してなる不安定型共振器を有するレー
ザ発振器において、上記不安定型共振器から出射するレ
ーザビームが通過する開口部を有し、上記レーザビーム
の径を検出する検出手段と、該手段からの信号により上
記全反射ミラーと拡大ミラーの両者又は何れか一方を光
軸方向に移動させて共振器長を制御する共振器長制御手
段とを設けたものである。
[作用] レーザビームの径を検出する手段からの出力信号が共
振器長制御手段に加えられると、該手段にあらかじめ設
定された設定レベル信号と比較され、両者が一致しない
ときは全反射ミラー及び拡大ミラーの両者又は何れか一
方をレーザビームの光軸方向に移動させて両信号を一致
させる。これにより共振器長が調節され、全反射ミラー
と拡大ミラーに生じた曲率半径の変化が補正されて、常
に正常な共焦点配置を保持し平行なレーザビームを取り
出すことができる。
[発明の実施例] 第1図は本発明実施例の構成図である。なお、第11図
で説明した従来例と同一又は相当部分には同じ符号を付
し、説明を省略する。(21)は共振器長制御装置で、全
反射ミラー(1)と拡大ミラー(2)の共焦点配置が正
常時のレーザビーム(9)の径、したがってアパーチャ
(6)の径に対応したレベル信号Esがあらかじめ設定さ
れている。(22)は拡大ミラー(2)が取付けられて箱
体(7)に装着された、例えばカメラの焦点距離調整機
構の如きミラー駆動機構で、拡大ミラー(2)は共振器
長制御装置(21)の指令によってレーザビーム(8)の
光軸方向に移動することができる。(23)は中心部にア
パーチャ(6)と同径のレーザビーム(9)が通過でき
る設定開口部(24)が形成され、外周部に例えば熱電対
の如き温度センサが設けられたポジションセンサで、温
度センサの出力信号は共振器長制御装置(21)に加えら
る。
次に、上記のように構成した本発明の作用を説明す
る。なお、レーザ発振器よりレーザビーム(9)が出射
する過程は、第11図で説明した従来の場合と同様なの
で、説明を省略する。いま、ポジションセンサ(23)を
レーザビーム(9)が通過すると、このレーザビーム
(9)の径がポジションセンサ(23)の設定開口部(2
4)の径と等しいとき、即ち、全反射ミラー(1)と拡
大ミラー(2)の共焦点配置が正常のときは、ポジショ
ンセンサ(23)からの出力信号Epはほぼ一定で、設定レ
ベル信号Esと一致している。
レーザビーム(9)のビーム径がポジションセンサ
(23)の設定開口部(24)の径より大きいときは、設定
開口部(24)を通過できないレーザビーム(9)が設定
開口部(24)の周囲に照射されるため、レーザ出力によ
って生ずる熱がポジションセンサ(23)の外周部から温
度センサに伝達され、その出力信号Epが第2図に示すよ
うに共振器長制御装置(21)に加えられる。共振器長制
御装置(21)は第3図(a)に示すようにこの出力信号
Epと設定レベル信号Esとを比較し、両信号EpとEsとの偏
差信号+ΔEをミラー駆動機構(22)に加え、この偏差
信号+ΔEが零になるまで拡大ミラー(2)を移動し、
共振器長を調節する。このようにして、共振器長制御装
置(21)によって調節された不安定型共振器は正常な共
焦点配置が得られ、レーザビーム(9)は平行ビームと
なる。
ポジションセンサ(23)を通過したレーザビーム
(9)のビーム径がその設定開口部(24)の径より小さ
いときは、温度センサに与える熱が小さいので、第3図
(b)に示すように、ポジションセンサ(23)から共振
器長制御装置(21)に伝達される出力信号Epは設定レベ
ル信号Esよりも小さい。このため両信号Es,Epの偏差信
号−ΔEをミラー駆動機構(22)へ出力し、偏差信号−
ΔEが零になるまで拡大ミラー(2)を移動させて共振
器長を補正する。
上記の実施例では、共振器長制御装置(21)を拡大ミ
ラー(2)側に取り付けた場合を示したが、第4図に示
すように全反射ミラー(1)側に取り付けてもよい。ま
た、第5図に示すように共振器長制御装置(21)を全反
射ミラー(1)と拡大ミラー(2)の両側に取り付けて
もよい。
また、上記実施例では、共振器構成が正枝構成の場合
について示したが、第6図に示すように負枝構成の不安
定型共振器の場合にも実施することができる。
さらに、上記実施例では、全反射ミラー(1)と拡大
ミラー(2)を対向配置した不安定型共振器の場合につ
いて示したが、第7図,第8図及び第9図に示すよう
に、例えばCuより成る折返しミラー(15)を共振器内に
挿入することによって構成される、いわゆるL型の不安
定型共振器の場合も本発明を実施することができる。要
するに不安定型共振器の共振器長を調節することによ
り、ミラーの曲率半径の変化を補正し、不安定型共振器
を共焦点配置に保つことで、取り出されるレーザビーム
を平行ビームにするレーザ発振器には、すべて本発明を
実施することができる。
なお、上記実施例では、全反射ミラー(1)と拡大ミ
ラー(2)がCuより成る一般の不安定型共振器の場合に
ついて示したが、第10図に示すように、例えば拡大ミラ
ーとして、ZnSeより構成され、中央部に部分反射性を持
たせた反射率分布ミラー(16)を有する変形された不安
定型共振器に本発明を実施しても有効である。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、全反射ミラーと拡大
ミラーを共焦点配置してなる不安定型共振器を有するレ
ーザ発振器において、上記不安定型共振器から出射する
レーザビームが通過する開口部を有し、上記レーザビー
ムの径を検出する検出手段と、該手段からの信号により
上記全反射ミラーと拡大ミラーの両者又は何れか一方を
レーザビームの光軸方向に移動させて共振器長を制御す
る共振器長制御手段とを設けたので、レーザ発振器から
出射されるレーザビームを常に平行なレーザビームとし
て取り出すことができる。従って、このレーザ発振器を
レーザ加工装置に用いた場合、極めて良好なレーザ加工
特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の構成図、第2図及び第3図
(a),(b)は本発明実施例の作用説明図、第4図〜
第10図はそれぞれ本発明の他の実施例の構成図、第11図
は従来のレーザ発振器の一例を示す構成図である。 図において、(1)は全反射ミラー、(2)は拡大ミラ
ー、(3)は平面ミラー、(4)は透過ミラー、(5)
はレーザ媒質、(6)はアパーチャ、(7)は箱体、
(8),(9)はレーザビーム、(10)は放電電極、
(11)は集光器、(12)は集束ビーム、(13)は加工対
象物、(14)は反射ミラー、(15),(15a)は折返し
ミラー、(16)は反射率分布ミラー、(21)は共振器長
制御装置、(22)はミラー駆動機構、(23)はポジショ
ンセンサである。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示すもの
とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹中 裕司 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内 (72)発明者 葛本 昌樹 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/139 H01S 3/05 H01S 3/105

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全反射ミラーと拡大ミラーを共焦点配置し
    てなる不安定型共振器を有するレーザ発振器において、
    上記不安定型共振器から出射するレーザビームが通過す
    る開口部を有し、上記レーザビームの径を検出する検出
    手段と、 該手段からの信号により上記全反射ミラーと拡大ミラー
    の両者又は何れか一方をレーザビームの光軸方向に移動
    させて共振器長を制御する共振器長制御直段とを設けた
    ことを特徴とするレーザ発振器。
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