JP2782098B2 - 難燃性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

難燃性シリコーンゴム組成物

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JP2782098B2 JP27102289A JP27102289A JP2782098B2 JP 2782098 B2 JP2782098 B2 JP 2782098B2 JP 27102289 A JP27102289 A JP 27102289A JP 27102289 A JP27102289 A JP 27102289A JP 2782098 B2 JP2782098 B2 JP 2782098B2
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聡志 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、難燃性シリコーンゴム組成物に係り、さら
に詳しくは有機臭素化合物を配合してなる難燃性シリコ
ーンゴム組成物に関する。
(従来の技術) 従来から、硬化してシリコーンゴムとなるシリコーン
組成物はよく知られており、その耐候性、耐熱性、耐寒
性、電気絶縁性などの優れた性質を利用して、電気電子
部品のポッティング材、コーティング材、型取り用など
の成形材料、電線用材料などに広く使用されている。ま
た、このシリコーンゴム組成物に各種添加剤を配合する
ことによって、用途に応じた特性たとえば難燃性を付与
して用いることも一般に行われている。
上記シリコーン組成物に対する難燃性付与の技術とし
ては、従来より多数の報告がなされており、たとえば難
燃性付与剤として白金系化合物を配合する方法(特公昭
44−2591号公報、特開昭48−92452号公報、同48−20839
号公報、同49−356号公報など参照)、また白金系化合
物と金属酸化物などと併用する方法(特開昭48−96650
号公報、同48−96651号公報、同49−67933号公報、同53
−110650号公報、同50−97644号公報、同50−98961号公
報、同52−14654号公報、同56−5851号公報、同56−106
957号公報、同57−105455号公報参照)、さらに白金系
化合物とカーボンブラックなどとを併用する方法(特開
昭53−130753号公報、同54−53164号公報など参照)な
どが知られている。
一方、白金系化合物を用いずに難燃性を付与する技術
としては、有機ハロゲン化合物を配合する方法(特開昭
55−108454号公報、同58−149948号公報参照)などが知
られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した従来のシリコーンゴム組成物
に対する難燃性付与技術のうち、白金系化合物あるいは
それと他の物質との併用によるものでは、難燃効果を充
分に付与するべく、それらの配合量を多くすると、ゴム
特性に対して悪影響を及ぼす恐れが高くなるという問題
があった。また、特に白金系化合物は高価な薬剤である
ことから、多量に使用すると製造コストの上昇を招いて
しまうという問題もあった。
一方、有機ハロゲン化合物を用いるものでは、付与特
性を充分に発揮させるためにハロゲン化合物を多量に用
いているため、分解によって生じるハロゲンラジカルや
ハロゲン水素などによって、ゴム特性や雰囲気などに悪
影響を及ぼすという問題があった。さらに、有機ハロゲ
ン化合物では上記分解によって難燃性を長期間にわたっ
て保持できないという問題もあった。
上述したように、付与特性を充分に発揮させるために
上記難燃性付与剤を多量に使用すると、各種の問題が発
生するため、少量の配合で充分に難燃性を付与すること
を可能にすることが強く望まれている。
本発明は、このような課題に対処するべくなされたも
ので、ゴム特性や雰囲気に対する悪影響を抑制した上
で、優れた難燃性を付与したシリコーンゴム組成物を提
供することを目的としており、さらにその付与特性を長
期間にわたって保持することを可能にした難燃性シリコ
ーンゴム組成物を提供することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段と作用) 本発明者はこのようなシリコーンゴム組成物を得るべ
く鋭意検討を重ねた結果、臭素含有量50%以上の有機臭
素化合物と白金系化合物とを併用して極めて少量配合す
ることにより、上記の目的が達成されることを見出し、
かつ、さらにハイドロタルサイト類化合物を適量配合す
ることにより、その効果が持続されることを見出して、
ここに本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の難燃性シリコーンゴム組成物は、硬
化することによりシリコーンゴム弾性体となるシリコー
ンゴム組成物であって、臭素含有量50%以上の有機臭素
化合物を、シリコーンベースポリマー100重量部に対し
0.0001〜2重量部と、白金系化合物を、前記シリコーン
ベースポリマーに対し白金系金属の量として0.1〜1000p
pmとを含有することを特徴とするものである。
本発明のシリコーンゴム組成物は、常温または加熱な
どによって硬化されることによりゴム弾性体となる
(A)ポリオルガノシロキサン組成物を主とし、これに
難燃性付与剤として(B)臭素含有量50%以上の有機臭
素化合物と(C)白金系化合物とを少なくとも配合した
ものであり、さらにこれらに(D)ハイドロタルサイト
類化合物を前記有機臭素化合物の臭素元素の量として10
0重量部に対し、3重量部以上配合したものである。
上記(A)成分のポリオルガノシロキサン組成物は、
基本的には(a)ポリオルガノシロキサンベースポリマ
ー(シリコーンベースポリマー)と(b)硬化剤と、必
要に応じて補強用充填剤や各種添加剤などとを均一に分
散させたものである。
このような組成物に用いられる各種成分のうち、
(a)のシリコーンベースポリマーと(b)の硬化剤
は、ゴム弾性体を得るための反応機構に応じて適宜に選
択されるものである。その反応機構としては、有機過
酸化物加硫剤による架橋方法、縮合反応による方法、
付加反応による方法などが知られており、その反応機
構によって、(a)成分と(b)成分すなわち硬化用触
媒もしくは架橋剤との好ましい組合せが決まることは周
知である。
すなわち、上記の架橋方法を適用する場合において
は、通常、(a)成分のベースポリマーとしては、1分
子中のケイ素原紙に結合した有機基のうち、少なくとも
2個がビニル基であるポリジオルガノシロキサンが用い
られる。また、(b)成分の硬化剤としては、ベンゾイ
ルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチルペルオ
キシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキ
シヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシドなどの各種の
有機過酸化物加硫剤が用いられ、特に低い圧縮永久歪み
を与えることから、ジクミルペルオキシド、クミル−t
−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5ジ−t−ブ
チルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド
が好ましい。なお、これらの有機過酸化物加硫剤は、1
種または2種以上の混合物として用いられる。
(b)成分の硬化剤である有機過酸化物の配合量は、
(a)成分のシリコーンベースポリマー100重量部に対
し0、05〜15重量部の範囲が好ましい。有機過酸化物の
配合量が0.05重量部未満では加硫が充分に行われず、15
重量部を超えて配合してもそれ以上の格別の効果がない
ばかりか、得られたシリコーンゴム成形体の物性に悪影
響を与えることがあるからである。
また、上記の縮合反応を適用する場合においては、
(a)成分のベースポリマーとしては両末端に水酸基を
有するポリジオルガノシロキサンが用いられる。(b)
成分の硬化剤としては、まず架橋剤として、エチルシリ
ケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メト
キシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキ
シ)シラン、メチルトリプロペノキシシランなどのアル
コキシ型;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリア
セトキシシランなどのアセトキシ型;メチルトリ(アセ
トンオキシム)シラン、ビニルトリ(アセトンオキシ
ム)シラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシム)シ
ラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シランな
ど、およびその部分加水分解物が例示される。また、ヘ
キサメチル−ビス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラ
シロキサン、テトラメチルジブチル−ビス(ジエチルア
ミノキシ)シクロテトラシロキサン、ヘプタメチル(ジ
エチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ペンタメ
チル−トリス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロ
キサン、ヘキサメチル−ビス(メチルエチルアミノキ
シ)シクロテトラシロキサン、テトラメチル−ビス(ジ
エチルアミノキシ)−モノ(メチルエチルアミノキシ)
シクロテトラシロキサンのような環状シロキサンなども
例示される。このように、架橋剤はシランやシロキサン
構造のいずれでもよく、またそのシロキサン構造は直鎖
状、分岐状および環状のいずれでもよい。さらに、これ
らを使用する際には1種類に限定される必要はなく、2
種以上の併用も可能である。
また、(b)成分の硬化剤のうち、硬化用触媒として
は、鉄オクトエート、コバルトオクトエート、マンガン
オクトエート、スズナフテネート、スズカプリレート、
スズオレエートのようなカルボン酸金属塩;ジメチルス
ズジオレエート、ジメチルスズジラウレート、ジブチル
スズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジ
フェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチ
ルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロ
キシ)スズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機
スズ化合物が用いられる。
(b)成分の硬化剤のうち、上記架橋剤の配合量は
(a)成分のベースポリマー100重量部に対し0.1〜20重
量部が好ましい。架橋剤の使用量が0.1重量部未満で
は、硬化後のゴムに十分な強度が得られず、また20重量
部を超えると得られるゴムが脆くなり、いずれも実用に
耐え難たい。また、硬化用触媒の配合量は(a)成分の
ベースポリマー100重量部に対し0.01〜5重量部が好ま
しい。これより少ない量では硬化用触媒として不十分で
あって、硬化に長時間を要し、また空気との接触面から
遠い内部での硬化が不良となる。他方、これよりも多い
場合には、保存安定性が低下してしまう。より好ましい
配合量の範囲としては、0.1〜3重量部の範囲である。
上記の付加反応を適用する場合の(a)成分のベー
スポリマーとしては、上記におけるベースポリマーと
同様なものが用いられる。また、(b)成分の硬化剤と
しては、硬化用触媒として塩化白金酸、白金オレフィン
錯体、白金ビニルシロキサン錯体、白金黒、白金トリフ
ェニルホスフィン錯体などの白金系触媒が用いられ、架
橋剤としてケイ素原子に結合した水素原紙が1分子中に
少なくとも平均2個を超える数を有するポリジオルガノ
シロキサンが用いられる。
(b)成分の硬化剤のうち、硬化用触媒の配合量は、
(a)成分のベースポリマーに対し白金原子の量で1〜
1000ppmの範囲となる量が好ましい。硬化用触媒の配合
量が白金原子の量として1ppm未満では、充分に硬化が進
行せず、また1000ppmを超えても特に硬化速度の向上な
どが期待できない。また、架橋剤の配合量は、(a)成
分中のアルケニル基1個に対し、架橋剤中のケイ素原子
に結合した水素原子が0.5〜4.0個となるような量が好ま
しく、さらに好ましくは1.0〜3.0個となるような量であ
る。水素原子の量が0.5個未満である場合は、組成物の
硬化が充分に進行せずに、硬化後の組成物の硬さが低く
なり、また水素原子の量が4.0個を超えると硬化後の組
成物の物理的性質と耐熱性が低下する。
以上のような各種の反応機構において用いられる
(a)成分のベースポリマーとしてのポリオルガノシロ
キサンの有機基は、1価の置換または非置換の炭化水素
基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、ドデシル基のようなアルキル基、フェ
ニル基のようなアリール基、β−フェニルエチル基、β
−フェニルプロピル基のようなアラルキル基などの非置
換の炭化水素基や、クロロメチル基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基などの置換炭化水素基が例示され、一般
的にはメチル基が合成のしやすさなどから多用される。
なお、上記(A)成分のポリオルガノシロキサン組成
物には、充填剤、顔料、耐熱性向上剤、接着助剤などを
随時付加的に配合してもよく、本発明の効果を損わない
範囲で他のポリオルガノシロキサンを併用してもよい。
このようなものとしては、通常、煙霧質シリカ、沈澱法
シリカ、けいそう土などの補強性充填剤、酸化チタン、
酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、
マイカ、クレイ、グラファイト、炭酸亜鉛、炭酸マンガ
ン、水酸化セリウム、ガラスビーズ、ポリジメチルシロ
キサン、アルケニル基含有ポリシロキサンなどが例示さ
れる。
本発明の難燃性シリコーンゴム組成物における(B)
成分の有機臭素化合物は、(C)成分の白金系化合物と
の併用により優れた難燃性を付与する特徴的な物質であ
る。
この有機臭素化合物は、臭素含有量が50%以上のもの
である。このような化合物としては、ヘキサブロモシク
ロドデカン、ヘキサブロモベンゼン、ビス(ブロモエチ
ルエーテル)テトラブロモビスフェノールA、トリス
(2,3ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロ
モフェニル)プロパン、デカブロモジフェニルオキサイ
ド、オクタブロモフェノールエーテル、ペンタブロモト
ルエンなどが例示される。
この有機臭素化合物の配合量は、(A)成分中の
(a)のシリコーンベースポリマー100重量部に対し0.0
001〜2重量部であり、好ましくは0.01〜1重量部であ
る。上記有機臭素化合物の配合量が少なすぎると難燃性
付与効果が顕著でなく、また多すぎると有機臭素化合物
の分解生成物によってゴムなどに悪影響を及ぼす恐れが
ある。この配合量は、この化合物をシリコーン以外のベ
ースポリマーに配合する場合と比較すると、極めて少量
で効果を奏することも特徴である。
また、本発明の難燃性シリコーンゴム組成物における
(C)成分の白金系化合物は、(B)成分との併用で優
れた難燃性を付与するものである。
この白金系化合物としては、前述したポリオルガノシ
ロキサンの付加反応における硬化用触媒として用いられ
る白金系化合物と同様なものでよく、たとえば塩化白金
酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とオレフィンとの
錯体、白金とケトン類との錯体、白金とビニルシロキサ
ンとの錯体、アルミナまたはシリカなどの担体に白金を
保持させたもの;白金黒などで例示される白金系化合
物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、パラジウム黒とトリフェニルホスフィンとの混合物
などで例示されるパラジウム系化合物、あるいはロジウ
ム系化合物などが例示される。
この(C)成分の配合量は、(A)成分中の(a)の
シリコーンベースポリマーに対し、白金、パラジウム、
ロジウムの各元素量に換算して0.1〜1000ppmとなる範囲
であり、好ましくは0.5〜200ppmの範囲である。これら
の量が0.1ppm未満では難燃付与効果が不十分となる。他
方(C)成分は貴金属を含み一般に高価であることから
多量の添加は経済的に不利であり、また1000ppmより多
くしても格別の意味がなく、さらに耐熱性が悪くなるた
めに、このような範囲が画定される。
本発明の難燃性シリコーンゴム組成物は、(A)成分
に対して(B)成分および(C)成分を規定量配合させ
ることにより、少量の(B)有機臭素化合物の配合で優
れた難燃性を発揮できるが、さらに(D)ハイドロタル
サイト類化合物を配合させることにより、より優れた難
燃性の付与とその維持性の向上が達成される。
上記(D)成分のハイドロタルサイト類は、 一般式: (式中、M2+はMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Z
n2+などの2価金属を、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+、Co3+
In3+などの3価金属を、An-はOH-、F-、Cl-、Br-、N
O3 -、CO3 2-、SO4 2-、Fe(CN)6 3-、CH3COO-、ショウ酸
イオン、サリチン酸イオンなどのn価のアニオンを示
し、Xは0<X≦0.33を満足する数である。) で表わされる不定比化合物であり、ソ連のウラル地方
やノルウェーのスナルムなどで天然に産出されるほか、
米国特許第3,539,306号公報、同第3,650,704号公報など
に記載された方法で工業的に生産される。
上記ハイドロタルサイト類化合物の配合量は、(B)
成分の有機臭素化合物の臭素元素の量として100重量部
に対し3重量部以上が好ましく、さらに好ましくは5〜
50重量部の範囲である。ハイドロタルサイト類化合物の
配合量が3重量部未満というようにあまり少なすぎる
と、(B)成分によって付与される特性の維持効果を充
分に発揮することができないためである。ただし、多す
ぎると(B)成分の配合効果を損なう恐れがある。
また、本発明の難燃性シリコーンゴム組成物には、
(B)成分の有機臭素化合物の安定化の目的で、炭酸カ
ルシウム粉末を配合することも有効である。この炭酸カ
ルシウム粉末は脂肪酸などで表面処理を施してあるもの
でもよいが、本発明の効果からは表面処理を施していな
いものの方が好ましい。この炭酸カルシウム粉末の配合
量は、本発明の組成物による特性を損なわない範囲で適
宜設定されるものであるが、本発明の組成物100重量部
に対し50重量部以下、1〜30重量部が好ましい。
なお、特開昭52−69469号公報には白金化合物と希土
類酸化物および芳香族酸化合物またはそのハロゲン化合
物を用いるものが例示されているが、これに示されてい
る芳香族酸ハロゲン化合物は、本発明の有機臭素化合物
とは別個のものである。
(実施例) 次に、本発明の実施例について説明する。なお、以下
の文中における「部」は、全て「重量部」を示すものと
する。
実施例1(過酸化物加流型) 末端がトリメチルシリル基で閉塞され、メチルビニル
シロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシロ
キサン(重合度約6000)をベースポリマーとし、このベ
ースポリマー100部に、加工助剤として末端にメトキシ
基を有するポリジメチルシロキサン(粘度20cSt)10
部、有機臭素化合物であるトリス(2,3−ジブロモプロ
ピル)イソシアヌレート(臭素含有量66%)0.7部およ
び白金系化合物として亜リン酸トリフェニルの塩化白金
酸の反応錯体(白金元素量として5%)0.2部をニーダ
ーに仕込み、回転速度30r.p.mで充填材として煙霧質シ
リカ・アエロジル200(商品名、日本アエロジル社
(株)製)40部を徐々に加えて混練し、さらに160℃に
昇温して混練りを2時間行って、シリコーンゴムコンパ
ウンドを調整した。これに、2,5−ジメチル−2,5−ジタ
−シャリ−ブチルパ−オキシヘキサン0.5部を均一に混
合して燃焼性シリコーンゴム組成物を調整し、後述する
特性評価に供した。
実施例2 実施例1の燃焼性シリコーンゴム組成物に、さらにハ
イドロタルサイト類化合物・DIH−4A(商品名、協和化
学工業社(株)製)0.05部を配合し、均一に混合してシ
リコーンゴム組成物を調整し、後述する特性評価に供し
た。
比較例1 実施例1において、亜リン酸トルフェニルの塩化白金
酸の反応錯体を用いず、かつトリス(2,3−ジブロモプ
ロピル)イソシアヌレートの配合量を1.4部とする以外
は、実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を調整
し、後述する特性評価に供した。
比較例2 実施例1において、トリス(2,3ジブロモプロピル)
イソシアヌレートの代りに、難燃剤であるパークロロシ
クロペンタデカンンを1部用いた以外は、実施例1と同
様にしてシリコーンゴム組成物を調整し、後述する特性
評価に供した。
以上の実施例1、2および比較例1、2で得た各シリ
コーンゴム組成物を用い、以下に示す難燃性評価試験を
行った。
まず、各シリコーンゴム組成物を、1mm厚シートおよ
び2mm厚シートとして170℃、10分間プレス加硫を行った
後、二次加硫として200℃、4時間の条件で熱空気加硫
を行い、常温に戻してそれぞれシリコーンゴムシートを
作製した。
このようにして得た各シリコーンゴムシートに対し、
200℃にて14日間の加熱を施し、それぞれ室温に戻した
後に、UL94に基づく難燃性試験を行った。その結果を第
1表に示す。
実施例3(縮合反応型) 分子鎖両末端がシラノール基で封鎖された25℃におけ
る粘度が10000cPであるポリジメチルシロキサン100重量
部に、充填材として粉砕石英・クリスタライトVX−S
(商品名、(株)龍森社製)30部、架橋剤としてメチル
トリ(メチルエチルケトオキシム)シラン8部、硬化用
触媒としてジブチルスズジラウレート0.2部、有機臭素
化合物であるデカブロモジフェニルオキサイド(臭素含
有量83%)0.7部および実施例1で用いた白金系錯体0.2
部を配合し、均一に混合して難燃性シリコーンゴム組成
物を得た。
実施例4 実施例3の難燃性シリコーンゴム組成物に、さらにハ
イドロタルサイト類化合物・DHT−4A0.1部を配合し、均
一に混合してシリコーンゴム組成物を得た。
比較例3 実施例3において、デカブロモジフェニルオキサイド
の配合量を1.5部に変更し、かつ白金系錯体を配合しな
い以外は、実施例3と同様にしてシリコーンゴム組成物
を得た。
比較例4 実施例3において、デカブロモジフェニルオキサイド
の代りにトリアリールリン酸エステル(リン系難燃剤)
を2部配合する以外は、実施例3と同様にしてシリコー
ンゴム組成物を得た。
以上の実施例3、4および比較例3、4の各シリコー
ンゴム組成物を用い、上記した難燃性評価試験を行っ
た。その結果を第2表に示す。
以上の各実施例および比較例の難燃性評価結果から明
らかなように、有機臭素系(臭素含有量50%以上)難燃
性付与剤と白金系錯体との併用により、該難燃性付与剤
の配合量を少量にしながらも好ましい難燃効果を付与す
ることができることが分る。そして、この効果はハイド
ロタルサイト類化合物の併用においてさらに顕著とな
り、その持続性も向上する。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、極めて少量の有
機臭素化合物と白金系化合物とを併用することにより、
優れた難燃性を付与したシリコーンゴム組成物を得るこ
とができ、それらの配合量を極めて少量とすることがで
きることから、ゴム特性などに対する悪影響が防止でき
る。また、この効果はハイドロタルサイト類化合物を配
合することにより、さらに向上しかつ長期間にわたって
維持することが可能となる。したがって、本発明のシリ
コーンゴム組成物は、難燃性が必要とされるシーリング
材として、電気、電子用部品や建築用に、また難燃電線
被覆用などに広く有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化することによりシリコーンゴム弾性体
    となるシリコーンゴム組成物であって、 臭素含有量50%以上の有機臭素化合物を、シリコーンベ
    ースポリマー100重量部に対し0.0001〜2重量部と、 白金系化合物を、前記シリコーンベースポリマーに対し
    白金系金属の量として0.1〜1000ppmとを含有することを
    特徴とする難燃性シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の難燃性シリコーンゴム組成
    物において、 ハイドロタルサイト類化合物を前記有機臭素化合物の臭
    素元素の量として100重量部に対し3重量部以上含有す
    ることを特徴とする難燃性シリコーンゴム組成物。
JP27102289A 1989-10-18 1989-10-18 難燃性シリコーンゴム組成物 Expired - Lifetime JP2782098B2 (ja)

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