JP2781668B2 - 樹脂成形用ダイ - Google Patents

樹脂成形用ダイ

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JP2781668B2
JP2781668B2 JP3032918A JP3291891A JP2781668B2 JP 2781668 B2 JP2781668 B2 JP 2781668B2 JP 3032918 A JP3032918 A JP 3032918A JP 3291891 A JP3291891 A JP 3291891A JP 2781668 B2 JP2781668 B2 JP 2781668B2
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resin
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resin molding
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昌利 滝川
克喜 近藤
嘉一 山口
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Polyplastics Co Ltd
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Polyplastics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂成形用ダイに関す
る。さらに詳しくは、ノズル部を窒化珪素を主体とする
セラミックで形成することにより、目ヤニの発生、目ヤ
ニの変色、ダイの摩耗およびこれらの現象に伴って派生
する、成形品例えばストランドの外観、形状不良、更に
は不安定な運転、例えばストランド切れ等の問題を改善
した樹脂成形用ダイに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】樹脂を
ストランド状に成形して押し出し、これを切断して成形
用のペレットを製造したり、成形用ペレットを用いて押
し出し成形あるいはブロー成形を行う場合等において
は、目的とする製品形状に応じたノズル形状を有する成
形用ダイが用いられる。従来、このような成形用ダイ
は、殆どが工具鋼、SUS 鋼等の金属製のものであった。
しかしながら、このような金属製のダイで樹脂を成形す
ると、ノズル周辺に目ヤニと称される現象が生じ、製品
の品質や外観を損ねるという問題があり、また、樹脂に
配合される添加物の種類によっては、ダイ特にノズル部
の内面が摩耗し、ノズルで賦形されて流出する樹脂量の
不均衡による成形品の乱れや不安定な運転状態が生じ、
また、ダイの寿命が短くなるという問題があった。即
ち、樹脂には様々な目的で各種の安定剤や添加物が配合
されるが、これらの物質は樹脂と完全に相溶することは
極めて稀であり、溶融樹脂がノズル先端部から流出する
際、樹脂表層部に存在する添加物の一部は樹脂から分離
してダイ表面側に移行し、一般に目ヤニと称される物質
となって徐々に蓄積する。また、成形加工中の熱により
分解して生じた樹脂の低分子量物も、同様にノズル先端
部で分離し、目ヤニとなってダイ表面に付着する場合が
多い。このようにしてダイ表面に生じた目ヤニは、ダイ
に加えられている熱により劣化、変色を起こし、ノズル
から出ていく樹脂の表面にその極く一部が付着しただけ
でも製品の外観を著しく損ねることになる。また、ダイ
表面でさらに成長した目ヤニの塊はやがてはダイ表面か
ら剥離し、ノズルから製品となって出ていく樹脂の表面
に付着し、さらに大きな製品品質上の問題を生じる。ま
た、ある種の添加物、例えばガラス繊維、ガラスフレー
ク等の多量に配合されたものでは、ダイが摩耗するとい
う問題がある。樹脂の成形加工におけるこのような目ヤ
ニ及びダイの摩耗の問題を解決する手段として、特開昭
61−249735号公報には、ジルコニアを主体とするセラミ
ックで構成した成形用ダイスが提案されている。しかし
ながら、ジルコニア製のダイスは熱衝撃に対する耐久性
に欠け、比較的高温での熱履歴が繰り返されるような用
途に適用した場合、破損しやすいという欠点を有する。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決するため鋭意検討した結果、窒化珪素をダイのノ
ズル部に使用すれば目ヤニの発生防止および発生した目
ヤニの変色防止に極めて有効であることを見出し、ま
た、窒化珪素は耐摩耗性、耐熱衝撃性等にも優れている
という知見を得て、本発明に到達した。即ち、本発明は
無機充填剤又は相溶性の乏しい添加物の配合された熱可
塑性樹脂の成形加工に用いられる樹脂成形用ダイであっ
て、金属製のダイ本体に設けられたノズルチップ取付用
孔部に、主として窒化珪素からなるセラミックで形成さ
れ且つ溶融樹脂を目的形状に賦形するためのノズル孔の
設けられた1〜10mmの平均肉厚を有するノズルチップ
、ダイの内面側から焼き嵌めにより嵌合し固定してな
る樹脂成形用ダイに関する。
【0004】以下、図を参照しながら本発明を説明す
る。図1は、本発明の樹脂成形用ダイの1態様を示す略
示図である。図中1は金属製のダイ本体を示し、図中2
はノズルチップを示す。ノズルチップ2には、樹脂を目
的形状に賦形するためのノズル孔が設けられている。本
発明において、かかるノズルチップ2は主として窒化珪
素からなるセラミックを用いて焼結法等の手段で形成さ
れるが、その目的、効果を損なわない範囲で、他の物質
を含むものであってもよい。例えば、窒化珪素を焼結さ
せてノズルチップ2を形成するにあたりマグネシア等の
焼結助剤等を加えたり、あるいは、アルミナ等の酸化物
を適当量加えて固溶体にしたものであってもよい。ま
た、金属製ダイ本体1からの熱伝導を適度に制御するこ
とにより、ノズル部での樹脂の充分な流動性を維持しつ
つノズル先端部に発生する目ヤニの変色を防止するため
には、ノズルチップ2は1〜10mmの平均肉厚を有するも
のが好ましい。また、複数のノズルを有するダイの場
合、ノズルチップは、図2の如く各ノズルに対して1個
ずつ形成してもよく、図3の如く2個以上のノズルをま
とめて1個のノズルチップで形成してもよい。
【0005】このようにして形成されたノズルチップ2
は、ダイ本体1に設けられたノズルチップ取付用孔部に
嵌合され、強固に固定されて本発明の樹脂成形用ダイが
得られる。ここで、ノズルチップ2を形成するセラミッ
クとして窒化珪素以外のものを用いた場合には、目ヤニ
あるいはダイの摩耗に対する改善効果が充分に得られな
かったり、熱衝撃等により容易に破損しダイの寿命が短
くなる等の問題があり、また、セラミックとして窒化珪
素を用いても、これをノズル内面に単にコーティング等
により被覆する方法では、成形加工時の樹脂流動にとも
なう応力により被覆物が容易に剥離するという問題があ
り、いずれも実用性の面で劣るものである。
【0006】本発明の樹脂成形用ダイにおいて、金属製
のダイ本体1にノズルチップ2を固定する方法としては
特に制約はないが、焼き嵌めによる固定が特に好まし
く、これによりダイ本体とノズルチップの接合部にかか
る応力に対する耐久性の高いものが得られる。焼き嵌め
は、金属に比べてセラミックの熱膨張係数が小さいこと
を利用した固定法であり、例えば、本発明の如きダイに
おいては、金属製のダイ本体を高温に加熱しておき、そ
のノズルチップ取付用孔部にセラミック製のノズルチッ
プを圧入嵌合したのち冷却することにより強固な接合が
行われる。一方、焼き嵌めにより得られるダイは、これ
を加熱していくと、金属とセラミックの熱膨張係数の違
いにより徐々に焼き嵌め代が小さくなり、ノズルチップ
の固定力が弱くなる。かかる状況においてもなお、ダイ
本体からのノズルチップの離脱を防止し、且つ樹脂漏れ
を防止するためには、ノズルチップをダイ内面側(樹脂
の入口側)から焼き嵌めするのが好ましく、また、ノズ
ルチップ外面の一部にテーパーを設け、樹脂圧によりノ
ズルチップがダイ本体に押しつけられてシールが行われ
る構造にするのが望ましい。
【0007】本発明の樹脂成形用ダイは上記のような構
成からなり、目ヤニの発生が少ない、目ヤニが生じても
変色しにくい、摩耗性および耐食性に優れ寿命が長い、
熱衝撃等に対する耐久性がある等の多くの特徴を有する
ものであり、押し出しによる成形用ペレットの製造、棒
あるいはパイプ等の押出し成形、容器等のブロー成形、
引き抜き成形、電線被覆、シートの成形、フィルムのイ
ンフレーション成形等、樹脂の各種の成形加工における
成形用ダイとして幅広く適用できる。また、このような
成形加工を行うにあたり適用できる樹脂の種類としても
特に制約はなく、公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂
(特にプレポリマー)のいずれにも適用可能である。特
に、 150℃以上の樹脂温度での成形加工、相溶性の乏し
い添加物が配合された樹脂の成形加工、2種以上の樹脂
がブレンドされたものの成形加工、多量の有機または無
機充填剤、特に繊維状充填剤が配合された樹脂の成形加
工(有機充填剤では1重量%以上、無機充填剤では10重
量%以上)等の如く、本質的に目ヤニが発生し易いも
の、発生した目ヤニが変色し易いもの或いはダイの摩耗
を生じ易いもの等に適用した場合、前記の如き本発明の
ダイの特徴が充分に発揮され、従来のダイに比べて際立
った効果が見られる。また、加熱により変色しやすく、
ノズル周辺に生じた目ヤニの変色も激しく、製品品質の
劣化を起こし易い樹脂、例えばポリフェニレンサルファ
イド樹脂、結晶化度が高く、化学的活性にも乏しく、多
くの配合物と極めて相溶しにくい樹脂、例えばポリアセ
タール樹脂、高温下では加水分解やエステル交換反応等
による劣化の恐れがあるポリエステル樹脂等を主体とす
る樹脂の成形加工に対し本発明のダイを適用した場合に
も、特に著しい改善効果が認められる。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】実施例1,2及び比較例1,2 まず、実施例1,2及び比較例1,2に用いるダイを、
下記の如く準備した。最終的なノズルの径はいずれも3
mmφである。 実施例1,2のダイ:図1の如く、金属(SCM)製ダイ本
体のノズルチップ取付部に、窒化珪素で形成されたノズ
ルチップ(肉厚3mm)を、ダイ内面側から焼き嵌めによ
り取り付けたもの 比較例1,2のダイ:ノズル部も含めて全て金属(SCM)
で構成されたもの 次に、上記の如きダイを取り付けたシリンダー内径63mm
の二軸押出機を用い、実施例1及び比較例1においては
ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)60重量%とガラ
ス繊維(GF)40重量%の混合物を、実施例2及び比較例
2においてはポリアセタール樹脂(POM)95重量%とポリ
エチレン(PE)5重量%の混合物を150kg/Hrの割合で供
給して溶融混練し、ダイで賦形してストランド状にして
引き取りペレタイズした。この時、ノズル先端部で分離
しダイに付着した樹脂(目ヤニ)の量を測定すると共
に、目ヤニの経時変色状況およびペレット表面への変色
物付着状況を観察することにより、評価を行った。結果
を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上の説明並びに実施例により明らかな
ように、金属製ダイ本体に、窒化珪素を主体とするセラ
ミックによって形成されたノズルチップを嵌合させるこ
とにより、ノズル内面を該セラミックによって構成して
なる本発明の樹脂成形用ダイによれば、樹脂成形加工時
の目ヤニの発生、発生した目ヤニの変色等の問題が著し
く改善され、しかもダイの摩耗、熱衝撃による破損等の
問題も少なく、極めて実用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成形用ダイの1態様を示す側面か
ら見た断面略示図である。
【図2】複数のノズルを有する樹脂成形用ダイにおける
ノズルチップ構成の1例を示す正面略示図である。
【図3】複数のノズルを有する樹脂成形用ダイにおける
ノズルチップ構成の別の例を示す正面略示図である。
【符号の説明】
1:ダイ本体 2:ノズルチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:06 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 47/00 - 47/96

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機充填剤又は相溶性の乏しい添加物の
    配合された熱可塑性樹脂の成形加工に用いられる樹脂成
    形用ダイであって、金属製のダイ本体に設けられたノズ
    ルチップ取付用孔部に、主として窒化珪素からなるセラ
    ミックで形成され且つ溶融樹脂を目的形状に賦形するた
    めのノズル孔の設けられた1〜10mmの平均肉厚を有する
    ノズルチップを、ダイの内面側から焼き嵌めにより嵌合
    し固定してなる樹脂成形用ダイ。
  2. 【請求項2】 ダイが、150 ℃以上の樹脂温度での成形
    加工に用いられるものである請求項1記載の樹脂成形用
    ダイ。
  3. 【請求項3】 無機充填剤が繊維状充填剤である請求項
    1または2記載の樹脂成形用ダイ。
  4. 【請求項4】 ダイが、ポリアセタール樹脂、ポリエス
    テル樹脂またはポリフェニレンサルファイド樹脂を主体
    とする樹脂の成形加工に用いられるものである請求項1
    〜3のいずれか1項記載の樹脂成形用ダイ。
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