JP2781572B2 - 粒状固形物を含有する液体から成る製品混合物を連続的に流して熱処理するための方法及び装置 - Google Patents

粒状固形物を含有する液体から成る製品混合物を連続的に流して熱処理するための方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、粒状固形物を含有する液体から成る製品混
合物を連続的に流して熱処理するための方法に関し、該
方法では混合物は、1つ以上の熱交換セクション内で所
望の所定温度に加熱され、熱保有セクション内で所定時
間維持され、次いで1つ以上の熱交換セクション内で所
望の最終温度に冷却される。
更に本発明は上記方法を実施するための装置にも関す
る。
例えばポンプで送り出し可能な食品の殺菌若しくは低
温殺菌の過程のような、粒状固形物を含有する液体から
なる製品混合物を熱処理する際には、通常は混合物の各
フラクションの処理値(processing value)が少なくと
も最小の定数となることが必要である。熱処理の間、最
大の粒状固形物のフラクションが確実に最小処理値を得
るようにすると、種々のフラクションの異なる通しの加
熱時間の結果として、より小さな粒状固形物のフラクシ
ョン及び液体は要求される最小処理値よりもかなり大き
な処理値を得、熱処理を完了したときに製品全体の品質
に悪影響を及ぼすことが多数見られる。例えば、好まし
くない色彩及び香りの変化が起こり得る。
このような熱処理の例としては粘度が低いものから中
位のものまであるが、粒状固形の野菜及び肉を含有する
液体でできたスープにおいて実施される殺菌過程を挙げ
ることができる。スープが缶に注入されると缶が密封さ
れ、次いで缶はその中身と共に殺菌機内で熱処理にかけ
られる。特に缶が殺菌過程中に回転されると、液体が短
時間で加熱されて、非常に早く殺菌機内の加熱媒体の温
度(例えば121℃の蒸気若しくは熱湯)に達する。粒状
固形物の外側も速やかに液体の温度に追従する。しか
し、粒状固形物の熱的中心への熱伝達は伝導によっての
み行なわれ得る。熱的中心の温度はかなりゆっくりと上
昇し、この熱的中心が要求される最小処理値に達するに
は極めて長時間を要する。粒状固形物が大きい程、熱処
理は長時間になる。このような熱処理においては、より
小さな粒状固形物及び特に液体は、例えば微生物の十分
な不活性化といった所望の効果を得るのに実際に必要で
あろうよりも極めて高い処理値を与えられる。
ポンプで送り出し可能な、大小の粒状固形物を含有す
る運搬液体を、その中で少なくとも運搬液体が所望の温
度に加熱される多数の第一熱交換セクションと、熱保有
セクションと、熱保有セクションに連結されており且つ
その中で製品が所望の最終温度に冷却される多数の第二
熱交換セクションとを連続的に流して運搬するとしても
同じ現象が生じる。加熱セクションと冷却セクションと
の間で運搬液体は、粒状固形物の熱的中心においても要
求される最小処理値が得られるように、次々と運搬され
る粒状固形物の熱的中心の温度が上昇する程度に長く、
加熱セクション内で達したレベルの温度に熱保有セクシ
ョン内で維持される。運搬液体の冷却はそれまで開始さ
れ得ない。熱的中心では短時間ではあるが温度がまだ上
昇し続けるので、粒状固形物の外側が既に冷却されて
も、前記粒状固形物の熱的中心への熱伝導の惰性が予測
されるならば、わずかに早めに冷却を開始してもよい。
上記熱処理における別の要因は、運搬液体中の粒状固形
物の運搬が運搬液体のレイノルズ数及び選択した熱交換
器(例えば平板型、管状若しくはボーテータ熱交換器)
の寸法に極めて依存することである。更に、粒状固形物
の熱的中心の加熱及び冷却曲線を確立するように粒状固
形物の運搬を予想するのは困難であるので、従って得ら
れる処理値はかなり信頼性が薄くなる。熱処理過程を安
全に実施できるためには、熱処理に必要な安全率を見て
おく必要がある。
本発明の目的は、大小の粒状固形物を含有する液体か
ら成る製品混合物を連続的に流して行う処理の上記欠点
を排除することである。
この目的は、粒状固形物が液体によって一定して回転
して流される間に、熱保有セクション内の粒状固形物の
滞留時間を熱保有セクション内の液体の滞留時間とは別
個に調節する本発明の方法によって達成される。
このことは、一方では運搬液体が所望の値より高い処
理値を得ることがなく、且つ他方では粒状固形物の熱的
中心も所望の処理値を得ることを意味する。
液体中に種々の大きさの粒状固形物が存在するなら
ば、種々の大きさの粒状固形物のフラクションの滞留時
間は、種々の粒状固形物の熱的中心が多小差はあっても
同じ処理値を得るように、各フラクションにおける粒状
固形物の大きさに従って別個に調節される。この方法
は、「フラクション特定熱処理」と指称することができ
る。
熱保有セクション内の特定の大きさの粒状固形物のフ
ラクションの滞留時間は、該フラクション内の粒状固形
物の寸法が大きい程長くなる。
本発明の特定の具体例においては、液体及び液体中に
含有される異なる大きさの粒状固形物のフラクションに
異なる熱処理を施す。
上記方法を実施するための本発明の装置は、その中で
液体及び粒状固形物の混合物を所望の所定温度に加熱す
ることができ1つ以上の熱交換器と、その中に前記液体
及び粒状固形物を前記所定温度で所定時間維持すること
ができる熱保有装置と、その中で前記混合物を所望の最
終温度に冷却することができる1つ以上の熱交換器とか
ら成り、前記粒状固形物が前記液体によって一定して回
転して流される間に、前記熱保有装置が、前記熱保有装
置内の前記粒状固形物の滞留時間を前記熱保有装置内の
前記液体の滞留時間とは別個に独立して調節することが
できる保持手段を有していることを特徴とする。
前記保持手段は、粒状固形物を保持するために連続し
て設置されており且つ通路開口を備えた保持部材を包含
する幾つかの保持装置から成るのが好ましく、特定の保
持装置の保持部材にある前記通路開口の大きさはほぼ同
じであるが、異なる保持装置の保持部材にある通路開口
の大きさは保持装置毎に異なり、連続する保持装置の保
持部材の通路開口の大きさは、製品混合物を加熱するた
めの熱交換器から製品混合物を冷却するための熱交換器
へと向かう方向で小さくなることが有利である。
こうすると、最大の寸法を持つ粒状固形物のフラクシ
ョンを第一保持部材で保持するのが可能であり、より小
さい粒状固形物は液体と一緒に第一保持部材の通路開口
を通って次の保持部材へと直接に流れることができ、第
二保持部材では次に大きい粒状固形物のフラクションが
保持され得る。
熱処理を最適化するために、異なる保持装置が粒状固
形物を保持できる時間は保持装置毎に別個に設定するこ
とができる。
添付の図面を参照して具体例によって本発明を更に説
明する。
具体例 第1図は、粒状固形物を含有する液体から成る製品混
合物を連続的に流して熱処理を行うための装置の概略図
である。処理されるべき製品混合物は製品供給口1及び
撹拌部品3を備えた中間保管容器2を通って容量形ポン
プ4に供給される。前記ポンプ4は製品混合物を、2つ
の蓄熱式熱交換器5及び6、加熱装置7、熱保有装置
8、2つの蓄熱式熱交換器9及び10、冷却装置11、及び
反対圧力装置12及び13を通してから製品排出口14へと送
り出し、排出口14は、図には示していないが防腐剤配合
装置へと通じている。蓄熱式熱交換器5及び6において
は、処理されるべき製品混合物が既に処理された製品混
合物からの熱によって与熱される。この熱は、蓄熱式熱
交換器9及び10内の既に処理された製品混合物から抽出
され、ポンプ16によって中間回路15を通って熱交換器5
及び6に送り込まれる。加熱装置7では処理されるべき
製品混合物は、18から供給される蒸気若しくは熱湯によ
って所望の温度に間接加熱される。この温度は温度調節
器19によって調節される。
詳細については後述するが熱保有装置においては、粒
状固形物を含有する液体が、液体及び液体に含有される
粒状固形物に要求される処理値を得させるために、所望
の温度で或る時間保持される。
蓄熱式熱交換器9及び10の中では処理された製品混合
物が予備冷却され、次いで冷却機11の中で20から供給さ
れる水によって所望の最終温度に冷却される。最終温度
は温度調節器21によって調節される。
反対圧力装置は2つのタンク12及び13から成る。冷却
された製品混合物が2つのタンクのうちの一方に供給さ
れると、22から殺菌用空気が供給されることによってそ
のタンク内の圧力が、今までの過程で同伴した生成蒸気
が沸騰することがないような値に維持される。一方のタ
ンクが一杯になると、製品の流れが他方のタンクに誘導
され、最初のタンクは配合装置に必要とされる供給圧力
にされて、タンク内に存在する製品混合物は製品排出口
14を通って防腐剤配合装置へと運搬され得る。
簡略化のために、殺菌用空気ライン及び運搬パイプに
おける種々の弁は図示していない。
熱保有装置8とは別に、上記熱処理装置は公知であ
る。
熱保有装置8は、粒状固形物が液体によって一定して
流される間に、熱保有装置8内の粒状固形物の滞留時間
を熱保有装置8内の液体の滞留時間とは別個に独立して
調整することができる保持手段を有している。前記保持
手段は、粒状固形物を保持するためであって且つ通路開
口を備えた保持部材26を包含する1つの保持装置、又は
本具体例のように3つ連続して設置される幾つかの保持
装置23、24、25から成る。各保持装置の保持部材にある
通路開口はほぼ同じ大きさである。異なる保持装置23、
24、25の保持部材にある通路開口の大きさは保持装置毎
に異なる。ここに示した実施例では、通路開口は保持装
置23の保持部材26にあるものが最大であり、保持装置25
にあるものが最小である。
第一保持装置23においては(例えば20mmより大の大き
さを持つ)最大粒状固形物のフラクションのみがこの装
置に対して設定できる時間保持され、運搬液体はより小
さな粒状固形物を伴ってこの最大粒状固形物のフラクシ
ョンの周りを第一保持装置23を妨害されずに流れる。
第二保持装置24においては、第一保持装置23内の保持
時間経過後にもう一度運搬液体と一緒に流れる最大粒状
固形物のフラクションと、これに続く(例えば10mmより
大きく且つ20mm未満の大きさを持つ)中位の粒状固形物
との両方が、この装置に設定できる時間保持され、運搬
液体はより小さな粒状固形物を伴って保持された粒状固
形物の周りを保持装置24全体を妨害されずに流れる。
第三保持装置25においては、既に第一保持装置23及び
第二保持装置24内に保持されたフラクションと第二フラ
クション24にのみ保持されたフラクションとの両方が、
(例えば3mmより大きく且つ10mm未満の大きさを持つ)
小さな粒状固形物と一緒に、この装置に設定できる時間
だけ保持され、一方運搬液体は(3mm未満の大きさを持
つ)最小の粒状固形物を伴って保持された粒状固形物の
周りを保持装置25を妨害されずに流れる。
この実施例においては、妨害されずに流れる運搬液体
の温度レベルではその熱保有装置8内の滞留時間を例え
ばTv1とすると、熱保有装置8内の種々の大きさのフラ
クションの滞留時間は、保持装置23、24、25の各々に対
して設定される滞留時間Δt23、Δt24及びΔt25によっ
て決定される。
各保持装置23、24、25内の液体の滞留時間をδtとす
ると、熱保有装置8内の液体及び粒状固形物の滞留時間
は次の式で得られる(式中、dは粒状固形物の大きさで
ある): −液体及び最小粒状物(例えばd≦3mm)の滞留時間 :tv1 −小さな粒状物(例えば3mm<d≦10mm)の滞留時間 :tv1−δt+Δt25 −中位の粒状物(例えば10mm<d≦20mm)の滞留時間 :tv1−2δt+Δt25+Δt24 −最大粒状物(例えばd>20mm)の滞留時間 :tv1−3δt+Δt25+Δt24+Δt23 その中に特定の値より大きい寸法を持った粒状固形物
が保持される保持装置23、24、25の数と、保持装置23、
24、25内に粒状固形物が保持される時間とを適当に選択
すると、製品、即ち粒状固形物の各フラクション及び運
搬液体に施される熱処理を最適な熱処理とできることは
明らかである。
第2a図〜第2b図は、熱処理の間の、運搬液体の温度曲
線及び異なる大きさの粒状固形物の熱的中心の温度曲線
を示す。
ラインAは蓄熱式熱交換器5及び6、加熱装置7、熱
保有装置8、蓄熱式熱交換器9及び10、並びに冷却装置
11内の運搬液体の温度曲線を表す。ラインBは、液体と
一緒に3つの全ての保持装置23、24、25を妨害されずに
流れる最小の粒状固形物のフラクション中の粒状固形物
の熱的中心の温度曲線を表す。ラインCは、運搬液体及
び最小の粒状固形物のフラクションと一緒に第一保持装
置23及び第二保持装置24を妨害されずに流れる小さな粒
状固形物のフラクション中の最大粒状固形物の熱的中心
の温度曲線を表す。ラインDは、運搬液体、小さな粒状
固形物のフラクション及び最小の粒状固形物のフラクシ
ョンと一緒に第一保持装置23のみを妨害されずに流れる
中位の粒状固形物のフラクション中の最大粒状固形物の
熱的中心の温度曲線を表す。最後にラインEは、各保持
装置23、24、25に対して設定できる時間だけ連続する保
持装置23、24、25の各々によって保持される最大の粒状
固形物のフラクション中の最大粒状固形物の熱的中心に
おける温度曲線を表すが、一方では運搬液体は他の粒状
固形物のフラクションを伴って、保持装置23によって保
持される粒状固形物の周りを妨害されずに自由に第一装
置を流れる。
時点t=t1、t2及びt3では、連続して流されて保持装
置23、24、25内に保持された1つ以上のフラクションが
再度放出され、運搬液体によって運搬される。ここでは
時点t1、t2及びt3は、各フラクションが所望の最小処理
値より高くない処理値を獲得するような値に、保持装置
毎に設定可能な保持時間によって設定されている。
上記装置を使用すると、選択されるそれぞれの大きさ
の粒状固形物のフラクション中、及び自由に流れる最小
の粒状固形物のフラクションを包含する運搬液体中で、
これらのフラクションの各々に対する熱処理が、これら
のフラクションのいずれもが要求される最小の熱処理よ
り過大な熱処理を施されることがないように選択され得
る。従って、色彩及び香りの変化といった悪影響を最小
に止どめる最適処理が得られる。更にこの装置を使用す
ると、種々の大きさの粒状固形物のフラクションの滞留
時間を、連続する保持装置の寸法を変えることによって
運搬液体の所望の所定温度レベルを基にして算出するこ
とができ、少なくとも熱処理の態様及び計算を基にして
自由に流れる運搬液体中の粒状固形物の滞留時間の不確
定な延長を排除することができる。
比較のために(第2a図と同様の)第2b図には、第1図
の装置と同様であるが保持装置23、24、25は備えていな
い装置における熱処理の間の、運搬液体の温度曲線と異
なる大きさの粒状固形物の熱的中心の温度曲線とを示し
てある。第1図の装置において使用した熱保有装置に代
わって、(例えば長いダクトの形態の)共通の熱保有装
置を使用している。ここでもA′からE′は、液体の温
度曲線及び第2a図の場合と同様の大きさの粒状固形物の
熱的中心の温度曲線を表す。熱保有装置内の滞留時間は
全ての粒状固形物に対して同じであり、しかも液体の滞
留時間t′v1に等しい。最大粒状固形物の温度曲線は第
2b図(ラインE′)及び第2a図(ラインE)で同じであ
る。より小さい粒状固形物の温度曲線は第2b図と第2a図
とでは異なる。保持装置を使用しない場合には(第2b
図)、粒状固形物及び液体の滞留時間は、最大の粒状固
形物によって決定される。それによって、より小さい粒
状固形物及び液体は不必要に長い時間高温に維持され
て、その結果品質が低下する。この点については詳細を
後述する。
保持装置23、24、25は種々の方法で設計することがで
きる。ここで重要なことは、設定可能な時間だけ1つ以
上の連続する保持装置内に保持される或る大きさの粒状
固形物のフラクションはその間に液体の流れから平均時
間で分離されるのではなく、当該保持装置内に滞留して
いる間、関連する保持装置内に一時的に保持される粒状
固形物よりも小さい粒状固形物のフラクションを含有す
る運搬液体が自由に周りを流れるので、十分な熱エネル
ギーが自由に流れる運搬液体から保持されている特定の
フラクションに放出されることである。
第3図及び第4図に示す保持装置の具体例は、全体を
番号30で示してあって、周縁32及び2つの端面33及び34
を有する実質的に閉じた円筒形タンク31から成る。供給
ライン35及び排出ライン36が周縁32に連結してある。
タンク31の内側には、その上に多数(この場合は6
枚)のブレード39を持つシャフト38から成る回転ブレー
ドホィール37の形態の保持部材が備えてあり、ブレード
ホイール37の回転軸は円筒形タンク31の軸と一致する。
各ブレード39の自由周縁は円筒形の周縁32の内側近傍及
びタンク31の2つの端面33及び34近傍とに位置してい
る。ブレード39は透過可能であり、このためには第4図
のようなふるい構造を持たせることができる。しかし、
ブレード39にはスリットを設けることも可能である。
ブレードホィール37は、タンク31の端面33、34の一方
若しくは両方から突出するシャフトによって調整可能な
回転速度で駆動することができる。尚、駆動装置はここ
には図示していない。
所定温度で所定時間維持されるべき製品混合物は、供
給ライン35を通して供給され、排出ライン36を通して排
出される。運搬液体は、供給ライン35からブレードにあ
る開口を通って排出ラインへとタンクを通して直接に全
ての方向に自由に流れることができる。ここでは液体は
最小抵抗を選択する。
一方、液体中の粒状固形物40は回転ブレード39によっ
て保持され、従って供給ライン35から排出ライン36への
最短距離を通るのは妨げられる。粒状固形物は駆動され
るブレードホィールのブレード39間に集められ、排出ラ
イン36に到達するまでブレードホィールの回転方向に沿
って運搬される。粒状固形物40はタンク31を通って流れ
る運搬液体によって運搬されて、粒状固形物40はブレー
ド39間の空間を離れ、排出ライン36に到達する。粒状固
形物40のタンク31内の滞留時間は、ブレードホィール37
の回転速度を設定することによってタンク内の液体の滞
留時間から独立させて決定することができる。タンク内
の粒状固形物40の滞留時間は、粒状固形物40が十分に加
熱されるように設定することができる。
第5図及び第6図は保持装置の別の具体例であって、
その全体を番号41で示してある。この装置も、円筒形周
壁43及び端面44及び45を備えたほぼ円筒形のタンク42を
有する。供給ライン46及び排出ライン47がタンクに連結
してあるが、排出ライン47は第3図及び第4図の具体例
とはわずかに異なるところに位置している。この具体例
でも、シャフト49上に設けられた多数(この場合には4
枚)のブレードから成るブレードホイール 48が備わっている。
各ブレード50は、シャフト49の方向に間隔を置いて述
べられており且つシャフト49と直角に外向きに延伸する
多数のピン51から成り、前記ピン51の端部はタンク42の
円筒形壁43の内側近傍に位置している。図に示す具体例
ではピン51は湾曲している。しかしピンを直線状にする
ことも可能である。
第5図及び第6図の保持装置は第3図及び第4図の保
持装置と同様に作動する。
粒状固形物40をブレード50から取り除くために、タン
ク42は排出ライン47近傍に、タンクの長さ方向に相互に
距離を置いて隣り合って設置されており且つシャフト49
の方向にタンク42の円筒形壁から延伸する一連のピン53
から成る部品52を備えており、ピン53はブレード50のピ
ン51間に咬合する。これによって粒状固形物がブレード
上に残留しないことが保証される。さもなければ粒状固
形物がタンク内を2回運搬され、前記粒状固形物の熱保
有装置内の滞留時間が最大滞留時間を超えてしまう。第
7図には、その上にピン51から成るブレード50を設置し
てあるシャフト49と、ピン53から成る部品52とを示す。
ピン51間に引っ掛かった粒状固形物40は、ピン51間に存
在するスリットからピン51の長さ方向にピン53によって
押されて元に戻る。
第8a図から第10b図には、 −保持装置を持たない熱保有装置を備えた従来技術によ
るプラント(第8a図及び第8b図)と、 −3台の保持装置若しくは3段階の保持装置を持つ熱保
有装置を備えた本発明のプラント(第9a図及び第9b図)
と、 −多数(3以上)の保持装置若しくは多段階の保持装置
を備えた本発明のプラント(第10a図及び第10b図) とにおいて実施した粒状固形物を含有する液体から成る
製品混合物を熱処理した結果の概念を示す。
第8a図、第9a図及び第10a図は、粒状固形物の熱的大
きさの関数としての粒状固形物の熱的中心における処理
値F0と、液体(大きさ0)における処理値F0とを示す。
F0は致死率(lethality)を表しており、式: (式中、tは時間であり、Tは粒状固形物の熱的中心の
温度又は液体の温度である)。
で定義される。
F0は粒状固形物の熱的中心及び液体の生物学的不活性
に対する測定値である。
第8b図、第9b図及び第10b図は、粒状固形物の熱的大
きさの関数としての粒状固形物の処理値C0と、液体の処
理値C0とを示す。
C0は調製値を表しており、式: (式中、tは時間であり、Tは粒状固形物全体に集積さ
れる温度又は液体の温度である)。
で定義される。
C0は粒状固形物及び液体の熱的劣化の測定値である。
第8a図〜第10b図は、その中の最大粒状固形物が熱的
大きさ30mmを有する製品混合物の熱処理に対して有効で
ある。
第8a図及び第8b図は、保持装置を持たない熱保有装置
を備えた従来技術の装置における熱処理で得られたF0
びC0の値を示す。このような熱処理の間の液体及び粒状
固形物の熱的中心の温度曲線は第2b図に示してある。
第8a図は、前記滞留時間が最大粒状固形物の熱的中心
におけるF0の最小値(F0min)を得るのに必要である熱
保有装置内の製品混合物全体の滞留時間が長くなる結
果、より小さな粒状固形物の熱的中心及び特に液体が非
常に高いF0値を得る。しかしより重要なことは、熱的劣
化に対する測定値であるC0値もより小さな粒状固形物及
び液体については非常に高くなり、このことは品質に不
利となることである。
第9a図及び第9b図は、本発明の装置、特に3台の保持
装置23、24、25若しくは3段階の保持装置を持つ熱保有
装置8を備えた第1図の装置における熱処理で得られた
F0及びC0の値を示す。この熱処理中の液体及び粒状固形
物の熱的中心の温度曲線は第2a図に示してある。保持装
置は、熱処理の間それぞれの大きさのフラクションにお
ける最大粒状固形物の熱的中心がF0の最小値を得るよう
に設定してある。
第9a図及び第9b図から、その熱的大きさが20から30mm
である粒状固形物に対するF0及びC0の値は第8a図及び第
8b図に等しいことが分かる。しかし、熱的大きさが20mm
未満のより小さな粒状固形物と液体とに対するF0及びC0
の値は第8a図及び第8b図における値よりもかなり低い。
特に、より小さな粒状固形物及び液体に対するC0値が低
いことは製品混合物の品質への影響の点では好ましい。
最後に第10a図及び第10b図は、第1図に示すような3
台の保持装置又は3段階の保持装置に代わって、多数
(この場合には7台)の保持装置又は多段階(7段階)
の保持装置を使用して得られるF0及びC0の値を示す。粒
状固形物の熱的中心におけるF0の値は、全ての粒状固形
物に対してF0の最小値より少し高い、かなり狭い限度内
にある(第10a図)。C0値は最大粒状固形物に対するC0
値から最小粒状固形物及び液体に対するC0値まで階段状
に減少している(第10b図)。
製品の供給口から製品の排出口へと次第に小さくな
る、粒状固形物のための通路開口を備えた保持装置を使
用することによって、粒状固形物に対して一定若しくは
ほぼ一定のF0値が得られ、一方でC0値は、最大粒状固形
物に対するC0値から最小粒状固形物及び液体に対するC0
値へと均等に減少する。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の装置の特定の具体例の概略図であり、
第2a図は本発明の装置において製品混合物を熱処理する
間の、液体と種々の大きさの粒状固形物のフラクション
の所定の粒状固形物の熱的中心との温度曲線のグラフで
あり、第2b図は保持装置を備えずに共通の熱保有装置を
備えた従来技術の装置において製品混合物を熱処理する
間の、液体と種々の大きさの粒状固形物のフラクション
の所定の粒状固形物の熱的中心との温度曲線のグラフで
あり、第3図は使用する保持装置の特定の具体例を保持
部材の回転軸と直角の断面で表した概略図であり、第4
図は第3図の保持装置の線分IV−IVに沿った断面図であ
り、第5図は保持装置の別の具体例を第3図と同じ断面
で示した概略図であり、第6図は第5図の装置の線分VI
−VIに沿った断面図であり、第7図はシャフト上に設置
されており且つピンを備え、更に粒状固形物を除去する
ためにピン間に咬合する把持部材を有する保持部材の斜
視図であり、第8a図から第10b図はそれぞれ保持装置を
備えていないプラント(第8a図及び第8b図)と、3台の
保持装置若しくは3段階の保持装置を備えたプラント
(第9a図及び第9b図)と、多数(3以上)の保持装置若
しくは多段階の保持装置を備えたプラント(第10a図及
び第10b図)とにおける製品混合物を熱処理する間に得
られる異なる大きさの粒状固形物に対する2種類の処理
値を示すグラフである。 1……製品供給口、2……中間保管容器、3……撹拌部
品、4……ポンプ、5,6,9,10……畜熱式熱交換器、7…
…加熱装置、8……熱保有装置、11……冷却機、12,13
……反対圧力装置、14……製品排出口、18,20,22……蒸
気若しくは熱湯供給口、19,21……温度調節器、23,24,2
5,30,41……保持装置、26……保持部材、31,42……円筒
形タンク、32,43……周縁、33,34,44,45……端面、35,4
6……供給ライン、36,47……排出ライン、37,48……ブ
レードホィール、38,49……シャフト、39,50……ブレー
ド、40……粒状固形物、51,53……ピン。

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状固形物を含有する液体から成る製品混
    合物を連続的に流して熱処理するための方法であって、
    前記混合物が、1つ以上の熱交換セクション内で所望の
    所定温度まで加熱され、熱保有セクション内で所定時間
    前記温度に維持され、次いで1つ以上の熱交換セクショ
    ン内で所望の最終温度に冷却され、前記粒状固形物が前
    記液体によって一定して回転して流される間に、前記熱
    保有セクション内の前記粒状固形物の滞留時間が前記熱
    保有セクション内の前記液体の保留時間とは別個に独立
    して調節されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記液体中に種々の大きさの前記粒状固形
    物が存在する場合、種々の大きさのフラクションの粒状
    固形物の滞留時間が特定のフラクション中の前記粒状固
    形物の大きさに従って別個に調節されることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記熱保有セクション内の特定の大きさの
    前記粒状固形物のフラクションの滞留時間が、前記フラ
    クション中の粒状固形物の寸法が大きくなる程長くなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記液体及び前記液体中の異なる大きさの
    前記粒状固形物のフラクションに異なる熱処理を施すこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】粒状固形物を含有する液体から成る製品混
    合物を連続的に流して熱処理する方法であって、その中
    で前記液体及び粒状固形物の混合物を所望の所定温度に
    加熱することができる1つ以上の熱交換器と、その中に
    前記液体及び粒状固形物を前記所定温度で所定時間維持
    することができる熱保有装置と、その中で前記混合物を
    所望の最終温度に冷却することができる1つ以上の熱交
    換器とから成り、前記粒状固形物が前記液体によって一
    定して回転して流される間に、前記熱保有装置が、前記
    熱保有装置内の前記粒状固形物の滞留時間を前記熱保有
    装置内の前記液体の滞留時間とは別個に独立して調節す
    ることができる保持手段を有していることを特徴とする
    装置。
  6. 【請求項6】前記保持手段が、前記粒状固形物を保持す
    るために連続して設けられ且つ通路開口を備えた保持部
    材を包含する幾つかの保持装置から成り、前記特定の保
    持装置の保持部材にある通路開口の大きさがほぼ同じ大
    きさであり、異なる前記保持装置の保持部材にある通路
    開口の大きさが前記保持装置毎に異なることを特徴とす
    る請求項5に記載の装置。
  7. 【請求項7】連続する前記保持装置の保持部材にある通
    路開口の大きさが、前記製品混合物を加熱するための熱
    交換器から前記製品混合物を冷却するための熱交換器へ
    と向かう方向で小さくなることを特徴とする請求項6に
    記載の装置。
  8. 【請求項8】種々の前記保持装置が前記粒状固形物を保
    持できる時間が前記保持装置の各々に対して別個に設定
    され得ることを特徴とする請求項6又は7に記載の装
    置。
  9. 【請求項9】前記保持装置の各々が少なくとも、その中
    に製品混合物がある時間滞留し且つ前記製品混合物のた
    めの供給ライン及び排出ラインが接続してあるタンク
    と、前記タンク内に取り付けてあって前記粒状固形物の
    フラクションに選択的に作用し、且つそれによって運搬
    速度、ひいては前記タンク内の粒状固形物の滞留時間を
    調節することができる保持部材とから成ることを特徴と
    する請求項6から8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 【請求項10】前記タンクがほぼ円筒形であり、前記保
    持部材が、可変速度で回転し、その回転軸が前記円筒形
    タンクの軸と一致し、且つ液体を通すことができる少な
    くとも1つの保持部品を備えた保持部材であることを特
    徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】前記液体を通すことができる保持部品が
    前記保持部材のシャフトから外向きに且つ前記シャフト
    と平行に伸びる面内に位置しており、前記保持部材の自
    由周縁が前記円筒形の周壁の内側近傍と前記タンクの端
    面近傍とに位置していることを特徴とする請求項10に記
    載の装置。
  12. 【請求項12】前記保持部材が位置する面が平面である
    ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】前記保持部材が位置する面が曲面である
    ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  14. 【請求項14】前記保持部材がふるい構造を有すること
    を特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載の装
  15. 【請求項15】前記保持部品にスリットが設けてあるこ
    とを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載の
    装置。
  16. 【請求項16】前記保持部品が、前記保持部材のシャフ
    トの方向で間隔を置いて並べられ且つ前記シャフトから
    直角に外向きに延伸する複数のピンから成り、前記ピン
    の端部が前記タンクの円筒壁の内側近傍に位置している
    ことを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載
    の装置。
  17. 【請求項17】前記タンクが、前記混合物のための排出
    ライン近傍に前記粒状固形物を前記保持部品から除去す
    るための部品を包含しており、前記部品が、前記タンク
    の長さ方向に相互に距離を持って隣合っており且つ前記
    タンクの円筒壁から前記保持部材のシャフトの方向に延
    伸して前記保持部品のピン間に咬合する一連のピンを有
    することを特徴とする請求項16に記載の装置。
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