JP2775574B2 - スパイラル補強糸層を設けたゴムホースの製造方法 - Google Patents

スパイラル補強糸層を設けたゴムホースの製造方法

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JP2775574B2 JP5217015A JP21701593A JP2775574B2 JP 2775574 B2 JP2775574 B2 JP 2775574B2 JP 5217015 A JP5217015 A JP 5217015A JP 21701593 A JP21701593 A JP 21701593A JP 2775574 B2 JP2775574 B2 JP 2775574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は補強糸層を設けたゴム
ホースに係り、詳しくは、内ゴム管の外側に補強糸をス
パイラル状に巻回して形成した補強糸層を設けたゴムホ
ースとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐圧性ゴムホースは、内ゴム管と
外ゴム管の間に補強糸層が設けられ、前記補強糸層は、
補強糸を編み上げるか、スパイラル状に巻回することに
よって形成される。スパイラル状に巻回する場合は、耐
圧性を向上させるために1層目とは逆方向に2層目を巻
回する。この2層目に直接外ゴム管を押し出し被覆する
と、押出圧によって2層目のスパイラルが乱れることが
ある。このために、外ゴム管を押し出し被覆する際の2
層目の糸乱れを防止するために、3層目として糸乱れ防
止層を2層目とは逆方向に巻回することによって形成し
ている。
【0003】即ち、従来のスパイラル補強糸層を設けた
ゴムホースの製造方法について説明すると、まず、マン
ドレルの上に第1押出機によって内ゴム管を押し出し、
この押し出された内ゴム管の外側に第1ブレーダによっ
てスパイラル状に巻回して1層目の補強糸層を形成す
る。次いで、前記1層目の補強糸層の外側に第2ブレー
ダによって巻回方向を逆にした2層目の補強糸層を形成
する。さらに、引き続いて2層目の補強糸層の糸乱れを
防止するために、第3ブレーダによって2層目とは巻回
方向を逆にした糸乱れ防止層を形成する。前記糸乱れ防
止層の外側に第2押出機によって外ゴム管を密着被覆す
る。最後に、ゴムホースを加硫し、マンドレルを除去す
る。
【0004】他の方法として、外ゴム管の押出時に第2
層目の補強糸層が乱れないようにするには、補強糸層に
押出圧がかからないようにすればよい。即ち、外ゴム管
が第2層の補強糸層を押圧することがないように内径を
若干大きく押し出して柔らかく包み込むようにする。そ
して、押し出された外ゴム管と内ゴム管との間を真空
(負圧)にすることによって外ゴム管を内ゴム管に密着
させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記糸乱れ防止用に第
3層目を設けるゴムホースには、次のような問題があっ
た。即ち、第3層目の糸乱れ防止層は外ゴム管の押し出
し被覆時に、2層目の補強糸層の糸乱れは防止するもの
の、糸乱れ防止層自身は押出圧によって乱れることにな
る。3層目の糸乱れ防止層は補強層ではないから、ゴム
ホースの性能に影響を与えるものではないが外観がでこ
ぼこになって好ましくない。また、3層目を巻回するた
めのブレーダが必要になり、それだけ生産効率が低下す
るとともに、コストアップとなる。
【0006】また、第3層目の糸乱れ防止層を設けるこ
となく、押出時に外ゴム管と内ゴム管との間を真空(負
圧)として密着させる方法では、外ゴム管が縮んだ状態
となるから外観がでこぼこの状態になる。さらに、押出
圧によって圧着させるものではないから、内ゴム管と外
ゴム管との接着力が低下するという問題がある。
【0007】
【発明の目的】この発明はかかる現況に鑑みてなされた
もので、外ゴム管の押出圧による補強糸層の糸乱れを防
止するスパイラル補強糸層を設けたゴムホースとその製
造方法を提供せんとするものである。
【0008】この発明は、上記目的を達成するために、
次のような構成とした。即ち、内ゴム管の外側に補強糸
を順次逆方向にスパイラルに巻回して1層目補強糸層と
2層目補強糸層とを形成し、前記2層目補強糸層の外側
に薄肉からなる糸押えゴム層を押出形成し、同時に糸押
えゴム層と内ゴム管との間を吸引することによって真空
又は負圧状態として糸押えゴム層を密着せしめ、続い
て、外ゴム管を押出成形することを特徴とする。前記糸
押えゴム層の肉厚は、0.1mm〜0.5mmとするこ
とが好ましい。
【0009】
【作用】糸押えゴム層によって被覆されるから外ゴム管
の押出時に糸乱れが防止され、表面平滑なゴムホースが
得られる。また、糸押えゴム層は内外ゴム管の接着層と
して働く。さらに、糸押えゴム層は薄肉であるからゴム
ホースの性能に影響を与えることはなく、押出時の吸引
によって容易に密着させることができる。
【0010】
【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図1は内ゴム管の外側にスパイラル状に巻
回して補強糸層を形成し、糸押えゴム層を設けたゴムホ
ースの各層を切り欠いて示した部分正面図、図2は部分
拡大断面図である。図中、1は内ゴム管、3は第1層目
補強糸層、5は第2層目補強糸層、7は糸押えゴム層、
9は外ゴム管である。即ち、内ゴム管1の外側に繊維糸
をスパイラル状に巻回して1層目の補強糸層3を形成
し、前記1層目補強糸層3の外側に同じく繊維糸を1層
目とは逆方向に巻回して2層目の補強糸層5を形成す
る。さらに、2層目の補強糸層5の外側に押出圧がかか
らない状態で糸押えゴム層7を形成する。そして、糸押
えゴム層7の外側に外ゴム管9を押出成形したものであ
る。
【0011】前記内ゴム管1、糸押えゴム層7及び外ゴ
ム管9を形成するゴムは特に限定されるものではなく、
用途に応じて適宜選択して使用することができる。糸押
えゴム層7は、単に糸の乱れを防止するものであるから
薄肉である方が好ましく、例えば、0.1mm〜0.5
mmの肉圧とすることができる。前記糸押えゴム層7は
押出成形、あるいはゴムテープを巻き付けて形成しても
よい。そして、前記糸押えゴム層7は内ゴム管1と外ゴ
ム管9との接着層として機能する。従って、従来のよう
に、補強糸層を形成した後に接着剤やゴム糊等の塗布、
乾燥工程は不要である。また、1層目と2層目の補強糸
層3、5を形成する合成繊維糸には、ポリエステル、ビ
ニロン、ナイロン、アラミド等の合成繊維糸の他、綿、
麻等の天然繊維糸を使用することができる。そして、前
記補強糸層は滑りを小さくし糸乱れを防止するために、
表面にゴム糊を塗布したり、RFL処理した糸を使用し
てもよい。
【0012】次に、上記構成のゴムホースの製造方法を
図3に基づいて説明する。マンドレル10の上に第1押
出機11によって内ゴム管1を押し出し、この内ゴム管
1の外側に第1スパイラル機13によって1層目の補強
糸層3をスパイラル状に巻回して形成する。続いて、前
記1層目の補強糸層3の外側に第2スパイラル機15に
よって巻回方向を逆にした2層目の補強糸層5を形成す
る。さらに、前記2層目の補強糸層5の外側に第2押出
機17によって糸押えゴム層7を押出成形する。第2押
出機17は糸乱れを防止するために補強糸層5に押出圧
がかからないように押し出す。
【0013】補強糸層5に押出圧がかからないようにす
るには、糸押えゴム層7の内径を通常よりは若干大きめ
に押し出し、押し出された糸押えゴム層7と内ゴム管1
との間を真空(負圧)とすればよい。糸押えゴム層7は
薄肉であるからわずかな真空(負圧)状態とすることに
よって、補強糸層を包み込むようにして内ゴム管1に密
着する。糸押えゴム層7は縮んだ状態となるとともに、
補強糸層に沿ってでこぼこな表面となる。さらに続い
て、この糸押えゴム層7の外側に第3押出機19によっ
て外ゴム管9を押出成形すればよい。
【0014】上記のように、この発明は補強糸層の外側
に糸押えゴム層7を押出成形し、同時に糸押えゴム層7
と内ゴム管1との間を吸引して真空(負圧)状態とする
ことによって密着させ、続いて、通常の方法により外ゴ
ム管9を押出成形することを特徴とする。上記構成によ
って補強糸層の糸乱れを防止するとともに、表面平滑な
ゴムホースが得られる。最後に、公知の方法によってこ
れらのゴムホースを加硫すればよい。
【0015】尚、上記実施例ではマンドレルを使用した
場合の製造方法について説明したが、マンドレルを使用
しない無芯成形法にも応用することができる。
【0016】
【発明の効果】この発明に係るゴムホースは、補強糸層
の外側に糸押えゴム層を設けたから、外ゴム管の押出時
にも糸乱れが生じることなく、表面平滑なゴムホースが
えられる。また、糸押えゴム層は薄肉であるから、内外
ゴム管の接着を目的とした配合内容とすることにより接
着力の向上をはかることができる。さらに、従来のよう
に、糸乱れ防止用のスパイラル層を設ける必要がないか
ら、ゴムホースの柔軟性を損なうことがないのはもち
論、使用上、性能上の不都合も生じない。
【0017】この発明の製造方法によれば、糸押えゴム
層は押し出しと同時に吸引によって真空(負圧)状態と
して密着させるから、補強糸層に押出圧をかけることな
く被覆することができる。糸押えゴム層によって補強糸
層を被覆しているから外ゴム管の押出圧を高めることが
でき、従って、表面平滑なゴムホースが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示し、各層を切り欠いて示
したゴムホースの説明用正面図である。
【図2】同じく部分拡大断面図である。
【図3】この発明に係るゴムホースの製造工程の一部を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 内ゴム管 3 1層目補強糸層 5 2層目補強糸層 7 糸押えゴム層 9 外ゴム管 10 マンドレル 11 第1押出機 13 第1スパイラル機 15 第2スパイラル機 17 第2押出機 19 第3押出機

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内ゴム管の外側に補強糸を順次逆方向に
    スパイラルに巻回して1層目補強糸層と2層目補強糸層
    とを形成し、前記2層目補強糸層の外側に薄肉からなる
    糸押えゴム層を押出形成し、同時に糸押えゴム層と内ゴ
    ム管との間を吸引することによって真空又は負圧状態と
    して糸押えゴム層を密着せしめ、続いて、外ゴム管を押
    出成形することを特徴とするスパイラル補強糸を設け
    たゴムホースの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記糸押えゴム層の肉厚は、0.1mm
    〜0.5mmであることを特徴とする請求項1記載のス
    パイラル補強糸層を設けたゴムホースの製造方法。
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