JP2774803B2 - D−ヘリックス欠失型ホスホリパーゼa▲下2▼ - Google Patents
D−ヘリックス欠失型ホスホリパーゼa▲下2▼Info
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- JP2774803B2 JP2774803B2 JP63248712A JP24871288A JP2774803B2 JP 2774803 B2 JP2774803 B2 JP 2774803B2 JP 63248712 A JP63248712 A JP 63248712A JP 24871288 A JP24871288 A JP 24871288A JP 2774803 B2 JP2774803 B2 JP 2774803B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ホスホリパーゼA2誘導体、詳しくは、天然
型(野生型)ウシホスホリパーゼA2からD−ヘリックス
を欠失した変異型ホスホリパーゼA2を遺伝子組換技術を
用いて製造するための、該D−ヘリックス欠失型ホスホ
リパーゼA2をコードしている(暗号化している)DNA断
片、該DNA断片を発現可能な形で組み込んだ発現プラス
ミド、該発現プラスミドで形質転換された酵母細胞、お
よび該酵母形質転換株を用いたD−ヘリックス欠失型ホ
スホリパーゼA2の製造法、並びにD−ヘリックス欠失型
ホスホリパーゼA2に関するものである。
型(野生型)ウシホスホリパーゼA2からD−ヘリックス
を欠失した変異型ホスホリパーゼA2を遺伝子組換技術を
用いて製造するための、該D−ヘリックス欠失型ホスホ
リパーゼA2をコードしている(暗号化している)DNA断
片、該DNA断片を発現可能な形で組み込んだ発現プラス
ミド、該発現プラスミドで形質転換された酵母細胞、お
よび該酵母形質転換株を用いたD−ヘリックス欠失型ホ
スホリパーゼA2の製造法、並びにD−ヘリックス欠失型
ホスホリパーゼA2に関するものである。
[従来技術とその課題] ホスホリパーゼA2(EC3,1,1,4)(以下PLA2と略す)
は、1,2−ジアシルグリセロリン脂質のC−2位の脂肪
酸エステルを特異的に加水分解し、リゾグリセロリン脂
質と脂肪酸とを生成する酵素である。本酵素は動物の膵
臓やヘビ毒、ハチ毒などの毒液中に細胞外酵素として比
較的多量に存在するほか、おもに細胞内酵素として、高
等動物から微生物に至るまで広く生物界に分布してい
る。
は、1,2−ジアシルグリセロリン脂質のC−2位の脂肪
酸エステルを特異的に加水分解し、リゾグリセロリン脂
質と脂肪酸とを生成する酵素である。本酵素は動物の膵
臓やヘビ毒、ハチ毒などの毒液中に細胞外酵素として比
較的多量に存在するほか、おもに細胞内酵素として、高
等動物から微生物に至るまで広く生物界に分布してい
る。
PLA2はその酵素反応の特異性を利用し、C−2位脂肪
酸エステルを脱アシル化したリン脂質の調製や、研究用
の試薬として利用されている(小林(1987)蛋,核,酵
31,1661〜1667)。この酵素は、主として脂肪の代謝に
関連した医療分野での研究および治療に用いられること
が予想され、将来その重要性が一層増大すると考えられ
る。
酸エステルを脱アシル化したリン脂質の調製や、研究用
の試薬として利用されている(小林(1987)蛋,核,酵
31,1661〜1667)。この酵素は、主として脂肪の代謝に
関連した医療分野での研究および治療に用いられること
が予想され、将来その重要性が一層増大すると考えられ
る。
ところで、天然型のPLA2をより簡便に、安定して供給
するために、遺伝子組換技術を利用して、天然型PLA2を
コードしているDNA断片を含有するプラスミドpBSPLA2−
4.2−7を構築し、次いで、該DNA断片を適当な酵母の発
現ベクターに組み込むことにより、酵母でPLA2を発現す
る発現ベクターが構築されている[タナカら(Tanaka)
(1988)Gene64257−264]。この発現ベクターに係る発
明はまた、本出願人により、特願昭62−200307(62年8
月11日出願)の下で特許出願された。
するために、遺伝子組換技術を利用して、天然型PLA2を
コードしているDNA断片を含有するプラスミドpBSPLA2−
4.2−7を構築し、次いで、該DNA断片を適当な酵母の発
現ベクターに組み込むことにより、酵母でPLA2を発現す
る発現ベクターが構築されている[タナカら(Tanaka)
(1988)Gene64257−264]。この発現ベクターに係る発
明はまた、本出願人により、特願昭62−200307(62年8
月11日出願)の下で特許出願された。
上記発明では、化学合成したウシPLA2遺伝子をクロー
ニングして酵母の分泌ベクターに挿入し、酵母の培養液
中に天然のものと同じウシPLA2を分泌生産させている。
本発明者らは、PLA2の広範な用途を想定し、上記天然型
のPLA2に変異を生じさせることにより、様々な誘導体を
開発することを目的として、鋭意研究を重ねてきた。
ニングして酵母の分泌ベクターに挿入し、酵母の培養液
中に天然のものと同じウシPLA2を分泌生産させている。
本発明者らは、PLA2の広範な用途を想定し、上記天然型
のPLA2に変異を生じさせることにより、様々な誘導体を
開発することを目的として、鋭意研究を重ねてきた。
通常、天然型のポリペプチドのアミノ酸配列における
変異には、アミノ酸配列の欠失、置換または挿入が含ま
れる。そのような変異によって導かれ得る効果として
は、活性の増大、変化、安定性の増大あるいは精製の容
易化、さらには収率の向上等がある。近年の遺伝子組換
技術の発達により、分子の任意の箇所に様々な変異を導
入する方法は当業者に既知であり、通常の手法を用いて
達成することができる。しかしながら、目的に応じた適
切な変異を導入することが重要な課題である。
変異には、アミノ酸配列の欠失、置換または挿入が含ま
れる。そのような変異によって導かれ得る効果として
は、活性の増大、変化、安定性の増大あるいは精製の容
易化、さらには収率の向上等がある。近年の遺伝子組換
技術の発達により、分子の任意の箇所に様々な変異を導
入する方法は当業者に既知であり、通常の手法を用いて
達成することができる。しかしながら、目的に応じた適
切な変異を導入することが重要な課題である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、PLA2のアミノ酸配列に適切な変異を導
入するために種々検討を加える過程において、ウシ由来
のPLA2とヘビ由来のPLA2との構造上の相異に着目するに
至った。即ち、ウシPLA2にはA、B、C、D4個のα−ヘ
リックスが存在していることが知られている[ジキスト
ラら(B.W.Dijkstra)J.Mol.Biol.(1978)124、53−6
0]。他方、ある種のヘビ、例えばエラブ海ヘビのPLA2
はD−ヘリックスが欠如していることが示されている
[ニシダら(S.Nisida)Biochem.J.(1982)207、589−
594]。このようなD−ヘリックスの欠如は、分子量の
低下をもたらし、その構造を幾分簡単にするので、ウシ
PLA2からD−ヘリックスを欠如させることができれば、
抗原性が低下する可能性もあり、医薬として体内に投与
する上で好ましい性質が付与されると考えられる。しか
もウシ由来であるため、哺乳類への使用に適すると考え
られる。また、分子量の低下による精製の容易化も期待
され、より大量に高純度のPLA2を得、供給することがで
きると考えられる。
入するために種々検討を加える過程において、ウシ由来
のPLA2とヘビ由来のPLA2との構造上の相異に着目するに
至った。即ち、ウシPLA2にはA、B、C、D4個のα−ヘ
リックスが存在していることが知られている[ジキスト
ラら(B.W.Dijkstra)J.Mol.Biol.(1978)124、53−6
0]。他方、ある種のヘビ、例えばエラブ海ヘビのPLA2
はD−ヘリックスが欠如していることが示されている
[ニシダら(S.Nisida)Biochem.J.(1982)207、589−
594]。このようなD−ヘリックスの欠如は、分子量の
低下をもたらし、その構造を幾分簡単にするので、ウシ
PLA2からD−ヘリックスを欠如させることができれば、
抗原性が低下する可能性もあり、医薬として体内に投与
する上で好ましい性質が付与されると考えられる。しか
もウシ由来であるため、哺乳類への使用に適すると考え
られる。また、分子量の低下による精製の容易化も期待
され、より大量に高純度のPLA2を得、供給することがで
きると考えられる。
即ち、本発明は、D−ヘリックスが欠如されたウシホ
スホリパーゼA2を得ることを目的とするものである。
スホリパーゼA2を得ることを目的とするものである。
本発明の上記目的を達成するために、まず、上記の天
然型PLA2をコードするDNA断片含有プラスミドpBSPIA2−
4.2−7を制限酵素Hind IIIおよびNsp(7524)Vで消化
して、第2図記載の天然型PLA2のアミノ酸配列から、ウ
シPLA2のD−ヘリックス(59番目から64番目のアミノ酸
配列に相当、第5図参照)を含む59番目から67番目まで
のアミノ酸を欠如したアミノ酸配列をコードするDNA断
片を得、このDNA断片に、対応する上記エラブ海ヘビのP
LA2のアミノ酸配列、即ち、第59番目から第61番目まで
のアミノ酸配列(同様に第5図参照)をコードしている
DNA断片(第6図参照)を結合することにより、所望の
欠失を有するDNAを含有するプラスミド、pBSPLA−△D
を構築した。このプラスミドにコードされているアミノ
酸配列をコンピューターシュミレーションで分析した結
果は、このアミノ酸配列に対応するPLA2が、D−ヘリッ
クスを欠失したものであることを支持していた。なお、
第5図の配列式は、上限が天然型PLA2の57番から79番の
アミノ酸配列を表し、下段が、対応するD−ヘリックス
欠失型PLA2のアミノ酸配列を表している。
然型PLA2をコードするDNA断片含有プラスミドpBSPIA2−
4.2−7を制限酵素Hind IIIおよびNsp(7524)Vで消化
して、第2図記載の天然型PLA2のアミノ酸配列から、ウ
シPLA2のD−ヘリックス(59番目から64番目のアミノ酸
配列に相当、第5図参照)を含む59番目から67番目まで
のアミノ酸を欠如したアミノ酸配列をコードするDNA断
片を得、このDNA断片に、対応する上記エラブ海ヘビのP
LA2のアミノ酸配列、即ち、第59番目から第61番目まで
のアミノ酸配列(同様に第5図参照)をコードしている
DNA断片(第6図参照)を結合することにより、所望の
欠失を有するDNAを含有するプラスミド、pBSPLA−△D
を構築した。このプラスミドにコードされているアミノ
酸配列をコンピューターシュミレーションで分析した結
果は、このアミノ酸配列に対応するPLA2が、D−ヘリッ
クスを欠失したものであることを支持していた。なお、
第5図の配列式は、上限が天然型PLA2の57番から79番の
アミノ酸配列を表し、下段が、対応するD−ヘリックス
欠失型PLA2のアミノ酸配列を表している。
即ち、本発明は、D−ヘリックス欠失型ホスホリパー
ゼA2を製造するための、D−ヘリックス欠失型PLA2を暗
号化しているDNA断片、該断片を組み込んだ酵母を宿主
とする発現プラスミド、該プラスミドで形質転換された
酵母形質転換体、該形質転換体を用いたD−ヘリックス
欠失型PLA2の製造方法、ならびにD−ヘリックス欠失型
ホスホリパーゼA2を提供するものである。
ゼA2を製造するための、D−ヘリックス欠失型PLA2を暗
号化しているDNA断片、該断片を組み込んだ酵母を宿主
とする発現プラスミド、該プラスミドで形質転換された
酵母形質転換体、該形質転換体を用いたD−ヘリックス
欠失型PLA2の製造方法、ならびにD−ヘリックス欠失型
ホスホリパーゼA2を提供するものである。
本発明に於いて、PLA2という用語は、ウシの天然のPL
A2を包含するあらゆる哺乳動物起源のPLA2を意味すると
共に、遺伝子操作により作られる、それらの天然のPLA2
の変異体も含まれるものとする。この天然型PLA2をコー
ドするDNA配列および対応するアミノ酸配列は第2図に
示されている。
A2を包含するあらゆる哺乳動物起源のPLA2を意味すると
共に、遺伝子操作により作られる、それらの天然のPLA2
の変異体も含まれるものとする。この天然型PLA2をコー
ドするDNA配列および対応するアミノ酸配列は第2図に
示されている。
このアミノ酸配列に所望のD−ヘリックス欠失を有す
る変異型PLA2を上記の如く構築した。得られたDNA配列
およびアミノ酸配列は第1図に示されている。
る変異型PLA2を上記の如く構築した。得られたDNA配列
およびアミノ酸配列は第1図に示されている。
このようにして得たD−ヘリックス欠失型PLA2を暗号
化するDNA断片を酵母を宿主として発現させるために
は、その前に、mRNA合成とmRNAからのタンパク質翻訳を
行わせるための遺伝子発現系を連結しておく必要があ
る。酵母においては、遺伝子発現系として、それ自身の
菌体内で機能している遺伝子のプロモーター活性と翻訳
能を持つDNA断片を用いることが多い。このような例と
して、3−ホスホグリセレート・キナーゼ遺伝子(PG
K)、エノラーゼ遺伝子(ENO1)、グリセルアルデヒド
−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼ遺伝子(GP
D)、メイティングタイプα遺伝子(MF1)、リプレッシ
ブル・アシッド・ホスファターゼ遺伝子(PHO5)、ガラ
クトキナーゼ遺伝子(GAL1)、などの発現を制御してい
るDNA断片が良く用いられている(中尾、松原(1986)
日本生化学会編“遺伝子研究法II"pp171〜172、東京化
学同人)。これらのDNA断片をPLA2を暗号化するDNA断片
の前に連結すれば、その制御下にPLA2は酵母内で発現さ
れることとなる。また同様の活性を有する他のDNA断片
を用いてもよい。
化するDNA断片を酵母を宿主として発現させるために
は、その前に、mRNA合成とmRNAからのタンパク質翻訳を
行わせるための遺伝子発現系を連結しておく必要があ
る。酵母においては、遺伝子発現系として、それ自身の
菌体内で機能している遺伝子のプロモーター活性と翻訳
能を持つDNA断片を用いることが多い。このような例と
して、3−ホスホグリセレート・キナーゼ遺伝子(PG
K)、エノラーゼ遺伝子(ENO1)、グリセルアルデヒド
−3−ホスフェート・デヒドロゲナーゼ遺伝子(GP
D)、メイティングタイプα遺伝子(MF1)、リプレッシ
ブル・アシッド・ホスファターゼ遺伝子(PHO5)、ガラ
クトキナーゼ遺伝子(GAL1)、などの発現を制御してい
るDNA断片が良く用いられている(中尾、松原(1986)
日本生化学会編“遺伝子研究法II"pp171〜172、東京化
学同人)。これらのDNA断片をPLA2を暗号化するDNA断片
の前に連結すれば、その制御下にPLA2は酵母内で発現さ
れることとなる。また同様の活性を有する他のDNA断片
を用いてもよい。
上に述べたD−ヘリックス欠失型PLA2を酵母内で発現
できるように構成されたDNA断片を酵母に導入するに
は、YEp型、YRp型、YCp型に分類されている大腸菌と酵
母とのシャトルベクター(東江(1981)松原、矢野編
“遺伝子操作"pp205〜207、共立出版)に該DNA断片を連
結すればよい。また酵母内で増殖できないYIp型のベク
ター(同上文献参照)を用いても、該DNAを酵母内に導
入することができる。本発明においては、プロモーター
断片をすでに連結しているYEp型ベクター、pAT405また
はpMFα−8を用いることが好ましいが、これに限定さ
れるものではない。
できるように構成されたDNA断片を酵母に導入するに
は、YEp型、YRp型、YCp型に分類されている大腸菌と酵
母とのシャトルベクター(東江(1981)松原、矢野編
“遺伝子操作"pp205〜207、共立出版)に該DNA断片を連
結すればよい。また酵母内で増殖できないYIp型のベク
ター(同上文献参照)を用いても、該DNAを酵母内に導
入することができる。本発明においては、プロモーター
断片をすでに連結しているYEp型ベクター、pAT405また
はpMFα−8を用いることが好ましいが、これに限定さ
れるものではない。
このように連結したDNAを用いて直接酵母を形質転換
し、目的物を得ることもできるが、一般的には一度大腸
菌を形質転換して目的物を取得した後、酵母を形質転換
する。大腸菌を用いての遺伝子操作法は成書(Maniatis
ら(1982)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Co
ld Spring Harbor Laboratory)に詳述されている。酵
母の形質転換は、コンピテント・セル法(RodriguezとT
ait(1983)Recombinant DNA Techniques:An introduct
ion pp.186〜187、Addison−Wesley publishing C
o.)、プロトプラスト法(Beggs(1978)Nature275,104
〜108)、電気穿孔法(稲葉ら(1987)蛋,核,酵32,10
〜21)により達成できる。宿主としてはサッカロマイセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を用いる
ことが好ましいが、他の種類の酵母を用いることもでき
る。
し、目的物を得ることもできるが、一般的には一度大腸
菌を形質転換して目的物を取得した後、酵母を形質転換
する。大腸菌を用いての遺伝子操作法は成書(Maniatis
ら(1982)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Co
ld Spring Harbor Laboratory)に詳述されている。酵
母の形質転換は、コンピテント・セル法(RodriguezとT
ait(1983)Recombinant DNA Techniques:An introduct
ion pp.186〜187、Addison−Wesley publishing C
o.)、プロトプラスト法(Beggs(1978)Nature275,104
〜108)、電気穿孔法(稲葉ら(1987)蛋,核,酵32,10
〜21)により達成できる。宿主としてはサッカロマイセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を用いる
ことが好ましいが、他の種類の酵母を用いることもでき
る。
得られた形質転換体を公知の培地を用いて培養すれ
ば、D−ヘリックスを欠失したPLA2を得ることができ
る。該D−ヘリックス欠失型PLA2を菌体外に分泌生産さ
せる場合には、イースト・ミニマル・メディウム(Yeas
t Minimal Medium)やYNBD培地(RodriguetzとTait(19
83)Recombinant DNA Techniques:An introduction,pp1
51〜153、Addison−Wesley Publishing Co.)のような
最少培地を用いることが好ましい。またPHO5やGAL1のプ
ロモーターを用いた場合には、それぞれ培養液からリン
を除いたり、炭素源をガラクトースにすることによって
PLA2生産を誘導することができる。PLA2を分泌生産させ
た場合には、この培養液から酵母を除いた後、通常のタ
ンパク質精製法、たとえば塩析、限外濾過、イオン交換
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー、電気泳動法、あるい
はこれらを組合わせることにより純粋なD−ヘリックス
欠失型PLA2標品を得ることができる。本発明において
は、実施例に記載したように、SP−セファデックスおよ
びpEAEセルロースを用いて単一の標品を得た。なお、菌
体内に蓄積されたD−ヘリックス欠失型PLA2は、酵母を
細胞壁消化酵素やガラスビーズで処理することによって
破砕した後、前に述べた方法により抽出、精製できる。
ば、D−ヘリックスを欠失したPLA2を得ることができ
る。該D−ヘリックス欠失型PLA2を菌体外に分泌生産さ
せる場合には、イースト・ミニマル・メディウム(Yeas
t Minimal Medium)やYNBD培地(RodriguetzとTait(19
83)Recombinant DNA Techniques:An introduction,pp1
51〜153、Addison−Wesley Publishing Co.)のような
最少培地を用いることが好ましい。またPHO5やGAL1のプ
ロモーターを用いた場合には、それぞれ培養液からリン
を除いたり、炭素源をガラクトースにすることによって
PLA2生産を誘導することができる。PLA2を分泌生産させ
た場合には、この培養液から酵母を除いた後、通常のタ
ンパク質精製法、たとえば塩析、限外濾過、イオン交換
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー、電気泳動法、あるい
はこれらを組合わせることにより純粋なD−ヘリックス
欠失型PLA2標品を得ることができる。本発明において
は、実施例に記載したように、SP−セファデックスおよ
びpEAEセルロースを用いて単一の標品を得た。なお、菌
体内に蓄積されたD−ヘリックス欠失型PLA2は、酵母を
細胞壁消化酵素やガラスビーズで処理することによって
破砕した後、前に述べた方法により抽出、精製できる。
[発明の効果] 本発明は、酵母を宿主としてD−ヘリックスを欠失し
たPLA2を分泌生産する方法を提供するものであり、従来
の天然型PLA2の医療および研究分野での用途をさらに発
展させるものと言える。
たPLA2を分泌生産する方法を提供するものであり、従来
の天然型PLA2の医療および研究分野での用途をさらに発
展させるものと言える。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
以下に述べる遺伝子操作の一般的手法は、マニュアル書
(Maniatisら(1982)、Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual,Cold Spring Harbor Laboratory)および試
薬の仕様書に従った。
以下に述べる遺伝子操作の一般的手法は、マニュアル書
(Maniatisら(1982)、Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual,Cold Spring Harbor Laboratory)および試
薬の仕様書に従った。
実施例1 ウシPLA2を暗号化するDNA断片の調製 公知のウシPLA2アミノ酸配列(Fleerら(1978)Eur.
J.Biochem.82,261〜269)を基に、それを暗号化するDNA
断片を第2図のように設計した。このDNA断片には活性
型のウシPLA2タンパク質を暗号化する部分だけでなく、
その前部に前駆体PLA2のもつ7残基のアクティベーショ
ン・ペプチド(activation peptide)(Dutilhら(197
5)Eur.J.Biochem.53,91〜97)を暗号化するDNAを連結
し、さらにその前にイヌPLA2のシグナルペプチドを暗号
化するDNA(Oharaら(1986)J.Biochem.99,733〜739)
を連結している。また後部には終始コドンTAAおよびTAG
を連続して付加し、さらに全DNA断片の5′側および
3′側にはそれぞれEcoR IおよびSal Iの粘着末端を設
けた。設計にあたってコドンの使用頻度が酵母のそれに
近くなるよう留意し、さらに遺伝子の随所に特有の制限
酵素切断部位が存在するよう配慮した。
J.Biochem.82,261〜269)を基に、それを暗号化するDNA
断片を第2図のように設計した。このDNA断片には活性
型のウシPLA2タンパク質を暗号化する部分だけでなく、
その前部に前駆体PLA2のもつ7残基のアクティベーショ
ン・ペプチド(activation peptide)(Dutilhら(197
5)Eur.J.Biochem.53,91〜97)を暗号化するDNAを連結
し、さらにその前にイヌPLA2のシグナルペプチドを暗号
化するDNA(Oharaら(1986)J.Biochem.99,733〜739)
を連結している。また後部には終始コドンTAAおよびTAG
を連続して付加し、さらに全DNA断片の5′側および
3′側にはそれぞれEcoR IおよびSal Iの粘着末端を設
けた。設計にあたってコドンの使用頻度が酵母のそれに
近くなるよう留意し、さらに遺伝子の随所に特有の制限
酵素切断部位が存在するよう配慮した。
このように設計したDNA断片を第3図に示すように平
均鎖長42merのDNAオリゴマー22本に分けて合成した。DN
AオリゴマーはApplied Bio Instrument381A型全自動DNA
合成装置を使用し、ホスホアミダイド法で合成した後、
トリエチルアンモニウム、チオフェノキサイド、ジオキ
サン溶液で室温にて1時間処理し、次に濃アンモニア水
を用いて室温で1時間、さらに55℃で6時間処理した。
この標品を逆相HPLCにかけて目的物を分取した後、80%
酢酸で処理し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAG
E)により純化し、さらに逆相HPLCで精製したものを凍
結乾燥し、25nmol/mlの蒸留水に溶解したものをDNA断片
作製用のオリゴマーとした。
均鎖長42merのDNAオリゴマー22本に分けて合成した。DN
AオリゴマーはApplied Bio Instrument381A型全自動DNA
合成装置を使用し、ホスホアミダイド法で合成した後、
トリエチルアンモニウム、チオフェノキサイド、ジオキ
サン溶液で室温にて1時間処理し、次に濃アンモニア水
を用いて室温で1時間、さらに55℃で6時間処理した。
この標品を逆相HPLCにかけて目的物を分取した後、80%
酢酸で処理し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAG
E)により純化し、さらに逆相HPLCで精製したものを凍
結乾燥し、25nmol/mlの蒸留水に溶解したものをDNA断片
作製用のオリゴマーとした。
DNAオリゴマーからの、PLA2を暗号化するDNA配列作成
法の概略を第4図に示す。
法の概略を第4図に示す。
まず最初にA、B、Cの3断片を組立てた。Aブロッ
クについては〜、Bブロックは〜、Cブロック
は〜の各オリゴマー250pmol(ピコモル)ずつを混
合し70℃で3分間加熱した後冷水で急激に冷却し、再度
70℃で3分間加熱した後約3時間かけて徐々に室温まで
放冷することにより、アニーリングした。次にこの溶液
にキナーゼ緩衝液と終濃度5mMのDTT、1mMのATPを加えた
後、ポリヌクレオチドキナーゼ20単位を加え、37℃で1
時間反応させた。さらに70℃で3分間加熱した後、ブロ
ックAのサンプルにはのオリゴマーを、ブロックCに
はのオリゴマーをそれぞれ250pmol加え、さらに各サ
ンプルについて終濃度1mMのATPとT4DNAリガーゼを添加
し8℃で終夜反応した。
クについては〜、Bブロックは〜、Cブロック
は〜の各オリゴマー250pmol(ピコモル)ずつを混
合し70℃で3分間加熱した後冷水で急激に冷却し、再度
70℃で3分間加熱した後約3時間かけて徐々に室温まで
放冷することにより、アニーリングした。次にこの溶液
にキナーゼ緩衝液と終濃度5mMのDTT、1mMのATPを加えた
後、ポリヌクレオチドキナーゼ20単位を加え、37℃で1
時間反応させた。さらに70℃で3分間加熱した後、ブロ
ックAのサンプルにはのオリゴマーを、ブロックCに
はのオリゴマーをそれぞれ250pmol加え、さらに各サ
ンプルについて終濃度1mMのATPとT4DNAリガーゼを添加
し8℃で終夜反応した。
以上のサンプルを8%ゲル濃度、2mm厚のPAGEにか
け、80〜120Vで4時間泳動した。得られたゲルをEtBr
(0.5μg/ml)を含むTBE緩衝液中で20分間染色し、紫外
線照射することによりDNAのバンドを検出した。同時に
泳動した分子量マーカーの値を参照して、Aブロックの
ものについては約160bp、Bブロックについては約170b
p、Cブロックについては約130bpあたりのバンドを切り
出し、DNA断片を溶出、回収し、20μのTE緩衝液に溶
解した。各ブロック10μのDNAを混合し、T4DNAリガー
ゼを用いて8℃で一夜反応させて連結した後、3.5%ゲ
ル濃度、2mm厚のPAGEにかけ、60〜100Vで3時間泳動し
た。同時に泳動した分子量マーカーの値を参照し、約46
0bp付近のDNAバンドを切り出し、DNA断片を溶出した。
得られたDNA断片をさらにNACS PREP AC(BRL社製)を
用い、説明書の方法に従って精製し、エタノール沈殿
後、20μのTEに溶解した。
け、80〜120Vで4時間泳動した。得られたゲルをEtBr
(0.5μg/ml)を含むTBE緩衝液中で20分間染色し、紫外
線照射することによりDNAのバンドを検出した。同時に
泳動した分子量マーカーの値を参照して、Aブロックの
ものについては約160bp、Bブロックについては約170b
p、Cブロックについては約130bpあたりのバンドを切り
出し、DNA断片を溶出、回収し、20μのTE緩衝液に溶
解した。各ブロック10μのDNAを混合し、T4DNAリガー
ゼを用いて8℃で一夜反応させて連結した後、3.5%ゲ
ル濃度、2mm厚のPAGEにかけ、60〜100Vで3時間泳動し
た。同時に泳動した分子量マーカーの値を参照し、約46
0bp付近のDNAバンドを切り出し、DNA断片を溶出した。
得られたDNA断片をさらにNACS PREP AC(BRL社製)を
用い、説明書の方法に従って精製し、エタノール沈殿
後、20μのTEに溶解した。
次にプラスミドpUC119(宝酒造より購入)をEcoR I、
Sal Iで完全に消化し、このDNA20ngと合成したDNA断片
5μを混合し、T4DNAリガーゼを用いて8℃で16時間
ライゲーションした。このライゲーション混合物5μ
を用いてE.coli JM105(アマシャム・ジャパン(株)
より入手)を形質転換した。得られた、アンピシリン耐
性を示す形質転換株の中から200株を選択し、ワットマ
ン541のフィルターにコロニーを移しとった後、常法に
従いコロニーハイブリダイゼーションを行った(Gergen
ら(1979)Nucleic Acids Res.7,2115〜2136)。プロ
ーブとしてはT4ポリヌクレオチド・キナーゼを用いて
5′末端をラベルした後、スパン・カラムクロマトグラ
フィーにより精製した、およびのDNAオリゴマー
(第3図)を用いた。6×SSC、0.1%SDS、1×Denhard
t's、25μg/mlサケDNAを含む溶液中、42℃で、4時間プ
レハイブリダイゼーションした後、同じ溶液に各プロー
ブを7〜8×105cpm/mlとなるように加え、42℃で一夜
ハイブリダイゼーションを行った。その後、42℃で2×
SSC、0.1%SDSを含む溶液を用いてフイルターを2回洗
浄し、さらに2×SSC溶液を用いて42℃で2回洗浄した
(30分間)。その後フイルターを室温で乾燥させ、オー
トラジオグラフィーを行った。3つのプローブに対し陽
性を示した9個のクローンについて、ヘルパーファージ
M13K07を用いる公知の方法(宝酒造、PUC119説明書)に
従い、1本鎖DNAを分取し、M13シークエンシングキット
(アマシャム・ジャパン社製)を用いて塩基配列を決定
したところ、5′末端200残基については目的物である
ことを確認した。さらに合成遺伝子内のEcoR I、Sal
I、Xho I部位を利用して、各DNA断片をM13mp11にクロー
ン化し、全領域の塩基配列を決定したところ、全てのク
ローンについて塩基配列の欠失あるいは置換が認められ
た。そこで5′末端から数えて370残基目のGが欠失し
た合成遺伝子を持つプラスミドpBSPLA2−4.2を用いて欠
失部分を正しい配列に入れかえた。まずpBSPLA2−4.2を
Stu IおよびXba Iで消化した後、アガロースゲル電気泳
動により約3.7kbのDNA断片を分取した。また欠失部分を
再構成するため、〜のオリゴマー各250pmolを混合
し、前に述べたのと同様に5′末端のリン酸化、アニー
リング、ライゲーションを行った後、Xba IおよびStu I
で消化し、12%PAGEにより約80bpのDNA断片を取得し
た。このDNA断片約2pmolとpBSPLA2−4.2のStu IおよびX
ba I断片約100ngを混合し、T4DNAリガーゼを用いて連結
し、E.coil MC1061(Casadabanら(1980)J.Mol.Bio
l.138,179−207)を形質転換した。得られたアンピシリ
ン耐性の形質転換株の中から68株を選び、プラスミドDN
Aを抽出し、Stu IおよびXba Iで消化したところ、28株
が約80bpのDNA断片を組み込んでいた。そこで代表8株
についてそのPst I−Xba I断片をM13mp11のXba Iおよび
Pst Iに再クローン化し、塩基配列を決定した。その結
果4クローンについては欠失部分が回復され、他の部分
も正しい塩基配列を維持していた。さらに正しい配列の
遺伝子を有していたクローンのうち、代表としてpBSPLA
2−4.2−7を選び、これについてPLA2を暗号化する部分
の全塩基配列を決定したところ、第1図に示す配列と完
全に一致し、目的のウシPLA2を暗号化するDNA断片を取
得することができた。
Sal Iで完全に消化し、このDNA20ngと合成したDNA断片
5μを混合し、T4DNAリガーゼを用いて8℃で16時間
ライゲーションした。このライゲーション混合物5μ
を用いてE.coli JM105(アマシャム・ジャパン(株)
より入手)を形質転換した。得られた、アンピシリン耐
性を示す形質転換株の中から200株を選択し、ワットマ
ン541のフィルターにコロニーを移しとった後、常法に
従いコロニーハイブリダイゼーションを行った(Gergen
ら(1979)Nucleic Acids Res.7,2115〜2136)。プロ
ーブとしてはT4ポリヌクレオチド・キナーゼを用いて
5′末端をラベルした後、スパン・カラムクロマトグラ
フィーにより精製した、およびのDNAオリゴマー
(第3図)を用いた。6×SSC、0.1%SDS、1×Denhard
t's、25μg/mlサケDNAを含む溶液中、42℃で、4時間プ
レハイブリダイゼーションした後、同じ溶液に各プロー
ブを7〜8×105cpm/mlとなるように加え、42℃で一夜
ハイブリダイゼーションを行った。その後、42℃で2×
SSC、0.1%SDSを含む溶液を用いてフイルターを2回洗
浄し、さらに2×SSC溶液を用いて42℃で2回洗浄した
(30分間)。その後フイルターを室温で乾燥させ、オー
トラジオグラフィーを行った。3つのプローブに対し陽
性を示した9個のクローンについて、ヘルパーファージ
M13K07を用いる公知の方法(宝酒造、PUC119説明書)に
従い、1本鎖DNAを分取し、M13シークエンシングキット
(アマシャム・ジャパン社製)を用いて塩基配列を決定
したところ、5′末端200残基については目的物である
ことを確認した。さらに合成遺伝子内のEcoR I、Sal
I、Xho I部位を利用して、各DNA断片をM13mp11にクロー
ン化し、全領域の塩基配列を決定したところ、全てのク
ローンについて塩基配列の欠失あるいは置換が認められ
た。そこで5′末端から数えて370残基目のGが欠失し
た合成遺伝子を持つプラスミドpBSPLA2−4.2を用いて欠
失部分を正しい配列に入れかえた。まずpBSPLA2−4.2を
Stu IおよびXba Iで消化した後、アガロースゲル電気泳
動により約3.7kbのDNA断片を分取した。また欠失部分を
再構成するため、〜のオリゴマー各250pmolを混合
し、前に述べたのと同様に5′末端のリン酸化、アニー
リング、ライゲーションを行った後、Xba IおよびStu I
で消化し、12%PAGEにより約80bpのDNA断片を取得し
た。このDNA断片約2pmolとpBSPLA2−4.2のStu IおよびX
ba I断片約100ngを混合し、T4DNAリガーゼを用いて連結
し、E.coil MC1061(Casadabanら(1980)J.Mol.Bio
l.138,179−207)を形質転換した。得られたアンピシリ
ン耐性の形質転換株の中から68株を選び、プラスミドDN
Aを抽出し、Stu IおよびXba Iで消化したところ、28株
が約80bpのDNA断片を組み込んでいた。そこで代表8株
についてそのPst I−Xba I断片をM13mp11のXba Iおよび
Pst Iに再クローン化し、塩基配列を決定した。その結
果4クローンについては欠失部分が回復され、他の部分
も正しい塩基配列を維持していた。さらに正しい配列の
遺伝子を有していたクローンのうち、代表としてpBSPLA
2−4.2−7を選び、これについてPLA2を暗号化する部分
の全塩基配列を決定したところ、第1図に示す配列と完
全に一致し、目的のウシPLA2を暗号化するDNA断片を取
得することができた。
実施例2 D−ヘリックス欠失型PLA2を暗号化するDNA
断片 D−ヘリックス欠失型PLA2を暗号化する遺伝子は、実
施例1で調製した野生型ウシPLA2を暗号化する合成遺伝
子のHind III−Nsp(7524)V間のDNA配列を、欠失型を
暗号化する配列に置き換えることにより得られた。欠失
部分のアミノ酸配列を第5図に、塩基配列を第6図に示
す。またD−ヘリックス欠失型PLA2を暗号化する遺伝子
の作製法の概略を第7図に示す。
断片 D−ヘリックス欠失型PLA2を暗号化する遺伝子は、実
施例1で調製した野生型ウシPLA2を暗号化する合成遺伝
子のHind III−Nsp(7524)V間のDNA配列を、欠失型を
暗号化する配列に置き換えることにより得られた。欠失
部分のアミノ酸配列を第5図に、塩基配列を第6図に示
す。またD−ヘリックス欠失型PLA2を暗号化する遺伝子
の作製法の概略を第7図に示す。
欠失部分を第6図に示す〜の4本のDNAオリゴマ
ーに分けて合成した。DNAオリゴマーはApplied Bio Ins
trument 381A型全自動DNA合成装置を使用しホスホアミ
ダイド法で合成した後、トリエチルアンモニウム、チオ
フェノキサイド、ジオキサン溶液で室温にて1時間処理
し、次に濃アンモニア水を用いて室温で1時間、さらに
55℃で6時間処理した。この標品を逆相HPLCにかけて目
的物を分取した後、80%酢酸で処理し、ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(PAGE)により純化し、さらに逆相HP
LCで精製したものを凍結乾燥し、25nmol/mlの蒸留水に
溶解したものをDNA断片作製用のオリゴマーとした。
ーに分けて合成した。DNAオリゴマーはApplied Bio Ins
trument 381A型全自動DNA合成装置を使用しホスホアミ
ダイド法で合成した後、トリエチルアンモニウム、チオ
フェノキサイド、ジオキサン溶液で室温にて1時間処理
し、次に濃アンモニア水を用いて室温で1時間、さらに
55℃で6時間処理した。この標品を逆相HPLCにかけて目
的物を分取した後、80%酢酸で処理し、ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(PAGE)により純化し、さらに逆相HP
LCで精製したものを凍結乾燥し、25nmol/mlの蒸留水に
溶解したものをDNA断片作製用のオリゴマーとした。
次に各オリゴマー250pmolをキナーゼ緩衝液中で混合
し、70℃で3分間加熱した後冷水で急冷し、再度70℃で
3分間加熱した後約3時間かけて、徐々に室温まで冷却
することによりアニーリングした。次にこの溶液に終濃
度5mMのDTT、2.5mMのATPを加えた後ポリヌクレオチドキ
ナーゼ20単位を加え37℃で40分間反応させた。この反応
液を70℃で3分間加熱した後、2mMのATPとT4DNAリガー
ゼを添加し20℃で2時間反応させた。この反応液をフェ
ノール−クロロホルム抽出、エタノール沈殿した後、回
収されたDNA断片をさらにNsp(7524)V消化したものを
合成DNA断片として用いた。最終産物はフェノールクロ
ロホルム抽出、エタノール沈澱後10μのTE緩衝液に溶
解して用いた。
し、70℃で3分間加熱した後冷水で急冷し、再度70℃で
3分間加熱した後約3時間かけて、徐々に室温まで冷却
することによりアニーリングした。次にこの溶液に終濃
度5mMのDTT、2.5mMのATPを加えた後ポリヌクレオチドキ
ナーゼ20単位を加え37℃で40分間反応させた。この反応
液を70℃で3分間加熱した後、2mMのATPとT4DNAリガー
ゼを添加し20℃で2時間反応させた。この反応液をフェ
ノール−クロロホルム抽出、エタノール沈殿した後、回
収されたDNA断片をさらにNsp(7524)V消化したものを
合成DNA断片として用いた。最終産物はフェノールクロ
ロホルム抽出、エタノール沈澱後10μのTE緩衝液に溶
解して用いた。
次に実施例1で得たpBSPLA2−4.2−73μgをHind II
I、Nsp(7524)Vで消化し、1%アガロースゲル電気泳
動によりベクターDNA断片と約280bpのDNA断片を切り出
し、電気溶出法によりDNAを回収した。このうちベクタ
ーDNA断片については細菌性アルカリホスファターゼ(b
acterial alkaline phospatase.)(BAP)処理を行った
後、10μのTE緩衝液に溶解した。また他のDNA断片に
ついてはそのまま10μのTE緩衝液に溶解した。
I、Nsp(7524)Vで消化し、1%アガロースゲル電気泳
動によりベクターDNA断片と約280bpのDNA断片を切り出
し、電気溶出法によりDNAを回収した。このうちベクタ
ーDNA断片については細菌性アルカリホスファターゼ(b
acterial alkaline phospatase.)(BAP)処理を行った
後、10μのTE緩衝液に溶解した。また他のDNA断片に
ついてはそのまま10μのTE緩衝液に溶解した。
次に、合成したDNA断片1μと約280bpの断片5μ
を混合し、T4DNAリガーゼを用いて連結した後、Hind II
I消化した。この反応液を8%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけ330bp付近のDNAバンドを切り出し、電気
溶出法によりDNAを回収、最終的に5μのTE緩衝液に
溶解した。次にこの回収したDNA断片5μとBAP処理し
たベクターDNA1μを混合、T4DNAリガーゼを用いて連
結した後、E.coli JM105を形質転換した。得られたアン
ピシリン耐性を示す形質転換株約860株についてワット
マン541フィルターにコロニーを移しとった後、常法に
従いコロニーハイブリダイゼーションを行った[ゲルゲ
ンら(Gergen)(1979)Nucleic Acids Res.1 2115〜21
36]。プローブとしてはT4ポリヌクレオチドキナーゼを
用いて、5′末端をラベルした後、スパン・カラムクロ
マトグラフィーにより精製した第6図に示すのDNAオ
リゴマーを用いた。
を混合し、T4DNAリガーゼを用いて連結した後、Hind II
I消化した。この反応液を8%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけ330bp付近のDNAバンドを切り出し、電気
溶出法によりDNAを回収、最終的に5μのTE緩衝液に
溶解した。次にこの回収したDNA断片5μとBAP処理し
たベクターDNA1μを混合、T4DNAリガーゼを用いて連
結した後、E.coli JM105を形質転換した。得られたアン
ピシリン耐性を示す形質転換株約860株についてワット
マン541フィルターにコロニーを移しとった後、常法に
従いコロニーハイブリダイゼーションを行った[ゲルゲ
ンら(Gergen)(1979)Nucleic Acids Res.1 2115〜21
36]。プローブとしてはT4ポリヌクレオチドキナーゼを
用いて、5′末端をラベルした後、スパン・カラムクロ
マトグラフィーにより精製した第6図に示すのDNAオ
リゴマーを用いた。
6×SSC、0.1%SDS、1×デンハルト溶液、25μg/ml
サケDNAを含む溶液中で37℃4時間プレハイブリダイゼ
ーションした後、同じ溶液にプローブを5×105cpm/ml
となるように入れ、37℃で一夜ハイブリダイゼーション
した。その後、6×SSC、0.1%SDSを含む液で室温で2
回フィルターを洗浄し、さらに3M塩化テトラメチルアン
モニウムを含む溶液[ウッドら(Wood)(1985)Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 82 1585−1588]で37℃15分、50℃15
分で2回洗った。次にこのフィルターを室温で乾燥さ
せ、オートラジオグラフィーを行った。38コの陽性株が
得られた。このうち12株についてプラスミドDNAを調製
し、Sca I、Nsp(7524)V、Pst Iを用いて制限酵素地
図を作製したところ、3株が目的とするパターンを示し
た。更にこの3株からヘルパーファージM13K07を用いる
公知の方法(宝酒造puc119説明書)に従い、1本鎖DNA
を分取し、M13シークエンシングキット(宝酒造製)を
用いて塩基配列を決定したところ、2株について、欠失
部位周辺50bpに関しては目的の配列を有することを確認
し、D−ヘリックス欠失型PLA2を暗号化する遺伝子を組
み込んだ組換体プラスミドpBSPLA−△Dを得た。
サケDNAを含む溶液中で37℃4時間プレハイブリダイゼ
ーションした後、同じ溶液にプローブを5×105cpm/ml
となるように入れ、37℃で一夜ハイブリダイゼーション
した。その後、6×SSC、0.1%SDSを含む液で室温で2
回フィルターを洗浄し、さらに3M塩化テトラメチルアン
モニウムを含む溶液[ウッドら(Wood)(1985)Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 82 1585−1588]で37℃15分、50℃15
分で2回洗った。次にこのフィルターを室温で乾燥さ
せ、オートラジオグラフィーを行った。38コの陽性株が
得られた。このうち12株についてプラスミドDNAを調製
し、Sca I、Nsp(7524)V、Pst Iを用いて制限酵素地
図を作製したところ、3株が目的とするパターンを示し
た。更にこの3株からヘルパーファージM13K07を用いる
公知の方法(宝酒造puc119説明書)に従い、1本鎖DNA
を分取し、M13シークエンシングキット(宝酒造製)を
用いて塩基配列を決定したところ、2株について、欠失
部位周辺50bpに関しては目的の配列を有することを確認
し、D−ヘリックス欠失型PLA2を暗号化する遺伝子を組
み込んだ組換体プラスミドpBSPLA−△Dを得た。
実施例3 酵母でのD−ヘリックス欠失型PLA2発現プラ
スミドpEK201−△Dの構築 酵母でのD−ヘリックス欠失型PLA2発現プラスミドpE
K201−△D構築の概略を第8図に示す。pAT405は公知
(Tanakaら(1988)Gene 64 257−264)であり、東江
教授(広島大学工学部第3類醗酵工学教室)より入手可
能である。
スミドpEK201−△Dの構築 酵母でのD−ヘリックス欠失型PLA2発現プラスミドpE
K201−△D構築の概略を第8図に示す。pAT405は公知
(Tanakaら(1988)Gene 64 257−264)であり、東江
教授(広島大学工学部第3類醗酵工学教室)より入手可
能である。
実施例2で取得したpBSPLA−△DをEcoR IおよびSal
Iで消化した後、E.coli DNAポリメラーゼIのKlenow
断片(以下Klenowと略す)を用いて突出末端を平滑末端
とし、アガロースゲル電気泳動により約450bpのDNA断片
を分取した。次にpAT405をXho I消化した後、Klenow処
理し、突出末端を平滑末端とした。この2つのDNA断片
をTADNAリガーゼを用いて連結し、このライゲーション
・ミックスチャーを用いてE.coli MC1061を形質転換
した。得られたアンピシリン耐性を示す形質転換株の中
から200株について、実施例2に示したのと同様の方法
でコロニー・ハイブリダイゼーションを行った。プロー
ブは5′−CTCATGACAACTGCTACAAGCで示されるオリゴマ
ーを用いた。陽性を示した31株からプラスミドDNAを抽
出し、Pst I消化により目的方向にPLA2を暗号化するDNA
断片を挿入しているプラスミドを検索したところ8株が
目的の構造のプラスミド、pEK201−△Dを保持してい
た。
Iで消化した後、E.coli DNAポリメラーゼIのKlenow
断片(以下Klenowと略す)を用いて突出末端を平滑末端
とし、アガロースゲル電気泳動により約450bpのDNA断片
を分取した。次にpAT405をXho I消化した後、Klenow処
理し、突出末端を平滑末端とした。この2つのDNA断片
をTADNAリガーゼを用いて連結し、このライゲーション
・ミックスチャーを用いてE.coli MC1061を形質転換
した。得られたアンピシリン耐性を示す形質転換株の中
から200株について、実施例2に示したのと同様の方法
でコロニー・ハイブリダイゼーションを行った。プロー
ブは5′−CTCATGACAACTGCTACAAGCで示されるオリゴマ
ーを用いた。陽性を示した31株からプラスミドDNAを抽
出し、Pst I消化により目的方向にPLA2を暗号化するDNA
断片を挿入しているプラスミドを検索したところ8株が
目的の構造のプラスミド、pEK201−△Dを保持してい
た。
実施例4 pEK201−△Dを用いたD−ヘリックス欠失型
PLA2の生産および精製 1.D−ヘリックス欠失型PLA2の生産 実施例3で得られたpEK201−△Dを用いて公知のプロ
トプラスト法(Beggs(1978)Nature 275,104−108)に
よりサッカロマイセス・セレビシエDC−5(Broachら
(1979)Gene 8,121−133)を形質転換した。選択培地
としてはL−ヒスチジン20μg/ml、1.2Mソルビトールを
含むYNBD培地を用いた。得られたLeu+形質転換株につい
て、公知の方法(Tanakaら(1988)Gene 64 257−264)
で培養し、PLA2を含む培養上清を得た。
PLA2の生産および精製 1.D−ヘリックス欠失型PLA2の生産 実施例3で得られたpEK201−△Dを用いて公知のプロ
トプラスト法(Beggs(1978)Nature 275,104−108)に
よりサッカロマイセス・セレビシエDC−5(Broachら
(1979)Gene 8,121−133)を形質転換した。選択培地
としてはL−ヒスチジン20μg/ml、1.2Mソルビトールを
含むYNBD培地を用いた。得られたLeu+形質転換株につい
て、公知の方法(Tanakaら(1988)Gene 64 257−264)
で培養し、PLA2を含む培養上清を得た。
2.D−ヘリックス欠失型PLA2の精製 酵母培養上清2.9のpHを4.0に合わせ、50mM酢酸ナト
リウム緩衝液(pH4.0)で平衡化したSP−セファデック
スC−25(ファルマシア社製)カラム(1.5×9cm)にか
け、0から0.5Mまでの塩化ナトリウムの直線濃度勾配を
かけることにより溶出を行った(図9)。図中斜線で示
した部分を凍結乾燥し、0.1M酢酸を展開溶媒としてセフ
ァデックスG−25カラムにより脱塩した後、再度凍結乾
燥して約20mgの粗画分を得た。
リウム緩衝液(pH4.0)で平衡化したSP−セファデック
スC−25(ファルマシア社製)カラム(1.5×9cm)にか
け、0から0.5Mまでの塩化ナトリウムの直線濃度勾配を
かけることにより溶出を行った(図9)。図中斜線で示
した部分を凍結乾燥し、0.1M酢酸を展開溶媒としてセフ
ァデックスG−25カラムにより脱塩した後、再度凍結乾
燥して約20mgの粗画分を得た。
得られた粗画分のうち、約8mgを5mMトリス−塩酸緩衝
液(pH8.0)10mlに溶解し、同緩衝液で平衡化したDE52
(Whatman社製)カラム(1.5×4cm)にかけ、0から0.3
Mまでの塩化ナトリウムの直線濃度勾配溶出法により溶
出した([図10])。ピークa、bはそれぞれ、△Dの
活性型および前駆体であり、両者は完全に分離できた。
図中斜線で示した部分を前駆体画分として集め、凍結乾
燥後、脱塩、再度凍結乾燥して前駆体3.1mgを得た。得
られた前駆体は15%ポリアクリルアミドを支持体とした
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGEと略す)
(Laemmli,U.K.(1970)Nature 227,680−685)で単一
のバンドを示し、活性型を全く含まず、純粋であった。
液(pH8.0)10mlに溶解し、同緩衝液で平衡化したDE52
(Whatman社製)カラム(1.5×4cm)にかけ、0から0.3
Mまでの塩化ナトリウムの直線濃度勾配溶出法により溶
出した([図10])。ピークa、bはそれぞれ、△Dの
活性型および前駆体であり、両者は完全に分離できた。
図中斜線で示した部分を前駆体画分として集め、凍結乾
燥後、脱塩、再度凍結乾燥して前駆体3.1mgを得た。得
られた前駆体は15%ポリアクリルアミドを支持体とした
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGEと略す)
(Laemmli,U.K.(1970)Nature 227,680−685)で単一
のバンドを示し、活性型を全く含まず、純粋であった。
尚、D−ヘリックスを欠失していないウシホスホリパ
ーゼA2を酵母により産生させ、培養上清をSP−Sephadex
カラムに上述の方法でかけて得られた画分を同じ条件で
DE52カラムにかけた場合には前駆体と活性型は分離せ
ず、同一ピークとして溶出した([図11])。
ーゼA2を酵母により産生させ、培養上清をSP−Sephadex
カラムに上述の方法でかけて得られた画分を同じ条件で
DE52カラムにかけた場合には前駆体と活性型は分離せ
ず、同一ピークとして溶出した([図11])。
次に、D−ヘリックス欠失型PLA2の前駆体の活性化は
以下のように行った。前駆体1.5mgを10mM塩化カルシウ
ムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)1.5mlに溶解
度、トリプシンを3μg加え、0℃で90分間消化した。
消化後、0.1Mフルオロりん酸ジイソプロピル(DFP)イ
ソプロパノール溶液を15μ添加してトリプシン活性を
停止させ、0.1M酢酸を展開溶媒として、セファデックス
G−25カラム(1.2×25cm)で脱塩すると同時に、トリ
プシンにより切断されたペプチド断片も除去した後、凍
結乾燥して活性型のD−ヘリックス欠失型PLA21.5mgを
得た。
以下のように行った。前駆体1.5mgを10mM塩化カルシウ
ムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)1.5mlに溶解
度、トリプシンを3μg加え、0℃で90分間消化した。
消化後、0.1Mフルオロりん酸ジイソプロピル(DFP)イ
ソプロパノール溶液を15μ添加してトリプシン活性を
停止させ、0.1M酢酸を展開溶媒として、セファデックス
G−25カラム(1.2×25cm)で脱塩すると同時に、トリ
プシンにより切断されたペプチド断片も除去した後、凍
結乾燥して活性型のD−ヘリックス欠失型PLA21.5mgを
得た。
得られた活性型D−ヘリックス欠失型PLA2はSDS−PAG
Eで前駆体よりも低分子量の単一のバンドを示し、純粋
であった。また、14Cでラベルしたジパルミトイルホス
ファチジルコリンを用いた活性測定(Tanakaら,(198
8)Gene,64,257−264)では、活性型△DAは天然型ウシ
ホスホリパーゼA2と同程度の活性を有していた。
Eで前駆体よりも低分子量の単一のバンドを示し、純粋
であった。また、14Cでラベルしたジパルミトイルホス
ファチジルコリンを用いた活性測定(Tanakaら,(198
8)Gene,64,257−264)では、活性型△DAは天然型ウシ
ホスホリパーゼA2と同程度の活性を有していた。
第1図はD−ヘリックス欠失型ウシPLA2アミノ酸配列を
暗号化するDNA断片およびそれによってコードされてい
るアミノ酸配列を示す模式図、第2図は天然型のウシPL
A2アミノ酸配列を暗号化するDNA断片を含んでいる該ウ
シPLA2の発現に有用な合成遺伝子および該遺伝子によっ
てコードされている有意なアミノ酸配列を示す模式図、
第3図は第2図に示すDNA断片を合成するための22本のD
NAオリゴマーの構成を示す模式図、第4図はプラスミド
pBSPLA2−4.2−7の構築模式図、第5図は第1図に示す
D−ヘリックス欠失型PLA2の、欠失部分のアミノ酸配列
を、天然型のPLA2のアミノ酸配列(57〜79番)と対比さ
せて示した模式図、第6図は第5図に示す欠失部分のDN
A断片を合成するためのDNAオリゴマーの構成を示す模式
図、第7図はプラスミドpBSPLA−△Dの構築模式図、第
8図はプラスミドpEK201−△Dの構築模式図、第9図は
サッカロマイセス・セレビシエDC5pEK201−△Dの培養
液をセファデックスカラムにかけ、流出するフラクショ
ンの溶出パターンを示すグラフ、第10図は、第9図に於
けるPLA2に富むフラクションDE52カラムクロマトグラフ
ィーにかけたクロマトグラフを示すグラフであり、第11
図は、天然型PLA2を同様に酵母で発現させて処理し、DE
52カラムにかけて得たクロマトグラムを示すグラフであ
る。
暗号化するDNA断片およびそれによってコードされてい
るアミノ酸配列を示す模式図、第2図は天然型のウシPL
A2アミノ酸配列を暗号化するDNA断片を含んでいる該ウ
シPLA2の発現に有用な合成遺伝子および該遺伝子によっ
てコードされている有意なアミノ酸配列を示す模式図、
第3図は第2図に示すDNA断片を合成するための22本のD
NAオリゴマーの構成を示す模式図、第4図はプラスミド
pBSPLA2−4.2−7の構築模式図、第5図は第1図に示す
D−ヘリックス欠失型PLA2の、欠失部分のアミノ酸配列
を、天然型のPLA2のアミノ酸配列(57〜79番)と対比さ
せて示した模式図、第6図は第5図に示す欠失部分のDN
A断片を合成するためのDNAオリゴマーの構成を示す模式
図、第7図はプラスミドpBSPLA−△Dの構築模式図、第
8図はプラスミドpEK201−△Dの構築模式図、第9図は
サッカロマイセス・セレビシエDC5pEK201−△Dの培養
液をセファデックスカラムにかけ、流出するフラクショ
ンの溶出パターンを示すグラフ、第10図は、第9図に於
けるPLA2に富むフラクションDE52カラムクロマトグラフ
ィーにかけたクロマトグラフを示すグラフであり、第11
図は、天然型PLA2を同様に酵母で発現させて処理し、DE
52カラムにかけて得たクロマトグラムを示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Journal of Molecv lar Biology,(1978)Vo l.124,P53−60 Biochemica et Bio physica Acta(1987)Vo l.916,P94−97 The Journal of Bi ological Chemistry (1985)Vol.260,No.21,P 11627−11634 Toxicon,(1986)Vol. 24,No.6,P.527−541
Claims (8)
- 【請求項1】第2図における第59番目から64番目のアミ
ノ酸配列に相当するD−ヘリックスを欠失した変異型ホ
スホリパーゼA2をコードしているDNA断片。 - 【請求項2】第1図記載の第1番から第117番までのア
ミノ酸配列をコードしているDNA配列からなる請求項1
に記載のDNA断片。 - 【請求項3】請求項1に記載のDNA断片を酵母の遺伝子
発現系の制御下に含有している組換え体プラスミド。 - 【請求項4】pEK201−△Dである請求項3に記載のプラ
スミド。 - 【請求項5】請求項3または4に記載のプラスミドで形
質転換された酵母株。 - 【請求項6】サッカロマイセス・セレビシエDC5(pEK20
1−△D)である請求項5に記載の酵母株。 - 【請求項7】請求項5または6に記載の形質転換された
酵母株を培養して培養媒質中にD−ヘリックス欠失型ホ
スホリパーゼA2を蓄積せしめ、該培養媒質からD−ヘリ
ックス欠失型ホスホリパーゼA2を回収することを特徴と
するD−ヘリックス欠失型ホスホリパーゼA2の製造法。 - 【請求項8】第1図に記載の第1番から第117番までの
アミノ酸配列からなるD−ヘリックス欠失型ホスホリパ
ーゼA2ポリペプチド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63248712A JP2774803B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | D−ヘリックス欠失型ホスホリパーゼa▲下2▼ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63248712A JP2774803B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | D−ヘリックス欠失型ホスホリパーゼa▲下2▼ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0297391A JPH0297391A (ja) | 1990-04-09 |
JP2774803B2 true JP2774803B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=17182218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63248712A Expired - Lifetime JP2774803B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | D−ヘリックス欠失型ホスホリパーゼa▲下2▼ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2774803B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1122106C (zh) * | 2000-09-18 | 2003-09-24 | 中山大学 | 一种平颏海蛇磷脂酶a2以及编码它的基因 |
CN106834251B (zh) * | 2016-12-23 | 2020-02-18 | 天津科技大学 | 一种磷脂酶a2及其制备2-dha-ps的方法 |
-
1988
- 1988-09-30 JP JP63248712A patent/JP2774803B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
Biochemica et Biophysica Acta(1987)Vol.916,P94−97 |
Journal of Molecvlar Biology,(1978)Vol.124,P53−60 |
The Journal of Biological Chemistry(1985)Vol.260,No.21,P11627−11634 |
Toxicon,(1986)Vol.24,No.6,P.527−541 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0297391A (ja) | 1990-04-09 |
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