JP2774568B2 - ロータリーエンコーダー - Google Patents

ロータリーエンコーダー

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JP2774568B2
JP2774568B2 JP1120047A JP12004789A JP2774568B2 JP 2774568 B2 JP2774568 B2 JP 2774568B2 JP 1120047 A JP1120047 A JP 1120047A JP 12004789 A JP12004789 A JP 12004789A JP 2774568 B2 JP2774568 B2 JP 2774568B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はロータリーエンコーダーに関し、特に円周上
に例えば透光部と反射部の格子規模を複数個周期的に形
成した放射状の回折格子を有する回転スケールに光束を
照射し、該回折格子からの回折光を利用して回転スケー
ルの回転角度や速度を光電的に検出するロータリーエン
コーダーに関するものである。
〔従来技術〕
従来から、回転物体に連結した円板(スケール)の周
上に回折格子を設け、該回折格子にレーザー光を照射
し、回折格子で発生する回折光を干渉させ、該干渉光の
明暗変化を検出して、円板の回転角度や回転速度を検出
するロータリーエンコーダーが知られている。
第12図(a),(b)は、特開昭63−91515号に記載
されている従来のロータリーエンコーダーの構成図であ
る。同図において1はレーザー、2は回折格子を有する
スケール、3は反射プリズム、4は偏光プリズム、51,5
2は受光素子、6はスケール2の回転軸である。第12図
において、レーザー1を出射した光束は、回折格子2の
位置M1にほぼ垂直に入射する。M1で発生する±1次回折
光を、反射プリズム3の第1直角反射面3aで直角方向に
反射させ、反射プリズム3の側面3c、3dで2回ずつ全反
射させたのち、反射プリズム3の第2直角反射面3bで再
度直角方向に反射させて、回折格子2の位置M2に入射さ
せる。第12図(b)は、反射プリズム3内の光路説明図
で、第12図(a)の下側から見た平面図である。第12図
(b)に示す如く、M1で発生した±1次の回折光は、回
折角α+,α−で出射し、反射プリズム3の側面3c,3d
で全反射する。そして、反射プリズム3内の中心付近で
交差し、側面3c,3dでさらに全反射して、前記の回折角
α+,α−と同一の角度で、回折格子2の位置M2に入射
する。すると、M2における±1次再回折光は、M1におけ
るレーザー1からの入射光と平行で、逆向きに、重なり
合って、回折格子2を出射する。そして、この干渉した
±1次再回折光を偏光プリズム4を介して、受光素子5
1,52で受光している。±1次回折光は、回折格子2が1
格子ピツチ分回転すると、その位相が±2π変化する。
同様にして、±1次再回折光は、1格子ピツチの回転に
対して、位相が±4π変化する。従って、第12図の如
く、±1次再回折光同志を干渉させると、受光素子51,5
2からは、スケール2の格子1ピツチ分の回転で4周期
分の正弦波信号が得られる。格子の総数をN本とすれ
ば、1回転で4N周期分の正弦波信号が得られる。尚、第
12図において、M1とM2は回転軸6の回転中心に対して、
互いにほぼ点対称な位置関係にあり、このことによりス
ケール2の回転軸6への取付けに際して、偏心があって
も、測定誤差を生じないようにしている。さらに、受光
素子51,52からは、レーザー1の直線偏光と、反射プリ
ズム3内での全反射による楕円偏光と、偏光プリズム4
の組み合わせにより、90゜位相差信号が得られ、回折格
子2の回転方向も判別できるようになっている。
上記のように構成されている従来例では、以下のよう
な問題点が生ずる。
(1)干渉させる±1次回折光の光路が反射プリズム3
内で、別光路を通過する。このため、周囲の温度変化な
ど環境変化に対して測定誤差を生じ易い、特に、スケー
ル2の直径が大きくなればなる程、反射プリズム3内の
光路、すなわち非共通光路の部分が長くなって誤差が生
じ易い。また、このような環境変化に対してレーザーの
発振波長が変化すると、±1次回折光の光路が変化し、
第1次回折光が位置M2に入射しなくなる。
(2)回転軸6に対してスケール2の回折格子形状面が
相対的に傾くと、M1で発生した回折光がM2に再入射しな
くなるので、前述の偏心の影響を受けて測定誤差が生じ
る。
〔発明の概要〕
本発明の目的は、上記従来例の問題点を解消し、環境
変化やスケール2の傾きなどによる測定誤差が生じにく
い、高精度のロータリーエンコーダーを提供することに
ある。
上記目的を達成する為の本発明のロータリーエンコー
ダのある形態は、光源からの光束を2つの光束に分割
し、分割された光束の一方の光束を回転スケールの第1
の位置に入射せしめ該第1の位置に入射する時の光路と
ほぼ同じ光路へ向かって反回折する第1の回折光と、分
割された光束の他方の光束を該第1の位置に入射せしめ
該第1の位置に入射する時の光路とほぼ同じ光路へ向か
って回折する第2の回折光とを共通の光路に進ませる第
1のビームスプリッタと、共通の光路を進む前記第1、
第2の回折光を分離し、分離された前記第1の回折光を
前記回転スケールの回転中心に関して前記第1の位置と
ほぼ点対称な第2の位置に入射せしめ該第2の位置に入
射する時の光路とほぼ同じ光路へ向かって回折する第1
の再回折光と、分離された前記第2の回折光を該第2の
位置に入射せしめ該第2の位置に入射する時の光路とほ
ぼ同じ光路へ向かって回折する第2の再回折光とを合成
する第2のビームスプリッタと、前記第1、第2の再回
折光が合成された光束を検出する光検出器と、該共通の
光路中に該第1の位置と該第2の位置を共役関係にする
光学系とを有することを特徴とする。
本発明のロータリーエンコーダの他のある形態は、光
源からの光束を2つの光束に分割し、分割された光束の
一方の光束を回転スケールの第1の位置に入射せしめ該
第1の位置で回折する第1の回折光と、分割された光束
の他方の光束を該第1の位置に入射せしめ該第1の位置
で回折する第2の回折光とを共通の光路に進ませる第1
のビームスプリッタと、共通の光路を進む前記第1、第
2の回折光を前記回転スケールの回転中心に関して前記
第1の位置とほぼ点対称な第2の位置に入射せしめ、該
第2の位置で回折する前記第1の回折光の第1の再回折
光と前記第2の回折光の第2の再回折光とを合成する第
2のビームスプリッタと、前記第1、第2の再回折光が
合成された光束を検出する光検出器と、該共通の光路中
に該第1の位置と該第2の位置を共役関係にする光学系
とを有することを特徴とする。
本発明の更なる特徴と具体的形態は後述する実施例に
記載されている。
〔実施例〕
第1図は本発明の第1実施例を示す斜視図であり、同
図において1はレーザーダイオードなどから成る光源、
20はコリメータレンズ、31,32,33はプリズム、41,42は
偏光ビームスプリツター面、5はスケールを成す回転デ
イスク板(回折格子)、60,61,62,63はミラー、71,72,7
3は1/4波長板、8は1/2波長板、9は非偏光ビームスプ
リツター、10,11は偏光素子(例えば偏光板や偏光プリ
ズム)、12,13はレンズ、S1,S2は受光素子である。
光源1から射出した波長λのレーザー光束をコリメー
タレンズ20によって平行光束にし、プリズム31に入射さ
せプリズム31の所定箇所に設けたミラーや偏光ビームス
プリツター面41によって対称な光路L1,L2に沿って進む
2光束に分割し、各々の光束R1,R2をミラー60で反射せ
しめて1/4波長板71を通過させてから、回転デイスク板
5上に設けた格子ピツチPを有する放射状回折格子の第
1の点(M1)に同時に入射させる。ここで、回折格子で
回折して点M1から出射する複数の回折光のうち、光束R1
の+1次反射回折光と光束R2の−2次反射回折光が各々
元の光路L1,L2を逆進する方向に放射するように、あら
かじめ光束R1,R2の入射角θをθ=sin-1(λ/2P)
に設定しておく。また光束R1とR2は、偏光ビームスプリ
ツター面41で分割された時点で偏光面が互いに直交した
直線偏光になっているが、1/4波長板71を往復通過する
ことで、光束R1とR2の偏光面が入れ替わる。即ち、R1は
偏光ビームスプリツター面を透過した直線偏光(P偏
光)であるから、光束R1の+1次回折光(R1+)は1/4
波長板71と介してS偏光となり、偏光ビームスプリツタ
ー面41で反射してプリズム31から出射する。また光束R2
は偏光ビームスプリツター面41で反射した直線偏光(S
偏光)であるから、光束R2の−1次回折光(R2−)は1/
4波長板71を介してP偏光となり、偏光ビームスプリツ
ター面41を透過してプリズム31から光束(R1+)と重な
りあって出射する。光束(R1+)と光束(R2−)は重な
りあったままレンズ12の中心(光軸)を透過し、プリズ
ム33のミラー61,62により反射されて伝送せしめられ、1
/2波長板8を通過して、レンズ13の中心(光軸)を透過
してプリズム32に入射する。そしてプリズム32の所定箇
所に設けたミラーや偏光ビームスプリツター面42によっ
て、光束(R1+)を光路L3に沿って進行せしめ、光束
(R2−)を光路L4に沿って進行せしめる。光束(R1+)
と光束(R2−)は各々ミラー63で反射して1/4波長板72
を通過した後に、回転デイスク板5上に設けた放射状回
折格子の第2の点(M2)に角度θで入射する。ここ
で、1/2波長板8は+1次回折光(R1+)の偏光面をS
偏光からP偏光に変換し、−1次回折光(R2−)の偏光
面をP偏光からS偏光に変換している。また、放射状回
折格子の点M1と点M2は回転デイスク板5の回転軸0に対
して対称な位置関係に設定しておく。回折格子で反射回
折して点M2より出射した複数の反射回折光のうち光束
(R1+)の+1次再回折光(R1++)は元の光路L3を逆
進し、1/4波長板72を再び通過してS偏光となり、プリ
ズム32内の偏光ビームスプリツター面42で反射されてプ
リズム32から射出し、光束(R2−)の−1次回折光(R2
−−)は元の光路L4を逆進し、1/4波長板72を再び通過
してP偏光となり、プリズム32内の偏光ビームスプリツ
ター面42を透過して+1次再回折光(R1++)と重なり
あってプリズム32から出射する。重なりあった2光束は
1/4波長板73を通過することにより互いに偏光面が逆向
きに回転する円偏光となるので、この互いに逆回りの円
偏光同志が合成された光束の偏光状態は直線偏光とな
る。この直線偏光光束の偏光方位は回転デイスク板5の
回転に応じて変化する+1次再回折光(R1++)と−1
次再回折光(R2−−)の波面の位相差によって決まり、
位相差が0,π/4,2π/4,3π/4,4π/4,5π/4,…,8π/4と
変化していく間に直線偏光光束の偏光方位は45゜,67.5
゜,90゜,112.5゜,135゜,157.5゜,…,225゜(45゜)と
回転していく。そこで、この光束を非偏光ビームスプリ
ツター9にて等光量の2光束に分割した後、一方の光束
を偏光素子10を用いて特定の偏光成分のみを分離して取
り出して受光素子S1に入射させ、もう一方の光束を偏光
素子11を用いて特定の偏光成分のみを分離して取り出し
て受光素子S2に入射させれば、受光素子S1,S2からそれ
ぞれ回転デイスク板5の回転量に応じた周期的な信号が
出力される。ここで偏光素子10と11で取り出す偏光成分
を互いに45゜ずらしておけば、受光素子S1,S2に入射す
る干渉光の明暗変化のタイミングが互いに1/4周期(出
力信号の位相でπ/2)だけずれる。これらの互いに90゜
位相がずれた2相の周期信号に周知の電気的な増幅や二
値化の処理をしてやれば回転デイスク板5の回転角度や
回転方向を検出することができる。
本実施例のロータリーエンコーダーでは、光束R1が回
折格子に入射する時の光路L1と光束R1の+1次反射回折
光R1+が射出して向かう光路とがほぼ等しく、又、光束
R2が回折格子に入射する時の光路L2と光束R2の−1次反
射回折光R2−が射出して向かう光路とがほぼ等しく設定
されており、この条件は±1次反射回折光の光路L3,L4
と±1次再回折光の各光路に関しても満たされているの
で、回転デイスク板5の放射状回折格子の格子ピツチP
が光源1からの光束の波長λと同程度の小さな値になっ
ても、光束R1,R2の点M1及びM2に対する入射角や±1次
回折光と±1次再回折光の射出角を30゜程度にすること
ができる。従って、従来のエンコーダーのように格子ピ
ツチPを細かくすると回折光の取り出しが困難になると
いった問題が生じにくく、高分解能なエンコーダーを構
成している。
ここで、本実施例において+1次回折光R1+と−1次
回折光R2−が重なり合った光路、即ち偏光ビームスプリ
ツター面41,42を結ぶ両光束の共通光路に設けたレンズ1
2、レンズ13、ミラー61、ミラー62は、次の条件を満た
すように配置される。
まず、回転デイスク板5上の点M1を中心とする有限の
領域がレンズ12によって点P3を中心とする有限の領域
(中間像面)に写像され、更にこの点M3を中心とする有
限の領域がレンズ13によってデイスク板5上の点M2を中
心とする有限の領域に写像される。この条件により点M1
から如何なる角度で出射する光束も途中で遮られないか
ぎり、点M2に必ず入射させることができる。即ち、本実
施例ではレンズ12、レンズ13、ミラー61、ミラー62を有
する光学系によって、点M1と点M2とを光学的に共役関係
にしている。そしてこれにより測定精度の劣化を防止し
ている。
次に、点M1から出射した回折光(R1+)の光路が光路
L1から角度Δθ15(x,y成分に分解したときの角度Δθx
15,Δθy15)だけずれて、光路L1とは異なる光路(L5)
を進行したとき点M2に入射する光路(L7)の入射角度が
予め設定された光路L3にくらべて(−Δθx15,−Δθy
15)だけずれて入射するようにミラー61、ミラー62及び
ミラー60,63などの他の反射面を配置する。回折光(R2
−)の光路も同様である。この条件によって、点M2より
出射する±1次再回折光の射出方位が回転デイスク板5
の位置や姿勢によらずに一定になり、偏光ビームスプリ
ツター42で重なり合う±1次再回折光の光路が互いに常
に平行になるので、±1次再回折光(R1++),(R2−
−)の重なりあわせによる干渉光を光電変換した信号が
安定する。
このことについて以下で証明する。
まず、回転デイスク板5の回転軸0(回転中心)と放
射状回折格子の中心とがΔrだけずれている場合の光路
のずれを第2図及び第3図を用いて説明する。回転デイ
スク板5上の放射状回折格子の中心は、回転デイスク板
5の回転に伴なって回転軸0の周囲を移動し、点M1にお
ける回折格子のピツチが周期的に変動する。第2図に示
すように放射状格子の中心が点aにあるとき点M1におけ
る回折格子のピツチはΔp(=2πΔr/N、但し、Nは
放射状回折格子の本数)だけ細くなり、点M2における回
折格子のピツチはΔpだけ太くなるから、点M1から出射
した光束R1の+1次回折光(R1+)及び光束R2の−1次
回折光(R2−)は、回転デイスク板5に対する出射角が
光路L1,L2の入射角θ1(θ=θ=θ)より
Δθxだけ大きい出射角θ5になり、光路L1又はL2
からずれた光路L5又はL6に沿って進行してプリズム31に
戻る。そして、各光束はプリズム31より射出してレンズ
12の中心(光軸)からずれた位置に入射するが、レンズ
12の作用によって点M3を目標に進行する。そして点M3を
通過した±1次回折光(R1+),(R2−)は1/2波長板
8(不図示)を通過した後、レンズ13によって進路を曲
げられ、プリズム32を経て、光路L7,L8を進行してθ3,
θ(θ=θθ)よりΔθxだけ小さな入射角θ
7で点M2に入射する。点M2は回折格子のピツチがΔ
pだけ太くなっているから、例えば光束(R1+)の+1
次回折光(R1++)の出射角θ++は θ++=sin-1{λ/(p+Δp)−sinθ} であるが、 θ=sin-1{λ/(p−Δp)−sinθ} θ=2θ−θ を代入すると、 sinθ++=λ/(p+Δp) −sin[2θ−sin-1{λ/(p−Δp)sinθ
}] =λ/(p+Δp)−sin[2sin-1(λ/2p) −sin-1{λ/(p−Δp)−λ/2p}] =λ(p+Δp) −[2(λ/2p)−{λ/(p−Δp)−λ/2p}] =λ/2p 即ち、θ++=θ=θ となり、点M2より出射する+1次再回折光(R1++)の
進行方位(射出方向)は一定に保たれる。−1次再回折
光(R2−−)の進行方位(射出方向)も、同様の理由に
よって一定に保たれる。
次に、第3図に示すように放射状回折格子の中心が点
bにあるとき、座標系(t,r,z)(第4図参照)におけ
る入射光束のパラメータθ1は、 θ=θ φ=0 であるが、点M1における回折格子の配列方位(t軸)は
角度でtan-1(Δr/r)だけずれて、t1軸になるから、回
折格子に入射する光束R1と回折格子との関係は、第4図
のようになる。第4図において、θ11は回転デイスク板
5への光束の入射角、φ11[=tan-1(Δr/r)]は回折
格子の配列方位(t1)とのなす角度である。またz1軸、
r1軸を第4図のように決め、入射光束の光路L1と各座標
軸とのなす角度を、α111111とすると、 cosα11=sinθ11・cosφ11 …(1) cosβ11=sinθ11・sinφ11 …(2) γ11=θ11=θ …(3) である。そこで、座標系(t1,r1,z1)におけるn次回折
光の出射方位を求める式 sin(90−α11)+sin(90−α12) =nλ/p …(4) β11+β12=180 …(5) に代入して、更に θ12=cos-1{(1−cos2α12−cos2β121/2} φ12=tan-1(cosβ12/cosα12) (α12<90) =tan-1(cosβ12/cosα12)+180 (α12>90) =90 (α12<90,β12=0) =−90 (α12>90,β12=0) を計算すれば良い。ここで、Δrがrに比べて十分小さ
く、光束R1の点M1における入射角がθ[=sin-1{λ
・N/(2πr)}]であるとき、座標系(t,r,z)にお
ける回折光(R1+)の出射方位のパラメータθ5
は、 θ=θ12=θ φ=φ12=−2・φ11 であることは計算により直ちにもとまるから、第2図の
ように光束R1の+1次回折光(R1+)の光路L5をデイス
ク面に投影したときのt軸とのなす角度は−2・φ11
けずれ、その光束が点M2に入射するときは、レンズ12、
レンズ13、ミラー61、ミラー62、その他の反射面の組み
合わせによって、入射光束の光路L7を回転デイスク板5
の格子配列面(t−r平面)に投影したときのt軸との
なす角度が−2・φ11だけずれているから、その光束の
+1次回折光(R1++)を回転デイスク板5の格子配列
面に投影したときのt軸とのなす角度は0に戻される。
即ち、光路L3と完全に一致する。光束R2の−1次回折光
(R2−)が点M1より出射して点M2に入射したあと、点M2
から出射する−1次回折光(R2−−)の光路も同様の理
由によって、光路L4と完全に一致する。
次に、回転デイスク板5の回転軸0と回転デイスク板
5の格子配列面に立てた法線とがΔξだけ相対的に傾い
た時の光路の補正の様子を、第5図及び第6図を用いて
説明する。回転デイスク板5に対する光束R1の入射角及
び入射方位(角)は回転デイスク板5の回転に伴なって
変動するから、点M1から出射する+1次回折光(R1+)
の出射角θ及び出射方位φも変動する。例えば第5
図のように回転デイスク板5の法線がcの位置にあると
き、座標系(t,r,z)における入射光束R1のパラメータ
θ1は、 θ=θ φ=0 であるが、光路L1と座標軸t1とのなす角度α11、光路L1
と座標軸r1とのなす角度β11、光路L1と座標軸z1とのな
す角度γ11の各値は、 α11=90−θ …(11) cosβ11=sinα11・sinΔξ …(12) cosγ11=sinα11・cosΔξ …(13) であるから、座標系(t1,r1,z1)における入射光束のパ
ラメータは θ11=cos-1(sinα11・cosΔξ) φ11=tan-1(cosβ11/cosα11) となる。
ここで、振れの中心が回転デイスク板5の中心にある
と仮定して、回転デイスク板5上への光束R1の入射位置
は、Δx[=r・tanΔξ・tanθ]、Δy[=r(1/
cosΔξ−1)]だけずれて点M11になり、光束R2の入射
位置は、−Δx,Δyだけずれて点M12になるから、光束R
1の入射点M11を中心とした座標系(t2,r2,z2)における
入射光束のパラメータは、 θ12=θ11 φ12=φ11−tan-1{Δx/(Δy+r)} となり、座標軸t2とのなす角度α12、座標軸r2とのなす
角度β12、座標軸z2とのなす角度γ12の各値は、 cosα12=sinθ12・cosφ12 cosβ12=sinθ12・sinφ12 γ12=θ12 となるから、座標系(t2,r2,z2)における+1次回折光
の射出方位α131313を求める式 sin(90−α12)+sin(90−α13) =+1・λ/p1 β12+β12=180 γ13=cos-1{(1−cos2α13−cos2β131/2} に代入することで、α131313を計算すれば良い。
ここで、Δξが0に近く、光束R1の点M1における入射角
がθ[=sin-1{λ・N/(2πr)}]で設計されて
いるとき、座標系(t,r,z)における光束(R1++)の
出射光束のパラメータα141414に直すと、 α14=α13 cosβ14=cosΔξ・cosβ13−sinΔξ・cosγ13 cosγ14=sinΔξ・cosβ13+cosΔξ・cosγ13 θ5に直せば θ=γ14 φ=tan-1(cosβ14/cosα14) (α14<90) =tan-1(cosβ14/cosα14)+180 (α14>90) =90 (α14=90,β14<90) =−90 (α14=90,β14>90) となる。これを計算すると、第5図のように光束R1の+
1次回折光(R1+1)の光路L5を回転デイスク板5の格
子配列面に投影したときのt軸となす角度はφだけず
れ、その光束が点M21に入射するときは、レンズ12、レ
ンズ13、ミラー61、ミラー62、その他の反射面の組み合
わせによって、入射光束の光路L7を回転デイスク5の格
子配列面に投影したときのt軸とのなす角度がやはりφ
=φになるから、その光束の+1次回折光(R1+
+)をデイスク面に投影したときのt軸とのなす角度は
0に戻される。即ち、点M21から出射する+1次回折光
(R1++)の進行方位(出射方向)は光路L3と平行にな
る。同様にして、光束R2の−1次回折光(R2−)が点M1
2より出射して点M22に入射したあと、そこから出射する
−1次回折光(R2−−)の光路も、光路L4と平行にな
る。
次に、回転デイスク板5の法線がdの位置にあると
き、座標系(x,y,z)における入射光束R1のパラメータ
θ1は、 θ=θ φ=0 であるが、光路L1と座標軸t1とのなす角度α11、光路L1
と座標軸r1とのなす角度β11、光路L1と座標軸z1とのな
す角度γ11の各値は、 α11=90−θ+Δξ β11=90 γ11=θ−Δξ であるから、座標系(t1,r1,z1)における入射光束のパ
ラメータは θ11=θーΔξ φ11=0 となる。ここで、振れの中心が回転デイスク板5の中心
にあると仮定すると、回転デイスク板5への光束R1の入
射位置はM1に一致しているから、光束R1の+1次回折光
(R1+)の出射方位θ1212は、 sinθ11+sinθ12=+1・λ/p φ12=0 即ち、 θ12=sin-1(+1・λ/p−sinθ11) =sin-1{2・sinθ−sin(θ−Δξ)} =θ+Δξ となるから、座標系(t,r,z)における出射方位θ5
は、 θ=θ12+Δξ =θ+2・Δξ φ=0 となる。同様に、光束R2の−1次回折光の出射方位θ6,
φは、 θ=θ−2・Δξ φ=0 となる。レンズ12、レンズ13、ミラー61、ミラー62、そ
の他の反射面の組み合わせによって点M2に入射する光束
(R1+)の光路L7の入射方位θ、φは θ=θ φ=0 となり、座標系(t3,r3,z3)における入射方位θ13
13は、 θ13=θ+Δξ=θ+3・Δξ φ13=0 となるから、回折角度の計算式を用いてM2から出射する
1次回折光(R1++)の出射方位θ1414を計算する
と、 θ14=θ+Δξ φ14=0 となり、座標系(t,r,z)における出射方位θ++++は θ++=θ=θ φ++=0 だから、光路L3と完全に一致する。−1次回折光(R2
−)が点M2に入射して点M2から出射する−1次回折光
(R2−−)の出射方位も同様の計算によって、 θ--=θ φ--=0 となり、光路L4と完全に一致する。
このように、回転デイスク板5の取り付け位置のエラ
ーや光源1の発振波長の変化があって、回転デイスク板
5の第1の位置(M1から出射する回折光の進路がずれて
も、本発明の光学系(12,13,61,62)によって、回転デ
イスク板5に再入射する第2の位置(M2)が変動しない
ので、回折格子の読み取りの基準位置の変動に伴う測定
精度の劣化が原理的に発生せず、更に第2の位置(M2)
から出射する重ね合わせるべき各回折光の進行方位(射
出方向)を一定に保つように装置を構成することで2つ
の回折光同志が形成する干渉縞パターンが乱されない。
従って、回折格子の読み取りが安定して行える。
また、第1図の実施例では、偏光ビームスプリツター
面41,42の間の±1次回折光(R1+,R2−)の光路が互い
にほぼ共通化されているので、光束R1及びR2を点M1から
点M2に至る長い光路に亘って引き回すような構成をとっ
ていても、周囲の温度変化等による光束間の光路長差の
変動が小さい。従って、精確に回転デイスク板5の回転
に応じた信号だけが受光素子S1,S2から出力されること
になる。又、本実施例においては、互いに干渉光を形成
する光束R1,R2の光路長が等しくなるように予め光学系
を設定している。
第7図は第1図の実施例の変形例(第2実施例)を示
している。本実施例では回転デイスク板5に入射する光
束R1,R2の入射角をθから若干変更して、往路の光路
(L1,L2,L3,L4)と復路の光路(L5,L6,L7,L8)をわずか
にずらしたもので、基本構造は同じである。第1図にお
いて点M1から出射した光束R1の+1次回折光(R1+)と
光束R2の正反射光(零次回折光)は同一光路L1を進行
し、偏光ビームスプリツター面41で互いの偏光面の違い
によって、光束R1の1次回折光(R1+)のみが反射され
るはずであるが、光学部品の不完全さによっては、光束
R2の正反射光の一部の偏光ビームスプリツター面で反射
され、伝送されてしまうのでゴースト光(ノイズ)が発
生する。点M1での光束R1の正反射光(零次回折光)、点
M2から射出する+1次回折光(R1+)の正反射光(零次
回折光)と−1次回折光(R2−)の正反射光(零次回折
光)も同様である。そこで第7図のように光路を設定し
ておけば、上記のゴースト光の光路が干渉光を形成する
ための回折光の光路からずれるので受光素子S1,S2への
ゴースト光の入射を免れることができる。
以上の各実施例で回折光の次数として+1次や−1次
を用いているが、±符号は、第8図に示すように回転デ
イスク板5の回転方向(回折格子の移動方向)と光束の
進行方位のずらされる方向が一致するほうを+、それと
逆を−とした。また干渉光を形成する回折光の次数は1
次だけでなく、2次でもそれ以上でも良いことは言うま
でもない。
第9図(a)は本発明の第3実施例の斜視図、第9図
(b)は、第9図(a)の実施例の光路展開図である。
第9図において、1は半導体レーザー、20はコリメータ
ーレンズ、5は回転方向に沿って回折格子が形成された
回転スケール、41,42は偏光ビームスプリツター、S1,S2
は受光素子、81,82は反射鏡、7は1/4波長板、9はビー
ムスプリツター、10,11は偏光板で、偏光方位が互いに4
5゜ずれている。又、レーザー1の直線偏光の方位は偏
光ビームスプリツター41の偏光方位に対して45゜方向に
なっている。レーザー1を出射する光束は、コリメータ
ーレンズ20で平行光束に変換された後、偏光ビームスプ
リツター41で、等光量に、透過光束(p偏光)と反射光
束(s偏光)に分割される。分割された2光束は、回転
スケール5の放射状回折格子の位置M1に、下記(1)式
のθであらわされる角度(回折角)で入射する。
θ=sin-1λ/p …(1) ここで、λはレーザー1の発振波長、pは回転スケー
ル5の回折格子の位置M1における格子ピツチである。
尚、位置M1への入射する2光束の入射平面は、位置M1に
おける回折格子2の格子配列方向(接線方向)と平行な
面である。
位置M1で生じた上記2光束による±1次透過回折光
は、回転スケール5から回折格子の格子配列面に垂直な
方向に出射する。そして、この±1次回折光は反射鏡83
で直角(格子配列面に平行)に反射し、レンズ101及び1
02を介して回転スケール5の回転軸0に対してほぼ対称
な位置におかれた反射鏡84に向けられる。そして、この
反射鏡74は±1次回折光を再度回転スケール2の回折格
子の位置M2に、同じ方向から垂直に入射させる。位置M2
では、再び、±1次回折光が(1)式の角度θで出射さ
れる。これら±1次の再回折光は反射鏡85,86で反射さ
れた後、偏光ビームスプリツター42に入射して互いに重
なり合い、1/4波長板7を通った後ビームスプリツター
9で2光束に分割され、各光束は偏光板10,11を介して
受光素子、S1,S2に入射する。こうして受光素子S1,S2か
らは±1次再回折光の干渉の結果生ずる正弦波信号が得
られる。
次に第9図(b)の光路展開図を用いて、±1次回折
光の光路を説明する。第9図(b)において、偏光ビー
ムスプリツター41を透過する透過光束(実線の光束)が
回折格子の位置M1に入射して、回折格子の格子配列面か
ら垂直方向に出射する1次回折光を+1次回折光とし、
偏光ビームスプリツター41で反射する反射光束(破線の
光束)がM1に入射して、回折格子の格子配列面から垂直
方向に出射する1次回折光を−1次回折光とする。位置
M1で発生する±1次回折光は重なり合い、位置M1から位
置M2までは、反射鏡83と84及びレンズ101と102から成る
光学系で共通の光路をたどる。位置M2では、これら±1
次回折光の各々に対し再度±1次回折光が発生するが、
偏光ビームスプリツター42の作用により、第9図(b)
で実線及び破線で示された光束だけが受光素子S1,S2に
入射する。すなわち、位置M1からのp偏光の+1次回折
光(実線の光束+,p)が位置M2に入射すると再度±1次
回折光が発生するが、そのうち、±1次回折光(実線の
光束++)は反射鏡85で反射され、偏光ビームスプリツ
ター42を透過し受光素子S1,S2に入射する。しかし、−
1次回折光(不図示)は反射鏡86で反射され、偏光ビー
ムスプリツター42を透過してしまうので受光素子S1,S2
には入射しない。一方、M1からのs偏光の−1次回折光
(破線の光束−,s)が位置M2に入射して発生する±1次
回折光のうち、−1次回折光(破線の光束−−)は、反
射鏡86で反射され偏光ビームスプリツター42で反射して
受光素子S1,S2に入る。しかし+1次回折光(不図示)
は反射鏡85を反射した後、偏光ビームスプリツター42で
反射されるので、受光素子S1,S2には入射しない。こう
して、+1次の回折を2回受けた光(実線の光束)と、
−1次の回折を2回受けた光(破線の光束)とが重なり
合って偏光ビームスプリツター42を出射して、1/4波長
板7、ビームスプリツター9、偏光板10,11を介して、
2つの干渉光となり、各干渉光が受光素子S1,S2に入射
する。受光素子S1,S2からは、第12図の従来例と同じ
く、回転スケール5の1回転あたり4N周期分の正弦波信
号が得られる。また偏光ビームスプリツター42を出射し
た光束は1/4波長板7と通って、前記実施例同様、回転
スケール5の回転に伴って偏光方位が回転する直線偏光
光となるが、偏光板10,11の偏光方位を互いに45゜ずら
しているので、受光素子S1,S2からは互いに90゜位相が
ずれた信号が得られる。
第9図では、回転スケール2の回折格子の位置M1から
M2まで到達する±1次回折光の光路は共通光路であり、
周囲の温度変化等の環境変化に対して測定誤差を生じに
くい。また、第12図の従来例の如き、回折光を交差させ
るといった複雑な光路でないので組立・調整が容易であ
る。また共通光路に配したレンズ101,102はM1とM2を互
いに共役関係にするよう設定してあり、前記実施例同様
の効果を得ることができる。
第10図は本実施例の第4実施例の概略図である。
図中、1は半導体レーザー、20はコリメーターレンズ
で、レーザー1からの光束を平行光束となるようにして
いる。30a(30b)は偏光ビームスプリツターで入射光束
のうち、S偏光を反射させ、P偏光を透過させている。
40a(40b),50a(50b)は各々ミラー、5は反射状回折
格子が形成された回転スケールである。
ここでミラー40a(40b),50a(50b)は各々偏光ビー
ムスプリツター30a(30b)からの2つの光束が回折格子
に互いに異なる符号の回折次数、例えば1次と−1次の
回折次数の回折角に相当する角度で入射するようにして
いる。70a(70b)は偏光変換手段で、λ/4板より成って
いる。80a(80b)は反射手段で、例えばミラー又は端面
結像タイプの屈折率分布レンズの端面に反射膜を施した
光学部材より成っている。
本実施例では、符番30a(30b),40a(40b),50a(50
b),70a(70b)そして80a(80b)に相当する各要素を有
する検出ユニット100a(100b)を2つ設けている。
次に本実施例におけるロータリーエンコーダーの検出
動作について説明する。
レーザー1からのレーザー光をコリメーターレンズ2
で平行光束とし、偏光ビームスプリツター30aでP偏光
光とS偏光光の2つの光束に分割している。このうち偏
光ビームスプリツター30aで反射したS偏光光はミラー4
0aで反射し、回転スケール5上の回折格子面上の位置M1
に1次の回折角に相当する角度で入射する。
一方、偏光ビームスプリツター30aを透過したP偏光
光はミラー50aで反射し、回転スケール5上の回折格子
面上の位置M1に−1次の回折角に相当する角度で入射さ
せている。
回折格子で1次回折されたS偏光光は格子配列面より
略垂直に透過射出し、偏光変換手段としての1/4波長板7
0aを通過し、円偏光となり、反射手段80aで反射し偏光
方向が逆転した円偏光となり元の光路に戻る。そして再
び1/4波長板70aを通過し、回折格子上の位置M1にP偏光
光として再入射する。そして回折格子で再回折した1次
のP偏光光はミラー40aで反射し、偏光ビームスプリツ
ター30aを通過する。
一方、回折格子で−1次回折されたP偏光光は格子配
列面より略垂直に透過射出し、1/4波長板70aを通過し
て、円偏光となり、反射手段80aで反射し、偏光方向が
逆転した円偏光となり元の光路に戻る。
そして再び1/4波長板70aを通過し、回折格子の位置M1
にS偏光光束として再入射する。そして回折格子で再回
折した−1次のS偏光光はミラー50aで反射し、偏光ビ
ームスプリツター30aで反射する。
これより、偏光ビームスプリツター30aでp偏光光束
とS偏光光束の2光束を重ね合わせて取り出し、これら
2つの光束をミラー109に導光している。ミラー109に導
光された2光束は互いに偏光面が直交して重なり合って
おり、ミラー109で反射した該2光束をレンズ101と102
を介してミラー110で反射させた後、前述と同様の構成
の検出ユニツト100bに導光している。そして検出ユニツ
ト100aと同様に該2光束を回折格子上の位置M2で1次の
回折を2回行った後、取り出し1/4波長板7に導光して
いる。
このときの2光束は互いに偏光面が直交して重なり合
っている。そして互いの位相差δは+1次の回折を4回
行った光束と、−1次の回折を4回行った光束との間の
位相差であるから となる。即ち、x=1P(Pは格子ピツチ)のとき2光束
間の位相ずれは16πとなる。
1/4波長板7を通過した2光束の合成波は直線偏光光
束となり、その偏光方位は前記2光束間の位相が2πず
れる間に半回転するから、ビームスプリツター9を通過
し偏光板10を介した光束は、その間に1周期の明暗の変
化を生じ、受光素子S1にて電気的な1周期の信号として
出力される。
一方、ビームスプリツター9で反射した光束は、偏光
板11を偏光板10に対して偏光面の方位を45゜ずらして配
置している為、偏光板11を介した光束の周期的な明暗の
変化の位相が90゜ずれる。この為、受光素子S2から出力
される周期信号の位相は、受光素子S1から出力される周
期信号の位相に比べて常に90゜ずれている。
回転スケール上の回折格子の格子総本数がN本とすれ
ば、スケール5が1回転する間の2光束の位相差δの変
化は よりx=NPを代入して δ=16πN となる。これより2つの受光素子15,16からは16πN/2π
=8N周期の周期信号(正弦波信号)が得られる。
本実施例において、レンズ101,102は回転スケール5
上の回折格子の位置M1とM2を互いに共役関係にするよう
に、±1次回折光の共通光路(偏光ビームスプリツター
30aから30bに至る光路)中に設けられている。従って、
前述の第1〜第3実施例のエンコーダー同様に、周囲の
温度変化や回転スケール5の傾きなどにより測定精度が
劣化しにくい系を構成している。また、本実施例では+
1次の回折を4回受けた光と−1次の回折を4回受けた
光とで干渉光を形成しているので、前述の各実施例の4
倍の分解能が得られる。
本発明のエンコーダーに使用する回折格子は、周知の
振幅型回折格子のみならず、レリーフ型回折格子やホロ
グラムなどの位相型回折格子を用いることができる。ま
た、光源としては、上述のレーザーダイオードなどの半
導体レーザーの使用が装置の小型化に適している。半導
体レーザーとしては、シングルモードタイプのもの、マ
ルチモードタイプのものなど様々なタイプを選択し得
る。
第11図は、第1図に示したロータリーエンコーダーを
ハード磁気デイスク113のトラツク信号の書き込み装置
に利用した例で、書込みヘツド112を揺動させるタイプ
の揺動型書込み装置のモータ114回転軸(不図示)にエ
ンコーダーの回転デイスク板5を載せ、そのうえからエ
ンコーダー読み取りユニツト111をかぶせた構成にして
いる。尚、符番115はエアベアリングを示している。
〔発明の効果〕
以上、回転格子の第1の点から出射する各回折光の進
行方位がスケール板の取り付け位置のずれや傾きによっ
て多少変動しても、各回折光が再入射する回折格子の第
2の位置が変動しないので、格子の読み取りの基準位置
の変動に伴う測定精度の劣化が原理的に発生しない。
又、各回折光が互いにほぼ共通の光路を有しているの
で、周囲の温度変動などにより測定精度が劣化しない。
更に、第2の位置から出射する互いに重ね合せるべき各
回折光の進行方位(射出方向)を一定に保つように装置
を構成することで2つの回折光が形成する干渉縞パター
ンが乱されない。従って、干渉信号の読み取りが安定し
て行え、高分解能、高精度なロータリーエンコーダーを
提供できる。また、回転デイスク板の取り付けエラーに
たいして比較的影響を受けないこと、および回転デイス
ク板と投光、受光光学系(読み取り光学ユニツト)が分
離できることから『組み込みタイプの』ロータリーエン
コーダーが容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す斜視図。 第2図〜第6図は第1実施例のロータリーエンコーダー
の回転デイスク板の取り付けエラーがある場合の光路補
正の様子を示す説明図。 第7図は本発明の第2実施例を示す斜視図。 第8図は回折光の次数の±符号の付け方を示す説明図。 第9図(a),(b)及び第10図は各々本発明の第3及
び第4実施例を示す図。 第11図は第1図のエンコーダーをハード磁気デイスクの
トラツク信号書き込み装置に利用した例を示す図。 第12図(a),(b)は従来のエンコーダーの一例を示
す説明図。 1……光源(レーザーダイオード) 20……コリメーターレンズ 31,32,33……プリズム 41,42……偏光ビームスプリツター面 5……回転デイスク板 60,61,62,63……ミラー 71,72,73……1/4波長板 8……1/2波長板 9……非偏光ビームスプリツター 10,11……偏光素子 S1,S2……受光素子 12,13……レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01D 5/38 G01B 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転方向に沿って回折格子を形成した回転
    スケールを用いたロータリーエンコーダにおいて、 光源からの光束を2つの光束に分割し、分割された光束
    の一方の光束を回転スケールの第1の位置に入射せしめ
    該第1の位置に入射する時の光路とほぼ同じ光路へ向か
    って反回折する第1の回折光と、分割された光束の他方
    の光束を該第1の位置に入射せしめ該第1の位置に入射
    する時の光路とほぼ同じ光路へ向かって回折する第2の
    回折光とを共通の光路に進ませる第1のビームスプリッ
    タと、 共通の光路を進む前記第1、第2の回折光を分離し、分
    離された前記第1の回折光を前記回転スケールの回転中
    心に関して前記第1の位置とほぼ点対称な第2の位置に
    入射せしめ該第2の位置に入射する時の光路とほぼ同じ
    光路へ向かって回折する第1の再回折光と、分離された
    前記第2の回折光を該第2の位置に入射せしめ該第2の
    位置に入射する時の光路とほぼ同じ光路へ向かって回折
    する第2の再回折光とを合成する第2のビームスプリッ
    タと、 前記第1、第2の再回折光が合成された光束を検出する
    光検出器と、 該共通の光路中に該第1の位置と該第2の位置を共役関
    係にする光学系と を有することを特徴とするロータリーエンコーダ。
  2. 【請求項2】回転方向に沿って回折格子を形成した回転
    スケールを用いたコータリーエンコーダにおいて、 光源からの光束を2つの光束に分割し、分割された光束
    の一方の光束を回転スケールの第1の位置に入射せしめ
    該第1の位置で回折する第1の回折光と、分割された光
    束の他方の光束を該第1の位置に入射せしめ該第1の位
    置で回折する第2の回折光とを共通の光路に進ませる第
    1のビームスプリッタと、 共通の光路を進む前記第1、第2の回折光を前記回転ス
    ケールの回転中心に関して前記第1の位置とほぼ点対称
    な第2の位置に入射せしめ、該第2の位置で回折する前
    記第1の回折光の第1の再回折光と前記第2の回折光の
    第2の再回折光とを合成する第2のビームスプリッタ
    と、 前記第1、第2の再回折光が合成された光束を検出する
    光検出器と、 該共通の光路中に該第1の位置と該第2の位置を共役関
    係にする光学系と を有することを特徴とするロータリーエンコーダ。
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