JP3247791B2 - エンコーダ装置 - Google Patents

エンコーダ装置

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JP3247791B2
JP3247791B2 JP06009794A JP6009794A JP3247791B2 JP 3247791 B2 JP3247791 B2 JP 3247791B2 JP 06009794 A JP06009794 A JP 06009794A JP 6009794 A JP6009794 A JP 6009794A JP 3247791 B2 JP3247791 B2 JP 3247791B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密測定装置,複写機
のドラム回転制御,スキャナ,インクジェットプリンタ
等に利用されるエンコーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図49は西独特許公開明細書第2,31
6,248号に開示されているエンコーダ装置の構成図
である。図49を参照すると、このエンコーダ装置は、
光源101と、光源101からの光をコリメ−トするレ
ンズ102と、レンズ102からのコリメ−ト光が入射
する2つの回折格子103,104と、集光レンズ10
5と、受光素子106,107,107’とから構成さ
れている。
【0003】ここで、2つの回折格子103,104
は、一方の回折格子103が固定で、他方の回折格子1
04が矢印Rの方向に移動可能となっている(なお、以
後、回折格子103,回折格子104を、それぞれ固定
用回折格子,移動用回折格子と称す。)。また、このエ
ンコ−ダ装置では、回折格子103のピッチΛ1と回折
格子104のピッチΛ2とが互いに同じもの(Λ1
Λ2)となっている。
【0004】このような構成のエンコーダ装置では、光
源101からの光をレンズ102によりコリメ−トし、
コリメ−ト光として先ず、固定用回折格子103に、次
いで、移動用回折格子104に入射させる。コリメ−ト
光が固定用回折格子103,移動用回折格子104に入
射することにより、固定用回折格子103と移動用回折
格子104とでは、それぞれ少なくとも±1次の回折光
が発生する。また、各回折格子103,104のピッチ
Λ1,Λ2がコリメ−ト光の波長よりも十分に大きいもの
であれば、さらに高次の回折光も発生する。
【0005】図50は各回折格子103,104から発
生する回折光を説明するための図である。図50におい
て、±1次の回折光を例にとると、固定用回折格子10
3で発生する+1次光であって移動用回折格子104の
0次光(すなわち透過光)Aは、レンズ105により集
光されて受光素子107に入射する。また、固定用回折
格子103で発生する0次光(すなわち透過光)であっ
て移動用回折格子104の+1次光Bも、レンズ105
により集光されて受光素子107に入射する。この際、
移動用回折格子104が矢印Rの方向に移動するに伴な
い、移動用回折格子104で発生する0次光(透過光)
の位相は変化しないが、0次以外の回折光の位相が変化
する。すなわち、光Aの位相は変化しないが、光Bの位
相が変化し、受光素子107上において、光Aと光Bと
の干渉光の位相が変化する。
【0006】ところで、このエンコ−ダ装置では、2つ
の回折格子103,104のピッチΛ1,Λ2が同じであ
ることにより、各次数の回折光の回折角は同じであり、
従って、上記光Aと光Bとは移動用回折格子104を出
射した直後は完全に平行である。光Aと光Bとを完全に
平行な状態のまま受光素子107に入射させて干渉させ
る場合には、干渉縞間隔が大き過ぎ、所定の大きさの受
光面をもつ受光素子107上に、移動用回折格子104
の移動量を検知するのに必要な干渉縞が現われない。
【0007】このため、このエンコ−ダ装置では、集光
レンズ105を設け、移動用回折格子104を出射した
直後に平行となっている光Aと光Bを集光レンズ105
により集光させて(非平行化して)、受光素子107に
入射させることで、受光素子107上に形成される光A
と光Bとの干渉光の干渉縞の間隔を狭めている。これに
より、受光素子107として、その受光面の大きさが干
渉縞の間隔よりも小さいものを用いて、移動用回折格子
104の移動量を検知することができる。すなわち、移
動用回折格子104の移動に伴ない、受光素子107上
で干渉縞が移動すると、受光素子107で受光する光量
が正弦波状に変化するので、これに基づく受光素子10
7からの出力により移動用回折格子104の移動量を検
知することができる。具体的には、移動用回折格子10
4が1ピッチ移動すると、受光素子107からの出力
は、正弦波状に1周期変化し、この出力変化から移動用
回折格子104の移動量を検知できる。
【0008】なお、上述の例では、+1次光と0次光と
の組合せを用いたが、−1次光と0次光との組合せ(固
定用回折格子103で発生する−1次光であって移動用
回折格子104の0次光(透過光)Dと、固定用回折格
子103で発生する0次光(透過光)であって移動用回
折格子104の−1次光C)を用いる場合にも、上述し
たと同様にして受光素子107’において移動用回折格
子104の移動量を検知することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この種のエンコーダ装
置に用いられる光源101としては、受光素子107の
ノイズや外光の入射などの影響を受けにくくするため、
出力の大きいものほど良いが、装置の小型化の要請上、
大型サイズのものを用いることはできない。このような
要求を満たす光源としては、半導体レ−ザ(LD)が適
している。
【0010】しかしながら、半導体レ−ザは、波長の温
度依存性が高く、温度変化により波長が変化するという
問題があり、上述した従来のエンコ−ダ装置の光源10
1に半導体レ−ザを用いると、その波長変化によって、
回折光の光路が変化し、受光素子107において移動用
回折格子104の移動量を検知することができなくなる
場合があった。すなわち、上述したエンコ−ダ装置にお
いて、2つの回折格子103,104で生じる同次数の
回折光(例えば+1次光)を用いる場合、図51に示す
ように、光源101からの光の波長が変化すると、2つ
の回折光A,Bは、回折角が変化するので、A’,B’
のように光路が変化する。この結果、回折光A’,B’
は受光素子107から外れて、受光素子7からの出力が
変化したり、さらには、集光レンズ105にさえ入射し
なくなる場合がある。また、波長変化の影響を少なくす
るため、回折角を小さくすることも考えられるが、この
場合には、回折格子103,104のピッチΛ1,Λ2
大きくする必要があり、エンコ−ダ装置の感度が低下す
るという問題が生ずる。
【0011】本発明は、2つの回折格子のうちの少なく
とも1つが移動可能な構成において、光の波長が変化す
る場合にも、感度を低下させることなく波長変化の影響
を低減することができ、回折格子の移動に関する情報を
精度良く測定することの可能なエンコーダ装置を提供す
ることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、請求項1乃至請求項3記載の発明は、2
回回折光と2回透過光とに基づいて回折格子の移動に関
する情報を検出するようになっている。これにより、光
源からの光の波長が変化する場合にも、感度を低下させ
ることなく波長変化の影響を低減することができ、回折
格子の移動に関する情報を精度良く測定することができ
る。また、請求項1乃至請求項3記載の発明は、偏光の
回転を利用して回折格子の移動に関する情報を検出する
ようになっている。これにより、完全な正弦波状信号を
得ることができ、高精度の測定を行なうことができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係るエンコーダ装置の第1の実施
例の構成図である。図1を参照すると、このエンコーダ
装置は、光源1と、光源1からの光をコリメ−トするレ
ンズ2と、レンズ2からのコリメ−ト光が入射する2つ
の回折格子3,4と、移動情報検出手段90とを有して
いる。
【0028】ここで、光源1には、半導体レ−ザやLE
D等が用いられる。また、2つの回折格子3,4は図4
9に示した従来のエンコーダ装置の回折格子103,1
04と同様に、ピッチΛ1,Λ2が同じであり、かつ格子
面が互いに平行であって、例えば、第1番目の回折格子
3が固定(固定用回折格子),第2番目の回折格子4が
矢印Rの方向に移動可能(移動用回折格子)となってい
る。
【0029】しかしながら、この第1の実施例のエンコ
ーダ装置では、図2に示すように、固定用回折格子3で
発生する回折光であって移動用回折格子4においても回
折する光(2回回折光)Jと、固定用回折格子3の透過
光であって移動用回折格子においても透過する光(2回
透過光)Kとを、移動用回折格子4の移動量等の測定の
ために用いるようになっている。すなわち、移動情報検
出手段は、前記第1番目の回折格子からの回折光であっ
て前記第2番目の回折格子においても回折する光(2回
回折光)と、前記第1番目の回折格子からの透過光であ
って前記第2番目の回折格子においても透過する光(2
回透過光)とに基づいて回折格子の移動に関する情報を
検出するようになっている。なお、図1の例では、移動
情報検出手段90は、集光レンズ5と、1つの受光素子
7とを有している。
【0030】次に、このような構成のエンコ−ダ装置の
動作原理を説明する。固定用回折格子3での入射角,回
折角,ピッチ,回折次数をそれぞれθ1,θ2,Λ1,n
とし、また、移動用回折格子4での回折角,ピッチ,回
折次数をそれぞれθ3,Λ2,mとし、光源1の波長をλ
とすると、固定用回折格子3,移動用回折格子4での回
折条件は、それぞれ次式によって与えられる。
【0031】
【数1】sinθ1+sinθ2=nλ/Λ1 sinθ2+sinθ3=mλ/Λ2
【0032】上式において、θ2を消去すると、次式が
得られる。
【0033】
【数2】 sinθ1−sinθ3=λ(n/Λ1−m/Λ2
【0034】数2から、回折角θ3は、波長λが変化す
るときに、(n/Λ1−m/Λ2)の大きさに比例して変
化することがわかる。すなわち、(n/Λ1−m/Λ2
が波長変化に対しての回折角θ3の変化の度合いを示す
ものとなる。従って、波長λが変化しても、回折角θ3
を安定なものにするためには、回折次数n,mとピッチ
Λ1,Λ2とが次式を満たせば良い。
【0035】
【数3】n/Λ1−m/Λ2=0
【0036】ここで、ピッチΛ1とΛ2とが同じであれ
ば、回折次数が2回の回折を通して同じであれば良い。
すなわち、nとmとが同じであれば良い。例えば、固定
用回折格子3での1次回折光が移動用回折格子4で1次
回折された光をJとして用いれば良い。
【0037】いずれにしろ、ピッチΛ1,Λ2に対して、
数3を満たす回折次数n,mを用いることにより、(s
inθ1−sinθ3)を光の波長変化に依存しないもの
とすることができる。すなわち、これを“0”にするこ
とができる。換言すれば、光源1の光の波長が変化して
も、移動用回折格子4での回折角θ3を固定用回折格子
3への光の入射角θ1と同じにすることができ、回折角
θ3を光の波長変化に依存しないものとすることができ
る。また、回折角θ3と入射角θ1とが同じであることに
より、2回回折した光(2回回折光)Jは、2回透過し
た光(2回透過光)Kと常に平行なものとなり、光J,
Kは、波長変化に対して極めて安定した光となる。この
ことは、2つの回折格子3,4のピッチΛ1,Λ2を小さ
くする場合にも成立つ。従って、波長変化の影響を少な
くするとともに、回折格子3,4のピッチΛ1,Λ2を小
さくして回折効率を高め感度を向上させることが可能と
なる。
【0038】このように、この第1の実施例のエンコ−
ダ装置では、数3の条件を満たすことにより、波長変化
に対して極めて安定な光J,Kを用いて移動用回折格子
4の移動量等を測定することができる。
【0039】具体的には、光源1からの光をコリメ−ト
レンズ2によってコリメ−トして例えば同じピッチの2
つの回折格子3,4に入射させ、移動用回折格子4から
の2回回折光Jと2回透過光Kとを集光レンズ5により
集光し非平行化して、受光素子7上に光Jと光Kとの干
渉縞を形成するときに、光源1からの光の波長が変化す
る場合であっても、光J,Kの光路は、図2に示すよう
に常に安定しており変化しないので、受光素子7上に、
安定した干渉縞を形成することができる。
【0040】受光素子7として、その受光面の大きさが
干渉縞の間隔よりも小さいものを用いるか、あるいは受
光素子7の前面に、干渉縞の間隔よりも小さい径の孔を
有するピンホ−ル8を設ければ、受光素子7において、
図3に示すように、移動用回折格子4のR方向の移動に
伴なって移動する干渉縞に基づく光量変化を検出するこ
とができ、移動用回折格子4の移動量等を、光の波長変
化に影響されずに測定することができる。さらに、回折
格子3,4のピッチΛ1,Λ2を小さくすることにより、
高感度測定が可能となる。
【0041】なお、回折格子のピッチを小さくするかわ
りに、高次の回折光を用いる場合にも、感度を向上させ
ることができる。上述の説明では、具体例として、固定
用回折格子3での1次回折光が移動用回折格子4で1次
回折された光をJとして用いたが、これのかわりに、2
次回折光が移動用回折格子4で2次回折された光をJと
して用いることもできる。また、固定用回折格子3は光
の径程度の大きさのもので良いのに対し、移動用回折格
子4はその移動量分の大きさ,すなわち長さのものを必
要とするので、移動用回折格子4については、固定用回
折格子3に比べて、ピッチを小さく作成することが難か
しい。そこで、移動用回折格子4については、そのピッ
チを作成し易い大きめのものにし、かつ、高次の回折光
を用い、固定用回折格子3については、そのピッチを小
さくするよう構成することもできる。具体的には、回折
格子3,4のピッチΛ2を回折格子3のピッチΛ1の2倍
のものとし、この場合、数3の条件を満たすよう回折格
子4の回折次数mとして、回折格子3の次数の2倍のも
のを用いることができる。
【0042】図4は図1に示したエンコ−ダ装置の変形
例を示す図である。図1のエンコ−ダ装置では、互いに
平行なものとなっている2回回折光と2回透過光とを非
平行化し、間隔の狭い干渉縞を発生させるために、回折
格子4と受光素子7との間に集光レンズ5を設けている
が、図4のエンコーダ装置では、この集光レンズ5に対
応したレンズは設けられておらず、これのかわりに、光
源1と回折格子3との間に、光源1からの光をコリメ−
トする機能とともに、干渉縞を発生させるのに必要な集
束性をもたせる機能をも有するレンズ9が設けられてい
る。すなわち、このレンズ(集光レンズ)9は、前記2回
回折光と前記2回透過光とを移動情報検出手段90に入
射させるに先立ってこれらを非平行化するための非平行
化手段としても機能するようになっている。この場合に
は、移動情報検出手段90にはレンズ5が不要となる。
【0043】図4の構成のエンコ−ダ装置では、光源1
からの光は、レンズ9によりコリメ−トされるととも
に、所定の集束を受けて、回折格子3,4に入射する。
回折格子3,4では、ピッチΛ1,Λ2に対して、数3を
満たす回折次数を用いることにより、前述したと同様
に、光の波長変化に対して影響の少ない安定した2回回
折光J’,2回透過光K’を出射することができる。こ
の際、光J’,K’は、完全に平行なものではなく、レ
ンズ9により集束を受けていることから図1のエンコー
ダ装置のように集光レンズ5が設けられておらずとも、
受光素子7上に所定間隔の干渉縞を形成し、移動用回折
格子4の移動量等を、波長変化の影響を差程受けずに安
定して測定することができる。このように、図4のエン
コ−ダ装置では、図1のエンコ−ダ装置において2つ必
要であったレンズを1つにすることができ、装置をより
小型化することができる。
【0044】上述の各構成例では、空間的に干渉縞を発
生させ、この干渉縞に基づき回折格子4の移動量等を測
定するようになっているが、干渉縞を用いずに、例えば
市販のエンコ−ダ装置において用いられているような偏
光の回転を利用して回折格子4の移動量等を測定するこ
ともできる。
【0045】図5は偏光の回転を用いたエンコ−ダ装置
の構成例を示す図である。なお、図5において図1と同
様の箇所には同じ符号を用いている。図5を参照する
と、このエンコ−ダ装置は、移動用回折格子4から出射
する回折光(2回回折光)Jを直線偏光化(例えばS偏
光化)する偏光板11と、移動用回折格子4から出射す
る透過光(2回透過光)Kを偏光板11における偏光方
向とは直交した方向に直線偏光化(例えばP偏光化)す
る偏光板12と、偏光板12により直線偏光化された透
過光(P偏光)Kを反射するビ−ムスプリッタ(または
偏光ビ−ムスプリッタ)13と、ビ−ムスプリッタ(ま
たは偏光ビ−ムスプリッタ)13で反射された透過光
(P偏光)Kが入射し、また、偏光板11により直線偏
光化された回折光(S偏光)Jが入射して、回折光(S
偏光)Jを透過光(P偏光)Kに重ね合せて出射する偏
光ビ−ムスプリッタ14と、偏光ビ−ムスプリッタ14
により重ね合された透過光(P偏光)Kと回折光(S偏
光)Jとのそれぞれの直線偏光の偏光方向に対し45゜
に軸が傾けられ、これらの直線偏光を互いに回転方向の
異なる2つの円偏光に変換するためのλ/4板15と、
λ/4板15からの光をP偏光とS偏光とに分離するた
めの偏光ビ−ムスプリッタ16と、偏光ビ−ムスプリッ
タ16で分離されたS偏光を受光する受光素子17a
と、偏光ビ−ムスプリッタ16で分離されたP偏光を受
光する受光素子17bとを備えている。
【0046】なお、図5の例では、偏光板11と偏光板
12とが直線偏光化手段として機能し、偏光ビ−ムスプ
リッタ14が重ね合せ手段として機能し、λ/4板15
が円偏光変換手段として機能し、偏光ビ−ムスプリッタ
16が分離手段として機能するようになっており、この
場合、上記直線偏光化手段と重ね合せ手段と円偏光変換
手段と分離手段と受光素子17a,17bとが移動情報
検出手段として機能するようになっている。
【0047】このエンコ−ダ装置は、一般に、回折格子
3,4として光の波長に対してピッチが大きいものが用
いられ、2回回折光Jと2回透過光Kとの偏光状態が、
入射偏光と同じか、あるいは、やや楕円偏光の状態とな
っている場合に、特に有用である。
【0048】すなわち、図5のエンコ−ダ装置では、移
動用回折格子4から、偏光状態が入射偏光と同じか、あ
るいはや楕円偏光の状態となっている2回回折光Jと2
回透過光Kとが出射すると、2回回折光Jは、偏光板1
1により直線偏光化(S偏光化)されて偏光ビ−ムスプ
リッタ14に入射する。また、2回透過光Kは、偏光板
12により直線偏光化(P偏光化)されてビ−ムスプリ
ッタ(または偏光ビ−ムスプリッタ)13を介し偏光ビ
−ムスプリッタ14に入射する。
【0049】偏光ビ−ムスプリッタ14からは、S偏光
化された2回回折光JとP偏光化された2回透過光Kと
が重なり合って出射し、これらは、λ/4板15におい
て、互いに回転方向の異なる2つの円偏光に変換され
て、偏光ビ−ムスプリッタ16に入射する。ここで、偏
光ビ−ムスプリッタ16の入射時点において、2回回折
光Jと2回透過光Kとの位相が同じになるように(すな
わち、回折格子3への入射点から偏光ビ−ムスプリッタ
16に至までの2つの光J,Kの光路長が互いに同じに
なるように)、各光学部品を調整すると、2回回折光J
の円偏光と2回透過光Kの円偏光とが重ね合わされた光
は、見かけ上、直線偏光となって偏光ビ−ムスプリッタ
16に入射する。より詳しくは、移動用回折格子4が移
動すると、この移動に伴なって、2回回折光Jの円偏光
が回転し、この結果、上記見かけ上の直線偏光が回転す
る。これにより、偏光ビ−ムスプリッタ16でこれに入
射する光,すなわち見かけ上の直線偏光をS偏光とP偏
光とに分離すると、分離されたS偏光の光量とP偏光の
光量との比は、上記見かけ上の直線偏光の回転量,すな
わち移動用回折格子4の移動量を反映したものとなる。
従って、各受光素子17a,17bで光量を測定し、そ
の比を求めることにより、移動用回折格子4の移動量等
を測定することができる。このように偏光の回転を利用
することで、完全な正弦波状信号(光量比が正弦波)を
得ることができて、高精度の測定を行なうことができ
る。
【0050】なお、この構成例では、透過光(P偏光)
Kと回折光(S偏光)Jとのそれぞれの直線偏光を互い
に回転方向の異なる2つの円偏光に変換するのに、λ/
4板15を用いているが、これのかわりに、λ/4板1
5と同様に、各直線偏光の偏光方向に対し軸を45゜に
傾けた偏光板を用いることもできる。偏光板を用いる場
合には、λ/4板を用いる場合に比べ、コストダウンを
図ることができる。
【0051】また、図6,図7は偏光の回転を用いるエ
ンコ−ダ装置の他の構成例を示す図である。図6,図7
のエンコ−ダ装置は、回折格子3,4のピッチΛ1,Λ2
が光の波長よりも小さいものとなっている場合に用いら
れることを意図している。すなわち、回折格子3,4の
ピッチΛ1,Λ2が光の波長よりも小さくなると、S偏光
は回折するがP偏光は透過するという偏光依存性が生
じ、従って、回折格子3,4のピッチΛ1,Λ2が光の波
長よりも小さい場合には、この偏光依存性によって、回
折格子4の出射時点で2回回折光JはS偏光,2回透過
光KはP偏光にそれぞれ直線偏光化される。すなわち、
回折格子が偏光板の機能をもつ。これにより、図5のエ
ンコ−ダ装置における偏光板11,12,ビ−ムスプリ
ッタ13,偏光ビ−ムスプリッタ14が不要となる。ま
た、2回回折光Jの光路と2回透過光Kの光路とを重ね
ることができるので、図6の例では、回折格子4からの
2回回折光(S偏光)Jと2回透過光(P偏光)Kとを
直接、λ/4板15に入射させ、また、第7図の例で
は、これらを直接、偏光板18に入射させている。この
ときにも、λ/4板15または偏光板18において、2
回回折光であるS偏光Jと2回透過光であるKとを互い
に回転方向の異なる円偏光に変換し、偏光ビ−ムスプリ
ッタ16によりS偏光,P偏光に分離し、偏光板18の
場合にはJとKとを同一の直線偏光にそろえて、受光素
子17a,17bに入射させ、各光量の比を求めること
によって、移動用回折格子4の移動量等を測定すること
ができる。このように、図6,図7のエンコーダ装置で
は、図5のエンコーダ装置に比べ、部品点数を削減で
き、かつ小型化を実現できる。
【0052】図8は本発明に係る第1の実施例のエンコ
ーダ装置のさらに他の構成例を示す図である。図8のエ
ンコ−ダ装置においても、図1に示したエンコーダ装置
と同様に、格子面が互いに平行に配置された2つの回折
格子23,24が設けられているが、図8のエンコーダ
装置では、集光レンズ5を設けずに、固定用回折格子2
3のピッチΛ1と移動用回折格子24のピッチΛ2とを僅
かに相違させている。
【0053】固定用回折格子3のピッチΛ1と移動用回
折格子4のピッチΛ2とを僅かに相違させることによ
り、固定用回折格子23で発生するn次の回折光であっ
て移動用回折格子24におけるm次の回折光(2回回折
光)Jと、固定用回折格子23の透過光であって移動用
回折格子24においても透過する光(2回透過光)Kと
を非平行化し、これらに所定の角度をもたせるようにし
ている。
【0054】次にこの動作原理について説明する。図8
の構成においても、固定用回折格子23,移動用回折格
子24での回折条件は、数1によって与えられ、従っ
て、数2が成立する。いま、2回回折光Jと2回透過光
Kとのなす角をdθとすると、dθは次式によって与え
られる。
【0055】
【数4】dθ=θ1−θ3
【0056】ここで、dθが極めて小さいとすると、d
θを用いて数2を次式のように変形することができる。
【0057】
【数5】 sinθ1−sinθ3=sinθ1−sin(θ1−dθ) =sinθ1−sinθ1・cosdθ+sindθ・cosθ1 ≒sindθ・cosθ1 ≒dθ・cosθ1=λ(n/Λ1−m/Λ2
【0058】このように、回折次数nとmとが例えば同
じである場合に、ピッチΛ1とΛ2とを僅かに相違させる
ことによって2回回折光Jと2回透過光Kとに角度dθ
をもたせることができる。また、2回回折光Jと2回透
過光Kとによって形成される干渉縞のピッチをΛ0とす
ると、次式が得られる。
【0059】
【数6】sin(dθ/2)≒dθ/2=λ/2Λ0
【0060】さらに、数6のdθを数5に代入すると、
次式が得られる。
【0061】
【数7】1/Λ0=(n/Λ1−m/Λ2)/cosθ1
【0062】これにより、干渉縞のピッチΛ0は入射光
の波長に全く無関係となる。また、光の径をW0とし、
数7の右辺と左辺とにW0cosθ1を掛けると次式が得
られる。
【0063】
【数8】 (W0/Λ0)・cosθ1=nW0/Λ1−mW0/Λ2
【0064】ここで、W0/Λ0は光径内に生じる干渉縞
の本数であり、nW0/Λ1とmW0/Λ2は固定用回折格
子23と移動用回折格子24における光径内の回折格子
本数にそれぞれの次数を掛けたものである。すなわち、
数8から次式が導かれる。
【0065】
【数9】(干渉縞の本数)×cosθ1=次数×(固定
用回折格子の本数)−次数×(移動用回折格子の本数)
【0066】これにより、ピッチΛ1,Λ2を適切に設定
することにより、干渉縞を発生させることができ(すな
わち、任意の干渉縞本数を得ることができ)、エンコ−
ダの機能を実現することができる。例えば、1次光のみ
の第2の回折光(n=m=1)を用いて高分解能化を目
指し、λ=0.78μm、θ1=45゜とし、Λ1をブラ
ッグ条件として、Λ1=λ/2sinθ1=0.5515
4μmとする場合、Λ0を1mmと大きくすると、数7
は、次式のようになる。
【0067】
【数10】 1/1000・cos45゜=1/0.55154−1/Λ2
【0068】これにより、Λ2は、0.55176μm
として求まり、Λ1と僅か0.04%の違いとなる。入
射光の光径を2mm程度にすると干渉縞が1本あるいは
2本観測されることとなる。干渉縞は移動用回折格子2
4の移動に従って移動するので、干渉縞のピッチより小
さい1個の受光素子27で受光すれば、出力として図9
に示すような正弦波状信号を得ることができる。
【0069】このように、図8の構成例では、固定用回
折格子23のピッチΛ1と移動用回折格子24のピッチ
Λ2とを僅かに相違させることにより、図4の構成例と
同様に、集光レンズによって光を集光せずとも、2回回
折光Jと2回透過光Kとを非平行化することができて、
移動用回折格子24からの2回回折光Jと2回透過光K
とから直接干渉縞を生じさせることができて、移動用回
折格子24の矢印Rの方向への移動に伴なう干渉縞の移
動,すなわち2回回折光Jと2回透過光Kとの干渉光の
光量変化を1つの受光素子27で検知することができ
る。これにより、集光レンズを設けない簡単な構成で、
移動用回折格子24の移動に関する情報を得ることがで
きて、回折格子24の移動量等の測定が可能となる。ま
た、コリメート光中に大きな干渉縞を発生できるので、
受光素子27をこのコリメート光内の所定の位置に配置
すれば良い。従って、集光レンズを用い集光レンズの集
光位置に厳密に配置する場合に比べて、移動量を精度良
く測定するのに必要とされる受光素子27の配置,組付
け調整が容易になる。
【0070】図8の構成例では、2つの回折格子のピッ
チΛ1,Λ2を僅かに相違させたが、図10のように、2
つの回折格子3,4のピッチΛ1,Λ2を同じにして、2
つの回折格子3,4の格子方向を僅かに相違させて角度
(傾き)θをもたせるようにしても、集光レンズを設け
ずに、2回回折光Jと2回透過光Kとを非平行化するこ
とができる。
【0071】なお、上述の各例では、移動用回折格子4
または24が矢印Rの方向に直線状に移動するようにな
っており、これにより、リニアエンコーダ装置として構
成されているが、このようなリニアエンコーダ装置のみ
ならず、ロータリーエンコーダ装置として構成すること
も可能である。
【0072】図11,図12はロータリーエンコーダ装
置の構成例を示す図である。先ず、図11のロータリー
エンコーダ装置は、光源1と、光源1からの光をコリメ
ートするレンズ2と、固定用回折格子33と、円筒面上
に形成され、軸Xの周りに回転可能な移動用回折格子3
4と、受光素子37とを有している。
【0073】また、図12のロータリーエンコーダ装置
は、光源1と、光源1からの光をコリメートするレンズ
2と、固定用回折格子43と、円板上に形成され、軸X
の周りに回転可能な移動用回折格子44と、受光素子4
7とを有している。
【0074】図11,図12のロータリーエンコーダ装
置においても、2回回折光Jと2回透過光Kとを用いる
ことにより、前述したリニアエンコーダ装置と同様に、
波長変化の影響を少なくすることができ、また、レンズ
2にコリメートする機能とともに集束機能をもたせるこ
とにより、あるいは、固定用回折格子33,43のピッ
チと移動用回折格子34,44のピッチとを僅かに相違
させることにより、あるいは、回折格子33,43の格
子方向と回折格子34,44の格子方向とを僅かに相違
させることにより、前述したリニアエンコーダ装置と同
様に、集光レンズを必要としない簡単な構成で、移動用
回折格子の移動量(回転量,回転速度等)を高精度に測
定することができる。
【0075】図13は本発明に係るエンコーダ装置の第
2の実施例の構成図である。図13を参照すると、この
エンコーダ装置は、光源1と、光源1からの光をコリメ
−トするレンズ2と、レンズ2からのコリメ−ト光が入
射する2つの回折格子53,54と、1つの受光素子5
7とを有している。
【0076】この第2の実施例においても、図8に示し
たエンコーダ装置と同様に、2つの回折格子53,54
を格子面が互いに平行となるように配置し、また、これ
らのピッチΛ1,Λ2を僅かに相違させたものとなってい
るが、第2の実施例では、光源1からの光を1番目の回
折格子(固定用回折格子)53に入射させて、±n次光
(nは正)の回折光(第1回折光)を発生させ、この第
1回折光を固定用回折格子53とピッチが僅かに異なる
2番目の回折格子(移動用回折格子)54に入射させて、
±m次光(mは正)の回折光(第2回折光)を発生さ
せ、移動用回折格子54からの±m次光を用いて、干渉
縞を発生させるように構成されている。
【0077】図14は、図13のエンコ−ダ装置におい
て、±n次光のうちの±1次光を用い、また、±m次光
のうちの±1次光を用いる場合の構成例を示す図であ
る。すなわち、図14では、固定用回折格子53で発生
する+1次光であって移動用回折格子54での−1次光
Eと、固定用回折格子53で発生する−1次光であって
移動用回折格子54での+1次光Fとを用いる場合が示
されている。
【0078】次に、図14のような構成のエンコーダ装
置の動作について説明する。先ず、光源1からの光をレ
ンズ2によりコリメ−トし、コリメ−ト光として固定用
回折格子3に入射させると、固定用回折格子53からは
第1回折光として、+1次光と−1次光とが発生する。
このように発生した第1回折光としての+1次光,−1
次光は移動用回折格子54に入射し、第1回折光である
+1次光に基づき移動用回折格子54から発生する第2
回折光のうちの−1次光Eと、第1回折光である−1次
光に基づき移動用回折格子54から発生する第2回折光
のうちの+1次光Fとを受光素子57に入光させる。
【0079】ところで、この第2の実施例においても、
固定用回折格子53のピッチΛ1と移動用回折格子54
のピッチΛ2とが僅かに異なっているので、移動用回折
格子54から上記のように発生する光Eと光Fとは平行
ではなく、所定の角度を有しており、従って、集光レン
ズ等を設けずとも、所定位置に受光素子57を配置すれ
ば、受光素子57上において光Eと光Fとの干渉光によ
る干渉縞を発生させることができる。
【0080】この実施例の上記動作原理を図15を用い
てより詳細に説明する。説明を簡単にするため、コリメ
−ト光が固定用回折格子53に垂直に入射するとする
と、固定用回折格子53での回折条件は次式により表わ
される。
【0081】
【数11】sinθ1=λ/Λ1
【0082】ここで、θ1,Λ1は固定用回折格子53の
回折角,ピッチであり、λは光源1からの光(コリメー
ト光)の波長である。また、移動用回折格子54での回
折条件は次式により表わされる。
【0083】
【数12】−sinθ2+sinθ1=λ/Λ2
【0084】ここで、θ2,Λ2は移動用回折格子54の
回折角,ピッチである。数11と数12とにより、移動
用回折格子54の回折角θ2について次式が導かれる。
【0085】
【数13】sinθ2=λ(1/Λ1−1/Λ2
【0086】また、光Eと光Fとのなす角度θはθ2
2倍であり、光Eと光Fとがこの角度θ(=2θ2)を
もつことにより、コリメート光の光断面内に干渉縞が発
生する。この干渉縞のピッチΛ0と回折角θ2の関係は次
式により表わされる。
【0087】
【数14】sinθ2=λ/(2Λ0
【0088】数13と数14とを用いてΛ1,Λ2とΛ0
との関係が次式のように求められる。
【0089】
【数15】1/(2Λ0)=1/Λ1−1/Λ2
【0090】数15から、干渉縞のピッチΛ0は、固定
用回折格子53のピッチΛ1と移動用回折格子54のピ
ッチΛ2とにだけ関係し、光源1からの光の波長λには
全く無関係となり、光源1に半導体レーザのような波長
変化の大きい光源が用いられる場合でも、その波長変化
の影響を受けない。
【0091】また、図16に概略として示すように、コ
リメート光の径をW0とし、光の径W0を数15の右辺と
左辺とにそれぞれ乗算すると次式が得られる。
【0092】
【数16】(W0/Λ0)/2=W0/Λ1−W0/Λ2
【0093】ここで、W0/Λ0は光径内に生じる干渉縞
の本数であり、W0/Λ1とW0/Λ2はそれぞれ固定用回
折格子53と移動用回折格子54における光径内の回折
格子本数である。すなわち、数16から次式が導かれ
る。
【0094】
【数17】(干渉縞の本数)/2=(固定用回折格子の
本数)−(移動用回折格子の本数)
【0095】数17により、Λ1とΛ2を適切に設定する
ことで任意の干渉縞本数を得ることができる。例えば、
高分解能化を目指し、Λ1=0.948μmと非常に高
密度な回折格子を用いるときに、Λ0=1mmと大きく
とるためには、Λ2=0.94768μmとなり、Λ1
Λ2の違いは約0.03%と非常に小さいものとなる
が、このようにピッチΛ1とΛ2とが僅かに異なる回折格
子53,54を作成することは可能である。この場合、
コリメート光の光径を2mm程度のものにすると、干渉
縞が1本あるいは2本観測されることとなる。
【0096】干渉縞は移動用回折格子54の移動に従っ
て移動するので、干渉縞のピッチに比べて受光面の大き
さが小さい1個の受光素子57で干渉光を受光すれば、
図17に示すような正弦波状信号が得られる。図14の
構成のように、1次光と−1次光とを用いれば、回折格
子54が1ピッチ移動するに従ってそれぞれに生じる位
相差は逆方向に発生し、正弦波信号は2周期分出力され
る。
【0097】このように、この第2の実施例のコリメー
タ装置では、干渉縞のピッチΛ0が光の波長と全く無関
係であるので、光源1からの光の波長が変動しても、移
動量等の測定に何ら影響を与えず、これにより、常に高
精度の移動量を安定して測定することができる。
【0098】さらに、この第2の実施例では、固定用回
折格子53のピッチΛ1と移動用回折格子54のピッチ
Λ2とを僅かに相違させることにより、図8のエンコー
ダ装置と同様に、集光レンズによって光を集光せずと
も、移動用回折格子54からの光EとFとから直接干渉
縞を生じさせることができて、移動用回折格子54の矢
印Rの方向への移動に伴なう干渉縞の移動,すなわち光
Eと光Fとの干渉光の光量変化を1つの受光素子57で
検知することができる。これにより、集光レンズを設け
ない簡単な構成で、移動用回折格子54の移動に関する
情報を得ることができて、回折格子54の移動量の測定
が可能となる。また、コリメート光中に大きな干渉縞を
発生できるので、受光素子57をこのコリメート光内の
所定の位置に配置すれば良く、集光レンズの集光位置に
配置する場合に比べて、移動量を精度良く測定するのに
必要とされる受光素子57の配置,組付け調整が容易に
なる。
【0099】図14の例においては、±1次光のみを用
いており、±1次光は、回折効率が高いこと、また、2
次光以上の光に比べてノイズが少ないことなどにより、
±1次光を用いることは、高次光を用いる場合に比べて
優れている。しかしながら、回折格子を用いる型式のエ
ンコーダ装置においては、分解能は回折角に比例するの
で、分解能を高めるためにさらに高次光をも用いること
が望まれる場合もある。
【0100】本発明は、図14の例のように±1次光の
みを用いる場合に限定されず、さらに高次光を用いる場
合にも拡張可能である。すなわち、固定用回折格子53
で発生する+n次光(nは正)であって移動用回折格子
54の−m次光(mは正)と、固定用回折格子53で発
生する−n次光(nは正)であって、移動用回折格子5
4の+m次光(mは正)とを回折格子54の移動に関す
る情報(移動量や移動方向など)を得るために用いるこ
ともできる。
【0101】この場合、固定用回折格子53での回折条
件は次式により表わされる。
【0102】
【数18】sinθ1=nλ/Λ1
【0103】ここで、nは次数である。また、移動用回
折格子54での回折条件は次式により表わされる。
【0104】
【数19】−sinθ2+sinθ1=mλ/Λ2
【0105】ここで、mは次数である。数18と数19
とにより、移動用回折格子54の回折角θ2について次
式が導かれる。
【0106】
【数20】sinθ2=λ(n/Λ1−m/Λ2
【0107】また、数14と数20とを用いてΛ1,Λ2
とΛ0との関係が次式のように求められる。
【0108】
【数21】1/(2Λ0)=n/Λ1−m/Λ2
【0109】数21から、高次光を用いる場合にも、±
1次光を用いる場合と同様に、干渉縞のピッチΛ0は、
固定用回折格子53のピッチΛ1と移動用回折格子54
のピッチΛ2とにだけ関係し、光源からの光の波長には
全く無関係となり、光源1に半導体レーザのような波長
変化の大きい光源が用いられる場合でも、その波長変化
の影響を受けない。
【0110】また、コリメート光の径をW0とし、光の
径W0を数21の右辺と左辺とにそれぞれ乗算すると次
式が得られる。
【0111】
【数22】(W0/Λ0)/2=nW0/Λ1−mW0/Λ2
【0112】ここで、W0/Λ0は光径内に生じる干渉縞
の本数であり、nW0/Λ1とmW0/Λ2はそれぞれ固定
用回折格子53と移動用回折格子54における光径内の
回折格子本数にそれぞれの次数を乗算したものである。
すなわち、数22から次式が導かれる。
【0113】
【数23】(干渉縞の本数)/2=次数×(固定用回折
格子の本数)−次数×(移動用回折格子の本数)
【0114】これにより、適切にピッチを設定すること
により、前述したと同様に干渉縞を発生させることがで
き、エンコーダの機能を実現できる。
【0115】数17により、Λ1とΛ2を適切に設定する
ことで任意の干渉縞本数を得ることができる。例えば、
高分解能化を目指し、Λ1=0.948μmと非常に高
密度な回折格子を用いるときに、Λ0=1mmと大きく
とるためには、Λ2=0.94768μmとなり、Λ1
Λ2の違いは約0.03%と非常に小さいものとなる
が、このようにピッチΛ1とΛ2とが僅かに異なる回折格
子53,54を作成することは可能である。この場合、
コリメート光の光径を2mm程度のものにすると、干渉
縞が1本あるいは2本観測されることとなる。
【0116】干渉縞は移動用回折格子54の移動に従っ
て移動するので、干渉縞のピッチに比べて受光面の大き
さが小さい1個の受光素子57で干渉光を受光すれば、
図17に示すような正弦波状信号が得られる。図14の
構成のように、1次光と−1次光とを用いれば、回折格
子54が1ピッチ移動するに従ってそれぞれに生じる位
相差は逆方向に発生し、正弦波信号は2周期分出力され
る。
【0117】このように、この第2の実施例のコリメー
タ装置では、干渉縞のピッチΛ0が光の波長と全く無関
係であるので、光源1からの光の波長が変動しても、移
動量等の測定に何ら影響を与えず、これにより、常に高
精度の移動量を安定して測定することができる。
【0118】さらに、この第2の実施例では、固定用回
折格子53のピッチΛ1と移動用回折格子54のピッチ
Λ2とを僅かに相違させることにより、図8のエンコー
ダ装置と同様に、集光レンズによって光を集光せずと
も、移動用回折格子54からの光EとFとから直接干渉
縞を生じさせることができて、移動用回折格子54の矢
印Rの方向への移動に伴なう干渉縞の移動,すなわち光
Eと光Fとの干渉光の光量変化を1つの受光素子57で
検知することができる。これにより、集光レンズを設け
ない簡単な構成で、移動用回折格子54の移動に関する
情報を得ることができて、回折格子54の移動量の測定
が可能となる。また、コリメート光中に大きな干渉縞を
発生できるので、受光素子57をこのコリメート光内の
所定の位置に配置すれば良く、集光レンズの集光位置に
配置する場合に比べて、移動量を精度良く測定するのに
必要とされる受光素子57の配置,組付け調整が容易に
なる。
【0119】ところで、上述の例では、図15に示した
ように、光Eについては、固定用回折格子53でのn次
の回折光(回折角θ1)、移動用回折格子54での−m
次の回折光(回折角θ2)を用い、また、光Fについて
は、固定用回折格子53での−n次の回折光(回折角θ
1)、移動用回折格子54でのm次の回折光(回折角
θ2)を用いるとし、光Eと光Fとでそれぞれ同じ次数
n,m,同じ回折角θ1,θ2の回折光を用いるとした
が、光Eと光Fとでそれぞれ異なる次数,異なる回折角
の回折光を用いることもできる。次に、光Eと光Fとで
それぞれ異なる次数,異なる回折角の回折光をも用いる
ことのできるより拡張された(一般化された)場合につい
て説明する。
【0120】図18には、光Eについては、固定用回折
格子53でのn1次の回折光(回折角θ1)、移動用回折
格子54でのm1次の回折光(回折角θ2)を用い、光F
については、固定用回折格子53でのn2次の回折光
(回折角φ1)、移動用回折格子54でのm2次の回折光
(回折角φ2)を用いる場合が示されている。
【0121】この場合、光Eについては次式の関係が成
立する。
【0122】
【数24】sinθ1=n1λ/Λ1
【0123】
【数25】−sinθ2+sinθ1=m1λ/Λ2
【0124】数24と数25とにより、移動用回折格子
54の回折角θ2について次式が導かれる。
【0125】
【数26】sinθ2=λ(n1/Λ1−m1/Λ2
【0126】同様に、光Fについては、次式が成立す
る。
【0127】
【数27】sinφ2=−λ(n2/Λ1−m2/Λ2
【0128】また、干渉縞のピッチΛ0は次式により表
わされる。
【0129】
【数28】Λ0=λ/(sinθ2+sinφ2)
【0130】また、数26,数27,数28とを用い
て、Λ1,Λ2とΛ0との関係が次式のように求められ
る。
【0131】
【数29】 Λ0=1/[(n1−n2)/Λ1−(m1−m2)/Λ2
【0132】数29から、光Eと光Fとでそれぞれ同じ
次数(n1=n2,m1=m2),同じ回折角(θ1=φ1,θ2
=φ2)の高次光を用いる場合のみならず、異なる次数,
異なる回折角の高次光を用いる場合にも、干渉縞のピッ
チΛ0は、固定用回折格子53のピッチΛ1と移動用回折
格子54のピッチΛ2とにだけ関係し、光源からの光の
波長には全く無関係となり、光源1に半導体レーザのよ
うな波長変化の大きい光源が用いられる場合でも、その
波長変化の影響を受けないことがわかる。
【0133】また、この場合、Λ1とΛ2と回折次数
1,n2,m1,m2を適切に設定することで、任意の本
数の干渉縞を得ることができる。なお、干渉縞は、前述
のように、移動用回折格子の移動に従って移動するの
で、干渉縞のピッチΛ0よりも小さな受光面積の1個の
受光素子で受光すれば、正弦波状信号が得られ、n1
光(またはm1次光)を用いる場合には、回折格子54が
1ピッチ移動するに従って、それぞれに逆方向に位相差
が発生し、正弦波状信号は移動する方の回折格子の次数
の2倍(2|m1|または2|n1|)の周期となる。いま
の場合、移動用回折格子は54であるので、正弦波状信
号は2|m1|の周期となる。
【0134】また、回折次数n1,n2,m1,m2の選び
方としては、2つの回折格子53,54からの2つの出
射光がほぼ平行にならなければならないので、固定用回
折格子53でのn1次光であって移動用回折格子54で
のm1次光と、固定用回折格子53でのn2次光であって
移動用回折格子54でのm2次光との干渉では、Λ1≒Λ
0を例にとると、次式を満たさなければならない。
【0135】
【数30】n1+m1=n2+m2
【0136】例えば、固定用回折格子53での1次光で
あって移動用回折格子54での0次光と、固定用回折格
子53での−2次光であって移動用回折格子54での3
次光との干渉では、“1+0=−2+3”であり、数3
0の条件を満たしているので使用できる。
【0137】また、このように高次光をも用いる場合に
は、感度を向上させることができる。すなわち、感度は
移動用回折格子54からの回折光(すなわち第2回折
光)で決まり、移動用回折格子54の1次光のみを用い
るときには回折格子1ピッチ分の移動で得られる正弦波
は1周期のみであるが、高次光を用いる場合にはm1
2倍になる。前述の例の場合は“0+3=3”とな
り、1次光のみを用いる場合に比べて、感度を3倍に向
上させることができる。
【0138】さらに、このような高次光を用いること
で、固定用回折格子53のピッチΛ1と移動用回折格子
54のピッチΛ2とを大きく相違させることもできる。
具体例として、固定用回折格子53にピッチΛ1がΛ1
1μmの非常に高密度な回折格子を用い、干渉縞のピッ
チΛ0を2mm(コリメート光の光径程度)と大きくとる
場合に、回折次数をn1=1,n2=−1,m1=−2,
2=2とすれば、移動用回折格子54のピッチΛ2は、
Λ2=2.0005μmと、固定用回折格子53のピッ
チΛ1の約2倍の大きなもので良いことになる。固定用
回折格子53のピッチΛ1と移動用回折格子54のピッ
チΛ2とが僅かにしか相違しない場合には、干渉縞のピ
ッチΛ0を大きくとるとき、固定用回折格子53をΛ1
1μmの非常に高密度な回折格子とし、移動用回折格子
54をもΛ1=1μm程度の非常に高密度なものにしな
ければならず、従って、このような回折格子を作製する
場合、精度上の問題が生ずるが、上記のように、移動用
回折格子54のピッチΛ2を固定用回折格子53のピッ
チΛ1に比べて大きく相違させることができることによ
って、固定用回折格子53が非常に高密度な回折格子で
あっても、移動用回折格子54を固定用回折格子53に
比べれば、低密度の回折格子として作製でき、これによ
り、精度上の問題を回避することができる。
【0139】なお、上述の各例では、移動用回折格子5
4が矢印Rの方向に直線状に移動するようになってお
り、これにより、リニアエンコーダ装置として構成され
ているが、第2の実施例においても、第1の実施例と同
様に、このようなリニアエンコーダ装置のみならず、ロ
ータリーエンコーダ装置として構成することも可能であ
る。
【0140】図19,図20は本発明によるロータリー
エンコーダ装置の構成例を示す図である。先ず、図19
のロータリーエンコーダ装置は、光源1と、光源1から
の光をコリメートするレンズ2と、固定用回折格子63
と、円筒面上に形成され、軸Xの周りに回転可能な移動
用回折格子64と、受光素子67とを有している。
【0141】また、図20のロータリーエンコーダ装置
は、光源1と、光源1からの光をコリメートするレンズ
2と、固定用回折格子73と、円板上に形成され、軸X
の周りに回転可能な移動用回折格子74と、受光素子7
7とを有している。
【0142】図19,図20のロータリーエンコーダ装
置においても、回折格子64,74からの±m次光(よ
り一般的には、m1,m2次光)を用いることにより、波
長変化の影響を少なくすることができ、また、固定用回
折格子63,73のピッチと移動用回折格子64,74
のピッチとを僅かに相違させることにより、前述したリ
ニアエンコーダ装置と同様に、集光レンズを必要としな
い簡単な構成で、移動用回折格子の移動量(回転量,回
転速度等)を高精度に測定することができる。
【0143】図21は本発明に係るエンコーダ装置の第
3の実施例の構成図である。図21のエンコーダ装置は
図13あるいは図18に示したようなエンコーダ装置に
おいて、2番目の回折格子(移動用回折格子)54の1番
目の回折格子(固定用回折格子)53とは反対の側に、
反射手段(例えばミラー)81がさらに配置され、また、
レンズ2と固定用回折格子53との間に、分割手段(例
えばビームスプリッタ)82がさらに配置され、移動情
報検出手段としての受光素子7が分割手段からの出射光
を受光するように配置されたものとなっている。なお、
反射手段81は、図21に示すように、回折格子54と
別体に設けられても良いが、回折格子54の回折格子5
3とは反対側の面に回折格子54と一体に形成されても
良い。
【0144】このような構成では、レンズ2でコリメー
トされたコリメート光は、分割手段82を透過して固定
用回折格子53,移動用回折格子54に入射する。移動
用回折格子54からの回折光は、反射手段81で反射さ
れて、移動用回折格子54,固定用回折格子53を再び
経験し、分割手段82で分割されて受光素子7に入射す
る。このとき、受光素子7上では、これに入射する回折
光による干渉縞が発生する。
【0145】このような光学系は、図22に示すような
対称的な4回の回折格子系と等価である。図22を用い
て、上記回折光の様子をさらに詳しく説明する。前述の
実施例と同様に、干渉縞を2つの光E,Fにより発生さ
せるとし、光Eについては、固定用回折格子53でのn
1次の回折光(回折角θ1),移動用回折格子54でのm
1次の回折光(回折角θ2),移動用回折格子54でのm
1次の回折光(回折角θ3),固定用回折格子53でのn
1次の回折光(回折角θ4)を順次に発生させ、光Fにつ
いては、固定用回折格子53でのn2次の回折光(回折
角φ1),移動用回折格子54でのm2次の回折光(回折
角φ2),移動用回折格子54でのm2次の回折光(回折
角φ3),固定用回折格子53でのn2次の回折光(回折
角φ4)を順次に発生させるものとする。
【0146】説明を簡単にするために、前述の実施例と
同様に、コリメート光が固定用回折格子53に垂直に入
射するとすると、光Eについては、次式の関係が成立す
る。
【0147】
【数31】sinθ1=n1λ/Λ1 sinθ1−sinθ2=m1λ/Λ2 sinθ2+sinθ3=m1λ/Λ2 sinθ3+sinθ4=n1λ/Λ1
【0148】これにより、θ4は次式で表わされる。
【0149】
【数32】sinθ4=2λ(n1/Λ1−m1/Λ2)
【0150】同様に、光Fについては次式が成立する。
【0151】
【数33】sinφ4=−2λ(n2/Λ1−m2/Λ2)
【0152】また、Λ0は次式で表わされる。
【0153】
【数34】Λ0=λ/(sinθ4+sinφ4)
【0154】数32,数33,数34から、干渉縞のピ
ッチΛ0は次式で表わされる。
【0155】
【数35】 Λ0=1/[2((n1−n2)/Λ1−(m1−m2)/Λ2)]
【0156】これにより、Λ0は波長に依存しないこと
がわかる。また、干渉縞は移動用回折格子の移動に従っ
て移動するので、干渉縞のピッチより小さい一個の受光
素子で受光すれば、正弦波状信号が得られる。また、n
1次光(またはm1次光)を往復用いていることで、回折格
子が1ピッチ移動するに従ってそれぞれに生じる位相差
は逆方向に発生し、正弦波状信号は移動する方の回折格
子の次数の4倍(4|m1|又は4|n1|)の周期とな
る。上記例では、移動用回折格子は54であるので、4
|m1|の周期となる。
【0157】また、図18の構成のエンコーダ装置に比
べ、光を固定用回折格子53,移動用回折格子54にそ
れぞれ2回ずつ経験させることで、移動量検出感度を4
倍にすることができる。
【0158】また、前述の第1,第2の実施例では、光
源1としては、点光源(例えば半導体レーザあるいは発
光面が数10μm以下と小さい発光ダイオード)しか用
いることができず、例えば、発光面の広い発光ダイオー
ド(以下、単に発光ダイオードとは発光面の広い発光ダ
イオードを指すものとする)等を用いることはできない
が、この第3の実施例では、光源1として、点光源(例
えば半導体レーザ)のみならず、発光ダイオード等をも
用いることができる。すなわち、光源1が半導体レーザ
等の点光源のものである場合には、図23(a)に示すよ
うに、光Eと光Fとは、全く同じ点光源から出射された
ものであるので、互いに干渉しあい、干渉縞が発生し、
エンコーダ装置として機能するが、発光ダイオードの場
合には、図23(b)に示すように、光Eと光Fとは、同
じところから出射されたものでないので、第1,第2の
実施例の構成では、干渉縞が発生せず、従って、発光ダ
イオードを光源1として用いることはできない。
【0159】これに対し、この第3の実施例では、反射
手段81によって反射された光は、反射手段81により
光が同じ光路を経て元に戻るので、光源1に例えば発光
ダイオードを用いる場合、反射手段81に達するまでの
光は点光源から出射されたものでなく干渉縞は発生しな
いが、反射手段81からの反射光が、移動用回折格子5
4,固定用回折格子53,分割手段82を介して受光素
子7に到達するまでの光は、点光源から出射されたと同
等のものであり、従って、受光素子7上に干渉縞を発生
させることができ、エンコーダ装置として機能させるこ
とができる。
【0160】図24は図21のエンコーダ装置の変形例
を示す図である。図24のエンコーダ装置では、図21
のエンコーダ装置の反射手段81のかわりに、移動用回
折格子54の回折格子面に反射手段84が設けられた構
成となっている。すなわち、図24の例では、移動用回
折格子54は、その回折格子面にアルミなどの金属を蒸
着やスパッタなどで形成した反射型回折格子となってお
り、この場合、蒸着やスパッタなどで形成された金属膜
が反射手段84として機能する。また、この変形例で
は、移動用回折格子54のピッチΛ2は、固定用回折格
子53のピッチΛ1の約1/2となっている。
【0161】このような構成のエンコーダ装置では、光
源1からの光は、受光素子7に達するまでに、固定用回
折格子53を2回経験し、また、移動用回折格子54を
1回経験し、受光素子7上に発生する干渉縞のピッチΛ
0は、次式で表わされる。
【0162】
【数36】 Λ0=1/[2(n1−n2)/Λ1−(m1−m2)/Λ2
【0163】なお、上式は、数35から次のようにして
導き出される。すなわち、説明を簡単にするため、
1,n2,m1,m2として±1次光を用いるとし、数3
5を次式のように変形する。
【0164】
【数37】 Λ0=1/[4(1/Λ1−1/Λ2)]=1/{2[2/Λ1−1/(Λ2/2)] }
【0165】この変形式は、1/Λ1が2/Λ1となり、
また、Λ2がΛ2/2となっており、この意味するところ
は、ピッチΛ1の固定用回折格子53を2回経験し、ピ
ッチが半分(Λ2/2)の移動用回折格子54を1回経験
するという構成が可能ということである。この変形式に
基づいて、数36を導き出すことができる。
【0166】この変形例によれば、n1次光(またはm1
次光)を用いることで回折格子が1ピッチ移動するに従
って、正弦波信号は移動する方の回折格子の次数の4倍
(4|n1|,m1次光の場合は2倍の2|m1|)の周期と
なる。m1次光を移動に用いた場合は、図21のエンコ
ーダ装置に比べ、正弦波信号の移動周期は1/2となる
が、ピッチΛ2が固定用回折格子のピッチΛ1に比べて略
半分であるので、感度は図21のエンコーダ装置と同様
に、第1,第2の実施例のエンコーダ装置に対し、4倍
となる。
【0167】また、図21のエンコーダ装置と同様、反
射手段84により、光源1に発光ダイオード等が用いら
れる場合にも、エンコーダ装置として良好に機能する。
【0168】なお、図21,図24の例では、コリメー
ト光をビームスプリッタ82を透過させて回折格子5
3,54に向かわせ、反射光をビームスプリッタ82で
反射させて受光素子7に向かわせたが、コリメート光を
ビームスプリッタ82で反射させて回折格子53,54
に向かわせ、反射光をビームスプリッタ82を透過させ
て受光素子7に向かわせても良い。この場合には、回折
格子53,54をビームスプリッタ82の反射側に配置
し、受光素子7をビームスプリッタ82の透過側に配置
する。
【0169】図25は本発明に係るエンコーダ装置の第
4の実施例の構成図である。図25のエンコーダ装置
は、図21に示したようなエンコーダ装置において、回
折格子54と反射手段81との間にさらに3番目の回折
格子86が設けられ、合計3つの回折格子53,54,
86により構成されている。なお、この場合、例えば1
番目,2番目の回折格子53,54が固定用回折格子で
あり、3番目の回折格子86が移動用回折格子であると
する。
【0170】このような光学系は、図26に示すような
対称的な6回の回折格子系と等価である。図26を用い
て、上記回折光の様子をさらに詳しく説明する。前述の
実施例と同様に、干渉縞を2つの光E,Fにより発生さ
せるとし、光Eについては、1番目の回折格子53での
1次の回折光(回折角θ1),2番目の回折格子54で
のm1次の回折光(回折角θ2),3番目の回折格子86
でのl1次の回折光(回折角θ3),3番目の回折格子8
6でのl1次の回折光(回折角θ4),2番目の回折格子
54でのm1次の回折光(回折角θ5),1番目の回折格
子53でのn1次の回折光(回折角θ6)を順次に発生さ
せ、光Fについては、1番目の回折格子53でのn2
の回折光(回折角φ1),2番目の回折格子54でのm2
次の回折光(回折角φ2),3番目の回折格子86での
2次の回折光(回折角φ3),3番目の回折格子86で
のl2次の回折光(回折角φ4)2番目の回折格子54で
のm2次の回折光(回折角φ5),1番目の回折格子53
でのn2次の回折光(回折角φ6)を順次に発生させるも
のとする。
【0171】説明を簡単にするために、前述の実施例と
同様に、コリメート光が固定用回折格子53に垂直に入
射するとすると、光Eについては、次式の関係が成立す
る。
【0172】
【数38】sinθ1=n1λ/Λ1 sinθ1+sinθ2=m1λ/Λ2 sinθ2+sinθ3=l1λ/Λ3 −sinθ3+sinθ4=l1λ/Λ3 sinθ4+sinθ5=m1λ/Λ2 sinθ5+sinθ6=n1λ/Λ1
【0173】これにより、θ6は次式で表わされる。
【0174】
【数39】 sinθ6=2λ(n1/Λ1−m1/Λ2+l1/Λ3)
【0175】同様に、光Fについては次式が成立する。
【0176】
【数40】 sinφ6=−2λ(n2/Λ1−m2/Λ2+l2/Λ3)
【0177】また、Λ0は次式で表わされる。
【0178】
【数41】Λ0=λ/(sinθ6+sinφ6)
【0179】数39,数40,数41から、干渉縞のピ
ッチΛ0は次式で表わされる。
【0180】
【数42】 Λ0=1/[2((n1−n2)/Λ1−(m1−m2)/Λ2+(l1-l2)/Λ3)]
【0181】これにより、Λ0は波長に依存しないこと
がわかる。また、干渉縞は移動用回折格子の移動に従っ
て移動するので、干渉縞のピッチより小さい一個の受光
素子で受光すれば、正弦波状信号が得られる。また、n
1次光、n2次光(またはm1次光、m2次光)を往復用いて
いることで、回折格子が1ピッチ移動するに従ってそれ
ぞれに生じる位相差は逆方向に発生し、正弦波状信号は
移動する方の回折格子の次数の2倍(2(|m1|+|m
2|)又は2(|n1|+|n2|)又は2(|l1|+|
2|)の周期となる。
【0182】また、この第4の実施例においても、前述
の第3の実施例と同様、光源1として、点光源(例えば
半導体レーザ)のみならず、発光ダイオード等をも用い
ることができる。
【0183】図27は図25のエンコーダ装置の変形例
を示す図である。図27のエンコーダ装置は、図24に
示したエンコーダ装置と対応したものとなっており、図
25のエンコーダ装置の反射手段81のかわりに、3番
目の回折格子86の回折格子面に反射手段84が設けら
れた構成となっている。すなわち、図27の例では、3
番目の回折格子86は、その回折格子面にアルミなどの
金属を蒸着やスパッタなどで形成した反射型回折格子と
なっている。また、この変形例では、3番目の回折格子
54のピッチΛ3は、1番目,2番目の回折格子53,
54のピッチΛ1,Λ2の約1/2となっている。
【0184】このような構成のエンコーダ装置では、光
源1からの光は、受光素子7に達するまでに、1番目,
2番目の回折格子53,54を2回経験し、また、3番
目の回折格子86を1回経験し、受光素子7上に発生す
る干渉縞のピッチΛ0は、次式で表わされる。
【0185】
【数43】 Λ0=1/[2((n1−n2)/Λ1−(m1−m2)/Λ2)+(l1−l2)/Λ3
【0186】なお、上式は、数42から次のようにして
導き出される。すなわち、説明を簡単にするため、
1,n2,m1,m2として±1次光を用いるとし、数4
2を次式のように変形する。
【0187】
【数44】 Λ0=1/[4(1/Λ1−1/Λ2+1/Λ3)]=1/{2[2/Λ1−2/Λ2 +1/(Λ3/2)]}
【0188】この変形式は、1/Λ1,1/Λ2がそれぞ
れ2/Λ1,2/Λ2となり、また、Λ3がΛ3/2となっ
ており、この変形式の意味するところは、ピッチΛ1
Λ2の回折格子53,54をそれぞれ2回経験し、ピッ
チが半分(Λ3/2)の移動用回折格子86を1回経験す
るという構成が可能ということである。この変形式に基
づいて、数43を導き出すことができる。
【0189】この変形例によれば、n1次光、n2次光
(またはm1次光、m2次光)を用いることで回折格子が1
ピッチ移動するに従って、正弦波信号は移動する方の回
折格子の次数の2倍(2(|m1|+|m2|)または2
(|n1|+|n2|))の周期となる。また、l1,l2
を用いることで、(|l1|+|l2|)倍の周期とな
る。このときは、図25のエンコーダ装置に比べ、正弦
波信号の移動周期は1/2となるが、ピッチΛ3が1番
目,2番目の回折格子のピッチΛ1,Λ2に比べて略半分
であるので、感度は図25のエンコーダ装置と同様に、
第1,第2の実施例のエンコーダ装置に対し、4倍とな
る。
【0190】また、図25のエンコーダ装置と同様、反
射手段84により、光源1に発光ダイオード等が用いら
れる場合にも、エンコーダ装置として良好に機能する。
【0191】なお、図25,図27のエンコーダ装置で
は、3つの回折格子53,54,86を設けたが、3つ
以上の回折格子を設けることも可能である。
【0192】なお、上述の第3,第4の実施例では、移
動用回折格子54が矢印Rの方向に直線状に移動するよ
うになっており、これにより、リニアエンコーダ装置と
して構成されているが、第3,第4の実施例において
も、第1,第2の実施例と同様に、このようなリニアエ
ンコーダ装置のみならず、ロータリーエンコーダ装置と
して構成することも可能である。
【0193】図28乃至図35は第3,第4の実施例に
よるロータリーエンコーダ装置の構成例を示す図であ
り、図28,図30,図32,図34のロータリーエン
コーダ装置は、例えば図19のロータリーエンコーダ装
置に対応した構成となっている。また、図29,図3
1,図33,図35のロータリーエンコーダ装置は、例
えば図20のロータリーエンコーダ装置に対応した構成
となっている。
【0194】また、図28,図29のロータリーエンコ
ーダ装置は、回転可能な移動用回折格子64,74と反
対の側に反射手段81が設けられ、図21のエンコーダ
装置と対応した構成となっている。また、図30,図3
1のロータリーエンコーダ装置は、回転可能な移動用回
折格子64,74の回折格子面に反射手段が形成され、
図24のエンコーダ装置と対応した構成となっている。
また、図32,図33のロータリーエンコーダ装置は、
回転可能な移動用回折格子64,74と反対の側に3番
目の回折格子86と反射手段81とが設けられ、図25
のエンコーダ装置と対応した構成となっている。また、
図34,図35のロータリーエンコーダ装置は、回転可
能な移動用回折格子64,67と反対の側に3番目の回
折格子86が設けられ、3番目の回折格子の回折格子面
に反射手段84が形成されており、図27のエンコーダ
装置と対応した構成となっている。
【0195】上述の各実施例で説明したように、本発明
では高次光をも用いることができ、高次光を用いること
により特有の効果を得ることができるが、大きなピッチ
の干渉縞を発生させ小さなピッチの干渉縞の場合に比べ
て受光素子7の大きさをより大きく設定の容易なものに
するためには、干渉させる光は互いに平行に近いものが
選ばれるのが良い。
【0196】また、高次回折光を用いると、前述のよう
にピッチの波長依存性はないが、干渉縞の位相は波長依
存性をもつ。干渉縞の位相についても波長依存性をなく
すためには、2つの光を全く対称の光学系とするのであ
る。すなわち、各回折格子で発生する2つの光は同じ次
数とするのである。例えば第1回折格子では±1次光同
士、第2回折格子では±3次光同士等である。この中で
も1次光は最も効率が高いので最適である。
【0197】例えば、図18のエンコーダ装置の場合、
1=1,n2=−1,m1=1,m2=−1を例にとりΛ
1=1μmのときに、Λ0=2mmとするには、Λ2
1.00025μmとなり、Λ1とΛ2の違いは約0.0
25%となる。
【0198】また、図21のエンコーダ装置の場合、n
1=1,n2=−1,m1=1,m2=−1を例にとりΛ1
=1μmのときに、Λ0=2mmとするには、Λ2=1.
000125μmとなる。
【0199】また、図24のエンコーダ装置の場合、n
1=1,n2=−1,m1=1,m2=−1を例にとりΛ1
=1μmのときに、Λ0=2mmとするには、Λ3=0.
5000625μmとなる。
【0200】また、図25のエンコーダ装置の場合、n
1=1,n2=−1,m1=1,m2=−1を例にとりΛ1
=1μm、Λ2=0.5μmのときに、Λ0=2mmとす
るには、Λ3=0.999875μmとなる。
【0201】ところで、上述の各実施例において、干渉
縞に基づき回折格子の移動に関する情報を検出する型式
のエンコーダ装置(例えば、図1,図2,図3,図4,
図8,図10,図11,図12,図13,図14,図1
8,図19,図20,図21,図24,図25,図2
7,図28,図29,図30,図31,図32,図3
3,図34,図35に示したようなエンコーダ装置)で
は、移動用回折格子が移動し、これに伴なって干渉縞が
移動するときに、移動情報検出手段として、干渉縞の間
隔よりも小さい受光面をもつ受光素子や小さい孔のピン
ホールを用いれば、1つの受光素子から図9または図1
7に示したような正弦波状信号を得ることができる。こ
の種の正弦波状信号は、谷と山の比(t2/t1;アスペ
クト比)が大きいほど品質が良いが、1つの受光素子か
らの正弦波状信号は、バイアス成分t 1をもつため、こ
の正弦波状信号は良質のものとなっていない。
【0202】図36乃至図42には、正弦波状信号の品
質を良好なものにするための本発明による各種の信号検
出の仕方,換言すれば、移動情報検出手段の各種の構成
例が示されている。なお、以下では、便宜上、エンコー
ダ装置が図13の構成を基本としているものとして説明
する。先ず、図36には、光を重ねた光径(図では円と
する)中に干渉縞の明暗を1個ずつ発生させたときに、
干渉縞の明暗に相当する間隔(干渉縞のピッチの半分)
をへだてて2つの受光素子58,59を配置し、各受光
素子58,59の出力の差をとる構成が示されている。
【0203】図37は、図36の構成における一方の受
光素子58の出力信号O1,他方の受光素子59の出力
信号O2,2つの受光素子58,59の出力の差信号
(O1−O2)をそれぞれ示す図である。図37からわ
かるように、2つの受光素子58,59は、干渉縞のピ
ッチの半分の間隔で配置されているので、受光素子5
8,59の出力信号O1,O2は、180゜の位相差と
なり、従って、2つの受光素子58,59の出力O1,
O2の差をとり差信号(O1−O2)とすることによ
り、バイアス成分t1を除去することができ、アスペク
ト比の高い良好な正弦波状信号を得ることができて、こ
れにより、より高精度に移動量を測定することができ
る。また、この場合に、図38に示すように、受光素子
58,59の幅Hを小さくすることにより、バイアス成
分t1をさらに小さくすることができ、差信号(O1−
O2)の振幅を大きくすることができて、より一層、完
全に近い良質な正弦波状信号を得ることができる。但
し、幅Hを小さくすると、受光量も減少するので、受光
素子58,59の幅Hについては、用途等に応じ、適当
なものに設計するのが良い。
【0204】図36では、干渉縞の明暗に相当する間隔
(干渉縞のピッチの半分)をへだてて2つの受光素子5
8,59を配置したが、図39に示すように、干渉縞の
明暗の間隔の半分の間隔(干渉縞のピッチの4分の1)
をへだてて2つの受光素子58,59を配置することも
可能である。すなわち、一方の受光素子58を例えば明
の部分に配置し、他方の受光素子59を明と暗との中間
位置(光径の中間位置)に配置することも可能である。
【0205】図40は図39の構成における一方の受光
素子58の出力信号O1,他方の受光素子59の出力信
号O3,2つの受光素子58,59の出力の差信号(O
1−O3)をそれぞれ示す図である。図39のように、
2つの受光素子58,59の間隔が干渉縞のピッチの4
分の1(明暗の間隔の半分)となるよう2つの受光素子
58,59を配置すると、図40に示すように、2つの
受光素子58,59の各出力信号O1,O3は、90゜
の位相差をもつことになる。すなわち、一般にエンコー
ダに必要な90゜位相差をもつ2つの正弦波信号(すな
わちA相信号,B相信号)を出力信号O1,O3とし
て、それぞれ受光素子58,59から出力することがで
きる。この場合、90゜の位相差をもつA相信号O1,
B相信号O3を方向弁別信号として回折格子の移動方向
の検出に用いることができ、また、A相信号とB相信号
との差,すなわち出力信号O1と出力信号O3との差を
とり差信号(O1−O3)とすることで、この差信号
(O1−O3)を実際の移動距離の測定に用いることが
できる。そして、移動距離の測定に差信号(O1−O
3)を用いることによって、前述したと同様に、品質の
良い正弦波を得ることができ、高精度に移動量を測定す
ることができる。すなわち、図39の構成では、回折格
子54の移動に関する情報として、移動方向を弁別する
信号と移動量を測定するための信号とを高精度に得るこ
とができる。
【0206】さらに、品質の良い(アスペクト比の高
い)信号を得るために、図41に示すように、隣接する
素子間の間隔が干渉縞のピッチの4分の1となるよう3
つの受光素子60,61,62を配置することもでき
る。
【0207】図42は、図41の構成における3つの受
光素子60,61,62の各々からの出力信号O1,O
3,O2,2つの受光素子60,61の出力の差信号
(O1−O3),2つの受光素子61,62の出力の差
信号(O3−O2)をそれぞれ示す図である。図41の
ように、隣接する素子間の間隔が干渉縞のピッチの4分
の1となるよう3つの受光素子60,61,62を配置
すると、図42に示すように、3つの受光素子60,6
1,62の各出力信号O1,O3,O2は、90゜の位
相差となり、従って、差信号(O1−O3)と差信号
(O3−O2)とは、互いに90゜位相差をもつととも
に、より完全に近い(より品質の良い)正弦波となる。
この場合、90゜位相差をもつ差信号(O1−O3),
(O3−O2)をA相信号,B相信号として用いること
で、回折格子54の移動方向を精度良く検出することが
できるとともに、個々の差信号(O1−O3),(O3
−O2)自体により、回折格子54の移動量を精度良く
測定することができる。
【0208】また、上述の各実施例のエンコーダ装置に
おいて、さらに、回折格子53,回折格子54,回折格
子86の少なくとも一方(例えば、いずれか一方)を、図
43(a)に示すように、2つの領域ua,ubに分けるこ
とも可能である。すなわち、各領域ua,ubは同じピッ
チΛ1(またはΛ2,Λ3)を有しているが、ピッチの位相
が互いに異なっている。このようにすることによって、
図43(b)に示すように、コリメータ光の光断面60内
に各領域ua,ubに対応した位相の異なる2種類の干渉
縞Ia,Ib(各干渉縞Ia,IbのピッチはΛ0)を発生さ
せることができ、この干渉縞Ia,Ibの縞方向Yに2つ
の受光素子(例えばフォトダイオード等)7a,7bを並
べて配置し、各受光素子7a,7bから所定の信号をそ
れぞれ得ることもできる。
【0209】ここで、受光素子7a,7bは干渉縞の間
隔よりも小さい受光面を有している。また、2つの領域
a,ubの回折格子ピッチの位相差β1は、2π/(4|
n−m|)であるのが良い。なお、n,mは、領域が分
離されている回折格子の回折次数である。例えば、1番
目の回折格子53が2つの領域に分けられているとする
と、n,mはそれぞれn1,m1である。また、2番目の
回折格子54が2つの領域に分けられているとすると、
n,mはそれぞれn2,m2である。従って、例えば図1
4の構成のように、1番目の回折格子53の1次光と−
1次光を用い(n1=1,m1=−1)また、2番目の回折
格子54の−1次光と1次光とを用いるとした場合(n2
=−1,m2=1)において、2番目の回折格子54を2
つの領域に分けるときには、回折格子ピッチの位相差β
1を2π/8に設定するのが良い。
【0210】また、2番目の回折格子54の−1次光と
1次光を用いるときには、回折格子54の各領域ua
bの位相差β1に対して、干渉縞Ia,Ibの位相差β0
は、次式のようになる。すなわち、2番目の回折格子5
4の−1次光と1次光を用いる場合には、2番目の回折
格子54の位相のずれに対して干渉縞の位相のずれが1
−(−1)=2倍となることから、次式が導き出される。
【0211】
【数45】β0=2β1
【0212】従って、2番目の回折格子54において、
各領域Ia,Ibのピッチの位相差β1が上述のように2
π/8に設定されているときには、干渉縞Ia,Ibのピ
ッチの位相差β0は、2π/4となり、各受光素子7
a,7bからは、干渉縞のピッチが1/4ずれた90°
の位相差をもつ2つの正弦波信号(すなわち、A相信
号,B相信号)をそれぞれ得ることができる。これによ
り、90゜の位相差をもつA相信号,B相信号を方向弁
別信号として回折格子の移動方向の検出に用いることが
でき、また、A相信号とB相信号との差をとることで、
この差信号を実際の移動距離の測定に用いることができ
る。そして、移動距離の測定に差信号を用いることによ
って、品質の良い正弦波を得ることができ、高精度に移
動量を測定することができる。すなわち、回折格子54
の移動に関する情報として、移動方向を弁別する信号と
移動量を測定するための信号とを高精度に得ることがで
きる。
【0213】なお、上記のようなA相信号,B相信号
は、前述のように例えば図39のエンコーダ装置におい
ても実現できる。しかしながら、図39のエンコーダ装
置では、1つの干渉縞からA相,B相を検出するため、
干渉縞がずれた場合には、A相,B相の位相がずれ易
く、移動方向についての検出誤りが発生しやすいという
問題がある。
【0214】これに対して、回析格子53または54の
領域を2つに分けて2つの干渉縞Ia,Ibを発生させ、
2つの受光素子7a,7bを干渉縞の方向Yに並べて配
置し、受光素子7a,7bにおいて2つの干渉縞Ia
bからA相,B相の信号を直接得る場合には、回析格
子53または54のずれによる干渉縞の傾きなどに対し
て、検出誤りを少なくすることができ、特に、A相信
号,B相信号の位相がずれにくく、移動方向についての
検出誤りが発生するのを著しく低減することができる。
【0215】なお、この場合も、±1次光のみならず、
さらに高次光を用いるように拡張可能である。すなわ
ち、例えば図44に示すように、1番目の回折格子53
で発生するn1次光であって2番目の回折格子54のn2
次光と、1番目の回折格子53で発生するm1次光であ
って、2番目の回折格子54のm2次光とを回折格子5
4の移動に関する情報(移動量や移動方向など)を得る
ために用いることもできる。
【0216】この場合、1番目の回折格子53での回折
条件は次式により表わされる。
【0217】
【数46】sinθ11=n1λ/Λ1 sinθ12=m1λ/Λ1
【0218】また、2番目の回折格子54での回折条件
は次式により表わされる。
【0219】
【数47】−sinθ21+sinθ11=n2λ/Λ2 −sinθ22+sinθ12=m2λ/Λ2
【0220】数46と数47とにより、次式が導かれ
る。
【0221】
【数48】sinθ21=λ(n2/Λ2−n1/Λ1) sinθ22=λ(m2/Λ2−m1/Λ1
【0222】また、θ21とθ22の角度の光による干渉縞
のピッチは次式で表される。
【0223】
【数49】Λ0=λ/(sinθ21+sinθ22
【0224】数48と数49とを用いてΛ1,Λ2とΛ0
との関係が次式のように求められる。
【0225】
【数50】 Λ0=1/[(n2+m2)/Λ2−(n1+m1)/Λ1
【0226】数50から、高次光を用いる場合にも、±
1次光を用いる場合と同様に、干渉縞のピッチΛ0は、
1番目の回折格子53のピッチΛ1と2番目の回折格子
54のピッチΛ2とにだけ関係し、光源からの光の波長
には全く無関係となり、光源1に半導体レーザのような
波長変化の大きい光源が用いられる場合でも、その波長
変化の影響を受けない。
【0227】なお、高次光の選び方としては、前述のよ
うに、2つの回折格子53,54からの2つの出射光が
ほぼ平行にならなければならないので、1番目の回折格
子53でのn1次光であって2番目の回折格子4でのm1
次光と、1番目の回折格子53でのn2次光であって2
番目の回折格子4でのm2次光との干渉では、Λ1≒Λ0
を例にとると、数30を満たさなければならない。
【0228】また、このように、2番目の回折格子54
の高次光を用いる場合、あるいは、1番目の回折格子5
3の高次光を用いる場合、回折格子の領域ua,ubの位
相差β1に対して、干渉縞の位相差β0は次式のようにな
る。すなわち、2番目の回折格子54のn2次光とm2
光を用いる場合には、2番目の回折格子54の位相のず
れに対して干渉縞の位相のずれが(n2−m2)倍となるこ
とから次式が導き出される。
【0229】
【数51】β0=(n2−m21
【0230】従って、β0=π/2とすると、β1=π/
[2(n2−m2)]となる。
【0231】ところで、例えば図13,図14のエンコ
ーダ装置では、各受光素子7a,7bから得られる正弦
波状信号は、図17に示したように、バイアス成分t1
が重畳した波形であるので、このままでは読み取りが誤
りやすい。換言すれば、この種の正弦波状信号は、谷と
山の比(t2/t1;アスペクト比)が大きいほど品質が
良いが、1つの受光素子7aまたは7bからの正弦波状
信号は、バイアス成分t1をもつため、この正弦波状信
号は良質のものとなっていない。
【0232】そこで、図45に示すように光を重ねた光
径(図では円とする)中に干渉縞の明暗を1個ずつ発生
させたときに、受光素子7a,7bの各々に対して、干
渉縞の明暗に相当する間隔(干渉縞のピッチΛ0の半分
Λ0/2)をへだてて、さらに、受光素子8a,8bを
配置し、受光素子7aと受光素子8aの出力の差,受光
素子7bと受光素子8bの出力の差をとるような構成と
することもできる。
【0233】図46は、図45の構成において、回折格
子53または54の一方の領域,例えばuaにおける受
光素子7aの出力信号a1,受光素子8aの出力信号a
2,2つの受光素子7a,8aの出力の差信号(a1−
a2)をそれぞれ示す図である。図46からわかるよう
に、受光素子7a,8aは、干渉縞のピッチの半分の間
隔で配置されているので、受光素子7a,8aの出力信
号a1,a2は、180゜の位相差となり、従って、受
光素子7a,8aの出力a1,a2の差をとり差信号
(a1−a2)とすることにより、バイアス成分t1
除去することができ、アスペクト比の高い良好な正弦波
状信号を得ることができる。受光素子7a,8aの出力
の差信号(a1−a2)と受光素子7b,8bの出力の
差信号(b1−b2)とは、図47に示すようになり、
(a1−a2),(b1−b2)を最終的な出力とする
ことによって、90゜の位相差をもつ良好なA相信号,
B相信号を得ることができて、より高精度に移動量を測
定することができる。また、この場合に、図48に示す
ように、受光素子7a,8a;7b,8bの幅Hを小さ
くすることにより、バイアス成分t1をさらに小さくす
ることができ、差信号の振幅を大きくすることができ
て、より一層、完全に近い良質な正弦波状信号を得るこ
とができる。但し、幅Hを小さくすると、受光量も減少
するので、受光素子7a,8a;7b,8bの幅Hにつ
いては、用途等に応じ、適当なものに設計するのが良
い。また、上述の例では、干渉縞の明暗に相当する間隔
(干渉縞のピッチの半分)をへだてて受光素子7a,8
a;7b,8bを配置したが、このような配置例に限ら
ず、種々の変形も可能である。
【0234】上述した各実施例のエンコーダ装置(リニ
アエンコーダ装置,ロータリーエンコーダ装置)では、
第1番目の回折格子3,23,33,43,53,6
3,73を固定し、第2番目の回折格子4,24,3
4,44,54,64,74を移動用としたが、第1番
目の回折格子3,23,33,43,53,63,73
を移動用とし(すなわち移動用回折格子とし)、第2番
目の回折格子4,24,34,44,54,64,74
を固定(すなわち固定用回折格子)とすることもでき
る。
【0235】さらには、第1番目の回折格子3,23,
33,43,53,63,73と第2番目の回折格子
4,24,34,44,54,64,74との両方を移
動用とし、第1番目の回折格子3,23,33,43,
53,63,73と第2番目の回折格子4,24,3
4,44,54,64,74との相対的な移動量等を測
定するよう構成することも可能である。
【0236】同様に、第4の実施例において、第1,第
2番目の回折格子53,54を移動用とし、第3番目の
回折格子86を固定用とすることもできる。
【0237】また、本発明は、光源1からの光を回折格
子に垂直入射させる場合に限定されず、垂直に入射させ
ない場合であっても適用可能である。
【0238】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至
求項3記載の発明によれば、2回回折光と2回透過光と
に基づいて回折格子の移動に関する情報を検出するよう
になっているので、光源からの光の波長が変化する場合
にも、感度を低下させることなく波長変化の影響を低減
することができ、回折格子の移動に関する情報を精度良
く測定することができる。また、請求項1乃至請求項3
記載の発明によれば、偏光の回転を利用して回折格子の
移動に関する情報を検出するようになっているので、完
全な正弦波状信号を得ることができ、高精度の測定を行
なうことができる。
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
【0243】
【0244】
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンコーダ装置の第1の実施例の
構成図である。
【図2】図1のエンコーダ装置の2つの回折格子からの
回折光,透過光を説明するための図である。
【図3】図1のエンコーダ装置において回折格子の移動
に伴なって移動する干渉縞に基づく光量変化を示す図で
ある。
【図4】図1のエンコーダ装置の変形例を示す図であ
る。
【図5】偏光の回転を用いたエンコーダ装置の他の構成
例を示す図である。
【図6】偏光の回転を用いるエンコーダ装置の他の構成
例を示す図である。
【図7】偏光の回転を用いるエンコーダ装置の他の構成
例を示す図である。
【図8】本発明に係る第1の実施例のエンコーダ装置の
さらに他の構成例を示す図である。
【図9】図8のエンコーダ装置における出力信号を示す
図である。
【図10】本発明に係る第1の実施例のエンコーダ装置
のさらに他の構成例を示す図である。
【図11】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図12】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図13】本発明に係るエンコーダ装置の第2の実施例
の構成図である。
【図14】図13のエンコーダ装置において、2つの回
折格子からの±1次光を用いる場合の構成を示す図であ
る。
【図15】図14に示す構成のエンコーダ装置の動作原
理を説明するための図である。
【図16】図14に示す構成のエンコーダ装置により発
生する干渉縞を説明するための図である。
【図17】図14に示す構成のエンコーダ装置の受光素
子から出力される信号を示す図である。
【図18】第2の実施例のより拡張されたエンコーダ装
置の構成例を示す図である。
【図19】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図20】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図21】本発明に係るエンコーダ装置の第3の実施例
の構成図である。
【図22】図21のエンコーダ装置の等価的な光学系を
示す図である。
【図23】点光源を説明するための図である。
【図24】図21のエンコーダ装置の変形例を示す図で
ある。
【図25】本発明に係るエンコーダ装置の第3の実施例
の構成図である。
【図26】図25のエンコーダ装置の等価的な光学系を
示す図である。
【図27】図25のエンコーダ装置の変形例を示す図で
ある。
【図28】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図29】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図30】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図31】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図32】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図33】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図34】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図35】本発明によるロータリーエンコーダ装置の構
成例を示す図である。
【図36】干渉縞のピッチの半分の間隔をへだてて2つ
の受光素子が配置されているエンコーダ装置の構成例を
示す図である。
【図37】図36の構成のエンコーダ装置の各受光素子
からの出力信号を示す図である。
【図38】図36の構成のエンコーダ装置において、各
受光素子の幅を小さくした状態を示す図である。
【図39】干渉縞のピッチの4分の1の間隔をへだてて
2つの受光素子が配置されているエンコーダ装置の構成
例を示す図である。
【図40】図39の構成のエンコーダ装置の各受光素子
からの出力信号を示す図である。
【図41】隣接する素子間の間隔が干渉縞のピッチの4
分の1となるように3つの受光素子が配置されているエ
ンコーダ装置の構成例を示す図である。
【図42】図41の構成のエンコーダ装置の各受光素子
からの出力信号を示す図である。
【図43】回折格子の構成例並びに干渉縞の発生例を示
す図である。
【図44】2つの回折格子からの高次光を用いる場合の
構成を示す図である。
【図45】干渉縞の方向に並置された受光素子の各々に
対し、干渉縞のピッチの半分を隔てて、さらに受光素子
が配置されているエンコーダ装置の構成例を示す図であ
る。
【図46】図45の構成のエンコーダ装置の一方の領域
における受光素子からの出力信号を示す図である。
【図47】図45のエンコーダ装置の最終的な出力信号
を示す図である。
【図48】図45のエンコーダ装置において、各受光素
子の幅を小さくした状態を示す図である。
【図49】従来のエンコーダ装置の構成例である。
【図50】図49のエンコーダ装置の2つの回折格子か
ら発生する回折光を説明するための図である。
【図51】図49のエンコーダ装置の2つの回折格子か
ら発生する回折光を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光源 2,9 レンズ 3,23,33,43,53,63,73 第1番
目の回折格子 4,24,34,44,54,64,74 第2番
目の回折格子 5 集光レンズ 7,27,37 受光素子 11,12 偏光板 13 ビ−ムスプリッタ 14 偏光ビ−ムスプリッタ 15 λ/4板 16 偏光ビ−ムスプリッタ 17a,17b 受光素子 18 偏光板 81 反射手段(ミラー) 82 分割手段(ビームスプリッタ) 84 反射手段 86 第3番目の回折格子 90 移動情報検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/38 G01B 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、光源からの光が入射する第1番
    目の回折格子と、第1番目の回折格子からの光が入射す
    る第2番目の回折格子と、前記第1番目の回折格子と前
    記第2番目の回折格子の少なくとも一方の回折格子の移
    動に関する情報を検出する移動情報検出手段とを有し、
    前記移動情報検出手段は、前記第1番目の回折格子から
    の回折光であって前記第2番目の回折格子においても回
    折する光(2回回折光)と、前記第1番目の回折格子か
    らの透過光であって前記第2番目の回折格子においても
    透過する光(2回透過光)とに基づいて回折格子の移動
    に関する情報を検出するようになっており、前記移動情
    報検出手段は、前記2回回折光と前記2回透過光とをそ
    れぞれ互いに直交する向きに直線偏光化する直線偏光化
    手段と、前記2回回折光の直線偏光と前記2回透過光の
    直線偏光とを重ね合せる重ね合せ手段と、重ね合せ手段
    によって重ね合された前記2回回折光の直線偏光と前記
    2回透過光の直線偏光とをそれぞれ回転方向の異なる円
    偏光に変換する円偏光変換手段と、円偏光変換手段から
    の光が入射し、入射した光を互いに直交する2つの偏光
    に分離する分離手段とを有し、分離手段によって分離さ
    れた2つの偏光の光量比を測定することによって、回折
    格子の移動に関する情報を検出するようになっているこ
    とを特徴とするエンコーダ装置。
  2. 【請求項2】 光源と、光源からの光が入射する第1番
    目の回折格子と、第1番目の回折格子からの光が入射す
    る第2番目の回折格子と、前記第1番目の回折格子と前
    記第2番目の回折格子の少なくとも一方の回折格子の移
    動に関する情報を検出する移動情報検出手段とを有し、
    前記移動情報検出手段は、前記第1番目の回折格子から
    の回折光であって前記第2番目の回折格子においても回
    折する光(2回回折光)と、前記第1番目の回折格子か
    らの透過光であって前記第2番目の回折格子においても
    透過する光(2回透過光)とに基づいて回折格子の移動
    に関する情報を検出するようになっており、前記第2番
    目の回折格子から互いに直交した直線偏光状態の2回回
    折光と2回透過光とが出射し、これらが重ね合される場
    合に、前記移動情報検出手段は、重ね合された前記2回
    回折光の直線偏光と前記2回透過光の直線偏光とをそれ
    ぞれ回転方向の異なる円偏光に変換する円偏光変換手段
    と、円偏光変換手段からの光を互いに直交する2つの偏
    光に分離する分離手段とを有し、分離手段によって分離
    された2つの偏光の光量比を測定することによって、回
    折格子の移動に関する情報を検出するようになっている
    ことを特徴とするエンコーダ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のエンコ−
    ダ装置において、前記第1番目の回折格子および前記第
    2番目の回折格子のピッチが、前記光源からの光の波長
    よりも小さいものとなっていることを特徴とするエンコ
    ーダ装置。
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