JP2772834B2 - 多層蛇腹管の製造方法 - Google Patents

多層蛇腹管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は多層蛇腹管の製造方法に関する。
(従来の技術) 多層蛇腹管は可撓性に富んでいて、外部からの衝撃を
吸収し、また振動吸収の機能をも有するために、自動車
の排気装置の配管、船舶のエンジン廻りの配管、空調関
係のポンプ、コンプレッサの配管などに広く使用されて
いる。
従来の多層蛇腹管は、実開昭62−47720号公報に開示
され、蛇腹管への適用が提案されているように、金属製
平板を所定の管径で且つその管壁が複数層になるように
重ね巻きしてなる複数層構造の排気管の周面に波付け成
形を施して作成されていた。
しかし、この方法で作成される蛇腹管9では、第6図
に示すように、巻終り側縁部1に浮き上り(剥離)を生
じ、外観を損ねて商品価値を低下させると共に、浮き上
りで生じた間隙2に異物が入り、異物侵入部に局部的応
力が印加されたり、或いは異物侵入部が腐蝕されたりし
て、蛇腹管の破壊を早めることもある。
そこで、この浮き上りを防止するために、実開昭62−
62086号公報において、1枚の金属薄板を多層に巻回
し、その最外周巻終端部を溶接した円筒体に、波付け成
形した多層ベローズ管が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) 前述の実開昭62−62086号公報で提案されている多層
ベローズ管では、最外周巻終端部が溶接されているの
で、巻終り側縁部に浮き上りを生じることはないが、溶
接によって巻終り側縁部が周面に固定しているため、多
層ベロース管の可撓性が低下する。
多層ベローズ管の可撓性が低下すると、振動や外部衝
撃によって多層ベローズ管が破損することがある。
本発明は、前述したような多層蛇腹管の現状に鑑みて
なされたものであり、その目的は簡単な工程で巻終り側
縁部での浮き上りのない多層蛇腹管を得る多層蛇腹管の
製造方法を提供することをその目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため本発明の第1の実施態様は、
金属薄板を所定の管径で管壁が複数層になるように巻回
して多層管体を形成せしめ、しかる後に多層管体の巻終
り側縁部を含む外周面に樹脂管を嵌装して固定し、かか
る状態で一体に多層管体の周面に波付き成形加工を行
い、ついで該波付き成形後にその外周より樹脂管を除去
して多層蛇腹管を得る多層蛇腹管の製造方法を特徴とす
るものである。
また本発明の第2の実施態様は、金属薄板を所定の管
径で管壁が複数層になるように巻回して多層管体を形成
せしめ、しかる後に多層管体の巻終り側縁部を含む外周
面に金属薄板を巻装して固定し、かかる状態で一体に多
層管体の周面に波付き成形加工を行い、ついで該波付き
成形後にその外周より金属薄板を除去して多層蛇腹管を
得る多層蛇腹管の製造方法を特徴とするものである。
さらに本発明の第3の実施態様は、金属薄板を所定の
管径で管壁が複数層になるように巻回して多層管体を形
成せしめ、しかる後に多層管体の巻終り側縁部を被って
粘着テープを貼着して固定し、かかる状態で一体に多層
管体の周面に波付き成形加工を行い、ついで該波付き成
形後に前記巻終り側縁部より粘着テープを除去して多層
蛇腹管を得る多層蛇腹管の製造方法を特徴とするもので
ある。
(作 用) 本発明によると、多層管体を巻終り側縁部を含む外周
面を樹脂管の嵌装あるいは金属薄板の巻装、または前記
巻終り側縁部を粘着テープの貼着による固定手段によっ
て固定した状態で、多層体に対して波付け成形を施すの
で、波付け成形によって巻終り側縁部が浮き上がらず、
高品質の多層蛇腹管が得られる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。第
1図乃至第3図は第1の実施例を説明する図で、第1図
に示すように、拡縮芯体3に1枚のステンレス等の薄金
属板4を密に所定の厚み(外径)になるまで巻回して多
層管体5を形成する。
この多層管体5に、多層管体5の外径よりも僅かに大
きな内径の樹脂管6を挿通させ、樹脂管6で多層管体5
の巻終り側縁部1を多層管体5の周面に固定する。
次いで、第2図に示すように、拡縮芯体3の外径を縮
小して同図の矢印方向に抜き取り、樹脂管6に挿通させ
た多層管体5に対して、公知の波付け成形機を使用し
て、波付け成形を施して、第3図(a)に示すように外
周を樹脂装8で被われた多層蛇腹管が形成され、外周か
ら樹脂層8を除去することにより、第3図(b)に示す
目的の多層蛇腹管9が得られる。
この多層蛇腹管9は、巻終り側縁部1を樹脂管6で周
面に固定した状態で波付け形成が行われているので、波
付け成形によって側縁部1が浮き上ることがなく、高品
質の製品が得られる。
第4図は、第2の実施例を説明する図で、第2の実施
例では拡縮芯体3に巻回された多層管体5の巻終り側縁
部1を、金属薄板10を多層管体5に巻回することによっ
て固定する。この状態から拡縮芯体3を抜き取って第1
の実施例と同様に、金属薄板10が巻回された多層管体5
に対して波付け成形を行い、金属薄板10を除去して、第
3図(b)に示す多層蛇腹管9が得られる。
第5図は、第3の実施例を説明する図で、第3の実施
例では拡縮芯体3に巻回された多層管体5の巻終り側縁
部1を、粘着テープ11を巻終り側縁部1を被って貼着す
ることにより固定する。第1の実施例と同様に、粘着テ
ープ11が貼着された多層管体5に対して波付け成形を行
い、粘着テープ11を除去して第3図(b)に示す多層蛇
腹管9が得られる。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明によると簡単な工
程で波付け成形時に多層体の巻終り側縁部に浮き上りが
生じない高品質の多層蛇腹管を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は、本発明の実施例を説明する図で、
第1図は第1の実施例の巻終り側縁部の固定時の斜視
図、第2図は第1の実施例の拡縮芯体抜取り時の斜視
図、第3図(a)は波付け成形時の断面図、第3図
(b)は製造された多層蛇腹管の断面図、第4図は第2
の実施例の巻終り側縁部の固定時の斜視図、第5図は第
3の実施例の巻終り側縁部の固定時の斜視図、第6図は
従来の多層蛇腹管の巻終り側縁部の浮き上りを示す断面
図である。 1……巻終り側縁部、2……間隙、3……拡縮芯体、4
……薄金属板、5……多層管体、6……樹脂管、8……
樹脂層、9……多層蛇腹管、10……金属薄板、11……粘
着テープ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属薄板を所定の管径で管壁が複数層にな
    るように巻回して多層管体を形成せしめ、しかる後に多
    層管体の巻終り側縁部を含む外周面に樹脂管を嵌装して
    固定し、かかる状態で一体に多層管体の周面に波付き成
    形加工を行い、ついで該波付き成形後にその外周より樹
    脂管を除去して多層蛇腹管を得ることを特徴とする多層
    蛇腹管の製造方法。
  2. 【請求項2】金属薄板を所定の管径で管壁が複数層にな
    るように巻回して多層管体を形成せしめ、しかる後に多
    層管体の巻終り側縁部を含む外周面に金属薄板を巻装し
    て固定し、かかる状態で一体に多層管体の周面に波付き
    成形加工を行い、ついで該波付き成形後にその外周より
    金属薄板を除去して多層蛇腹管を得ることを特徴とする
    多層蛇腹管の製造方法。
  3. 【請求項3】金属薄板を所定の管径で管壁が複数層にな
    るように巻回して多層管体を形成せしめ、しかる後に多
    層管体の巻終り側縁部を被って粘着テープを貼着して固
    定し、かかる状態で一体に多層管体の周面に波付き成形
    加工を行い、ついで該波付き成形後に前記巻終り側縁部
    より粘着テープを除去して多層蛇腹管を得ることを特徴
    とする多層蛇腹管の製造方法。
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