JP2770850B2 - 積層セラミックス素子 - Google Patents

積層セラミックス素子

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JP2770850B2
JP2770850B2 JP7281230A JP28123095A JP2770850B2 JP 2770850 B2 JP2770850 B2 JP 2770850B2 JP 7281230 A JP7281230 A JP 7281230A JP 28123095 A JP28123095 A JP 28123095A JP 2770850 B2 JP2770850 B2 JP 2770850B2
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ceramic
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秀明 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層セラミックス素
子に属し、特に、大電流が表面上に流れる性質をもつ積
層セラミックス素子に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の積層セラミックス素子は、図5
示すように、長方形を呈する有効内部電極1を含む内部
電極パターン4と、この内部電極パターン4の外側に設
けたセラミックスグレーンシート3とを有している。
【0003】有効内部電極1には角部分が存在してい
る。そして、この種の積層セラミックス素子には、急峻
なサージが入ったとき大電流は表面上に流れる性質をも
っており、全電極面がオン状態になる前に電極部分の角
部分に一時的に流れ込む。
【0004】また、従来の積層セラミックス素子は、
に示すように、理論上の内部電極パターン7から、角
取りによる湾曲された素体端部と内部電極パターン4端
部の最短距離t1を考慮している。
【0005】さらに、積層セラミックス素子は、角取り
による素体の形状において、図7に示すように酸化亜鉛
6素体に角部分が残っており外部電極5の膜厚t4が薄
くなっている。この外部電極5の膜厚t4の薄い部分
(t4<t5の関係)がある。なお、図8は従来の有効
内部電極の寸法を示している。
【0006】従来技術としては、特開平2−5501号
公報に酸化亜鉛を主成分としたシート間に内部電極を設
けて積層した積層型チップバリスタが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5
示した積層セラミックス素子は、全電極面がオン状態に
なる前に電極部分の角部分に一時的に流れ込んでしまう
局部的な電流集中及びコロナ放電破壊を引き起こすとい
う問題がある。
【0008】また、図6に示した積層セラミックス素子
は、長方形の内部電極パターン4の形成位置を素体の内
側へシフトするために有効内部電極面積を減少させると
いう問題がある。
【0009】さらに、図7に示した積層セラミックス素
子は、酸化亜鉛素体6に角部分が残っていると外部電極
5の膜厚t4が薄くなり、この外部電極5の膜厚t4の
薄い部分は半田付け性が弱くなるという問題がある。
【0010】それ故に本発明の課題は、局部的電流集中
及びコロナ放電破壊を防止でき、また、有効内部電極面
積を増大させることができるとともに精度の上がった均
一で厚い外部電極の膜厚を得ることで半田付け性を向上
させることができる積層セラミックス素子を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内部電
極が形成されたセラミックスシートを複数枚積層してな
る略矩形の積層セラミックス素子において、前記セラミ
ックスシートは4隅が角取りされた形状を有し、前記内
部電極はその周囲が、前記セラミックスシートの周囲か
ら等距離になる形状を有することを特徴とする積層セラ
ミックス素子が得られる。
【0012】また、本発明によれば、前記セラミックス
シート上に形成される前記内部電極を素体形状の湾曲に
合わせた内部電極パターンに形成したことを特徴とする
積層セラミックス素子が得られる。
【0013】また、本発明によれば、前記内部電極パタ
ーンが長方形であってかつ角部が湾曲していることを特
徴とする積層セラミックス素子が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】積層セラミックス素子の代表的な
製造方法は、まず主成分の酸化物に数種類の副成分を添
加した粉末を、混合し、仮焼した後、再粉砕を施して混
合粉末とする。次に、この混合粉末に数種類の有機溶媒
を加え、スラリー状にして成膜する。この膜に内部電極
を印刷した後、打ち抜き、これを一枚毎に左右反転させ
ながら適当枚数重ねて積層構造とした後、熱プレスをし
て圧着させる。更に、これを規定の大きさに切断し、脱
脂、焼結して焼結体を得て角取りを行う。これに外部電
極を塗布、焼付けをして積層セラミックス素子を得る。
【0015】本発明では、このような製造工程中、内部
電極を形成する工程において、セラミックスグリーンシ
ート上に形成される電極パターンを素体形状の湾曲に合
わせた電極パターン形成するものである。
【0016】以下、本発明の積層セラミックス素子の
実施の形態例について図を参照して説明する。本実施の
形態例は、積層セラミックチップバリスタとした場合の
例を示している。
【0017】図1を参照して、セラミックス素子は、長
方形を呈する有効内部電極1を含む内部電極パターン2
と、この内部電極パターン2の外側に設けたセラミック
スグリーンシート3とを有している。セラミックスシー
トは4隅が角取りされた形状を有し、前記内部電極はそ
の周囲が、前記セラミックスグリーンシートの周囲から
等距離になる形状を有する。
【0018】この積層セラミックス素子は、セラミック
スグリーンシート3上に形成される内部電極パターン2
を素体形状の湾曲に合わせた電極パターン2に形成され
ている。
【0019】積層セラミックス素子を形成するには、素
体形状の湾曲に合わせた内部電極パターン2をセラミッ
クスグリーンシート3に印刷する。そして、このセラミ
ックスグリーンシート3及び内部電極パターン2の無い
セラミックスグリーンシート3を所要枚数積層し、全体
を加熱プレスし、脱脂、焼結、角取り、外部電極塗布等
の必要な工程を経ると、積層セラミックチップバリスタ
が得られる。
【0020】なお、この積層セラミックチップバリスタ
は、図6に示した従来の内部電極パターン4と比較して
有効内部電極1に角部分がないため、急峻なサージが入
ったとき、全電極面がオン状態になり、電極の一部分に
流れ込んでしまう局部的電流集中及びコロナ放電破壊を
防止することから、従来の内部電極パターン4では電流
波形8/20μsの場合にサージ耐量にサージ耐量が6
0A〜100Aであるのに対してサージ耐量は100A
以上を有する。
【0021】また、第1の実施の形態例の内部電極形成
において、図2に示すように、従来の内部電極パターン
4の端部とセラミックスグリーンシート3の端部までの
距離t2の350μmを基準に、内部電極パターン2の
端部とセラミックスグリーンシート3の端部までの距離
t1′及びt3′とは全て350μmとして素体形状の
湾曲に合わせた内部電極パターン2を形成する。図4
この時の有効内部電極1の寸法を示しており、有効内部
電極1の面積S′=2.4mm2 となり、図8に示した
従来の有効内部電極S=2.2mm2 と比較して面積比
が1.1倍となるため、サージ耐量が1.1倍となる。
従来のサージ耐量が10Aの積層チップバリスタの場合
は11Aとなり、従来に比較して約10%のサージ耐量
向上となる。
【0022】さらに、第1の実施の形態例の内部電極形
成において、有効内部電極の面積が従来と同じになるよ
うに内部電極パターン2を形成し、角取りを遠心バレル
にて従来30分の処理を50分処理することで、図3に
示すように酸化亜鉛6素体に極端な凸部分がないため、
外部電極5の膜厚精度が上がり、図7に示した従来の外
部電極5の膜厚t4,t5=10μm〜40μmと比較
して、均一で厚い外部電極5の膜厚t4′,t5′=3
0μm〜40μmが得られるため、半田付けのときに従
来、外部電極膜厚10μm〜20μm部分で発生してい
た電極喰われを防止できる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、実施の形態例によって説明し
たように、セラミックスグリーンシート上に形成される
内部電極パターンを素体形状の湾曲に合わせた内部電極
パターン形成することにより、有効内部電極に角部分が
なくなり、局部的電流集中及びコロナ放電破壊を防止す
ることが可能となる。
【0024】また、従来、内部電極パターン形成してい
ない部分にも内部電極パターンを形成し、有効内部電極
面積を増大させることが可能となるため、一例として、
有効内部電極の場合、有効内部電極面積は従来パターン
と比較して1.1倍となるため、サージ耐量が向上す
る。
【0025】また、従来より内部電極パターン形成位置
を考慮し、かつ有効内部電極面積比を減らさずに素体の
角取りを充分処理することが可能となり、極端な凸部分
がないため、従来より外部電極膜厚の精度が上がり、均
一で厚い外部電極膜厚を得ることが可能となるため、積
層セラミックス素子の半田付け性を向上させるという効
果がある。
【0026】さらに、前記の実施例は積層セラミックチ
ップバリスタのみについて記述しているが、これ以外に
同様の構造をもつ積層セラミックス部品であれば同様の
効果があることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例におけてセラミックス
グリーンシート上に内部電極形成した状態を示す平面図
である。
【図2】図1において、従来の内部電極パターンの端部
と素体端部までの最短距離t2を基準に内部電極パター
ンの端部と素体端部までの距離は全てt2として素体形
状の湾曲に合わせた内部電極形成した状態を示す平面図
である。
【図3】本発明の一実施の形態例の積層セラミックチッ
プバリスタを示す横断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態例の有効内部電極寸法を
示す説明図である。
【図5】従来のセラミックスグリーンシート上に内部電
極を形成した状態を示す横平面図である。
【図6】従来のセラミックスグリーンシート上に内部電
極を形成した状態及び理論上の形成位置を示す平面図で
ある。
【図7】従来の積層セラミックチップバリスタの横断面
図である。
【図8】従来の有効内部電極寸法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 有効内部電極 2、4 内部電極パターン 3 セラミックスグリーンシート 5 外部電極 6 酸化亜鉛素体 7 理論上のパターン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部電極が形成されたセラミックスシー
    トを複数枚積層してなる略矩形の積層セラミックス素子
    において、前記セラミックスシートは4隅が角取りされ
    た形状を有し、前記内部電極はその周囲が、前記セラミ
    ックスシートの周囲から等距離になる形状を有すること
    を特徴とする積層セラミックス素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層セラミックス素子に
    おいて、前記セラミックスシート上に形成される前記内
    部電極を素体形状の湾曲に合わせた内部電極パターンに
    形成したことを特徴とする積層セラミックス素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の積層セラミックス素子に
    おいて、前記内部電極パターンが長方形であってかつ角
    部が湾曲していることを特徴とする積層セラミックス素
    子。
JP7281230A 1995-10-30 1995-10-30 積層セラミックス素子 Expired - Lifetime JP2770850B2 (ja)

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JPH09129416A JPH09129416A (ja) 1997-05-16
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0547511A (ja) * 1991-08-20 1993-02-26 Murata Mfg Co Ltd チツプバリスタ

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