JP2770508B2 - 耐摩摺動部材 - Google Patents
耐摩摺動部材Info
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- JP2770508B2 JP2770508B2 JP32110689A JP32110689A JP2770508B2 JP 2770508 B2 JP2770508 B2 JP 2770508B2 JP 32110689 A JP32110689 A JP 32110689A JP 32110689 A JP32110689 A JP 32110689A JP 2770508 B2 JP2770508 B2 JP 2770508B2
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- Japan
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- wear
- sliding member
- mos
- surface layer
- substrate
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- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐摩摺動部材に関する。
従来から、摺動部材等の表面にコーテイングを施すこ
とによつて、耐摩耗性や摺動特性を改善することが行な
われている。
とによつて、耐摩耗性や摺動特性を改善することが行な
われている。
例えば、摺動部材においては、摺動特性を改善するた
めに、基材表面に固体潤滑材である二硫化モリブデン
（MoS2）をコーテイングすることは良く知られており、
MoS2単体のほか２〜５％の四弗化エチレン（PTFE）を含
むMoS2及び２〜５％のPTFEを含むMoS2も使用されてい
る。
めに、基材表面に固体潤滑材である二硫化モリブデン
（MoS2）をコーテイングすることは良く知られており、
MoS2単体のほか２〜５％の四弗化エチレン（PTFE）を含
むMoS2及び２〜５％のPTFEを含むMoS2も使用されてい
る。
MoS2等の表面層は層状に滑つて基材の摺動耐摩特性を
向上させ、同時に基材の表面に存在する凹部を埋めて平
滑化する。しかし、MoS2等の表面層の厚さが基材１との
関係で何等制御されていなかつたので、表面層が薄い場
合には第３図に示すようにMoS22が滑つて基材１の凹部
５を埋めつくす前に基材１の凸部４が露出し、早期に摺
動耐摩特性が低下する欠点があつた。逆に表面層が薄い
場合には、MoS22が基材１の凹部５を埋め尽くして凹部
５と凸部４を共に覆うことが可能であるが、厚くなるほ
ど基材１への密着力が不足して表面層が剥離しやすくな
り、剥離個所から基材１の局部腐食が進行する問題があ
つた。
向上させ、同時に基材の表面に存在する凹部を埋めて平
滑化する。しかし、MoS2等の表面層の厚さが基材１との
関係で何等制御されていなかつたので、表面層が薄い場
合には第３図に示すようにMoS22が滑つて基材１の凹部
５を埋めつくす前に基材１の凸部４が露出し、早期に摺
動耐摩特性が低下する欠点があつた。逆に表面層が薄い
場合には、MoS22が基材１の凹部５を埋め尽くして凹部
５と凸部４を共に覆うことが可能であるが、厚くなるほ
ど基材１への密着力が不足して表面層が剥離しやすくな
り、剥離個所から基材１の局部腐食が進行する問題があ
つた。
又、切削工具や摺動部材においては、硬く耐摩耗性に
優れた窒化チタン（TiN）等の硬質セラミツクス膜を表
面に形成することも行なわれている。しかし、TiN2等の
硬質セラミツクス層は比較的脆いので、摺動時に凸部に
集中する荷重によつて破壊されやすく、基材の凸部が露
出して摺動耐摩特性が低下する欠点があつた。
優れた窒化チタン（TiN）等の硬質セラミツクス膜を表
面に形成することも行なわれている。しかし、TiN2等の
硬質セラミツクス層は比較的脆いので、摺動時に凸部に
集中する荷重によつて破壊されやすく、基材の凸部が露
出して摺動耐摩特性が低下する欠点があつた。
本発明はかかる従来の事情に鑑み、優れた摺動耐摩特
性を備え、且つ素材の局部腐食を防止できる耐摩摺動部
材を提供することを目的とする。
性を備え、且つ素材の局部腐食を防止できる耐摩摺動部
材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の耐摩摺動部材は、
基材と、基材表面上に直接形成した窒化チタン（TiN）
の下地層と、下地層上に形成した二硫化モリブデン（Mo
S2）又は二硫化モリブデンと四弗化エチレン（PTFE）の
混合物からなる表面層とを備え、表面層の厚さが基材の
表面粗さとしての最大高さの1/2以上であることを特徴
とする。
基材と、基材表面上に直接形成した窒化チタン（TiN）
の下地層と、下地層上に形成した二硫化モリブデン（Mo
S2）又は二硫化モリブデンと四弗化エチレン（PTFE）の
混合物からなる表面層とを備え、表面層の厚さが基材の
表面粗さとしての最大高さの1/2以上であることを特徴
とする。
本発明の耐摩摺動部材においては、第１図に示す如
く、基材１の表面層として潤滑性に優れたMoS22等を、
基材１の表面粗さとしての最大高さの1/2以上の厚さに
設けてある。尚、耐摩摺動部材として用いる基材の表面
粗さは通常5S（最大高さ５μｍ以下）であるから、MoS2
2等の表面層の厚さは数μｍ程度になる。
く、基材１の表面層として潤滑性に優れたMoS22等を、
基材１の表面粗さとしての最大高さの1/2以上の厚さに
設けてある。尚、耐摩摺動部材として用いる基材の表面
粗さは通常5S（最大高さ５μｍ以下）であるから、MoS2
2等の表面層の厚さは数μｍ程度になる。
このMoS22等の表面層は摺動時に層状に滑つて基材１
の凹部５を埋めるが、前記の如く基材１の表面粗さとし
ての最大高さの1/2以上の厚さに設けてあるので、第２
図に示すように基材１の凸部４を被覆した状態で表面が
平滑化され、優れた耐摩摺動特性を発揮する。
の凹部５を埋めるが、前記の如く基材１の表面粗さとし
ての最大高さの1/2以上の厚さに設けてあるので、第２
図に示すように基材１の凸部４を被覆した状態で表面が
平滑化され、優れた耐摩摺動特性を発揮する。
かかる表面層はMoS2の他に、MoS2とPTFEとの混合物で
も良いが、片方の混合割合を１〜10体積％の範囲とする
ことが好ましい。その理由は、MoS2又はPTFEの何れかが
１体積％未満では混合による効果がなく、逆にMoS2とPT
FEの何れかが10体積％を超えると均一な分散が困難とな
るからである。
も良いが、片方の混合割合を１〜10体積％の範囲とする
ことが好ましい。その理由は、MoS2又はPTFEの何れかが
１体積％未満では混合による効果がなく、逆にMoS2とPT
FEの何れかが10体積％を超えると均一な分散が困難とな
るからである。
更に、本発明の耐摩摺動部材は、第１図に示す如くMo
S22等からなる表面層の下にTiN3からなる下地層を設け
てあるので、仮にMoS22等の表面層が局部的に剥離した
場合でも、基材１はTiN3の下地層により保護されて局部
腐食を受けることがない。従つて、表面層であるMoS22
等が摩耗して基材１の凸部４が露出するまで、長期使用
が可能である。
S22等からなる表面層の下にTiN3からなる下地層を設け
てあるので、仮にMoS22等の表面層が局部的に剥離した
場合でも、基材１はTiN3の下地層により保護されて局部
腐食を受けることがない。従つて、表面層であるMoS22
等が摩耗して基材１の凸部４が露出するまで、長期使用
が可能である。
〔実施例〕 実施例１ 表面粗さ5Sのステンレス鋼SUS304の表面に、プラズマ
CVD法により下地層としてTiNを２〜３μｍの厚さに形成
した。このTiN下地層上に、表面層として５体積％のMoS
2を含むPTFEを10μｍの厚さにコーテイングして耐摩摺
動部材を得た。
CVD法により下地層としてTiNを２〜３μｍの厚さに形成
した。このTiN下地層上に、表面層として５体積％のMoS
2を含むPTFEを10μｍの厚さにコーテイングして耐摩摺
動部材を得た。
得られた耐摩摺動部材を、上記と同様の下地層及び表
面層を設けた相手材に2kg/mm2の荷重で押し付け、1000r
pmで回転させた。摩擦係数（μ）は0.06と小さく、５分
間の回転摺動によつても焼付は起こらず又摩耗も無かつ
た。
面層を設けた相手材に2kg/mm2の荷重で押し付け、1000r
pmで回転させた。摩擦係数（μ）は0.06と小さく、５分
間の回転摺動によつても焼付は起こらず又摩耗も無かつ
た。
実施例２ 表面粗さ1SのAl−Si合金の表面に、イオンプレーテイ
ング法により下地層としてTiNを２〜３μｍの厚さに形
成した。このTiN下地層上に、表面層として３体積％のP
TFEを含むMoS2を２〜３μｍの厚さにコーテイングして
耐摩摺動部材を得た。
ング法により下地層としてTiNを２〜３μｍの厚さに形
成した。このTiN下地層上に、表面層として３体積％のP
TFEを含むMoS2を２〜３μｍの厚さにコーテイングして
耐摩摺動部材を得た。
得られた耐摩摺動部材を、何等表面層を設けない丸棒
形状（直径10mm×長さ50mm）のSKD61の相手材に15kg/mm
2の荷重で押し付け、接触部の相対速度50m/secで５分間
のゴーリング（かじり）テストを行なつた。テストの結
果、焼付はなく、摩耗による重量減少は10-4g/cm2以下
と良好であつた。
形状（直径10mm×長さ50mm）のSKD61の相手材に15kg/mm
2の荷重で押し付け、接触部の相対速度50m/secで５分間
のゴーリング（かじり）テストを行なつた。テストの結
果、焼付はなく、摩耗による重量減少は10-4g/cm2以下
と良好であつた。
実施例３ 表面粗さ6SのSUS304の表面に、イオンプレーテイング
法により下地層としてTiNを２〜３μｍの厚さに形成し
た。このTiN下地層上に、表面層としてMoS2を15μｍの
厚さにコーテイングして耐摩摺動部材を得た。
法により下地層としてTiNを２〜３μｍの厚さに形成し
た。このTiN下地層上に、表面層としてMoS2を15μｍの
厚さにコーテイングして耐摩摺動部材を得た。
得られた耐摩摺動部材を、アルミナからなる相手材に
5kg/mm2の荷重で押し付け、2000rpmで回転させた。摩擦
係数（μ）は0.08と小さく、時間の回転摺動によつても
焼付が起こらず又摩耗も殆ど無かつた。
5kg/mm2の荷重で押し付け、2000rpmで回転させた。摩擦
係数（μ）は0.08と小さく、時間の回転摺動によつても
焼付が起こらず又摩耗も殆ど無かつた。
本発明によれば、摺動によつてMoS2等の表面層が基材
の凹凸を埋めて平滑化し且つTiNの下地層が基材を保護
して局部腐食を防止するので、優れた摺動耐摩特性を長
期間維持する耐摩摺動部材を提供することが出来る。
の凹凸を埋めて平滑化し且つTiNの下地層が基材を保護
して局部腐食を防止するので、優れた摺動耐摩特性を長
期間維持する耐摩摺動部材を提供することが出来る。
第１図は本発明の耐摩摺動部材の基本構成を示した断面
図であり、第２図は本発明の耐摩摺動部材の摺動後にお
ける状態を示した断面図であり、第３図は従来の摺動部
材の摺動後の状態を示した断面図である。 １……基材、２……MoS2 ３……TiN、４……凸部 ５……凹部
図であり、第２図は本発明の耐摩摺動部材の摺動後にお
ける状態を示した断面図であり、第３図は従来の摺動部
材の摺動後の状態を示した断面図である。 １……基材、２……MoS2 ３……TiN、４……凸部 ５……凹部
Claims (1)
- 【請求項１】基材と、基材表面上に直接形成した窒化チ
タンの下地層と、下地層上に形成した二硫化モリブデン
又は二硫化モリブデンと四弗化エチレンの混合物からな
る表面層とを備え、表面層の厚さが基材の表面粗さとし
ての最大高さの1/2以上であることを特徴とする耐摩摺
動部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32110689A JP2770508B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 耐摩摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32110689A JP2770508B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 耐摩摺動部材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03183775A JPH03183775A (ja) | 1991-08-09 |
| JP2770508B2 true JP2770508B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=18128889
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32110689A Expired - Lifetime JP2770508B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 耐摩摺動部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2770508B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100613017B1 (ko) * | 1998-06-02 | 2006-08-14 | 페데랄-모굴 비스바덴 게엠베하 운트 코. 카게 | 평베어링과 그의 제조방법 |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19523550A1 (de) * | 1995-06-28 | 1997-01-02 | Hauzer Holding | PVD-Hartstoffbeschichtung |
| GB9625916D0 (en) * | 1996-12-13 | 1997-01-29 | Gencoa Limited | Low friction coating |
| US6827976B2 (en) * | 1998-04-29 | 2004-12-07 | Unaxis Trading Ag | Method to increase wear resistance of a tool or other machine component |
| DE19848025B4 (de) * | 1998-10-17 | 2015-02-05 | Oerlikon Trading Ag, Trübbach | Verfahren zur Oberflächenbehandlung von Werkzeugen und Werkzeuge mit behandelter Oberfläche |
| DE102005055366A1 (de) * | 2004-12-10 | 2006-06-14 | Mahle International Gmbh | Pleuel für einen Verbrennungsmotor und Verfahren zur Beschichtung seiner Gleitlagerflächen |
| JP5196495B2 (ja) * | 2009-06-11 | 2013-05-15 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 摺動用構造部材及びその製造方法 |
| JP5334052B2 (ja) * | 2009-06-11 | 2013-11-06 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 構造部材およびその製造方法 |
| JP5939928B2 (ja) * | 2012-08-06 | 2016-06-22 | 大同メタル工業株式会社 | すべり軸受 |
-
1989
- 1989-12-11 JP JP32110689A patent/JP2770508B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100613017B1 (ko) * | 1998-06-02 | 2006-08-14 | 페데랄-모굴 비스바덴 게엠베하 운트 코. 카게 | 평베어링과 그의 제조방법 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03183775A (ja) | 1991-08-09 |
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