JP2001200849A - 摺動部材及び組み合わされた2つの摺動部材 - Google Patents

摺動部材及び組み合わされた2つの摺動部材

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JP2001200849A
JP2001200849A JP2000010596A JP2000010596A JP2001200849A JP 2001200849 A JP2001200849 A JP 2001200849A JP 2000010596 A JP2000010596 A JP 2000010596A JP 2000010596 A JP2000010596 A JP 2000010596A JP 2001200849 A JP2001200849 A JP 2001200849A
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thin film
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JP2000010596A
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Yoshio Fuwa
良雄 不破
Kurato Maeda
蔵人 前田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐摩耗性に優れ、しかも相手部材に
対する攻撃性の低減や、加工コストの低減(前記鏡面仕
上げ加工を施した場合の加工コストに比べ)を達成でき
る摺動部材及び組み合わされた2つの摺動部材を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】本発明の摺動部材は、相手部材7の摺動面
70に当接して相対的に摺動する摺動面40aを備えた
摺動部材1Aであって、該摺動部材1Aは、基材2と、
基材2上に形成された下層ダイヤモンド薄膜3と、下層
ダイヤモンド薄膜3の表面30に形成されたダイヤモン
ド粒子6を含有した上層被膜4aからなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相手部材に当接し
た状態で繰り返し摺動する摺動部材及び、互いに当接し
た状態で繰り返し摺動する組み合わされた2つの摺動部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6ー294307号公報には、摺
動部材の耐摩耗性向上を目的として基材表面にダイヤモ
ンド薄膜を形成した場合、その摺動面としての耐摩耗性
に優れる反面、表面粗さ〔Rz(以下同じ)〕1μm以
上となり、相手材の摺動面に対し攻撃性が高くなるた
め、ダイヤモンド薄膜の凹凸の凹部に軟質金属を埋め込
み、相手材のアブレッシブ摩耗を低減することが開示さ
れている。
【0003】また、例えば、摺動部材の攻撃性が高い場
合には、相手材のアブレッシブ摩耗が激しく、削り取ら
れた多量の微粉末が互いの摺動面に付着して焼付を発生
する可能性があることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6ー294
307号公報に開示された摺動部材は、ダイヤモンド薄
膜の凹凸の凹部に埋め込まれた軟質金属の作用によって
相手材の摺動面に対する攻撃性を低減するものである
が、軟質金属が両摺動面(摺動部)を膜状に覆わない場
合には、表面粗さ1μm以上のダイヤモンド薄膜が直
接、相手材の摺動面に接触するため、攻撃性を低減する
に至らず、なお改善の余地がある。
【0005】そこで、前記攻撃性を低減するためには、
例えば、基材の表面や、ダイヤモンド薄膜の表面など
に、鏡面仕上げ(鏡面研摩)加工を施し、それぞれ表面
粗さ0.1μm以下とすれば改善できると考えられる
が、加工コスト面で不利となる。
【0006】本発明は、前記事情に鑑みなされたもの
で、耐摩耗性に優れ、しかも相手部材に対する攻撃性の
低減や、加工コストの低減(前記鏡面仕上げ加工を施し
た場合の加工コストに比べ)を達成できる摺動部材及び
組み合わされた2つの摺動部材を提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明の摺動部材は、
相手部材の摺動面に当接して相対的に摺動する摺動面を
備えた摺動部材であって、該摺動部材は、基材と、該基
材上に形成された下層ダイヤモンド薄膜と、該下層ダイ
ヤモンド薄膜の表面に形成されたダイヤモンド粒子を含
有した上層被膜からなることを特徴とする。
【0008】第2発明の組み合わされた2つの摺動部材
は、互いに当接して相対的に摺動する摺動面を備えた一
方及び他方の2つの摺動部材であって、一方の該摺動部
材は、基材と、該基材上に形成された硬質炭素被膜とか
らなり、他方の該摺動部材は、基材と、該基材上に形成
されたダイヤモンド粒子を含有する被膜とからなること
を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】第1発明の摺動部材は、基材と、
基材上に順に形成された下層ダイヤモンド薄膜と、上層
被膜からなる。
【0010】このため、第1発明の摺動部材は、相手部
材と対向する位置で当接させ、相対移動させた初期摺動
時に、前記上層被膜の表面が相手部材の表面とともに初
期摺動面として作用する。
【0011】この場合、互いに摺動する、摺動部材の上
層被膜と、相手部材の表面とは、相互の摺動領域(微細
凹凸の凸頂部分)が削り取られて平坦化してなじみ、か
つ部分的に上層被膜より露出した下層ダイヤモンド薄膜
が上層被膜とともに相手部材の摺動面と摺動する状態が
得られ実用に適するものとなる。
【0012】従って、第1発明の摺動部材は、実用時に
硬い摺動面を形成する領域に、従来のような鏡面仕上げ
加工を施すことなく攻撃性を低減できるとともに、鏡面
仕上げ加工を施こさずに済む分、摺動面を形成する領域
の仕上げ加工コストを低減できる。
【0013】基材としては、例えば超硬合金や、鋼に窒
化処理したものや、セラミックなど、表面がHv(ビッ
カースかたさ)300のものを用いることができるが、
Hv500以上のものを用いることが好ましい。
【0014】基材の表面の仕上げ表面粗さ〔Rz(以
下、同じ)〕としては、鏡面加工と比べコスト面で有利
な0.2μmほどである。
【0015】下層ダイヤモンド薄膜は、前記基材の表面
に公知のプラズマCVD法により気相合成ダイヤモンド
として形成したものなどを用いることができる。
【0016】下層ダイヤモンド薄膜は、基材の表面に直
接形成することや、あるいは基材の表面への密着性をさ
らに高めるため、例えば、シリコンなどの中間層を介し
て間接的に形成することができる。
【0017】下層ダイヤモンド薄膜の厚さは、0.5μ
m〜20μmであることが望ましい。この理由として
は、前記厚さが0.5μm未満であると耐久性が不足
し、20μmを超過するとコスト面で不利となったり、
面粗さが大きくなるからである。
【0018】上層被膜の厚さは、0.5μm〜5μmの
範囲であることが望ましい。この理由としては、0.5
μm未満であると、相手部材の摺動面を研摩する機能が
得られず、かつ相手部材の摺動面とのなじみ状態が低
い。また、前記5μmを超過するとコスト面で不利なも
のとなる。
【0019】上層被膜に含有されるダイヤモンド粒子の
粒径は、0.1μm〜2μmであることが望ましい。こ
の理由としては、0.1μm未満であると、相手部材を
研摩する効果が得られず、2μmを超過すると相手部材
を過剰に摩耗するからである。
【0020】上層被膜に含有されるダイヤモンド粒子の
分散量は、0.1wt%〜10wt%の範囲であること
が望ましい。この理由としては、0.1wt%未満であ
ると、相手部材の摺動面を研摩する機能が得られず、か
つ相手部材の摺動面とのなじみ状態が低い。また、10
wt%を超過するものであると、摩擦係数が増え相手部
材の摺動面に対する攻撃性が高く、かつ相手部材の摺動
面の摩耗を早める。
【0021】上層被膜は、ダイヤモンド粒子を含有した
樹脂コーティング層あるいはダイヤモンド粒子を含有し
ためっき層で形成することができる。
【0022】樹脂コーティング層は、下層ダイヤモンド
薄膜の表面に、ダイヤモンド粒子を含有するコーティン
グ材をスプレーした後、焼き付けることによって形成で
きる。
【0023】コーティング材としては、例えば、ポリイ
ミド樹脂や、ポリアミドイミド樹脂などをマトリックス
とし、固体潤滑剤〔(MoS2 )、ポリテトラフルオロ
エチレン、グラファイト等〕を最大30wt%含んだも
のを用いることができる。
【0024】めっき層は、例えば、ダイヤモンド粒子
(平均粒径1μm、5wt%)を分散、調整されたメッ
キ液及びNi、NiーP、Fe、FeーPなどの金属を
用い、無電解・化学めっきを下層ダイヤモンド薄膜の表
面に施したり、電解折出法などを用いることにより形成
できる。
【0025】第2発明の組み合わされた2つの摺動部材
は、互いに当接して相対的に摺動する摺動面を備えた一
方及び他方の2つの摺動部材からなる。一方及び他方の
2つの摺動部材は、いずれかが相手部材となる。
【0026】このため、第2発明の一方の摺動部材及び
他方の摺動部材は、対向する位置で当接させ、相対移動
させた初期摺動時に、一方の摺動部材の硬質炭素皮膜
と、他方の摺動部材のダイヤモンド粒子を含有する被膜
とが互いに相対的に摺動する初期摺動面として作用す
る。
【0027】この場合、一方の摺動部材の硬質炭素皮膜
と、他方の摺動部材のダイヤモンド粒子を含有する被膜
とは、相互の摺動領域(微細凹凸の凸頂部分)が削り取
られて平坦化してなじみ、かつ前記硬質炭素皮膜の平坦
化した領域と、前記被膜の平坦化した領域とで摺動する
境界部が形成され実用に適するものとなる。
【0028】従って、第2発明の一方の摺動部材及び他
方の摺動部材は、実用時に硬い摺動面を形成する領域
に、従来のような鏡面仕上げ加工を施すことなく攻撃性
を低減できるとともに、鏡面仕上げ加工を施こさずに済
む分、摺動面を形成する領域の仕上げ加工コストを低減
できる。
【0029】前記一方及び他方の2つの摺動部材の基材
は、前記第1発明の摺動部材の基材と同じものを用いる
ことができる。
【0030】一方の摺動部材の基材上に形成された硬質
炭素被膜は、ダイヤモンド薄膜あるいはダイヤモンドラ
イクカーボン薄膜を用いることができる。
【0031】ダイヤモンド薄膜は、第1発明の下層ダイ
ヤモンド薄膜と同じものを用いることができる。
【0032】ダイヤモンドライクカーボン薄膜の厚さ
は、0.5μm〜20μmであることが望ましい。この
理由としては、前記厚さが0.5μm未満であると耐久
性が不足し、20μmを超過するとコスト面で不利とな
ったり、面粗さが大きくなるからである。
【0033】ダイヤモンドライクカーボン膜としては、
Si、Ti、W、Cr、Me、Nb、Vなどの元素を含
んだものを用いることができる。
【0034】他方の摺動部材の基材上に形成されたダイ
ヤモンド粒子を含有する被膜は、第1発明の上層被膜と
同じものを用いることができる。
【0035】
【実施例】(実施例1)第1発明の摺動部材における実
施例1を図1及び図2に基づき説明する。
【0036】図1に示す実施例1の摺動部材1Aは、基
材2と、基材2の表面20上に順に形成された下層ダイ
ヤモンド薄膜3と、上層被膜としての樹脂コーティング
層4aとからなる。
【0037】基材2は、鋼(S45C)を窒化処理した
後、表面仕上げ加工を施こしたものであり、表面粗さ
〔Rz(以下同じ)〕0.3μm、Hv600の表面2
0を備える。
【0038】下層ダイヤモンド薄膜3は、基材2の表面
20に公知のプラズマCVD法を施し厚さ2μmに形成
された後、表面粗さ0.3μmとなるように仕上加工さ
れた表面30を備える。
【0039】樹脂コーティング層4aは、下層ダイヤモ
ンド薄膜3の表面30に後記のようにして厚さ2μmに
形成されたもので、樹脂コーティング材5a及び樹脂コ
ーティング材5a中に含有されたダイヤモンド粒子6か
らなる。
【0040】樹脂コーティング層4aは、以下に示すよ
うに形成される。すなわち、まず、ダイヤモンド粒子6
を含有する液状樹脂コーティング材が調整される。液状
樹脂コーティング材は、結合材としてのポリアミドイミ
ド樹脂に、溶剤(nーメチルー2ピロリドン)を配合し
て溶解した後、ダイヤモンド粒子(平均粒径1μm、5
wt%)と固体潤滑剤(ポリテトラフルオロエチレン)
5wt%を加え、攪拌を行うことにより得られる。
【0041】ついで予め、アルカリ脱脂処理が施された
基材2の表面20に、エアスプレーにて前記液状樹脂コ
ーティング材を吹き付け、0.5時間乾燥した後、18
0℃×90分の条件で焼成し、硬化させることにより樹
脂コーティング層4aを形成した。
【0042】この実施例1の摺動部材1Aは、基材2の
表面20上に下層ダイヤモンド薄膜3と樹脂コーティン
グ層4aとが順に形成されいるため、相手部材7(図1
参照)と対向する位置で当接させ、矢印Y1、Y2方向
(図2参照)に相対移動させた初期摺動時に、前記樹脂
コーティング層4aの表面40aが相手部材7の摺動面
70とともに初期摺動面として作用する。
【0043】この場合、互いに摺動する、摺動部材1A
の樹脂コーティング層4aと、相手部材7の摺動面70
とは、相互の摺動領域(微細凹凸の凸頂部分41a及び
71)が削り取られて平坦化してなじみ、かつ実用に適
するものとなる。
【0044】すなわち、図2に示されるように、樹脂コ
ーティング層4aより露出した下層ダイヤモンド薄膜3
が樹脂コーティング層4aとともに相手部材7の摺動面
70と摺動する状態が得られる。
【0045】なお、樹脂コーティング層4aの微細凹凸
の凸頂部分41aが削り取られて平坦化し、下層ダイヤ
モンド薄膜3が相手部材7の摺動面70と摺動する状態
となるまでの前記初期摺動に必要とする時間は、初期摺
動条件、荷重1500N、回転数160rpmで約10
分であった。
【0046】前記初期摺動後における摺動部材1Aは、
実用摺動時において、下層ダイヤモンド薄膜3よりも硬
度の低い樹脂コーティング層4aが下層ダイヤモンド薄
膜3とともに、相手部材7の摺動面70と摺動する境界
部S(図2参照)を形成する。
【0047】このため、下層ダイヤモンド薄膜3が単独
で相手部材7の摺動面70と摺動する場合と比べ摩擦係
数が小さく、かつ攻撃性を低減でき、相手部材7の摩耗
量を低下し、それぞれ自身の耐摩耗性を向上し得る。
【0048】さらに、摺動部材1Aによると、基材2の
表面20及び下層ダイヤモンド薄膜3の表面30に、前
記従来のように、コスト面で不利な鏡面仕上げ加工を必
要としないため、加工コストを低減できる。
【0049】(実施例2)第1発明の摺動部材における
実施例2を図3及び図4に基づき説明する。
【0050】図4に示す実施例2の摺動部材1Bは、基
材2と、基材2の表面20上に順に形成された下層ダイ
ヤモンド薄膜3と、上層被膜としてのめっき層4bとか
らなる。
【0051】実施例2の摺動部材1Bは、実施例1の摺
動部材1Aにおける、上層被膜としての樹脂コーティン
グ層4aの代わりに、めっき層4bを用いたこと以外
は、前記摺動部材1Aの構成と同じである。
【0052】めっき層4bは、下層ダイヤモンド薄膜3
の表面30に後記のようにして厚さ2μmに形成された
もので、NiーPめっき金属5b及びNiーPめっき金
属5b中に含有されたダイヤモンド粒子6からなる。
【0053】樹脂コーティング層4aは、以下に示すよ
うに形成される。すなわち、まず、めっき層4bは、以
下に示すように形成される。すなわち、まずNi:P=
97:3のめっき液中にダイヤモンド粒子6(平均粒径
1μm、5wt%)を分散、調整した後、前記基材2の
下層ダイヤモンド薄膜3を浸漬して無電解・化学めっき
を施し、次いで250℃×1hrの熱処理を行うことに
より得られる。なお、めっき層4bは、Hv700であ
る。
【0054】実施例2の摺動部材1Bによると、前記め
っき層4bが、実施例1の摺動部材1Aの樹脂コーティ
ング層4aと同じ機能を果たすため、前記実施例1の場
合と同じ効果が得られる。
【0055】(比較例との対比)前記実施例1、2の効
果を確認するため、それぞれ前記摺動動部材1A、1B
の構成を備えた長さ16mm、幅6mm、厚さ10mm
の長方形で一方の面を摺動平面(長さ16mm、幅6m
m)とした平板試験片を用い、また、前記相手部材7の
構成を備えた外径35mm、内径30mm、長さ10m
mの円筒状でその外周面を摺動円周面とした円筒試験片
を用いた試験例1(実施例1の場合)及び試験例2(実
施例2の場合)を後記する比較例1、2、3とともに以
下の条件で試験摩擦摩耗試験を実施し、それぞれその結
果を図5及び図6に対比して示す。
【0056】条件:平板試験片及び円筒試験片を摩耗試
験機にセットし、摺動平面と摺動円周面の接触部に常温
の潤滑油〔キャッスルモータオイル5W−30(商品
名)〕を供給しつつ、荷重1500N、円筒試験片の回
転数160rpmで1時間の摩擦摩耗試験を行い、平板
試験片の摩耗量μm(摩耗深さ)と円筒試験片の摩耗量
mg(試験前後の重量差)を求めた。
【0057】(比較例1)比較例1の平板試験片は、基
材として鋼(S45C)を用いて形成され窒化処理後、
鏡面仕上加工が施こされたものであり、表面粗さ0.0
1μm、Hv600の表面を備える。
【0058】そしてこの基材の表面に公知のプラズマC
VD法により厚さ2μmのダイヤモンド薄膜を形成し、
表面粗さ0.01μmとなるように鏡面仕上加工を施し
た。さらに、その表面を前記相手部材として形成した円
筒試験片(前記実施例1、2の試験例の場合と同じ)の
摺動円周面に当接して相対的に摺動する摺動平面として
用い、摩擦摩耗試験を実施し、図5に平板試験片の結果
A3を示し、図6に円筒試験片の結果B3を示した。
【0059】(比較例2)比較例2の平板試験片は、基
材として鋼(S45C)を用いて形成され窒化処理後、
表面仕上げ加工が施こされたものであり、表面粗さ0.
3μm、Hv600の表面を備える。
【0060】そしてこの基材の表面に公知のプラズマC
VD法により厚さ2μmのダイヤモンド薄膜を形成し、
表面粗さ0.3μmとなるように仕上加工を施した。さ
らに、その表面を前記相手部材として形成した円筒試験
片(前記実施例1、2の試験例の場合と同じ)の摺動円
周面に当接して相対的に摺動する摺動平面として用い、
摩擦摩耗試験を実施し、図5に平板試験片の結果A4を
示し、図6に円筒試験片の結果B4を示した。
【0061】(比較例3)比較例3の平板試験片は、基
材として鋼(S45C)を用いて形成され窒化処理後、
表面仕上げ加工が施こされたものであり、表面粗さ0.
2μm、Hv600の表面を備える。
【0062】そしてこの基材の表面を前記相手部材とし
て形成した円筒試験片(前記実施例1、2の試験例の場
合と同じ)の摺動円周面に当接して相対的に摺動する摺
動平面として用い、摩擦摩耗試験を実施し、図5に平板
試験片の結果A5を示し、図6に円筒試験片の結果B5
を示した。
【0063】(摩擦摩耗試験結果)平板試験片の摩擦量
(図5参照)においては、試験例1のA1及び試験例2
のA2のように、比較例1のA3及び比較例2のA4に
近いものとなり、かつ比較例3のA5よりも、大幅に低
減できることが判明した。
【0064】円筒試験片の摩擦量(図6参照)において
は、試験例1のB1及び試験例2のB2のように、比較
例1のB3、比較例2のB4、比較例3のB5よりも、
大幅に低減できることが判明した。
【0065】次に、前記実施例1、2と、比較例1、
2、3における耐焼付性の向上及び摩擦係数の低減効果
を確認するための摩耗試験を行った結果を以下に記載す
る。
【0066】実施例1、2及び比較例1、2、3の各平
板試験片の摺動面と各円筒試験片の摺動面との摩擦係数
μ=0.15以上になる焼付荷重(N)を測定した結果
を表1の左欄に示し、平板試験片の摺動面と円筒試験片
の摺動面との荷重が2000Nでの摩擦係数μを表1の
右欄に示した。
【0067】なお、この摩耗試験は、円筒試験片を回転
数160rpmにて回転させつつ、平板試験片の円筒試
験片への押圧荷重を200Nから(200N毎、5分保
持)しつつ、5000Nまで増加させる途中経過の摩耗
特性の変化により焼付荷重を測定するとともに、一定の
押圧荷重(2000N)での摩擦係数を測定した。
【0068】
【表1】
【0069】この結果、実施例1、2の場合には、表1
の左欄からも明らかなように、比較例1、2、3の場合
よりも耐焼付性に優れ、かつ耐焼付性を向上でき、また
表1の右欄からも明らかなように、摩擦係数の低減効果
が得られることを確認できた。
【0070】(実施例3)第2発明の組み合わされた2
つの摺動部材を実施例3として図7及び図8に基き第1
摺動部材1C及び第2摺動部材1Dとを組み合わた場合
で説明する。
【0071】第1摺動部材1Cは、基材2cと、基材2
cの表面20c上に硬質炭素層として形成されたダイヤ
モンド薄膜4cとからなる。
【0072】基材2cは、鋼(S45C)を用いて形成
され窒化処理後、表面仕上げ加工が施こされたものであ
り、表面粗さ0.2μm、Hv600の表面20cを備
える。
【0073】ダイヤモンド薄膜4cは、基材2cの表面
20cに公知のプラズマCVD法を施し厚さ2μmに形
成された後、表面粗さ0.2μmとなるように仕上加工
された表面41cを備える。
【0074】第2摺動部材1Dは、基材2dと、基材2
dの表面20d上にダイヤモンド粒子5を含有する被膜
として形成された樹脂コーティング層4dとからなる。
【0075】基材2dは、鋼(S45C)を用いて形成
されたものであり、窒化処理後、表面仕上げ加工が施こ
され、表面粗さ1.2μm、Hv600の表面20dを
備える。
【0076】樹脂コーティング層4dは、基材2dの表
面20dに後記のようにして厚さ3μmに形成されたも
ので、樹脂コーティング材5a及び樹脂コーティング材
5a中に含有された所定量のダイヤモンド粒子6からな
る。
【0077】樹脂コーティング層4dは、以下に示すよ
うに形成される。すなわち、まず、ダイヤモンド粒子6
を含有する液状樹脂コーティング材が調整される。液状
樹脂コーティング材は、結合材としてのポリアミドイミ
ド樹脂に、溶剤(nーメチルー2ピロリドン)を配合し
て溶解した後、ダイヤモンド粒子(平均粒径1μm、5
wt%)と固体潤滑剤(ポリテトラフルオロエチレン)
5wt%を加え、攪拌を行うことにより得られる。
【0078】ついで予め、アルカリ脱脂処理が施された
基材2dの表面20dに、エアスプレーにて前記液状樹
脂コーティング材を吹き付け、0.5時間乾燥した後、
180℃×90分の条件で焼成し、硬化させることによ
り樹脂コーティング層4dを形成した。
【0079】この実施例3の第1摺動部材1C及び第2
摺動部材1Dは、対向する位置(図7参照)で当接さ
せ、矢印Y1、Y2方向(図8参照)に相対移動させた
初期摺動時に、第1摺動部材1Cのダイヤモンド薄膜4
cと、第2摺動部材1Dの樹脂コーティング層4dとが
互いに相対的に摺動する初期摺動面として作用する。
【0080】この場合、第1摺動部材1Cのダイヤモン
ド薄膜4cと、第2摺動部材1Dの樹脂コーティング層
4dとは、相互の摺動領域(微細凹凸の凸頂部分41c
及び41d)が削り取られて平坦化してなじみ、かつ実
用に適するものとなる。
【0081】すなわち、図8に示されるように、第1摺
動部材1Cのダイヤモンド薄膜4cが削り取られて平坦
化した領域と、第2摺動部材1Dの樹脂コーティング層
4dが削り取られて平坦化した領域とで摺動する境界部
S(図8参照)を形成する。
【0082】なお、ダイヤモンド薄膜4cの微細凹凸の
凸頂部分41c及び樹脂コーティング層4dの微細凹凸
の凸頂部分41dが削りとられ、前記境界部S(図8参
照)を形成する状態となるまでの前記初期摺動に必要と
する時間は、初期摺動条件、荷重1500N、回転数1
60rpmで約10分であった。
【0083】このように、前記初期摺動後における第1
摺動部材1Cのダイヤモンド薄膜4c及び第2摺動部材
1Dの樹脂コーティング層4dは、実用摺動時におい
て、前記初期摺動時に削りとられて平坦化してなじんで
摺動する境界部S(図2参照)を形成する。
【0084】このため、第1摺動部材1C及び第2摺動
部材1Dとは、前記初期摺動以降の実用摺動時におい
て、摩擦係数が小さく、かつ相互の攻撃性及び摩耗量を
低下し、それぞれ自身の耐摩耗性を向上し得る。
【0085】さらに、第1摺動部材1C及び第2摺動部
材1Dによると、基材2cの表面20cとダイヤモンド
薄膜4cの表面40c及び基材2dの表面20dと及び
樹脂コーティング層4dの表面40dに、前記従来のよ
うに、コスト面で不利な鏡面仕上げ加工を必要としない
ため、加工コストを低減できる。
【0086】(実施例4)第2発明の組み合わされた2
つの摺動部材を実施例4として図9及び図10に基づき
実施例3で用いた第1摺動部材1C及び第2摺動部材1
Eを組み合わた場合で説明する。
【0087】実施例4では、実施例3の第2摺動部材1
Dにおけるダイヤモンド粒子6を含有する被膜として形
成された樹脂コーティング層4dの代わりに、めっき層
4eを用いたこと以外は、実施例3の構成と同じであ
る。
【0088】めっき層4eは、基材2dの表面20cに
形成されたものでダイヤモンド粒子6(平均粒径1μ
m、5wt%)を含有し、厚さ3μmの粒子分散Niー
Pめっき層である。
【0089】めっき層4eは、Ni:P=97:3のめ
っき液中にダイヤモンド粒子6(平均粒径1μm、5w
t%)を分散、調整した後、前記基材2dの表面20c
を浸漬して無電解・化学めっきを施し、次いで250℃
×1hrの熱処理し、硬さHv700としたものであ
る。
【0090】実施例4の第1摺動部材1C及び第2摺動
部材1Eによると、前記めっき層4eが、実施例3の摺
動部材1Dの樹脂コーティング層4dと同じ機能を果た
すため、前記実施例3の場合と同じ効果が得られる。
【0091】(実施例5)第2発明の組み合わされた2
つの摺動部材を実施例5として図11及び図12に基づ
き第1摺動部材1F及び実施例3で用いた第2摺動部材
1Dを組み合わた場合で説明する。
【0092】第1摺動部材1Fは、実施例3、4で用い
た第1摺動部材1Cにおける基材2cの表面20c上に
硬質炭素層として形成されたダイヤモンド薄膜4cの代
わりに、ダイヤモンドライクカーボン膜4fを用いたこ
と以外は、実施例3の構成と同じである。
【0093】ダイヤモンドライクカーボン薄膜4fは、
公知のプラズマCVD法により厚さ2μmとして基材2
cの表面20cに形成され、表面粗さ0.2μmとなる
ように仕上加工したものである。
【0094】実施例5の第1摺動部材1F及び第2摺動
部材1Dによると、前記実施例4の場合と同じ効果が得
られる。
【0095】(実施例6)第2発明の組み合わされた2
つの摺動部材を実施例6として図13及び図14に基づ
き実施例6で用いた第1摺動部材1F及び実施例4で用
いた第2摺動部材1Eを組み合わた場合で説明する。
【0096】実施例6の第1摺動部材1F及び第2摺動
部材1Eによると、前記実施例4及び5の場合と同じ効
果が得られる。
【0097】(比較例との対比)前記実施例3、4、
5、6の効果を確認するため、それぞれ前記第1摺動部
材1C、1Fの構成を備えた長さ16mm、幅6mm、
厚さ10mmの長方形で一方の面を摺動平面(長さ16
mm、幅6mm)とした平板試験片を用い、また、前記
第2摺動部材1D、1Eの構成を備えた外径35mm、
内径30mm、長さ10mmの円筒状でその外周面を摺
動円周面とした円筒試験片を用いた試験例3(実施例3
の場合)、試験例4(実施例4の場合)、試験例5(実
施例5の場合)、試験例6(実施例6の場合)を後記す
る比較例4、5、6とともに前記実施例1及び2と同じ
条件で試験摩擦摩耗試験を実施し、それぞれその結果を
図15及び図16に対比して示す。
【0098】(比較例4)比較例4の平板試験片は、基
材として鋼(S45C)を用いて形成されたものであ
り、窒化処理後、表面仕上げ加工が施こされ、表面粗さ
0.2μm、Hv600の表面を備える。
【0099】そしてこの基材の表面に公知のプラズマC
VD法により厚さ2μmの気相合成ダイヤモンド薄膜を
形成した後、表面粗さ0.2μmとなるように仕上加工
を施した表面を備え、前記相手部材として形成した円筒
試験片〔鋼(S45C)を用い、窒化処理を施した後、
仕上加工を施し、表面粗さ0.2μm、Hv600の表
面を得たもの〕の摺動面に当接して相対的に摺動する摺
動面として用い、摩擦摩耗試験を実施し、図15に平板
試験片の結果A15を示し、図16に円筒試験片の結果
B15を示した。
【0100】(比較例5)比較例5の平板試験片は、基
材として鋼(S45C)を用い、窒化処理を施した後、
表面粗さ0.2μmとなるように仕上加工を施し、Hv
600の表面を得た。
【0101】そしてこの基材の表面を前記相手部材とし
て形成した円筒試験片(前記実施例3の試験例の場合と
同じ)の摺動面に当接して相対的に摺動する摺動面とし
て用い、摩擦摩耗試験を実施し、図15に平板試験片の
結果A16を示し、図16に円筒試験片の結果B16を
示した。
【0102】(比較例6)比較例6の平板試験片は、基
材として鋼(S45C)を用いて形成され窒化処理後、
表面仕上げ加工が施こされたものであり、表面粗さ0.
2μm、Hv600の表面を備える。
【0103】そしてこの基材の表面を前記相手部材とし
て形成した円筒試験片(前記実施例3の試験例の場合と
同じ)の摺動面に当接して相対的に摺動する摺動面とし
て用い、摩擦摩耗試験を実施し、図15に平板試験片の
結果A17を示し、図16に円筒試験片の結果B17を
示した。
【0104】(摩擦摩耗試験結果)平板試験片の摩擦量
(図15参照)においては、試験例3のA11、試験例
4のA12、試験例5のA13、試験例6のA14のよ
うに、比較例4のA15に近いものとなり、かつ比較例
5のA16及び比較例6のA17よりも、大幅に低減で
きることが判明した。
【0105】円筒試験片の摩擦量(図16参照)におい
ては、試験例3のB11、試験例4のB12、試験例5
のB13、試験例6のB14のように、比較例5のB1
6に近いものとなり、かつかつ比較例4のB15及び比
較例6のA17よりも、大幅に低減できることが判明し
た。
【0106】次に、前記実施例3、4、5、6と、比較
例4、5、6における耐焼付性の向上及び摩擦係数の低
減効果を確認するための摩耗試験を行った結果を以下に
記載する。
【0107】実施例3、4、5、6及び比較例4、5、
6の各平板試験片の摺動面と各円筒試験片の摺動面との
摩擦係数μ=0.15以上になる焼付荷重(N)を測定
した結果を表2の左欄に示し、平板試験片の摺動面と円
筒試験片の摺動面との荷重が2000Nでの摩擦係数μ
を表2の右欄に示した。なお、この摩耗試験の条件は、
前記実施例1、2及び比較例1、2、3の場合と同じで
ある。
【0108】
【表2】
【0109】この結果、実施例3、4、5、6の場合に
は、表2の左欄からも明らかなように、比較例4、5、
6の場合よりも耐焼付性に優れ、かつ耐焼付性を向上で
き、また表2の右欄からも明らかなように、摩擦係数の
低減効果が得られることを確認できた。
【0110】
【発明の効果】第1発明の摺動部材は、基材上に順に形
成された下層ダイヤモンド薄膜、ダイヤモンド粒子を含
有した上層被膜とを備えているため、相手部材に当接し
た状態で相対的に摺動する摺動初期において、前記上層
被膜が初期摺動面として機能する。
【0111】そして摺動部材と相手部材とは、摺動初期
時に両初期摺動面(断面的に見て微小凹凸の凸頂部)同
士が相互に削りとられ平面化し、かつ摺動初期後、両摺
動面の面粗さが小さくなる。
【0112】この摺動初期後における摺動部材の上層被
膜は、ダイヤモンド粒子とともにその一部が下層ダイヤ
モンド薄膜から剥離する。このため、上層被膜と下層ダ
イヤモンド薄膜とが相手部材の摺動初期後の摺動面にな
じんだ状態で摺動可能となり、かつ下層ダイヤモンド薄
膜による相手部材の摺動面に対する攻撃性及び摩擦係数
を低下することができる。
【0113】第1発明の摺動部材によれば、基材の表面
粗さとして従来のように鏡面仕上げ加工(きめ細かく仕
上げ加工)を施さなくても、ダイヤモンド粒子を含有し
た上層被膜のダイヤモンド粒子のラップ作用により、下
層ダイヤモンド薄膜自身の平滑化及び相手材表面の平滑
化が摺動の初期段階で発生し、耐摩耗上の向上、相手攻
撃性の減少、摩擦係数の低下などを達成でき、かつ前記
仕上げ加工を必要としないため、低コスト化を実現でき
る。
【0114】第2発明の組み合わされた2つの摺動部材
によれば、互いに当接して相対的に摺動する一方及び他
方の2つの摺動部材の摺動面が平滑となるため、摩擦係
数に優れ、耐摩耗性及び耐焼付性が向上する。
【0115】なお、他方の摺動部材にダイヤモンド粒子
を含んだ被膜が形成されていない場合には、一方の摺動
部材の耐摩耗性はさらに向上するが、その分、相手攻撃
性が増加し、摩擦係数も増加することからも、第2発明
の組み合わされた2つの摺動部材の効果が確認できる。
【0116】また、第2発明の組み合わされた2つの摺
動部材は、各基材の表面に対し、第1発明の摺動部材と
同じように、前記仕上げ加工を必要としないため、低コ
スト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の実施例1で用いた摺動部材の要部を
断面して拡大して示す模試図である。
【図2】第1発明の実施例1で用いた摺動部材の要部を
断面して拡大するとともに、相手部材と非摺接状態にあ
る関係を示す模試図である。
【図3】図2における摺動部材と相手部材とが摺接状態
にあり、かつ両部材の摺動面のなじみ後の状態を示す模
試図である。
【図4】第1発明の実施例2で用いた摺動部材の要部を
断面して拡大して示す模試図である。
【図5】第1発明の実施例1、2における平板試験片及
び比較例1、2、3における平板試験片に摩耗試験を施
し、その摩耗量を示す図である。
【図6】第1発明の実施例1、2における円筒状試験片
及び比較例1、2、3における円筒状試験片に摩耗試験
を施し、その摩耗量を示す図である。
【図7】第2発明の実施例3で用いた摺動部材の要部を
断面して拡大するとともに、相手部材と非摺接状態にあ
る関係を示す模試図である。
【図8】第2発明の実施例3で用いた摺動部材の要部を
断面して拡大するとともに、両摺動部材が摺接状態にあ
り、かつ両部材の摺動面のなじみ後の状態を示す模試図
である。
【図9】第2発明の実施例4で用いた摺動部材の要部を
断面して拡大するとともに、相手部材と非摺接状態にあ
る関係を示す模試図である。
【図10】第2発明の実施例4で用いた摺動部材の要部
を断面して拡大するとともに、両摺動部材が摺接状態に
あり、かつ両部材の摺動面のなじみ後の状態を示す模試
図である。
【図11】第2発明の実施例5で用いた摺動部材の要部
を断面して拡大するとともに、相手部材と非摺接状態に
ある関係を示す模試図である。
【図12】第2発明の実施例5で用いた摺動部材の要部
を断面して拡大するとともに、両摺動部材が摺接状態に
あり、かつ両部材の摺動面のなじみ後の状態を示す模試
図である。
【図13】第2発明の実施例6で用いた摺動部材の要部
を断面して拡大するとともに、相手部材と非摺接状態に
ある関係を示す模試図である。
【図14】第2発明の摺動部材の実施例7で用いた摺動
部材の要部を断面して拡大するとともに、両摺動部材が
摺接状態にあり、かつ両部材の摺動面のなじみ後の状態
を示す模試図である。
【図15】第2発明の実施例3、4、5、6における平
板試験片及び比較例4、5、6における平板試験片に摩
耗試験を施し、その摩耗量を示す図である。
【図16】第2発明の実施例3、4、5、6における円
筒状試験片及び比較例4、5、6における円筒状試験片
に摩耗試験を施し、その摩耗量を示す図である。
【符号の説明】
1A、1B…摺動部材 1C、1F…第1摺動部材 1
D、1E…第2摺動部材 2、2c、2d…基材 3…下層ダイヤモンド薄膜 4a、4d…樹脂コーティング層 4b、4e…めっき層 4c…ダイヤモンド薄膜 4f…ダイヤモンドライクカーボン膜 5a…樹脂コーティング材 6…ダイヤモンド粒子 7…相手部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相手部材の摺動面に当接して相対的に摺動
    する摺動面を備えた摺動部材であって、 該摺動部材は、基材と、該基材上に形成された下層ダイ
    ヤモンド薄膜と、該下層ダイヤモンド薄膜の表面に形成
    されたダイヤモンド粒子を含有した上層被膜からなるこ
    とを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】前記上層被膜は、前記ダイヤモンド粒子を
    含有した樹脂コーティング層であることを特徴とする請
    求項1記載の摺動部材。
  3. 【請求項3】前記上層被膜は、前記ダイヤモンド粒子を
    含有しためっき層であることを特徴とする請求項1記載
    の摺動部材。
  4. 【請求項4】互いに当接して相対的に摺動する摺動面を
    備えた一方及び他方の2つの摺動部材であって、 一方の該摺動部材は、基材と、該基材上に形成された硬
    質炭素被膜とからなり、 他方の該摺動部材は、基材
    と、該基材上に形成されたダイヤモンド粒子を含有する
    被膜とからなることを特徴とする組み合わされた2つの
    摺動部材。
  5. 【請求項5】前記硬質炭素被膜は、ダイヤモンド薄膜で
    ある請求項4記載の組み合わされた2つの摺動部材。
  6. 【請求項6】前記硬質炭素被膜は、ダイヤモンドライク
    カーボン薄膜である請求項4記載の組み合わされた2つ
    の摺動部材。
  7. 【請求項7】前記被膜は、ダイヤモンド粒子を含有した
    樹脂コーティング層である請求項4記載の組み合わされ
    た2つの摺動部材。
  8. 【請求項8】前記被膜は、ダイヤモンド粒子を含有した
    めっき層である請求項4記載の組み合わされた2つの摺
    動部材。
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