JP2005291349A - ローラーチェーン及びサイレントチェーン - Google Patents

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Abstract

【課題】連結ピンとブッシュとの間のかじりを防止して摩耗を減少させ、ひいてはチェーン伸びを抑制することにより、耐久性を向上させたローラーチェーンを提供する。
【解決手段】一対のインナープレートと、上記一対のインナープレートの一方に固定され、ピン孔を備えるブッシュと、上記インナープレートの両外側に配置された一対のアウタープレートと、上記一対のアウタープレートの一方に固定され、上記ブッシュのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成したユニットを、複数個連結してなり、上記連結ピンが、母材表面上に硬質炭化物層を備えるとともに、上記硬質炭化物層の表面上にDLC層をさらに備え、上記ブッシュの表面粗さが上記連結ピンの表面粗さよりも大きい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ローラーチェーン及びサイレントチェーンに係り、特に、構成部材同士の摩耗に起因するチェーン伸びを防止し、これにより、耐久性を向上させた各種チェーンの製造技術に関する。
自動車及び産業機械等には、各種のチェーンが使用される。これらのチェーンとしては、カムシャフト駆動チェーン、オイルポンプ駆動チェーン、バランサーシャフト駆動チェーン等が挙げられ、種々の特性向上に関する技術開発がなされている。
チェーンの特性のうち、特に、構成部材同士の摩耗抑制による耐久性向上についての技術が数多く報告されている。即ち、極端に劣化した酸化度の高い潤滑油とともに使用された場合であっても、異常摩耗伸びが発生することなく、長期に亘って円滑に屈曲摺動するチェーンが報告されている。例えば、上記チェーンのうち、ローラーチェーンについては、ブッシュに、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、高炭素クロム軸受鋼及び合金工具鋼から選ばれる1種に対して熱硬化処理を施したものを使用する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、上記チェーンのうち、サイレントチェーンについては、インナーリンクプレートに、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、高炭素クロム軸受鋼及び合金工具鋼から選ばれる1種に対して熱硬化処理を施したものを使用する技術が開示されている(特許文献2参照)。
さらに、上記各種チェーンに使用される連結ピンについては、高面圧下での耐摩耗性を向上すべく、チェーン用連結ピンの母材となる鋼の最表部に、バナジウム炭化物を主成分とし且つ少量のクロム炭化物を含む炭化物層を形成し、当該炭化物層と母材との間の境界領域において、バナジウム炭化物の含有率が急激に減少しかつクロム炭化物の含有量が急激に増加している境界層(クロムリッチ層)を形成する技術が開示されている(特許文献3参照)。
特開2003−301889号公報(要約書) 特開2003−301888号公報(要約書) 特開2002−195356号公報(要約書)
上記特許文献1〜3に記載の技術を含む従来技術によって、ローラーチェーン又はサイレントチェーンの各構成部材を製造する場合には、先ず、中炭素鋼からなる素材を用意し、これを鍛造した後、拡散浸透処理を施し、次いで浸炭焼き入れ、焼き戻しを行っていた。しかしながら、このような手法により、ローラーチェーン用の連結ピンとブッシュとを製造した場合には、拡散浸透処理において硬質炭化物層を5μmを超えて形成することができなかった。よって、このような製法により得られたローラーチェーンを使用した場合には、図1(a)〜(d)に示すように、連結ピンとブッシュとが経時的に摩耗するという不具合があった。具体的には、図1(a)に示すように、ブッシュの内表面が連結ピンの外表面よりも粗いため、使用時にはこれら部材の接触面圧が局所的に増加する。このような状況下では、図1(b)に示すように、局所的な応力によってかじりが発生する。さらに、図1(c)に示すように、ブッシュの面荒れを引き起こすとともに、連結ピンのVC層を摩耗する。さらに、この状況が続くと、図1(d)に示すように、ブッシュが連結ピンのVC層を突き抜けて、母材であるFe層に入り込み、摩耗が一層促進される。
上記事情は、連結ピンとリンクプレートとを備えるサイレントチェーンの場合においても当てはまる。即ち、図示しないが、図1と同様に、リンクプレートの内表面が連結ピンの外表面よりも粗いため、使用時にはこれら部材の接触面圧が局所的に増加し、局所的な応力によってかじりが発生する。さらに、リンクプレートの面荒れを引き起こすとともに、連結ピンのVC層を摩耗し、リンクプレートがVC層を突き抜けて、母材であるFe層に入り込み、摩耗が一層促進される。また、従来技術により得られたサイレントチェーンにおいて、連結ピンに丸ピンを使用した構造では、リンクプレートとの間ですべりを発生することから摩耗量が大きい。この不具合を解消すべく、上記丸ピンを2本の半割ピンから構成してロッカーピン構造とした場合には、上記摩耗量は低減できるが、半割ピン1本が細くなることから、ピン全体の強度が劣化し、結果的に優れた耐久性を実現することができない。よって、近年においては、連結ピンとリンクプレートとの間の摩耗量を低減し且つ耐久性を向上させたサイレントチェーンの技術開発が要請されていた。
さらに、近年においては、エンジンの車体搭載性、エンジン自体の軽量化及びコンパクト化により、従来2列であったローラーチェーンを1列とする傾向があり、また、サイレントチェーンの幅狭化が加速している。このような状況下では、連結ピンとブッシュ又はリンクプレートとの面圧がさらに増大し、各構成部材のうち、硬度及び融点の低い鉄系部材からなるブッシュ側又はリンクプレート側の摩耗が一層増大することが懸念される。従って、連結ピンとブッシュ又はリンクプレートとの間のかじりを防止して摩耗を減少させ、ひいてはチェーン伸びを抑制することにより、各種チェーンの耐久性を向上させた技術の開発が要請されていた。
本発明は、以上に示した種々の事情に鑑みてなされたものであり、連結ピンとブッシュ又はリンクプレートとの間のかじりを防止して摩耗を減少させ、ひいてはチェーン伸びを抑制することにより、耐久性を向上させたローラーチェーン及びサイレントチェーンを提供することを目的としている。
本発明者等は、上記事情を考慮し、耐久性の高い各種チェーンについて鋭意研究を重ねた。その結果、ローラーチェーン及びサイレントチェーンのいずれの場合においても、ブッシュ又はリンクプレートの各内表面よりも比較的凹凸の少ない連結ピンの母材表面に拡散浸透処理を施すとともに、さらにDLC処理を施して、最表層に最硬質のDLC層を形成することにより、上記かじりによる摩耗を十分に抑制して、チェーン伸びを抑制し、ひいてはチェーン耐久性を向上させることができるとの知見を得た。なお、従来、各種部材の摩擦係数を低くする手段として、部材表層にDLC処理を施すことは公知である。しかしながら、具体的に、各種チェーンのどの箇所にDLC処理を施すことが有効であるかということは知られていない。
即ち、本発明のローラーチェーンは、一対のインナープレートと、上記一対のインナープレートの一方に固定され、ピン孔を備えるブッシュと、上記インナープレートの両外側に配置された一対のアウタープレートと、上記一対のアウタープレートの一方に固定され、上記ブッシュのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成したユニットを、複数個連結してなり、上記連結ピンが、母材表面上に硬質炭化物層を備えるとともに、上記硬質炭化物層の表面上にDLC層をさらに備え、上記ブッシュの表面粗さが上記連結ピンの表面粗さよりも大きいことを特徴としている。ここで、DLC処理とは、対象素材表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を形成する処理であり、上記DLC層とは、イオンを利用した気相合成法により合成されるダイヤモンドに類似した高硬度、電気絶縁性、及び赤外線透過性等を有するカーボン薄膜の総称である。また、DLC層の構造は、通常水素を若干含有した非晶質(アモルファス)構造であって、ダイヤモンド結合やグラファイト結合などを有するものである。
また、本発明者等は、チェーン使用時にチェーンテンショナ部材と接触するプレートの背面にもDLC層を形成することで、より一層ローラーチェーンの耐久性を向上させることができるとの知見を得た。以下の発明は、このような知見に鑑みてなされたものである。
即ち、上記したローラーチェーンにおいては、チェーン張りを調整するチェーンテンショナ部材との接触表面にDLC層を備えることが望ましい。
以上は、ローラーチェーンについての、本発明であるが、以下、同様に、サイレントチェーンについての、本発明について述べる。
即ち、本発明のサイレントチェーンは、ピン孔を備える複数のリンクプレートと、上記複数のリンクプレートの両外側に配置された一対のガイドプレートと、上記一対のガイドプレートの一方に固定され、上記複数のリンクプレートのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成されたユニットを、複数個連結してなり、上記連結ピンが、母材表面上に硬質炭化物層を備えるとともに、上記硬質炭化物層の表面上にDLC層をさらに備え、上記リンクプレートの表面粗さが上記連結ピンの表面粗さよりも大きいことを特徴としている。また、このようなサイレントチェーンにおいては、上記したローラーチェーンの場合と同様に、チェーン張りを調整するチェーンテンショナ部材との接触表面にDLC層を備えることが望ましい。
以上に示すように、本発明によれば、各種チェーンにおいて、ブッシュ又はリンクプレートの各内表面よりも比較的凹凸の少ない連結ピンの外表面を、内側から、母層、拡散浸透層、及びDLC層とすることで、従来多量に発生していた連結ピンのかじりによる摩耗を十分に抑制して、チェーン伸びを抑制し、ひいてはチェーンの耐久性を向上させることができる。図2は、従来のローラーチェーンと本発明のローラーチェーンとについての、チェーン伸びと耐久時間との関係を示すグラフである。従来品では、初期伸び段階が比較的長いが、耐久時間400hを超えると、VC層が消失するため、急激な伸びが発生し、耐久性に劣る。これに対し、本発明品では、初期伸び段階は比較的短いが、その後、耐久時間800hまでは定常伸び段階がみられ、優れた耐久性を示す。図2に示す本発明品の各段階では、以下の挙動を伴う。即ち、上記初期伸び段階では、ブッシュと連結ピンとの接触面において比較的凹凸の多いブッシュが連結ピンをかじるとともに、比較的軟質のブッシュの凹凸状態がなだらかになる。この際、連結ピンの最表層部に形成されたDLC層が剥がれて、ブッシュ内表面に転写される。このようにして、連結ピンとブッシュとがなじんだ後、定常伸び段階に入る。この定常伸び段階では、ブッシュ内表面での凹凸が上記初期伸び段階に比して小さく、しかも、ブッシュ内表面にDLC層が転写されているため、連結ピンとブッシュとの間において摩耗はほとんどみられず、これにより、ローラーチェーンはほとんど伸びない。この状態が耐久時間800hまで続くことから、本発明のローラーチェーンは優れた耐久性を実現することができる。
なお、以上はローラーチェーンに関する考察であるが、サイレントチェーンについても同様の考察が可能である。即ち、サイレントチェーンについても、上記初期伸び段階では、リンクプレートと連結ピンとの接触面において比較的凹凸の多いリンクプレートが連結ピンをかじるとともに、比較的軟質のリンクプレートの凹凸状態がなだらかになる。この際、連結ピンの最表層部に形成されたDLC層が剥がれて、リンクプレート内表面に転写される。このようにして、連結ピンとリンクプレートとがなじんだ後、定常伸び段階に入る。この定常伸び段階では、リンクプレート内表面での凹凸が上記初期伸び段階に比して小さく、しかも、リンクプレート内表面にDLC層が転写されているので、連結ピンとリンクプレートとの間では摩耗がほとんどみられず、これにより、サイレントチェーンはほとんど伸びない。サイレントチェーンについても、この状態が耐久時間800h程度まで続くと予想されることから、本発明のサイレントチェーンの優れた耐久性を有すると推測される。
また、本発明によれば、各種チェーンについて、チェーン張りを調整するチェーンテンショナ部材との接触表面、即ち、ブッシュの背面又はリンクプレートの背面にDLC層を形成することで、耐久性をさらに向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面を参照して好適に説明する。
1.ローラーチェーンの製造
(製造例1〜8)
炭素含有量0.8質量%の中炭素鋼を用意し、これを鍛造してローラーチェーンのブッシュ形状の鍛造品を得た。また、SUJ2引き抜き線を切断して連結ピン形状の部材を得た。次いで、上記鍛造品及び部材に、拡散浸透処理(VC層形成処理)を行い、さらに連結ピンについてはDLC処理を行って、同種類の製造例1〜8の連結ピン及びブッシュを得た。ここで、上記連結ピンのDLC処理においては、PVD法による処理を行った。このようにして得られた製造例1の連結ピンについての断面写真を図3に示す。図3から明らかなように、連結ピンの母層上にはVC層が形成されており、VC層上には5μm程度のDLC層がさらに形成されている。
(製造例9〜16)
以下に示すように、連結ピン及びブッシュを、上記製造例1〜8の連結ピン及びブッシュと同様にして得た。即ち、炭素含有量0.8質量%の中炭素鋼を用意し、これを鍛造してローラーチェーンのブッシュ形状の鍛造品を得た。また、SUJ2引き抜き線を切断して連結ピン形状の部材を得た。次いで、上記鍛造品及び部材に、拡散浸透処理(VC層形成処理)を行って、同種類の製造例9〜16の連結ピン及びブッシュを得た。製造例9〜16については、連結ピン及びブッシュのいずれについてもDLC処理は行わなかった。
以上のように製造した、製造例1〜16の各連結ピン及びブッシュを使用した各ローラーチェーンについて、チェーン駆動試験を行い、その駆動時間に伴う各部材の摩耗量を測定した。上記チェーン駆動試験は、歯数18(8000rpm)のスプロケットと、歯数36(4000rpm)のスプロケットとの回りにチェーンを噛み合わせ、チェーン張力を1860Nとするとともに、耐久時間を100hとして実施した。また、給油剤として、コンタミ油を用いた。上記コンタミ油は、通常使用されるエンジンオイルに、16質量%のカーボンブラック、2質量%のフェライト系酸化物、4質量%のPV樹脂、及び78質量%のストレートミネラルオイルからなるコンタミナントを1.3質量%混合したものとした。また、潤滑油の給油量は、実際のチェーン駆動時に必要な給油量である、1.0L/minとした。その結果を表1に示す。
Figure 2005291349
表1に示すように、連結ピンにDLC層を形成した製造例1〜8の各連結ピンの摩耗量の平均値は11μmであり、連結ピンにDLC層を形成していない製造例9〜16の各連結ピンの摩耗量の平均値は7μmであった。これは、前者(製造例1〜8)では、連結ピンのDLC層が剥がれ落ちたことにより、VC層の摩耗量にDLC層の厚み5μmが加算されたためであるのに対し、後者(製造例9〜16)では、VC層の摩耗のみが生じているためである。
また、表1に示すように、製造例1〜8の各ブッシュの摩耗量の平均値は18μmであり、製造例9〜16の各ブッシュの摩耗量の平均値は38μmであった。これは、前者(製造例1〜8)では、連結ピンから剥がれ落ちたDLC層がブッシュに転写され、連結ピンとブッシュとがチェーンの所定稼働時間経過後になじみ、その後のかじりが抑制されるためである。これに対し、後者(製造例9〜16)では、前者のようにDLC層がブッシュへ転写されないため、上記所定稼働時間経過後においても連結ピンとブッシュとが十分になじまず、さらにかじりが生ずるためである。
このような結果から、さらに、表1に示すように、連結ピンの摩耗量とブッシュの摩耗量との合計量の平均値については、前者(製造例1〜8)では、31μmと比較的小さいのに対し、後者(製造例9〜16)では、45μmと大きい。この結果から、前者と後者との間における摩耗合計量の改善度は約31%であることが判る。
さらに、図4(a)は、上記チェーン駆動試験後の製造例1の連結ピンとブッシュとの両摺動面を示す。同図から明らかなように、連結ピンにDLC層を形成した製造例1では、連結ピン及びブッシュの両摺動面は、鏡面状態を維持しており、かじりによる摺動きずは確認されなかった。これに対し、図4(b)は、上記チェーン駆動試験後の製造例9の連結ピンとブッシュとの両摺動面を示す。同図から明らかなように、連結ピンにDLC層を形成しなかった製造例9では、連結ピン及びブッシュの両摺動面にはかじりによる摺動きずが確認された。以上の実施例1により、本発明の請求項1についての効果が実証された。
2.サイレントチェーンの製造
(製造例17〜19)
炭素含有量0.8質量%の中炭素鋼を用意し、これを鍛造してサイレントチェーンのリンクプレート形状の鍛造品を得た。また、SUJ2引き抜き線を切断して連結ピン形状の部材を得た。次いで、上記鍛造品及び部材に、拡散浸透処理(VC層形成処理)を行った。これらの鍛造品及び部材を使用し、連結ピンとリンクプレートの背面との双方にDLC層を形成しなかったサイレントチェーンを製造例17とし、連結ピンのみにDLC層を形成したサイレントチェーンを製造例18とし、連結ピンとリンクプレートの背面との双方にDLC層を形成したサイレントチェーンを製造例19とした。
ここで、製造例18,19の連結ピンへのDLC層形成方法としてPVD法を採用した。この形成方法は、固体のグラファイト原料を陰極とし、この間に直流電流を印加することで、真空中にアーク放電を起こして炭素元素のプラズマを発生させ、基板には蒸発源よりもさらに負の電圧を印可することで、プラズマ中の炭素イオンを基板に向けて加速し成膜を行う方法である。また、製造例19のリンクプレートの背面へのDLC層形成方法としてプラズマCVD法を採用した。この形成方法は、対向する電極間に高周波電圧を印加することで生じるグロー放電を利用して原料ガスメタンを分解し、基板上にDLC膜を堆積させる方法である。
このような条件下で、各製造例17〜19について、チェーン駆動試験を行い、駆動トルクと回転数との関係を調査した。上記チェーン駆動試験は、歯数18のスプロケットと、歯数36のスプロケットとの回りにチェーンを噛み合わせ、チェーン張力を1860Nとして実施した。また、給油剤として、コンタミ油を用いた。上記コンタミ油は、通常使用されるエンジンオイルに、16質量%のカーボンブラック、2質量%のフェライト系酸化物、4質量%のPV樹脂、及び78質量%のストレートミネラルオイルからなるコンタミナントを1.3質量%混合したものとした。また、潤滑油の給油量は、実際のチェーン駆動時に必要な給油量である、1.0L/minとし、油温は75℃とした。その結果を図5に示す。
図5によれば、製造例18,19は、製造例17に対して回転数1500(rpm)以上で駆動トルクを著しく低減することができる。個別にみると、連結ピン及びリンクプレートの背面の双方にDLC層を形成していない製造例17については、いずれの回転数においても、概ね駆動トルクが比較的大きい。これは、チェーン駆動時に、連結ピンからリンクプレートへのDLC層の転写がないため、リンクプレートによる連結ピンのかじりが大きくなるためである。また、連結ピンにDLC層を形成した製造例18については、製造例17に比して、駆動トルクが概して小さい。これは、チェーン駆動時に、連結ピンからリンクプレートへDLC層が転写されるため、リンクプレートによる連結ピンのかじりを抑制できるためである。さらに、連結ピン及びリンクプレートの背面の双方にDLC層を形成した製造例19については、製造例17、18に比して、駆動トルクが概して小さい。これは、チェーン駆動時の連結ピンからリンクプレートへのDLC層の転写により、リンクプレートによる連結ピンのかじりを比較的抑制できることに加えて、チェーン駆動時にチェーンテンショナ部材と接触するリンクプレートの背面にもDLC層を形成したことにより、駆動トルクをさらに低減させることができるためである。以上の実施例2により、本発明の請求項3,4についての効果が実証された。この結果より、本発明の請求項2についても、その効果が推認される。
以上説明したように、本発明によれば、連結ピンとブッシュ又はリンクプレートとの間のかじりを防止して摩耗を減少させ、ひいてはチェーン伸びを抑制することにより、耐久性を向上させたローラーチェーン及びサイレントチェーンを提供することができる。よって、本発明は、周辺部材の今後益々の複雑高度化に伴い耐久性の向上が要請される各種チェーンの製造に有用である。
ローラーチェーン駆動時の、連結ピンとブッシュとの間の摩耗モデルを示す断面図である。 従来のローラーチェーンと本発明のローラーチェーンとについての、チェーン伸びと耐久時間との関係を示すグラフである。 製造例1の連結ピンについてのDLC層の写真である。 (a)は、チェーン駆動試験後の製造例1の連結ピンとブッシュとの両摺動面を示し(b)は、チェーン駆動試験後の製造例9の連結ピンとブッシュとの両摺動面を示す。 チェーン駆動試験時の駆動トルクと回転数との関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 一対のインナープレートと、前記一対のインナープレートの一方に固定され、ピン孔を備えるブッシュと、前記インナープレートの両外側に配置された一対のアウタープレートと、前記一対のアウタープレートの一方に固定され、前記ブッシュのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成したユニットを、複数個連結してなるローラーチェーンにおいて、
    前記連結ピンが、母材表面上に硬質炭化物層を備えるとともに、前記硬質炭化物層の表面上にDLC層をさらに備え、前記ブッシュの表面粗さが前記連結ピンの表面粗さよりも大きいことを特徴とするローラーチェーン。
  2. チェーン張りを調整するチェーンテンショナ部材との接触表面にDLC層を備えることを特徴とする請求項1に記載のローラーチェーン。
  3. ピン孔を備える複数のリンクプレートと、前記複数のリンクプレートの両外側に配置された一対のガイドプレートと、前記一対のガイドプレートの一方に固定され、前記複数のリンクプレートのピン孔に回転自在に挿入された連結ピンとにより形成されたユニットを、複数個連結してなるサイレントチェーンにおいて、
    前記連結ピンが、母材表面上に硬質炭化物層を備えるとともに、前記硬質炭化物層の表面上にDLC層をさらに備え、前記リンクプレートの表面粗さが前記連結ピンの表面粗さよりも大きいことを特徴とするサイレントチェーン。
  4. チェーン張りを調整するチェーンテンショナ部材との接触表面にDLC層を備えることを特徴とする請求項3に記載のサイレントチェーン。
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