JP4874199B2 - なじみ性に優れた歯車部品 - Google Patents
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Description
Cは、機械構造用鋼部品としての芯部の硬さを確保するために必要な元素であり、こうした効果を発揮させるためには、少なくとも0.10%含有させる必要がある。しかしながら、C含有量が過剰になると、芯部の硬さが過大となって歯車の靭性を劣化させることになる。こうしたことから、C含有量は0.30%以下とする必要がある。C含有量の好ましい下限は0.15%であり、好ましい上限は0.25%である。
Siは、鋼の溶製時に脱酸性元素として有効に作用する他、耐摩耗性や耐ピッチング性を良好にする上でも有効に作用する。これらの作用はその含有量が増加するにつれて増大するが、Si含有量が過剰になると、それらの効果が飽和するばかりか被削性が悪化するので1.5%以下にするのが良い。Si含有量の好ましい下限は0.3%であり、好ましい上限は1.0%である。
Mnは、脱酸剤・脱硫剤および焼入れ性向上元素として有効に作用する。これらの作用はその含有量が増加するにつれて増大するが、Mn含有量が過剰になると、高濃度浸炭・高濃度浸炭窒化処理後の残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下するので、1.5%以下にする必要がある。Mn含有量の好ましい下限は0.3%であり、好ましい上限は1.2%である。
Crは、焼入れ性を向上させる上で有効な元素であり、こうした効果を発揮させるためには0.5%以上含有させる必要がある。しかしながら、Cr含有量が過剰になると、最表面の硬さが増大して良好ななじみ性が確保できなくなるので、2.5%以下とする必要がある。Cr含有量の好ましい下限は0.8%であり、好ましい上限は1.7%である。
Moは、Crと同様に、焼入れ性を向上させる上で有効な元素であり、また歯車表層部における異常層を低減する効果も認められる。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、Mo含有量が過剰になると、最表面の硬さが増大して良好ななじみ性が確保できなくなるので、0.5%以下とする必要がある。Mo含有量の好ましい下限は0.05%であり、好ましい上限は0.3%である。
Niは、歯車部品の疲労強度を向上させるのに有効な元素であり、必要によって含有させる。しかしながら、Ni含有量が過剰になると、最表層のなじみ性が低下するので、2.0%以下(より好ましくは1.0%以下)とすることが好ましい。尚、上記効果を発揮させるための好ましい下限は0.4%程度である。
Bは、焼入性向上元素であり、表層部の粒界強化に働き、疲労強度向上に有効な成分である。しかしながら、B含有量が過剰になると、粒界を脆化させるので、0.005%以下(より好ましくは0.003%以下)とすることが好ましい。尚、上記効果を発揮させるための好ましい下限は0.001%程度である。
Al,Nb,TiおよびVは、微細な炭窒化物を形成することによって、結晶粒を微細化する効果があり、歯車部品の疲労強度向上に寄与する。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、炭窒化物が粗大になって上記効果が低下するので、夫々上記の範囲で含有させることが好ましい。
Nは、上記炭窒化物形成元素(Al,Nb,TiおよびV)等と炭窒化物を形成し、結晶粒を微細化する効果がある。しかしながら、N含有量が過剰になると、その効果が飽和するばかりか、靭性が低下するので0.03%以下とすることが好ましい。
S,Ca,Mg,PbおよびBiは、被削性を向上させる元素であり、必要によって含有される。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、その効果が飽和するばかりか、疲労強度が低下するので、夫々上記の範囲で含有させることが好ましい。
モジュール:試験歯車(2.5mm)、相手歯車(2.5mm)
圧力角 :試験歯車(20°)、相手歯車(20°)
歯数 :試験歯車(22)、相手歯車(25)
歯幅 :試験歯車(12mm)、相手歯車(25mm)
ねじれ角 :試験歯車(30°)、相手歯車(30°)
入力軸トルク:300N・m
入力軸回転数:1000rpm
油種 :ATF(オートマチック用トランスミッションオイル)
油温 :80℃
Claims (7)
- C:0.10〜0.30%(質量%の意味、以下同じ)、Si:1.5%以下(0%を含まない)、Mn:1.5%以下(0%を含まない)、Cr:0.5〜2.5%、Mo:0.5%以下(0%を含まない)を夫々含有し、残部:鉄および不可避不純物からなる鋼材を所定形状に成形した後、浸炭処理または浸炭窒化処理した歯車部品であって、表面異常層の深さが5μm以下であると共に、歯面から50μm深さ位置での炭化物面積率Fmが3〜20%であり、且つ歯面から25μm深さ位置での炭化物面積率Fsと前記炭化物面積率Fmとの比(Fs/Fm)が0.3以上、1.0未満を満足するものであることを特徴とするなじみ性に優れた歯車部品。
- 歯面から50μm深さ位置でのN濃度[Nm]が0.05〜1.0%である請求項1に記載の歯車部品。
- 前記鋼材は、更に他の元素として、Ni:2.0%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1または2に記載の歯車部品。
- 前記鋼材は、更に他の元素として、B:0.005%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の歯車部品。
- 前記鋼材は、更に他の元素として、Al:0.05%以下(0%を含まない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)およびV:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の歯車部品。
- 前記鋼材は、更に他の元素として、N:0.03%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の歯車部品。
- 前記鋼材は、更に他の元素として、S:0.04%以下(0%を含まない)、Ca:0.01%以下(0%を含まない)、Mg:0.01%以下(0%を含まない)、Pb:0.1%以下(0%を含まない)およびBi:0.05%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含有するものである請求項1〜6のいずれかに記載の歯車部品。
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