JP2770232B2 - X線回折による単結晶板の表裏判定方法 - Google Patents
X線回折による単結晶板の表裏判定方法Info
- Publication number
- JP2770232B2 JP2770232B2 JP1039271A JP3927189A JP2770232B2 JP 2770232 B2 JP2770232 B2 JP 2770232B2 JP 1039271 A JP1039271 A JP 1039271A JP 3927189 A JP3927189 A JP 3927189A JP 2770232 B2 JP2770232 B2 JP 2770232B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- single crystal
- crystal plate
- lattice plane
- silicon wafer
- detector
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、X線回折によって単結晶板の表裏を判定
する方法に関し、特に、特定の格子面が表面に対して傾
斜しているような単結晶板の表裏を判定する方法に関す
る。
する方法に関し、特に、特定の格子面が表面に対して傾
斜しているような単結晶板の表裏を判定する方法に関す
る。
[従来の技術] シリコンウェーハは、通常、特定の格子面、たとえば
(100)面が、ウェーハ表面に平行となっている。とこ
ろが、この特定の格子面を、ウェーハ表面に対して、所
定の傾斜角で傾斜させているようなシリコンウェーハも
ある。このようなシリコンウェーハでは、X線回折によ
って、上述の傾斜角の方向を見付け、これにより、シリ
コンウェーハのどちらが表でどちらが裏であるかを判定
することが可能となる。
(100)面が、ウェーハ表面に平行となっている。とこ
ろが、この特定の格子面を、ウェーハ表面に対して、所
定の傾斜角で傾斜させているようなシリコンウェーハも
ある。このようなシリコンウェーハでは、X線回折によ
って、上述の傾斜角の方向を見付け、これにより、シリ
コンウェーハのどちらが表でどちらが裏であるかを判定
することが可能となる。
[発明が解決しようとする課題] 特定の格子面がウェーハ表面に対してどのように傾斜
しているかを測定するには、ディフラクトメータを利用
すればよい。この場合、X線源と、シリコンウェーハ
と、X線検出器との、相対的位置関係を変化させなが
ら、特定の結晶面からの回折ピークを探すのが一般的で
ある。しかし、このような測定方法を利用してシリコン
ウェーハの表裏を判定しようとすると、1枚のウェーハ
に対して判定時間がかかり過ぎ、多くのシリコンウェー
ハを全数検査するのには適さない。
しているかを測定するには、ディフラクトメータを利用
すればよい。この場合、X線源と、シリコンウェーハ
と、X線検出器との、相対的位置関係を変化させなが
ら、特定の結晶面からの回折ピークを探すのが一般的で
ある。しかし、このような測定方法を利用してシリコン
ウェーハの表裏を判定しようとすると、1枚のウェーハ
に対して判定時間がかかり過ぎ、多くのシリコンウェー
ハを全数検査するのには適さない。
この発明は、このような事情にかんがみてなされたも
のであり、その目的は、単結晶板の表裏を極めて短時間
で判定できるような、X線回折による単結晶板の表裏判
定方法を提供することにある。
のであり、その目的は、単結晶板の表裏を極めて短時間
で判定できるような、X線回折による単結晶板の表裏判
定方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、この発明に係る表裏判定方
法は、つぎの各段階を有する。すなわち、特定の格子面
が表面に対してある傾斜角で傾斜しているような単結晶
板の表裏を判定するにあたって、まず、単結晶板に対し
て相対位置が固定されたX線源から、単結晶板にX線を
照射する。つぎに、単結晶板に対して相対位置が固定さ
れた検出器によって、特定の格子面からの回折X線を検
出する。つぎに、検出器の出力と所定のしきい値とを比
較して、2値信号を発生する。この2値信号が、単結晶
板の表裏を表すことになる。
法は、つぎの各段階を有する。すなわち、特定の格子面
が表面に対してある傾斜角で傾斜しているような単結晶
板の表裏を判定するにあたって、まず、単結晶板に対し
て相対位置が固定されたX線源から、単結晶板にX線を
照射する。つぎに、単結晶板に対して相対位置が固定さ
れた検出器によって、特定の格子面からの回折X線を検
出する。つぎに、検出器の出力と所定のしきい値とを比
較して、2値信号を発生する。この2値信号が、単結晶
板の表裏を表すことになる。
この場合、単結晶板に照射するX線の発散角を1〜10
゜の範囲に設定するのが好ましい。
゜の範囲に設定するのが好ましい。
[作用] この発明に係る表裏判定方法では、X線源と検出器と
格子面との相対的位置関係を固定して、特定の格子面か
らの回折X線が検出器に到達するかどうかを調べてい
る。上述の相対的位置関係を、たとえば、単結晶板が裏
を向いている条件のときに特定の格子面からの回折X線
が検出できるように、あらかじめ固定しておく。そし
て、検出器の出力と所定のしきい値とを比較器で比較し
て、2値信号を発生させるようにしておく。こうする
と、単結晶板が表(オモテ)を向いているときは、比較
器から信号が出ない。したがって、測定系をなんら動か
すことなく、単結晶板の表裏の判定が自動的にかつ簡単
におこなえる。
格子面との相対的位置関係を固定して、特定の格子面か
らの回折X線が検出器に到達するかどうかを調べてい
る。上述の相対的位置関係を、たとえば、単結晶板が裏
を向いている条件のときに特定の格子面からの回折X線
が検出できるように、あらかじめ固定しておく。そし
て、検出器の出力と所定のしきい値とを比較器で比較し
て、2値信号を発生させるようにしておく。こうする
と、単結晶板が表(オモテ)を向いているときは、比較
器から信号が出ない。したがって、測定系をなんら動か
すことなく、単結晶板の表裏の判定が自動的にかつ簡単
におこなえる。
この場合、単結晶板に照射するX線の発散角をある程
度広くとっておくことが重要である。具体的には、発散
角を1〜10゜の範囲に設定することができる。発散角が
1゜未満であると、格子面の傾斜角のばらつきや、単結
晶板の姿勢のばらつきなどの影響で、検出されるべき回
折X線が検出できなくなる恐れがある。また、発散角が
10゜を越えると、測定系の制約が大きくなる。
度広くとっておくことが重要である。具体的には、発散
角を1〜10゜の範囲に設定することができる。発散角が
1゜未満であると、格子面の傾斜角のばらつきや、単結
晶板の姿勢のばらつきなどの影響で、検出されるべき回
折X線が検出できなくなる恐れがある。また、発散角が
10゜を越えると、測定系の制約が大きくなる。
[実施例] 次に、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
第1図は、この発明に係る方法で表裏を判定されるシ
リコンウェーハの一例を示す。このシリコンウェーハ10
は、特定の格子面、たとえば(100)面が、第3図に示
すように、ウェーハ表面10aに対して所定の傾斜角αで
傾斜している。なお、特定の格子面12は、二点鎖線で示
している。また、第1図から第3図までにおいては、図
面をわかりやすくするために、シリコンウェーハの厚さ
方向を拡大して示してある。第1図に戻って、格子面12
とシリコンウェーハ10の表面10aとの交線12aは、オリエ
ンテーション・フラット14に対して角度βで傾斜してい
る。
リコンウェーハの一例を示す。このシリコンウェーハ10
は、特定の格子面、たとえば(100)面が、第3図に示
すように、ウェーハ表面10aに対して所定の傾斜角αで
傾斜している。なお、特定の格子面12は、二点鎖線で示
している。また、第1図から第3図までにおいては、図
面をわかりやすくするために、シリコンウェーハの厚さ
方向を拡大して示してある。第1図に戻って、格子面12
とシリコンウェーハ10の表面10aとの交線12aは、オリエ
ンテーション・フラット14に対して角度βで傾斜してい
る。
このようなシリコンウェーハ10に対して、図に示すよ
うな方向に、直交座標軸、X、Y、Z軸を仮定する。X
軸はオリエンテーション・フラット14に平行に、Z軸は
ウェーハ表面10aに垂直にとる。いま、Y軸を中心とし
てシリコンウェーハ10を180゜回転すると、第2図の状
態となる。このとき、シリコンウェーハ10の裏面10bが
見え、格子面12と裏面10bとの交線12bは、表面10aの交
線12aとは逆向きに見えることになる。なお、もし、第
1図の角度βがゼロであれば、ウェーハを180゜回転し
ても、交線12aと12Bの見え方は同じになる。
うな方向に、直交座標軸、X、Y、Z軸を仮定する。X
軸はオリエンテーション・フラット14に平行に、Z軸は
ウェーハ表面10aに垂直にとる。いま、Y軸を中心とし
てシリコンウェーハ10を180゜回転すると、第2図の状
態となる。このとき、シリコンウェーハ10の裏面10bが
見え、格子面12と裏面10bとの交線12bは、表面10aの交
線12aとは逆向きに見えることになる。なお、もし、第
1図の角度βがゼロであれば、ウェーハを180゜回転し
ても、交線12aと12Bの見え方は同じになる。
上述の特定の格子面12の傾斜状態について正確に議論
すると次のようになる。格子面の向きは、その面の法線
の方向を向く単位ベクトル(以下、法線ベクトルとい
う。)で表すことができる。第4図において、第1図の
状態のシリコンウェーハ10の格子面12の法線ベクトルA
は、(−a,−a,b)のベクトル成分を有する。もし、シ
リコンウェーハ10の(100)格子面12が、ウェーハ表面
と平行であれば、格子面12の法線ベクトルは、まっすぐ
上を向くことになる。このまっすぐ上を向く法線ベクト
ルを、式「X=Y」で表される平面内で、角度αだけ傾
斜させると、ベクトルAとなる。つぎに、第1図のシリ
コンウェーハ10をY軸を中心に180゜回転させて、第2
図の状態にすると、元の法線ベクトルA(−a,−a,b)
は、ベクトルB(a,−a,−b)になる。つまり、Y成分
は変化せずに、X成分およびZ成分の符号が逆になる。
この法線ベクトルBは、第2図の状態のシリコンウェー
ハ10を下から見た場合の格子面12の法線ベクトルを表し
ている。したがって、第2図の格子面12を上から見た場
合は、その法線ベクトルCは、ベクトルBの反対向きと
なる。すなわち、法線ベクトルCの成分は(−a,a,b)
となる。結局、第1図の状態の格子面12の法線ベクトル
A(−a,−a,b)と、第2図の状態の格子面の法線ベク
トルC(−a,a,b)とを比較すると、Y成分の符号が逆
になっている。
すると次のようになる。格子面の向きは、その面の法線
の方向を向く単位ベクトル(以下、法線ベクトルとい
う。)で表すことができる。第4図において、第1図の
状態のシリコンウェーハ10の格子面12の法線ベクトルA
は、(−a,−a,b)のベクトル成分を有する。もし、シ
リコンウェーハ10の(100)格子面12が、ウェーハ表面
と平行であれば、格子面12の法線ベクトルは、まっすぐ
上を向くことになる。このまっすぐ上を向く法線ベクト
ルを、式「X=Y」で表される平面内で、角度αだけ傾
斜させると、ベクトルAとなる。つぎに、第1図のシリ
コンウェーハ10をY軸を中心に180゜回転させて、第2
図の状態にすると、元の法線ベクトルA(−a,−a,b)
は、ベクトルB(a,−a,−b)になる。つまり、Y成分
は変化せずに、X成分およびZ成分の符号が逆になる。
この法線ベクトルBは、第2図の状態のシリコンウェー
ハ10を下から見た場合の格子面12の法線ベクトルを表し
ている。したがって、第2図の格子面12を上から見た場
合は、その法線ベクトルCは、ベクトルBの反対向きと
なる。すなわち、法線ベクトルCの成分は(−a,a,b)
となる。結局、第1図の状態の格子面12の法線ベクトル
A(−a,−a,b)と、第2図の状態の格子面の法線ベク
トルC(−a,a,b)とを比較すると、Y成分の符号が逆
になっている。
X線回折によって第1図の状態と第2図の状態とを見
分けるということは、法線ベクトルAで表される格子面
からの回折X線と、法線ベクトルCで表される格子面か
らの回折X線とを区別することにほかならない(つま
り、この発明は、第3図に示す傾斜角αと、第1図に示
す角度βとが、ともにゼロでないようなシリコンウェー
ハを対象とするものである)。そのためには、どちらか
の回折X線だけが検出できるように、測定系の相対位置
を固定しておけばよい。つまり、回折ピークを探すため
に測定系の相対位置を変化させることは必要ない。
分けるということは、法線ベクトルAで表される格子面
からの回折X線と、法線ベクトルCで表される格子面か
らの回折X線とを区別することにほかならない(つま
り、この発明は、第3図に示す傾斜角αと、第1図に示
す角度βとが、ともにゼロでないようなシリコンウェー
ハを対象とするものである)。そのためには、どちらか
の回折X線だけが検出できるように、測定系の相対位置
を固定しておけばよい。つまり、回折ピークを探すため
に測定系の相対位置を変化させることは必要ない。
第5図は、この発明に係る方法を実施するためのX線
回折装置の配置の一例を示す正面図である。水平に置か
れたシリコンウェーハ10に対して、X線源20と検出器22
とは、その相対位置が固定されている。まず、シリコン
ウェーハ10は、孔の開いた支持台30の上に置かれ、オリ
エンテーション・フラットが常に特定の方向(たとえば
紙面の手前の方向)を向くように配置される。なお、こ
の実施例では、シリコンウェーハ10が裏になっていると
きだけ格子面12からの回折X線が検出器22で検出される
ように、X線源20と検出器22とが配置されている。とこ
ろで、もしX線源20と検出器22とを2θ固定で全体的に
回転させて回折測定をしたと仮定すれば、シリコンウェ
ーハ10が表か裏かによって、第6図に示す二つの回折ピ
ーク30,32のいずれかが現れることになる。この実施例
では、シリコンウェーハが裏になっているときの回折ピ
ーク30の位置に、測定系が固定されているのである。
回折装置の配置の一例を示す正面図である。水平に置か
れたシリコンウェーハ10に対して、X線源20と検出器22
とは、その相対位置が固定されている。まず、シリコン
ウェーハ10は、孔の開いた支持台30の上に置かれ、オリ
エンテーション・フラットが常に特定の方向(たとえば
紙面の手前の方向)を向くように配置される。なお、こ
の実施例では、シリコンウェーハ10が裏になっていると
きだけ格子面12からの回折X線が検出器22で検出される
ように、X線源20と検出器22とが配置されている。とこ
ろで、もしX線源20と検出器22とを2θ固定で全体的に
回転させて回折測定をしたと仮定すれば、シリコンウェ
ーハ10が表か裏かによって、第6図に示す二つの回折ピ
ーク30,32のいずれかが現れることになる。この実施例
では、シリコンウェーハが裏になっているときの回折ピ
ーク30の位置に、測定系が固定されているのである。
ところで、通常のX線回折測定では、回折ピークの角
度分解能は、0.1゜以下である。すなわち、発散スリッ
トや受光スリットを利用することによって、測定系の角
度分解能を高めている。しかし、この発明では、単に表
裏の判定だけにX線回折を利用しているので、角度分解
能を高める必要は全くない。むしろ、角度分解能を高め
ると、シリコンウェーハの格子面12の傾斜角αのばらつ
きや、シリコンウェーハの姿勢のばらつきのために、検
出されるべき回折X線が検出されない場合も考えられ
る。したがって、この発明では、測定系の角度分解能を
広くとってある。なお、この明細書で「角度分解能」と
は、回折ピークの半価幅で定義される。この実施例で判
定されるシリコンウェーハは、上述のα=4゜、β=45
゜のものである。傾斜角αは、最大で±0.5゜程度のば
らつきがあるので、測定系の角度分解能はこれより広く
する必要がある。実際はもう少し余裕をみて、第7図に
示すように傾斜角αが3゜〜5゜の範囲において、検出
器22の出力Iが、しきい値Iを十分に越えるように、角
度分解能を広くしてある。第7図の場合の角度分解能
は、2゜より大きい。
度分解能は、0.1゜以下である。すなわち、発散スリッ
トや受光スリットを利用することによって、測定系の角
度分解能を高めている。しかし、この発明では、単に表
裏の判定だけにX線回折を利用しているので、角度分解
能を高める必要は全くない。むしろ、角度分解能を高め
ると、シリコンウェーハの格子面12の傾斜角αのばらつ
きや、シリコンウェーハの姿勢のばらつきのために、検
出されるべき回折X線が検出されない場合も考えられ
る。したがって、この発明では、測定系の角度分解能を
広くとってある。なお、この明細書で「角度分解能」と
は、回折ピークの半価幅で定義される。この実施例で判
定されるシリコンウェーハは、上述のα=4゜、β=45
゜のものである。傾斜角αは、最大で±0.5゜程度のば
らつきがあるので、測定系の角度分解能はこれより広く
する必要がある。実際はもう少し余裕をみて、第7図に
示すように傾斜角αが3゜〜5゜の範囲において、検出
器22の出力Iが、しきい値Iを十分に越えるように、角
度分解能を広くしてある。第7図の場合の角度分解能
は、2゜より大きい。
測定系の角度分解能を広くするには、シリコンウェー
ハに入射するX線の発散角を広くすればよい。発散角を
広くするには、(1)第5図のスリット24の間隙を広く
する、(2)焦点サイズの大きなX線源を利用する、な
どの手段をとることができる。この実施例では、スリッ
ト24を用いて、X線の発散角は5゜に設定してある。
ハに入射するX線の発散角を広くすればよい。発散角を
広くするには、(1)第5図のスリット24の間隙を広く
する、(2)焦点サイズの大きなX線源を利用する、な
どの手段をとることができる。この実施例では、スリッ
ト24を用いて、X線の発散角は5゜に設定してある。
第5図の測定装置を用いて多数のシリコンウェーハ10
を順番に測定した結果を第8図に示す。横軸は測定番
号、縦軸は検出器の出力Iである。この図では、4番目
と8番目の測定のときに、検出器の出力Iが、しきい値
Iを越えている。検出器の出力Iは、比較器によって、
しきい値Iと比較されているので、この比較器の出力
は、4番目と8番目の測定のときにハイレベルとなる。
それ以外のときはロウレベルを保つ。すなわち、比較器
の出力は2値信号であり、この2値信号が、シリコンウ
ェーハの表裏を表している。つまり、第8図の例では、
4番目と8番目の測定のときに、比較器の出力がハイレ
ベルとなり、このときにシリコンウェーハが裏向きであ
ることがわかる。
を順番に測定した結果を第8図に示す。横軸は測定番
号、縦軸は検出器の出力Iである。この図では、4番目
と8番目の測定のときに、検出器の出力Iが、しきい値
Iを越えている。検出器の出力Iは、比較器によって、
しきい値Iと比較されているので、この比較器の出力
は、4番目と8番目の測定のときにハイレベルとなる。
それ以外のときはロウレベルを保つ。すなわち、比較器
の出力は2値信号であり、この2値信号が、シリコンウ
ェーハの表裏を表している。つまり、第8図の例では、
4番目と8番目の測定のときに、比較器の出力がハイレ
ベルとなり、このときにシリコンウェーハが裏向きであ
ることがわかる。
以上のようにして表裏が判定されると、搬送装置によ
って運ばれてくる多数のシリコンウェーハの中から、裏
向きのシリコンウェーハを取り除いたり、あるいは反転
したりする。
って運ばれてくる多数のシリコンウェーハの中から、裏
向きのシリコンウェーハを取り除いたり、あるいは反転
したりする。
この実施例の表裏判定方法では、測定系の相対位置を
動かす必要がないので、1枚のシリコンウェーハの表裏
を判定するのに、1秒もかからない。
動かす必要がないので、1枚のシリコンウェーハの表裏
を判定するのに、1秒もかからない。
上述の実施例では、シリコンウェーハを判定対象にし
ているが、この発明はシリコンウェーハに限られず、そ
の他の単結晶板の表裏判定にも有効である。
ているが、この発明はシリコンウェーハに限られず、そ
の他の単結晶板の表裏判定にも有効である。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明に係る表裏判定方法で
は、単結晶板とX線源と検出器との相対的位置関係を固
定して、特定の格子面からの回折X線が検出器に到達す
るかどうかを調べている。そして、その結果を2値信号
の形で出力している。したがって、測定系を動かさずに
済み、単結晶板の表裏の判定が短時間におこなえる。
は、単結晶板とX線源と検出器との相対的位置関係を固
定して、特定の格子面からの回折X線が検出器に到達す
るかどうかを調べている。そして、その結果を2値信号
の形で出力している。したがって、測定系を動かさずに
済み、単結晶板の表裏の判定が短時間におこなえる。
この場合、単結晶板に照射するX線の発散角を1〜10
゜の範囲に設定すれば、単結晶板の特定の格子面の傾斜
角がばらついていたとしても、確実に表裏判定ができ
る。
゜の範囲に設定すれば、単結晶板の特定の格子面の傾斜
角がばらついていたとしても、確実に表裏判定ができ
る。
第1図は、この発明の方法で表裏を判定されるシリコン
ウェーハの斜視図、 第2図は、このシリコンウェーハを反転した状態の斜視
図、 第3図は、第1図のIII−III線で切断した断面図、 第4図は、格子面の法線ベクトルを説明する斜視図、 第5図は、この発明の方法を実施するX線回折装置の配
置を示す正面図、 第6図は、2θ固定で測定系を回転したときの、格子面
による2種類の回折ピークを示すグラフ、 第7図は、傾斜角αと検出強度との関係を示すグラフ、 第8図は、多数のシリコンウェーハの表裏を判定したと
きの検出器の出力を示すグラフである。 10……シリコンウェーハ 12……格子面 20……X線源 22……検出器 α……格子面の傾斜角 I……検出器の出力のしきい値
ウェーハの斜視図、 第2図は、このシリコンウェーハを反転した状態の斜視
図、 第3図は、第1図のIII−III線で切断した断面図、 第4図は、格子面の法線ベクトルを説明する斜視図、 第5図は、この発明の方法を実施するX線回折装置の配
置を示す正面図、 第6図は、2θ固定で測定系を回転したときの、格子面
による2種類の回折ピークを示すグラフ、 第7図は、傾斜角αと検出強度との関係を示すグラフ、 第8図は、多数のシリコンウェーハの表裏を判定したと
きの検出器の出力を示すグラフである。 10……シリコンウェーハ 12……格子面 20……X線源 22……検出器 α……格子面の傾斜角 I……検出器の出力のしきい値
Claims (1)
- 【請求項1】特定の格子面が表面に対してある傾斜角で
傾斜しているような単結晶板の表裏を判定する方法であ
って、 前記単結晶板に対して相対位置が固定されたX線源か
ら、前記単結晶板にX線を照射する段階と、 前記単結晶板に対して相対位置が固定された検出器によ
って、前記特定の格子面からの回折X線を検出する段階
と、 前記検出器の出力と所定のしきい値とを比較して、2値
信号を発生する段階とを有し、 前記単結晶板に照射されるX線の発散角が1〜10゜の範
囲に設定されていることを特徴とする単結晶板の表裏判
定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1039271A JP2770232B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | X線回折による単結晶板の表裏判定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1039271A JP2770232B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | X線回折による単結晶板の表裏判定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02218945A JPH02218945A (ja) | 1990-08-31 |
JP2770232B2 true JP2770232B2 (ja) | 1998-06-25 |
Family
ID=12548489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1039271A Expired - Fee Related JP2770232B2 (ja) | 1989-02-21 | 1989-02-21 | X線回折による単結晶板の表裏判定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2770232B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005077271A (ja) * | 2003-09-01 | 2005-03-24 | Toshiba It & Control Systems Corp | 結晶表裏判定装置及び結晶傾斜方位判定装置 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4452807B2 (ja) * | 2005-09-06 | 2010-04-21 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 薄膜結晶の極性の判定方法 |
JP6349290B2 (ja) * | 2015-09-03 | 2018-06-27 | 信越半導体株式会社 | 単結晶ウェーハの表裏判定方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2683933B2 (ja) * | 1989-01-20 | 1997-12-03 | 信越半導体株式会社 | 半導体ウエーハの表裏および方位判定検査装置 |
-
1989
- 1989-02-21 JP JP1039271A patent/JP2770232B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005077271A (ja) * | 2003-09-01 | 2005-03-24 | Toshiba It & Control Systems Corp | 結晶表裏判定装置及び結晶傾斜方位判定装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02218945A (ja) | 1990-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR920008464A (ko) | 근접 리소그래픽 시스템의 횡축 위치 측정장치 및 방법 | |
JPH05231985A (ja) | 光学系における屈折力の測定方法および測定装置 | |
JP2770232B2 (ja) | X線回折による単結晶板の表裏判定方法 | |
JPH0426042B2 (ja) | ||
JPS6219739A (ja) | 検査方法および装置 | |
JP5751514B2 (ja) | 球体の球径寸法測定方法及びその測定装置 | |
JP2631725B2 (ja) | 干渉パターンによる微粒子の粒径計測方法 | |
Reid | A moiré fringe alignment aid | |
JP3512440B2 (ja) | 変位センサ | |
JP2000258144A (ja) | ウェーハの平坦度および厚み測定装置 | |
JP3002315B2 (ja) | キャリヤ検査装置 | |
JPH01320430A (ja) | 光学式変位検出装置 | |
JP3444984B2 (ja) | 測定点の座標測定装置、及び座標測定方法 | |
JP2565274B2 (ja) | 高さ測定装置 | |
JPS6149601B2 (ja) | ||
JPH09329417A (ja) | 3次元計測における投光器−受光器間キャリブレーション方法 | |
JPH05296946A (ja) | X線回折装置 | |
JPH0198908A (ja) | ウェハの回転方向位置ずれ検出方法 | |
JPH07318314A (ja) | 測長装置 | |
JPS6029087B2 (ja) | 焦点位置検出方式 | |
JPH06229953A (ja) | 単結晶材料の結晶格子面測定装置 | |
JPS5932722B2 (ja) | 液面形状測定装置 | |
JPH03118448A (ja) | 光学的装置の入射角補正装置 | |
JPS61281908A (ja) | 光計測方法 | |
JP2000258364A (ja) | X線装置及びx線測定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |