JPH06229953A - 単結晶材料の結晶格子面測定装置 - Google Patents

単結晶材料の結晶格子面測定装置

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JPH06229953A
JPH06229953A JP5040499A JP4049993A JPH06229953A JP H06229953 A JPH06229953 A JP H06229953A JP 5040499 A JP5040499 A JP 5040499A JP 4049993 A JP4049993 A JP 4049993A JP H06229953 A JPH06229953 A JP H06229953A
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JP
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ray
rays
diffracted
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single crystal
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JP5040499A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Machitani
芳郎 町谷
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶格子面が異なる複数の単結晶材料に関し
てX線測定を行う場合でも、X線光学系の配置替えを行
う必要がなく、従って、安定した精度の測定をきわめて
短時間で行うことができるようにする。 【構成】 X線源3から出たX線を2個のスリット16
a,16bによって分割して2個の第1結晶15a,1
5bのそれぞれに照射する。それらの第1結晶で回折し
たX線はシリコンインゴット13のオリフラ面2の同一
点Pに入射する。オリフラ面2をω回転させたとき、入
射X線のうちオリフラ面2の結晶格子面との間で回折条
件を満足するものだけが回折してX線カウンタ5a又は
5bのうちのいずれかによって検出される。オリフラ面
2の結晶格子面のミラー指数が変化すると、X線カウン
タ5a又は5bのうちの他方のX線カウンタによって回
折X線が検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水晶、シリコン(S
i)等といった単結晶材料にX線を照射し、その単結晶
材料内の結晶格子面で回折した回折X線を検出する結晶
格子面測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような結晶格子面測定装置とし
て、水晶板等のカット面検査装置、シリコンウエハの主
面方位測定装置、シリコンインゴットのオリフラ面方位
測定装置等が知られている。各装置について簡単に説明
すれば、次の通りである。
【0003】水晶板等のカット面検査装置 水晶板は、例えば電子機器の発振源として近年広く用い
られている。この水晶板は、一般に、棒状の水晶の原材
料を例えば0.2mm程度の薄さに切断することによっ
て形成される。この水晶板において、水晶板内部の結晶
格子面に対する水晶板のカット面の傾斜角度が種々に変
化すると、それに応じて水晶板の特性が変化する。
【0004】水晶の原材料をカット装置によって一定の
設備条件でカットしたとしても、実際上、各水晶板のカ
ット面の内部結晶格子面に対する傾斜角度は、かなりの
偏差を持っている。従って、カットされた複数の水晶板
を選別することなく無秩序に使用する場合には、各水晶
板に関して均一な出力特性を得ることはできない。よっ
て通常は、カットされた各水晶板についてカット面の結
晶格子面に対する傾斜角度の基準角度値からのズレを測
定し、それらの水晶板を所定範囲の角度偏差毎に分類し
て、使用している。このように、水晶板等といった単結
晶材料のカット面の結晶格子面に対する傾斜角度のズレ
を測定するために用いられる装置が上記のカット面検査
装置である。
【0005】シリコンウエハの主面方位測定装置 シリコンインゴットは、例えば図6に示すような円筒形
状に形成される。これを軸線Lに対して直角方向に薄く
カットすることにより、図7に示すような、シリコンウ
エハが形成される。このシリコンウエハがICの基盤原
材等として用いられることは広く知られている。このシ
リコンウエハの円形表面1が通常、主面と呼ばれてお
り、この主面1の上にIC等が作製される。一般に、シ
リコンウエハの特性は主面1の結晶方位によって特定さ
れる。例えば、主面1の結晶格子面のミラー指数が(1
11)、(511)、(100)等のように異なると
き、それらのシリコンウエハはそれぞれに固有の特性を
持っている。従って、品質が一定なICを製造しようと
する場合には、ミラー指数が一定である結晶格子面を主
面1とするシリコンウエハをICの製造ラインに投入す
ることが要求される。シリコンウエハの主面方位測定装
置は、シリコンウエハの主面の結晶方位の加工面に対す
るズレを測角するものである。
【0006】シリコンインゴットのオリフラ面方位測定装置 図6に示すような形状のシリコンインゴットの側面に
は、一般に、研磨等の加工によってオリフラ面と呼ばれ
る平面2が形成される。このオリフラ面2は、シリコン
インゴット内部の結晶格子面がどの方向を向いているか
を認識する上での指標となるものである。このオリフラ
面2は、シリコンインゴットに限らず、当然のことなが
ら、そのシリコンインゴットから作製されるシリコンウ
エハ(図7)にも存在する。シリコンウエハに加えられ
る一連のIC製造処理は、このオリフラ面2を基準にし
て実行される。オリフラ面方位測定装置は、オリフラ面
がインゴット内の結晶格子面に対して正確な位置に加工
されているかどうか、換言すればオリフラ面の結晶方位
の加工面に対するズレを測角するものである。
【0007】以上のような各種の用途に用いられる単結
晶材料の結晶格子面測定装置として、従来、図8に示す
ような構成のものが知られている。この装置では、X線
源3から放射されたX線の発散角を発散スリット24で
規制した状態で、そのX線を単結晶材料4に照射し、そ
の単結晶材料4内の結晶格子面4aで回折した回折X線
をX線カウンタ5によって検出する。X線カウンタ5は
予め、測定対象となっている単結晶材料4の結晶格子面
4aに固有の回折角度2θに合わせて配置されている。
単結晶材料4をX線照射点Pを中心として矢印A−A’
のように回転揺動、いわゆるω回転すれば、X線カウン
タ5によって検出されるX線強度が最高強度になる角度
位置を探すことができる。例えば、その最強強度位置の
基準位置からのズレを測定することにより、結晶格子面
4aの正常位置からの角度ズレを測定することができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
単結晶材料の結晶格子面測定装置は、X線検出器の設置
位置を予め、測定対象となる単結晶材料の既知の結晶格
子面のX線回折角度に合わせて設定し、その状態でX線
回折測定を行うというものであった。従って、一種類の
結晶格子面測定のみが可能であり、結晶格子の異なる面
を測定するには、その都度、その回折角度を満足させる
配置にX線光学系、例えばX線カウンタの配置位置を組
み替える必要があった。
【0009】本発明は、上記の問題点を解消するために
なされたものであって、結晶格子面が異なる複数の単結
晶材料に関して測定を行う場合でも、X線光学系の配置
替えを行う必要がなく、従って、安定した精度の測定を
きわめて短時間で行うことのできる結晶格子面測定装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明に係る第1の単結晶材料の結晶格子面測定装置
は、X線を発生するX線源と、ミラー指数の異なる結晶
格子面を有する複数の第1結晶と、それら複数の第1結
晶のそれぞれに対応して設けられていてX線源から出た
X線を対応する個々の第1結晶へ導く複数のスリット
と、個々の第1結晶のそれぞれに対応して配設されたX
線取込み口径の小さい複数のX線検出手段と、単結晶材
料をω回転させるω回転手段とを有している。上記のX
線検出手段は、個々の第1結晶で回折しさらに単結晶材
料で回折した回折X線を検出できる位置に配置される。
ω回転というのは、単結晶材料に入射するX線の入射角
度を変化させるためにX線の入射点のまわりで行われる
単結晶材料の揺動回転のことである。
【0011】なお、上記X線取込み口径の小さい複数の
X線検出手段に代えて、位置分解能を備えたX線検出手
段を少なくとも1つ設けることもできる。
【0012】また、本発明に係る第2の結晶格子面測定
装置は、X線を発生するX線源と、ミラー指数の異なる
結晶格子面を有する複数の第1結晶と、X線源と複数の
第1結晶との間に配置されたスリットと、そのスリット
をX線源から出るX線ビームを横切る方向へ移動させる
スリット移動手段と、いずれかの第1結晶で回折しさら
に単結晶材料で回折した回折X線を検出するX線取込み
口径の大きい少なくとも1個のX線検出手段と、単結晶
材料をω回転させるω回転手段とを有することを特徴と
している。
【0013】第1の結晶格子面測定装置において、X線
取込み口径の小さいX線検出手段とは、比較的狭い1点
でX線を取り込む形式の、通常一般的に用いられている
比例計数管(PC:Proportional Counter)や、シンチ
レーションカウンタ(SC:Scintillation Counter)
等のことである。
【0014】また、位置分解能を備えたX線検出手段と
は、広い範囲にわたってX線を取り込むことができ、し
かも取り込んだX線の角度位置を測定することができる
機能を備えたX線検出手段のことである。このようなX
線検出手段としては、例えばPSPC(Position Sensi
tive Proportional Counter) と呼ばれるものを用いる
ことができる。
【0015】このPSPCは、図9に符号6で示すよう
に、X線取込み用の長い開口7を備えたケーシング8及
びそのケーシング8の内部に配置された3本の導電性の
線材、すなわちアノード9、カソード10、そして遅延
線11を有している。X線源3から出て試料12で回折
した回折X線がX線取込み用開口7を介してケーシング
8の内部に取り込まれると、カソード10に電荷が誘導
され、その電荷に応じた電気パルス信号が遅延線11の
両端に現れる。そのパルス信号を測定することによりX
線の強度が測定される。また、遅延線11の両端に現れ
るパルス信号は、長さ方向Xの距離に比例した時間差を
有している。従って、遅延線11の両端に生じるパルス
信号の時間差を測定することにより、長さ方向Xにおけ
るX線入射位置を知ることができる。つまり、PSPC
6は、アノード9等が張設された範囲内において、長さ
方向Xすなわち回折角度2θ方向の各位置においてPS
PC6に入射した各X線の強度及び角度位置を同時に検
出する。
【0016】第2の結晶格子面測定装置において、X線
取込み口径の大きいX線検出手段というのは、広い範囲
のX線を取り込むことができるようなX線検出器のこと
である。このようなX線検出器として、例えば上記PC
又はSC等と同様の測定原理に基づき、X線取込み用の
開口を広く設定したX線検出器を用いることができる。
また、上述したPSPCを用いることもできる。なお、
PSPCによればX線強度と共に、その取り込んだX線
の位置情報をも測定できるが、PC等と同じ原理でX線
取込み用の開口のみを広くしたX線検出器では、取り込
んだX線の位置情報までは測定できない。しかしなが
ら、第2の結晶格子面測定装置に関しては、このような
位置分解能を備えていないX線検出器を用いることもで
きる。
【0017】
【作用】第1の結晶格子面測定装置では、X線源から出
たX線が各スリットによって分割されて個々の第1結晶
に入射する。第1結晶に入射したX線は各第1結晶内の
結晶格子面に対応した互いに異なる回折角度で回折し、
そして単結晶材料のほぼ同一の点に入射する。この状態
で単結晶材料をω回転させた場合、単結晶材料に入射す
る複数のX線のうちの1つが単結晶材料の結晶格子面に
対して回折条件を満足するときに単結晶材料でX線が回
折し、その回折X線が複数のX線検出手段のうちの1個
に取り込まれて検出される。回折X線を検出したX線検
出手段がどの角度位置に配置されたX線検出手段である
かを知ることにより、単結晶材料のX線入射面、例えば
単結晶インゴットのオリフラ面や単結晶ウエハの主面等
といった加工面の結晶格子面のミラー指数を知ることが
できる。また、回折X線を検出したときのω回転角度を
測角することにより結晶格子面の基準角度からのズレを
知ることができる。
【0018】X線取込み口径の狭い複数のX線検出手段
に代えて、位置分解能を備えたX線検出手段を用いた場
合には、回折X線の回折角度(2θ)を測定することが
できるので、その回折角度から単結晶材料のX線入射
面、例えば単結晶インゴットのオリフラ面や単結晶ウエ
ハの主面等といった加工面の結晶格子面のミラー指数を
知ることができる。
【0019】第2の結晶格子面測定装置では、スリット
を移動させることにより、X線源から出たX線を複数の
第1結晶のうちのいずれか1個に入射させる。その第1
結晶で回折し、さらに単結晶材料で回折した回折X線
は、X線取込み口径が大きいX線検出手段に取り込まれ
て検出される。いずれの第1結晶を経由したX線がX線
検出手段によって検出されたかを測定することにより、
単結晶材料のX線入射面、例えば単結晶インゴットのオ
リフラ面や単結晶ウエハの主面等といった加工面の結晶
格子面のミラー指数を知ることができる。
【0020】
【実施例】図1は、シリコンインゴットのオリフラ面の
結晶方位を測定するために本発明に係る結晶格子面測定
装置を用いた場合の実施例を示している。図2は、その
装置を矢印II方向から見た場合の正面図を示してい
る。また本実施例では、特に、測定対象となるシリコン
インゴットとして、オリフラ面2を形成する結晶格子面
のミラー指数が(220)及び(400)のもの、ある
いはそれら以外のものが混在しており、それらを選別す
るために本結晶格子面測定装置を用いるものとする。
【0021】図1において本実施例の結晶格子面測定装
置は、シリコンインゴット13を支持するための支持台
14と、X線を放射するX線源3と、X線源3と支持台
14との間に配置された2個の第1結晶15a,15b
と、X線源3と第1結晶15a,15bとの間に配置し
た2個の円形スリット16a,16bと、そしてシリコ
ンインゴット13で回折する回折X線を検出するための
2個のX線カウンタ5a,5bとを有している。スリッ
ト16a,16bを円形に代えて方形とすることもでき
る。
【0022】インゴット支持台14にはω回転機構25
が付設されている。このω回転機構というのは、インゴ
ット13のオリフラ面2に含まれていてインゴット13
の軸方向に延びる中心軸線L1を中心として支持台14
を適宜の角度範囲で矢印ωのように往復回転、すなわち
揺動し、それと同時にその回転角度を測角できる機構で
ある。このω回転機構は特別の構造に限定されるもので
はない。
【0023】X線源3を構成するターゲットの材質とし
ては銅(Cu)を用いるものとし、そのターゲット上の
X線焦点はポイントフォーカス又は図2において紙面垂
直方向に延びるラインフォーカスとする。第1結晶15
a,15b及びX線カウンタ5a,5bは、図2に示す
ように、それぞれ上下方向に異なる位置に配置されてい
る。X線カウンタ5a,5bは、X線取込み口径の小さ
いカウンタ、すなわち狭い範囲でX線を取り込む形式の
カウンタによって構成されている。
【0024】ところで、シリコン単結晶に銅(Cu)の
Kα線を照射した場合、シリコン単結晶内の結晶格子面
の方位、すなわちミラー指数が異なると、それらの結晶
格子面で回折する回折X線の回折角度も変化する。その
変化の様子の一例を次表に示す。
【0025】
【0026】今判別しようとしているのは、記述の通
り、シリコンインゴット13のオリフラ面2が(22
0)面であるか、(400)面であるかであるので、第
1結晶15aとしてはミラー指数(220)の結晶格子
面を有する単結晶材料を用い、もう一方の第1結晶15
bとしてはミラー指数(400)の結晶格子面を有する
単結晶材料を用いることにする。これらの単結晶材料の
銅(Cu)Kα線に対するX線回折角度は上記の通りで
あるから、各第1結晶15a,15bは、それらで回折
するX線がオリフラ面2の同じ位置Pに入射するよう
に、それぞれ図示の各位置に配置されている。
【0027】また、2個のX線カウンタ5a,5bに関
しては、上側X線カウンタ5aが(220)面からの回
折X線を取り込むことができる位置に配置され、そして
下側X線カウンタ5bが(400)面からの回折X線を
取り込むことができる位置に配置されている。これらの
X線カウンタ5a,5bの出力は判定回路17に送られ
る。
【0028】なお、測定対象となるオリフラ面2の結晶
面が(220)及び(400)以外の別の面に設定され
るときには、第1結晶として使用する単結晶材料の結晶
面もそれに応じて変更され、また、その第1結晶を配置
する位置も、X線回折角度との関連で回折X線をオリフ
ラ面2の同じX線照射点Pに入射させることのできる位
置に変更される。
【0029】本実施例に係る単結晶材料の結晶格子面測
定装置は以上のように構成されているので、X線源3か
ら放射されたX線は2個のスリット16a,16bによ
って2つのビームに分割され、一方が上側第1結晶15
aに入射し、他方が下側第1結晶15bに入射する。こ
れらのX線ビームは各第1結晶15a,15bで回折す
ることによって特性X線、例えばKα線の平行ビームと
して取り出され、共にシリコンインゴット13のオリフ
ラ面2上のX線照射点Pに入射する。
【0030】オリフラ面2が(220)面によって構成
されていれば、ω回転機構25によってシリコンインゴ
ット13がω回転される間の適宜の角度位置において、
上側第1結晶15aからの回折X線のみがオリフラ面2
との間で回折条件を満足し、そのオリフラ面2で回折
し、そしてその回折X線が上側X線カウンタ5aによっ
て検出される。判定回路17は、上側X線カウンタ5a
が回折X線を検出したことから、測定対象であるシリコ
ンインゴット13のオリフラ面2は(220)面である
と判別する。また、上側X線カウンタ5aが回折X線を
検出したときのω回転角度の測角値から、オリフラ面2
を構成する結晶格子面の傾斜角度の基準傾斜角度からの
ズレを測定することができる。
【0031】一方、オリフラ面2が(400)面によっ
て構成されていれば、下側第1結晶15bからの回折X
線のみが回折条件を満足してオリフラ面2で回折し、そ
してそれが下側X線カウンタ5bによって検出される。
判定回路17は、下側X線カウンタ5bからの出力を受
けることにより、オリフラ面2が(400)面であると
判定する。
【0032】オリフラ面2が(220)面及び(40
0)面のいずれでもない場合は、X線カウンタ5a及び
5bは共にX線を検出しない。このことから判定回路1
7は、オリフラ面2が(220)面でも(400)面で
もないと判定するか、あるいは(220)面又は(40
0)面であったとしてもそれらの結晶格子面の傾斜角度
のズレの程度がω回転機構によるオリフラ面2のω回転
角度範囲を越えるような大きなものであると判定する。
【0033】図3は、本発明に係る単結晶材料の結晶格
子面測定装置の他の実施例を示している。この実施例が
図2に示した先の実施例と異なる点は、X線取込み口径
の小さい2つのX線カウンタ5a,5bに代えて、PS
PC6を用いたことである。このPSPC6としては、
図9に示したものと同じものを用いることができる。こ
の実施例によれば、PSPC6に入射する回折X線の回
折角度2θがそのPSPC6によって測定されるので、
判定回路17はその回折角度に基づいてオリフラ面2を
構成する結晶格子面のミラー指数及びその結晶格子面の
傾斜角度ズレを判定できる。
【0034】図4は、本発明に係る単結晶材料の結晶格
子面測定装置のさらに他の実施例を示している。この実
施例が図2に示した先の実施例と異なる点は、2個の円
形又は方形スリットに代えて1個の円形又は方形スリッ
ト16を備えたスリット部材18を設けたこと、そのス
リット部材18を矢印AのようにX線ビームRを横切る
方向へ平行移動させるスリット移動装置19を設けたこ
と、X線取込み口径の小さい2個のX線カウンタ5a,
5bに代えてX線取込み口径の大きい1個のX線カウン
タ20を設けたこと、そしてスリット16の位置を検知
してその位置情報を判定回路17に送るスリット位置セ
ンサ21を設けたことである。X線カウンタ20は、上
側第1結晶15aを経由してオリフラ面2で回折したX
線及び下側第1結晶15bを経由してオリフラ面2で回
折したX線の両方を取り込むことができる程度の広いX
線取込み口径を有している。
【0035】この実施例では、スリット移動手段19に
よってスリット部材18、従ってスリット16を移動さ
せることにより、2個の第1結晶15a及び15bのう
ちのいずれか1個を選択して、X線源3から出たX線を
その選択された第1結晶に照射する。選択された第1結
晶で回折したX線がオリフラ面2との間で回折条件を満
足するとき、そのオリフラ面2でX線が回折し、回折し
たそのX線がX線カウンタ20によって検出される。判
定回路17は、X線カウンタ20がX線を検出したこと
及びそのときにスリット16が上側第1結晶15a及び
下側第2結晶15bのどちらに合わされているかを知る
ことにより、オリフラ面2を構成する結晶格子面のミラ
ー指数を判定する。
【0036】なお、X線カウンタ20は、インゴット1
3でX線が回折したことを検出すれば足り、回折X線の
回折角度を検出する必要はない。しかしながら、そのX
線カウンタ20に代えて、位置分解能を備えた図9に示
すようなPSPC6を用いることも可能である。
【0037】図5は、本発明に係る単結晶材料の結晶格
子面測定装置のさらに他の実施例を示している。図2に
示した実施例において第1結晶15a,15bとして、
それらの回折角度が小角度から広角度までの広い範囲に
わたって存在するものを用いるとすると、ポイントフォ
ーカス又は図2の紙面垂直方向に延びるラインフォーカ
スのX線焦点ではX線の発散角を十分に大きくとること
ができない。この問題を解消できるのが図5に示した本
実施例である。
【0038】この実施例に係る結晶格子面測定装置は、
紙面上下方向、すなわち第1結晶15a,15b,15
cが配列された方向に長いラインフォーカスのX線源3
と、上下方向に長いスリット16と、各第1結晶15a
〜15cの前(図の左側)に配置されたコリメータ22
a,22b,22cとを有している。この実施例によれ
ば、ラインフォーカスの上下両端から広範囲にX線が発
散するので、広い角度範囲にわたって配置された複数の
結晶15a〜15cにX線を十分に供給できる。
【0039】以上、いくつかの好ましい実施例をあげて
本発明を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定さ
れるものではない。例えば、上記の実施例では、シリコ
ンインゴットのオリフラ面の結晶方位を測定するために
本発明に係る結晶格子面測定装置を用いたが、水晶板の
カット面について水晶板内部の結晶格子面に対する傾斜
角度を検査する場合や、シリコンウエハの主面方位を測
定する場合にも本発明が適用できることはもちろんであ
る。
【0040】上記の実施例では、(220)面及び(4
00)面の各結晶面を測定対象としたが、他の任意の結
晶面を測定対象とすることができることは当然である。
但しその場合には、第1結晶の材質及び配置位置を測定
対象面に合わせて適宜に変更する必要がある。
【0041】上記実施例では、第1結晶を2個設置する
ことにより、2種類の結晶面を判別できる構成とした。
しかしながら、第1結晶の数を3個以上とすることによ
り、より多くの種類の結晶面を判別することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、単結晶材料の被測定面
に対してX線を異なる角度で入射する複数のX線光学系
を形成することができるので、単結晶材料の被測定面を
形成する結晶格子面の方位が種々に変化するような単結
晶材料に関してX線回折測定を行う場合でも、X線光学
系の配置替えを行う必要がなく、従って、安定した精度
の測定をきわめて短時間で行うことができる。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶材料の結晶格子面測定装置
の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】同第1実施例の正面図である。
【図3】本発明に係る単結晶材料の格子面測定装置の第
2実施例を示す正面図である。
【図4】本発明に係る単結晶材料の格子面測定装置の第
3実施例を示す正面図である。
【図5】本発明に係る単結晶材料の格子面測定装置の第
4実施例を示す正面図である。
【図6】単結晶材料としてのシリコンインゴットの一例
を示す斜視図である。
【図7】単結晶材料としてのシリコンウエハの一例を示
す斜視図である。
【図8】従来の格子面測定装置の一例を示す概略正面図
である。
【図9】位置分解能を備えたX線検出器の一例であるP
SPCを示す斜視図である。
【符号の説明】
2 オリフラ面 3 X線源 5a X線取込み口径の小さいX線カウンタ 5b X線取込み口径の小さいX線カウンタ 6 PSPC(位置分解能を備えたX線検出手段) 13 シリコンインゴット(単結晶材料) 15a 第1結晶 15b 第1結晶 16 スリット 16a スリット 16b スリット 20 X線取込み口径の大きいX線カウンタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶材料にX線を照射し、その単結晶
    材料内の結晶格子面で回折した回折X線を検出する結晶
    格子面測定装置において、 X線を発生するX線源と、 ミラー指数の異なる結晶格子面を有する複数の第1結晶
    と、 それら複数の第1結晶のそれぞれに対応して設けられて
    いて、X線源から出たX線を対応する個々の第1結晶へ
    導く複数のスリットと、 個々の第1結晶のそれぞれに対応して配設されていて、
    個々の第1結晶で回折し、さらに単結晶材料で回折した
    回折X線を検出できる位置に配設されたX線取込み口径
    の小さい複数のX線検出手段と、 単結晶材料をω回転させるω回転手段とを有することを
    特徴とする単結晶材料の結晶格子面測定装置。
  2. 【請求項2】 上記X線取込み口径の小さい複数のX線
    検出手段に代えて、位置分解能を備えたX線検出手段を
    少なくとも1つ設けたことを特徴とする単結晶材料の結
    晶格子面測定装置。
  3. 【請求項3】 単結晶材料にX線を照射し、その単結晶
    材料内の結晶格子面で回折した回折X線を検出する結晶
    格子面測定装置において、 X線を発生するX線源と、 ミラー指数の異なる結晶格子面を有する複数の第1結晶
    と、 X線源と複数の第1結晶との間に配置されたスリット
    と、 そのスリットをX線源から出るX線ビームを横切る方向
    へ移動させるスリット移動手段と、 いずれかの第1結晶で回折し、さらに単結晶材料で回折
    した回折X線を検出するX線取込み口径の大きい少なく
    とも1個のX線検出手段と、 単結晶材料をω回転させるω回転手段とを有することを
    特徴とする単結晶材料の結晶格子面測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5720271A (en) * 1995-04-22 1998-02-24 Hauser; Charles Process for the orientation of single crystals for cutting in a cutting machine and device for practicing this process
JP2002286913A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Nikon Corp 光学部材の採取方法、光学部材及び投影露光装置
KR20160006637A (ko) * 2015-12-21 2016-01-19 한국세라믹기술원 극 미세 두께를 갖는 그래핀에 대한 x선 투과 분석방법

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