JP2769850B2 - 一成分系非磁性現像剤 - Google Patents

一成分系非磁性現像剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真,静電記録の如き画像形成方法に
おける静電荷潜像を顕像化するための一成分系非磁性ト
ナーに関する。
[従来の技術] 近年、電子写真複写機等画像形成装置が広く普及する
に従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質へ
の要求も厳しくなってきている。一般の書類,書物の如
き画像の複写では、微細な文字に至るまで、つぶれた
り、とぎれたりすることなく、極めて微細且つ忠実に再
現することが求められている。特に、画像形成装置が有
する感光体上の潜像が100μm以下の線画像の場合に細
線再現性が一般に悪く、線画像の鮮明さが未だ充分では
ない。また、最近、デジタルな画像信号を使用している
電子写真プリンターの如き画像形成装置では、潜像は一
定電位のドットが集まって形成されており、ベタ部,ハ
ーフトーン部及びライト部はドット密度を変えることに
よって表現されている。ところが、ドットに忠実にトナ
ー粒子がのらず、ドットからトナー粒子がはみ出した状
態では、デジタル潜像の黒部と白部のドット密度の比に
対応するトナー画像の階調性が得られないという問題点
がある。さらに、画質を向上させるために、ドットサイ
ズを小さくして解像度を向上させる場合には、微小なド
ットから形成される潜像の再現性がさらに困難になり、
解像度及び階調性の悪い、シャープネスさに欠けた画像
となる傾向がある。
また、初期においては、良好な画質であるが、コピー
またはプリントアウトを続けているうちに、画質が劣悪
化してゆくことがある。この現象は、コピーまたはプリ
ントアウトを続けるうちに、現像され易いトナー粒子の
みが先に消費され、現像機中に、現像性の劣ったトナー
粒子が蓄積し残留することによって起こると考えられ
る。
これまでに、画質をよくするという目的のために、い
くつかの現像剤が提案されている。特開昭51−3244号公
報では、粒度分布を規制して、画質の向上を意図した非
非磁性トナーが提案されている。該トナーにおいて、8
〜12μmの粒径を有するトナーが主体であり、比較的粗
く、この粒径では本発明者らの検討によると、潜像への
均密なる“のり”は困難であり、かつ、5μm以下が30
個数%以下であり、20μm以上が5個数%以下であると
いう特性から、粒径分布はブロードであるという点も均
一性を低下させる傾向がある。このような粗めのトナー
粒子であり、且つブロードな粒度分布を有するトナーを
用いて、鮮明なる画像を形成するためには、トナー粒子
を厚く重ねることでトナー粒子間の間隙を埋めて見かけ
の画像濃度を上げる必要があり、所定の画像濃度を出す
ために必要なトナー消費量が増加するという問題点も有
している。
また、特開昭54−72054号公報では、前者よりもシャ
ープな分布を有する非磁性トナーが提案されているが、
中間の重さの粒子の寸法が8.5〜11.0μmと粗く、高解
像性のトナーとしては、未だ改良すべき余地を残してい
る。
特開昭58−129437号公報では、平均粒径が6〜10μm
であり、最多粒子が5〜8μmである非磁性トナーが提
案されているが、5μm以下の粒子が15個数%以下と少
なく、鮮明さの欠けた画像が形成される傾向がある。
本発明者らの検討によれば、5μm以下のトナー粒子
が、潜像の輪郭を明確に再現し、且つ潜像全体への緻密
なトナーののりの主要なる機能をもつことが知見され
た。特に、感光体上の静電荷潜像においては電気力線の
集中のため、輪郭たるエッジ部は内部より電界強度が高
く、この部分に集まるトナー粒子の質により、画質の鮮
鋭さが決まる。本発明者らの検討によれば5μm以下の
粒子の量が画質の鮮鋭さの問題点の解決に有効であるこ
とが判明した。
また、高画質化を達成する為には、5μm以下の非磁
性トナー粒子が重要であるが、これらの含有量を増加さ
せると、凝集性が増加し、現像性が低下する傾向にあっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は上述のごとき問題点を解決した一成分
系現像剤用非磁性トナーを提供するものである。
さらに、本発明の目的は、画像濃度が高く、特に細線
再現性、階調性の優れ、鮮明な色彩の画像が得られる一
成分系現像剤用非磁性トナーを提供するものである。
さらに本発明の目的は、長時間の使用で性能の変化の
ない一成分系現像剤用非磁性トナーを提供するものであ
る。
さらに、本発明の目的は、環境変動に対して性能の変
化のない一成分系現像剤用非磁性トナーを提供するもの
である。
さらに本発明の目的は、転写性の優れた一成分系現像
剤用非磁性トナーを提供するものである。
さらに、本発明の目的は、少ない消費量で、高い画像
濃度をえることの可能な一成分系現像剤用非磁性トナー
を提供するものである。
さらに、本発明の目的は、デジタルな画像信号による
画像形成装置においても、解像性、階調性、細線再現性
に優れたトナー画像を形成し得る一成分系現像剤用非磁
性トナーを提供するものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 具体的には、本発明は、少なくとも結着樹脂及び着
色剤を含有する非磁性トナー及びBET比表面積30m2/g
以上有し、一次粒子の平均径が0.2μm以下の無機化合
物微粉体を非磁性トナー100重量部に対し0.1〜8重量部
有する一成分系非磁性現像剤であり、 5μm以下の粒径を有する非磁性トナー粒子が60個数
%以上含有され、非磁性トナーの体積分布の変動係数
〔(体積分布の標準偏差/体積平均粒径)×100〕が22.
4〜26.8であり、非磁性トナーの体積平均粒径が4〜6
μmであることを特徴とする一成分系非磁性現像剤に関
する。
本発明における非磁性トナーとは、外部磁場5000エル
ステッド(e)において飽和磁化が0〜10emμ/gであ
るトナーを意味する。
上記の粒度分布を有する本発明の非磁性トナーは、感
光体上に形成された潜像の細線に至るまで、忠実に再現
することが可能であり、網点及びデジタルのようなドッ
ト潜像の再現にも優れ階調性及び解像性に優れた画像を
与える。さらに、コピーまたはプリントアウトを続けた
場合でも高画質を保持し、かつ、高濃度の画像の場合で
も、従来の非磁性トナーより少ないトナー消費量で良好
な現像を行うことが可能であり、経済性及び、複写機ま
たはプリンター本体の小型化にも利点を有するものであ
る。
本発明の非磁性トナーにおいて、このような効果が得
られる理由は、必ずしも明確でないが、以下のように推
定される。
すなわち、本発明の非磁性トナーにおいては、5μm
以下の粒径の非磁性トナー粒子が60個数%以上であるこ
とが一つの特徴である。従来、非磁性トナーにおいては
5μm以下の非磁性トナー粒子は、帯電量コントロール
が困難であったり、非磁性トナーの流動性を損ない、ま
た、トナーが飛散して機械を汚す成分として、さらに、
画像のかぶりを生ずる成分として、積極的に減少するこ
とが必要であると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、5μm以
下の非磁性トナー粒子が高品質な画質を形成するための
必須の成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmにわたる粒度分布を有する
非磁性トナーよりなる一成分系現像剤を用いて、感光体
上の表面電位を変化し、多数のトナー粒子が現像され易
い大きな現像電位コントラストから、ハーフトーンへ、
さらに、ごく僅かのトナー粒子しか現像されない小さな
現像電位コントラストまで、感光体上の表面電位を変化
させた潜像を現像し、感光体上の現像されたトナー粒子
を集め、トナー粒度分布を測定したところ、8μm以下
の非磁性トナー粒子が多く、特に5μm以下の非磁性ト
ナー粒子が多いことが判明した。すなわち、現像に最も
適した5μm以下の粒径の非磁性トナー粒子が感光体の
潜像の現像に円滑に供給される場合に潜像に忠実であ
り、潜像からはみ出すことなく、真に再現性の優れた画
像が得られるものである。
5μm以下の粒径の非磁性トナー粒子は、潜像を厳密
に覆い、忠実に再現する能力を有するが、潜像自身にお
いて、その周囲のエッジ部の電界強度が中央部よりも高
く、そのため、潜像内部がエッジ部より、トナー粒子の
のりが薄くなり、画像濃度が薄く見えることがある。特
に、5μm以下の非磁性トナー粒子は、その傾向が強
く、60個数%以下にする必要があった。しかしながら、
本発明者らは、体積平均粒径を5μm付近の4〜6μm
とし、体積平均粒径から離れた粒径の非磁性トナーを除
去し、後述の実施例に示す如く、体積分布の変動係数を
22.4〜26.8とすることでこの問題を解決し、さらに鮮明
にできることを知見した。
すなわち、このような体積平均粒径,粒度分布にする
ことによって、5μm以下の粒径の非磁性トナー粒子
が、適度にコントロールされた帯電量をもつようになる
ためと考えられるが、潜像のエッジ部より電界強度の小
さい内側に供給されて、エッジ部に対する内側のトナー
粒子ののりの少なさを補って、均一なる現像画像が形成
され、その結果、高い濃度で解像性及び階調性の優れた
シャープな画像が提供されるものである。
従来の観点とは全く異なった考え方によって、本発明
の非磁性トナーは従来の問題点を解決し、最近の厳しい
高画質への要求にも耐えることを可能としたものであ
る。本発明の構成について、さらに詳しく説明する。
5μm以下の粒径の非磁性トナーが60個数%以上含有
する非磁性トナーは、細線再現性,解像力,階調性に極
めて優れるものであるが、コピーまたはプリントアウト
を続けると次第に劣化してくるものであった。5μm以
下の粒径に対して、相対的に大きなあるいは小さな粒子
が存在することで非磁性トナー粒子相互の凝集状態が生
じ易く、本来の粒径以上のトナー塊となるため、荒れた
画質となり、解像性を低下させ、または潜像のエッジ部
と内部との濃度差が大きくなり、中ぬけ気味の画像とな
り易い。
そのため、体積分布の変動係数を22.4〜26.8とし、体
積平均粒径を4〜6μmとすることが好ましい。体積分
布の変動係数が27.5以上であると、非磁性トナーを構成
する粒子間の粒径差が大きくなり、凝集状態を生じ易く
なる。
さらに、このような粒度分布の場合には、非磁性トナ
ー粒子の帯電バランスが悪化し、必要以上の荷電をもっ
た粒径の小さな非磁性トナーが現像スリーブ上に帯電付
着して、正常な非磁性トナーの現像スリーブへの担持及
び荷電付与を阻害したり、帯電の不足した粒径の大きな
非磁性トナーがトナー層を覆い、現像性が落ち、画像濃
度が低下する傾向がある。従って、粒径の小さな粒子も
少なくすることが望ましく、2.00〜2.52μmの非磁性ト
ナー粒子が10個数%以下であることが好ましい。
また、非磁性トナーの体積平均径は4〜6μm、この
値は先に述べた各構成要素と切り離して考えることはで
きないものである。体積平均粒径4μm未満では、グラ
フィク画像などの画像面積比率の高い用途では、転写紙
上のトナーののり量が少なく、画像濃度の低いという問
題点が生じ易い。これは、先に述べた潜像におけるエッ
ジ部に対して、内部の濃度が下がる理由と同じ原因によ
ると考えられる。体積平均粒径6μmを越えると、5μ
m以下という粒子に対して相対的に粒径の大きな粒子が
増加するので複写の初めは良くとも使用を続けていると
画質低下を発生し易い。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
すなわち、測定装置としてはコールターカウンターTA
−II型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布
を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パ
ーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液
は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加
える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3
分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II
型により、アパチャーとして100μmアパチャーを用い
て、個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測
定して、それから本発明に係るところの値を求めた。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、オイ
ル塗布する装置を有する加熱加圧ローラ定着装置を使用
する場合には、下記トナー用結着樹脂の使用が可能であ
る。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、
ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単
重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチ
レン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチル
エーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共
重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体
などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
オイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式にお
いては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部がロー
ラに転移するいわゆるオフセット現象、及びトナー像支
持部材に対するトナーの密着性が重要な問題である。よ
り少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常保存中
もしくは現像器中でブロッキングもしくはケーキングし
易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮しなけ
ればならない。それゆえ、本発明においてオイルを殆ど
塗布しない加熱加圧ローラ定着方式を用いる時には、結
着樹脂の選択がより重要である。好ましい結着物質とし
ては、架橋されたスチレン系共重合体もしくは架橋され
たポリエステルがある。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタ
クリニトリル、アクリルアミドなどのような二重結合を
有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マ
レイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレ
イン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカルボ
ン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、
安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えば
エチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチレン
系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘ
キシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビ
ニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
ここで架橋剤としては主として2個以上の重合可能な
二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビ
ニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2
個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビ
ニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン
などのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有す
る化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
また、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナ
ー用結着樹脂の使用が可能であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラ
ストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンなどがある。
また、本発明の非磁性トナーには荷電制御剤をトナー
粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)
して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像
システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とな
り、特に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさら
に安定したものとすることが可能であり、荷電制御剤を
用いることで先に述べたところの粒径範囲毎による高画
質化のための機能分離及び相互補完性をより明確にする
ことができる。正荷電制御剤としては、ニグロシン及び
脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアン
モニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸
塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート
などの四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、
ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキ
サイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズ
ボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシル
スズボレートなどのジオルガノスズボレートを単独であ
るいは2種類以上組合せて用いることができる。これら
の中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩の如き荷
電制御剤が特に好ましく用いられる。
また、一般式 R1 :H,CH3 R2,R3:置換または未置換のアルキル基(好ましくは、
C1〜C4) で表わされるモノマーの単重合体:または前述したよう
なスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルなどの重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤
として用いることができ、この場合これらの荷電制御剤
は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有
する。
本発明に用いることのできる負荷電性制御剤として
は、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、そ
の例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄
(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブ
チルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン
金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸及びサリチル
酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金
属錯体またはサリチル酸系金属塩、モノアゾ金属錯体が
好ましい。
上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作用を有しな
いもの)は、微粒子状として用いることが好ましい。こ
の場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、具体的に
は、4μm以下(更には3μm以下)が好ましい。
トナーに内添する際、このような荷電制御剤は、結着
樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部(更には0.2〜10
重量部)用いることが好ましい。
また、本発明の非磁性トナーは、長期の使用によって
も凝集を防ぐ為に流動性付与剤としての無機化合物微粉
体を含有することを特徴とする。
本発明の特徴とするような粒度分布を有する非磁性ト
ナーでは、比表面積が従来のトナーより大きくなる。
非磁性トナー粒子が凝集し易くなったり、摩擦帯電の
ために非磁性トナー粒子と、円筒状の導電性スリーブ表
面と接触せしめた場合、従来の非磁性トナーよりトナー
粒子表面とスリーブとの接触回数は増大し、トナー粒子
の摩耗やスリーブ表面の汚染が発生し易くなる。本発明
に係る非磁性トナーと、無機化合物微粒体を組み合せる
とトナー粒子間やトナー粒子とスリーブ表面の間に無機
化合物微粉体が介在することで凝集摩耗は著しく軽減さ
れる。これによって、非磁性トナー及びスリーブの長寿
命化が図れ、長期の使用にもより優れた非磁性トナーと
することが可能である。さらに、本発明で主要な役割を
する5μm以下の粒径を有する非磁性トナー粒子は、無
機化合物微粉体の存在でより効果を発揮し、高画質な画
像を安定して提供することができる。
これらの無機化合物としては、以下のようなものが好
ましく用いられる。
SiO2,GeO2,TiO2,SnO2,Al2O3,B2O3,P2O5,As2O3などの
酸化物;ケイ酸塩,ホウ酸塩,リン酸塩,ゲルマン酸
塩,ホウケイ酸塩,アルミノケイ酸塩,アルミノホウ酸
塩,アルミノホウケイ酸塩,タングステン酸塩,モリブ
デン酸塩,テルル酸塩などの金属酸化物塩;及びこれら
の複合化物;炭化ケイ素,窒化ケイ素,アモルファスカ
ーボン;等を単独あるいは混合して用いる。
無機化合物微粉体としては、乾式法及び湿式法で製造
した無機化合物微粉体をいずれも使用できる。
ここで言う乾式法とは、ハロゲン化合物の蒸気相酸化
により生成する無機化合物微粉体の製造法である。例え
ばハロゲン化物ガスの酸素水素中における熱分解酸化反
応を利用する方法で、基礎となる反応式は次の様なもの
である。
MXn+1/2nH2+1/4O2→MO2+nHCl この式に於いて、例えばMは金属,半金属元素、Xは
ハロゲン元素,nは整数を表わす反応式である。具体的に
は、AlCl3,TiCl4,GeCl4,SiCl4,POCl3,BBr3を用いればそ
れぞれAl2O3,TiO2,GeO2,SiO2,P2O5,B2O3が得られる。
この時、ハロゲン化物を混合して用いれば複合化合物
が得られる。
他には、熱CVD,プラズマCVDなどの製造法を応用し
て、乾式による微粉体を得ることができる。中でもSi
O2,Al2O3,TiO2などが好ましく用いられる。
一方、本発明に用いられる無機化合物微粉体を湿式法
で製造する方法は、従来公知である種々の方法が適用で
きる。例えば、ケイ酸ナトリウムの酸による分解、一般
反応式で下記に示す。
Na2O・XSiO2+HCl+H2O→SiO2・nH2O+NaCl また、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはアル
カリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土
類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸と
する方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂によ
りケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利用
する方法などがある。
その他には、金属アルコキシドの加水分解による方法
がある。この一般反応式を下記に示す。
M(OR)+1/2nH2O→MO2+nROH この式に於いて、例えばMは金属,半金属元素、Rは
アルキル基、nは整数を表わす反応式である。またこの
時、2種以上の金属アルコキシドを用いれば複合物が得
られる。
上記無機化合物微粉体のうちで、BET法で測定した窒
素吸着による比表面積が30m2/g以上(特に50〜400m2/
g)、一次粒子の平均径が0.2μm以下(特に0.1μm以
下)の範囲内のものが良好な結果を与える。非磁性トナ
ー100重量部に対して無機化合物微粉体0.1〜8重量部、
好ましくは0.2〜5重量部使用するのが良い。
また、本発明の非磁性トナーを正荷電性非磁性トナー
として用いる場合には、トナーの摩耗防止,スリーブ表
面の汚損防止のために添加する無機化合物微粉体として
も、負荷電性であるよりは、正荷電性無機化合物微粉体
を用いた方が帯電安定性を損うこともなく、好ましい。
正帯電性無機化合物微粉体を得る方法としては、上述
した未処理の無機化合物微粉体を、側鎖に窒素原子を少
なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコンオ
イルで処理する方法、あるいは窒素含有のシランカップ
リング剤で処理する方法、またはこの両者で処理する方
法がある。
尚、本発明において正荷電性無機化合物とは、ブロー
オフ法で測定した時に、鉄粉キャリアに対しプラスのト
リボ電荷を有するものをいう。
無機化合物微粉体の処理に用いる、側鎖に窒素原子を
有するシリコンオイルとしては、少なくとも下記式で表
わされる部分構造を具備するシリコンオイルが使用でき
る。
(式中、R1は水素、アルキル基、アリール基またはアル
コキシ基を示し、R2はアルキレン基またはフェニレン基
を示し、R3及びR4は水素、アルキル基、またはアリール
基を示し、R5は含窒素複素環基を示す)上記アルキル
基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基は窒素原
子を有するオルガノ基を有していても良いし、また帯電
性を損ねない範囲で、ハロゲン等の置換基を有していて
も良い。
また、本発明で用いる含窒素シランカップリング剤
は、一般に下記式で示される構造を有する。
Rm−Si−Yn (Rは、アルコキシ基またはハロゲンを示し、Yはアミ
ノ基または窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガ
ノ基を示し、m及びnは1〜3の整数であってm+n=
4である。) 窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基とし
ては、有機基を置換基として有するアミノ基または含窒
素複素環基または含窒素複素環基を有する基が例示され
る。含窒素複素環基としては、不飽和複素環基または飽
和複素環基があり、それぞれ公知のものが適用可能であ
る。不飽和複素環基としては、例えば下記のものが例示
される。
飽和複素環基としては、例えば下記のものが例示され
る。
本発明に使用される複素環基としては、安定性を考慮
すると五員環または六員環のものが良い。
そのような処理剤の例としてはアミノプロピルトリメ
トキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジ
メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプ
ロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメト
キシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブ
チルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミ
ノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−
γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルベンジルアミン等があり、さらに含窒素複素
環としては前述の構造のものが使用でき、そのような化
合物の例としては、トリメトキシシリル−γ−プロピル
ピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホ
リン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール
等がある。
これらの処理された正荷電性無機化合物微粉体の適用
量は、正荷電性磁性トナー100重量部に対して、0.1〜8
重量部のときに効果を発揮し、特に好ましくは0.2〜5
重量部添加した時に優れた安定性を有する正の帯電性を
示す。添加形態については好ましい態様を述べれば、正
荷電性磁性トナー100重量部に対して、0.2〜3重量部の
処理された無機化合物微粉体がトナー粒子表面に付着し
ている状態にあるのが良い。なお、前述した未処理の無
機化合物微粉体も、これと同様の適用量で用いることが
できる。
又、本発明に用いられる無機化合物微粉体は、必要に
応じてシランカップリング剤、疎水化の目的でシリコン
オイル、有機ケイ素化合物などの処理剤、あるいは、種
々の処理剤を併用して処理されていても良く、無機化合
物微粉体と反応あるいは物理吸着する上記処理剤で処理
される。そのような処理剤としては、例えばヘキサメチ
ルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシ
ラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシ
ラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロル
シラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメ
チルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメ
チルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキ
サン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個宛
のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサ
ン等がある。
またシリコーンオイルとしては、一般に次の式により
示されるものである。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘
度がおよそ5〜5000cStのものが用いられ、例えばメチ
ルシリコーンオイル,ジメチルシリコーンオイル,フェ
ニルメチルシリコーンオイル,クロルフェニルメチルシ
リコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイル,脂肪
酸変性シリコーンオイル,ポリオキシアルキレン変性シ
リコーンオイルなどが好ましい。これらは1種あるいは
2種以上の混合物で用いられる。
また、本発明において、フッ素含有重合体の微粉末、
例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフ
ルオライド等及びテトラフルオロエチレン−ビニリデン
フルオライド共重合体の微粉末を添加することは好まし
い。特に、ポリビニリデンフルオライド微粉末が流動性
及び研磨性の点で好ましい。トナーに対する添加量は0.
01〜2.0wt%、特に0.02〜1.0wt%が好ましい。
特に、無機化合物微粉体と上記微粉体と組み合わせた
非磁性トナーにおいては、理由は明確ではないが、トナ
ーに付着した微粉体の存在状態を安定化せしめ、例え
ば、付着した微粉体がトナーから遊離して、トナー摩耗
やスリーブ汚損への効果が減少するようなことがなくな
り、かつ、帯電安定性をさらに増大することが可能であ
る。
本発明の非磁性トナーは、必要に応じて着色剤を混合
することが好ましい。着色剤としては従来より知られて
いる染料、顔料が使用可能であり、例えば、ニグロシ
ン、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、ピーコ
ックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ロー
ダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネントイエロ
ー、ベンジジンイエロー等広く使用することができる。
その含有量として、結着樹脂100部に対して0.5〜20重
量部、さらにOHPフィルムの透過性を良くするためには1
2重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.5〜9重量
部が良い。
また、必要に応じて他の添加剤を用いてもよい。他の
添加剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化スズ
のごとき導電性付与剤を0.1〜5wt%添加すると、スリー
ブ上での過度の帯電を抑え、安定した帯電状態を維持で
きる。また、平均粒径005〜3μm、好ましくは0.1〜1
μmの球状微粒子樹脂粉の添加も同様の効果を得ること
ができ、また、画質の鮮鋭さを増すのに有効である。添
加量0.01〜10wt%、好ましくは0.05〜5wt%、さらに好
ましくは0.05〜2wt%が良い。非磁性トナーに対して、
逆極性の球状微粒子樹脂粉が逆帯電性または弱同極性帯
電であることが好ましい。
他の添加剤としては、例えばステアリン酸亜鉛の如き
滑剤、あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤
がある。
また、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で低分
子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロ
クリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワ
ックス、パラフィンワックス等のワックス状物質を0.5
〜5wt%程度磁性トナーに加えることも本発明の好まし
い形態の1つである。
本発明に係る静電荷像現像用非磁性トナーを作製する
には及びビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹脂、必要に
応じて着色剤としての顔料又は染料、荷電制御剤、その
他の添加剤等をボールミルの如き混合機により充分混合
してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如
き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互
いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散又は溶解せし
め、冷却固化後粉砕及び厳密な分級を行って本発明に係
るところの非磁性トナーを得ることが出来る。
また、本発明の非磁性トナーは特に厳密な分級を必要
とするが、この為には粉砕工程も重要であり、厳密な分
級を行う為微粉砕物の粒度分布をなるべくシャープにし
ておく必要がある。この為には、微粉砕を行う前に2mm
以下、好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.5mm以下に
粗砕しておくことが望ましい。また、中粉砕工程を導入
し、10〜100μm程度に粉砕してから、微粉砕すること
が特に望ましい。
このように、小さな粒径から微粉砕することにより、
微粉砕物の粒度分布をシャープにすることで分級工程に
より本発明の特徴とする粒度分布に厳密に分級できる様
になる。
本発明の非磁性トナーは、円筒スリーブの如きトナー
担持体から感光体の如き潜像担持体へトナーを飛翔させ
ながら潜像を現像する画像形成方法に適用するのが好ま
しい。すなわち、非磁性トナーは塗布部材によってスリ
ーブに薄層塗布され、このとき主にスリーブ表面との接
触によってトリボ電荷が付与され、スリーブ表面上に薄
層状に塗布される。非磁性トナーの薄層の層厚は現像領
域における感光体とスリーブとの間隙よりも薄く形成さ
れる。感光体上の潜像の現像に際しては、感光体とスリ
ーブとの間に交互電界を印加しながらトリボ電荷を有す
る非磁性トナーをスリーブから感光体へ飛翔させるのが
良い。
交互電界としては、パルス電界、交流バイアスまたは
交流と直流バイアスが相乗ものが例示される。
第1図に本発明の一成分系現像剤非磁性トナーを用い
た静電潜像現像法及び現像装置の実施態様の一例を示
す。図中1は円筒状の静電像保持体であり、例えば公知
の電子写真法であるカールソン法又はNP法によってこれ
に静電潜像を形成せしめて、トナー供給手段であるホッ
パー3内の絶縁性非磁性トナー5をトナー担持体2上に
トナー層の層厚を規制して塗布する塗布手段4により塗
布されたトナー5で現像する。トナー担持体2は円筒状
のステンレス製からなる現像ローラである。この現像ロ
ーラの材質としてアルミニウムを用いても良いし、他の
金属でも良い。また金属ローラの上にトナーをより所望
の極性に摩擦帯電させるため樹脂等を被覆したものを用
いてもよい。さらにこの現像ローラは導電性の非金属材
料からできていてもよい。このトナー担持体2の両端に
は図示されていないが、その軸に高密度ポリエチレンか
らなるスペーサ・コロが入れてある。このスペーサ・コ
ロを静電像保持体1の両端につき当てて現像器を固定す
ることにより、静電像保持体1とトナー担持体2との間
隔をトナー担持体2上に塗布されたトナー層の厚み以上
に設定し保持する。この間隔は例えば100〜500μm、好
ましくは150〜300μmである。この間隔が大き過ぎると
静電像保持体1上の静電潜像がトナー担持体2上に塗布
された非磁性トナーに及ぼす静電力は弱くなり、画質は
低下し、特に細線の現像による可視化は困難となる。ま
たこの間隔が狭すぎるとトナー担持体2上に塗布された
トナーがトナー担持体2と静電像保持体1との間で圧縮
され凝集されてしまう危険性が大となる。6は現像バイ
アス電源であり、トナー担持体2と静電保持体1の背面
電極との間に電圧を印加できるようにしてある。この現
像バイアス電圧は特公昭58−32375号に記載した如き現
像バイアス電圧である。
本発明において、細線再現性は次に示すような方法に
よって測定を行った。すなわち、正確に幅100μmとし
た細線のオリジナル原稿を、適正なる複写条件でコピー
した画像を測定用サンプルとし、測定装置として、ルー
ゼックス450粒子アナライザーを用いて、拡大したモニ
ター画像から、インジケーターによって線幅の測定を行
う。このとき、線幅の測定位置はトナーの細線画像の幅
方向に凹凸があるため、凹凸の平均的線幅をもって測定
点とする。これより、細線再現性の値(%)は、下記式
によって算出する。
本発明において、解像力の測定は次の方法によって行
った。すなわち、線幅及び間隔の等しい5本の細線より
なるパターンで、1mmの間に3.6,4.0,4.5,5.0,5.6,6.3,
7.1,8.0,9.0または10.0本あるように描かれているオリ
ジナル画像をつくる。この10種類の線画像を有するオリ
ジナル原稿を適正なる複写条件でコピーした画像を、拡
大鏡にて観察し、細線間が明確に分離している画像の本
数(本/mm)をもって解像力の値とする。
この数字が大きいほど、解像力が高いことを示す。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明を何ら限定するものではない。なお以下の配合
における部数はすべて重量部である。
[実施例] 実施例1 上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて1mm以下に粗粉砕した後、ジ
ェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られ
た微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生
成した。さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用
した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級
機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して体積
平均粒径5.35μmの青色微粉体(非磁性トナー)を得
た。
参考のために、多分割分級機を用いての分級工程を第
2図に模式的に示し、該多分割分級機の断面斜視図(立
体図)を第3図に示した。
得られた青色微粉体の100部に正荷電性疎水性乾式シ
リカ(BET比表面積200m2/g,平均一次粒径15mμ)1.0部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合して非磁性トナーを
有する正帯電性の一成分非磁性現像剤とした。
この非磁性トナーの粒度分布及び諸特性は第1表に示
すとおりであった。
調製した一成分非磁性トナーを添付図面の第1図に示
す現像装置に投入して、現像試験を実施した。第1図を
参照しながら現像条件を説明する。
一成分現像剤5は、矢印7の方向に回転するステンレ
ス製円筒スリーブ2表面上に塗布部材4によって薄層に
塗布した。矢印7の方向に回転する負荷電性潜像を有す
る有機光導電性層を具備する感光ドラム(静電像保持
体)1とスリーブ2の最近接距離は約250μmに設定し
た。尚、感光ドラム1とスリーブ2との間で、交流バイ
アスと直流バイアスを相乗した2000Hz/1300Vppのバイア
スを印加した。スリーブ2上の一成分現像剤層の単位面
積当りの電荷量は7.0×10-9μc/cm2,単位面積当りの塗
布量は0.60mg/cm2,トナー層厚は25μmであった。
感光ドラム1に形成された負荷電性潜像を正荷電性の
トリボ電荷を有する一成分現像剤5を飛翔させて現像し
た。画出しテストを5000回連続して行い、5000枚のトナ
ー画像を生成した。結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、文字等のライン部及び第
面積部も共に高画像濃度で、細線再現性、改造性も本発
明の非磁性トナーは優れており、5000枚画出し後も、初
めの画質の良さを維持し、鮮明な青色の画像であった。
また、パーコピーコストも小さく、経済性にも優れたも
のであった。
尚、本実施例で用いた多分割分級機及び該分級機によ
る分級工程について第2図及び第3図を参照しながら説
明する。多分割分級機21は、第2図及び第3図におい
て、側壁は22,23で示される形状を有し、下部壁は25で
示される形状を有し、側壁24と下部壁25には夫々ナイフ
エッジ型の分級エッジ26,27を具備し、この分級エッジ2
6,27により、分級ゾーンは3分画されている。側壁22下
の部分に分級室に開口する原料供給ノズル28を設け、該
ノズルの底部接線の延長方向に対して下方に折り曲げて
長楕円弧を描いたコアンダブロック29を設ける。分級室
上部壁30は、分級室下部方向にナイフエッジ型の入気エ
ッジ31を具備し、更に分級室上部には分級室に開口する
入気管32,33を設けてある。また、入気管32,33にはダン
パの如き第1,第2気体導入調節手段34,35及び静圧計36,
37を設けてある。分級室底面にはそれぞれの分画域に対
応させて、室内に開口する排出口を有する排出管38,39,
40を設けてある。分級粉は供給ノズル28から分級領域に
減圧導入され、コアンダ効果によりコアンダブロック29
のコアンダ効果による作用と、その際流入する高速エア
ーの作用とにより湾曲線41を描いて移動し、粗粉(排気
管38)、所定の体積平均粒径及び粒度分布を有する青色
微粉体(排気管39)及び超微粉(排気管40)に分級され
た。
実施例2 実施例1で使用したトナーの代わりに、着色剤として
ペリレンスカーレット4部用いて、微粉砕分級条件をコ
ントロールすることによって第1表に示すような諸特性
にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様にして、
評価を行った。
第2表に示すように、安定した鮮明な高画質の赤色の
画像を得ることができた。
実施例3 実施例1で使用したトナーの代わりに、第1表に示す
粒度分布を示すような青色微粉体100部に正荷電性疎水
性シリカ(BET 200m2/g,平均一次粒径15mμ)0.8部、疎
水性乾式アルミナ(BET 100m2/g,平均一次粒径25mμ)
0.2を加え、ヘンシェルミキサーで混合して得た一成分
系非磁性現像剤を用いる以外は、実施例1と同様にし
て、評価を行った。
第2表に示すように、安定した鮮明な高画質の青色画
像を得ることができた。
実施例4 の微粉体を得た。粒度分布は第1表に示す。
この緑色微粉体100部に、正荷電性疎水性乾式シリカ
(BET 200m2/g,平均一次粒径15mμ)1.0部、ポリフッ化
ビニリデン微分枚(平均一次粒径約0.3μm,平均重量分
子量30万)0.2部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し
て一成分現像剤とし、実施例1と同様にして評価を行っ
た。第2表に示すように、画像濃度、画質の安定性共に
さらに優れた鮮やかな緑色の画像を得ることができた。
実施例5 上記材料を用いて、実施例1と同様にして、黒色微粉
体を得た。この黒色微粉体(非磁性トナー)100部に負
帯電性の疎水性シリカ微粉末(BET比表面積300m2/g,平
均一次粒径8mμ)0.8部、及びn−ブチルアクリレート
/メチルメタクリレート共重合体よりなる平均粒径約0.
3μmの球状微粒子0.2部を加え、ヘンシェルミキサーで
混合して負帯電性の一成分非磁性現像剤を調製した。
この黒色微粉体の粒度分布等は第1表に示す通りであ
った。
この一成分非磁性現像剤を正荷電性の静電荷像を形成
するアモルファスシリコン感光ドラムを具備するNP6650
(キヤノン社製)に適用して、5000枚の画出しテストを
行った。
第2表に示すように、安定した鮮明な高画質の画像を
得ることができた。
実施例6 実施例1で調製した正帯電性の一成分非磁性現像剤を
用いて、アモルファスシリコン感光ドラムを具備するデ
ジタル式複写機NP9330(キヤノン社製)に適用して、正
荷電性の静電荷像を反転現像方式を適用して10000枚の
画出しテストを行った。ただし外添には次のものを用い
た。
第2表に示すように、細線再現性、解像性は非常に優
れており、階調性の高い鮮明な青色の画像であった。
比較例1 実施例1で使用したトナーの代わりに、微粉砕分級条
件をコントロールすることによって第1表に示すような
諸特性にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様に
して、評価を行った。その結果は第2表に示す。
初期には良好な画像が得られたが、コピーを続けると
次第に濃度が下がり、ベタ部が中抜け気味になった。ま
た、かぶりも見られるようになり、次第に悪化した。
比較例2 実施例1で使用したトナーの代わりに、微粉砕分級条
件をコントロールすることによって第1表に示すような
諸特性にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様に
して、評価を行った。その結果を第2表に示す。
初期は良好な画像が得られたが、コピーを繰り返す
と、濃度低下が見られ、細線再現性、解像性が低下し、
がさついた画像になった。
比較例3 実施例1で使用したトナーの代わりに、微粉砕分級条
件をコントロールすることによって第1表に示すような
諸特性にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様に
して、評価を行った。その結果を第2表に示す。
初期ではライン部の画像は問題なかったが、ベタ部が
やや中抜け気味であった。コピーを繰り返すと、かぶり
が現われ、斑点状のかぶり汚れが生じるようになり、中
抜けがひどくなり、次第に濃度低下した。また、ライン
部の現像も劣化し、細線再現性、解像性が低下した。
比較例4 実施例1で使用したトナーの代わりに、微粉砕分級条
件をコントロールすることによって第1表に示すような
諸特性にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様に
して、評価を行った。その結果を第2表に示す。
初期5000枚画出し後も濃度,画質とも問題はなかった
が、解像性,ハーフトーン再現において実施例1に比べ
やや劣っていた。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は、特定の粒度分布を有す
る一成分系非磁性現像剤である為次のような優れた効果
を発揮するものである。
(1)解像力、細線再現性に優れ、きめの細かいハーフ
トーン再現に優れた一成分系非磁性現像剤である。
(2)繰り返しの使用で性能の変化のない一成分系非磁
性現像剤である。
(3)少ない消費量で高い画像濃度、鮮明な色彩の画像
を与える一成分系非磁性現像剤である。
(4)デジタルな画像信号による画像形成装置において
も、解像性、階調性、細線再現性に優れたトナー画像を
形成し得る一成分系非磁性現像剤である。
【図面の簡単な説明】
添付図面中、第1図は実施例及び比較例において画出し
に用いた現像装置の概略的な断面図を示し、第2図は多
分割分級手段を用いた分級工程に関する説明図を示し、
第3図は多分割分級手段の概略的な断面斜視図を示すも
のである。 1……静電像保持体(感光体ドラム) 2……トナー担持体、3……ホッパー 4……塗布部材、5……非磁性トナー 6……バイアス電源、21……多分割分級装置 22,23,24……側壁、25……下部壁 26,27……分級エッジ、28……原料供給ノズル 29……コアンダブロック、30……上部壁 31……入気エッジ、32,33……入気管 34……第1気体導入調節手段 35……第2気体導入調節手段 36,37……静圧計、38……排出管(粗粉) 39……排出管(所定の粒径,粒度分布を有する微粉) 40……排出管(超微粉)、41……湾曲線

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
    る非磁性トナー及びBET比表面積30m2/g以上有し、一
    次粒子の平均径が0.2μm以下の無機化合物微粉体を非
    磁性トナー100重量部に対し0.1〜8重量部有する一成分
    系非磁性現像剤であり、 5μm以下の粒径を有する非磁性トナー粒子が60個数%
    以上含有され、非磁性トナーの体積分布の変動係数
    〔(体積分布の標準偏差/体積平均粒径)×100〕が22.
    4〜26.8であり、非磁性トナーの体積平均粒径が4〜6
    μmであることを特徴とする一成分系非磁性現像剤。
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