JP2769849B2 - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

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JP2769849B2
JP2769849B2 JP1104566A JP10456689A JP2769849B2 JP 2769849 B2 JP2769849 B2 JP 2769849B2 JP 1104566 A JP1104566 A JP 1104566A JP 10456689 A JP10456689 A JP 10456689A JP 2769849 B2 JP2769849 B2 JP 2769849B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真,静電記録の如き画像形成方法に
おける静電荷潜像を顕像化するための磁性トナーに関す
る。
[従来の技術] 近年、電子写真複写機等画像形成装置が広く普及する
のに従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質
への要求も厳しくなってきている。一般の書類,書物の
如き画像の複写では、微細な文字に至るまで、つぶれた
り、とぎれたりすることなく、極めて微細且つ忠実に再
現することが求められている。特に、画像形成装置が有
する感光体上の潜像が100μm以下の線画像の場合に細
線再現性が一般に悪く、線画像の鮮明さが未だ充分では
ない。また、最近、デジタルな画像信号を使用している
電子写真プリンターの如き画像形成装置では、潜像は一
定電位のドットが集まって形成されており、ベタ部,ハ
ーフトーン部およびライト部はドット密度をかえること
によって表現されている。ところが、ドットに忠実にト
ナー粒子がのらず、ドットからトナー粒子がはみ出した
状態では、デジタル線像の黒部と白部のドット密度の比
に対応するトナー画像の階調性が得られないという問題
点がある。さらに、画質を向上させるために、ドットサ
イズを小さくして解像度を向上させる場合には、微小な
ドットから形成される潜像の再現性がさらに困難にな
り、解像度及び階調性の悪い、シャープネスさに欠けた
画像となる傾向がある。
また、初期においては、良好な画質であるが、コピー
またはプリントアウトを続けているうちに、画質が劣悪
化してゆくことがある。この現象は、コピーまたはプリ
ントアウトを続けるうちに、現像され易いトナー粒子の
みが先に消費され、現像機中に、現像性の劣ったトナー
粒子が蓄積し残留することによって起こると考えられ
る。
これまでに、画質をよくするという目的のために、い
くつかの現像剤が提案されている。特開昭51−3244号公
報では、粒度分布を規制して、画質の向上を意図した非
磁性トナーが提案されている。該トナーにおいて、8〜
12μmの粒径を有するトナーが主体であり、比較的粗
く、この粒径では本発明者らの検討によると、潜像への
均密なる“のり”は困難であり、かつ、5μm以下が30
個数%以下であり、20μm以上が5個数%以下であると
いう特性から、粒径分布はブロードであるという点も均
一性を低下させる傾向がある。このような粗めのトナー
粒子であり、且つブロードな粒度分布を有するトナーを
用いて、鮮明なる画像を形成するためには、トナー粒子
を厚く重ねることでトナー粒子間の間隙を埋めて見かけ
の画像濃度を上げる必要があり、所定の画像濃度を出す
ために必要なトナー消費量が増加するという問題点も有
している。
また、特開昭54−72054号公報では、前者よりもシャ
ープな分布を有する非磁性トナーが提案されているが、
中間の重さの粒子の寸法が8.5〜11.0μmと粗く、高解
像性のトナーとしては、未だ改良すべき余地を残してい
る。
特開昭58−129437号公報では、平均粒径が6〜10μm
であり、最多粒子が5〜8μmである非磁性トナーが提
案されているが、5μm以下の粒子が15個数%以下と少
なく、鮮鋭さの欠けた画像が形成される傾向がある。
本発明者らの検討によれば、5μm以下のトナー粒子
が、潜像の輪郭を明確に再現し、且つ潜像全体への緻密
なトナーののりの主要なる機能をもつことが知見され
た。特に、感光体上の静電荷潜像においては電気力線の
集中のため、輪郭たるエッジ部は内部より電界強度が高
く、この部分に集まるトナー粒子の質により、画質の鮮
鋭さが決まる。本発明者らの検討によれば5μm以下の
粒子の量が画質の鮮鋭さの問題点の解決に有効であるこ
とが判明した。
また、米国特許4,299,900号明細書では、20〜35μm
の磁性トナーを10〜50重量%有する現像剤を使用するジ
ャンピング現像法が提案されている。すなわち、磁性ト
ナーを摩擦帯電させ、スリーブ上にトナー層を均一に薄
く塗布し、さらに現像剤の耐環境性を向上させるために
適したトナー粒径の工夫がなされている。しかしなが
ら、細線再現性、解像力等のさらに厳しい要求を考える
と、充分なものではなく、さらに、改良が求められてい
る。本発明者らは、このような中で磁性トナーの長い穂
(トナー粒子鎖)および乱れた穂が現像領域内のスリー
ブ表面に存在することが問題であることが知見され、こ
の点の究明を行い、本発明に到達したものである。
また、高画質化を達成する為には、5μm以下の磁性
トナー粒子が重要であるが、これらの含有量を増加させ
ると、凝集性が増加し、現像性が低下する傾向にあっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は上述のごとき問題点を解決した磁性ト
ナーを提供するものである。
さらに、本発明の目的は、画像濃度が高く、特に細線
再現性、階調性の優れた磁性トナーを提供するものであ
る。
さらに本発明の目的は、長時間の使用で性能の変化の
ない磁性トナーを提供するものである。
さらに、本発明の目的は、少ない消費量で、高い画像
濃度をえることの可能な磁性トナーを提供するものであ
る。
さらに、本発明の目的は、デジタルな画像信号による
画像形成装置においても、解像性、階調性、細線再現性
に優れたトナー画像を形成し得る磁性トナーを提供する
ものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 具体的には、本発明は、少なくとも結着樹脂及び磁性
粉を含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーにおい
て、5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒子が60個数
%以上含有され、磁性トナーの体積分布の変動係数
〔(体積分布の標準偏差/体積平均粒径)×100〕が27.
5以下であり、磁性トナーの体積平均粒径が4〜6μm
であり、磁性トナーの真密度が1.45〜2.00g/cm3であ
り、流動性付与剤としての無機化合物微粉体が磁性トナ
ー粒子に外添されていることを特徴とする磁性トナーに
関する。
上記の粒度分布を有する本発明の磁性トナーは、感光
体上に形成された潜像の細線に至るまで、忠実に再現す
ることが可能であり、網点およびデジタルのようなドッ
ト潜像の再現にも優れ階調性及び解像性に優れた画像を
与える。さらに、コピーまたはプリントアウトを続けた
場合でも高画質を保持し、かつ、高濃度の画像の場合で
も、従来の磁性トナーより少ないトナー消費量で良好な
現像を行うことが可能であり、経済性及び、複写機また
はプリンター本体の小型化にも利点を有するものであ
る。
本発明の磁性トナーにおいて、このような効果が得ら
れる理由は、必ずしも明確でないが、以下のように推定
される。
すなわち、本発明の磁性トナーにおいては、5μm以
下の粒径の磁性トナー粒子が60個数%以上であることが
一つの特徴である。従来、磁性トナーにおいては5μm
以下の磁性トナー粒子は、帯電量コントロールが困難で
あったり、磁性トナーの流動性を損ない、また、トナー
が飛散して機械を汚す成分として、さらに、画像のかぶ
りを生ずる成分として、積極的に減少することが必要で
あると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、5μm以
下の磁性トナー粒子が高品質な画質を形成するための必
須の成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmにわたる粒度分布を有する
磁性トナーを用いて、感光体上の表面電位を変化し、多
数のトナー粒子が現像され易い大きな現像電位コントラ
ストから、ハーフトーンへ、さらに、ごく僅かのトナー
粒子しか現像されない小さな現像電位コントラストま
で、感光体上の表面電位を変化させた潜像を現像し、感
光体上の現像されたトナー粒子を集め、トナー粒度分布
を測定したところ、8μm以下の磁性トナー粒子が多
く、特に5μm以下の磁性トナー粒子が多いことが判明
した。すなわち、現像に最も適した5μm以下の粒径の
磁性トナー粒子が感光体の潜像の現像に円滑に供給され
る場合に潜像に忠実であり、潜像からはみ出すことな
く、真に再現性の優れた画像がえられるものである。
また、5μm以下の粒径の磁性トナー粒子は、潜像を
厳密に覆い、忠実に再現する能力を有するが、潜像自身
において、その周囲のエッジ部の電界強度が中央部より
も高く、そのため、潜像内部がエッジ部より、トナー粒
子ののりが薄くなり、画像濃度が薄く見えることがあ
る。特に、5μm以下の磁性トナー粒子は、その傾向が
強く、60個数%以下にする必要があった。しかしなが
ら、本発明者らは、体積平均粒径を5μm付近の4〜6
μmとし、体積平均粒径から離れた粒径の磁性トナーを
除去し、体積分布の変動係数を27.5以下、好ましくは27
以下とすることでこの問題を解決し、さらに鮮明にでき
ることを知見した。
すなわち、このような体積平均粒径,粒度分布にする
ことによって、5μm以下の粒径の磁性トナー粒子が、
適度にコントロールされた帯電量をもつようになるため
と考えられるが、潜像のエッジ部より電界強度の小さい
内側に供給されるようになり、エッジ部に対する内側の
トナー粒子ののりの少なさを補って、均一なる現像画像
が形成され、その結果、高い濃度で解像性及び階調性の
優れたシャープな画像が提供されるものである。
従来の観点とは全く異なった考え方によって、本発明
の磁性トナーは従来の問題点を解決し、最近の厳しい高
画質への要求にも耐えることを可能としたものである。
本発明の構成について、さらに詳しく説明をする。
5μm以下の粒径の磁性トナーが60個数%以上含有す
る磁性トナーは、細潜再現性,解像力,階調性に極めて
優れるものであるが、コピーまたはプリントアウトを続
けると次第に劣化してくるものであった。5μm以下の
粒径に対して、相対的に大きなあるいは小さな粒子が存
在することで磁性トナー粒子相互の凝集状態が生じ易
く、本来の粒径以上のトナー塊となるため、荒れた画質
となり、解像性を低下させ、または潜像のエッジ部と内
部との濃度差が大きくなり、中ぬけ気味の画像となり易
い。
従って、体積分布の変動係数を27.5以下,体積平均粒
径を4〜6μmとする必要がある。体積分布の変動係数
が27.5を越えると磁性トナーを構成する粒子間の粒径差
が大きくなり、凝集状態を生じ易くなる。
さらに、このような粒度分布の場合には、磁性トナー
粒子の帯電バランスが悪化し、必要以上の荷電をもった
粒径の小さな磁性トナーが現像スリーブ上に帯電付着し
て、正常な磁性トナーの現像スリーブへの担持及び荷電
付与を阻害したり、帯電の不足した粒径の大きな磁性ト
ナーがトナー層を覆い、現像性が落ち、画像濃度が低下
する傾向がある。従って、粒径の小さな粒子も少なくす
ることが望ましく、2.00〜2.52μmの磁性トナー粒子が
10個数%以下であることが好ましい。
また、磁性トナーの体積平均径は4〜6μm、この値
は先に述べた各構成要素と切り離して考えることはでき
ないものである。体積平均粒径4μm未満では、グラフ
ィク画像などの画像面積比率の高い用途では、転写紙上
のトナーののり量が少なく、画像濃度の低いという問題
点が生じ易い。これは、先に述べた潜像におけるエッジ
部に対して、内部の濃度が下がる理由と同じ原因による
と考えられる。体積平均粒径6μmを越えると、5μm
以下という粒子に対して相対的に粒径の大きな粒子が増
加するので複写の初めは良くとも使用を続けていると画
質低下を発生し易い。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
すなわち、測定装置としてはコールターカウンターTA
−II型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布
を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パ
ーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液
は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加
える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3
分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II
型により、アパチャーとして100μmアパチャーを用い
て、個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測
定して、それから本発明に係るところの値を求めた。
尚、本発明の磁性トナーの真密度は1.45〜2.00g/cm3
であることが好ましく、さらに好ましくは1.50〜1.90g/
cm3である。この範囲において、本発明の特定の粒度分
布を有する磁性トナーは、高画質及び耐久安定性という
点で最も効果を発揮しうる。磁性トナーの真密度が1.45
より小さいと、磁性トナー粒子そのものの重さが軽すぎ
て反転かぶり及びトナー粒子ののりすぎによる細線のつ
ぶれ,飛びちり,解像力の悪化が発生し易くなる。ま
た、磁性トナーの真密度2.00より大きいと画像濃度が薄
く、細線のとぎれなど鮮鋭さの欠けた画像となり、また
相対的に磁気力も大きくなるため、トナーの穂も長くな
ったり分枝状になったりし易く、この場合、潜像を現像
したとき画質を乱し粗れた画像となり易い。
磁性トナー真密度の測定は、いくつかの方法で行うこ
とができるが、本願では、微粉体を測定する場合、正確
かつ簡便な方法として次の方法を採用した。
ステンレス製の内径10mm,長さ約5cmのシリンダーと、
その中に密着挿入できる外径約10mm,高さ5mmの円盤
(A)と、外径約10mm,長さ約8cmのピストン(B)を用
意する。シリンダーの底に円盤(A)を入れ、次いで測
定サンプル約1gを入れ、ピストン(B)を静かに押し込
む。これに油圧プレスによって400kg/cm2の力を加え、
5分間圧縮したものをとり出す。この圧縮サンプルの重
さを秤量(wg)しマイクロメーターで圧縮サンプルの直
径(Dcm),高さ(Lcm)を測定し、次式によって真密度
を計算する。
さらに、良好な現像特性を得るために、本発明の磁性
トナーは、残留磁化σが1〜10emu/g、好ましくは2
〜9.0emu/gであり、飽和磁化σが20〜80emu/gであ
り、抗磁力Hcが40〜200エルステッド()(いずれ
も測定磁場1Kである)の磁気特性を満足することが
好ましい。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、オイ
ル塗布する装置を有する加熱加圧ローラ定着装置を使用
する場合には、下記トナー用結着樹脂の使用が可能であ
る。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、
ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単
重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチ
レン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチル
エーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共
重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体
などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
オイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式にお
いては、トナー像支持体部材上のトナー像の一部がロー
ラに転移するいわゆるオフセット現像、及びトナー像支
持部材に対するトナーの密着性が重要な問題である。よ
り少ない熱エネルギーで定着するトナーは、通常保存中
もしくは現像器中でブロッキングもしくはケーキングし
易い性質があるので、同時にこれらの問題も考慮しなけ
ればならない。これらの現象にはトナー中の結着樹脂の
物性が最も大きく関与しているが、本発明者らの研究に
よれば、トナー中の磁性体の含有量を減らすと、定着時
にトナー像支持部材に対するトナーの密着性は良くなる
が、オフセットが起こり易くなり、またブロッキングも
しくはケーキングも生じ易くなる。それゆえ、本発明に
おいてオイルを殆ど塗布しない加熱加圧ローラ定着方式
を用いる時には、結着樹脂の選択がより重要である。好
ましい結着物質としては、架橋されたスチレン系共重合
体もしくは架橋されたポリエステルがある。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタ
クリニトリル、アクリルアミドなどのような二重結合を
有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マ
レイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレ
イン酸ジメチルなどのような二重結合を有するジカルボ
ン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、
安息香酸ビニルなどのようなビニルエステル類;例えば
エチレン、プロピレン、ブチレンなどのようなエチレン
系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘ
キシルケトンなどのようなビニルケトン類;例えばビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類;等のビ
ニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能
な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジ
ビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2
個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビ
ニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン
などのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有す
る化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
また、加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナ
ー用結着樹脂の使用が可能であり、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラ
ストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンなどがある。
また、本発明の磁性トナーには荷電制御剤をトナー粒
子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合(外添)し
て用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像シ
ステムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とな
り、特に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさら
に安定したものとすることが可能であり、荷電制御剤を
用いることで先に延べたところの粒径範囲毎による高画
質化のための機能分離及び相互補完性をより明確にする
ことができる。正荷電制御剤としては、ニグロシン及び
脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアン
モニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸
塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート
などの四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキサイド、
ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキ
サイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズ
ボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシル
スズボレートなどのジオルガノスズボレートを単独であ
るいは2種類以上組合せて用いることができる。これら
の中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩の如き荷
電制御剤が特に好ましく用いられる。
また、一般式 R1 :H,CH3 R2,R3:置換または未置換のアルキル基(好ましくは、
C1〜C4) で表わされるモノマーの単重合体:または前述したよう
なスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルなどの重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤
として用いることができ、この場合これらの荷電制御剤
は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有
する。
本発明に用いることのできる負荷電性制御剤として
は、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、そ
の例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄
(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャリーブ
チルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン
金属錯体、モノアゾ金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリ
チル酸系の金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル
酸系金属錯体、モノアゾ金属錯体またはサリチル酸系金
属塩が好ましい。
上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作用を有しな
いもの)は、微粒子状として用いることが好ましい。こ
の場合、荷電制御剤の個数平均粒径は、具体的には、4
μm以下(更には3μm以下)が好ましい。
トナーに内添する際、このような荷電制御剤は、結着
樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部(更には0.2〜10
重量部)用いることが好ましい。
また、本発明の磁性トナーは、長期の使用によっても
凝集を防ぐ為に流動性付与剤としての無機化合物微粉体
を含有することを特徴とする。
本発明の特徴とするような粒度分布を有する磁性トナ
ーでは、比表面積が従来のトナーより大きくなる。
磁性トナー粒子が凝集し易くなったり、摩擦帯電のた
めに磁性トナー粒子と、内部に磁界発生手段を有した円
筒状の導電性スリーブ表面と接触せしめた場合、従来の
磁性トナーよりトナー粒子表面とスリーブとの接触回数
は増大し、トナー粒子の摩耗やスリーブ表面の汚染が発
生し易くなる。本発明に係る磁性トナーと、無機化合物
微粉体を組み合せるとトナー粒子間やトナー粒子とスリ
ーブ表面の間に無機化合物微粉体が介在することで凝集
摩耗は著しく軽減される。これによって、磁性トナー及
びスリーブの長寿命化が図れ、長期の使用にもより優れ
た磁性トナーとすることが可能である。さらに、本発明
で主要な役割をする5μm以下の粒径を有する磁性トナ
ー粒子は、無機化合物微粉体の存在でより効果を発揮
し、高画質な画像を安定して提供することができる。
これらの無機化合物としては、以下のようなものが好
ましく用いられる。
SiO2,GeO2,TiO2,SnO2,Al2O3,B2O3,P2O5,As2O3などの
酸化物;ケイ酸塩,ホウ酸塩,リン酸塩,ゲルマン酸
塩,ホウケイ酸塩,アルミノケイ酸塩,アルミノホウ酸
塩,アルミノホウケイ酸塩,タングステン酸塩,モリブ
デン酸塩,テルル酸塩などの金属酸化物塩;及びこれら
の複合化合物;炭化ケイ素,窒化ケイ素,アモルファス
カーボン;等を単独あるいは混合して用いる。
無機化合物微粉体としては、乾式法及び湿式法で製造
した無機化合物微粉体をいずれも使用できる。
ここで言う乾式法とは、ハロゲン化合物の蒸気相酸化
により生成する無機化合物微粉体の製造法である。例え
ばハロゲン化物ガスの酸素水素中における熱分解酸化反
応を利用する方法で、基礎となる反応式は次の様なもの
である。
MXn+1/2 nH2+1/4 O2→MO2+nHCl この式に於いて、例えばMは金属,半金属元素、xは
ハロゲン元素,nは整数を表わす反応式である。具体的に
は、AlCl3,TiCl4,GeCl4,SiCl4,POCl3,BBr3を用いればそ
れぞれAl2O3,TiO2,GeO2,SiO2,P2O5,B2O3が得られる。
この時、ハロゲン化物を混合して用いれば複合化合物
が得られる。
他には、熱CVD,プラズマCVDなどの製造法を応用し
て、乾式による微粉体を得ることができる。中でのSi
O2,Al2O3,TiO2などが好ましく用いられる。
一方、本発明に用いられる無機化合物微粉体を湿式法
で製造する方法は、従来公知である種々の方法が適用で
きる。例えば、ケイ酸ナトリウムの酸による分解、一般
反応式で下記に示す。
Na2O・XSiO2+HCl+H2O→SiO2・nH2O+NaCl また、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類またはアル
カリ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土
類金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸と
する方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂によ
りケイ酸とする方法、天然ケイ酸またはケイ酸塩を利用
する方法などがある。
その他には、金属アルコキシドの加水分解による方法
がある。この一般反応式を下記に示す。
M(OR)+1/2nH2O→MO2+nROH この式に於いて、例えばMは金属,半金属元素、Rは
アルキル基、nは整数を表わす反応式である。またこの
時、2種以上の金属アルコキシドを用いれば複合物が得
られる。
上記無機化合物微粉体のうちで、BET法で測定した窒
素吸着による比表面積が30m2/g以上(特に50〜400m2/
g)、一次粒子の平均径が0.2μm以下(特に0.1μm以
下)の範囲内のものが良好な結果を与える。磁性トナー
100重量部に対して無機化合物微粉体0.1〜8重量部、好
ましくは0.2〜5重量部、更に好ましくは0.4〜3重量部
使用するのが良い。
また、本発明の磁性トナーを正荷電性磁性トナーとし
て用いる場合には、トナーの摩耗防止,スリーブ表面の
汚染防止のために添加する無機化合物微粉体としても、
負荷電性であるよりは、正荷電性無機化合物微粉体を用
いた方が帯電安定性を損うこともなく、好ましい。
正帯電性無機化合物微粉体を得る方法としては、上述
した未処理の無機化合物微粉体を、側鎖に窒素原子を少
なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコンオ
イルで処理する方法、あるいは窒素含有のシランカップ
リング剤で処理する方法、またはこの両者で処理する方
法がある。
尚、本発明において正荷電性無機化合物とは、ブロー
オフ法で測定した時に、鉄粉キャリアーに対しプラスの
トリボ電荷を有するものをいう。
無機化合物微粉体の処理に用いる、側鎖に窒素原子を
有するシリコンオイルとしては、少なくとも下記式で表
わされる部分構造を具備するシリコンオイルが使用でき
る。
(式中、R1は水素、アルキル基、アリール基又はアルコ
キシ基を示し、R2はアルキレン基又はフェニレン基を示
し、R3及びR4は水素、アルキル基、又はアリール基を示
し、R5は含窒素複素環基を示す)上記アルキル基、アリ
ール基、アルキレン基、フェニレン基は窒素原子を有す
るオルガノ基を有していても良いし、また帯電性を損ね
ない範囲で、ハロゲン等の置換基を有していても良い。
又、本発明で用いる含窒素シランカップリング剤は、
一般に下記式で示される構造を有する。
Rm−Si−Yn (Rは、アルコキシ基またはハロゲンを示し、Yはアミ
ノ基又は窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ
基を示し、m及びnは1〜3の整数であってm+n=4
である。) 窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基とし
ては、有機基を置換基として有するアミノ基または含窒
素複素環基または含窒素複素環基を有する基が例示され
る。含窒素複素環基としては、不飽和複素環基または飽
和複素環基があり、それぞれ公知のものが適用可能であ
る。不飽和複素環基としては、例えば下記のものが例示
される。
飽和複素環基としては、例えば下記のものが例示され
る。
本発明に使用される複素環基としては、安定性を考慮
すると五員環または六員環のものが良い。
そのような処理剤の例としてはアミノプロピルトリメ
トキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジ
メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプ
ロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメト
キシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブ
チルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミ
ノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−
γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルベンジルアミン等があり、さらに含窒素複素
環としては前述の構造のものが使用でき、そのような化
合物の例としては、トリメトキシシリル−γ−プロピル
ピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホ
リン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール
等がある。
これらの処理された正荷電性無機化合物微粉体の適用
量は、正荷電性磁性トナー100重量部に対して、0.1〜8
重量部のときに効果を発揮し、特に好ましくは0.2〜5
重量部添加した時に優れた安定性を有する正の帯電性を
示す。添加形態については好ましい態様を述べれば、正
荷電性磁性トナー100重量部に対して、0.2〜3重量部の
処理された無機化合物微粉体がトナー粒子表面に付着し
ている状態にあるのが良い。尚、前述した未処理の無機
化合物微粉体も、これと同様の適用量で用いることがで
きる。
又、本発明に用いられる無機化合物微粉体は、必要に
応じてシランカップリング剤、疎水化の目的でシリコン
オイル、有機ケイ素化合物などの処理剤、あるいは、種
々の処理剤を併用して処理されていても良く、無機化合
物微粉体と反応あるいは物理吸着する上記処理剤で使用
される。そのような処理剤としては、例えばヘキサメチ
ルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシ
ラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシ
ラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロル
シラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメ
チルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメ
チルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキ
サン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個宛
のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサ
ン等がある。
またシリコーンオイルとしては、一般に次の式により
示されるものである。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘
度がおよそ5〜5000cStのものが用いられ、例えばメチ
ルシリコーンオイル,ジメチルシリコーンオイル,フェ
ニルメチルシリコーンオイル,クロルフェニルメチルシ
リコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイル,脂肪
酸変性シリコーンオイル,ポリオキシアルキレン変性シ
リコーンオイルなどが好ましい。これらは1種あるいは
2種以上の混合物で用いられる。
また、本発明において、フッ素含有重合体の微粉末、
例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフ
ルオライド等およびテトラフルオロエチレン−ビニリデ
ンフルオライド共重合体の微粉末を添加することは好ま
しい。特に、ポリビニリデンフルオライド微粉末が流動
性及び研磨性の点で好ましい。トナーに対する添加量は
0.01〜2.0wt%、特に0.02〜1.0wt%が好ましい。
特に、無機化合物微粉末と上記微粉末と組み合わせた
磁性トナーにおいては、理由は明確ではないが、トナー
に付着した微粉末の存在状態を安定化せしめ、例えば、
付着した微粉体がトナーから遊離して、トナー摩耗やス
リーブ汚損への効果が減少するようなことがなくなり、
かつ、帯電安定性をさらに増大することが可能である。
本発明の磁性トナーは、必要に応じて添加剤を混合し
てもよい。着色剤としては従来より知られている染料、
顔料が使用可能であり、通常、結着樹脂100重量部に対
して0.5〜20重量部使用しても良い。他の添加剤として
は、例えばステアリン酸亜鉛の如き滑剤、あるいは酸化
セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤、あるいは例えばカ
ーボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤がある。
また、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で低分
子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロ
クリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワ
ックス、パラフィンワックス等のワックス状物質を0.5
〜5wt%程度磁性トナーに加えることも本発明の好まし
い形態の1つである。
さらに本発明の磁性トナーは着色剤の役割を兼ねても
良いが、磁性材料を含有している。本発明の磁性トナー
中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、γ−酸
化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;
鉄、コバルト、ニッケルのような金属或はこれらの金属
とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、ス
ズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミ
ウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タング
ステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合
物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜1μm、好まし
くは0.1〜0.5μm程度のものが望ましく、磁性トナー中
に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し60〜2
00重量部、好ましくは樹脂成分100重量部に対し70〜150
重量部である。
本発明に係る静電荷像現像用磁性トナーを作製するに
は磁性粉及びビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹脂、必
要に応じて着色剤としての顔料又は染料、荷電制御剤、
その他の添加剤等をボールミルの如き混合機により充分
混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー
の如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類
を互いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散又は溶解
せしめ、冷却固化後粉砕及び厳密な分級を行って本発明
に係るところの磁性トナーを得ることが出来る。
また、本発明の磁性トナーは特に厳密な分級を必要と
するが、この為には粉砕工程も重要であり、厳密な分級
を行う為微粉砕物の粒度分布をなるべくシャープにして
おく必要がある。この為には、微粉砕を行う前に2mm以
下、好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.5mm以下に粗
砕しておくことが望ましい。また中粉砕工程を導入し、
10〜100μm程度に粉砕してから、微粉砕することが特
に望ましい。
このように小さな粒径から、微粉砕することにより、
微粉砕物の粒度分布をシャープにすることで分級工程に
より本発明の特徴とする粒度分布に厳密に分級できる様
になる。
本発明の磁性トナーは、円筒スリーブの如きトナー担
持体から感光体の如き潜像担持体へトナーを飛翔させな
がら潜像を現像する画像形成方法に適用するのが好まし
い。すなわち、磁性トナーは主にスリーブ表面との接触
によってトリボ電荷が付与され、スリーブ表面上に薄層
状に塗布される。磁性トナーの薄層の層厚は現像領域に
おける感光体とスリーブとの間隙よりも薄く形成され
る。感光体上の潜像の現像に際しては、感光体とスリー
ブとの間に交互電界を印加しながらトリボ電荷を有する
磁性トナーをスリーブから感光体へ飛翔させるのが良
い。
交互電界としては、パルス電界、交流バイアスまたは
交流と直流バイアスが相乗ものが例示される。
本発明において、細線再現性は次に示すような方法に
よって測定を行った。すなわち、正確に幅50μmとした
細線のオリジナル原稿を、適正なる複写条件でコピーし
た画像を測定用サンプルとし、測定装置として、ルーゼ
ックス450粒子アナライザーを用いて、拡大したモニタ
ー画像から、インジケーターによって線幅の測定を行
う。このとき、線幅の測定位置はトナーの細線画像の幅
方向に凹凸があるため、凹凸の平均的線幅をもって測定
点とする。これにより、細線再現性の値(%)は、下記
式によって算出する。
本発明において、解像力の測定は次の方法によって行
った。すなわち、線幅及び間隔の等しい5本の細線より
なるパターンで、1mmの間に3.6,4.0,4.5,5.0,5.6,6.3,
7.1,8.0,9.0又は10.0本あるように描かれているオリジ
ナル画像をつくる。この10種類の線画像を有するオリジ
ナル原稿を適正なる複写条件でコピーした画像を、拡大
鏡にて観察し、細線間が明確に分離している画像の本数
(本/mm)をもって解像力の値とする。
この数字が大きいほど、解像力が高いことを示す。
[実施例] 以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明をなんら限定するものではない。なお以下の配
合における部数は全て重量部である。
実施例1 上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉
を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成した。さ
らに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多分割
分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で超微
粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粉径5.
5μmの黒色微粉体(磁性トナー)を得た。
参考のために、多分割分級機を用いての分級工程を第
1図に模式的に示し、該多分割分級機の断面斜視図(立
体図)を第2図に示した。
得られた黒色微粉体の磁性トナー100部に正荷電性疎
水性乾式シリカ(BET比表面積200m2/g,平均一次粒径約1
5mμ)1.0部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して磁
性トナーを有する正帯電性の一成分磁性現像剤とした。
この磁性トナーの粒度分布及び諸特性は第1表に示す
通りであった。
調製した一成分現像剤を添付図面の第3図に示す現像
装置に投入して、現像試験を実施した。第3図を参照し
ながら、現像条件を説明する。一成分現像剤31は、矢印
36の方向に回転するステンレス製円筒スリーブ33表面上
に磁性ブレード32を介して薄層に塗布され、スリーブ33
とブレード32の間隙は約250μmに設定した。スリーブ3
3は磁界発生手段として固定磁石35を有し、負荷電性潜
像を有する有機光導電性層を具備する感光ドラム34と近
接する現像領域におけるスリーブ表面近傍では磁界1000
ガウスを固定磁石35は形成している。矢印37の方向に回
転する感光ドラム34とスリーブ33の最近接距離は約300
μmに設定した。尚、感光ドラム34とスリーブ33との間
で、交流バイアスと直流バイアスを相乗した2000Hz/135
0Vppのバイアスを印加した。スリーブ33上の一成分現像
剤層は約75〜150μmの層厚を有し、現像領域において
は、磁性トナーは高さ約95μmの穂を形成していた。
感光ドラム34に形成された負荷電性潜像を正荷電性の
トリボ電荷を有する一成分現像剤31を飛翔させて現像し
た。画出しテストを5000回連続して行い、5000枚のトナ
ー画像を生成した。結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、文字等のライン部及びベ
タ部も共に高い画像濃度で、細線再現性、解像性も本発
明の磁性トナーは非常に優れており、5000枚画出し後
も、初めの画質の良さを維持していた。また、パーコピ
ーコストも小さく、経済性にも優れたものであった。
尚、本実施例で用いた多分割分級機及び該分級機によ
る分級工程について第1図及び第2図を参照しながら説
明する。多分割分級機1は、第1図及び第2図におい
て、側壁は22,24で示される形状を有し、下部壁は25で
示される形状を有し、側壁23と下部壁25には夫々ナイフ
エッジ型の分級エッジ17,18を具備し、この分級エッジ1
7,18により、分級ゾーンは3分画されている。側壁22下
の部分に分級室に開口する原料供給ノズル16を設け、該
ノズルの底部接線の延長方向に対して下方に折り曲げて
長楕円弧を描いたコアンダブロック26を設ける。分級室
上部壁27は、分級室下部方向にナイフエッジ型の入気エ
ッジ19を具備し、更に分級室上部には分級室に開口する
入気管14,15を設けてある。又、入気管14,15にはダンパ
の如き第1,第2気体導入調節手段20,21及び静圧計28,29
を設けてある。分級室底面にはそれぞれの分画域に対応
させて、室内に開口する排出口を有する排出管11,12,13
を設けてある。分級粉は供給ノズル16から分級領域に減
圧導入され、コアンダ効果によりコアンダブロック26の
コアンダ効果による作用と、その際流入する高速エアー
の作用とにより湾曲線30を描いて移動し、粗粉(排気管
11)、所定の体積平均粒径及び粒度分布を有する黒色微
粉体(排気管12)及び超微粉(排気管13)に分級され
た。
実施例2 実施例1で使用したトナーの代わりに、磁性粉添加量
の変更及び微粉砕分級条件をコントロールすることによ
って第1表に示すような諸特性にしたトナーを用いる以
外は、実施例1と同様にして、評価を行った。尚、次の
ような微粉体、疎水性乾式アルミナ(BET 100m2/g,平均
一次粒径25mμ)0.2部、正荷電性疎水性乾式シリカ(BE
T 200m2/g,平均一次粒径15mμ)0.8部を外添した。
第2表に示すように、安定した階調性のある鮮明な高
画質の画像を得ることができた。
実施例3 実施例1で使用したトナーの代わりに、第1表に示す
諸特性を示すようなトナーを用いる以外は、実施例1と
同様にして、評価を行った。
ただし、黒色微粉体100部に実施例1で用いた正荷電
性疎水性乾式シリカ1.0部、ポリフッ化ビニリデン微粉
末(平均一次粉径約0.3μm,平均重量分子量30万)0.2部
を加え、ヘンシェルミキサーで混合して一成分現像剤と
し、評価を行った。第2表に示すように、画像濃度、画
質の安定性共にさらに優れた画像を得ることができた。
実施例4 上記材料を用いて、実施例1と同様にして、黒色微粉
体を得た。この黒色微粉体(磁性トナー)100部に負帯
電性の疎水性乾式シリカ微粉末(BET比表面積300m2/g,
平均一次粒径8mμ)0.8部を加え、ヘンシェルミキサー
で混合して負帯電性の一成分磁性現像剤を調製した。
この黒色微粉体の粒度分布等は第1表に示す通りであ
った。
この一成分磁性現像剤を正荷電性の静電荷像を形成す
るアモルファスシリコン感光ドラムを具備するNP6650
(キヤノン社製)に適用して、5000枚の画出しテストを
行った。
第2表に示すように、安定した鮮明な高画質の画像を
得ることができた。
実施例5 実施例2で用いた粗砕品から調製した、第1表に示し
た粒度分布をもち、疎水性湿式シリカ(BET 150m2/g,平
均一次粒径20mμ)1.0部を外添した。
正帯電性の一成分磁性現像剤を用いて、アモルファス
シリコン感光ドラムを具備するデジタル式複写機NP9330
(キヤノン社製)に適用して、正荷電性の静電荷像を反
転現像方式を適用して5000枚の画出しテストを行った。
第2表に示すように、細線再現性、解像性は非常に優れ
ており、ドット再現性の高い鮮明な画像であった。
実施例6 実施例1に記載の製法と同様にして第1表に記載の黒
色微粉体を調製し、該黒色微粉体100部と実施例で用い
た正帯電性の疎水性シリカ0.8部とを混合して正帯電性
の一成分磁性現像剤を生成した。得られた一成分磁性現
像剤を有機光導電性感光ドラムを具備している市販の複
写機NP4835(キヤノン社製)に適用して5000枚の画出し
テストを行った。結果を第2表に示す。
比較例1 実施例1で使用したトナーの代わりに、微粉砕分級条
件をコントロールすることによって第1表に示すような
諸特性にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様に
して、評価を行った。その結果を第2表に示す。
初期には良好な画像が得られたが、コピーを続けると
次第に濃度が下がりベタ黒部や画像の内側が中抜け気味
になった。また、かぶりも見られるようになり、次第に
悪化した。
比較例2 実施例1で使用したトナーの代わりに、微粉砕分級条
件をコントロールすることによって第1表に示すような
諸特性にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様に
して、評価を行った。その結果を第2表に示す。
初期は良好な画像が得られらが、コピーを繰り返す
と、濃度低下が見られ、画像がガサツキ、細線再現性、
解像性が低下した。
比較例3 実施例1で使用したトナーの代わりに、微粉砕分級条
件をコントロールすることによって第1表に示すような
諸特性にしたトナーを用いる以外は、実施例1と同様に
して、評価を行った。その結果を第2表に示す。
初期では、ライン部の画像は問題なかったが、ベタ部
がやや中抜け気味であった。コピーを繰り返すと、かぶ
りが現われ、斑点状のかぶり汚れが生じるようになり、
中抜けがひどくなり、次第に濃度低下した。また、ライ
ン部の現像も劣化し、細線再現性、解像性が低下した。
比較例4 実施例1で使用したトナーの代わりに、磁性粉添加量
の変更及び微粉砕分級条件をコントロールすることによ
って第1表に示すような諸特性にしたトナーを用いる以
外は、実施例1と同様にして、評価を行った。その結果
を第2表に示す。
初期、5000枚画出し後も、濃度,画質とも問題はなか
ったが、解像性,ハーフトーン再現において実施例1に
比べやや劣っていた。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は、特定の粒度分布を有す
る磁性トナーである為次のような優れた効果を発揮する
ものである。
(1)解像力、細線再現性に優れ、きめの細かいハーフ
トーン再現に優れた磁性トナーである。
(2)繰り返しの使用で性能の変化のない磁性トナーで
ある。
(3)少ない消費量で高い画像濃度を与える磁性トナー
である。
(4)デジタルな画像信号による画像形成装置において
も、解像性、階調性、細線再現性に優れたトナー画像を
形成し得る磁性トナーである。
【図面の簡単な説明】
添付図面中、第1図は多分割分級手段を用いた分級工程
に関する説明図を示し、第2図は多分割分級手段の概略
的な断面斜視図を示し、第3図は実施例及び比較例にお
いて画出しに用いた現像装置の概略的な断面を示した図
である。 1……多分割分級装置、11……排気管(粗粉) 12……排気管(所定の粒度を有する粉体) 13……排気管(微粉)、14,15……入気管 16……原料供給ノズル、17,18……分級エッジ 19……入気エッジ 20……第1気体導入調節手段 21……第2気体導入調節手段 22〜24……側壁、25……下部壁 26……コアンダブロック、27……分級室上部壁 28,29……静圧径、31……一成分現像剤 32……磁性ブレード、33……スリーブ 34……感光ドラム、35……固定磁石

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも結着樹脂及び磁性粉を含有する
    磁性トナー粒子を有する磁性トナーにおいて、5μm以
    下の粒径を有する磁性トナー粒子が60個数%以上含有さ
    れ、磁性トナーの体積分布の変動係数〔(体積分布の標
    準偏差/体積平均粒径)×100〕が27.5以下であり、磁
    性トナーの体積平均粒径が4〜6μmであり、磁性トナ
    ーの真密度が1.45〜2.00g/cm3であり、流動性付与剤と
    しての無機化合物微粉体が磁性トナー粒子に外添されて
    いることを特徴とする磁性トナー。
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