JP2769492B2 - 芳香族アルデヒドおよびその誘導体 - Google Patents

芳香族アルデヒドおよびその誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新しい芳香族アルデヒドおよびその誘導体、
ならびに新しい抗ガン剤に関するものである。これらの
化合物は芳香族アルデヒト類とその誘導体から作られ、
一定の水素原子を重水素原子で置換したものである。
〔従来技術および課題〕
芳香族アルデヒド類とその誘導体に基いた抗ガン剤は
現在の技術の状態に従つて知られている。
ある種の芳香族アルデヒド類とアルデヒド類の誘導体
は、動物系及びヒトの患者において、カルチノーマタイ
プの種々のガンの治療に有効であることは立証されてい
る。このことは、次の文献に報告されている。Kochiほ
か、Cancer Treat.Rep.(癌治療報告),64:21−23,(19
80年),Kochiほか、13th International Cancer Confer
ence,Seattle,WA,USA.(第13回、国際癌会議 合衆国ワ
シントン州シアトル)、(1982年);Kochiほか.,Cancer
Treat.Rep.,69:533−537,(1985年)及びPettersenほ
か、Anticancer Res.,6:147−152(1986年)、英国特許
第1,582,666号,デンマーク特許第2710327号、ヨーロツ
パ出願第0148094号にもこのアルデヒド類の効果につい
て記述してある。
これらの物質はガン細胞に対して不安定であり、活性
が低いために、比較的高用量で頻繁に投与する必要があ
る。患者の治癒には少くとも数カ月、場合によつては数
年間、治療を継続的に実施しなければならないことが報
告されている(Kochi 80,85)。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によつて、上記の短所を少くして、より大きな
生物学的活性を示す、斬新で改良された抗ガン剤を、我
々は発見した。
これらの新しい化合物は、式(I)によつて表現され
うる重水素化芳香族アルデヒド類である。
ここで、Arは全部あるいは一部が重水素化されてい
る、置換されたフエニルであり、重水素化された芳香族
アルデヒド類の誘導体は式(II)で表わすことができ
る。
ここでArは、少くとも部分的に重水素化されていても
よい、置換あるいは非置換フエニル基であつて、X1とX2
は置換されたヘテロ原子であるか、またはX1とX2はそれ
らが結合している炭素とともにヘテロサイクルを形成す
る。例えば、環状アセタール類、チオアセタール類、オ
キサゾリジン類などを形成するのである。
本発明では、重水素化合物の調製方法、重水素化合物
を含む抗ガン剤の組成及びガンにかかつている患者の治
療法をも提供する。
発明の詳細な記述 この新しい化合物自体に関して、上記の式(I)およ
び(II)において、Dは重水素原子を表している。
式(I)において、Arは全部あるいは一部が重水素化
されていてもよい、置換されたフエニル基である。フエ
ニル基の置換基は、たとえばメチル、エチル、n−プロ
ピルとi−プロピルのように1−5の炭素原子を持つア
ルキル、たとえばシクロプロピルやシクロヘキシルのよ
うに3−6の炭素原子を持つ環状アルキル、たとえば塩
素や臭素のようなハロゲン、ニトロ、アミノ、例えばモ
ノメチルアミノのようなアルキル基内に1−5の炭素原
子を持つモノアルキルアミノ、及び例えばジメチルアミ
ノのような各アルキル基内に1−5の炭素原子を持つジ
アルキルアミノによつて例示される。置換されたフエニ
ル基が1−3の置換基を含んでいることがさらに望まし
い。
式(I)におけるArは、任意に、少くとも部分的に重
水素化されていてよい。すなわち、あらゆる置換基を含
むAr基の1つまたはそれ以上の水素原子が、重水素原子
と置き変わることが可能である。
式(II)において、Arは置換されているか、または置
換されていないフエニルである。フエニル基の置換基
は、上記の化学物、式(I)について例示した通りであ
る。フエニル基が置換基を含んでいる場合には、1−3
の置換基のあることが、一層望ましい。
式(II)におけるAr基は、任意に少くとも部分的に重
水素化されていてよく、式(I)に関して上で定義した
通りである。
上で示したように、X1とX2は置換されたヘテロ原子で
あつてもよい。異なる原子の例としては、イオウ、酸
素、チツ素がある。水素、1−5の炭素原子を持つアル
キル(上に例示)、3−6の炭素原子を持つ環状アルキ
ル(上に例示)およびフエニルが置換基に含まれる。こ
のように、X1とX2はたとえばヒドロキシ、メルカプト、
アミノ、メトキシ、シクロプロピロキシ、フエノキシ、
メチルチオ、シクロプロピルチオ、フエニルチオ、モノ
メチルアミノ、ジメチルアミノ、モノシクロプロピルア
ミノ、あるいはモノフエニルアミノでもよい。
代わりに、X1とX2はそれらが結合している炭素原子と
ともにヘテロサイクルを形成することができ、このよう
にして、式(II)の化合物として環状アセタール、チオ
アセタール、チアンまたはオキサゾロジンを形成する。
この発明の好ましい態様においては、式(II)のX1
X2は環状アセタールを形成するために、糖または糖誘導
体のような多価アルコール、たとえばD−グルコース、
L−アスコルビン酸(及び塩類)などと結合している。
本発明には、薬学上許容し得る塩類、たとえばアルカ
リ金属、アルカリ土類金属塩など、前述の化合物の塩類
も含んでいる。
本発明は、高度に重水素化された芳香族アルデヒド類
の生成物を調製する方法及び、これによつて得られた、
高度に重水素化が達成された生成物にも関与している。
現在までに、重水素化された芳香族アルデヒド類を小規
模で調製する数多くの方法が存在している。しかしなが
ら、これらの方法には、低収量、多くの反応段階、及び
最終生成分における重水素化の程度が余りにも低いなど
の種々の不利な点がある。
それ故に、本発明では、高度に重水素化された溶媒中
で重水素ガスを用いて、芳香族酸塩化物のような、芳香
族酸ハロゲン化物を還元させることを含む、重水素化し
た芳香族アルデヒド類を調製する方法を提供する。白金
やパラジウムのような遷移金属触媒の存在下で反応は進
むが、硫酸バリウムのような固体担体上のパラジウムを
用いることがさらに好ましい。
これらの反応条件は、水素ガスを用いて相当する酸塩
化物からプラチオアルデヒド類を調製するための、よく
知られたローゼンムント反応と一致する(Rosenmund,Ch
em.Berichte 51:585(1918年))。
しかし、本発明の過程においては、高度に重水素化し
た芳香族溶媒、すなわち、溶媒分子中の少くとも90%の
プロトンが重水素原子と置き換わつて(置換されて)い
る中で、重水素ガスを用いて酸塩化物の還元が行われ
る。高度に重水素化されたベンゼン、トルエン、エチル
ベンゼンまたはキシレン中で、還元は良好に行われる。
重水素化された溶媒は、H/D−変換反応によつて、技術
的によく知られている従来の方法で調製することができ
る。
芳香族酸ハロゲン化物と高度に重水素化された溶媒と
の重量比は、1:3から1:10が良好である。重水素ガス
は、好ましくは1時間あたり10−20lの速度で反応混合
物に導入され、反応は好ましくは温度50−200℃、より
好ましくは、反応混合物の還流温度で行われる。
上で説明した方法で、式(I)の化合物が調製され
る。これらの化合物は、芳香族アルデヒド類の環状誘導
体の調製法としてよく知られている方法に類似した方法
によつて、式(II)の化合物に変換することができる。
一般にこの方法には、酸性触媒の存在下で、アルデヒド
または、アルデヒドと二価または多価アルコールとの低
級アセタールが反応することが含まれている。この反応
はジメチルホルムアミド、ジメチルスルフオキシド、ジ
メチルアセタミドなどの極性溶媒中で良好に行われる。
実施例3と4は類似した方法によつて、式(II)で表
される新しい化合物の調製法を述べており、そこでは、
式(I)で表される開始物質のアルデヒド基の高度な重
水素化は、反応中、維持されている。
重水素アルデヒド類およびこれと対応する誘導体の抗
ガン効果は、式(I)および(II)の−C−D基(以下
「アルデヒド基」という)と直接関係があり、したがつ
て、アルデヒド基が抗ガン作用を担つているので、本発
明は。特定の重水素化された芳香族アルデヒド類の誘導
体に限定されるものではなく、広く上に示した以外の物
も包含されると解釈されるべきであり、芳香族重水素ア
ルデヒド類または、芳香族重水素アルデヒド類の誘導体
が有効成分である抗ガン製剤は、対応する芳香族アルデ
ヒド類及び誘導体より、はるかに強力と理解されるべき
である。
芳香族重水素アルデヒド類またはその誘導体に基づい
た抗ガン製剤は、対応する非重水素化アルデヒド類と誘
導体に基づいたそれより、さらに広く応用できるであろ
う。
本発明の重水素化法、すなわち、芳香族酸ハロゲン化
物を重水素化芳香族アルデヒドに還元する方法によつて
調製された生成物には、重水素化が不十分な場合には、
最終生成物として、非重水素化芳香族アルデヒドと所望
の重水素化芳香族アルデヒドが含まれる。これらの製剤
の有用性の点からは、ガン患者の治療に、このように部
分的に重水素化された生成物が用いられてもよいが、最
上の結果は完全に重水素化された生成物を用いた時に得
られる。すなわち、芳香族アルデヒドの最終生成物のす
べてが十分に、式(I)に対応する重水素化芳香族アル
デヒドの形になつている場合である。
ガン患者の治療に特に有用なアルデヒドは、重水素ベ
ンズアルデヒドと重水素ベンズアルデヒドの誘導体であ
る。
このように、本発明に従えば、アルデヒド基におい
て、極めて高度な重水素化が達成されている、高度に重
水素化された芳香族アルデヒドを調製するための、非常
に有効な方法が提供される。
ガン患者の治療に関する本発明の製剤には、(A)す
なわち、式(III)で表現することができる重水素化さ
れた芳香族アルデヒド: ここでArは少くとも部分的に重水素化されている、置
換あるいは非置換フエニル、 および、式(II)で表現される重水素化された芳香族
アルデヒド類の誘導体: ここで、Arは少くとも部分的に重水素化されている置
換あるいは非置換フエニルで、X1およびX2は置換された
ヘテロ原子か、またはX1とX2はそれらが結合している炭
素とともにヘテロサイクルを形成する。
および(B)薬学上許容し得る担体を含有する。
式(III)はArが置換されていないフエニルのことも
あるという点でのみ式(I)と異つている。すなわち、
式(III)には重水素ベンズアルデヒドが含まれる。
本発明の生成物および方法は、次の実施例に述べるこ
とによつて、さらに説明するが、本発明はそれによつて
限定されるものではない。
実施例1 重水素ベンズアルデヒドの調製法。
硫酸バリウム上の5%パラジウム触媒5.2gを懸濁した
乾燥トルエン−d8(重水素化度:99.5%)260mlに、新た
に蒸留した塩化ベンゾイル54.8gを加えた。最後に、触
媒の活性を調節するために、「S−キノリン」のような
制御剤を加えることがある(Rosenmund,chem.Ber.(191
8))。
ガス挿入管を通して、99.7原子%Dを含むD2ガスを、
反応混合物を急速に攪拌しながら導入した。還元反応は
反応混合物の還流温度で行われた。反応に続いて反応混
合物をガス液体クロマトグラフイーにかけるか、反応中
に形成された、発生塩化重水素(DCl)の測定を行う。
約20時間後、すべての酸塩化物は反応してしまつたの
で、D2ガスの供給を終わらせる。
重水素化されたベンズアルデヒドは、反応混合物を蒸
留することによつて、従来の方法で反応混合物から作り
あげることができる。
しかしながら、はるかに簡単で短時間に、純粋な生成
物を得る方法は、アルデヒドを含むトルエン溶液を重亜
硫酸ナトリウムの重水素における飽和溶液と、速く攪拌
することによつて、生成した重水素ベンズアルデヒドの
錯体を作らせることによる。普通の水の中では、亜硫酸
錯化合物のアルデヒド基の重水素原子のH/D変換は遅い
ので、少くとも高度に重水素化したアルデヒドを望むな
らば、重水素で重亜硫酸ナトリウムの飽和溶液を作る方
が好ましい。
次に、アルデヒドは、錯化合物を塩基性水溶液と反応
させることによつて錯化合物から再生させることができ
る。
このように、反応混合物の触媒を過して取り除いた
後、結果として生じた純粋なトルエンを、重水(D2O)
における重亜硫酸ナトリウムの飽和溶液約250mlと混合
し、不活性な気体中で約10時間、高速で攪拌した。
その結果生じた、重水素化されたベンズアルデヒドの
亜硫酸ナトリウム錯化合物を次に過し、エーテルで数
回洗浄し、乾燥させた。
反応に用いた重水素化した溶媒は、容易に乾燥され、
次のバツチに再利用される。
重水素ベンズアルデヒド−d1は、室温で高速で攪拌し
ながら600mlの5%炭酸ナトリウム溶液を加えることに
よつて、生じた純粋な亜硫酸ナトリウム錯化合物から再
生される。
次に重水素ベンズアルデヒド−d1を250mlのジエチル
エーテルで数回抽出する。
次にエーテル抽出物を合わせ、乾燥させ、真空状態で
ジエチルエーテルを除去する。
残つた重水素ベンズアルデヒドを、次に、減圧下で蒸
留すると化学的に純粋な重水素ベンズアルデヒド−d1
沸点74℃(22mmHg)24gが得られた。
nD=1.5436 重水素化度(核磁気共鳴による)=99.5%D 比較例1 5.2gの触媒(硫酸バリウム上5%パラジウム)を懸濁
した普通のトルエン(Merck,p.a.)260mlに、新たに蒸
留した塩化ベンゾイル54.8gを加えた。
実施例1に記述したものと同じガス挿入管を通して、
〜15l/hrの速度でD2ガスを導入した。
20時間の反応時間の後、実施例1に記述したように、
反応混合物はでき上がつた。
このようにして化学的に純粋な重水素ベンズアルデヒ
ド−d1 23gが得られた。
重水素化度=66%D このように、高度に重水素化された重水素アルデヒド
を得るためには、芳香族溶媒のプロトンが変換すること
によつてD2ガスが稀釈されるのを防ぐために、酸塩化物
の還元に用いる溶媒が高度に重水素化されていることが
絶対必要なことが、この実施例からわかる。
実施例2 重水素ベンズアルデヒドの調製法 溶媒として重水素化したエチルベンゼンを用いたほか
は、実施例1に記述した方法に従つて調製を行つた。
硫酸バリウム上5%のパラジウム触媒7.6gを懸濁させ
た、重水素化したエチルベンゼン(重水素化度:99.4
%)300mlに、新たに蒸留した塩化ベンゾイル54.7gを加
えた。
反応混合物を高速で攪拌しながら、これにガス挿入管
を通して、D2ガスを吹き込んだ。1時間あたり約15lの
速度でD2ガスを導入した。
反応混合物の還流温度140−145℃で再び還元を行つ
た。
4−5時間の反応時間の後、ガス液体クロマトグラフ
イー分析で示されるように、塩化ベンゾイルはすべて消
費されたので、D2供給を終了させ、反応混合物を室温ま
で冷却させた。
実施例1に記述したように、反応混合物から重水素ベ
ンズアルデヒドはでき上がり、純粋な重水素ベンズアル
デヒド−d1 23gが得られた。
重水素化度=99.4原子%D 実施例3 重水素4,6−O−ベンジリデン−d1−グルコース(BG−d
1)の調製法。
実施例1および2で調製した重水素ベンズアルデヒド
56gを、0.8gの塩酸の存在下で、メタノール50gおよびト
リメチルオルト蟻酸エステルと混合物の攪拌を行いなが
ら反応させた。
50℃で0.5時間反応させた後、反応混合物の低沸点成
分を減圧状態で除去し、次に形成された重水素化したベ
ンズアルデヒド−酢酸ジメチル(α,α−ジメトキシ−
α−d1−トルエン)を蒸留して除いた。
再蒸留の後、純粋なα,−α−ジメトキシ−α−d1
トルエン75gが得られた。沸点195℃。
重水素化度(核磁気共鳴による)=99.5%D。
この生成物20gを、100mlのジメチルホルムアミド(DM
F)中のD−グルコノ−δ−ラクトン23.4gの混合物に加
え、次に0.7gのP−トルエンスルホン酸を加えた。反応
混合物は、僅かに減圧状態にして、60−70℃で還流し、
できたメタノールを継続的に除去した。メタノールを全
て除いた後、減圧状態でDMFを除去した。主として重水
素4,6−ベンジリデン−D−グルコノ−δ−ラクトンか
ら成る油性の残渣は、次の方法で対応するD−グルコー
ス誘導体になるまで、さらに還元されうる。250mlのメ
タノールでこの油性残渣を希釈し、次に300mlの蒸留水
で希釈し、次いで0−5℃まで冷却した。
この混合物に、150mlの蒸留水にとかしたホウ化水素
ナトリウム4.8gと、150mlの水にとかした濃硫酸4.5g
を、懸濁液のpHを5と8の間に保ちながら、交互に加え
た。1時間の反応時間の後、溶液のpH9に調整し、減圧
下で、総量約400mlに濃縮した。
生成物をアンバーライト(Amberlite)に吸着させる
従来の方法で、生成物を仕上げることができる。アンバ
ーライトXAD−2 500gを水溶液(3l)に加え、30分間攪
拌し、過し、メタノールで生成物を脱着し、減圧下で
メタノールを除去し、うす茶色の油20gを得たが、これ
は低温で結晶化する。
この油を20mlの氷水と15分間攪拌すると、細かい結晶
が得られた。過し、氷水で結晶を洗浄した後、18gの
未精製の生成物が得られた。融点150−170℃。
水からの再結晶後、純粋な重水素4,6−ベンジリデン
−D−グルコース、融点180−182℃13gが得られた。
生成物は、高速液体クロマトグラフイーで純粋であ
り、α及びβ−アノマーの両者を含んでいることがわか
つた。
実施例4 重水素5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸(および
その塩の)調製法。
40gの乾燥L−アスコルビン酸を60mlの乾燥ジメチル
ホルムアミドに溶解し、300mlのパラ−トルエンスルホ
ン酸の存在下で、(実施例3で調製した)重水素化した
α,−α−ジメトキシトルエン41gと反応させた。反応
混合物を60℃に保ち、その間、減圧下で形成されたメタ
ノールを連続的に除去した。反応が完了した(計算した
メタノールの全量を除去した)後、高度の真空状態でDM
Fを蒸留して除いた。
油性の残渣を氷水と攪拌して、重水素化した5,6−O
−ベンジリデンアスコルビン酸の白い結晶を得た。
結晶は、ベンゼンから再結晶することによつてさらに
精製したが、重水素5,6−O−ベンジリデンアスコルビ
ン酸は不安定なので、重水素5,6−O−ベンジリデン−
L−アスコルビン酸の1ナトリウム塩の透明な溶液を得
るために、重水素5,6−O−ベンジリデン−L−アスコ
ルビン酸を、300mlの水に溶かした13.5gの重炭酸ソーダ
と反応させることによつて、結合していない酸をはるか
に安定な1塩基性塩に変換することがすすめられる。構
造式を以下に示す。構造は赤外線及び核磁気共鳴で確認
した。生成物は水に溶けやすい。溶液のpHは6.6であ
る。
本発明による本製剤の有益な特性は、実施した一連の
実験と関連させて以下に示す。
1)効果を実証するために用いた生物学的材料と方法 細胞培養技術と同期化 本来、頸部カルシノーマを起源とする、確立された系
のヒト細胞NHIK 3025(Nordbye,K.,及びOftebro,R.EXP.
Cell Res.,58:458,1969),Oftebro,R.,及びNordbye,K.,
Exp.Cell Res.,58:459−460,1969)を培地E2a(Puck,T.
TらJ.Exp.Med.,106:145−165,1957)に、20%ヒト(研
究室で調製)および10%ウマ血清(Grand Isl and Biol
ogical Co.)を補給して、培養した。細胞は、組織培養
のフラスコ内で、単相で規則的に増殖した。細胞は付着
後は動かず、この性質を利用して、数世代にわたつて同
じ細胞を倒立顕微鏡で観察することができる。
頻繁に、すなわち2日毎、3日毎に再培養することに
よつて、細胞は連続的に指数関数的に増殖させ、有糸分
裂細胞を反復選別することによつて、高度に同期性を有
する、同期化された細胞集落が得られた(Pettersen,E.
O.らColl Tissue Kinet.,10:511−522,1977).同期化
法の期間中、細胞は培地E2a内に保ち、実験はすべて大
型インキユベータ内で37℃で行つた。ここで用いた増殖
条件下で、NHIK 3025細胞は、平均細胞周期〜18時間を
示し、平均G1,S1,およびG2はそれぞれ〜7,〜8および
〜2.5時間であつた。
細胞の残存(表1および7)。
細胞の残存を測定するために、適当な数の細胞を、プ
ラスチツクのペトリ皿(直径5cm)に播種した。各皿に
播種した細胞の数は、残存細胞数が1皿あたり約150に
なるように調整した。一方、指数関数的に増殖している
(非同期性の)細胞は、播種する前にトリプシン化し、
選別直後に、同期化した細胞を播種した。約2時間後、
細胞は皿の底に付着したので、培地を適当な薬剤濃度を
含む培地と置き換えて、処理を開始した。適当と思われ
る処理時間の後、薬剤を含む培地を除去し、新しい培地
を加えた。薬剤を付加的に添加するか、除去するため
に、同一の培地で皿をゆすいだ。二酸化炭素インキユベ
ータ中、37℃で10〜12日後、コロニーを数える前に、細
胞をエタノールで固定し、メチレンブルーで染色した。
細胞周期の期間(表3)。
細胞周期動態に与える薬剤の影響を調べるために、前
に記述したのと同じ方法を用いた(Lindmo,T.およびPet
tersen,E.O.,Cell Tissue Kinet.,12:43−57,1979
年),(Pettersen,E.O.らEur.J.Concer CLin.Oncol.,1
9:507−514:1983年),(Ronning,O.W.ら,J.Cell.Physi
ol.,109:411−419,1981年).簡潔に言えば、選別した
有糸分裂細胞を、8個の組織培養フラスコ(25cm2
に、フラスコ毎に細胞5000個を播種した。細胞は1時間
以内に分裂し、ダブレツトとしてフラスコの底に付着し
た。フラスコの輪郭部分の細胞(100細胞)は倒立顕微
鏡で何度も観察し、分裂時と同様、有糸分裂に入る時
を、各細胞毎に記録した。これらの観察から、有糸分裂
期間の分析を行つた(表4)。
蛋白合成(表2および8). 蛋白合成速度を、前に記述した方法で計算した(Ronn
ing,O.W.ら.,J.Cell Physiol.,107:45−57,1981年).
簡潔に言えば、実験前に、一定の比放射能(0.5Ci/mo
l)を持つ(14C)バリンと共に、2日間プレインキユベ
ートして、飽和するまで細胞をラベルした。細胞間のバ
リンおよび蛋白質分解によつて生じたバリンによる(14
C)バリンの希釈を無視できるように、高濃度のバリン
を用いてこれを完遂した(Ronning,O.W.らExp.Cell Re
s.123:63−72,1979年)。このようにして比放射能を一
定の水準に保つた。蛋白合成速度は、一定の比放射能を
持つ(3H)バリンの取り込みから計算した。取り込みの
測定は、各々の測定期間の開始時の、蛋白質内の総(14
C)放射能と関連があり、時間あたりのパーセンテージ
で表現した(Ronning,O.W.らJ.Cell,Physiol.107:47−5
7,1981). 血液試料中の4,6−O−ベンジリデン−D−グルコー
ス(BG)または、4,6−O−重水素ベンジリデン−d1
D−グルコース(BG−d1)の濃度測定(表5). BGまたはBG−d1の静脈注射直前および注射後間隔をあ
けて何度か、オスのウイスター(Wistar)種ラツトから
血液試料を採取した。血清は遠心分離によつて分離し
た。同量の血清と高速液体クロマトグラフイー級のアセ
トニトリルを混合し、13,000rpm(15,000xg)で5分
間、遠心分離を行つた。次に高速液体クロマトグラフイ
ー(HPLC)で、試料のBGまたはBG−d1含有量を分析し
た。4.6×250mm.LC18の高速液体クロマトグラフイーの
各カラムに、20lを反復注入するようにプログラムした
自動サンプラーに試料を設置した。45%の水溶性メタノ
ール誘導体で、1ml/minでカラムを溶離した。BGまたはB
G−d1は、励起及び放射にセツトした、それぞれ波長255
及び283nmで、分光蛍光計を用いて検出した。用いたス
リツトの広さは10nmだつた。血清中のBGまたはBG−d1
の測定は、流動相におけるBGあるいはBG−d1の標準溶液
で較正した電子積分器を用いて行つた(Pettersenら.,A
nticancer Res.,6;147−152,1986年). 血液試料中のBGまたはBG−d1代謝物の測定(表6). 上に示したように、血液試料の高速液体クロマトグラ
フイーを実施した。ピークの高さを分析することによつ
て、BGまたはBG−d1代謝物の相対量を決定した。BGの静
脈注射30分後、またはBG−d1の静脈注射60分後に採取し
た試料の電子積分器(マイクロボルト)から得たピーク
の高さを、1に標準化した。他のすべての代謝物のピー
クを、この値と比較した。
重水素アルデヒド類およびその誘導体がエンケフアリナ
ーゼの活性を抑える作用 重水素アルデヒド類または重水素アルデヒド類の誘導
体がエンケフアリナーゼの活性を抑える作用は、精製さ
れたエンケフアリナーゼ含有溶液を(3H)−ロイエンケ
フアリンに加水分解する能力を検定することによつて、
生体外で測定した。
特に重水素アルデヒド類または重水素アルデヒドの誘
導体の水溶液をエンケフアリナーゼ検定系に加えて、エ
ンケフアリンを分解する酵素反応の活性を求めた。
さらに特別に、エンケフアリナーゼの酵素活性を次の
ように測定した。10μciの(3H)−ロイ−エンケフアリ
ン10μl,2.5mMのトリスー塩酸緩衝液20μlと水30μl
を混合して、37℃で5分間インキユベートした。その後
エンケフアリナーゼ含有水溶液30μlを加えて、37℃で
1時間、インキユベーシヨンを続けた。最後に30%の酢
酸20μlを加え、ポラパツク(Porapak)Qカラムを用
いて、反応混合物をクロマトグラフイーにかけた。もと
の(3H)−ロイ−エンケフアリンに対する(3H)−チロ
ジン−グリシン−グリシンの割合は、液体シンチレーシ
ヨン計数を用いて求めた。
エンケフアリナーゼの活性を抑制する、重水素アルデ
ヒド類および重水素アルデヒド誘導体の特性は、上記の
検定混合物において、30μlの水の代わりに、重水素ア
ルデヒド類または重水素アルデヒド誘導体の水溶液を加
えることによつて求めた。
濃度調整は、重水素アルデヒドまたは重水素アルデヒ
ド誘導体の最終濃度が1と1.5mg/mlの間になるように行
つた。
2)生物学的効果 ベンズアルデヒドおよび重水素ベンズアルデヒド−d1
の細胞毒性的効果は、非同期性の、指数関数的に増殖し
ているNHIK 3025細胞について、ペトリ皿で24時間処理
した後、コロニーを形成できる細胞数を数えることによ
つてテストを行つた。2つの異る、独立した実験の結果
を表1に示すが、ここで数値は、10枚の同じ併行試験の
皿から得た残存細胞の平均分画を示す(±標準誤差)。
結論:一番高い薬剤濃度の場合、ベンズアルデヒドを用
いるより、重水素ベンズアルデヒド−d1を用いた時に、
著しく強い細胞不活性化がみられる。
ベンズアルデヒドは可逆的な蛋白合成阻害を示してい
る。すなわち、処理期間中、蛋白合成は通常より低い
が、処理が続く限り一定である。処理後、蛋白合成は増
加して、1−2時間は通常にもどる(Pettersenら,Eur.
J.Cancer Clin.Oncol 19:935−940,1983). 表2は、ベンズアルデヒドおよび重水素ベンズアルデ
ヒド−d1で4時間処理した細胞の蛋白合成を示す。
3H)−バリンの取り込みは、処理開始後の最初の1
時間の間または、処理後の最初の1時間または2時間の
間(パルス4−5)または(パルス5−6)のいずれか
に測定した。最後の測定は薬剤の可逆性をテストするた
めに行つた。
薬剤濃度:3.2mM。
結論:この処理期間中、蛋白合成阻害は同じであつた。
重水素ベンズアルデヒド−d1は、ベンズアルデヒドより
可逆性が幾分低い、が、この影響は弱い。
細胞周期阻害 蛋白質合成阻害の2次的な影響として、ベンズアルデ
ヒドは細胞周期の進行を阻害する(Pettersonら.Eur.J.
Cancer Clin.Oncol.19:507−514 1983年及び19:935−94
0 1983年).重水素化合物は、蛋白質合成阻害において
重水素化されていない化合物より可逆性が低いようであ
るから、パルス処理後、重水素化されていないものより
細胞周期の期間も、もつと著しく増大させるであろうと
我々は予想した。このことは表3のデータによつて示さ
れるが、ここでは、有糸選別の2時間後、すなわち細胞
がG1初期である時に開始し、8時間にわたつて処理を行
つて同期化した細胞を用いた。
結論:重水素ベンズアルデヒド−d1は明らかにベンズア
ルデヒドより細胞周期の期間の増大をもたらす。この違
いは、蛋白合成阻害の可逆性の違いから、結果として生
じるものであろう。このように、重水素ベンズアルデヒ
ドに関しては、細胞周期阻害は、きつと蛋白質合成阻害
の2次的な結果であろう。
ベンズアルデヒドは有糸分裂期間中に特定の阻害をも
たらす(Pettersenら,Eur.J.Cancer,Clin.Oncol.19:507
−514,1983年)。この作用は多分、アルデヒド基と直接
関係がある(Pettersenら.Cancer Res.45:2085−2091,1
985年)。もし重水素化したアルデヒド基が、重水素化
されていないアルデヒド基と異る生物学的作用をもたら
すとすれば、このことは有糸分裂中の細胞に与える影響
の差異として表現されると予期するのに十分な理由とな
る。表4に、有糸分裂期間中にベンズアルデヒドまたは
重水素ベンズアルデヒド−d1で処理して同期化した細胞
の有糸分裂の延長に関する結果を示す。表中の数字は、
有糸分裂期間が1時間以下(処理されていない細胞にと
つては正常である)であるか、または各らんの最上部に
示した時間の数値以上を有する細胞のパーセンテージを
表わす。
結論:重水素ベンズアルデヒド−d1は、有糸分裂阻害剤
として、ベンズアルデヒドより明らかに効果的である。
ベンズアルデヒドは粘膜を強く刺激する作用を持つ化
合物なので、動物または患者に、純粋な形で投与するこ
とはできない。従つて、ベンズアルデヒドの細胞毒性と
蛋白合成阻害作用を持ち続けている、無刺激の誘導体が
合成されることが重要である。そのような化合物の1つ
が、腫瘍にかかつている動物(Pettersenら.Anticancer
Res.6:147−152,1986年)及び患者(Kochiら.Cancer T
reat.Rep.69:533−537,1985年)らにテストを行つてき
た4,6−O−ベンジリデン−D−グルコース(BG)であ
る。BGは生体内では半減期が比較的短いが、半減期がい
く分か長い代謝物が形成されることを、我々は発見し
た。この代謝物も抗ガン作用を持つている。
ラツトにおけるBGと重水素BG(BG−d1)の代謝を比較
した。表5に、それぞれ各薬剤を1回静脈注射した後
の、様々な時点におけるBGまたはBG−d1の血清濃度を示
す。
結論:これらの結果は、BGは生体内では、5分代の半減
期で代謝されることを示している。しかし、BG−d1の注
射後に測定した半減期は、約15分であつた。したがつ
て、BG−d1の初期の代謝は、重水素化されていない化合
物のそれよりゆつくりである。
BGまたはBG−d1の代謝を求めたのと同じ時に、分離し
た代謝物のピークが高速液体クロマトグラフイーに現れ
た。BG−及びBG−d1代謝物の増加と、次に起こるクリア
ランスを測定した。
結論:これらのデータから2つの結論に達することがで
きる。第1に、BGからの代謝物の形成は、BG−d1からよ
りも速い。BG代謝産物のピークの高さは、静脈注射の30
分後に最高(=1)に達するが、BG−d1の代謝物は60分
後に最高に達する。第2に、クリアランス(またそれ以
上の代謝)は、BG−d1よりBGの方がはるかに速い。BG−
d1の静脈注射の120分後におけるBG代謝物の相対量は、
静脈注射の60分後にBGから生じた代謝物の相対量と同じ
であつた。
生体内で起きるBGの代謝は、生体外では見られず、こ
の化合物は生体外では少くとも24時間以上安定である。
ゆえに、生体外で細胞に与える、BG及びBG−d1の細胞毒
性及び蛋白合成阻害作用の両者を比較することは適切で
ある。これらの結果を、それぞれ表7および表8と9に
示す。
結論:表7および表8は代謝されていないBGおよびBG−
d1が細胞残存および蛋白合成に対して、類似した作用を
持つていることを示す。
本発明の重水素アルデヒドは、多くの方法で、薬学的
組成物として配合することができるだろう。
この発明に含まれる化合物、すなわち重水素アルデヒ
ド類とその誘導体の主な実用性は、抗ガン製剤の有効成
分としてである。有効成分の化合物を含む、これらの抗
ガン製剤は、経口または非経口的に投与される。経口投
与としては、本抗製剤は、錠剤、カプセル、顆粒または
粉末の形で投与される。非経口投与としては、本抗ガン
剤は、注射、静脈注入または座薬に適する形で投与され
る。
活性な重水素または重水素アルデヒド誘導体は、薬学
的に適する、固体または液体のいずれかの担体と結合さ
せて、抗ガン製剤に製剤化することができる。重水素ア
ルデヒドは、たとえば、β−シクロデキストリンで、包
接化合物を形成することによつて特に抗ガン剤に製剤さ
れる。重水素アルデヒド類またはその誘導体を含んでい
る抗ガン製剤を作る際に、薬学的技術として知られてい
るような、界面活性剤、ベヒクル、潤滑剤、補助薬およ
び薬学的に許容できるフイルム形成材が用いられる。
有効成分である重水素アルデヒドまたは重水素アルデ
ヒド誘導体の、抗ガン製剤における割合は、調合のタイ
プによつて様々であるが、一般的には、経口投与または
粘膜を通して吸収させる場合には重量で約0.1−20%の
範囲であり、非経口投与の場合には重量で約0.01から10
%である。
薬学的抗ガン製剤の有効成分の用量の適当な範囲は、
0.5−1.5g/m2であろう。
しかし、用量は治療効果と治療期間に依存するであろ
う。
有効成分である重水素アルデヒド類またはその誘導体
を含む抗ガン製剤によるヒトのガンの治療は、これに限
られる訳ではないが、脳、頭部と首、肺、舌、消化管、
結腸と直腸の腫瘍および上記の転移と表記される。
アルデヒドおよびアルデヒド誘導体には、酵素エンケ
フアリナーゼの阻害から生ずると思われる、痛みを軽減
する特性を持つものがあることは、以前からの知識で示
されていた。
重水素アルデヒド類およびその誘導体は、2番目の効
用としては、痛みを軽減するための薬学的製剤、すなわ
ち鎮痛剤の有効成分として用いられる。これらの製剤に
は有効成分としての重水素アルデヒドが、安定化する量
のシクロデキストリンまたは、薬学的に好ましい担体と
結合した重水素アルデヒド糖アセタール適量と共に含ま
れている。この製剤は、錠剤、カプセル、顆粒、粉末ま
たは経口投与に適する他の剤形でもよい。これらの製剤
は、従来の方法で調製される。
静脈から、注入によつて、または直腸から投与される
製剤も、薬学的技術においては既知の従来の方法で調製
される。
重水素アルデヒド類は、シクロデキストリン含有製剤
としては、経口投与の方が望ましく、重水素アルデヒド
類の糖−アセタール誘導体は、静脈投与の方が望まし
い。
患者の痛みの重篤性に応じて、広範囲の用量が投与さ
れうる。重水素アルデヒド類と重水素アルデヒド誘導体
は、単独で鎮痛剤として投与されるか、1つあるいはそ
れ以上と一緒に付加的な鎮痛剤として投与される。
使用に関する適用は、これに限られる訳ではないが、
種々のガン疾患、消化性および十二指腸潰瘍などに由来
する痛みおよび色々な薬の投与によつて生じる痛みを治
療することが含まれる。
投与されるべき重水素アルデヒドと重水素アルデヒド
誘導体の量は、患者の治療経過、経験した痛みの重篤
度、およびその原因による。一般に、約0.1−0.25gを1
日に1−4回が、平均的な成人の投与範囲であろう。
さらにいえば、有効な投薬範囲は1日に約500mgで、
4回量に分けて1回量あたり約125mgを投与する。
〔発明の効果〕
本発明は重水素アルデヒド類とその誘導体を含む。生
体外および生体内で改善された、この化合物の生化学的
作用は、動的な重水素同位元素の作用に由来し、動的同
位元素作用と名づけられてもいる。この作用は、水素を
含んでいる化合物より重水素を含んでいる化合物の方が
反応動態がゆつくりなことを説明する。というのは、重
水素への結合は、水素への結合よりゆつくりとこわれる
からである。他の作用、すなわち2番目の動的同位元素
作用は、カルボニウムイオンの形成に関与する。このよ
うにして、2つの同位元素作用は、本発明によつて表わ
される生物学的活性を改善する原因であろう。
我々の以前の研究から、1次的な作用として、ベンズ
アルデヒドは蛋白合成阻害を示していた。2次的には、
この1次的な作用の結果、ベンズアルデヒド処理期間中
に、細胞周期の進行が減少し、さらに、長時間の処理時
間と高用量の薬剤で細胞の不活性化が生じる。ベンズア
ルデヒドの他の作用は、有糸分裂の特異的な延長であ
る。2つの作用(蛋白合成阻害と有糸分裂阻害)のう
ち、蛋白合成阻害だけが、結合していないアルデヒド基
を持つているBGによる処理期間中に表われることが知ら
れている。このように、芳香族の環は、2つの化合物に
共通な構造であるが、一方で、これが蛋白合成阻害は機
能的に重要であるが、有糸分裂阻害に関してはそれほど
重要ではないのではないかと推論する。また一方では、
アルデヒド基は有糸分裂阻害には不可欠であるが、蛋白
合成には必要な訳ではない。ベンズアルデヒドおよびBG
両者の不活性化作用は、おそらく、主に蛋白合成阻害の
結果であろう。例外は有糸分裂期間中に処理された細胞
で、ベンズアルデヒドでは十分に不活性化されるが、BG
では不活性化されない。
さらに、培養中に処理されたヒト細胞の有糸分裂期間
は、ベンズアルデヒドによる処理と比較して、重水素ベ
ンズアルデヒド−d1で処理した方が明かに増加が多かつ
た。ベンズアルデヒドと比較した、重水素ベンズアルデ
ヒド−d1から形成された反応生成分の安定性と寿命の長
さが、観察された重水素ベンズアルデヒドd1の有糸分裂
阻害特性の原因であろう。
ベンズアルデヒドによつてもたらされた蛋白合成阻害
は、芳香族環部分を含む相互作用によるものであつて、
特にアルデヒド基によるものではない。ベンズアルデヒ
ドと重水素ベンズアルデヒド−d1は共に、比較的等価の
蛋白合成阻害をもたらし、BGとBG−d1も類似した結果を
導いているので、これらの化合物に重水素を導入して
も、蛋白合成に与えるそれらの特定の作用は増加しなか
つた。しかし、蛋白合成阻害の回復は、重水素ベンズア
ルデヒドで細胞をパルス処理した時の方が、ベンズアル
デヒドを用いた時より、測定可能なほどゆつくりであつ
た。このようにして、この化合物を含む培地を除去した
後も、細胞はいくらかの重水素ベンズアルデヒドにさら
されていたであろう。
上に述べたように、重水素化に期待される結果は、化
合物への重水素の取り込みが、水素との結合より、重水
素との結合の方か、より化学的に安定になるということ
である。BGおよびBG−d1を用いた生体内実験からこの考
えが立証されると思われる。ラツトに注射した場合に、
BGと比較してBG−d1の代謝とクリアランスが明かに遅い
ことがわかつた。BG及びBG−d1の代謝は、分子の芳香族
部分と糖部分の間のアセタール結合の加水分解によるも
のである。BGまたはBG−d1の代謝は生体内で形成され、
BG−d1から形成された代謝物はBGから形成された代謝物
より遅いクリアランス動態を示すことがわかつた。血液
中に永く滞留することは、臨床上非常に重要なことで、
頻繁に静脈投与する必要性も減少させることができた。
この方法で、これらの新しい重水素化合物による、改善
された生物学的効果が得られた。
このように本発明では、重水素アルデヒド類とその誘
導体を抗ガン製剤に用い、これを利用して、ガン患者に
対して、確立された従来の化学療法より大きい治療効果
を産み出したのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 43/307 C07C 43/307 211/27 211/27 223/06 223/06 321/20 321/20 323/16 323/16 C07D 407/04 C07D 407/04 C07H 9/04 C07H 9/04 // C07B 59/00 C07B 59/00 C07M 5:00 (72)発明者 レイダル・オフテブロ ノルウェー国、1364 フヴァルスタッ ド、ジョス・ハルトマンズ、ヴェイ 15 (72)発明者 エリク・オーライ・ペッターセン ノルウェー国、0594 オスロ 5、スタ トスレード・マシエセンス・ヴェイ 15

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式(I)で示される化合物およびその
    塩から成る群から選ばれる芳香族アルデヒドまたはその
    誘導体: 式(I): ここで、Arは3−6個の炭素原子から成るシクロアルキ
    ル、1−5個の炭素原子から成るモノアルキルアミノま
    たは各アルキル基が1−5個の炭素原子から成るジアル
    キルアミノで置換されたフェニル(但し、4−ジメチル
    アミノフェニルは除く)であって、該Arは非重水素化
    の、または部分的にもしくは完全に重水素化されたもの
    である。
  2. 【請求項2】次の式(II)で示される化合物およびその
    塩から成る群から選ばれる芳香族アルデヒド誘導体: 式(II): ここで、Arは1−5個の炭素原子から成るアルキル、3
    −6個の炭素原子から成るシクロアルキル、ハロゲン、
    ニトロ、アミノ、1−5個の炭素原子から成るモノアル
    キルアミノまたは各アルキル基が1−5個の炭素原子か
    ら成るジアルキルアミノで置換されたフェニルであっ
    て、該Arは非重水素化の、または部分的にもしくは完全
    に重水素化されたものである、あるいは非重水素化の、
    または部分的にもしくは完全に重水素化されている置換
    されていないフェニルであり、X1とX2は、各々それに水
    素原子、1−5個の炭素原子から成るアルキル、3−6
    個の炭素原子から成るシクロアルキルもしくはフエニル
    が結合しているイオウ、酸素またはチッ素原子である
    (但し、−OCH3を除く)か、あるいはX1とX2は、それら
    が結合している炭素原子とともに環状アセタール、チオ
    アセタール、チアンまたはオキサゾリジンを形成してい
    る。
  3. 【請求項3】芳香族アルデヒド誘導体が、下記式(II)
    において、 X1とX2は酸素を含有する基であり、それらが結合する炭
    素原子とともに、多価アルコールと結合して環状アセタ
    ールを形成している、特許請求の範囲第2項記載の芳香
    族アルデヒド誘導体。
  4. 【請求項4】化合物が重水素化4,6−O−ベンジリデン
    グルコースである、特許請求の範囲第3項記載の芳香族
    アルデヒド誘導体。
  5. 【請求項5】化合物が重水素化5,6−O−ベンジリデン
    アスコルビン酸またはその塩である、特許請求の範囲第
    3項記載の芳香族アルデヒド誘導体。
  6. 【請求項6】次の式で示される化合物の調製方法であっ
    て: (ここで、Arは置換されていないか、1−5個の炭素原
    子から成るアルキル、3−6個の炭素から成るシクロア
    ルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、1−5個の炭素原
    子から成るモノアルキルアミノまたは各アルキル基が1
    −5個の炭素原子から成るジアルキルアミノによって置
    換されているフエニル)、 該方法は、次の式で示される化合物: (ここで、Xはハロゲン) を、溶媒分子中のプロトンの少なくとも90%が重水素原
    子で置き換えられた溶媒中で、重水素ガスを用いて還元
    することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】芳香族酸塩化物が触媒の存在下で、溶媒分
    子中のプロトンの少なくとも90%が重水素原子で置き換
    えられた溶媒中で、重水素ガスによって還元され、その
    後、反応混合物から重水素化化合物が得られる、特許請
    求の範囲第6項記載の方法。
  8. 【請求項8】溶媒分子中のプロトンの少なくとも90%が
    重水素原子で置き換えられた芳香族炭化水素溶媒中で還
    元が行われる、特許請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】反応混合物から生成物が重水中でNaDSO3
    より錯化分離される、特許請求の範囲第8項記載の方
    法。
  10. 【請求項10】次式(II)で表わされる化合物の調製方
    法であって: (ここで、Arは1−5個の炭素原子から成るアルキル、
    3−6個の炭素原子から成るシクロアルキル、ハロゲ
    ン、ニトロ、アミノ、1−5個の炭素原子から成るモノ
    アルキルアミノまたは各アルキル基が1−5個の炭素原
    子から成るジアルキルアミノで置換されたフェニルであ
    って、該Arは非重水素化の、または部分的にもしくは完
    全に重水素化されたものである、あるいは非重水素化
    の、または部分的にもしくは完全に重水素化されている
    置換されていないフェニルであり、X1とX2は各々酸素を
    含有する基であり、それらが結合している炭素原子とと
    もに環状アセタールを形成している) 該方法は次式で表される化合物: (ここで、Arは上記のとおり) またはその低級アセタールを、酸性触媒の存在下に多価
    アルコールと反応させることを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】重水素化ベンズアルデヒドを塩酸の存在
    下にトリアルキルオルト蟻酸エステル及びメタノールと
    反応させ、次いで得られた重水素化ベンズアルデヒド−
    ジアルキルアセタールをグルコノラクトンと反応させ
    て、重水素化4,6−O−ベンジリデン−グルコースを得
    ることを特徴とする、特許請求の範囲第10項の方法。
  12. 【請求項12】重水素化ベンズアルデヒドを塩酸の存在
    下にトリアルキルオルト蟻酸エステル及びメタノールと
    反応させ、次いで得られた重水素化ベンズアルデヒド−
    ジアルキルアセタールをアスコルビン酸と反応させて、
    重水素化5,6−O−ベンジリデン−アスコルビン酸を得
    ることを特徴とする、特許請求の範囲第10項の方法。
  13. 【請求項13】次の式(I)で示される化合物およびそ
    れらの塩から成る群から選ばれる化合物の治療上の有効
    量、ならびに薬学上許容し得る担体を含有するガン患者
    の治療のための薬学的組成物: 式(I): ここで、Arは置換されていないか、または1−5個の炭
    素原子から成るアルキル、3−6個の炭素原子から成る
    シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、1−5個
    の炭素原子から成るモノアルキルアミノもしくは各アル
    キル基が1−5個の炭素原子から成るジアルキルアミノ
    で置換されたフエニルであって、該Arは非重水素化の、
    または部分的にもしくは完全に重水素化されたものであ
    る。
  14. 【請求項14】次の式(II)で示される化合物およびそ
    れらの塩から成る群から選ばれる化合物の治療上の有効
    量、ならびに薬学上許容し得る担体を含有するガン患者
    の治療のための薬学的組成物: 式(II): ここで、Arは置換されていないか、または1−5個の炭
    素原子から成るアルキル、3−6個の炭素原子から成る
    シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、1−5個
    の炭素原子から成るモノアルキルアミノもしくは各アル
    キル基が1−5個の炭素原子から成るジアルキルアミノ
    で置換されたフエニルであって、該Arは非重水素化の、
    または部分的にもしくは完全に重水素化されたものであ
    り、X1とX2は、各々それに水素原子、1−5個の炭素原
    子から成るアルキル、3−6個の炭素原子から成るシク
    ロアルキルもしくはフエニルが結合しているイオウ、酸
    素またはチッ素原子であるか、あるいはX1とX2は、それ
    らが結合している炭素原子とともに環状アセタール、チ
    オアセタール、チアンまたはオキサゾリジンを形成して
    いる。
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