JP2768666B2 - 薄膜形成装置内の付着物を除去する方法 - Google Patents
薄膜形成装置内の付着物を除去する方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CVD・真空蒸
着、スパッタリング、溶射などの薄膜形成プロセスにお
いて目的物以外に堆積した金属およびその化合物をフッ
化塩素ガスで反応除去し、容易に清浄な表面を露出させ
る方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】半導
体工業を中心に薄膜形成プロセスが普及し、CVDや真
空蒸着、スパッタリングなどの装置が多数稼働してい
る。しかし、このような薄膜形成装置においては薄膜を
形成すべき目的物以外に装置の内壁、目的物を担持する
ための治具などに多量の堆積物が生成し、この堆積物を
除去するために長時間装置の運転を停止するなどの問題
を起こしている。また、現状では強酸・強アルカリなど
の水溶液を用いた化学研磨や電解研磨や、機械的研磨な
どの方法で堆積物の除去を行うために装置や治具の傷み
が大きく、数回の使用で交換しなければならない場合も
多く、また、操作も煩雑である。 【0003】特公昭46−19008号公報(英国特許
1180187号)には、フッ化塩素、フッ化臭素、フ
ッ化ヨウ素によるSi、Geからなる半導体材料表面の
艶出しに関する技術が開示されており、同時にこの技術
を用いることで、薄膜形成装置の部材や壁に付着する膜
や粉の成長を艶出し処理中に抑制できることが述べられ
ているが、この公報に記載された発明は、Si、Geの
艶出しを目的にしている。すなわち、使用するフッ化塩
素、フッ化臭素、フッ化ヨウ素の濃度は0.01〜2重
量%と低い上、フッ化塩素、フッ化臭素、フッ化ヨウ素
と容易に反応する水素を混合ガスとして用いることを特
徴としており、フッ化塩素、フッ化臭素、フッ化ヨウ素
本来の反応性を弱めている。従って、この方法による
と、薄膜形成装置の部材や壁に付着する膜や粉が艶出し
処理中に成長を抑制するのが限界であり、材料に対する
反応速度を考えると、薄膜形成装置の内壁や装置部材に
堆積した多量の堆積物を除去することを教示するもので
はない。 【0004】特開昭52−131470号公報には、B
rF3、IF5、NF3等をプラズマエッチングやスパッ
タエッチングに用いることにより、フッ素と分離した物
質が半導体基板上や反応室側壁に付着することが無く、
反応系全体が清浄となることが示されている。しかし、
これらのガスを薄膜形成後の装置内に導入して付着固化
した薄膜を除去することは示されていない。 【0005】従来これらの問題点に対し、特開昭60−
67673号公報に開示されているような反応室内に付
着した珪素や炭化珪素の非単結晶被膜をHFガスを用い
プラズマ気相エッチング反応で除去する方法、特開昭6
0−59739号公報に開示されているようなCF4、
SF6を用いて皮膜形成装置内部に付着した珪素を含む
皮膜をプラズマ気相エッチング反応で除去する方法、特
開昭61−143585号公報に開示されているような
反応室内壁に付着した珪素膜をNF3ガスを用いプラズ
マ気相エッチング反応で除去する方法等があるが、CF
4、SF6は極めて安定なガスで使用条件としていずれも
プラズマ雰囲気とすることが不可欠であり、HF、NF
3も反応性が十分でなく、ノンプラズマで用いる場合に
はHFでは酸化珪素系の化合物に限られ、NF3では4
00℃以上の高温を必要とする等使用にあたり制約の多
いものであった。 【0006】英国特許第1268377号には、金属そ
の他の表面に付着した有機物を三フッ化塩素ガスにより
洗浄除去する方法が開示されているが、洗浄の対象とな
る物質はグリースや動植物の油等の有機物の汚染物に限
定されており、基体に熱化学反応などにより強固に付着
した無機物質についての使用可能性は触れられていな
い。また、J.Elecrochem.Soc.,12
9,2755(1982)には、ClF3によるシリコ
ンウェハのプラズマエッチングが記載されており、J.
Appl.Phys.,56,2839(1984)、
Appl.Phys.Lett.,46,794(19
85)にはClF3によるプラズマレスによる種々の物
質のエッチングに関する記載があるが、これらは全て半
導体製造工程における製品となるウェハのパターン形成
に関するものであり、本発明のように薄膜形成装置の壁
等へ付着した薄膜の除去については触れられていない。 【0007】三フッ化塩素は、上記のようにウエハのプ
ラズマエッチングに用いられる他は、従来、ロケット燃
料の酸化剤、六フッ化ウランの精製、フッ素化反応の試
薬、化学レーザー等に用いられている。 【0008】例えば、米国特許第3527168号に
は、三フッ化塩素をロケット燃料の酸化剤として利用す
ることが開示されており、特開昭47−25091号公
報には、三フッ化塩素を用いてウランをフッ素化する事
により六フッ化ウランとし、不純物として含まれるプル
トニウム等と分離する方法が開示されている。 【0009】 【課題を解決するための具体的手段】本発明者らは、鋭
意検討の結果、薄膜形成装置の堆積物を効率的に除去で
きる優れた方法を見いだし本発明に至ったものである。 【0010】すなわち本発明は、反応性が非常に高いガ
スを高濃度で用い、数μ〜数十μという薄い金属系の膜
を高速度で基材表面から除去しようとするもので、被処
理部材に薄膜として形成される金属またはその化合物が
堆積した石英、炭化珪素、ステンレス、アルミニウム、
アルミナ、ニッケル、ニッケル合金のうち少なくとも1
つからなる素材を用いて形成した薄膜形成装置内に50
〜100容量%の高濃度の一フッ化塩素、三フッ化塩
素、五フッ化塩素のうちの少なくとも1種のガスを静置
式または流通式で導入し、堆積した金属またはその化合
物の薄膜とプラズマ雰囲気下で反応条件を調整すること
によりガス化反応させて、高速度で除去して反応生成ガ
スを装置外へ排出し、かつ装置の表面をガスの侵食によ
り傷つけることなくクリーニング、すなわち、清浄な表
面を露出させる方法を提供する。プラズマ法によれば室
温でも膜厚減少速度が600A/分以上の高速度でクリ
ーニングできる。 【0011】さらに、本発明は、被処理部材に薄膜とし
て形成される金属またはその化合物が堆積した石英、炭
化珪素、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、ニッケ
ル合金のうち1つからなる素材を用いて形成した薄膜形
成装置内に50〜100容量%の高濃度の一フッ化塩
素、三フッ化塩素、五フッ化塩素のうちの少なくとも1
種のガスを静置式または流通式で導入し、堆積した金属
またはその化合物と400℃未満の低温であって、ガス
濃度と薄膜の種類に応じて定まる一定温度以上において
プラズマレスで、ガス化反応させて、高速度で除去して
反応生成ガスを装置外へ排出し、かつ装置の表面をガス
の侵食により傷つけることなくクリーニング、すなわ
ち、清浄な表面を露出させる方法を提供するものであ
る。プラズマレスであると低コストでありプラズマが届
かない装置内の隅々や配管部分に対してもクリーニング
が可能となる。また、実施例に示すとおり膜厚減少速度
が5000A/分以上の高速度でクリーニングできる。
薄膜形成装置内の堆積被膜のクリーニングが必要となる
膜厚は、形成する薄膜の種類、装置の仕様等によって異
なるが、例えば窒化ケイ素の場合、2000〜3000
Aであり、本方法によれば、わずか数十秒程度でクリー
ニングが行える。 【0012】本発明が対象とする薄膜形成装置内の堆積
物とは、W、Si、Ti、V、Nb、Ta、Se、T
e、Mo、Re、Os、Ir、Sb、Ge等の金属およ
びその化合物、具体的にはこれらの窒化物、炭化物およ
びこれらの合金が挙げられる。また薄膜形成装置の素材
としては種々のものがあり、SiO2、SiC、SU
S、Al、Al2O3、Ni、Ni合金等が挙げられる。
本発明のクリーニング方法は除去すべき金属またはその
化合物の種類、厚みおよび薄膜形成装置の素材の種類等
を考慮して、フッ化塩素そのものを用いるか、あるいは
窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスで希釈して用
いるかを選択すればよい。また、反応条件についても特
に制限されることなく、前記のとおり対象材料を考慮し
て適宜選択される。またクリーニング方法のガスの流通
方式は、静置式、流通式のいずれで行ってもよい。 【0013】 【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1〜3、比較例1、2 アルミニウム基板上(1cm×5cm)にプラズマCV
Dにより約4μmの厚さのアモルファスシリコンを堆積
させた(堆積重量0.01206g)テストピースをプ
ラズマCVD装置の下部電極上に静置し三フッ化塩素、
酸素75%・アルゴン25%混合ガス、四フッ化炭素9
5%・酸素5%の混合ガスの三種類のガスを用いて、高
周波電源周波数13.56MHz、電極間距離50m
m、ガス圧力50Torr、ガス流量10SCCM、印
加電力0.315W/cm2、室温、プラズマ雰囲気下で
反応を行った。反応時間およびその結果を表1に示し
た。 【0014】 【表1】 【0015】実施例4〜7、比較例3 ステンレス鋼(SUS316)上にプラズマCVDによ
り約10μmの厚さのタングステンカーバイトを堆積さ
せた(堆積重量0.0043g)テストピースを外熱式
横型反応炉中で各種ガスと反応させた。この結果を表2
に示した。 【0016】 【表2】 【0017】表2からも明らかなとおりNF3に比較し
て、低温でも十分な効果が認められる。なお、実施例4
のテストピースの表面をX線マイクロアナライザーによ
り分析の結果、タングステンのピークが全く認められ
ず、完全にクリーニングされていることを確認した。 【0018】実施例8〜11 三フッ化塩素50%、ヘリウム50%混合ガスを用いて
外熱式横型反応炉中でステンレス鋼(SUS316)上
に炭化チタン、窒化チタン、窒化ケイ素の被膜を各々5
μmの厚さで形成したものと、炭化ケイ素焼結体表面に
多結晶金属シリコンを20μmの厚みで堆積させたテス
トピースのクリーニング試験を実施した。テストピース
のクリーニングの確認はX線マイクロアナライザーによ
って、チタン、ケイ素のピークの存在の有無で確認し
た。 【0019】結果: 実施例8の炭化チタン膜のクリーニング 200℃以下ではほとんど反応が進行せず、X線マイク
ロアナライザーによる分析でもチタンのピークが減少し
ていなかった。250℃以上に加熱することによってチ
タンのピークが減少し始め、10分間でほぼ完全にチタ
ンのピークが消滅した。 実施例9の窒化チタン膜のクリーニング 150℃以下ではほとんど変化が認められなかったが、
250℃、10分のクリーニング条件において、窒化チ
タンの反応が進み、試験後のテストピース表面のX線マ
イクロアナライザーによる分析でもチタンのピークが認
められなかった。 実施例10の窒化ケイ素膜のクリーニング 室温から反応が進行し、5μmの被膜が5分間でほぼ完
全にクリーニングできた。ただし、100℃以下では反
応中間体と推定される剥離した白色粉体が認められる
が、150℃以上ではこの粉体も完全に消滅した。 実施例11の多結晶シリコン膜のクリーニング 室温から反応が進行し、5μmの被膜が5分間でほぼ完
全にクリーニングできた。これらの結果をまとめて表3
に示した。 【0020】実施例12 石英基板上に、窒化ケイ素を5μmの厚さでコーティン
グしたテストピースを用い、ClF、ClF3、ClF5
を各々Heで50%に希釈したガスを用い、外熱式横型
反応炉中でクリーニング試験を行った。 【0021】結果: ClF50%、He50%の場合 室温から150℃の間では、ほとんど反応が進行しない
が、250℃以上で反応を開始し、250℃以上でほぼ
完全にクリーニングできた。この時の反応時間は10分
間であった。 ClF350%、He50%の場合 室温から反応を開始し、150℃5分間でほぼ完全にク
リーニングされた。 ClF550%、He50%の場合 100℃、5分間で完全にクリーニングできた。これら
の結果を表3にまとめて示した。 【0022】 【表3】 【0023】 【発明の効果】本発明のクリーニング方法は、前述した
ように極めて反応性に優れたフッ化塩素を主体とするガ
スクリーニング方法を提供するものであり、NF3ガス
に比較して、低温においても優れたクリーニング性能を
示すものであり、各種薄膜形成装置のクリーニングを容
易に達成することができるものである。
着、スパッタリング、溶射などの薄膜形成プロセスにお
いて目的物以外に堆積した金属およびその化合物をフッ
化塩素ガスで反応除去し、容易に清浄な表面を露出させ
る方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】半導
体工業を中心に薄膜形成プロセスが普及し、CVDや真
空蒸着、スパッタリングなどの装置が多数稼働してい
る。しかし、このような薄膜形成装置においては薄膜を
形成すべき目的物以外に装置の内壁、目的物を担持する
ための治具などに多量の堆積物が生成し、この堆積物を
除去するために長時間装置の運転を停止するなどの問題
を起こしている。また、現状では強酸・強アルカリなど
の水溶液を用いた化学研磨や電解研磨や、機械的研磨な
どの方法で堆積物の除去を行うために装置や治具の傷み
が大きく、数回の使用で交換しなければならない場合も
多く、また、操作も煩雑である。 【0003】特公昭46−19008号公報(英国特許
1180187号)には、フッ化塩素、フッ化臭素、フ
ッ化ヨウ素によるSi、Geからなる半導体材料表面の
艶出しに関する技術が開示されており、同時にこの技術
を用いることで、薄膜形成装置の部材や壁に付着する膜
や粉の成長を艶出し処理中に抑制できることが述べられ
ているが、この公報に記載された発明は、Si、Geの
艶出しを目的にしている。すなわち、使用するフッ化塩
素、フッ化臭素、フッ化ヨウ素の濃度は0.01〜2重
量%と低い上、フッ化塩素、フッ化臭素、フッ化ヨウ素
と容易に反応する水素を混合ガスとして用いることを特
徴としており、フッ化塩素、フッ化臭素、フッ化ヨウ素
本来の反応性を弱めている。従って、この方法による
と、薄膜形成装置の部材や壁に付着する膜や粉が艶出し
処理中に成長を抑制するのが限界であり、材料に対する
反応速度を考えると、薄膜形成装置の内壁や装置部材に
堆積した多量の堆積物を除去することを教示するもので
はない。 【0004】特開昭52−131470号公報には、B
rF3、IF5、NF3等をプラズマエッチングやスパッ
タエッチングに用いることにより、フッ素と分離した物
質が半導体基板上や反応室側壁に付着することが無く、
反応系全体が清浄となることが示されている。しかし、
これらのガスを薄膜形成後の装置内に導入して付着固化
した薄膜を除去することは示されていない。 【0005】従来これらの問題点に対し、特開昭60−
67673号公報に開示されているような反応室内に付
着した珪素や炭化珪素の非単結晶被膜をHFガスを用い
プラズマ気相エッチング反応で除去する方法、特開昭6
0−59739号公報に開示されているようなCF4、
SF6を用いて皮膜形成装置内部に付着した珪素を含む
皮膜をプラズマ気相エッチング反応で除去する方法、特
開昭61−143585号公報に開示されているような
反応室内壁に付着した珪素膜をNF3ガスを用いプラズ
マ気相エッチング反応で除去する方法等があるが、CF
4、SF6は極めて安定なガスで使用条件としていずれも
プラズマ雰囲気とすることが不可欠であり、HF、NF
3も反応性が十分でなく、ノンプラズマで用いる場合に
はHFでは酸化珪素系の化合物に限られ、NF3では4
00℃以上の高温を必要とする等使用にあたり制約の多
いものであった。 【0006】英国特許第1268377号には、金属そ
の他の表面に付着した有機物を三フッ化塩素ガスにより
洗浄除去する方法が開示されているが、洗浄の対象とな
る物質はグリースや動植物の油等の有機物の汚染物に限
定されており、基体に熱化学反応などにより強固に付着
した無機物質についての使用可能性は触れられていな
い。また、J.Elecrochem.Soc.,12
9,2755(1982)には、ClF3によるシリコ
ンウェハのプラズマエッチングが記載されており、J.
Appl.Phys.,56,2839(1984)、
Appl.Phys.Lett.,46,794(19
85)にはClF3によるプラズマレスによる種々の物
質のエッチングに関する記載があるが、これらは全て半
導体製造工程における製品となるウェハのパターン形成
に関するものであり、本発明のように薄膜形成装置の壁
等へ付着した薄膜の除去については触れられていない。 【0007】三フッ化塩素は、上記のようにウエハのプ
ラズマエッチングに用いられる他は、従来、ロケット燃
料の酸化剤、六フッ化ウランの精製、フッ素化反応の試
薬、化学レーザー等に用いられている。 【0008】例えば、米国特許第3527168号に
は、三フッ化塩素をロケット燃料の酸化剤として利用す
ることが開示されており、特開昭47−25091号公
報には、三フッ化塩素を用いてウランをフッ素化する事
により六フッ化ウランとし、不純物として含まれるプル
トニウム等と分離する方法が開示されている。 【0009】 【課題を解決するための具体的手段】本発明者らは、鋭
意検討の結果、薄膜形成装置の堆積物を効率的に除去で
きる優れた方法を見いだし本発明に至ったものである。 【0010】すなわち本発明は、反応性が非常に高いガ
スを高濃度で用い、数μ〜数十μという薄い金属系の膜
を高速度で基材表面から除去しようとするもので、被処
理部材に薄膜として形成される金属またはその化合物が
堆積した石英、炭化珪素、ステンレス、アルミニウム、
アルミナ、ニッケル、ニッケル合金のうち少なくとも1
つからなる素材を用いて形成した薄膜形成装置内に50
〜100容量%の高濃度の一フッ化塩素、三フッ化塩
素、五フッ化塩素のうちの少なくとも1種のガスを静置
式または流通式で導入し、堆積した金属またはその化合
物の薄膜とプラズマ雰囲気下で反応条件を調整すること
によりガス化反応させて、高速度で除去して反応生成ガ
スを装置外へ排出し、かつ装置の表面をガスの侵食によ
り傷つけることなくクリーニング、すなわち、清浄な表
面を露出させる方法を提供する。プラズマ法によれば室
温でも膜厚減少速度が600A/分以上の高速度でクリ
ーニングできる。 【0011】さらに、本発明は、被処理部材に薄膜とし
て形成される金属またはその化合物が堆積した石英、炭
化珪素、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、ニッケ
ル合金のうち1つからなる素材を用いて形成した薄膜形
成装置内に50〜100容量%の高濃度の一フッ化塩
素、三フッ化塩素、五フッ化塩素のうちの少なくとも1
種のガスを静置式または流通式で導入し、堆積した金属
またはその化合物と400℃未満の低温であって、ガス
濃度と薄膜の種類に応じて定まる一定温度以上において
プラズマレスで、ガス化反応させて、高速度で除去して
反応生成ガスを装置外へ排出し、かつ装置の表面をガス
の侵食により傷つけることなくクリーニング、すなわ
ち、清浄な表面を露出させる方法を提供するものであ
る。プラズマレスであると低コストでありプラズマが届
かない装置内の隅々や配管部分に対してもクリーニング
が可能となる。また、実施例に示すとおり膜厚減少速度
が5000A/分以上の高速度でクリーニングできる。
薄膜形成装置内の堆積被膜のクリーニングが必要となる
膜厚は、形成する薄膜の種類、装置の仕様等によって異
なるが、例えば窒化ケイ素の場合、2000〜3000
Aであり、本方法によれば、わずか数十秒程度でクリー
ニングが行える。 【0012】本発明が対象とする薄膜形成装置内の堆積
物とは、W、Si、Ti、V、Nb、Ta、Se、T
e、Mo、Re、Os、Ir、Sb、Ge等の金属およ
びその化合物、具体的にはこれらの窒化物、炭化物およ
びこれらの合金が挙げられる。また薄膜形成装置の素材
としては種々のものがあり、SiO2、SiC、SU
S、Al、Al2O3、Ni、Ni合金等が挙げられる。
本発明のクリーニング方法は除去すべき金属またはその
化合物の種類、厚みおよび薄膜形成装置の素材の種類等
を考慮して、フッ化塩素そのものを用いるか、あるいは
窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスで希釈して用
いるかを選択すればよい。また、反応条件についても特
に制限されることなく、前記のとおり対象材料を考慮し
て適宜選択される。またクリーニング方法のガスの流通
方式は、静置式、流通式のいずれで行ってもよい。 【0013】 【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 実施例1〜3、比較例1、2 アルミニウム基板上(1cm×5cm)にプラズマCV
Dにより約4μmの厚さのアモルファスシリコンを堆積
させた(堆積重量0.01206g)テストピースをプ
ラズマCVD装置の下部電極上に静置し三フッ化塩素、
酸素75%・アルゴン25%混合ガス、四フッ化炭素9
5%・酸素5%の混合ガスの三種類のガスを用いて、高
周波電源周波数13.56MHz、電極間距離50m
m、ガス圧力50Torr、ガス流量10SCCM、印
加電力0.315W/cm2、室温、プラズマ雰囲気下で
反応を行った。反応時間およびその結果を表1に示し
た。 【0014】 【表1】 【0015】実施例4〜7、比較例3 ステンレス鋼(SUS316)上にプラズマCVDによ
り約10μmの厚さのタングステンカーバイトを堆積さ
せた(堆積重量0.0043g)テストピースを外熱式
横型反応炉中で各種ガスと反応させた。この結果を表2
に示した。 【0016】 【表2】 【0017】表2からも明らかなとおりNF3に比較し
て、低温でも十分な効果が認められる。なお、実施例4
のテストピースの表面をX線マイクロアナライザーによ
り分析の結果、タングステンのピークが全く認められ
ず、完全にクリーニングされていることを確認した。 【0018】実施例8〜11 三フッ化塩素50%、ヘリウム50%混合ガスを用いて
外熱式横型反応炉中でステンレス鋼(SUS316)上
に炭化チタン、窒化チタン、窒化ケイ素の被膜を各々5
μmの厚さで形成したものと、炭化ケイ素焼結体表面に
多結晶金属シリコンを20μmの厚みで堆積させたテス
トピースのクリーニング試験を実施した。テストピース
のクリーニングの確認はX線マイクロアナライザーによ
って、チタン、ケイ素のピークの存在の有無で確認し
た。 【0019】結果: 実施例8の炭化チタン膜のクリーニング 200℃以下ではほとんど反応が進行せず、X線マイク
ロアナライザーによる分析でもチタンのピークが減少し
ていなかった。250℃以上に加熱することによってチ
タンのピークが減少し始め、10分間でほぼ完全にチタ
ンのピークが消滅した。 実施例9の窒化チタン膜のクリーニング 150℃以下ではほとんど変化が認められなかったが、
250℃、10分のクリーニング条件において、窒化チ
タンの反応が進み、試験後のテストピース表面のX線マ
イクロアナライザーによる分析でもチタンのピークが認
められなかった。 実施例10の窒化ケイ素膜のクリーニング 室温から反応が進行し、5μmの被膜が5分間でほぼ完
全にクリーニングできた。ただし、100℃以下では反
応中間体と推定される剥離した白色粉体が認められる
が、150℃以上ではこの粉体も完全に消滅した。 実施例11の多結晶シリコン膜のクリーニング 室温から反応が進行し、5μmの被膜が5分間でほぼ完
全にクリーニングできた。これらの結果をまとめて表3
に示した。 【0020】実施例12 石英基板上に、窒化ケイ素を5μmの厚さでコーティン
グしたテストピースを用い、ClF、ClF3、ClF5
を各々Heで50%に希釈したガスを用い、外熱式横型
反応炉中でクリーニング試験を行った。 【0021】結果: ClF50%、He50%の場合 室温から150℃の間では、ほとんど反応が進行しない
が、250℃以上で反応を開始し、250℃以上でほぼ
完全にクリーニングできた。この時の反応時間は10分
間であった。 ClF350%、He50%の場合 室温から反応を開始し、150℃5分間でほぼ完全にク
リーニングされた。 ClF550%、He50%の場合 100℃、5分間で完全にクリーニングできた。これら
の結果を表3にまとめて示した。 【0022】 【表3】 【0023】 【発明の効果】本発明のクリーニング方法は、前述した
ように極めて反応性に優れたフッ化塩素を主体とするガ
スクリーニング方法を提供するものであり、NF3ガス
に比較して、低温においても優れたクリーニング性能を
示すものであり、各種薄膜形成装置のクリーニングを容
易に達成することができるものである。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭62−33761(JP,A)
特開 昭59−142839(JP,A)
特公 昭46−19008(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
C23C 14/00 - 14/58
C23C 16/44
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.被処理部材に薄膜として形成される金属またはその
化合物が堆積した薄膜形成装置内に50〜100容量%
の高濃度の一フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素
のうちの少なくとも1種のガスを静置式または流通式で
導入し、堆積した金属またはその化合物の薄膜とプラズ
マ雰囲気下で反応条件を調整することによりガス化反応
させて、高速度で除去して反応生成ガスを装置外へ排出
し、かつ装置の表面をガスの侵食により傷つけることな
く、清浄な表面を露出させることを特徴とする薄膜形成
装置内の付着物を除去する方法。 2.被処理部材に薄膜として形成される金属またはその
化合物が堆積した薄膜形成装置内に50〜100容量%
の高濃度の一フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素
のうちの少なくとも1種のガスを静置式または流通式で
導入し、堆積した金属またはその化合物と400℃未満
の低温であって、ガス濃度と薄膜の種類に応じて定まる
一定温度以上においてプラズマレスで、ガス化反応させ
て、高速度で除去して反応生成ガスを装置外へ排出し、
かつ装置の表面をガスの侵食により傷つけることなく、
清浄な表面を露出させることを特徴とする薄膜形成装置
内の付着物を除去する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21731597A JP2768666B2 (ja) | 1997-08-12 | 1997-08-12 | 薄膜形成装置内の付着物を除去する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21731597A JP2768666B2 (ja) | 1997-08-12 | 1997-08-12 | 薄膜形成装置内の付着物を除去する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081950A JPH1081950A (ja) | 1998-03-31 |
JP2768666B2 true JP2768666B2 (ja) | 1998-06-25 |
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ID=16702248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21731597A Expired - Lifetime JP2768666B2 (ja) | 1997-08-12 | 1997-08-12 | 薄膜形成装置内の付着物を除去する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2768666B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108885995A (zh) * | 2016-04-05 | 2018-11-23 | 关东电化工业株式会社 | 半导体制造装置的清洁方法 |
-
1997
- 1997-08-12 JP JP21731597A patent/JP2768666B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1081950A (ja) | 1998-03-31 |
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