JP2766705B2 - サーマルプリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はサーマルプリンタに係り、特に各印字行のイ
ンクの間に間隙が形成されないように印字を行なうシリ
アル方式のサーマルプリンタに関する。

〔従来の技術〕

第３図は従来の一般的なサーマルプリンタを示したも
ので、プリンタのフレーム１のほぼ中央部には、平板状
のプラテン２がその印字面がほぼ垂直となるように配設
されており、前記フレーム１の前記プラテン２の前側下
方には、キャリッジシャフト３が前記プラテン２と平行
に配設されている。また、前記フレーム１の前端縁に
は、フランジ状のガイド部４が形成されており、前記キ
ャリッジシャフト３および前記ガイド部４には、キャリ
ッジ５が前記キャリッジシャフト３およびガイド部４に
沿って往復動自在に取付けられている。前記キャリッジ
５の先端部には、前記プラテン２に対向するようにサー
マルヘッド６が取付けられており、前記キャリッジ５の
上面には、図示しないリボンカセットの内部に収納され
たインクリボンを前記サーマルヘッド６とプラテン２と
の間に案内しながら巻取る巻取りボビン７が配設されて
いる。

さらに、前記プラテン２の後方には、用紙（図示せ
ず）をプラテン２の前方に送る用紙挿入口８が形成され
ており、前記用紙挿入口８部分には、所定速度で前記用
紙を搬送する紙送りローラ９が配設されている。この紙
送りローラ９の下方には、この紙送りローラ９に圧接さ
れる圧接ローラ10が回転自在に配設されており、前記紙
送りローラ９とこの圧接ローラ10との間に用紙挿入口８
から挿入される用紙を挟持して搬送されるようになされ
ている。

前記従来のプリンタにおいては、用紙挿入口８から用
紙を挿入し、この用紙を前記紙送りローラ９と圧接ロー
ラ10との間に挟み込んで、前記紙送りローラ９を回転駆
動させることにより、前記用紙をキャリッジ５の移動方
向と直交方向に所定速度で搬送する。一方、前記キャリ
ッジ５を駆動するとともに、巻取りボビン７により前記
インクリボンを巻取りながら、前記サーマルヘッド６を
所望の印字信号に基づいて駆動することにより、前記用
紙に所望の印字を行なうものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、前記従来のサーマルプリンタにおいては、第
４図に示すように、例えば、OHP用紙等の用紙11に１行
の印字を行なった後、次の行の印字を行なう場合に、各
印字行のインク12の間に間隙が形成されないように、用
紙11の搬送量を調整するようになされているが、前記各
印字行のインク12の境界部分12aにおいて、次の印字行
のインク12が前回の印字行のインク12に重なってしま
い、このインク12の重なり部分のインク12の表面に凹凸
が形成されてしまうという問題を有している。その結
果、この境界部分12aに光が当った場合に、前記インク1
2の凹凸により、光の乱反射や屈折等が発生し、この境
界部分12aが黒い線状に見えてしまい、印字品質の著し
い劣化を招いてしまうという問題を有している。

本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、各
印字行のインクの境界部分における凹凸の発生を防止
し、良好な印字品質を得ることのできるサーマルプリン
タを提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため本発明に係るサーマルプリン
タは、フレームに配設されたプラテンに沿ってキャリッ
ジを往復動自在に配設し、前記キャリッジの先端部に前
記プラテンに対向するようにサーマルヘッドを取付け、
前記キャリッジを往復動させながら、前記サーマルヘッ
ドを所望の印字信号に基づいて駆動することにより、所
望の用紙上に各印字行のインクの間に間隙が形成されな
いように印字を行なうサーマルプリンタにおいて、プリ
ンタの前記各印字行のインクの境界部分に対応する位置
に、該境界部分のインクを再溶融させるインク再溶融装
置を配設したことをその特徴とするものである。

〔作 用〕

本発明によれば、印字時に、インク再溶融装置を動作
させることにより、前回印字された行のインクと現在印
字している行のインクとの境界部分を再溶融するもので
あり、これにより、各印字行のインクの境界部分が軟化
され、このインクの流動性により、印字行のインクの境
界部分の凹凸が除去され、前記境界部分のインクが均一
化される。その結果、前記境界部分における光の乱反射
や屈折等を確実に防止することができ、この境界部分に
黒い線等が生じることがなく、印字品質を著しく向上さ
せることができるものである。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図および第２図を参照し
て説明する。

第１図は本発明に係るサーマルプリンタの一実施例を
示したもので、プリンタのフレーム１には、平板状のプ
ラテン２がその印字面がほぼ垂直となるように配設され
ており、前記フレーム１の前記プラテン２の前側下方に
は、キャリッジシャフト３が前記プラテン２と平行に配
設されている。このキャリッジシャフト３には、キャリ
ッジ５が前記キャリッジシャフト３に沿って往復動自在
に取付けられており、前記キャリッジ５の先端部には、
前記プラテン２に対向するようにサーマルヘッド６が取
付けられている。また、前記キャリッジ５の上面には、
図示しないインクリボンを前記サーマルヘッド６とプラ
テン２との間に案内するリボンカセット13が装着されて
いる。そして、前記プラテン２とサーマルヘッド６との
間に搬送される所定の用紙11は、前記リボンカセット13
のインクリボンにより印字される各行のインク12が接触
するように、インクリボンの幅寸法だけ搬送されるよう
になっている。

また、本実施例においては、前記キャリッジ５のプラ
テン２の対向側端部には、保持板14が固着されており、
この保持板14の前記サーマルヘッド６により印字される
各行のインク12の境界部分12aに対応する位置には、前
記境界部分12aにおけるインク12を再溶融させるインク
再溶融装置としての半導体レーザ装置15がプラテン２と
サーマルヘッド６との間に搬送される用紙11に近接する
ように取付けられている。

次に、本実施例の作用について説明する。

まず、OHP紙等の所定の用紙11を前記プラテン２とサ
ーマルヘッド６との間に搬送した後、前記キャリッジ５
を駆動するとともに、前記リボンカセット13のインクリ
ボンを巻取りながら、前記サーマルヘッド６を所望の印
字信号に基づいて駆動することにより、前記用紙11に所
望の印字を行なうものである。そして、１行の印字が終
了したら、前記用紙11を前記インクリボンの幅寸法だけ
搬送するとともに、前記キャリッジ５を戻し、再び、次
の行の印字を行なうようになっている。

このとき、前記キャリッジ５の移動に伴って、前記半
導体レーザ装置15を動作させることにより、前記印字さ
れた行のインク12と現在印字している行のインク12との
境界部分12aを再溶融するようになっている。これによ
り、前記各印字行のインク12の境界部分12aが軟化さ
れ、このインク12の流動性により、前記印字行のインク
12の境界部分12aの凹凸が除去され、前記境界部分12aの
インク12が均一化される。なお、前記半導体レーザ装置
15によるインク12の軟化温度は、約70〜80℃程度なの
で、OHP紙等の用紙11に悪影響を与えることはない。

したがって、本実施例においては、半導体レーザ装置
15により、各印字行のインク12の境界部分12aを再溶融
し、この境界部分12aのインク12の凹凸を除去するよう
にしているので、前記境界部分12aにおける光の乱反射
や屈折等を確実に防止することができ、この境界部分12
aに黒い線等が生じることがなく、印字品質を著しく向
上させることができる。

また、第２図は本発明の他の実施例を示したもので、
本実施例においては、フレーム１に配設されたプラテン
２の上部側であって、サーマルヘッド６により印字され
る各行の境界部分12aに対応する位置には、前記印字行
の境界部分12aにおけるインク12を再溶融させるインク
再溶融装置としての加熱板16が配設されている。

その他の部分は、前記第１図に示す実施例のものと同
様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明
を省略する。

本実施例においても前記実施例と同様に、所定の用紙
11を前記プラテン２とサーマルヘッド６との間に搬送
し、前記キャリッジ５を駆動しながら、サーマルヘッド
６を駆動することにより、前記用紙11に所望の印字を行
なうものである。

このとき、本実施例においては、印字時に、前記加熱
板16を加熱させることにより、前記用紙11の裏面側か
ら、前回印字された行のインク12と現在印字している行
のインク12との境界部分12aを再溶融するようになって
いる。これにより、前記各印字行のインク12の境界部分
12aが軟化され、このインク12の境界部分12aの凹凸が除
去される。

したがって、本実施例においては、加熱板16により、
各印字行のインク12の境界部分12aの凹凸を除去するよ
うにしているので、前記境界部分12aにおける光の乱反
射等を確実に防止することができ、この境界部分12aに
黒い線等が生じることがなく、印字品質を著しく向上さ
せることができる。

なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、インク再溶融装置として超音波によりイン
クを加熱する装置を用いる等、必要に応じて種々変更す
ることが可能である。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明に係るサーマルプリンタは、
インク再溶融装置を配設し、このインク再溶融装置によ
り、各印字行のインクの境界部分を再溶融し、この境界
部分のインクの凹凸を除去するようにしているので、前
記境界部分における光の乱反射や屈折等を確実に防止す
ることができ、この境界部分に黒い線等が生じることが
なく、印字品質を著しく向上させることができる等の効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２図は本発
明の他の実施例を示す斜視図、第３図は従来の一般的な
サーマルプリンタを示す斜視図、第４図は従来のインク
の境界部分の状態を示す説明図である。 １……フレーム、２……プラテン、５……キャリッジ、
６……サーマルヘッド、11……用紙、12……インク、15
……半導体レーザ装置、16……加熱板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームに配設されたプラテンに沿ってキ
   ャリッジを往復動自在に配設し、前記キャリッジの先端
   部に前記プラテンに対向するようにサーマルヘッドを取
   付け、前記キャリッジを往復動させながら、前記サーマ
   ルヘッドを所望の印字信号に基づいて駆動することによ
   り、所望の用紙上に各印字行のインクの間に間隙が形成
   されないように印字を行なうサーマルプリンタにおい
   て、プリンタの前記各印字行のインクの境界部分に対応
   する位置に、該境界部分のインクを再溶融させるインク
   再溶融装置を配設したことを特徴とするサーマルプリン
   タ。