JP2766691B2 - リポソーム表面の修飾方法および修飾装置 - Google Patents

リポソーム表面の修飾方法および修飾装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、リポソームの表面を修飾する方法並びに該
方法に使用する装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、リポソーム表面修飾剤を
添加したリポソーム懸濁液を急速に加熱し、次いで冷却
することからなるリポソーム表面の修飾方法並びに該方
法に使用する装置に関する。
本発明によれば、リポソーム内層の温度を高めること
なく、リポソーム表面修飾剤をリポソームの表面に堅固
に固定することができるので、熱により変性しやすい物
質を内層に含有するリポソームの表面処理に好適に利用
される。
〔従来の技術〕
生理活性物質や薬物の水溶液をリポソームによりマイ
クロカプセル化してドラッグ デリバリーシステムなど
に応用する試みが広く行なわれており、その際、種々の
目的で、リポソームの表面を修飾することも行なわれて
いる。
例えば、リポソームの脂質層をガングリオシドで処理
して循環血中での消失速度を減少させた人工赤血球(特
開昭63−275522号)、リポソームの表面を多糖質と脂肪
酸とのエステルで被覆して機械的強度を向上させたリポ
ソーム(特開昭58−49311号および同58−201711号)な
どが知られている。さらに本発明者は、リポソーム表面
を蛋白質吸着抑制剤で修飾して循環血中での凝集を防止
した人工赤血球を提案している(特願平1−63507号
(特開平2−149512号))。
これらのリポソームにおいて、いずれの場合もリポソ
ーム表面修飾剤は、リポソーム膜中に固定される疎水性
アンカー部と、リポソーム表面に露出して修飾の目的を
達成する機能をもつ親水性部からなる分子構造を有す
る。リポソーム表面の修飾方法としては、修飾剤を当初
よりリポソーム膜形成脂質と混合してリポソームを作成
する方法と、予めリポソームを形成し、その懸濁液に修
飾剤を添加する方法とがある。修飾剤は、前述した目的
からみてリポソーム外層の表面にのみ存在すれば十分で
あり、またその方が修飾剤の無駄を無くし、さらには修
飾剤に起因する副作用を低減できる。そのため従来主と
してリポソーム懸濁液に修飾剤を添加する方法が行なわ
れており、修飾処理はリポソーム内層の物質の熱変質を
防止するため室温以下の温度で実施されている。
ところが、室温以下の温度で十分表面修飾できるの
は、リポソーム膜形成物質として相転移温度(Tc)の低
いリン脂質を用い、修飾剤として臨界ミセル濃度(CM
C)の高いものを用いる場合に限られ、相転移温度の低
いリン脂質を用いたリポソームは、バリアー能が低く不
安定であり、また、CMCの高い修飾剤は低いものに比べ
て溶血毒性が高いという難点がある。
本発明者は相転移温度の高いリン脂質を用いて作成さ
れた安定リポソームをCMCが低く溶血毒性の低い修飾剤
で表面修飾することができる方法ならびにその方法の実
施に好適に利用できる装置について鋭意研究を重ねた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
室温以下の修飾操作では十分な表面修飾が施せないあ
るいは修飾に非常に長時間を要するリポソームと修飾剤
の組合せ、例えばリポソーム膜の主成分リン脂質が水素
添加大豆レシチンであり、修飾剤が水素添加卵黄ホスフ
ァチジルエタノールアミンと平均分子量2,000のモノメ
トキシポリエチレングリコールを結合したものについて
種々の修飾方法を検討したところ、このリポソームの懸
濁液に修飾剤を添加し、水素添加大豆レシチンの相転移
温度(約55℃)以上に加熱することで短時間で十分な表
面修飾が可能であることを見出した。修飾剤は水中で大
部分ミセル状態で分散している。ここにリポソームが共
存すれば、修飾剤の疎水部が疎水部相互作用を介してリ
ポソーム膜中の疎水性領域に取り込まれ固定される。こ
のようにリポソーム表面に固定される修飾剤はミセル状
態ではなく単分子状態で水中に溶解しているものだけで
ある。従って上記の修飾剤のようにCMCの低い修飾剤に
よる修飾速度は著しく遅い。一方、修飾剤が入り込むリ
ポソーム膜の疎水性領域の流動性は相転移点(Tc)を境
にして大きく変わる。Tc以下では固いゲル状態、Tc以上
では流動性に富む液晶状態となることが知られている。
このためTc以上に加熱したことでリポソーム膜が修飾剤
を取り込み易い状態となり、上記のごとき系でも修飾が
容易に行なえたものと考えられる。
しかしながら、リポソームの内層に薬物や生理活性物
質が含有されている場合、短時間であっても高温にさら
されることによってこれらの有効成分が変性し機能を果
たさなくなる場合がある。表面修飾を容易にするため加
熱しなければならないのはリポソーム表面のみである。
そこでリポソーム懸濁液を急速にTc以上に加熱し、次い
で急速に冷却する操作の繰り返し、すなわち微小時間の
加熱・冷却を繰り返すことによってこの問題を解決し
た。本発明者はこの知見に基いて本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を有す
る。
1)内層に熱により変性しやすい物質を含むリポソーム
を水に懸濁し、該懸濁液に、分子の一端に疎水性部を有
し他端に親水性部を有する化合物からなるリポソーム表
面修飾剤を添加し、該懸濁液を混合することからなるリ
ポソーム表面の修飾方法において、リポソーム表面がリ
ポソーム膜形成脂質の相転移温度以上になるように前記
懸濁液を加熱し、次いで該リポソームの内層が、前記熱
により変性しやすい物質の変性する温度に上昇する前に
該懸濁液を冷却することを特徴とする方法。
2)前記加熱および冷却を微小時間繰り返すことを特徴
とする1項に記載の方法。
3)リポソーム表面修飾剤を添加したリポソーム懸濁液
を加熱し、リポソーム表面を、リポソーム膜形成脂質の
相転移温度以上に加熱するための加熱手段と、加熱後の
前記リポソーム懸濁液を冷却し、リポソーム内層の温度
を、該内層に含まれる物質の熱変性温度以下に保つため
の冷却手段と、これらを連結して前記リポソーム懸濁液
を循環させる循環装置とを備え、リポソーム内層の温度
が該内層に含まれる物質の熱変性温度に達する前に加熱
後のリポソーム懸濁液を冷却可能な位置に前記加熱手段
と冷却手段とを設置し、微小時間の加熱・冷却の繰り返
しによってリポソーム表面のみを前記相転移温度以上に
加熱し得るように構成したことを特徴とするリポソーム
表面修飾装置。
4)前記加熱手段および冷却手段内はリポソーム懸濁液
を乱流状態で流すことを特徴とする3項に記載の装置。
本発明の方法は、内層に熱により変性しやすい物質を
含むリポソームを水に懸濁し、この懸濁液にリポソーム
表面修飾剤を添加し、該懸濁液を急速に加熱し、次いで
冷却することによって実施される。
本発明におけるリポソーム膜形成脂質には特に制限は
なく、リポソームを形成するものであれば天然または合
成の脂質が使用可能である。特にリン脂質が好適に使用
され、その例として、レシチン、ホスファチジルエタノ
ールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリ
ン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトー
ル、ホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリ
ン、カルジオリピンおよびこれらを常法に従って水素添
加したものがあげられ、これらを組合せて用いることも
できる。さらにリポソーム膜の形成脂質には所望により
ステロール等の膜構造強化剤、電荷付与物質(例えばス
テアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、
リノレン酸等)またはビタミンE等の抗酸化剤を添加す
ることができる。
本発明の方法においては、上記リポソーム膜形成脂質
あるいはこれに上記膜構造強化剤、電荷付与物質および
(または)抗酸化剤を加えた混合物をクロロホルム等の
適当な有機溶媒に溶解し、均一に混合した後、凍結乾燥
し、粉末化したもの(例えばプレソーム、日本精化社
製)がリポソーム膜形成脂質原料として用いられる。
リポソームの内部に取り込まれる溶液には特に制限は
なく、任意の種類の化学物質の水溶液が使用され得る
が、熱に不安定な生理活性物質、例えば種々の酵素、ヘ
モグロビン等が特に好適に用いられる。酵素の例として
は、β−グルクロンダーゼ、ヘキソサミンダーゼ、アミ
ノグルコシダーゼ等があげられる。
リポソーム表面修飾剤としては、分子の一端に疎水性
部を有し、他端に親水性部を有する化合物が使用され
る。このような化合物の例としては、リポソーム表面へ
の蛋白質吸着抑制剤(特願平1−63507号(特開平2−1
49512号))、多糖質と脂肪酸とのエステル(特開昭58
−49311号および同58−201711号)、ガングリオシド
(特開昭63−275522号)等があげられる。前記蛋白質吸
着抑制剤は、長鎖脂肪族アルコール、ステロール、ポリ
オキシプロピレンアルキルまたはグリセリン脂肪酸エス
テルのアルコール性残基またはリン脂質に親水性高分子
鎖部(例えばポリエチレングリコール)が結合してなる
ものである。ポリエチレングリコール(PEG)と上記疎
水性部アルコール性残基とがエーテル結合したPEG付加
型非イオン界面活性剤、PEGとリン脂質とが共有結合し
たPEG結合リン脂質が特に好ましい。
多糖質と脂肪酸とのエステルからなる表面修飾剤とし
ては、多糖質がデキストラン、アミロペクチン、ブルラ
ン、デキストラン硫酸、キト酸またはプルラン硫酸であ
り、脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸
またはステアリン酸からなるものが好ましい。表面修飾
剤がガングリオシドである場合は、GM1,GM2,GM3,GD1a,G
D1b,GT1bまたはGQ1bが好ましい。
リポソーム懸濁液は、リポソーム膜形成脂質の相転移
温度以上に加熱される。
前に説明したように、リポソーム表面の温度が相転移
温度以下である場合には、表面修飾剤の固定が不十分で
あるか、または固定に長時間を有する。上記の如くして
加熱されたリポソーム懸濁液は、リポソーム内層に含ま
れる物一の温度が熱変性を受ける温度に上昇する前に急
速に冷却される。
上記の如きリポソーム懸濁液の加熱・冷却を微小時間
で繰り返すことにより、リポソーム内層に含まれる物質
が変性を受けることなく表面修飾剤をリポソーム表面に
堅固に固定することができる。
上記リポソーム表面の修飾方法は、本発明のリポソー
ム表面修飾装置を使用することによって好適に実施され
る。
以下、図面を参照して本発明のリポソーム表面修飾装
置を説明する。
第1図は本発明のリポソーム表面修飾装置を概念的に
示した図であり、加熱手段1と冷却手段2とこれらを連
結してリポソーム懸濁液を循環する循環手段3とからな
る。加熱手段1は、リポソーム懸濁液が内部を流れるコ
イル状の管4(好ましくはステンレス管)と該管4を外
部から加熱する温浴槽5からなる。管4には、リポソー
ム懸濁液の温度を感知し、加熱を調節するための温度感
知器6(例えば熱電対温度計)がとりつけられている。
冷却手段2は、リポソーム懸濁液が内部を流れるコイ
ル状の管7と該管7を外部から冷却する氷水浴槽8とか
らなる。
循環手段3は、加熱手段1と冷却手段2を連結するた
めの管9(例えばビニルチューブ)とこれらにリポソー
ム懸濁液を一定量給液するためのポンプ10(好ましくは
ローラーポンプ)と、リポソーム懸濁液の取り入れ口11
および取り出し口12とからなる。前記加熱手段1と冷却
手段2は、リポソーム内層の温度が該内層に含まれる物
質の熱変性温度に達する前にリポソーム懸濁液を冷却可
能な位置に設置されている。また加熱手段と冷却手段は
ループにして循環させてもよいし、複数の組を直列に配
してもよい。
取り入れ口11から取り入れられた表面修飾剤を含むリ
ポソーム懸濁液は加熱手段1でリポソーム表面温度がリ
ポソーム膜形成脂質の相転移温度以上にまで加熱され、
次いで該リポソーム懸濁液は冷却手段2で、リポソーム
内層が該内層に含まれる物質の熱変性温度に達しないよ
うに冷却される。
加熱および冷却手段内のリポソーム懸濁液の流動状態
は乱流状態(レイノルズ数2,000以上)となるように設
計されていることが望ましい。加熱手段内の流動が乱流
であればリポソーム外表面の温度は全てのリポソームに
ついて均一に、懸濁液の温度と等しく急速に上昇しTc以
上に達する。一方、この時リポソームの膜によって隔て
られたリポソームの内部の相は外部の相が乱流であって
も静的な状態にあり、膜表面からリポソーム中心へ向か
っての温度勾配は非常に大きく、内部に保持された生理
活性物質の変性が著しく促進される温度には達しない。
この状態から急速に懸濁液を冷却することにより、リポ
ソーム表面は修飾剤による修飾が著しく促進される温度
に達する一方、リポソーム内部の生理活性物質は変性が
促進される温度に到らないという条件が達成される。
〔実 施 例〕
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明す
る。
(修飾剤の合成) モノメトキシポリエチレングリコール2,000(ユニオ
ンカーバイド社製)50gを1,2−ジクロロメタン250mlに
溶解し、無水コハク酸12gとピリジン10mlを加えて3日
間沸点還流した。過およびエバポレーション後、100m
lの蒸留水に溶解し、水相をエーテルで洗浄後、クロロ
ホルム100mlで抽出した。エバポレーション後、酢酸エ
チルで再結晶して片末端カルボキシPEGを得た。これの1
2.6gと水素添加卵黄ホスファチジルエタノールアミン5
g、さらにジシクロヘキシルカルボジイミド6gを50mlの
クロロホルムに溶解し、50℃で終夜反応させた。反応液
を過後、ヘキサン5に再沈して、アミド結合を介す
るPEG結合リン脂質を得た。このPEG結合リン脂質のCMC
は蛍光法による測定限界以下(10-7M以下)であった。
(ヘモグロビン(Hb)含有リポソームの調製) 水素添加大豆レシチン6.3g、コレステロール3.2g、ミ
リスチン酸0.5gをジクロロメタン200mlに溶解し、エバ
ポレーションにより有機溶媒を除去した。得られた混合
脂質に45%Hb水溶液200mlを加え、振盪後、500kg/cm2
圧力でフレンチプレス処理を10回繰り返した。得られた
フレンチプレス処理液を生理食塩水により10倍に希釈し
て遠心分離処理(17,000r.p.m.,30分)し、沈澱リポソ
ームを生理食塩水でさらに2回遠心洗浄を繰り返した。
洗浄後の沈澱リポソームをHb濃度で5%となるように生
理食塩水中に懸濁させた。得られたリポソームの平均粒
径は0.2μmであった(また、内部のHbのメト化率は3
%であった)。このリポソーム懸濁液0.1mlとクエン酸
加ヒト血漿0.5mlを混合し、光学顕微鏡(400倍)により
観察したところ、リポソームは完全に凝集し、その凝集
物の大きさは50μmを越えるものであった。
〔比 較 例〕
上記Hb5%のリポソーム懸濁液にPEG結合リン脂質をそ
の濃度が0.2%となるように加えた(混合液1)。この
混合液1を室温で1時間放置した後、生理食塩水により
遠心洗浄し、沈澱リポソームをHb濃度5%となるように
生理食塩水に再分散した。このリポソーム懸濁液0.1ml
とクエン酸加ヒト血漿0.5mlを混合し、リポソームの凝
集を観察したところ、上記未修飾リポソームと同様の結
果であった。
〔実施例1〕 混合液1を60℃で2分間放置した後、比較例と同様の
操作でリポソームの血漿中凝集の様子を観察したとこ
ろ、1μmを越えるリポソーム凝集物はほとんど認めら
れなかった。このリポソーム内部のHbのメト化率は13%
であった。
〔実施例2〕 混合液1を第1図の設置回路内を100ml/minの流速で1
00回循環させた。加熱手段入口、出口における混合液1
の温度はそれぞれ15℃,58℃であった。循環後の混合液
について比較例と同様の操作でリポソームの血漿中凝集
を観察したところ実施例1と同様の結果であった。この
リポソーム内部のHbのメト化率は4%であった。
上記実施例で用いた装置において、16G(内径1.45m
m)のステンレス管内に水溶液を100ml/minの流速で流す
とレイノルズ数は2,000以上となり内部の流体の流動は
乱流となる。加熱手段内のステンレス管の長さは2m、冷
却手段との連絡部分の内部容量は0.5mlであった。
〔発明の効果〕
以上の実施例ではリポソームの血漿中凝集防止能を持
つ修飾剤によるリポソーム表面修飾について詳しく説明
した。この修飾剤はCMCが小さく溶血毒性が低い特徴を
持つが、比較例のように従来の室温以下での修飾では十
分な表面修飾が行なえず、リポソームの血漿中凝集防止
効果が発揮できない。
しかしながら、本発明の修飾方法では、リポソームを
構成するリン脂質の相転移温度以上に加熱すること、実
施例では水素添加大豆レシチンのTc55℃以上に加熱する
ことで、ごく短時間でリポソームの表面修飾を施すこと
ができ、実施例では目的の血漿中凝集防止効果が付与で
きた。
さらに本発明の修飾装置を用いて、微小時間の加熱を
繰り返すことにより、修飾剤による十分な表面修飾を施
すと同時に、リポソーム内部に保持された生理活性物質
の熱による変性を非常に低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のリポソーム表面の修飾装置の説明図で
ある。 第1図において 1……加熱手段、2……冷却手段 3……循環手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層に熱により変性しやすい物質を含むリ
    ポソームを水に懸濁し、該懸濁液に、分子の一端に疎水
    性部を有し他端に親水性部を有する化合物からなるリポ
    ソーム表面修飾剤を添加し、該懸濁液を混合することか
    らなるリポソーム表面の修飾方法において、リポソーム
    表面がリポソーム膜形成脂質の相転移温度以上になるよ
    うに前記懸濁液を加熱し、次いで該リポソームの内層
    が、前記熱により変性しやすい物質の変性する温度に上
    昇する前に該懸濁液を冷却することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記加熱および冷却を微小時間繰り返すこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】リポソーム表面修飾剤を添加したリポソー
    ム懸濁液を加熱し、リポソーム表面を、リポソーム膜形
    成脂質の相転移温度以上に加熱するための加熱手段と、
    加熱後の前記リポソーム懸濁液を冷却し、リポソーム内
    層の温度を、該内層に含まれる物質の熱変性温度以下に
    保つための冷却手段と、これらを連結して前記リポソー
    ム懸濁液を循環させる循環装置とを備え、リポソーム内
    層の温度が該内層に含まれる物質の熱変性温度に達する
    前に加熱後のリポソーム懸濁液を冷却可能な位置に前記
    加熱手段と冷却手段とを設置し、微小時間の加熱・冷却
    の繰り返しによってリポソーム表面のみを前記相転移温
    度以上に加熱し得るように構成したことを特徴とするリ
    ポソーム表面修飾装置。
  4. 【請求項4】前記加熱手段および冷却手段内はリポソー
    ム懸濁液を乱流状態で流すことを特徴とする請求項3に
    記載の装置。
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