JP2766529B2 - タンディッシュ装置 - Google Patents

タンディッシュ装置

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JP2766529B2 JP1300733A JP30073389A JP2766529B2 JP 2766529 B2 JP2766529 B2 JP 2766529B2 JP 1300733 A JP1300733 A JP 1300733A JP 30073389 A JP30073389 A JP 30073389A JP 2766529 B2 JP2766529 B2 JP 2766529B2
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英生 上野
良則 井野
敏明 長谷川
裕和 勝島
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、連続鋳造工程で、溶鋼を鋳型に流し込む
ためにその溶鋼を一旦貯めておくタンディッシュ装置に
関する。更に詳述すると、この発明はタンディッシュ内
の溶鋼の流動を制御し溶鋼中に含有する非金属介在物の
除去を促進するタンディッシュ装置内構造の改良に関す
る。
(従来の技術) 連続鋳造法は概略次のようなプロセスで実施される。
まず、転炉及び電気炉、炉外精錬で精錬された溶鋼は、
レードル(Ladle)に供給され、タンディッシュ(Tundi
sh)の設置位置までクレーンで運搬される。溶鋼はそこ
でレードル底部のロングノズルを通して一旦タンディッ
シュに注湯された後、タンディッシュノズルから、水冷
されている銅製モールド(Mold)に注がれ凝固を開始す
る。2次冷却帯で更に水冷されたスラブ(Slab)、ブル
ーム(Bloom)及びビレット(billet)をピンチロール
(Pinch Roll)で引き抜き、最後にガス切断機で一定の
サイズとする。このように連続鋳造法は溶解炉から鋳片
製造までを連続的に行なうことができる製鋼法である。
この一連の工程において、タンディッシュ装置の最も
基本的な機能とは、レードル中の溶鋼がなくなった場合
にそれを交換する間も中断することなく操業続行を可能
とするために溶鋼を一旦貯めておくことにある。ところ
で、溶鋼中には非金属介在物が含有されている。この非
金属介在物は比重が鉄よりも小さいので、静止状態に長
時間放置された場合には浮力により浮上し、溶鋼から分
離される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、連続鋳造法には非金属介在物が浮上し
て分離されるに充分な時間だけ放置されるステップがプ
ロセス中にないので、非金属介在物が溶鋼中に含まれた
まま凝固されることとなり、鋼材の品質劣化をもたらす
短所がある。
本発明は、タンディッシュ装置内の溶鋼流動を効果的
に制御し、溶鋼中に含まれる非金属介在物の除去率を増
加させ、連続鋳造法により生産された鋼材の高品質化を
実現するタンディッシュ装置を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するため、本発明者らがタンディッ
シュ装置内の流動状況について種々研究した結果、ロン
グノズルを通してレードルから高速に流入する溶鋼の流
動を制御することによって非金属介在物の除去促進が可
能であることを知見するに至った。
即ち、タンディッシュ内の流動に関連した重要と思わ
れる種々のパラメータを変化させながらその流動を観察
した結果、いずれの場合においてもそのフローパターン
は次の7領域の組合せとして概略把握できることが明ら
かとなった。
I 噴流領域 II 反転領域 III 表層領域 IV 流出領域…a流出下降流領域 b流出壁面流領域 V 短絡領域…a短絡下降流領域 b短絡壁面流領域 VI 誘引領域 VII 停滞領域 それぞれの領域について第5図に示す一般的なタンデ
ィッシュ内の流動パターンの概念図に基づいてその特徴
を述べる。
I 噴流領域 溶鋼がロングノズルからタンディッシュ内に流入しタ
ンディッシュ底面に衝突する領域である。レイノルズ数
ReはRe=1V/νであり供給流量が一定の時、I2V=const.
なる式が成り立つ。よってRe数はスケールに反比例し、 Re=const/(1ν) ・・・(5) 但し1は代表長さ、νは動粘性係数である。
したがって、その乱流強度はロングノズル噴出直後が
最も高い値を持つ。一般に介在物の濃度は低くまたその
粒子径も微小であるので、仮に介在物相互の衝突凝集が
起こるとすればこの領域の可能性が高い。
II 反転領域 タンディッシュ底部に設けられたダムあるいはタンデ
ィッシュ壁面に衝突した噴流はその固体面に沿って下降
流から上昇反転流に変化する。また、タンディッシュ底
部で放射状に広がりタンディッシュ壁面に衝突した溶鋼
噴流の一部は両壁面に沿ってタンディッシュノズル近傍
まで一気に回り込む。
この上昇反転流れが溶鋼表面に存在するフラックスに
向けて介在物を移動させる。そのため、この反天効率が
不十分であると、介在物分離効率改善の余地は極めて少
なくなる。
III 表層領域 高い噴流上昇反転効率であっても、表層部流動が層流
状態であればフラックスにトラップされる介在物の割合
は少ない。表層部水平方向速度uと表層部代表深さxで
定義される表層部レイノルズ数(Re)sをできるだけ高
い値に維持することが重要である。
(Re)s=ux/ν ・・・(6) 尚、浮上分離支配因子に関し同様のことが物質移動の
ペクレ数Peを用いて述べることもできる。即ち、Pe数は
Dを拡散係数としてPe=ux/Dで定義される。式を変形す
るとペクレ数はレイノルズ数とシュミット数Sc=ν/Dの
積となる。
Pe=(ux/ν)・(ν/D) =Re・Sc Pe=Re・ν(Re)/D(Re) ∴Pe=F(Re) ・・・(7) 動粘性係数νと拡散係数DはRe数の関数であるので結
局Pe数はRe数のみの関数となりRe数で表すことと等価で
ある。
IV 流出領域 溶鋼が表層領域を経てタンディッシュノズルに向かう
領域であり、その経路によりさらに二つに分類できる。
一つは、表層領域から直接ノズルに向かう「流出下流領
域」であり、また、他の一つは一旦壁面に衝突した後壁
面に沿って流出する「流出壁面流領域」である。これら
の領域の機能は介在物の自己浮上を促進することであ
る。
そのため、介在物の終末速度Vtを一つの目安として、
それよりも緩やかな速度Vで下降するように流動を制御
する必要がある。
V<Vt ・・・(8) V 短絡領域 表層領域を経ずに流出する流動が存在する領域が短絡
領域である。流出領域と同様にその経路によりさらに二
つに分類する。一つは、反転領域から直接ノズルに向か
う「短絡下降流領域」であり、もう一つは一旦壁面に衝
突した後壁面に沿って流出する「短絡壁面流領域」であ
る。
これらの領域は表層領域でのフラックスとの接触が殆
どないショートパス流であるのでタンディッシュの性能
劣化の大きな要因である。したがって、タンディッシュ
内からこの領域をできるだけ除去することが必要であ
る。
VI 誘引領域 ロングノズルからの噴流によって周囲の流体、特にそ
のノズルの固体面に沿ったノズル直上部に位置する流体
が強く誘引される。その結果条件によっては湯面の一
部、実際にはフラックスや浮上介在物、あるいは不完全
なパージのため湯面上部空間に存在する酸素が溶鋼中に
巻き込まれる可能性もある。このような流動は、分離性
能を著しく低下させると考えられるので避けなければな
らない。
VII 停滞領域 噴流反転上昇流領域と流出領域に挟まれた領域は流動
が停滞しやすい。停滞領域の増加は溶鋼の平均対流時間
tRを減少させるため介在物浮上に必要な時間tIより十分
大きくなければならない。
tI《tR ・・・(9) 更にこの領域は流動している領域に比し、溶鋼温度が
低下し成分偏析を生じる可能性が高い。
現状のタンディッシュ装置内に形成される流動領域に
関する以上の分類と検討から、原理的に望ましいタンデ
ィッシュ流動制御としてはIからIVの要素だけを持ち、 I 噴流領域 II 反転領域 III 表層領域 IV 流出領域…a流出下降流領域 b流出壁面流領域 性能劣化を引き起こすと想定される残りのVからVIIま
での基本的流動要素を除去した第1図のような構造を基
本的に有するタンディッシュ装置が認識されるに至っ
た。
V 短絡領域…a短絡下降流領域 b短絡壁面流領域 VI 誘引領域 VII 停滞領域 即ち、上述の目的を達成するため、本発明のタンディ
ッシュ装置は、レードルから高速に溶鋼を流入させるロ
ングノズルの周囲に、流入する溶鋼をタンディッシュ底
部で反転上昇させて数式(10) 1/10<(Re)d/(Re)n<1/3 ・・・(10) 但し、(Re)n:通常操業における前記ロングノズルの
レイノルズ数=50×104 の関係を満たすレイノルズ数(Re)dを有する上昇流を
形成する数式(11) (Re)d=Vd・Ld/ν ・・・(11) 但し、Vd :前記ロングノズルから流入する溶鋼量をダ
ム面積で除して得られる速度 ν:溶鋼の動粘度=0.913cSt(1600℃) の関係を満たすダム幅Ldを有し、尚かつ前記上昇流を前
記ロングノズルの湯面高さ位置まで到達させると共に、
前記ロングノズルの湯面高さ位置で前記上昇流を一定速
度の水平流となす全閉型のダムを形成し、かつ前記ロン
グノズルの湯面高さ位置に前記ロングノズルの外周面か
ら前記ダムの内壁面よりも外側に伸びて数式(12) 1.0<Lp/Ld<1.5 ・・・(12) の関係を満たす長さLpを有する制波プレートを設け、更
に前記ダムの外にタンディッシュノズルに向かって数式
(13) V<Vt ・・・(13) 但し、Vt:介在物の終末速度 を満たす速度Vで下降する溶鋼の下降流を形成する流出
域を設けるようにしている。
(作用) したがって、ロングノズルを通してレードルから高速
に流入する溶鋼は、タンディッシュ底部で反転上昇して
数式(10)の関係を満たすレイノルズ数(Re)dの上昇
流となる。この上昇流は、ロングノズルの湯面高さ位置
に到達してから一定速度の水平流となり、その後タンデ
ィッシュノズルに向かう数式(13)を満たす速度Vで下
降する緩やかな下降流となってタンディッシュから水冷
モールドに流出する。
即ち、ロングノズルを通してレードルから高速に流入
する溶鋼は、流入直後の噴流領域で激しい乱れにより介
在物相互の衝突凝集が起こり、その結果介在物の浮力が
増加し浮上し易くなる。
次にタンディッシュ底部で流動損失を最小となるよう
に反転上昇する反転領域を経てロングノズルの湯面高さ
位置に達する。
そして、湯面乱れを生じないように固体壁等により上
昇流が一定速度の水平流となる表層領域で溶鋼表面に存
在するフラックスと充分に接触し吸着される。
その後タンディッシュノズルに向かう緩やかな下降流
となる流出領域では、介在物の終末速度よりも遅くなる
ように流動が制御されることによって、表層領域で分離
できなかった介在物がその自己浮上によって分離され
る。
(実施例) 以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。
第1図に本発明のタンディッシュ装置1の原理を示
す。このタンディッシュ装置は、レードル(図示省略)
から高速に溶鋼を流入させるロングノズル2の周囲に、
流入する溶鋼をタンディッシュ底部で滑らかに反転上昇
させかつ前記ロングノズルの湯面高さ位置でその上昇流
を一定速度の水平流となす全閉型のダム3を形成し、か
つロングノズル2の湯面高さ位置にロングノズル2の外
周面からダム3の内壁面3aよりも外側に伸る制波プレー
ト4を設け、更にダム3の外にターンディシュノズル5
に向かう緩やかな溶鋼の下降流を形成する流出域6を設
けるように構成されている。
即ち、全閉型ダム3により前述のIおよびIIの領域を
形成し、VI領域が生じないようにするためロングノズル
2の湯面高さ位置に全閉型ダム3に囲まれた領域形状と
対応する形状、例えば円形または角形の制波プレート4
を設置する。また、III領域を確実に制御するために、
固体面を表層部近傍のある適当な高さに設けることによ
り、表層部レイノルズ数を制御し、表層部水平方向速度
を所定値に抑えるようにしている。例えば、水平方向に
溶鋼が移動する速度vとダム3の頂部から溶鋼の面7ま
での距離をLとするとき、横方向のレイノルズ数は捕集
しようとする介在物の直径D(拡散係数)との間に第4
図に示すような関係を有する。そこで、このダム3の高
さを第4図の関係に従って制御することにより、捕集し
ようとする介在物の大きさに好適な充分な大きさのレイ
ノルズ数を得るようにしている。一般に最適なダム形状
を求めるためのレイノルズ数と捕集介在物径との関係は
タンディッシュ装置の諸条件等によって変動するが、概
ね第4図に斜線で示す範囲に収まり、介在物が微小な粒
子の場合にはレイノルズ数は大きくとられ、粗大な場合
にはレイノルズ数は小さくとられる。
また、IV領域は緩やかで一様な速度で下降するよう
に、その断面積を設定する。例えば、分離最小粒子の溶
鋼中に終末速度をVtとすると流出部の平均速度Vは下記
の条件を満たすように定めることが好ましい。
V<(Vt) ・・・(14) また、VII領域は表層部流動を制御するための固体面
設置、即ち全閉型ダム3により空間そのものが除去され
ることになる。
更に、ダム3が全閉型であるため、流動の経路が規定
されV領域が生じることはない。
第3図に本発明のタンディッシュ装置の具体的実施例
を示す。このタンディッシュ装置1は、キャスタブル耐
火物10と、コーティング材11と、並型レンガ12及び鉄皮
13等の被覆によって構成されている。このタンディッシ
ュ装置1の中央にはロングノズル(図示省略)と対向す
る面に高速で流入する溶鋼を受け止める湯当りレンガ14
が埋設されている。そして、その周囲には全閉型のダム
3が形成され、導入される溶鋼8がタンディッシュ底部
1aで滑らかに反転上昇するようにして流動損失を最小に
抑えるように設けられている。例えば、ロングノズルの
レイノルズ数(Re)nは、生産工程上の諸条件から定ま
るが、一般的には現在ほぼ次のような値に設定される場
合が多い。
(Re)n〜50・104 ・・・(15) 但し、動粘性係数νは1600℃溶鋼で0.913cSt、 流速は0.7m/s前後である。
タンディッシュの場合、このロングノズル2のレイノ
ルズ数を基準として他の部分の設計条件が定まる。そこ
で、流入する溶鋼量をダム面積で除して得られる速度Vd
とダム幅Ldからダムのレイノルズ数(Re)dを定義する
と、その値を 1/10<(Re)d/(Re)n<1/3 ・・・(16) (Re)d=Vd・Ld/ν ・・・(17) 但し、ダム幅:ダムとダムとの間の距離 ダム面積:ダムに仕切られた空間の断面積とする
ようなダム形状・寸法とすることが好ましい。
この全閉型ダム3は、特に平面形状、配置方について
は限定されず、例えば本実施例の場合、ロングノズルの
周囲を矩形状に囲み非常用排出口15に近い部分のみが開
かれて、非常時にタンディッシュノズル5近傍の溶鋼が
非常用排出口15に流れ込むように、また溶鋼面7がダム
3よりも低くなった場合にダム3の内側の溶鋼8がタン
ディッシュノズル5側に流れ込むように設けられてい
る。また、ダム3の外側にはタンディッシュノズル5が
穿孔されている。このタンディッシュノズル5はノズル
受けレンガ16によって形成されている。
尚、ロングノズル2の周囲には、溶鋼面7の位置に制
波プレート4が形成されている。このプレートは全閉型
ダム3の内壁面3aよりもタンディッシュノズル5側に伸
びており、導入された溶鋼が吹き上がるのを防止してい
る。例えば、この制波プレートの長さLpは(Re)dで定
まるLdより大きくほぼ下記の範囲とすることが好まし
い。
1.0<Lp/Ld<1.5 ・・・(18) Ld=(Re)d・ν/Vd ・・・(19) 該プレートは、例えばアルミナグラファイトの耐火物
等で形成されている。
前記ダム3の高さは捕集しようとする介在物の大きさ
をパラメータとして変化するもので、水平方向に移動す
る間に非金属介在物が浮上し溶鋼面7のフラックスと充
分に接触するようなレイノルズ数を取るダム高さと横方
向移動速度が得られるように設定されている。
尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の一例ではあ
るがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱
しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、
ダム3の形状及び配置位置は第1図及び第3図のものに
限定されず、第2図に示すように、ダム3の上端が外側
に向けて水平方向に突き出、ロングノズルから流入した
溶鋼が滑らかに反転上昇しかつ溶鋼面近傍で水平方向に
流れを変えるような形状とすることも可能であるし、平
面形状が環状となるようにしても良い。
(発明の効果) 以上の説明より明らかなように、本発明のタンディッ
シュ装置によると、ロングノズルを通してレードルから
高速に流入する溶鋼がロングノズルの周囲を囲む全閉型
ダムによって形成される噴流領域で流入直後に激しく流
れが乱れて介在物相互の衝突凝集を起こし、介在物の浮
力を増加させて浮上し易くなる。
次にタンディッシュ底部で流動損失が最小となるよう
に反転上昇する反転領域を経てロングノズルの湯面高さ
位置に達し、制波プレートとダム頂部の湯面乱れを生じ
ないように固体壁等により上昇流が一定速度の水平流と
なり、溶鋼表面に存在するフラックスと充分に接触し吸
着される。
更に、タンディッシュノズルに向かう緩やかな下降流
となる流出領域で介在物の終末速度よりも遅くなるよう
に流動が制御されることによって、表層領域で分離でき
なかった介在物がその自己浮上によって分離される。
したがって、溶鋼中に含まれる非金属介在物の除去率
を増加させて、鋼材の高品質化と高信頼性をタンディッ
シュ装置の改造のみにより確保できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のタンディッシュ装置の一実施例を示す
原理図、第2図は他の実施例を示す原理図、第3図
(A),(B)は本発明のタンディッシュ装置の一実施
例を示す図で、(A)は平面図、(B)はIII−III線断
面図である。第4図は拡散係数とレイノルズ数との関係
を示す対数グラフ、第5図は従来のタンディッシュ装置
の流動パターンを示す模式図である。 2……ロングノズル、 3……ダム、 4……制波プレート、 5……タンディッシュノズル、 6……流出域、 8……溶鋼。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 英生 東京都江東区東雲1―9―31 三菱製鋼 株式会社東京製作所内 (72)発明者 井野 良則 栃木県宇都宮市平出工業団地1 三菱製 鋼株式会社宇都宮製作所内 (72)発明者 長谷川 敏明 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目1番53 号 日本ファーネス工業株式会社内 (72)発明者 勝島 裕和 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目1番53 号 日本ファーネス工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−46433(JP,A) 実開 昭51−30117(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/10 310 B22D 11/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レードルから高速に溶鋼を流入させるロン
    グノズルの周囲に、流入する溶鋼をタンディッシュ底部
    で反転上昇させて数式(1) 1/10<(Re)d/(Re)n<1/3 ・・・(1) 但し、(Re)n:通常操業における前記ロングノズルのレ
    イノルズ数=50×104 の関係を満たすレイノルズ数(Re)dを有する上昇流を
    形成する数式(2) (Re)d=Vd・Ld/ν ・・・(2) 但し、Vd:前記ロングノズルから流入する溶鋼量をダム
    面積で除して得られる速度 ν:溶鋼の動粘度=0.913cSt(1600℃) の関係を満たすダム幅Ldを有し、尚かつ前記上昇流を前
    記ロングノズルの湯面高さ位置まで到達させると共に、
    前記ロングノズルの湯面高さ位置で前記上昇流を一定速
    度の水平流となす全閉型のダムを形成し、かつ前記ロン
    グノズルの湯面高さ位置に前記ロングノズルの外周面か
    ら前記ダムの内壁面よりも外側に伸びて数式(3) 1.0<Lp/Ld<1.5 ・・・(3) の関係を満たす長さLpを有する制波プレートを設け、更
    に前記ダムの外にタンディッシュノズルに向かって数式
    (4) V<Vt ・・・(4) 但し、Vt:介在物の終末速度 を満たす速度Vで下降する溶鋼の下降流を形成する流出
    域を設けたことを特徴とするタンディッシュ装置。
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