JP2766181B2 - バイオセルロースの分離方法 - Google Patents

バイオセルロースの分離方法

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JP2766181B2 JP6706594A JP6706594A JP2766181B2 JP 2766181 B2 JP2766181 B2 JP 2766181B2 JP 6706594 A JP6706594 A JP 6706594A JP 6706594 A JP6706594 A JP 6706594A JP 2766181 B2 JP2766181 B2 JP 2766181B2
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乙比古 渡部
忠彦 羽上田
信也 火置
康 森永
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物によるセルロース
性物質の製造に於ける分離方法、特に分離助剤を利用し
た分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物を培養してセルロース性物質を生
産する方法については、これまでに例えば、特開昭62
−265990号公報及び特開昭61−221201号
公報等に記載されており、更に本出願人による特願平5
−46844には炭素源を連続的に又は間欠的に培地に
添加することを特徴とする方法が開示され、同じく特願
平5−191467にはセルロース生成促進因子として
カルボン酸等を培地に添加することを特徴とする方法が
開示されている。
【0003】こうして得られるセルロース性物質(以
下、『バイオセルロース』という。)は可食性に加え
て、良好な水系分散性及び安定性などの物性をも有する
ため、食品分野、化粧品分野及び塗料分野等の各種産業
で、粘度の安定剤、水分の保持剤(保湿剤)、食品の安
定性向上剤、低カロリー性添加物及び乳化助剤等として
利用され、その需要は増加している。
【0004】また、バイオセルロースの離解物はミクロ
フィブリルの構造的物理的特徴に基づき高分子、特に水
系高分子用補強剤として各種の産業用用途がある。この
ような離解物は高い引張弾性率を示すのでバイオセルロ
ース離解物を紙状又は固型状に固化した物質はミクロフ
ィブリルの構造的特徴に基づくすぐれた機械特性が期待
され、例えば、高分子、紙、セメント、CWM、及び合
板などの産業に応用される。
【0005】以上のことからバイオセルロースに関して
は、既述のように微生物の培養法及び菌株の選択等、そ
の製造方法について様々な発明がなされてきているが、
化学工学的な観点からその製造方法の改良を試みた例は
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】バイオセルロースの製
造に於いて、その生産性及び収率等を左右する大きな要
因としては、微生物の培養法及び菌株種等に加えて、微
生物培養液からバイオセルロースを分離する工程が挙げ
られる。
【0007】バイオセルロースの分離は、微生物及び培
地成分を除去するため一般に、水洗、加圧脱水、稀酸洗
浄、アルカリ洗浄、酢酸エチル処理などの有機溶媒処
理、過酸化水素水など漂白剤処理、リゾチーム等の酵素
処理、及びラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤処理
等を行なう。
【0008】さて、これらの分離工程においてろ過操作
や遠心分離操作は不可欠である。しかし、バイオセルロ
ースは保水性が高い等、ろ過フィルターの目詰りを非常
に誘起しやすい。また、遠心分離操作では、沈降性が悪
い。
【0009】一般に、ろ過効率や遠心分離効率を向上さ
せるために、助剤を加えることが行われるが、この場合
には、さらに助剤を目的物質から除去する工程が必要で
あった。これは、工程の繁雑化及び収率の低下につなが
るという欠点となった。
【0010】また、助剤を用いた場合、分離効率が上が
る利点はあるが、バイオセルロースの助剤表面への吸着
によりバイオセルロースの収率が低下することがあっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は微生物の培養液
中からバイオセルロースを分離するにあたって、分離操
作を効率良く行い、且つバイオセルロースの良好な収率
を得る生産性の高い分離方法を提供するものである。
【0012】即ち、本発明は微生物の培養液中からバイ
オセルロースを分離する方法であって、バイオセルロー
スの最終成形品の基材もしくは支持体となり得る物質、
又はバイオセルロースの粒子を分離助剤として使用する
ことを特徴とする前記バイオセルロースの分離方法であ
る。
【0013】前記分離助剤としてはパルプ、石灰石、
砂、石炭粉、木材粉、タルク、白土、石綿、アスベチ
ン、石膏、ケイ藻土、及び無機塩が好ましいが、目的と
する最終成形品の支持体又は基材となり得るものであれ
ば、如何なるものでも使用できる。また、その形状及び
大きさ等は、最終成形品の種及びその用途に応じて当業
者によって適宜決定できる。
【0014】末端成形品及び分離助剤の組み合わせの例
としては、紙及びパルプ、セメント及び砂利、CWM及
び石灰粉、並びに合板及び木材粉などの組み合わせが例
示できるがこの限りではない。
【0015】本発明の分離方法によれば、目的とするバ
イオセルロース最終成形品が支持体又は基材を含有する
場合には、該支持体又は該基材となり得るものを分離助
剤として、例えばセルロース産生菌の培養液中に添加
し、産生されたバイオセルロースをろ過する。添加した
これらの分離助剤はその後分離する必要なくバイオセル
ロース中に残り、そのまま最終成形品の支持体又は基材
となるわけである。
【0016】従って、従来の方法に見られたような分離
助剤表面へのバイオセルロースの吸着、該分離助剤自体
の分離操作に伴なうバイオセルロース収率の低下等の問
題を生じない。
【0017】また、本発明は目的とする最終成形品が支
持体又は基材を含有しない場合には、セルロース性物質
の粒子を分離助剤としてセルロース産生菌の培養液中に
添加し、産生されたバイオセルロースを分離する方法も
提供する。
【0018】この場合、セルロース性物質粒子は、分離
操作の終了後にバイオセルロース中に混在していても何
ら品質的に問題のないものが好ましく、例えば、微生物
の培養により得られた、いわゆるバイオセルロースから
なる粒子が好ましい。また、該セルロース性物質粒子は
乾燥したものを用いるのが特に好ましく、バイオセルロ
ースの分離後は、分離助剤である該粒子を除去すること
なく次の工程へ進み、あらゆる成形品に応用することが
できる。
【0019】前記セルロース性物質粒子及び最終成形品
の支持体もしくは基材の両方を分離助剤として用いてバ
イオセルロースの分離を行うことも可能である。
【0020】本発明に於いて使用される微生物は、セル
ロース性物質を産生する微生物であればどのようなもの
でもよいが、アセトバクター属に属する微生物が好まし
い。該微生物としては、例えば、アセトバクター・スピ
ーシーズ(Acetobacter sp.)BPR2
001株(FERM BP−4545)、アセトバクタ
ー・キシリナム(Acetobacter xylin
um)ATCC23768、アセトバクター・キシリナ
ムATCC23769、アセトバクター・キシリナムA
TCC10821等が挙げられるがこの限りではない。
【0021】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
【実施例】
(実施例1)フルクトース50g/L、酵母エキス5g
/L、ペプトン5g/L、リン酸水素二ナトリウム2.
7g/L、クエン酸一水和物1.15g/L(pH6.
0)の組成の培地を調製後、120℃、20分でオート
クレーブ処理した。この培地を全容積2.6Lの通気攪
拌培養槽に1.2L張りこみ、酢酸菌BPR2001株
(FERM BP−4545)を接種し、30℃で培養
を行った。通気量は、0.1VVM、攪拌速度は、50
0rpmとした。培養中のpHは水酸化ナトリウム溶液
又は塩酸溶液を用いて5.0に制御した。
【0023】10日間培養後、バイオセルロースを含有
する培養液ブロスを得た。この培養液ブロスをバイオセ
ルロース濃度2g/Lに水を用いて希釈した。この希釈
液をA液と命名した。A液1L中に沈降性炭酸カルシウ
ム粉末を5.5g添加して良く混合した後に、50mL
容の目盛り付遠心管に40mL入れてスイング型の遠心
機を用いて1000gで5分間遠心した。遠心後の上清
液の容量を測定した。結果を表1に示す。
【0024】(実施例2)実施例1の沈降性炭酸カルシ
ウム粉末の代わりにタルクを用いた以外は、全て実施例
1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
【0025】(実施例3)実施例1の沈降性炭酸カルシ
ウム粉末の代わりにクレイを用いた以外は、全て実施例
1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
【0026】(実施例4)実施例1の沈降性炭酸カルシ
ウム粉末の代わりにアスベストを用いた以外は、全て実
施例1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
【0027】(実施例5)実施例1の沈降性炭酸カルシ
ウム粉末の代わりにパルプを用いた以外は、全て実施例
1と同様に実験を行った。結果を表1に示す。
【0028】(実施例6)実施例1の沈降性炭酸カルシ
ウム粉末の代わりに長さ5mmの炭素繊維を用いた以外
は、全て実施例1と同様に実験を行った。結果を表1に
示す。
【0029】(実施例7)実施例1の沈降性炭酸カルシ
ウム粉末の代わりに長さ5mmのガラス繊維を用いた以
外は、全て実施例1と同様に実験を行った。結果を表1
に示す。
【0030】(実施例8)実施例1の沈降性炭酸カルシ
ウム粉末の代わりに粒径50μmのガラス粉末を用いた
以外は、全て実施例1と同様に実験を行った。結果を表
1に示す。
【0031】(比較例1)A液をそのまま遠心分離し
た。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例9)〜(実施例16)実施例1で
得られたA液を、0.5Nの水酸化カリウム溶液で洗浄
後、遠心分離と水洗を繰り返し、精製されたバイオセル
ロースが2g/Lの濃度で懸濁された溶液を得た。この
懸濁液について、実施例1〜8の方法と同様に分離助剤
を加えて遠心により分離操作を行った後、上清液の量を
測定した。結果を表2に示す。
【0034】(比較例2)比較例1と同様に分離助剤を
添加しない系についても実験を行った。結果を表2に示
す。
【0035】
【表2】
【0036】表1、表2より、分離助剤を添加すること
によって上澄液量が顕著に増加しており、遠心分離特性
が向上したことが分かる。
【0037】(実施例17)〜(実施例24)実施例9
〜16で得られた分離助剤とバイオセルロースの混合液
を400mesh/inchの金網を用いてろ過して湿
潤状態のシートを得た。これを更に70℃で布にはさん
で乾燥した。実施例9〜16のいずれの場合もバイオセ
ルロースと分離助剤からなる複合シートが得られた。そ
れぞれのシートの乾燥重量を測定したところ、ろ過前の
バイオセルロースと混合した分離助剤の85%以上が複
合紙として回収されていることが分かった。またこれら
の複合紙は各種機能紙として使用可能であった。
【0038】
【発明の効果】最終成形品の構成成分を分離時に助剤と
して添加することにより、バイオセルロースの分離の効
率を向上させることができる。また、一般的に用いられ
る助剤のように、分離後に助剤の除去工程が必要ないの
で、助剤へのバイオセルロースの吸着に起因するバイオ
セルロースの損失を回避できるため、収率の向上もはか
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 壽人 千葉県千葉市稲毛区小中台町1546−1 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 19/04 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物の培養液中からセルロース性物質
    を分離する方法であって、該セルロース性物質の最終成
    形品の基材もしくは支持体となり得る物質、又はセルロ
    ース性物質の粒子を分離助剤として使用することを特徴
    とする前記分離方法。
  2. 【請求項2】 前記分離助剤がパルプ、石灰石、砂、石
    炭粉、木材粉、タルク、白土、石綿、アスベチン、石
    膏、ケイ藻土、及び無機塩からなる群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の分離方法。
  3. 【請求項3】 前記セルロース性物質の粒子が微生物の
    培養により得られたものである請求項1記載の分離方
    法。
  4. 【請求項4】 前記微生物がアセトバクター属に属する
    微生物である請求項1記載の分離方法。
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