JP2765174B2 - 波長選択ミラーの製造方法 - Google Patents

波長選択ミラーの製造方法

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JP2765174B2 JP2074594A JP7459490A JP2765174B2 JP 2765174 B2 JP2765174 B2 JP 2765174B2 JP 2074594 A JP2074594 A JP 2074594A JP 7459490 A JP7459490 A JP 7459490A JP 2765174 B2 JP2765174 B2 JP 2765174B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は透明基板の表面に選択吸収層を形成して成る
波長選択ミラーに関し、更に詳しくは透明基板表面に有
機光吸収剤を含有する二酸化珪素被膜を形成して成る化
学的・機械的耐久性に優れた波長選択ミラーに関する。
〔従来の技術〕
波長選択ミラーは、白色光またはいろいろな波長のま
ざった光の中から、特定の波長範囲の光を選択的に透過
または反射させるもので、コールドミラー、レーザーミ
ラー、ダイクロイックミラーなどがあり、様々な電子機
器・医療機器に使用されている。
一般には多層蒸着膜が多く用いられ、透明基板に酸化
チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウムなどの高屈折
率物質と弗化マグネシウム、氷晶石、二酸化珪素などの
低屈折率物質を交互に積層して作製される。各層の膜厚
はλ/4(場合によってはλ/8またはλ/2の膜厚による層
もある)で7〜21の積層を必要とする。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これら多層膜を作製する場合、膜厚が非常に薄く膜厚
コントロールが難しい。それ故大面積への応用が困難で
ある。また、何層にも積層するため工程が多くなり、コ
ストが高くなるといった問題点があった。
通常、膜の作製には真空蒸着法、スパッター法、イオ
ン・プレーティング法などが用いられる。これらの方法
には、基板を加熱する場合と、常温蒸着をする場合があ
る。
基板を加熱する場合は、物理的強度が強く膜面の清
掃、拭きなどに充分耐えられるが、基板を高温加熱する
関係上、熱によって変形または変質するような基板は使
用できない。
また、常温蒸着の場合、蒸着物質によっては物理的強
度が非常に弱く、膜の基板に対する付着力も弱く、膜面
は機械的強度、及び耐湿性に乏しいといった問題点があ
った。
これら従来の問題点を解決するために有機染料・顔料
などの有機光吸収剤を含む二酸化珪素被膜で透明基板表
面を被覆することが行なわれている。このような方法と
しては、金属アルコキシドの加水分解溶液中に有機光吸
収剤を添加した溶液と基板を接触させる、いわゆるゾル
・ゲル法があげられる。
例えば、この製造方法に関する文献としては「J.Non
−Cryst.Solids,74(1985)395」があり、二酸化珪素薄
膜中に有機蛍光色素を導入している。また、「セラミッ
クス、21,No2(1986)111」では、ゾル・ゲル法によっ
て有機分子を非晶質石英にドープしている。
しかしながら、ゾル・ゲル法では被膜を基材に固着さ
せるために最終工程で加熱する必要があり、有機物が分
解するような高い温度で加熱処理することはできないの
で、生成した膜はどうしても多孔質となる問題があっ
た。また、低い温度での加熱によっても分解してしまう
ような有機物は、膜中に導入することができなかった。
さらに、低い温度でしか加熱できないことは、ゾル・ゲ
ル法固有の問題をいっそう大きなものにし、膜中には未
分解の原料や溶媒等の不純物が残存していた。
また、膜中に導入できる有機光吸収剤の濃度も限られ
ており、約10-4/(10cm)程度と低く、通常の着色鏡
には使用できても光学ミラー特に波長選択ミラーには適
用できなかった。
その他の問題としては、出発原料として高価な金属ア
ルコキシドを用いるため、膜の製造コストが高くなるこ
とである。また、コーティング方法としてはディップコ
ート等が用いられ、この方法では複雑な形状を持った基
材に適用できなかった。
〔問題点を解決する手段〕
本発明の方法では、二酸化珪素を過飽和に含む珪フッ
化水素酸の水溶液に非着色の有機光吸収剤、すなわち可
視域の光を実質的に吸収せず、可視域外例えば紫外域の
光を吸収する染料・顔料などの有機光吸収剤を添加して
成る処理液を透明基板を接触させることで、該基板表面
に非着色有機光吸収剤を含有する二酸化珪素被膜を形成
させることを利用するものである。この場合、二酸化珪
素を過飽和に含む珪フッ化水素酸の水溶液は、珪フッ化
水素酸の水溶液に二酸化珪素を飽和した溶液にほう酸・
アンモニア水・金属ハライドあるいは水素よりもイオン
化傾向の大きい金属を添加することによって得られる。
あるいは低温の珪フッ化水素酸の水溶液に二酸化珪素を
飽和した後、該溶液の温度を上昇させること(温度差
法)によっても得られる。非着色有機光吸収剤は、直接
処理液に添加してもよいし、水またはエタノールなど水
溶性有機溶媒中に溶解させた後、処理液に添加すること
もできる。また、添加の仕方は珪フッ化水素酸の二酸化
珪素飽和溶液に非着色有機光吸収剤を加えてもよく、二
酸化珪素を過飽和に含む状態とした後の溶液に添加して
もよい。条件的には珪フッ化水素酸の濃度は1.0モル/
以上、望ましくは1.5〜3.0モル/が使われる。ま
た、透明基板を接触させるときの処理液の温度は15〜60
℃、望ましくは25〜40℃であり、温度差法では通常10℃
以下の温度で二酸化珪素を飽和させ、20℃以上好ましく
は40〜60℃の温度で処理液と透明基板を接触させる。接
触の方法は、一般的には処理液の中に透明基板を浸漬す
る方法がとられる。
非着色有機光吸収剤としては、染料・顔料などがあげ
られ、例えば具体的には、NK−125[1,3,3−Trimethy1
−2−[7−(1,3,3−trimethyl−2−indolinyliden
e)−1,3,5−heptatrienyl]−3H−indolium iodide]
(日本感光色素研究所)、NK−78[l−Ethyl−4−
〔3−chloro−5−(l−ethyl−4(1H)−quinolyli
dene)−1,3−pentadienyl〕quinol inium iodide]
(日本感光色素研究所)、NK−123[1−Ethyl−2−
〔7−(1−ethyl−2(1H)−quinoly lidene)−1,
3,5−heptatrienyl〕quinolinium iodide](日本感光
色素研究所)、NK−863[3−Ethyl−2−〔(3−ethy
l−2−benzoxazolinylidene)methyl〕benzoxazolilm
iodide](日本感光色素研究所)、NK−1144[1−Ethy
l−4−〔5−(1−ethy−4(1H)−quinolylidene)
−1,3−pentadienyl〕quinolinium iodide](日本感光
色素研究所)等に類するレーザー用色素などがあげられ
る。
一方、透明基板としてはガラスの他透明な無機結晶性
基板でもよく、プラスチックなどの有機素材でもよい。
また、本発明の方法では二酸化珪素膜が積層過程を経て
形成されるため、基板の面形状に関係なく均一な厚みの
層が得られるとの特徴から、透明基板は平板状に限らず
凹面、凸面のものでもよい。さらには、ポリカーボネー
ト樹脂・アクリル樹脂など、有機材料からなる基板でも
よい。この場合、密着力のよい選択吸収層を形成するた
めには、有機透明基板の表面をシランカップリング剤か
ら成る有機珪素化合物、それらの加水分解物およびコロ
イダルシリカ等から成る群より得ばれた少なくとも1種
の珪素化合物で被覆した後、処理液中に浸漬・分散させ
非着色有機光吸収剤含有二酸化珪素被膜を形成すること
が望ましい。
ミラーの作製は非着色有機光吸収剤含有二酸化珪素被
膜を作製後、アルミニウム・クロム・銀など通常ミラー
を作製するときの反射膜を片面にコーティングする。反
射膜の作製方法は真空蒸着、めっきなどどのような方法
でもよい。
作製された二酸化珪素膜中の非着色有機光吸収剤の濃
度は約10-2/(10cm)程度と高く、ゾルゲル法で作製
した膜の約100倍となる。その結果、作製されたミラー
は強い吸収帯を持つこととなり、反射波長領域はより一
層明確なものとなる。
〔作用〕
この発明では、均一な溶液内で有機物を含む二酸化珪
素薄膜を形成している。この成膜反応は室温付近で進む
ため、溶液中の有機物は分解することなく均一に膜中に
取り込まれる。また、この膜質は緻密であり、基材と固
着しているため、加熱処理する必要がない。薄膜形成が
過飽和溶液からの析出によって行われるため、この発明
で得られる有機物含有二酸化珪素薄膜中には、未分解原
料や溶媒等の不純物がほとんど混入しない。この発明の
出発原料は非常に安価であり、高温での加熱処理工程も
ないことから、膜の製造コストを低く抑えることができ
る。さらに、均一な溶液内で反応させているため、複雑
な形状を持った基材上にも均一な有機物含有二酸化珪素
薄膜を形成させることができる。
また、非着色有機光吸収剤を使用するため選択波長の
種類が豊富であり、その非着色有機光吸収剤は二酸化珪
素薄膜の中に閉じ込められているため、化学的安定性が
増し、耐光性、耐熱性などが向上する。
さらには、ドープされた非着色有機光吸収剤の濃度は
高く、強い吸収帯が形成できる。したがって、通常の着
色鏡のみならず、反射波長領域の明瞭な波長選択ミラー
を作製することができる。
また、透明基板は平板状に限らず凹面、凸面のもので
もよい。さらには、ポリカーボネート樹脂・アクリル樹
脂など、有機材料からなる基板でも使用できる。
実施例1 縦100mm、横100mm、厚さ2mmのガラス板を充分に洗
浄、乾燥し、基材として用いた。
次にシリカゲルを飽和させた珪弗化水素酸水溶液1000
ccに、金属アルミニウム4gを溶解させて処理液とした。
この処理液を角型容器に取り、後述の各有機紫外線吸収
剤を0.5gずつ添加した後、充分に撹拌してから35℃の水
浴上で加温した。この溶液中に上記のガラス板をそれぞ
れ1枚ずつ浸漬し、4時間経過した後、取り出して洗浄
乾燥した。
添加した有機紫外線吸収剤の種類及び実験結果を第1
表に示す。二酸化珪素薄膜の膜厚は接触針式膜厚測定機
にて測定したものであり、この薄膜がガラス板の両面に
形成されている。
これらの有機紫外線吸収剤は、ESCA、SIMS、IRなどに
より分析した結果、膜中に均一に取り込まれていること
が確認された。さらに、得られた紫外線吸収ガラスを35
℃の99.5%エタノール溶液または60℃の温水に1200時間
浸漬したが、有機紫外線吸収剤の溶出は認められなかっ
た。また、テープテスト、スポンジ払拭テストによる上
記の二酸化珪素薄膜の剥離も見られなかった。第1図か
ら第3図はこの実施例により得られた紫外線吸収ガラス
について、その片面に真空蒸着法でアルミニウム薄膜を
形成し、波長選択ミラーを作製したものの反射スペクト
ルである。反射波長領域は可視光全体にわたり、波長40
0nm以下の紫外線領域は効率よく遮断している。反射率
は90%程度と高く、この発明が有効なことがわかる。特
にNK−78、NK−1144については400nm以下を完全に吸収
しており、優れた波長選択ミラーといえる。
〔発明の効果〕 この発明は、以下のような優れた効果を有している。
得られる有機物含有二酸化珪素薄膜が緻密であるた
め、非着色有機光吸収剤の溶出がない。
非着色有機光吸収剤を二酸化珪素薄膜の中に閉じ込め
るため、化学的安定性が増し、耐光性、耐熱性などが向
上する。
非着色有機光吸収剤を使用するため、選択波長の種類
が豊富である。
ドープする非着色有機光吸収剤の濃度を高くできるた
め、波長選択性が明確になる。
原料が安価でありまた工程が簡素であるため、膜の製
造コストを低くすることができる。
複雑な形状の基材上にでも、有機物含有二酸化珪素薄
膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は非着色有機光吸収剤として、NK−78を用いた場
合の波長−反射率の関係を示し、第2図はNK−863を用
いた場合、第3図はNK−1144を用いた場合をそれぞれ示
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特許2598521(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/26 G02B 5/22 G02B 5/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化珪素が過飽和状態となった珪弗化水
    素酸水溶液に非着色の有機光吸収剤を添加してなる処理
    液と透明基板とを接触させることにより該基板表面に非
    着色有機光吸収剤含有二酸化珪素被膜を形成した後、少
    なくとも一方の面に金属膜を形成させることを特徴とす
    る波長選択ミラーの製造方法。
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