JP2765084B2 - フッ素化炭化水素系組成物 - Google Patents

フッ素化炭化水素系組成物

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JP2765084B2 JP1207842A JP20784289A JP2765084B2 JP 2765084 B2 JP2765084 B2 JP 2765084B2 JP 1207842 A JP1207842 A JP 1207842A JP 20784289 A JP20784289 A JP 20784289A JP 2765084 B2 JP2765084 B2 JP 2765084B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、フッ素化炭化水素系組成物に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 本出願人は、既に1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタ
フルオロプロパン(R225cb)とエタノールとからなる共
沸組成物の各種用途を提案している。
R225cbとエタノールとからなる共沸組成物の各種用途
のうち、特に繰り返し蒸気洗浄を行う場合には、熱安定
性の面で必ずしも充分ではない場合があることがわかっ
た。
[課題を解決するための手段] 本発明は前述の安定性を改善すべくなされたものであ
り、R225cbとエタノールとからなる共沸組成物(a)、
及びニトロ化合物類、フェノール類、アミン類、エーテ
ル類、アミレン類、エステル類、有機ホスファイト類、
エポキシド類、フラン類、アルコール類、ケトン類及び
トリアゾール類の群から選ばれる1種以上の安定化剤
(b)を含み、共沸組成物(a)に対する安定化剤
(b)の割合が重量基準で1ppm〜10%であることを特徴
とするフッ素化炭化水素系組成物である。
本発明に従って安定化される共沸組成物は以下のとお
りである。
R225cb/エタノール(95.6重量%/4.4重量%)。
上記共沸組成物は、溶剤として各種用途に使用できる
が、フラックス洗浄剤、脱脂洗浄剤、ドライクリーニン
グ用洗浄剤等に使用する際、蒸気洗浄を行なうことがあ
り、熱的に安定化する必要がある。特に、洗浄すべき対
象や洗浄装置材質が金属(鉄、亜鉛、アルミニウム、
銅、黄銅、各種合金等)であると、この金属の影響によ
りさらに不安定となる。
本発明によれば、ニトロ化合物類、フェノール類、ア
ミン類、エーテル類、アミレン類、エステル類、有機ホ
スファイト類、エポキシド類、フラン類、アルコール
類、ケトン類及びトリアゾール類の群から選ばれる1種
以上の安定化剤により上記共沸組成物を安定化できる。
これらの安定化剤は、1種単独で又は2種以上の混合
物として使うことができ、本フッ素化炭化水素系組成物
の使用条件が苛酷で、高い安定化効果を必要とする場合
には、安定化剤の混合使用が有効である。安定化の添加
量は、特に限定されないが、上記共沸組成物に対して重
量基準で、1ppm〜10%、好ましくは10ppm〜5%、さら
に好ましくは20ppm〜3%、である。
ニトロ化合物類としては一般式R−NO2(R;炭素数1
〜6の飽和又は不飽和結合を有する鎖状又は環状の炭化
水素基)で示されるものが好ましい。好ましい具体例
は、ニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパ
ン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン等から選ばれ
るものである。より好ましくはニトロメタン、ニトロエ
タンである。
フェノール類としては下記一般式で示されるものが好
ましい。
[ここで、R、R′、R″、RはOH又は炭素数1〜6
の飽和又は不飽和結合を有する鎖状又は環状の炭化水素
基。] 好ましい具体例は、フェノール、o−クレゾール、m
−クレゾール、p−クレゾール、チモール、p−t−ブ
チルフェノール、o−メトキシフェノール、カテコー
ル、t−ブチルカテコール、イソオイゲノール、ビスフ
ェノールA、サリチル酸メチル、サリチル酸イソアミ
ル、サリチル酸ベンジル、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール等から選ばれるものである。より好ましく
は、フェノール、ビスフェノールA、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾールである。
アミン類としては、下記一般式で示されるものが好ま
しい。
R−NR′、R2−N−R′、R2−NR′、R3N、R
N、 R−CHNR′−R″−NR、 R2N−R′−N−R″、R2N−R′−NH−R″−NR
、 R2N−(R′NH)−R″、R−NH−R′、R2N−O
R′ [ここで、R、R′、R″、Rは水素原子又は炭素数
1〜8の飽和又は不飽和結合を有する鎖状又は環状の炭
化水素基。] 好ましい具体例は、メチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ト
リエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、
イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルア
ミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、イソブチル
アミン、ジイソブチルアミン、sec−ブチルアミン、t
−ブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、
トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキ
シルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリ
ルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメ
チルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ピ
コリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ベンジル
アミン、ジベンジルアミン、α−メチルベンジルアミ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジフェニル
アミン、ジエチルヒドロキシルアミン等から選ばれるも
のである。より好ましくは、ジイソプロピルアミン、ジ
アリルアミンである。
エーテル類としては次の一般式で示されるものが好ま
しい。
HO−R−O−R′、 HO−R−O−R′−O−R″、R−O−R′−O−
R″、 R−O−R′(OR″) [ここで、R、R′、R″は炭素数1〜10の飽和又は不
飽和結合を有する鎖状又は環状の炭化水素基。] 好ましい具体例は、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソペンチ
ルエーテル、ジアリルエーテル、エチルメチルエーテ
ル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロルエーテ
ル、エチルイソブチルエーテル、エチルイソペンチルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、アリルエチルエーテ
ル、エチルフェニルエーテル、エチルナフチルエーテ
ル、エチルプロパルギルエーテル、メチルグリシジルエ
ーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジル
エーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチ
レングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエ
ーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールメ
チルエーテル、アニソール、アネトール、1,2−ジメト
キシエタン、トリメトキシエタン、トリエトキシエタン
等から選ばれるものである。
より好ましくは1,4−ジオキサン、ブチルグリシジル
エーテル、1,2−ジメトキシエタンである。
アミレン類として好ましくは、α−アミレン、β−ア
ミレン、γ−アミレン、α−イソアミレン、β−イソア
ミレン等から選ばれるものであり、より好ましくはβ−
アミレンである。
エステル類としては次の一般式で示されるものが好ま
しい。
R−COO−R′、R−CO−NR′、 R′2N−COO−R′、RO−R′−COOR″ [ここで、R、R′、R″は水素原子又は炭素数1〜6
の飽和又は不飽和結合を有する鎖状又は環状の炭化水素
基。] 好ましい具体例は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソ
ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸アリル、アクリル酸フェニル、
メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、カプロラクタ
ム、カルバミド酸メチル、カルバミド酸エチル、サリチ
ル酸メチル等から選ばれるものであり、より好ましくは
酢酸メチル、サリチル酸メチルである。
有機ホスファイト類としては、次の一般式で示される
ものが好ましい。
(RO)3P、(R−R′−O)3P、(RO)2POR′、 [ここでR、R′、R″、Rは水素原子又は炭素数1
〜18の飽和又は不飽和結合を有する鎖状又は環状の炭化
水素基。] 好ましい具体例は、トリエチルホスファイト、トリブ
チルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリステ
アリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリ
ス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(ノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エ
チルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(デシ
ル)ホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホス
ファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジフ
ェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプ
ロピレングリコールペンタエリスリトールテトラホスフ
ァイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ト
リデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、等から選ばれるものである。より好ましくはトリフ
ェニルホスファイト、トリブチルホスファイトである。
エポキシド類としては、次の一般式で示されるものが
好ましい。
RO、XRO [ここでRは炭素数1〜8の飽和又は不飽和結合を有す
る鎖状又は環状の炭化水素基。Xはハロゲン原子。] エポキシド類としては好ましくは、プロピレンオキシ
ド、エピクロルヒドリン、1,2−ブチレンオキシド、2,3
−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等から選ばれる
ものであり、より好ましくは1,2−ブチレンオキシド、
エピクロルヒドリンである。
フラン類としては、次の一般式で示されるものが好ま
しい。
[ここでR、R′、R″は炭素数1〜2の飽和及び/又
は不飽和結合を有する炭化水素基。] 好ましい具体例は、テトラヒドロフラン、N−メチル
ピロール、2−メチルピロール,3−メチルピロール等か
ら選ばれるものであり、より好ましくはN−メチルピロ
ールである。
アルコール類としては、次の一般式で示されるものが
好ましい。
R−OH、H2N−R−OH、R−O−R′−OH、R−
R′−OH [ここで、R、R′は炭素数1〜6の飽和及び/又は不
飽和結合を有する鎖状又は環状の炭化水素基。] 好ましい具体例は、メタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブ
タノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール、ア
リルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルア
ルコール、メトキシ−2−プロパノール、1−アミノ−
2−プロパノール、3−メチル−1−ブチン−3−オー
ル、3−メチル−1−ペンチン−3−オール等から選ば
れるものであり、より好ましくはsec−ブタノール、プ
ロパルギルアルコールである。
ケトン類としては、次の一般式で示されるものが好ま
しい。
R2CO、R−CO−R′、R−CO−NH−R′、 R−CONR′、R2NCONR′[ここでR、R′、R″、Rは水素原子又は炭素数1
〜4の飽和及び/又は不飽和結合を有する炭化水素
基。] 好ましい具体例は、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、アゾジカルボンアミド、マレ
イン酸ヒドラジド、フタル酸ヒドラジド、ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルプロピ
オンアミド、2−ピロリドン、N,N,N′,N′−テトラメ
チル尿素、N−メチルピロリドン等から選ばれるもので
あり、より好ましくはメチルイソブチルケトン、2−ピ
ロリドンである。
トリアゾール類としては次の一般式で示されるものが
好ましい。
R−N3−R′−N−R″ [ここでR、R′、R″、Rは水素原子又は炭素数1
〜16の飽和又は不飽和結合を有する鎖状又は環状の炭化
水素基。Xはハロゲン原子。] 好ましい具体例は、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、1,2,3−ベン
ゾトリアゾール、1−[(N,N−ビス−2−エチルヘキ
シル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール等から選ばれ
るものであり、より好ましくは1,2,3−ベンゾトリアゾ
ールである。
[実施例] 本発明のフッ素化炭化水素系組成物の安定化効果を確
認する目的からの次の試験を行なった。
JIS−K1600に準じ、第1表に示す安定化組成物の液相
部及び気相部の各々に銅片を配置し、48時間経過後の銅
片の腐食状況(◎;腐食無し、○;ほぼ腐食無し、△;
若干腐食あり、×;腐食あり、で評価)を観察した。
結果を第1表に示す。なお、R225cb・エタノール共沸
組成物をAで表わす。
[発明の効果] 本発明のフッ素化炭化水素組成物は実施例から明らか
なように金属腐食の抑制効果に優れ、高い安定化効果が
得られる。特に共沸組成物による電子部品、電気部品等
の洗浄時に腐食が発生した場合接点不良の問題が生じる
が、このような対策として本発明のフッ素化炭化水素系
組成物が有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 7/50 C11D 7/50 (56)参考文献 特開 平1−131129(JP,A) 特開 平1−132539(JP,A) 特開 平1−132540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 19/08 C07C 17/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオ
    ロプロパン及びエタノールとからなる共沸組成物
    (a)、及びニトロ化合物類、フェノール類、アミン
    類、エーテル類、アミレン類、エステル類、有機ホスフ
    ァイト類、エポキシド類、フラン類、アルコール類、ケ
    トン類及びトリアゾール類の群から選ばれる1種以上の
    安定化剤(b)を含み、共沸組成物(a)に対する安定
    化剤(b)の割合が重量基準で1ppm〜10%であることを
    特徴とするフッ素化炭化水素系組成物。
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