JP2763991B2 - ハロゲン化シランの脱色精製法 - Google Patents

ハロゲン化シランの脱色精製法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は室温で液体であるハロゲ
ン化シランの脱色精製法、例えばオキシムシランの原料
として有用なメチルトリクロロシラン、ビニルトリクロ
ロシランなどの脱色精製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化シランは各種有機けい素化合
物の原料として重要であるが、不純物の可溶性重金属塩
により着色しているハロゲン化シランを原料に用いる
と、例えばオキシムシランの製造の場合のように、製品
の着色が避けられない。
【0003】従来、オキシムシランの製造法について
は、メチルトリクロロシランなどのハロゲン化シランを
化学量論上当量のオキシム化合物例えばメチルエチルケ
トオキシムと、反応時に副生する塩酸の受容体として化
学量論上当量の有機塩基例えばピリジンの存在下に反応
させる方法(特公昭39−29837号公報参照)が知
られている。
【0004】また、特公平1−21834号公報には、
ハロゲン化シランと化学量論的に2倍当量以上のオキシ
ム化合物を反応させる方法が記載されている。この方法
においては過剰なオキシムは反応時に副生する塩酸の受
容体として作用する。
【0005】また、特開昭63−327292号公報に
は、ハロゲン化シランと化学量論的に1〜1.2倍モル
量のオキシム化合物を、副生する塩酸の受容体として化
学量論的に1.04〜1.46倍モル量のアンモニアガ
ス吹き込み下で反応させる、オキシムシランの連続的製
造方法が記載されている。
【0006】しかし上記の方法などで製造されるオキシ
ムシランは、いずれもFe,Cr,Ni,Mn等の重金属塩例えばF
eCl3,CrCl3,NiCl2,MnCl2 数ppmの存在下で黄色、茶
褐色ないし緑色に着色する。着色を防止するために原料
の精製、製造装置の材質の工夫などが試みられている
が、従来の対策では充分な程度に重金属塩を抑えるには
多大の困難を伴い、経済的にも不可能である。
【0007】このオキシムシランの着色のように重金属
塩による汚染は問題であるが、重金属塩の混入はハロゲ
ン化シランにおいて起こりやすい。というのは、蒸留で
きれいに精製されたハロゲン化シランでさえも、反応に
使う以前の段階、例えば移送等で、配管等から重金属を
可溶性の塩として取り込むことが容易に起こり得るから
である。
【0008】このように重金属塩を溶かし黄色あるいは
茶褐色に着色したハロゲン化シランを原料とした場合、
製品の着色を招くのである。したがって、オルガノクロ
ロシランをはじめとするハロゲン化シランに少量含まれ
る重金属塩は、これを除去することが求められるが、こ
れまで、容易かつ充分に除去する方法すなわち脱色精製
法がなく、その出現が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記のような状況か
ら、本発明はオルガノクロロシランをはじめとする室温
で液体であるハロゲン化シランに少量含まれる重金属塩
を容易かつ充分に除去することのできる脱色精製法を提
供しようとしてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、重金属塩を含み着色し
た室温で液体であるハロゲン化シランを、室温で固体で
あり、ハロゲン化シランに不溶であるカチオン界面活性
剤と接触させてからろ別することにより、この重金属塩
が容易に除去されることを見出して本発明に至った。本
発明は、可溶性の重金属塩により着色した、一般式 R’4-a SiXa (式中、Xはハロゲン原子を表し、R’は水素原子、ア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、
シクロアルキル基またはこれらの基の炭素原子に結合し
た水素原子の一部または全部をハロゲン原子で置換した
基の中から選ばれた同一または異なった基を表し、aは
1〜4の整数を表す)で示され、室温で液体であるハロ
ゲン化シランに、室温で固体であり、ハロゲン化シラン
に不溶であるカチオン界面活性剤を接触させたのちろ別
することを特徴とする、室温で液体であるハロゲン化シ
ランの脱色精製法、を要旨とするものである。
【0011】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明の方法で処理されるハロゲン化シランは前記一般式 R’4-a SiXa (式中のR’,X,aは前記に同じ)で示され、室温で
液体のものであるが、これにはテトラクロロシラン、ト
リメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチ
ルトリクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、エ
チルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、トリ
エチルクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、
イソプロピルトリクロロシラン、2−クロロエチルトリ
クロロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、
ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラ
ン、プロペニルトリクロロシラン、アリルトリクロロシ
ラン、フェニルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロ
シランなどが例示される。なかでも、前記一般式におい
てaが3、Xが塩素原子かつR’がメチル基、エチル基
またはビニル基のものに本発明の方法は好適である。
【0012】本発明に用いるカチオン界面活性剤の例
は、RN+H3,R2N+H2及びR3N+H のごときプロトン化された
アミンの塩;R4N+のごとき第四級アンモニウムの塩;RC
+(OH)2のごときプロトン化されたカルボン酸の塩;RO+H
2 のごときプロトン化されたアルコールの塩;RCN+H の
ごときプロトン化されたニトリルの塩;R2S+OHのごとき
プロトン化されたスルホキシドの塩;RS+H2 のごときプ
ロトン化されたメルカプタンの塩;R4P+のごとき第四級
ホスホニウムの塩;及びR3P+H のごときプロトン化され
たホスフィンの塩であって室温で固体であり、ハロゲン
化シランに不溶のものである。但し上記式中のRは水素
基及び一価の炭化水素基からなる群より選ばれた基であ
り、各塩のカチオンは5〜80個の炭素原子を含有し、
そして各塩のアニオンはハライド、サルフェート及びホ
スフェートアニオンからなる群より選ばれたものであ
る。もちろん、上記化合物中の各R基は同一である必要
はない。好ましくは、各塩のカチオンは6〜30個の炭
素原子を含有するものであり、アニオンがクロライドの
ものである。このようなカチオン界面活性剤の製造方法
は周知されている。
【0013】本発明の方法に好ましいカチオン界面活性
剤は、第四級アンモニウム塩であり、例えば、テトラ−
n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキ
シルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘプチルア
ンモニウムクロライド、トリメチル−n−ノニルアンモ
ニウムクロライド、トリ−n−オクチル−n−プロピル
アンモニウムクロライド、n−セチルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウ
ムクロライド等である。なかでもカチオン界面活性剤と
して最も好ましいものはトリメチルオクタデシルアンモ
ニウムクロライドである。
【0014】これらのカチオン界面活性剤はその1種類
のみを使用する他、所望により2種またはそれ以上の異
なったカチオン界面活性剤を使用することができる。本
発明において使用できるカチオン界面活性剤は室温で固
体で、ハロゲン化シランに実質的に不溶のものである。
なぜなら、液体ではろ別できないし、可溶のものはハロ
ゲン化シランを汚染して生成物の品質に悪影響を及ぼす
からであるが、許容できないカチオン界面活性剤の例と
しては、エチルアンモニウムクロライド、トリメチルア
ンモニウムクロライド、プロトン化されたアセトニトリ
ルのクロライド塩、プロトン化された酢酸のクロライド
塩等が包含される。
【0015】本発明の方法においてハロゲン化シランと
接触すべきカチオン界面活性剤の添加量は着色の原因と
なる重金属の濃度により異なるが、通常は約0.001
重量%ないし約10重量%の範囲で目的を達成すること
ができる。接触は攪拌や振とうなどにより液を動かしな
がら、−5〜40℃で、より好ましくは10〜35℃
で、2〜240分間程度行えばよい。また、固定層にカ
チオン界面活性剤を充填し、そこにハロゲン化シランを
通して接触させることももちろん可能である。前記のよ
うにすれば、着色したハロゲン化シランの脱色精製を容
易かつ充分に行うことができる。
【0016】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに説明する
が、実施例は本発明を限定するものではない。
【0017】実施例1 ガードナー(JIS K 6901参照)12、APH
A(JIS K 1557参照)500以上に着色した
ビニルトリクロロシラン(Fe 8.1ppm溶解)48
2gをガラス製のサンプルビンに入れ、これにトリメチ
ルオクタデシルアンモニウムクロライドを0.24g
(500ppm)添加し、密封して室温で約1時間振と
うし、可溶性不純物と結合させて、不溶性のものとして
ろ別した。得られたシランは、APHA40に脱色され
ていた。(Fe 2.2ppm溶解)
【0018】次に、脱色精製された上記のシランを用い
てオキシムシランを合成した。メチルエチルケトンオキ
シム456g及び無水のトルエン700gを、還流凝縮
器、攪拌機、滴下ロート、フラスコの底部に浸没するガ
ス導入管及び温度計を備えた3Lのフラスコに仕込ん
だ。ついで、内容物の温度を55〜65℃に制御しなが
ら、攪拌下に滴下ロートより脱色精製後のビニルトリク
ロロシラン266gを2.3g/min.の速度で液中
滴下した。シラン滴下時及びその前後でアンモニアガス
をガス導入管より1800ml/min.で送り込ん
だ。滴下終了後、アンモニア通気下さらに1時間反応さ
せた。反応終了後、生成した塩化アンモニウムをろ過に
より分離した。ろ液からトルエンと残存するメチルエチ
ルケトンオキシムを80℃,5〜15mmHgにおいて
2時間かけて蒸留除去した。蒸留フラスコ内に残った液
体をガスクロマトグラフィーで分析した結果、ビニルト
リス(メチルエチルケトオキシム)シランが94.4%
含まれていた。この液の色はAPHA50であった。
【0019】比較例1 実施例1の脱色精製前のビニルトリクロロシランを使用
した以外、実施例1と同様にしてオキシムシランを合成
した。蒸留後の液をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シ
ランが94.1%含まれていた。液の色はAPHA50
0以上、ガードナー10であった。
【0020】比較例2 実施例1でトリメチルオクタデシルアンモニウムクロラ
イドを添加後、ろ別せずにビニルトリクロロシランを使
用した以外、実施例1と同様にしてオキシムシランを合
成した。なお、ろ別をしないビニルトリクロロシランと
トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド混合物
の液側は、APHA40まで脱色されていた。蒸留後の
液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、ビニル
トリス(メチルエチルケトオキシム)シランが93.6
%含まれていた。液の色はAPHA500以上、ガード
ナー9であった。
【0021】
【発明の効果】本発明により、従来困難であった可溶性
重金属塩による室温で液体であるハロゲン化シランの着
色の脱色精製が容易にかつ充分にできるようになった。
これにより、室温で液体であるハロゲン化シランを原料
とする製品、例えばオキシムシランを着色なく安定的に
製造することが可能となった。このようなオキシムシラ
ンでメチルエチルケトンオキシムとメチルトリクロロシ
ランあるいはビニルトリクロロシランとから得られるも
のは、エラストマー化し得る室温加硫型の高分子シリコ
ーンの製造において官能化剤及び架橋剤として好適であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和司 東京都千代田区大手町二丁目6番1号 信越化学工業株式会社 本社内 (72)発明者 福平 正憲 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 磯部工場内 (72)発明者 青沼 秀彦 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 磯部工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 C07F 7/20 C07B 63/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可溶性の重金属塩により着色した、一般式 R’4-a SiXa (式中、Xはハロゲン原子を表し、R’は水素原子、ア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、
    シクロアルキル基またはこれらの基の炭素原子に結合し
    た水素原子の一部または全部をハロゲン原子で置換した
    基の中から選ばれた同一または異なった基を表し、aは
    1〜4の整数を表す)で示され、室温で液体であるハロ
    ゲン化シランに、室温で固体であり、ハロゲン化シラン
    に不溶であるカチオン界面活性剤を接触させたのちろ別
    することを特徴とする、室温で液体であるハロゲン化シ
    ランの脱色精製法。
  2. 【請求項2】室温で固体であり、ハロゲン化シランに不
    溶であるカチオン界面活性剤が第四級アンモニウム塩で
    ある請求項1に記載の室温で液体であるハロゲン化シラ
    ンの脱色精製法。
  3. 【請求項3】室温で固体であり、ハロゲン化シランに不
    溶であるカチオン界面活性剤がトリメチルオクタデシル
    アンモニウムクロリドである請求項1に記載の室温で液
    体であるハロゲン化シランの脱色精製法。
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