JP2763850B2 - カルシウム石鹸の製造方法及び該カルシウム石鹸を用いた揺変性組成物 - Google Patents

カルシウム石鹸の製造方法及び該カルシウム石鹸を用いた揺変性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルシウム石鹸の製造
方法及び該カルシウム石鹸を用いた揺変性組成物に関す
るものであり、詳細には水酸化カルシウムと高級脂肪酸
とを反応させてカルシウム石鹸を製造する方法及び該カ
ルシウム石鹸を用いた揺変性組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】接着剤、プラスチック、塗料、シーラン
ト等の分野においては、チキソトロピー性あるいは揺変
性と呼ばれる粘度性質が要求される場合がある。このよ
うな揺変性を付与する方法としては、無水珪酸や有機ベ
ントナイト等の無機系増粘剤を添加する方法や、あるい
は金属石鹸等で表面処理した無材粉体(以下、金属石鹸
処理粉体と略す)を添加する方法が知られている。
【0003】無水珪酸や有機ベントナイトを添加する方
法では、コストが高くなり、また揺変性を発現させるた
めに前工程が必要である等の問題があり、用途面におい
て制約を受ける。
【0004】一方、金属石鹸処理粉体を添加する方法で
は、揺変性を発現させるための前工程は必要とされない
が、揺変効果が小さいため、多量に添加しなければなら
ないという問題があった。
【0005】従来の金属石鹸は、高級脂肪酸のアルカリ
石鹸と金属塩溶液とを反応させることにより製造してい
る。しかしながら、このような方法に従えば、副生する
アルカリ塩が金属石鹸中に残留し、製品の不純化を起こ
すという問題があった。さらに、この不純物のアルカリ
塩を除去しようとすれば、大量の水が必要となる等の問
題点を生じた。
【0006】このような問題を解消する方法として、高
級脂肪酸と金属酸化物または金属水酸化物とを直接反応
させる方法が考えられる。しかしながら、従来の方法
は、水酸化カルシウムの原料として乾燥粉末の水酸化カ
ルシウムを使用しているケースが多いため、乾燥凝集に
より見掛け上粒度が大きくなり、反応性に劣るものであ
り反応に長時間を要した。
【0007】特開昭57−53598号方法では、反応
時間を短縮させる方法として、高級脂肪酸と金属酸化物
または水酸化物の反応を、界面活性剤の存在下で行う方
法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された方法では、反応時間は多少短縮できても
依然反応に長時間を要し、また界面活性剤が金属石鹸中
に残存し、用途によってはこのような界面活性剤の残存
が好ましくない場合があった。
【0009】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、高い揺変性を付与することのできるカルシウ
ム石鹸を効率よく製造することのできる方法及び該カル
シウム石鹸を用いた揺変性組成物を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、水
酸化カルシウムの水系分散液と高級脂肪酸とを反応させ
てカルシウム石鹸を製造する方法であり、水酸化カルシ
ウムの水系分散液として、BET比表面積12〜40m
2 /gの水酸化カルシウムが懸濁分散された石灰乳スラ
リーであって、2度ボーメの沈降体積が20ml/60
分〜100ml/60分である石灰乳スラリーを用いる
ことを特徴としている。
【0011】本発明において、高級脂肪酸と石灰乳スラ
リーを反応させる方法としては、高級脂肪酸を加熱溶融
させ、これに石灰乳スラリーを添加し攪拌する方法が好
ましい。しかしながら、本発明はこの方法に限定される
ものではなく、石灰乳スラリーと高級脂肪酸とを反応さ
せ得る方法であればその他の態様によって反応させても
よい。
【0012】本発明においては、水酸化カルシウムとし
て、BET比表面積が12〜40m 2 /gである水酸化
カルシウムを用いている。通常工業薬品として使用され
ている水酸化カルシウムは、10m2 /g程度であるの
で、本発明で使用する水酸化カルシウムは通常使用され
るものよりも比表面積が大きな水酸化カルシウムであ
る。BET比表面積が12m2 /g未満である場合に
は、本発明の特有の効果は得られず、水酸化カルシウム
と脂肪酸との間の反応が十分に完結されず、揺変性付与
の効果が少ない。また、BET比表面積が40m2 /g
を超えると、石灰乳スラリーの粘度が高くなり、取り扱
いにくくなる場合がある。本発明において、水酸化カル
シウムのBET比表面積は、さらに好ましくは15〜4
0m2 /gである。
【0013】本発明で用いることのできる水酸化カルシ
ウムとしては、例えば、炭酸カルシウムを焼成して得ら
れる生石灰を水中に添加して得られる石灰乳スラリーが
ある。このような石灰乳スラリーは、BET比表面積が
12〜40m2 /gの範囲内である場合にはそのまま用
いることができ、またBET比表面積が12m2 /g未
満の場合や、BET比表面積の大きな水酸化カルシウム
を原料としたい場合には、この石灰乳スラリーを湿式磨
砕することが好ましい。湿式磨砕の方法としては、従来
から一般的に知られている方法を用いることができ、例
えば、ボールミル、グレーンミルまたはダイノーミル等
の湿式摩砕機を使用することが好ましい。
【0014】また、本発明では、2度ボーメの沈降体積
が、20ml/60分〜100ml/60分である石灰
乳スラリーを用いている。2度ボーメの沈降体積は、ボ
ーメ度計(比重計の一種)を用いて石灰乳スラリーの濃
度を2度ボーメに調整し、この石灰乳スラリーを、10
0mlの有栓メスシリンダー中に静置し、所定時間後の
沈降体積を求めることによって測定することができる。
一般に、このような沈降体積は粒子の凝集の度合いのパ
ラメータとして用いることができる。2度ボーメの沈降
体積が20ml/60分未満である石灰乳スラリーで
は、水酸化カルシウム粒子の凝集度合いが強く、このよ
うな石灰乳スラリーを用いた場合には、水酸化カルシウ
ムと脂肪酸との間の反応が十分に完結されず、揺変性付
与の効果の高いカルシウム石鹸を得ることができない。
【0015】また、本発明においては、高級脂肪酸2モ
ルに対し、水酸化カルシウム1.1〜1.5モルを反応
させることが好ましい。カルシウムは2価であるので、
理論上は高級脂肪酸2モルに対し1モルであるが、本発
明者らは、この理論上の1モルよりも多い1.1モル以
上用いることが好ましいことを経験的に見出している。
すなわち、水酸化カルシウムが1.1モル未満の場合に
は、未反応の高級脂肪酸が残存する傾向にある。また水
酸化カルシウムが1.5モルを超えると、未反応の水酸
化カルシウムが多量に残存し、好ましくない場合があ
る。
【0016】石灰乳スラリー濃度は水酸化カルシウムの
粒度が単一粒子で存在する濃度が好ましく、10重量%
〜75重量%の範囲が好ましい。反応に使用する水の量
は高級脂肪酸2モルに対し1.5〜20モルであること
が好ましく、水が1.5モル未満であれば水酸化カルシ
ウムの粒子同士が接近し過ぎ、単一粒子を保てなくなり
反応性に劣る場合がある。また水の量が20モルを超え
ると、反応後蒸発除去すべき水の量が多くなり、生産性
の面から好ましくない場合がある。
【0017】本発明で用いる高級脂肪酸としては、従来
からカルシウム石鹸の原料として用いられている高級脂
肪酸を用いることができ、例えば、炭素数8〜22の高
級脂肪酸を用いることができる。より具体的には、牛
脂、豚脂、ヤシ油、パーム油、なたね油、ヒマシ油、大
豆油等の油脂を原料にして得られる飽和、不飽和のラウ
リン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレイン酸、ヒドロキシ脂肪酸等を用いる
ことができる。
【0018】なお、本発明においては、石灰乳スラリー
に界面活性剤を添加せずとも、十分に反応を完結するこ
とができ、高い揺変性を与えるカルシウム石鹸とするこ
とができるが、場合によっては界面活性剤を添加しても
差し支えない。
【0019】本発明のカルシウム石鹸は、カルシウム石
鹸として直接接着剤、プラスチック、塗料、シーラント
等に添加して用いてもよいが、揺変性を付与させること
を目的に使用する場合は、本発明のカルシウム石鹸を液
状炭化水素中でその融点以上に加熱した後冷却して揺変
性組成物とした後、この揺変性組成物を接着剤、プラス
チック、塗料、シーラント等に添加してもよい。このよ
うな液状炭化水素としては、接着剤、塗料、プラスチッ
ク、シーラント等において可塑剤または軟化剤等として
一般に使用されている液状炭化水素を用いることがで
き、例えば、フタル酸エステル系、脂肪族二塩基酸エス
テル系、芳香族カルボン酸エステル系、リン酸エステル
系、脂肪酸エステル系、含塩素系、ポリエステル系等の
可塑剤、並びにパラフィン系、ナフテン系、アロマ系に
分類される鉱物油系のゴム軟化剤等を用いることができ
る。これらを単独または2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0020】またこのような揺変性組成物においては、
カルシウム石鹸100重量部に対し、液状炭化水素10
0〜250重量部用いることが好ましい。この本発明
は、このような液状炭化水素の配合割合に限定されるも
のではないが、液状炭化水素が100重量部未満である
と、加熱混合冷却した際に、揺変性組成物が固くなり過
ぎ、取り扱いにくい場合がある。また液状添加水素が2
50重量部を超える場合には、相対的にカルシウム石鹸
の量が減少するので、揺変効果が十分に得られない場合
がある。
【0021】また、本発明においては、この揺変性組成
物を無機粉体に表面処理し、揺変性無機粉体として用い
ることもできる。このような表面処理は、室温雰囲気下
の攪拌下にある無機粉体に、加熱溶融状態にある揺変性
組成物を流体ノズル等を用いて噴霧し添加して無機粉体
と揺変性組成物を攪拌する方法、または加熱溶融状態に
ある揺変性組成物をニーダーまたはプラネタリーミキサ
ー等で攪拌し、そこに無機粉体を添加し攪拌する方法等
によって行うことができる。用いる無機粉体は特に限定
されるものではないが、通常、接着剤、プラスチック、
塗料、シーラント等において一般的に用いられているも
のをそのまま用いることができる。具体的には、無水珪
酸、クレー、タルク、石英粉末、ホワイトカーボン等の
天然及び合成の珪酸系材料、酸化チタン、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化鉄等の金属酸化物、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、硫
酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩、水酸化カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
の水酸塩を挙げることができる。このような無機粉体の
BET比表面積としては、0.5〜50m2 /gである
ことが好ましい。0.5m2 /g未満であると使用する
用途によっては粗大粒子となり外観を損ねる場合があ
る。また50m2 /gを超えると、使用する用途によっ
ては分散が困難になる場合がある。
【0022】
【発明の作用効果】本発明では、水酸化カルシウムとし
てBET比表面積が12〜40m2 /gであって、2度
ボーメの沈降体積が20ml/60分〜100ml/6
0分である石灰乳スラリーを用いることにより、短時間
でかつ効率よくカルシウム石鹸を製造することができ
る。また得られたカルシウム石鹸は、従来のカルシウム
石鹸に比べ、著しく高い揺変性を付与することができる
ものとなる。
【0023】また本発明の揺変性組成物は、予め液状炭
化水素中に、本発明のカルシウム石鹸を網状構造化して
含有させたものであり、本発明の揺変性組成物を用いる
ことにより、接着剤、プラスチック、塗料、シーラント
等に添加するだけで、所望の優れた揺変性を得ることが
できる。
【0024】また本発明の揺変性無機粉体では、このよ
うな揺変性組成物が無機粉体に表面処理されており、こ
のような無機粉体を接着剤、プラスチック、塗料、シー
ラント等に添加するだけで、所望の優れた揺変性を得る
ことができる。また粉体であるため、その取り扱いも容
易なものとなる。
【0025】
【実施例】実施例1 まず、固形分濃度12.6重量%、BET比表面積10
2 /g、2度ボーメの沈降体積(以下、単に「沈降体
積」という)15ml/60分の石灰乳スラリーを準備
した。この石灰乳スラリーを、ダイノーミル(シンマー
エンタープライゼズ社製;KDL−pilot型)で湿
式磨砕し、BET比表面積が20m2 /g、沈降体積8
0ml/60分の石灰乳スラリーとした。この石灰乳ス
ラリーを固形分濃度40%になるように脱水した。
【0026】一方、容量3リットルのニーダー中に10
0℃に加熱溶融したステアリン酸(中和価197)57
0gを用意し、この溶融したステアリン酸に準備した固
形分濃度40%の石灰乳222gと水97.6gを添加
した。この配合割合は、換算すると、高級脂肪酸/Ca
(OH)2 /水(モル比)=2/1.2/12.8であ
る。この状態で10分間混合し、ステアリン酸と水酸化
カルシウムの反応を終了させた。
【0027】反応終了物を100℃で減圧乾燥し、カル
シウム石鹸を得た。得られたカルシウム石鹸をIR分析
したところ、1700cm-1のカルボキシル基のピーク
が、1600cm-1のカルボキシレートのピークに変化
しており、ステアリン酸カルシウムが形成されているこ
とが確認された。
【0028】次に、この得られたステアリン酸カルシウ
ム600gとDOP1700gを、容量5リットルのプ
ラネタリミキサーに仕込み、混合攪拌しながら、170
℃で一旦溶融させた後加熱を止め、攪拌しながら130
℃まで冷却し、揺変性組成物を作製した。
【0029】得られた揺変性組成物について有機ビヒク
ルに対する応用試験を以下のようにして行った。ポリプ
ロピレングリコール(商品名;タケラックP74,武田
薬品社製)45重量部、重質炭酸カルシウム(商品名;
ホワイトンP30,東洋FC社製)150重量部、DO
P50重量部、上記揺変性組成物19.2重量部(ステ
アリン酸カルシウム5.0重量部に相当)を、プラネタ
リーミキサー中で30分間混合し、得られたコンパウン
ドのB粘度及びその粘度比を測定して揺変性を評価し、
結果を表1に示した。
【0030】実施例2 実施例1と同様にして湿式磨砕によりBET比表面積を
15m2 /g、沈降体積65ml/60分に調整した石
灰乳を用意し、脂肪酸としてラウリン酸(中和価28
0)を用いて、実施例1と同様にしてラウリン酸カルシ
ウムを調製し、このラウリン酸カルシウムに実施例1と
同様にしてDOPを混合して揺変性組成物を調製した。
得られた揺変性組成物を用いて実施例1と同様にして有
機ビヒクルに対する応用試験を行い、得られた結果を表
1に示した。
【0031】実施例3 実施例1と同様にして湿式磨砕によりBET比表面積3
5m2 /g、沈降体積100ml/60分に調整した石
灰乳を用い、脂肪酸としてヒマシ油硬化脂肪酸(中和価
180)を用い、脂肪酸カルシウムを実施例1と同様に
して調製し、実施例1と同様にしてこれにDOPを混合
して揺変性組成物を得た。得られた揺変性組成物を用い
て、実施例1と同様にして有機ビヒクルに対する応用試
験を行い、その結果を表1に示した。
【0032】実施例4 実施例1と同様にしてステアリン酸カルシウムを調製
し、得られたステアリン酸カルシウムに液状炭化水素と
してDOPの代わりに塩素化パラフィン(塩素化率50
%)を用いて揺変性組成物を調製した。得られた揺変性
組成物を用いて、実施例1と同様にして有機ビヒクルに
対する応用試験を行い、その結果を表1に示した。
【0033】比較例1 水酸化カルシウムとして、試薬の水酸化カルシウム(B
ET比表面積10m2/g、沈降体積8ml/60分)
を用い、この水酸化カルシウムを用いて固形分濃度が4
0重量%の石灰乳スラリーを作製し、この石灰乳スラリ
ーを用いて、実施例1と同様にしてステアリン酸と反応
させた。表1に示すように、所定時間反応させた後もI
R分析でカルボキシル基のピークが認められ、反応を完
結させることができなった。また、この反応物を用いて
揺変性組成物を調製することができなかった。
【0034】比較例2 実施例1で用いた原料の石灰乳(BET比表面積10m
2 /g、沈降体積15ml/60分)を、湿式磨砕せず
にそのまま用い、それ以外は実施例1と同様にしてステ
アリン酸と反応させた。表1に示すように、所定時間反
応させた後もIR分析でカルボキシル基のピークが認め
られ、反応を完結させることができなかった。また、こ
の反応物を用いて揺変性組成物を調製することができな
かった。
【0035】比較例3 比較例1に用いた石灰乳スラリーを用い、脂肪酸に対す
る添加量を増加すると共に、ノニオン系界面活性剤(商
品名;NC−38、ライオン社製)を添加し、脂肪酸/
Ca(OH)2 /水のモル比を、2/1.5/12.8
として、脂肪酸カルシウムを調製し、実施例1と同様に
して揺変性組成物を調製して、有機ビヒクルに対する応
用試験を行い、その結果を表1に示した。
【0036】比較例4 比較例2に用いた石灰乳スラリーを用い、比較例3と同
様にして、水酸化カルシウムの量を増加し、ノニオン系
界面活性剤を添加し、脂肪酸/Ca(OH)2/水のモ
ル比を、2/1.5/12.8として、脂肪酸カルシウ
ムを調製した。この脂肪酸カルシウムを用いて、揺変性
組成物を調製し、有機ビヒクルに対する応用試験を同様
に行い、結果を表1に示した。
【0037】比較例5 固形分濃度12.6重量%、BET比表面積14m2
g、沈降体積15ml/60分の石灰乳スラリーを準備
し、この石灰乳スラリーを実施例1と同様にしてステア
リン酸と反応させた。得られたステアリン酸カルシウム
を用い、実施例1と同様にして揺変性組成物を調製し、
有機ビヒクルに対する応用試験を行い、その結果を表1
に示した。
【0038】比較例6 実施例1において揺変性組成物を調製する際、ステアリ
ン酸カルシウムを加熱溶融せずにDOPと混合し、これ
を用いて有機ビヒクルに対する応用試験を同様に行い、
結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、本発明に従う実
施例1〜4では、IR分析の結果、いずれもカルボキシ
ル基に基づくピークがほとんどなく、脂肪酸と水酸化カ
ルシウムの反応がほぼ完結していることがわかる。ま
た、このようにして得られた実施例1〜4の脂肪酸カル
シウムを用いた有機ビヒクルは、いずれも優れた揺変性
を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C10N 10:04 30:02 70:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 13/00 - 13/30 C09K 3/00 103 C10M 129/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化カルシウムの水系分散液と高級脂
    肪酸とを反応させて、カルシウム石鹸を製造する方法に
    おいて、 前記水酸化カルシウムの水系分散液として、BET比表
    面積12〜40m2 /gの水酸化カルシウムが懸濁分散
    された石灰乳スラリーであって、2度ボーメの沈降体積
    が20ml/60分〜100ml/60分である石灰乳
    スラリーを用いることを特徴とする、カルシウム石鹸の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 加熱溶融した前記高級脂肪酸に前記石灰
    乳スラリーを添加し攪拌することによって反応させるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のカルシウム石鹸の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記高級脂肪酸2モルに対し、水酸化カ
    ルシウム1.1〜1.5モル、水1.5〜20モルの石
    灰乳スラリーを反応させることを特徴とする、請求項1
    または2に記載のカルシウム石鹸の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製
    造方法で得られるカルシウム石鹸100重量部に対し、
    液状炭化水素100〜250重量部を該カルシウム石鹸
    の溶融温度に加熱して混合し、攪拌しながら冷却して得
    られることを特徴とする、揺変性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の揺変性組成物を無機粉
    体に表面処理したことを特徴とする、揺変性無機粉体。
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