JP2763466B2 - 弾球遊技機用釘機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ遊技機などの
弾球遊技機の遊技盤に用いられる釘機構に関し、特に盤
面に対して着脱自在に配設される釘機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パチンコ遊技機の遊技盤に多数配
設される釘は、釘打機により木製又は合成樹脂製の盤面
上に打ち込まれ、固定されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
釘打込方式によれば、遊技盤面上に打ち出された遊技球
との衝突等により変形又は破損した釘を交換する必要が
生じた場合、釘が木製又は合成樹脂製の遊技盤に打ち込
まれているため、交換するためには釘を引き抜かねばな
らず、手間がかかるという問題点がある。

【０００４】また、一度釘を抜いた後、同じ釘穴に釘を
再度打ち込んだ場合には、盤面上に釘を固定する力が低
下するため、通常では１、２回程度の釘交換しかできな
い。また、交換した釘が遊技球との衝突等により緩む虞
れもあるという問題点もあった。

【０００５】それ故、本発明の目的は、弾球遊技機の遊
技盤に対して釘が着脱自在で交換が容易であり、緩む虞
れがなく何回でも交換可能な釘機構を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の釘機構は、弾球
遊技機の遊技盤に配設される釘と、該釘の胴部を内径部
に固定する胴部及び該胴部に設けられた環状溝部を有
し、前記遊技盤に設けられた貫通孔に嵌入される筒部材
と、該筒部材が前記貫通孔に嵌入された時に前記筒部材
の環状溝部に嵌装されることにより、前記筒部材を前記
貫通孔内に着脱自在に固定する固定手段とを備えたこと
を特徴とする。

【０００７】本発明の好ましい態様では、前記固定手段
は、前記環状溝部に嵌合するための切欠部と前記貫通孔
の径より大きな外径とを有する略Ｃ字形の弾性リングで
あることを特徴とする。

【０００８】本発明の別の好ましい態様では、前記固定
手段は、前記環状溝部に嵌合するように前記貫通孔に突
出する突起部により構成されることを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明の弾球遊技機用釘機構においては、弾球
遊技機の遊技盤に配設される釘は、筒部材の胴部の内径
部に固定され、筒部材と一体になって遊技盤の貫通孔に
嵌入される。そして、固定手段を筒部材の環状溝部に嵌
装することにより、釘を含む釘機構自体を遊技盤に対し
て着脱自在に配設することができる。

【００１０】固定手段が上記の弾性リングである場合に
は、その弾性により、リングを筒部材の環状溝部に着脱
自在に嵌装することができる。

【００１１】また、固定手段が上記の突起部により構成
される場合にも、釘機構を遊技盤に着脱自在に固定する
ことができる。

【００１２】

【実施例】図１は、本発明の釘機構を構成する釘ユニッ
ト１の実施例を示す。

【００１３】釘ユニット１は、釘２及びスリーブ３で構
成される。スリーブ３は、図２に示すように釘２の胴部
を包むようにして固定する筒部材である。スリーブ３
は、鍔部３ａと胴部３ｂから成り、鍔部３ａが胴部３ｂ
の一端に形成されている。胴部３ｂの他端側には、環状
溝部３ｃが設けられている。鍔部３ａは、釘ユニット１
を後述の弾球遊技機の遊技盤４（図６）に配設する時
に、遊技盤４に設けられた貫通孔４ｂに対して、胴部３
ｂを遊技盤面４ａから所定の嵌入深さに抑止する。環状
溝部３ｃには、後述のように、釘ユニット１を貫通孔４
ｂ内に着脱自在に固定するための固定手段が嵌装され
る。

【００１４】図３は、遊技盤４に配設された釘ユニット
１の縦方向断面図である。

【００１５】例えばパチンコ機のように、遊技盤面が縦
になるように設置される弾球遊技機においては、遊技盤
に打ち出された遊技球は、遊技盤上方から遊技盤面４ａ
とそれをカバーするガラス面８との間をランダムに落下
するが、遊技盤面４ａに沿って落下することが望まれ
る。それ故、釘２は水平面よりも上側に所定の角度（例
えば３°）傾斜するように配設される。そこで、実施例
の釘ユニット１も、釘２がスリーブ３の胴部３ｂの内径
部に定められた角度で固定されるように形成される。こ
うすると、スリーブ３が遊技盤４の貫通孔４ｂに嵌入さ
れたとき、釘２を所定の角度で配設できる。実施例にお
いては、後述のガイド部３ｄ及び４ｃ、若しくは３ｄ’
及び４ｃ’（図４及び図５）を設けることで、スリーブ
３を定められた向きで挿入できるようにしている。

【００１６】図４（ａ）は、図１の線IV−IVの拡大断面
図である。釘２を固定するスリーブ３の胴部３ｂの側面
には、胴部３ｂの長手方向に平坦に切り欠かれたガイド
部３ｄが形成されている。このガイド部３ｄは、釘ユニ
ット１が遊技盤４に設けられた貫通孔４ｂに挿入される
時、図５（ａ）に示すように、貫通孔４ｂの上部に長手
方向全体に亘り平坦に陥没するように形成されたガイド
部４ｃに接合し、ガイド部４ｃと共に釘ユニット１を遊
技盤面４ａに対して上述の姿勢で挿入、固定するために
設けられる。

【００１７】このようなガイド部は、上記ガイド部３ｄ
に代えて図４（ｂ）に示すように胴部３ｂと一体に形成
された凸部からなるガイド部３ｄ’で構成してもよい。
この場合には、貫通孔４ｂは上記ガイド部４ｃに代え
て、図５（ｂ）に示すように貫通孔４ｂの上面に、凹形
に切り欠かれたガイド部４ｃ’を設けることで、釘ユニ
ット１を上記の姿勢で挿入、固定することができる。

【００１８】図６は、遊技盤４の一部を示す。

【００１９】図６（ａ）に示すように、遊技盤面４ａの
中央部には貫通孔４ｂが設けられており、図６（ｂ）は
遊技盤４の断面を示す。貫通孔４ｂは、遊技盤面４ａか
ら背面側に突出する円筒状のボス４ｄにより形成され
る。このボス４ｄは、図７に示すように、釘ユニット１
のスリーブ３を鍔部３ａが遊技盤面４ａに当接するまで
挿入し、環状溝部３ｃに釘ユニット１の固定手段である
釘止リング５を嵌装したときに、胴部３ｂが過不足なく
固定される長さを有する。

【００２０】図８は、上記釘止リング５の構成を示す。
図８（ａ）に示すように、釘止リング５は、環状溝部３
ｃの直径よりも狭い切欠部５ａを有し、環状溝部３ｃに
嵌装されるときには、切欠部５ａが拡大し、装着完了と
共に復元するように合成樹脂等で成形された略Ｃ字形の
弾性リングである。なお、図示の釘止リング５では、複
数の肉抜き穴５ｂを設けることにより、弾性を増大させ
ている。このような弾性リングを固定手段として用いる
と、釘ユニット１を遊技盤４に着脱できることに加え
て、固定した後は抜けを確実に阻止でき、従来に劣らな
い固定力が得られる。

【００２１】図９は、上記釘止リング５とは異なる固定
手段の例を示す。すなわち、図９（ａ）に示すように複
数の突起部６をボス４ｄの貫通孔４ｂ内に突出するよう
に設け、図９（ｂ）に示すように環状溝部３ｃに嵌合す
るように構成する。この場合には、スリーブ３の弾性に
より、釘ユニット１の遊技盤４への着脱を自在に行うこ
とが可能となる。

【００２２】図１０は、上記の突起部６とは形状が異な
る突起部７を用いた場合の実施例を示す。この場合、突
起部７を合成樹脂等により形成することで、上記と同様
に、釘ユニット１の遊技盤４への着脱を自在に行うこと
が可能となる。

【００２３】固定手段として上記の突起部６及び７を用
いると、上記のＣリングのような別部材を用意する必要
がないので、その分部品点数が少なくてすむ。

【００２４】図１１は、スリーブ３を光透過性を有する
材料で形成し、遊技盤４に配設された場合の実施例を示
す。ここでは、釘ユニット１が遊技盤４に配設された時
にスリーブ３を後部から照射するように、遊技盤４の裏
面側の所定位置に照明器９が設置される。照明器９から
照射される光は、スリーブ３を透過し、さらにガラス面
８を透過して遊技者の目１０に捉えられる。このことに
より、スリーブ３が光って見えるので、遊技盤面４ａの
装飾効果を高めることができるとともに、遊技者の遊興
感の増進にも効果を奏する。

【００２５】以上のように、実施例ではスリーブ３の胴
部３ｂは円柱であるが、本発明はこれに限らず、筒部材
を四角形等の角柱状に形成してもよい。この場合には、
貫通孔４ｂはそれに応じた形状に形成される。また、ス
リーブ３を金属で形成してもよい。更に、釘止リング５
は、合成樹脂等の素材ばかりでなく、弾性を有する金属
で形成してもよい。

【００２６】

【発明の効果】以上のように、本発明の釘機構は、遊技
盤に対して着脱自在に配設することができる。それ故、
釘の交換が容易に行えるとともに、従来のように釘を何
回も交換することで遊技盤の固定力が低下するという不
具合もなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の釘機構を構成する釘ユニットの実施例
を示す。

【図２】図１の線II−IIに沿う断面図。

【図３】遊技盤に配設された釘ユニットの縦方向断面
図。

【図４】図１の線IV−IVの拡大断面図。

【図５】遊技盤に設けられた貫通孔の断面形状を示す
図。

【図６】遊技盤の一部を示す平面図。

【図７】釘ユニットを遊技盤に設置したときの状態を示
す部分断面図。

【図８】固定手段の一例の釘止リングを示す図。

【図９】固定手段の別の例を示す図。

【図１０】固定手段の更に別の例を示す図。

【図１１】スリーブを光透過性を有する材料で形成した
場合の実施例を示す部分断面図。

【符号の説明】

１…釘ユニット、２…釘、３…スリーブ、３ａ…鍔部、
３ｂ…胴部、３ｃ…環状溝部、３ｄ，３ｄ’，４ｃ，４
ｃ’…ガイド部、４…遊技盤、４ａ…遊技盤面、４ｂ…
貫通孔、４ｄ…ボス、５…釘止リング、５ａ…切欠部、
５ｂ…肉抜き穴、６，７…突起部、８…ガラス面、９…
照明器、１０…目。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弾球遊技機の遊技盤に配設される釘と、 該釘の胴部を内径部に固定する胴部及び該胴部に設けら
   れた環状溝部を有し、前記遊技盤に設けられた貫通孔に
   嵌入される筒部材と、 該筒部材が前記貫通孔に嵌入された時に前記筒部材の環
   状溝部に嵌装されることにより、前記筒部材を前記貫通
   孔内に着脱自在に固定する固定手段とを備えたことを特
   徴とする弾球遊技機用釘機構。
2. 【請求項２】前記固定手段は、前記環状溝部に嵌合する
   ための切欠部と前記貫通孔の径より大きな外径とを有す
   る略Ｃ字形の弾性リングであることを特徴とする請求項
   １記載の弾球遊技機用釘機構。
3. 【請求項３】前記固定手段は、前記環状溝部に嵌合する
   ように前記貫通孔に突出する突起部により構成されるこ
   とを特徴とする請求項１記載の弾球遊技機用釘機構。