JPH059031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はパチンコ機の遊技板面に打球を誘導す
るため配設される打球誘導レールに関するもので
ある。

［従来の技術］ 周知の様にパチンコ機は打出した打球を遊技板
に備える入賞口に飛入させることによつて入賞球
とし、この入賞があつたとき賞球を受け、そうで
なかつたとき無効球としてアウト球口（無効球
口）に導いて系外に放出するが、この打球を誘導
するため遊技板には打球誘導レールが装備されて
いる。

誘導レールは一般に金属製の帯状バンドを素材
にしたものであり、通常はこのバンドの一側縁に
適宜の間隔をおいて穿つ透孔に割りピン状の止付
けピンを差し通し、これを予じめ遊技板に貫通状
に穿つておく透孔に差し通し、板の背後で押し開
くことでその取付けを行うものとしている。

従来、この誘導レールの取付けに関し、作業
性、取付けの確実性を目的として特に止付けピン
について多くの改良提案がみられるが、上述した
様にバンドをピンで止めることには変りがなく本
質的な解決策にはなつていない。

即ち、従来の誘導レールの欠陥は遊技板に対し
て間隔をおいてピンで止め付けられることから打
球誘導線に沿つて正しく固定できず、長さの途中
で歪んで安定した打球の誘導が損われること、複
数本のピンの打込みによつて固定することから作
業性が悪く製造性に欠けること、等であつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は上述した従来の欠陥に鑑みこれを改善
すべく研究開発されたもので、止付けピンによる
レールの固定方式を改め、レールを取付台に組合
せてレール自体の安定性を図ると共に、この取付
台を遊技板に固定することによつて組立の作業性
を向上させたパチンコ機の打球誘導レールを提供
せんとするものである。

また併せて本考案は発射球を打球誘導線に沿つ
て円滑に遊技板面に誘導し、個々に打ち出される
球がレールの歪みによつてそれぞれ異るコースを
飛ぶことのないよう安定した発射が得られるよう
改善した打球誘導レールを提供せんとするもので
ある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上述した目的の下に考案されたもの
で、その特徴とするところは取付台と帯板状レー
ルとからなり、取付台は所要の厚みに形成してレ
ール装着面を打球誘導線に沿つた弧状に形成し、
該装着面に長手方向に沿つて条溝を形成し、且つ
その縁部にレール保持部を設け、他方前記レール
には両縁部に係止部を設けて上記レール保持部に
係止さ前記レール装着面に沿つて付設せしめる一
方、前記条溝には弾性材を嵌合縮設しレールの背
面を押圧してなるパチンコ機の打球誘導レールに
ある。

以下、この考案を図示する実施例に基づき詳述
し、その特徴とするところを明らかにする。

［実施例］ 第１図は使用状態を示す正面図、第２図は要部
の部分拡大斜視図である。図面における符号１は
遊技板であり、２は取付台、３はレールである。

ここに示す遊技板１はパチンコ機本体に対して
遊技板を着脱自在にした所謂分離式パチンコ機に
おける遊技板であつて、取付台２はこの遊技板に
装備される外バンドと称される打球誘導部に当る
部分、つまり遊技板の略左半部分を囲む範囲につ
き実施する場合を示しており、実際には第１図に
示す如く外バンドの左半分に相当するものとして
ある。

この取付台はレール３の幅を越える厚みに形成
してあり、その一側端面は図示しない打球発射装
置から遊技板中央の遊技部４に打球を円滑に誘導
するのに必要な弧状をなす打球誘導線Ｌに沿つた
弧状の曲面に形成してレール装着面５とし、他の
端面は遊技板の縁に添わせた直線の平面に形成し
てある。

レール装着面５には長手方向に沿つて中央部に
長さの全長に亘り条溝６を形成し、この条溝の対
向する内側壁面に条溝の長さに沿つた溝形のレー
ル保持部７を設けてある。

レール３は金属の帯板片からなり、この実施例
では両縁部を直角に折り曲げて横幅を前記条溝６
の開口幅に合せると共に、折り曲げた縁部３ａの
端縁を外に更に直角に折り曲げて係止部３ｂを設
け、この係止部３ｂを前記レール保持部７に係入
させレール３をレール装着面５に組付けるように
してある。

このレール３の装着に当つて保持部７に係入す
る係止部３ｂは図示する様に空〓を残して係合さ
れるが、レール３の条溝６への装着に際しては溝
内部に弾性を有する発泡合成樹脂製の弾性材８を
収縮した状態で嵌合し、その反発力でレール３を
弾発して外表面がレール装着面５と面一になるよ
うにしてある。

尚、上記空〓はレール３に対する打球の衝撃を
吸収するためのものである。

ところで当実施例では取付台２を厚みの途中で
２分割し、その各々を台部分２ａ，２ｂとしてそ
れぞれを個別に合成樹脂を素材に成形し、組立に
当つて抱き合せにして一つの取付台を完成させる
ようにしている。そして更に、この各台部分の成
形に当つてはレール装着面５に設ける条溝６を避
けて各部の対接面部分の肉を切除し、抱き合せ状
態において取付台２の内部を中空に形成し、該中
空部に照明ランプを収めるランプ室（図示せず）
を形成している。

勿論、取付台２を肉厚の中央部で二分割し台部
分２ａ，２ｂとしたことは条溝７の成形を容易に
することにあるが、デザイン変更の面から片半、
つまり上に重なる台部分２ａの変更だけで全体を
変えられる利点をも考慮されていることは言うま
でもない。

この様に２つに分割された取付台２は２つの台
部分２ａ，２ｂを重ね合せるに当つて弾性材８と
レール３を条溝６に収め、一つに組合せたのち、
一方の台部分２ｂの一面に植設する位置決めボス
９を手じめ遊技板１に形成しておく位置決め穴１
０に嵌め入れ所定位置に止め、次に取付台の上面
から貫通状に設ける穴１１に止めビスを差し通し
て遊技板にネジ止めし、その組付けを完了させる
ことになる。

ところで、図面第３図乃至第６図は上述した取
付台２とレール３の係合関係を示す他の実施例で
ある。

第３図は取付台２のレール装着面５の中央部に
長手方向に沿つて弾性材８を収縮嵌合する条溝７
を形成すると共に、この条溝７を囲む対立壁の外
面に溝形をなすレール保持部１２を設け、他方レ
ール３は断面チヤンネル型に屈折させて両縁部に
内向きの係止部３ｂを設け、この係止部３ｂをレ
ール保持部１２に嵌合させることで両者の組立を
行うようにした場合である。

また、第４図はレール装着面に設ける条溝７の
相対向する内壁面に適宜の間隔をおいて突起状の
レール保持部１３を複数個設け、他方レール３は
断面コ字形に形成して直角に折れ曲つた両側縁部
３ａには上記保持部１３に対応させて長孔状の係
止部３ｂを形成し、この係止部に突起状レール保
持部１３を滑合させてレールの組付けを行うよう
にした場合である。

また第５図は上記レール保持部１３に代えて、
この保持部１３を条溝７の両側壁の外側面に設
け、レール３に設ける長孔状の係止部３ｂを掛止
めるようにした場合である。

そして、第６図は第３図の実施例とは逆に条溝
７の相対向する側壁の内側面に溝型のレール保持
部を設け、これにレール３の縁部を釣型に屈曲さ
せて形成した係止部３ｂを内側から掛止めて組合
せたその他の実施例である。

尚、ここに示した各実施例は条溝内部に縮設す
る弾性材８によつてレール３が押上げられ、レー
ル装着面５から浮き上つた状態で取付くが、該レ
ールは外圧、即ち強打球を受けると弾性材８を押
し遺して衝撃を吸収し、その後再び原形に復元す
るものとなつており、この衝撃吸収時レール３は
レール保持部の空〓、即ち溝形のものにあつては
溝の幅、穴形のものにあつては穴径を利用して撓
み吸収することになる。

尚、図面第７図は取付台２に位置決めとして設
けるボス９にピン１４を一体に植設し、遊技板１
を固定するパチンコ機枠本体の受枠台１５に備え
る係止フツク１６をこのピン１４に掛止め、これ
によつて機枠本体に遊技板を固定するようにした
他の実施例を示すものである。

［考案の効果］ 本考案は上述した如く構成されるもので、予じ
め一定の形状に形成した取付台２のレール装着面
５にレール３を装着することによつてレール自体
が一定の形状を保持することから、従来の複数本
のピンを間隔をおいて打付けることによつて取付
けるようにしたレールに比較して遥かに形状の安
定したレールが得られると共に、レール３を組付
けた取付台２を遊技板にビス等を用いて止め付け
るだけで簡単に取付られることから迅速に組立る
ことができ製造性に優れる利点がある。

また、本考案のレールはレール３が取付台の装
着面に弾性材８を介挿して取付くことから、強い
打球の衝突を受けたとき、この衝撃を弾性材の収
縮によつて吸収することができ、また弾発力で押
圧復元されることからレール本体が変形すること
がなく常時一定の形状を保持して打球を正常に誘
導できる利点がある。

また一方、本考案レールは取付台と一体であつ
て、この取付台はレール装着面以外は自由な形状
を選択することができることから照明或は表示ラ
ンプのランプ室等を内部に備えることによつて、
従来個別に形成した照明用或は表示用のランプ設
備を組込むことが可能であり、装飾効果の上でも
有利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したもので、第１図
は使用状態を説明する正面図、第２図は要部の部
分拡大斜視図、第３図乃至第６図はその他の実施
例を示す要部の拡大断面図、第７図は他の実施例
の部分拡大縦断面図である。 ２……取付台、３……レール、３ｂ……係止
部、５……レール装着面、６……条溝、７……レ
ール保持部、８……弾性材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付台と帯板状レールとからなり、取付台は所
   要の厚みに形成してレール装着面を打球誘導線に
   沿つた弧状に形成し、該装着面に長手方向に沿つ
   て条溝を形成し、且つその縁部にレール保持部を
   設け、他方前記レールには両縁部に係止部を設け
   て上記レール保持部に係止させ前記レール装着面
   に沿つて付設せしめる一方、前記条溝には弾性材
   を嵌合縮設しレールの背面を押圧してなるパチン
   コ機の打球誘導レール。