JP2763092B2 - 情報記録媒体 - Google Patents
情報記録媒体Info
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- JP2763092B2 JP2763092B2 JP8053143A JP5314396A JP2763092B2 JP 2763092 B2 JP2763092 B2 JP 2763092B2 JP 8053143 A JP8053143 A JP 8053143A JP 5314396 A JP5314396 A JP 5314396A JP 2763092 B2 JP2763092 B2 JP 2763092B2
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- metal layer
- reflective metal
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- recording medium
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書き込み、或いは
読み出しにレーザー光を用いるビデオディスク、コンパ
クトディスク等レーザーディスク、すなわち光学式ディ
スク、或いは光磁気ディスクのような各種ディスクに適
用して好適な情報記録媒体に係わる。 【0002】 【従来の技術】通常一般のビデオディスク、コンパクト
ディスク等の再生のみを行ういわゆるROM型の情報記
録媒体、或いは追記型ディスクいわゆるWO型(ライト
・ワンス・ディスク)、または書き換えが自在な光学デ
ィスク、光磁気ディスク等の、レーザー光による情報の
読み出し或いは記録を行う各種情報記録媒体において、
その記録層の背面に反射金属層が設けられる構造を採る
ようにしたものが広く用いられている。 【0003】例えばROM型情報記録媒体例えば両面型
のビデオディスクでは、図5に示すようにポリカーボネ
ート等より成る透明基板1の1主面に情報ピット2、例
えば情報に応じた凹部が形成され、基板1の情報ピット
2を有する面にアルミニウムAlの蒸着膜より成る反射
金属層3が被着され、これの上に例えば紫外線硬化型の
アクリル樹脂より成る保護膜4が被覆されて成り、この
ようにそれぞれ情報ピット2を有する対の基板1が、そ
れぞれその保護膜4を被覆した側の面を接着剤5によっ
て貼り合わせて成る。そして、各情報ピット2に対し、
各ピットを有する側の基板1の背面より矢印aまたはb
で示すようにレーザー光を照射して各反射金属層3から
の反射光による干渉等によってピット2の有無、すなわ
ち情報の読み出しを行う。 【0004】ところが、この種Alより成る反射金属層
を有する情報記録媒体においては、ときとして、その光
学的特性が劣化して、例えば上述した読み出しの損失率
が大となる。また、WO型、或いは書き換え自在な情報
記録媒体においては、その書き込み、および読み出しの
特性が著しく劣化する場合がある。これはAlによる反
射金属層3が腐蝕して反射率の低下を来したり再結晶化
によりその平面性すなわちその機械的特性を劣化させる
ことに基く。例えばAl耐蝕性は、高純度のAlを用い
ることによって或る程度の改善は、はかられるものの、
結晶成長性の回避ははかることができない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな反射金属層を具備する情報記録媒体において、反射
金属層の化学的安定性と、更に機械的安定性すなわち平
面ないしは鏡面性の形状安定化をはかり、もって光学的
特性の安定化をはかる。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、反射金属層を
有する情報記録媒体において、その反射金属層を、特に
少なくともTiを0.3〜3.0重量%含むAlを主体
とし、Pdが0.01〜0.3重量%、Mnが0.1〜
1.0重量%、Mgが0.1〜1.0重量%、Siが
0.1〜1.0重量%の範囲でいづれか1種以上添加さ
れた合金層を、例えば真空蒸着、スパッタリング等の気
相成膜法によって形成する。 【0007】上述した組成による反射金属層を有する情
報記録媒体は、安定したすぐれた特性を有する。これ
は、上述の組成による反射金属層が化学的安定性が向上
することから耐蝕性にすぐれていることと、結晶成長が
生じにくいこと、つまり、反射金属層の結晶の微細化が
はかられ、反射金属層自体の平面性が改善されると共
に、微細化による反射金属層の破壊応力も上昇するの
で、再結晶化が回避されるものであり、この再結晶化に
よる平面性劣化、したがって機械的特性の劣化を防止で
きるものである。しかしながら、この反射金属層におい
て、Tiが0.3重量%未満では、上述した耐蝕性およ
び結晶成長の回避の効果が生じにくく、また余り多くな
るとTiの偏析が生じ、光学的特性、すなわち均一で高
い反射の特性が得難くなってくることを認めたものであ
り、ここに本発明において、反射金属層のTiの含有率
を0.3〜3重量%に選定する。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明においては、情報記録媒体を構成する反射金属層
を、Alを主体とし、Tiを0.3〜3.0重量%含む
Al−Ti合金であって、これにPdが0.1〜0.3
重量%、Mnが0.1〜1.0重量%、Mgが0.1〜
1.0重量%、Siが0.1〜1.0重量%の範囲でい
づれか1種以上添加された合金を、例えば蒸着あるいは
スパッタリングすることによって形成する。 【0009】〔実施例1〕図2に示すように、ポリカー
ボネートより成る透明基板1上に、上述の合金ターゲッ
トを用いてスパッタリングによって厚さ1000Åの反
射金属層3を被着形成した。 【0010】〔参考例1〕ポリカーボネートより成る透
明基板1上に、Al−Ti合金ターゲットを用いてスパ
ッタリングによって厚さ1000Åの反射金属層3を被
着形成し反射金属層3を形成した。そして、このAl−
Tiにおいて、そのTiの含有量を0.1〜10重量%
の間で変化させて得た各試料と、更に比較のためにTi
を添加しないAlの99.99%による反射金属層3を
作製した場合と、Tiを10重量%を越える15重量%
とした各試料を作製した。 【0011】各試料について次に説明する検査法Iによ
って腐蝕検査を行った。その結果を図4の表に示す。こ
の検査法Iとは、各試料についてHCl(pH1)の腐
蝕性溶液に反射性金属層3を30分間浸漬した後に各試
料の反射金属層3に対するレーザー光(波長800n
m)の光透過量を測定した。すなわち、腐蝕の度合が大
きいほど光透過率は増加して反射膜としての機能が低下
する。図4においては、5%未満のものを◎印、20%
未満のものを○印、20%以上を×印として示した。 【0012】〔実施例2〕図1に示すように、凹部の形
成による情報ピット2を有するポリカーボネートより成
る基板1上に、実施例1と同様の方法によって反射金属
層3を被着形成し、これの上に紫外線硬化型アクリル樹
脂の保護膜4を10μmの厚さに被着してROM型の情
報記録媒体を作製した。 【0013】〔参考例2〕図1に示すように、凹部の形
成による情報ピット2を有するポリカーボネートより成
る基板1上に、実施例1と同様の方法によってAl−T
iによる反射金属層3を形成した。この場合において、
その組成を変えた各試料を作製した。これら各試料につ
いて下記の腐蝕検査法IIによって腐蝕検査した結果を図
4に示す。この検査法IIは、保護膜4側から反射金属層
3に至る深さの引っ掻き傷を形成し、その後、pH1の
希塩酸水溶液中に30分間浸漬した後、70℃で相対湿
度90%の雰囲気中で1週間保持してその後に上記引っ
掻き傷からの線上腐蝕長さの測定によって腐蝕の程度を
判断した。図4において◎印は腐蝕速度が5mm/週未
満の場合、○印は10mm/週未満の場合、×印は10
mm/週以上の場合を示す。 【0014】〔実施例3〕図3に示すように、ポリカー
ボネートより成る基板1上に、Sb2 Se3 より成る第
1の層11と、Bi2 Te3 より成る第2の層12と、
Sb2 Se3 より成る第3の層13とを順次スパッタリ
ングして情報記録層14を作製した。これの上に実施例
1と同様に反射金属層3を被着して情報記録媒体を作製
した。この媒体は記録層14にレーザー光を照射するこ
とによって、その光反射率特性を変化させてその記録を
行うようにしたWO型による光学ディスクとして用いら
れるものである。 【0015】〔参考例3〕図3に示すように、ポリカー
ボネートより成る基板1上に、Sb2 Se3 より成る第
1の層11と、Bi2 Te3 より成る第2の層12と、
Sb2 Se3 より成る第3の層13とを順次スパッタリ
ングして情報記録層14を作製した。これの上にAl−
Ti反射金属層3を形成し、その組成を変えた各試料を
作製し、それぞれについて下記検査法III によって腐蝕
の程度を検査した。そして、その検査結果を図4に示し
た。 【0016】検査法III は、各試料を70℃、相対湿度
90%で1320時間保持し、その腐蝕および再結晶す
なわち凹凸の発生の有無および程度を、読み出しビット
損失率(error rate)増加によって判断した。図4にお
いて◎印は、このビット損失率が1×10-6未満の場
合、○印は1×10-6以上1×10-5未満、×印は1×
10-5以上の場合である。 【0017】〔参考例4〕参考例1と同様の方法によっ
て各試料を作製し、それぞれについて70℃の加熱下で
スパイクノイズの発生が生ずる迄の時間を測定した。そ
の結果を図4に示す。同図において、◎印は1年経過後
でも未だ発生していない場合、○印は3ヵ月経過で発生
した場合、△印は1ヵ月以内で発生した場合である。 【0018】図4から分かるようにTi量が0.1重量
%〜10.0重量%、より好ましくは0.3重量%〜
3.0重量%のAl−Ti反射金属層とするとき、特に
耐蝕性にすぐれ、結晶化による凹凸、すなわち再結晶化
が抑制された。したがって経時変化が小さく安定した特
性を有する。 【0019】そして、特に本発明によるAlを主体と
し、Ti0.3〜3.0重量%として、Pdが0.01
〜0,3重量%、Mnが0.1〜1.0重量%、Mgが
0.1〜1.0重量%、Siが0.1〜1.0重量%の
範囲で、これら1種以上を添加した各合金によって反射
金属層3を形成することによって、図4におけるTiを
0.5重量%より大で10重量%以下とした場合と同等
にすぐれた効果が得られた。 【0020】また、本発明による情報記録媒体は、図5
で説明したように、反射金属層を有する2枚の基板を貼
り合わせた構造による情報記録媒体に適用することがで
きることは云うまでもない。 【0021】 【発明の効果】上述したように本発明によれば、反射金
属層3の組成比を特定することによって耐蝕性等の化学
的特性はもとより機械的特性すなわち平面性、鏡面性に
関し、長時間の高温、高湿に対して安定性を示す耐候性
を有する反射金属層を構成できるものであり、したがっ
て経時変化のおそれを効果的に回避した情報記録媒体を
構成できるものであり、各種光学ディスク、光磁気ディ
スク等の反射膜を具備する情報記録媒体に適用してその
利益は極めて大きい。
読み出しにレーザー光を用いるビデオディスク、コンパ
クトディスク等レーザーディスク、すなわち光学式ディ
スク、或いは光磁気ディスクのような各種ディスクに適
用して好適な情報記録媒体に係わる。 【0002】 【従来の技術】通常一般のビデオディスク、コンパクト
ディスク等の再生のみを行ういわゆるROM型の情報記
録媒体、或いは追記型ディスクいわゆるWO型(ライト
・ワンス・ディスク)、または書き換えが自在な光学デ
ィスク、光磁気ディスク等の、レーザー光による情報の
読み出し或いは記録を行う各種情報記録媒体において、
その記録層の背面に反射金属層が設けられる構造を採る
ようにしたものが広く用いられている。 【0003】例えばROM型情報記録媒体例えば両面型
のビデオディスクでは、図5に示すようにポリカーボネ
ート等より成る透明基板1の1主面に情報ピット2、例
えば情報に応じた凹部が形成され、基板1の情報ピット
2を有する面にアルミニウムAlの蒸着膜より成る反射
金属層3が被着され、これの上に例えば紫外線硬化型の
アクリル樹脂より成る保護膜4が被覆されて成り、この
ようにそれぞれ情報ピット2を有する対の基板1が、そ
れぞれその保護膜4を被覆した側の面を接着剤5によっ
て貼り合わせて成る。そして、各情報ピット2に対し、
各ピットを有する側の基板1の背面より矢印aまたはb
で示すようにレーザー光を照射して各反射金属層3から
の反射光による干渉等によってピット2の有無、すなわ
ち情報の読み出しを行う。 【0004】ところが、この種Alより成る反射金属層
を有する情報記録媒体においては、ときとして、その光
学的特性が劣化して、例えば上述した読み出しの損失率
が大となる。また、WO型、或いは書き換え自在な情報
記録媒体においては、その書き込み、および読み出しの
特性が著しく劣化する場合がある。これはAlによる反
射金属層3が腐蝕して反射率の低下を来したり再結晶化
によりその平面性すなわちその機械的特性を劣化させる
ことに基く。例えばAl耐蝕性は、高純度のAlを用い
ることによって或る程度の改善は、はかられるものの、
結晶成長性の回避ははかることができない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな反射金属層を具備する情報記録媒体において、反射
金属層の化学的安定性と、更に機械的安定性すなわち平
面ないしは鏡面性の形状安定化をはかり、もって光学的
特性の安定化をはかる。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、反射金属層を
有する情報記録媒体において、その反射金属層を、特に
少なくともTiを0.3〜3.0重量%含むAlを主体
とし、Pdが0.01〜0.3重量%、Mnが0.1〜
1.0重量%、Mgが0.1〜1.0重量%、Siが
0.1〜1.0重量%の範囲でいづれか1種以上添加さ
れた合金層を、例えば真空蒸着、スパッタリング等の気
相成膜法によって形成する。 【0007】上述した組成による反射金属層を有する情
報記録媒体は、安定したすぐれた特性を有する。これ
は、上述の組成による反射金属層が化学的安定性が向上
することから耐蝕性にすぐれていることと、結晶成長が
生じにくいこと、つまり、反射金属層の結晶の微細化が
はかられ、反射金属層自体の平面性が改善されると共
に、微細化による反射金属層の破壊応力も上昇するの
で、再結晶化が回避されるものであり、この再結晶化に
よる平面性劣化、したがって機械的特性の劣化を防止で
きるものである。しかしながら、この反射金属層におい
て、Tiが0.3重量%未満では、上述した耐蝕性およ
び結晶成長の回避の効果が生じにくく、また余り多くな
るとTiの偏析が生じ、光学的特性、すなわち均一で高
い反射の特性が得難くなってくることを認めたものであ
り、ここに本発明において、反射金属層のTiの含有率
を0.3〜3重量%に選定する。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明においては、情報記録媒体を構成する反射金属層
を、Alを主体とし、Tiを0.3〜3.0重量%含む
Al−Ti合金であって、これにPdが0.1〜0.3
重量%、Mnが0.1〜1.0重量%、Mgが0.1〜
1.0重量%、Siが0.1〜1.0重量%の範囲でい
づれか1種以上添加された合金を、例えば蒸着あるいは
スパッタリングすることによって形成する。 【0009】〔実施例1〕図2に示すように、ポリカー
ボネートより成る透明基板1上に、上述の合金ターゲッ
トを用いてスパッタリングによって厚さ1000Åの反
射金属層3を被着形成した。 【0010】〔参考例1〕ポリカーボネートより成る透
明基板1上に、Al−Ti合金ターゲットを用いてスパ
ッタリングによって厚さ1000Åの反射金属層3を被
着形成し反射金属層3を形成した。そして、このAl−
Tiにおいて、そのTiの含有量を0.1〜10重量%
の間で変化させて得た各試料と、更に比較のためにTi
を添加しないAlの99.99%による反射金属層3を
作製した場合と、Tiを10重量%を越える15重量%
とした各試料を作製した。 【0011】各試料について次に説明する検査法Iによ
って腐蝕検査を行った。その結果を図4の表に示す。こ
の検査法Iとは、各試料についてHCl(pH1)の腐
蝕性溶液に反射性金属層3を30分間浸漬した後に各試
料の反射金属層3に対するレーザー光(波長800n
m)の光透過量を測定した。すなわち、腐蝕の度合が大
きいほど光透過率は増加して反射膜としての機能が低下
する。図4においては、5%未満のものを◎印、20%
未満のものを○印、20%以上を×印として示した。 【0012】〔実施例2〕図1に示すように、凹部の形
成による情報ピット2を有するポリカーボネートより成
る基板1上に、実施例1と同様の方法によって反射金属
層3を被着形成し、これの上に紫外線硬化型アクリル樹
脂の保護膜4を10μmの厚さに被着してROM型の情
報記録媒体を作製した。 【0013】〔参考例2〕図1に示すように、凹部の形
成による情報ピット2を有するポリカーボネートより成
る基板1上に、実施例1と同様の方法によってAl−T
iによる反射金属層3を形成した。この場合において、
その組成を変えた各試料を作製した。これら各試料につ
いて下記の腐蝕検査法IIによって腐蝕検査した結果を図
4に示す。この検査法IIは、保護膜4側から反射金属層
3に至る深さの引っ掻き傷を形成し、その後、pH1の
希塩酸水溶液中に30分間浸漬した後、70℃で相対湿
度90%の雰囲気中で1週間保持してその後に上記引っ
掻き傷からの線上腐蝕長さの測定によって腐蝕の程度を
判断した。図4において◎印は腐蝕速度が5mm/週未
満の場合、○印は10mm/週未満の場合、×印は10
mm/週以上の場合を示す。 【0014】〔実施例3〕図3に示すように、ポリカー
ボネートより成る基板1上に、Sb2 Se3 より成る第
1の層11と、Bi2 Te3 より成る第2の層12と、
Sb2 Se3 より成る第3の層13とを順次スパッタリ
ングして情報記録層14を作製した。これの上に実施例
1と同様に反射金属層3を被着して情報記録媒体を作製
した。この媒体は記録層14にレーザー光を照射するこ
とによって、その光反射率特性を変化させてその記録を
行うようにしたWO型による光学ディスクとして用いら
れるものである。 【0015】〔参考例3〕図3に示すように、ポリカー
ボネートより成る基板1上に、Sb2 Se3 より成る第
1の層11と、Bi2 Te3 より成る第2の層12と、
Sb2 Se3 より成る第3の層13とを順次スパッタリ
ングして情報記録層14を作製した。これの上にAl−
Ti反射金属層3を形成し、その組成を変えた各試料を
作製し、それぞれについて下記検査法III によって腐蝕
の程度を検査した。そして、その検査結果を図4に示し
た。 【0016】検査法III は、各試料を70℃、相対湿度
90%で1320時間保持し、その腐蝕および再結晶す
なわち凹凸の発生の有無および程度を、読み出しビット
損失率(error rate)増加によって判断した。図4にお
いて◎印は、このビット損失率が1×10-6未満の場
合、○印は1×10-6以上1×10-5未満、×印は1×
10-5以上の場合である。 【0017】〔参考例4〕参考例1と同様の方法によっ
て各試料を作製し、それぞれについて70℃の加熱下で
スパイクノイズの発生が生ずる迄の時間を測定した。そ
の結果を図4に示す。同図において、◎印は1年経過後
でも未だ発生していない場合、○印は3ヵ月経過で発生
した場合、△印は1ヵ月以内で発生した場合である。 【0018】図4から分かるようにTi量が0.1重量
%〜10.0重量%、より好ましくは0.3重量%〜
3.0重量%のAl−Ti反射金属層とするとき、特に
耐蝕性にすぐれ、結晶化による凹凸、すなわち再結晶化
が抑制された。したがって経時変化が小さく安定した特
性を有する。 【0019】そして、特に本発明によるAlを主体と
し、Ti0.3〜3.0重量%として、Pdが0.01
〜0,3重量%、Mnが0.1〜1.0重量%、Mgが
0.1〜1.0重量%、Siが0.1〜1.0重量%の
範囲で、これら1種以上を添加した各合金によって反射
金属層3を形成することによって、図4におけるTiを
0.5重量%より大で10重量%以下とした場合と同等
にすぐれた効果が得られた。 【0020】また、本発明による情報記録媒体は、図5
で説明したように、反射金属層を有する2枚の基板を貼
り合わせた構造による情報記録媒体に適用することがで
きることは云うまでもない。 【0021】 【発明の効果】上述したように本発明によれば、反射金
属層3の組成比を特定することによって耐蝕性等の化学
的特性はもとより機械的特性すなわち平面性、鏡面性に
関し、長時間の高温、高湿に対して安定性を示す耐候性
を有する反射金属層を構成できるものであり、したがっ
て経時変化のおそれを効果的に回避した情報記録媒体を
構成できるものであり、各種光学ディスク、光磁気ディ
スク等の反射膜を具備する情報記録媒体に適用してその
利益は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】情報記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図
である。 【図2】情報記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図
である。 【図3】情報記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図
である。 【図4】各情報記録媒体の特性検査結果を示す表図であ
る。 【図5】情報記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図
である。 【符号の説明】 1 透明基板、2 情報ビット、3 反射金属層、4
保護膜、14 記録層
である。 【図2】情報記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図
である。 【図3】情報記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図
である。 【図4】各情報記録媒体の特性検査結果を示す表図であ
る。 【図5】情報記録媒体の一例の要部の略線的拡大断面図
である。 【符号の説明】 1 透明基板、2 情報ビット、3 反射金属層、4
保護膜、14 記録層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 笹岡 龍哉
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ
ニー株式会社内
(56)参考文献 特開 昭61−183433(JP,A)
特開 昭59−38781(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
G11B 7/24 538
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.反射金属層を有する情報記録媒体において、 上記反射金属膜層が、Alを主体としてTiが0.3〜
3.0重量%含有し、 Pdが0.01〜0.3重量%、Mnが0.1〜1.0
重量%、Mgが0.1〜1.0重量%、Siが0.1〜
1.0重量%の範囲でこれら1種類以上を添加した合金
よりなることを特徴とする情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8053143A JP2763092B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8053143A JP2763092B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 情報記録媒体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27629785A Division JPH0719396B2 (ja) | 1985-12-09 | 1985-12-09 | 情報記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08241536A JPH08241536A (ja) | 1996-09-17 |
JP2763092B2 true JP2763092B2 (ja) | 1998-06-11 |
Family
ID=12934616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8053143A Expired - Lifetime JP2763092B2 (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | 情報記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2763092B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0719396B2 (ja) * | 1985-12-09 | 1995-03-06 | ソニー株式会社 | 情報記録媒体 |
-
1996
- 1996-03-11 JP JP8053143A patent/JP2763092B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08241536A (ja) | 1996-09-17 |
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