JP2002092959A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基板上に積層成膜される光反射層が銀を主成
分とする銀−銅系の合金に、更に他の元素が添加されて
なる合金層を光反射層とする銀反射放熱層の化学的安定
性が向上し、優れた信頼性と耐久性を発揮させる相変化
型光ディスク、光磁気型ディスク、有機色素型追記光デ
ィスク等の光記録媒体を提供することである。 【解決手段】 基板上に積層成膜される光反射層が、銀
を主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体
において、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素としてAl、Zn、C
d、Sn、Sb、Ir等の1種又は2種以上の元素0.
5〜30重量%範囲である光記録媒体である。
分とする銀−銅系の合金に、更に他の元素が添加されて
なる合金層を光反射層とする銀反射放熱層の化学的安定
性が向上し、優れた信頼性と耐久性を発揮させる相変化
型光ディスク、光磁気型ディスク、有機色素型追記光デ
ィスク等の光記録媒体を提供することである。 【解決手段】 基板上に積層成膜される光反射層が、銀
を主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体
において、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素としてAl、Zn、C
d、Sn、Sb、Ir等の1種又は2種以上の元素0.
5〜30重量%範囲である光記録媒体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体に関
し、より詳細には、基板上に積層成膜される光反射層が
銀を主成分とする銀−銅系の合金に、更に他の元素が添
加されてなる合金層を光反射層とする光記録媒体に関す
る。
し、より詳細には、基板上に積層成膜される光反射層が
銀を主成分とする銀−銅系の合金に、更に他の元素が添
加されてなる合金層を光反射層とする光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、光記録媒体の光反射層とし
て、金やアルミニウム合金が広く用いられている中で、
近年、光反射性に優れ、金等に比べて低廉である銀合金
が用いられている。
て、金やアルミニウム合金が広く用いられている中で、
近年、光反射性に優れ、金等に比べて低廉である銀合金
が用いられている。
【0003】すなわち、金は化学的に安定で光反射率も
高く、熱伝導率も高いことから、CD−Rなどに用いら
れていた。しかしながら、金は高価であることから、安
価で比較的高い光反射率を有するアルミニウム合金が、
CD、DVD、MO及びCD−RW等の記録系の光ディ
スクにも広く用いられている。一方、銀は、金同様に反
射率や熱伝導率が大きいことから、すべての光ディスク
に有用とされ、また、金に比べて安価な金属である。
高く、熱伝導率も高いことから、CD−Rなどに用いら
れていた。しかしながら、金は高価であることから、安
価で比較的高い光反射率を有するアルミニウム合金が、
CD、DVD、MO及びCD−RW等の記録系の光ディ
スクにも広く用いられている。一方、銀は、金同様に反
射率や熱伝導率が大きいことから、すべての光ディスク
に有用とされ、また、金に比べて安価な金属である。
【0004】また、このような合金系の光反射層を基板
上に成膜させる一般的なスパッタリング法において、銀
のその成膜レートは、アルミニウムの約3倍はやく高速
で成膜できる。ところが、従来から周知の如く、銀は、
化学的安定性に劣り光ディスクに用いた場合、その信頼
性が落ちるため、これを解消させるためから、銀に高価
なPdを添加した銀−Pd合金が提案されていた。
上に成膜させる一般的なスパッタリング法において、銀
のその成膜レートは、アルミニウムの約3倍はやく高速
で成膜できる。ところが、従来から周知の如く、銀は、
化学的安定性に劣り光ディスクに用いた場合、その信頼
性が落ちるため、これを解消させるためから、銀に高価
なPdを添加した銀−Pd合金が提案されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況にあ
って、光記録媒体に設けられている光反射層において
は、銀の光反射率が、金と同等で、また、金以上の熱伝
導率を有していることから、銀反射層を用いた光ディス
クでは、特に再生専用型、記録型を問わず、優れた初期
特性を発揮することが知られている。
って、光記録媒体に設けられている光反射層において
は、銀の光反射率が、金と同等で、また、金以上の熱伝
導率を有していることから、銀反射層を用いた光ディス
クでは、特に再生専用型、記録型を問わず、優れた初期
特性を発揮することが知られている。
【0006】しかしながら、既に上述する如く、銀は化
学的に安定でなく、光記録媒体の光反射層に用いた場合
に、その隣接する層からの各種物質による化学的な影響
や、置かれている環境下において、特に取り込まれる水
分等の影響を受けて特性変化を来しやすい。これによっ
て、光記録媒体を長期に使用した場合に、特に光反射率
が低下して再生できなくなることや、再生時のエラー発
生が多くなる等の課題を多く抱えているのが実状であ
る。そこで、既に上述した如く、銀の化学的安定性を向
上させるために、従来から高価なパラジウムやロジウム
等を添加した銀合金が検討されていたのである。
学的に安定でなく、光記録媒体の光反射層に用いた場合
に、その隣接する層からの各種物質による化学的な影響
や、置かれている環境下において、特に取り込まれる水
分等の影響を受けて特性変化を来しやすい。これによっ
て、光記録媒体を長期に使用した場合に、特に光反射率
が低下して再生できなくなることや、再生時のエラー発
生が多くなる等の課題を多く抱えているのが実状であ
る。そこで、既に上述した如く、銀の化学的安定性を向
上させるために、従来から高価なパラジウムやロジウム
等を添加した銀合金が検討されていたのである。
【0007】従って、本発明の目的は、このような従来
の課題に鑑み、アルミニウム合金より反射率が高く、高
速成膜性に優れ、しかも、金や銀のパラジウム又はロジ
ウム合金等よりも安価である銀合金系の光反射層を用い
てなる光記録媒体を提供することである。
の課題に鑑み、アルミニウム合金より反射率が高く、高
速成膜性に優れ、しかも、金や銀のパラジウム又はロジ
ウム合金等よりも安価である銀合金系の光反射層を用い
てなる光記録媒体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上から、本発明によれ
ば、基板上に積層成膜される銀−銅系の合金に、更に他
の元素種を添加することで、銀の高反射率、高熱伝導率
及び高速成膜性等の特性を損なわず、しかも、化学的安
定性等が一層向上させることができる安価な銀−銅系の
合金を光反射層とする光記録媒体を提供する。
ば、基板上に積層成膜される銀−銅系の合金に、更に他
の元素種を添加することで、銀の高反射率、高熱伝導率
及び高速成膜性等の特性を損なわず、しかも、化学的安
定性等が一層向上させることができる安価な銀−銅系の
合金を光反射層とする光記録媒体を提供する。
【0009】この本発明による光反射層は、銀元素を主
成分とする銀−銅系の合金に、更に他の添加元素とし
て、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、錫、アンチモン
及びイリジウムの群から選ばれた1種の元素、又はこれ
らの群から選ばれた2種以上の元素を添加してなる合金
層であることが特徴である。
成分とする銀−銅系の合金に、更に他の添加元素とし
て、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、錫、アンチモン
及びイリジウムの群から選ばれた1種の元素、又はこれ
らの群から選ばれた2種以上の元素を添加してなる合金
層であることが特徴である。
【0010】すなはち、基板上に積層成膜される光反射
層が、その元素組成比(at%)で表して、主構成成分
が、銀元素100重量%に対して、銅元素が4〜15重
量%の範囲にある銀−銅系の合金に、更に上述する添加
元素の何れか1種、又は何れか2種以上の元素を0.1
〜30重量%の範囲で含有する銀―銅系の合金層であ
る。
層が、その元素組成比(at%)で表して、主構成成分
が、銀元素100重量%に対して、銅元素が4〜15重
量%の範囲にある銀−銅系の合金に、更に上述する添加
元素の何れか1種、又は何れか2種以上の元素を0.1
〜30重量%の範囲で含有する銀―銅系の合金層であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】これによって、本発明による基板
上に積層成膜される光反射層は、銀の高反射率、高熱伝
導率及び高速成膜性等の特性を損なわず、しかも、従来
の銀合金では達成しえなかった化学的安定性を著しく向
上させることを可能にさせたものである。
上に積層成膜される光反射層は、銀の高反射率、高熱伝
導率及び高速成膜性等の特性を損なわず、しかも、従来
の銀合金では達成しえなかった化学的安定性を著しく向
上させることを可能にさせたものである。
【0012】そこで、本発明による銀−銅系の合金にお
いて、銀100重量%に対して、好ましくは、銅が4〜
15重量%の範囲にあることが好適である。その含有率
が4重量%未満では、銀に化学的安定性を付与すること
ができず、一方、その含有率が15重量%を超えると、
光学定数が銀と大きく異なってきて光ディスクの光学設
計が難しくなり好ましくない。
いて、銀100重量%に対して、好ましくは、銅が4〜
15重量%の範囲にあることが好適である。その含有率
が4重量%未満では、銀に化学的安定性を付与すること
ができず、一方、その含有率が15重量%を超えると、
光学定数が銀と大きく異なってきて光ディスクの光学設
計が難しくなり好ましくない。
【0013】また、本発明においては、このような主構
成元素の銀−銅系の合金に、アルミニウム、亜鉛、カド
ミウム、錫、アンチモン等を元素を添加することで、更
に銀の化学的安定性を向上させているのである。これら
の添加元素も添加量が多すぎると、反射層の光学定数が
銀とは異なってきて光記録媒体としての反射率の低下な
どを引き起こすので好ましくない。
成元素の銀−銅系の合金に、アルミニウム、亜鉛、カド
ミウム、錫、アンチモン等を元素を添加することで、更
に銀の化学的安定性を向上させているのである。これら
の添加元素も添加量が多すぎると、反射層の光学定数が
銀とは異なってきて光記録媒体としての反射率の低下な
どを引き起こすので好ましくない。
【0014】本発明の光記録媒体は、再生専用型、追記
型、書き換え型いずれのタイプの光記録媒体にも適用で
きる。いずれの光記録媒体も反射膜の成膜には、一般的
に用いられているスパッタリング法で適宜成膜でき、し
かも、本発明による銀―銅系の合金は、銀としての高い
この成膜レートを損ねないことから、この銀−銅系の合
金は、上述する記録媒体に対し、高い生産性を発揮する
ことができる。
型、書き換え型いずれのタイプの光記録媒体にも適用で
きる。いずれの光記録媒体も反射膜の成膜には、一般的
に用いられているスパッタリング法で適宜成膜でき、し
かも、本発明による銀―銅系の合金は、銀としての高い
この成膜レートを損ねないことから、この銀−銅系の合
金は、上述する記録媒体に対し、高い生産性を発揮する
ことができる。
【0015】以下に、本発明による光記録媒体の実施の
形態を図1〜5を参照して説明する。そこで、図1にお
いて、相変化型光記録媒体(ディスク)の概念断面構造
図で、基板1上に、第1保護層2−相変化型記録層3−
第2保護層4−光反射層(放熱層)5−樹脂保護層6の
順に積層成膜されている。なお、DVD系の光ディスク
ではこれが2枚貼り合わされた構造になる。また、本発
明において、誘電体第1保護層2、相変化型記録層3、
誘電体第2保護層4、光反射層5等は、適宜好適にスパ
ッタリング法で真空中で連続成膜される。また、成膜方
法として、イオンプレーティングや、真空蒸着等の用い
られるが、コスト、成膜の制御性等から、マグネトロン
スパッタリング法が好適である。
形態を図1〜5を参照して説明する。そこで、図1にお
いて、相変化型光記録媒体(ディスク)の概念断面構造
図で、基板1上に、第1保護層2−相変化型記録層3−
第2保護層4−光反射層(放熱層)5−樹脂保護層6の
順に積層成膜されている。なお、DVD系の光ディスク
ではこれが2枚貼り合わされた構造になる。また、本発
明において、誘電体第1保護層2、相変化型記録層3、
誘電体第2保護層4、光反射層5等は、適宜好適にスパ
ッタリング法で真空中で連続成膜される。また、成膜方
法として、イオンプレーティングや、真空蒸着等の用い
られるが、コスト、成膜の制御性等から、マグネトロン
スパッタリング法が好適である。
【0016】基板1は、記録再生用の光が透過する透明
な物質であり、一般的にはポリカーボネート樹脂やガラ
スが用いられる。その基板厚さは、例えば、CD系は
1.2mm、DVD系は0.6mmである。また、基板
にはアドレス情報を記録したり、トラッキングサーボの
ために、凹凸のピットやグルーブが形成される。また、
通常、スパッタリング法で形成され誘電体第1保護層2
は、相変化型ディスクの場合は、ZnS−SiO2 やT
aOxが一般的であり、光学的に透明で記録膜を水分や
ガスから遮断する能力が求められる。
な物質であり、一般的にはポリカーボネート樹脂やガラ
スが用いられる。その基板厚さは、例えば、CD系は
1.2mm、DVD系は0.6mmである。また、基板
にはアドレス情報を記録したり、トラッキングサーボの
ために、凹凸のピットやグルーブが形成される。また、
通常、スパッタリング法で形成され誘電体第1保護層2
は、相変化型ディスクの場合は、ZnS−SiO2 やT
aOxが一般的であり、光学的に透明で記録膜を水分や
ガスから遮断する能力が求められる。
【0017】その膜厚は、通常、40〜250nmの範
囲で、例えば、CD系は40〜90nm、DVD系は5
0〜100nmが一般的である。光学的な光閉じ込め
と、基板への熱遮断および記録膜へのガスや水分の遮断
等の観点から、この膜厚が決定され、従って、例えば、
記録・再生の光波長が変われば膜厚も変化する。
囲で、例えば、CD系は40〜90nm、DVD系は5
0〜100nmが一般的である。光学的な光閉じ込め
と、基板への熱遮断および記録膜へのガスや水分の遮断
等の観点から、この膜厚が決定され、従って、例えば、
記録・再生の光波長が変われば膜厚も変化する。
【0018】また、相変化型記録層3は、記録時の熱に
よって光学定数が変化し、その記録マークを形成する物
質としては、例えば、GeSbTe、InSbTe、A
gInSbTe等が挙げられる。これらのカルコゲナイ
ド化合物は、結晶と非晶質状態で記録、未記録の違いを
作り、再生する。
よって光学定数が変化し、その記録マークを形成する物
質としては、例えば、GeSbTe、InSbTe、A
gInSbTe等が挙げられる。これらのカルコゲナイ
ド化合物は、結晶と非晶質状態で記録、未記録の違いを
作り、再生する。
【0019】また、その膜厚は、通常、5〜100nm
範囲で、好ましくは、12〜30nmであることが好適
である。この膜厚が上限値より厚すぎると、記録時の熱
干渉が大きくなり、小さなマークの大きさのばらつきが
大きくなって、信号の時間軸揺らぎが大きくなってエラ
ー率が大きくなる傾向にある。一方、下限値より薄すぎ
ると、再生光での弱い熱でも記録マークが熱揺らぎを引
き起こして消去されやすくなり好ましくない。
範囲で、好ましくは、12〜30nmであることが好適
である。この膜厚が上限値より厚すぎると、記録時の熱
干渉が大きくなり、小さなマークの大きさのばらつきが
大きくなって、信号の時間軸揺らぎが大きくなってエラ
ー率が大きくなる傾向にある。一方、下限値より薄すぎ
ると、再生光での弱い熱でも記録マークが熱揺らぎを引
き起こして消去されやすくなり好ましくない。
【0020】この記録層の組成は、目的によって異なる
が、一般的にはGe2 Sb2 Te5In3 SbTe2 の
元素組成の化合物であり、書き換え型CDではAg10I
n10Sb55Te25(at%)が好適に使われている。
が、一般的にはGe2 Sb2 Te5In3 SbTe2 の
元素組成の化合物であり、書き換え型CDではAg10I
n10Sb55Te25(at%)が好適に使われている。
【0021】また、誘電体第2保護層4は、第1保護層
2とほぼ同じ特性が求められ、一般的には第1保護層2
と同じ材料を用いる。膜厚は10〜100nm範囲で、
記録時の熱を記録層から速やかに光反射層(放熱層)へ
流すため、好ましく、10〜30nm範囲の厚さである
ことが好適である。
2とほぼ同じ特性が求められ、一般的には第1保護層2
と同じ材料を用いる。膜厚は10〜100nm範囲で、
記録時の熱を記録層から速やかに光反射層(放熱層)へ
流すため、好ましく、10〜30nm範囲の厚さである
ことが好適である。
【0022】記録密度や繰り返し書き換えをあまり重視
しない場合は、この誘電体第2保護層4を厚くしても良
い。この場合、記録感度が良くなる。また、記録マーク
と消去部の反射率がほぼ同等で位相差が大きく、消し残
りの生じにくい位相差再生メディアを作ることができ
る。
しない場合は、この誘電体第2保護層4を厚くしても良
い。この場合、記録感度が良くなる。また、記録マーク
と消去部の反射率がほぼ同等で位相差が大きく、消し残
りの生じにくい位相差再生メディアを作ることができ
る。
【0023】本発明による光記録媒体は、光反射層(放
熱層)が、既に上述した如くの銀−銅系の合金であり、
耐食性が向上させてはいるが、従来から公知のAl合金
系ほどでない。従って、この誘電体第2保護層には硫黄
を含むZnS−SiO2 はあまり好ましくなく、例え
ば、AlN、GeN等の窒化物や、TaOxのような酸
化物が好ましい。
熱層)が、既に上述した如くの銀−銅系の合金であり、
耐食性が向上させてはいるが、従来から公知のAl合金
系ほどでない。従って、この誘電体第2保護層には硫黄
を含むZnS−SiO2 はあまり好ましくなく、例え
ば、AlN、GeN等の窒化物や、TaOxのような酸
化物が好ましい。
【0024】また、光反射層5(放熱層)は、上述した
如く、通常スパッタリング法で形成され、既に上述した
如く、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%を含有
し、更にアルミニウム、亜鉛、カドウム、錫、アンチモ
ン、イリジウムの群から選ばれた1種の元素又はこれら
の2種以上の元素を0.1〜5重量%範囲で添加してな
る銀―銅系の合金である。なお、この添加元素がアルミ
ニウムの場合は、30重量%まで添加することができ
る。それは、アルミニウムが、光学特性、熱特性も銀の
次に優れているからであるが、あまり多いとスパッタリ
ングのレートが下がり、好ましくない。
如く、通常スパッタリング法で形成され、既に上述した
如く、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%を含有
し、更にアルミニウム、亜鉛、カドウム、錫、アンチモ
ン、イリジウムの群から選ばれた1種の元素又はこれら
の2種以上の元素を0.1〜5重量%範囲で添加してな
る銀―銅系の合金である。なお、この添加元素がアルミ
ニウムの場合は、30重量%まで添加することができ
る。それは、アルミニウムが、光学特性、熱特性も銀の
次に優れているからであるが、あまり多いとスパッタリ
ングのレートが下がり、好ましくない。
【0025】この膜厚は、光反射率の面から、好ましく
は、50nm程度あれば十分であるが、放熱の面からは
これより厚い方が好適で、通常、80〜250nm範囲
である。あまり厚すぎるのは生産上、タクトが長くなり
好ましくない。また、反射率、放熱の面からは純銀が最
良である。したがって銀以外の物はあまり入れない方が
良い。耐腐食性の面から上記の組成範囲が反射率と両立
できる範囲である。そこで、本発明において、銅は、必
須の銀−銅系合金の主構成元素であって、更なる添加元
素としてのアルミニウム、亜鉛、カドミウム、錫、アン
チモン、イリジウム等は、既に上述した如く、その単独
又は2種以上を組合わせ使用されるが、スパッタターゲ
ットのコストが高くなる観点から、好ましくは、これら
の選ばれた1種の添加元素でよい。本発明においては、
多すぎると、反射率や、熱伝導率と低下させて好ましく
ない。
は、50nm程度あれば十分であるが、放熱の面からは
これより厚い方が好適で、通常、80〜250nm範囲
である。あまり厚すぎるのは生産上、タクトが長くなり
好ましくない。また、反射率、放熱の面からは純銀が最
良である。したがって銀以外の物はあまり入れない方が
良い。耐腐食性の面から上記の組成範囲が反射率と両立
できる範囲である。そこで、本発明において、銅は、必
須の銀−銅系合金の主構成元素であって、更なる添加元
素としてのアルミニウム、亜鉛、カドミウム、錫、アン
チモン、イリジウム等は、既に上述した如く、その単独
又は2種以上を組合わせ使用されるが、スパッタターゲ
ットのコストが高くなる観点から、好ましくは、これら
の選ばれた1種の添加元素でよい。本発明においては、
多すぎると、反射率や、熱伝導率と低下させて好ましく
ない。
【0026】また、樹脂保護層6はCD系のような単板
メディアでは、成膜された膜を保護するために設けられ
る。また、DVD系では保護のためと、2枚貼り合せる
ための接着層としての働きを兼ねる。通常、有機系の紫
外線硬化型樹脂などが用いられる。その膜厚は1〜10
0μm範囲で、スピンコート法等で塗布される。スプレ
ー式、ロールコート式でも差し支えない。樹脂フィルム
をロールで貼ることもある。
メディアでは、成膜された膜を保護するために設けられ
る。また、DVD系では保護のためと、2枚貼り合せる
ための接着層としての働きを兼ねる。通常、有機系の紫
外線硬化型樹脂などが用いられる。その膜厚は1〜10
0μm範囲で、スピンコート法等で塗布される。スプレ
ー式、ロールコート式でも差し支えない。樹脂フィルム
をロールで貼ることもある。
【0027】この相変化型光記録媒体(光ディスク)で
は、図1に示すように、基板1側から記録用の光を照射
して、相変化記録層3を相変化させて、光学定数を変え
て情報信号を記録する。そして記録時より弱い再生光を
当てて、記録層の光学定数変化を光の反射率変化として
再生する。また、本発明による銀−銅系の合金の光反射
層(放熱層)は、従来から一般的なアルミニウム合金系
の反射放熱層を用いた相変化型光ディスクと遜色ない記
録・再生特性を発揮する。また、熱伝導がアルミニウム
合金よりも良いために繰り返し書き換え特性は、この銀
−銅系光反射膜のディスクの方が好適である。また、反
射放熱層の成膜時間もアルミニウム合金を同じ厚さ成膜
するのに比べ約1/3でよく、これによって、ディスク
製造上のタクトタイム短縮に大きく効果的であり、コス
ト低減を可能にする。更に、本発明による光反射層を用
いたディスクは、純銀の光反射層のディスクに比べて銀
の耐腐食性が良いために信頼性と耐久性が向上し、例え
ば、高温高湿下での保存試験を行った時のエラー率の増
加を抑えることができる。
は、図1に示すように、基板1側から記録用の光を照射
して、相変化記録層3を相変化させて、光学定数を変え
て情報信号を記録する。そして記録時より弱い再生光を
当てて、記録層の光学定数変化を光の反射率変化として
再生する。また、本発明による銀−銅系の合金の光反射
層(放熱層)は、従来から一般的なアルミニウム合金系
の反射放熱層を用いた相変化型光ディスクと遜色ない記
録・再生特性を発揮する。また、熱伝導がアルミニウム
合金よりも良いために繰り返し書き換え特性は、この銀
−銅系光反射膜のディスクの方が好適である。また、反
射放熱層の成膜時間もアルミニウム合金を同じ厚さ成膜
するのに比べ約1/3でよく、これによって、ディスク
製造上のタクトタイム短縮に大きく効果的であり、コス
ト低減を可能にする。更に、本発明による光反射層を用
いたディスクは、純銀の光反射層のディスクに比べて銀
の耐腐食性が良いために信頼性と耐久性が向上し、例え
ば、高温高湿下での保存試験を行った時のエラー率の増
加を抑えることができる。
【0028】図2は本発明の別の実施形態である追記型
光記録媒体(光ディスク)の概念断面構造図を示し、基
板7は、図1の相変化型ディスクと同様で、基板7上
に、有機色素型記録層8−光反射層(放熱層)9−樹脂
保護層10の順に積層成膜されている。
光記録媒体(光ディスク)の概念断面構造図を示し、基
板7は、図1の相変化型ディスクと同様で、基板7上
に、有機色素型記録層8−光反射層(放熱層)9−樹脂
保護層10の順に積層成膜されている。
【0029】この有機色素記録層8は、記録用の光によ
って光学的性質や物理的形状が変化する有機物質であ
り、シアニン色素、フタロシアニン色素等が用いられ、
細かい構造は使用する光の波長によって異なる。また、
この有機色素記録層は有機色素を有機溶媒に溶解して、
基板上にスピンコート法で成膜される。また、この有機
色素記録層の膜厚は、記録感度、光の波長、記録層の材
質などによって適宜変えられ、120〜150nmの範
囲で使用される。
って光学的性質や物理的形状が変化する有機物質であ
り、シアニン色素、フタロシアニン色素等が用いられ、
細かい構造は使用する光の波長によって異なる。また、
この有機色素記録層は有機色素を有機溶媒に溶解して、
基板上にスピンコート法で成膜される。また、この有機
色素記録層の膜厚は、記録感度、光の波長、記録層の材
質などによって適宜変えられ、120〜150nmの範
囲で使用される。
【0030】光反射層9は、図1に用いられた同様の本
発明による光反射層が用いられる。その膜厚は、50〜
200nmの範囲で使用され、これより薄いと、ディス
クの反射率が低すぎる。また、厚すぎると、記録感度が
悪くなる。また膜の付着力が低下し、保存信頼性を劣化
させる。更には、反射膜成膜中の、紫外線や熱が有機記
録層に悪影響を与え、ディスクの記録再生特性を悪化さ
せる。また、樹脂保護層10は図1の相変化型ディスク
の保護層6と同様である。
発明による光反射層が用いられる。その膜厚は、50〜
200nmの範囲で使用され、これより薄いと、ディス
クの反射率が低すぎる。また、厚すぎると、記録感度が
悪くなる。また膜の付着力が低下し、保存信頼性を劣化
させる。更には、反射膜成膜中の、紫外線や熱が有機記
録層に悪影響を与え、ディスクの記録再生特性を悪化さ
せる。また、樹脂保護層10は図1の相変化型ディスク
の保護層6と同様である。
【0031】また、この構成の追記型光ディスクでは、
図2に示す如く、基板7側から記録光を照射して有機記
録層の光学定数及び形状を変化させて情報信号を記録す
る。再生時には記録時よりも弱い光を照射して反射率変
化として情報を読み出す。また、従来の追記型光ディス
クは反射膜として金が一般的であった。これはディスク
の反射率が大きいからであるが高価であった。しかしな
がら、本発明による光反射層を用いることで、金に比
べ、安価で、かつ反射率も同等であるが、保存信頼性
が、金に比べ、従来の銀系は劣化して使用できなかった
が、本発明によって、銀に高価なパラジウムを添加した
ものに代替使用できる、安価な銀−銅系合金で高温高湿
試験後のエラーの増えないディスクを提供することがで
きた。
図2に示す如く、基板7側から記録光を照射して有機記
録層の光学定数及び形状を変化させて情報信号を記録す
る。再生時には記録時よりも弱い光を照射して反射率変
化として情報を読み出す。また、従来の追記型光ディス
クは反射膜として金が一般的であった。これはディスク
の反射率が大きいからであるが高価であった。しかしな
がら、本発明による光反射層を用いることで、金に比
べ、安価で、かつ反射率も同等であるが、保存信頼性
が、金に比べ、従来の銀系は劣化して使用できなかった
が、本発明によって、銀に高価なパラジウムを添加した
ものに代替使用できる、安価な銀−銅系合金で高温高湿
試験後のエラーの増えないディスクを提供することがで
きた。
【0032】図3は、本発明の別の実施形態である光磁
気型光記録媒体(光ディスク)の概念断面構造図を示
し、基板11は、図1の相変化型ディスクと同様で、基
板11上に、第1保護層12−光磁気型記録層13−第
2保護層14−光反射層(放熱層)15−樹脂保護層1
6の順に積層成膜されている。誘電体第1保護層12は
通常スパッタリング法で形成され、光磁気型ディスクの
場合は、SiNxやAlNが一般的である。光学的に透
明で記録膜を水分やガスから遮断する能力が求められ
る。また、この膜厚は40〜250nmの範囲にあり、
光学的な光閉じ込めと、基板への熱遮断および記録膜へ
のガスや水分の遮断等の観点から膜厚は決定され、例え
ば、記録再生の光波長が変われば膜厚は変動する。
気型光記録媒体(光ディスク)の概念断面構造図を示
し、基板11は、図1の相変化型ディスクと同様で、基
板11上に、第1保護層12−光磁気型記録層13−第
2保護層14−光反射層(放熱層)15−樹脂保護層1
6の順に積層成膜されている。誘電体第1保護層12は
通常スパッタリング法で形成され、光磁気型ディスクの
場合は、SiNxやAlNが一般的である。光学的に透
明で記録膜を水分やガスから遮断する能力が求められ
る。また、この膜厚は40〜250nmの範囲にあり、
光学的な光閉じ込めと、基板への熱遮断および記録膜へ
のガスや水分の遮断等の観点から膜厚は決定され、例え
ば、記録再生の光波長が変われば膜厚は変動する。
【0033】光磁気記録層13は、通常スパッタリング
法で形成され、通常、希土類と遷移金属の合金が使用さ
れている。ミニディスクなどではTbFeCoを用い、
膜厚は10〜30nmの範囲にあり、これは光を透過さ
せて性能指数を大きくするためと、相変化型記録媒体と
同様に記録時の熱のにじみを減らして再生信号の時間軸
揺らぎを小さくするためである。
法で形成され、通常、希土類と遷移金属の合金が使用さ
れている。ミニディスクなどではTbFeCoを用い、
膜厚は10〜30nmの範囲にあり、これは光を透過さ
せて性能指数を大きくするためと、相変化型記録媒体と
同様に記録時の熱のにじみを減らして再生信号の時間軸
揺らぎを小さくするためである。
【0034】なお、光だけでオーバーライトを行う場合
や、再生光スポットの限界より小さな記録マークを再生
する「GIGAMO」規格のディスクなどでは記録層は
複数のGdFeCo、GdFe、DyFeCo、GdT
bFeCo等の磁性層より形成されており、合計の磁性
記録層の膜厚は、80〜200nmの範囲にある。この
場合は第2保護層14、光反射層(放熱層)15には光
は達しないので反射放熱層の役割は放熱だけになる。
や、再生光スポットの限界より小さな記録マークを再生
する「GIGAMO」規格のディスクなどでは記録層は
複数のGdFeCo、GdFe、DyFeCo、GdT
bFeCo等の磁性層より形成されており、合計の磁性
記録層の膜厚は、80〜200nmの範囲にある。この
場合は第2保護層14、光反射層(放熱層)15には光
は達しないので反射放熱層の役割は放熱だけになる。
【0035】また、誘電体第2保護層14は、通常スパ
ッタリング法で形成され、記録層が10〜30nmの膜
厚範囲にある時は、透明な材料であるが記録層が厚い場
合は不透明でも良い。通常、この誘電体第1保護層と同
じ材料を用いる。膜厚は10〜100nmの範囲にあ
る。また、記録時の熱を記録層から速やかに光反射層
(放熱層)15へ流すため、10〜30nm範囲の厚さ
にするのが好適である。しかし、熱に対する敏感さが相
変化型に比べて緩いため、誘電体第2保護層の厚さはあ
まり厳密である必要はない。光反射層15は、図1に用
いられた同様の本発明による光反射層が用いられる。そ
の膜厚は、反射率の面では50nm程度あれば十分であ
るが放熱の面からはこれより厚い方が良く、80〜20
0nm程度が一般的である。あまり厚すぎるのは生産
上、タクトが長くなり好ましくない。樹脂保護層16は
ミニディスクのような単板メディアでは、成膜された膜
を保護するために設けられている。5.25インチデー
タ用ディスクでは保護のためと、2枚貼り合せるための
接着層としての働きを兼ねている。一般的に有機系の紫
外線硬化型樹脂などが用いられる。厚さは1〜100μ
m程度が一般的であり、スピンコート法で塗布される。
また、スプレー式、ロールコート式でも差し支えない。
樹脂フィルムをロールで貼ることもある。
ッタリング法で形成され、記録層が10〜30nmの膜
厚範囲にある時は、透明な材料であるが記録層が厚い場
合は不透明でも良い。通常、この誘電体第1保護層と同
じ材料を用いる。膜厚は10〜100nmの範囲にあ
る。また、記録時の熱を記録層から速やかに光反射層
(放熱層)15へ流すため、10〜30nm範囲の厚さ
にするのが好適である。しかし、熱に対する敏感さが相
変化型に比べて緩いため、誘電体第2保護層の厚さはあ
まり厳密である必要はない。光反射層15は、図1に用
いられた同様の本発明による光反射層が用いられる。そ
の膜厚は、反射率の面では50nm程度あれば十分であ
るが放熱の面からはこれより厚い方が良く、80〜20
0nm程度が一般的である。あまり厚すぎるのは生産
上、タクトが長くなり好ましくない。樹脂保護層16は
ミニディスクのような単板メディアでは、成膜された膜
を保護するために設けられている。5.25インチデー
タ用ディスクでは保護のためと、2枚貼り合せるための
接着層としての働きを兼ねている。一般的に有機系の紫
外線硬化型樹脂などが用いられる。厚さは1〜100μ
m程度が一般的であり、スピンコート法で塗布される。
また、スプレー式、ロールコート式でも差し支えない。
樹脂フィルムをロールで貼ることもある。
【0036】この光磁気型ディスクでは基板11側から
記録用の光を照射して、光磁気記録層13の磁化方向を
変えて、情報信号を記録する。そして記録時より弱い再
生光をあて、記録層の磁化方向変化を光の偏光面の回転
として再生する。また、銀合金の反射放熱層は従来一般
的なアルミニウム合金系の反射放熱層を用いた光磁気デ
ィスクと遜色ない記録再生特性を持つ。熱伝導がアルミ
ニウム合金よりも良いために多少薄めでも良く、さらに
記録パワーマージンが広くなる。更に、反射放熱層の成
膜時間もアルミニウム合金を同じ厚さ成膜するのに比べ
約1/3でよかった。これはディスク製造上のタクトタ
イム短縮に大きく効果的であり、コスト低減が可能であ
る。
記録用の光を照射して、光磁気記録層13の磁化方向を
変えて、情報信号を記録する。そして記録時より弱い再
生光をあて、記録層の磁化方向変化を光の偏光面の回転
として再生する。また、銀合金の反射放熱層は従来一般
的なアルミニウム合金系の反射放熱層を用いた光磁気デ
ィスクと遜色ない記録再生特性を持つ。熱伝導がアルミ
ニウム合金よりも良いために多少薄めでも良く、さらに
記録パワーマージンが広くなる。更に、反射放熱層の成
膜時間もアルミニウム合金を同じ厚さ成膜するのに比べ
約1/3でよかった。これはディスク製造上のタクトタ
イム短縮に大きく効果的であり、コスト低減が可能であ
る。
【0037】図4は、本発明の別の実施形態である無機
合金化型追記型光記録媒体(光ディスク)の概念断面構
造図を示し、基板17は、図1の相変化型ディスクと同
様で、基板17上に、合金化記録層18−合金化記録1
9−光反射層(放熱層)20−樹脂保護層21の順に積
層成膜されている。この記録層17、18の2層に分か
れていて、通常スパッタリング法で形成され、膜厚は合
計で10〜100nmの範囲にある。また、記録層とし
ては、例えば、Bi2 Te3 とSb2 Te3 との組合わ
せが挙げられる。記録時に強い光を当てるとその熱で記
録層2層が混ざり合って合金化して光学定数が変化す
る。このため、不可逆変化するので1回限りの追記型デ
ィスクとなる。再生は光を当てて光学定数の変化を反射
率変化として読み出すことができる。また、光反射層
(放熱層)20は、図1〜図3で用いた本発明による同
様のものを使用することができ、その特性、膜厚等の全
てが既に上述した通り全く変わらないものである。
合金化型追記型光記録媒体(光ディスク)の概念断面構
造図を示し、基板17は、図1の相変化型ディスクと同
様で、基板17上に、合金化記録層18−合金化記録1
9−光反射層(放熱層)20−樹脂保護層21の順に積
層成膜されている。この記録層17、18の2層に分か
れていて、通常スパッタリング法で形成され、膜厚は合
計で10〜100nmの範囲にある。また、記録層とし
ては、例えば、Bi2 Te3 とSb2 Te3 との組合わ
せが挙げられる。記録時に強い光を当てるとその熱で記
録層2層が混ざり合って合金化して光学定数が変化す
る。このため、不可逆変化するので1回限りの追記型デ
ィスクとなる。再生は光を当てて光学定数の変化を反射
率変化として読み出すことができる。また、光反射層
(放熱層)20は、図1〜図3で用いた本発明による同
様のものを使用することができ、その特性、膜厚等の全
てが既に上述した通り全く変わらないものである。
【0038】この無機合金化型光ディスクは、基板17
側から記録用の光を照射して、記録層17、18を合金
化させて、光学定数を変えて情報信号を記録する。そし
て再生光をあて、記録層の光学定数変化を光の反射率変
化として再生する。また、銀合金の反射放熱層は従来一
般的なアルミニウム合金系の反射放熱層を用いたディス
クと遜色ない記録再生特性を持つ。また、反射放熱層の
成膜時間もアルミニウム合金を同じ厚さ成膜するのに比
べ約1/3でよかった。これはディスク製造上のタクト
タイム短縮に大きく効果的であり、コスト低減が可能で
ある。更には、本発明による銀−銅系の合金を用いたデ
ィスクは純銀反射膜のディスクに比べて銀の耐腐食性が
良いために信頼性と耐久性が改善している。高温高質下
での保存試験を行った時のエラー率の増加が抑えられ
る。
側から記録用の光を照射して、記録層17、18を合金
化させて、光学定数を変えて情報信号を記録する。そし
て再生光をあて、記録層の光学定数変化を光の反射率変
化として再生する。また、銀合金の反射放熱層は従来一
般的なアルミニウム合金系の反射放熱層を用いたディス
クと遜色ない記録再生特性を持つ。また、反射放熱層の
成膜時間もアルミニウム合金を同じ厚さ成膜するのに比
べ約1/3でよかった。これはディスク製造上のタクト
タイム短縮に大きく効果的であり、コスト低減が可能で
ある。更には、本発明による銀−銅系の合金を用いたデ
ィスクは純銀反射膜のディスクに比べて銀の耐腐食性が
良いために信頼性と耐久性が改善している。高温高質下
での保存試験を行った時のエラー率の増加が抑えられ
る。
【0039】図5には、本発明の別の実施形態である、
相変化型光記録媒体(光ディスク)の概念断面構造図
で、基板22上に、第1保護層23−相変化型記録層2
4−第2保護層25−樹脂保護層(光透過層)26の順
に積層成膜されている。これは、膜面側から記録再生す
る光ディスクである。図1の相変化型ディスクと成膜す
る順を逆にした形態となっている。この場合、基板を通
さない光で記録再生するので、基板と記録再生光の傾き
による収差の発生が抑えられ、結果的に高い倍率の対物
レンズを用いることができるので記録密度を高められ
る。この本質的特徴からこの構成の記録層は相変化型に
限られるものではなく、光磁気型、有機色素記録型、無
機合金型、位相ピット再生専用型のいずれにも適用でき
る。また、基板22は、アドレス情報や、トラッキング
のために凹凸ピットやグルーブが形成されているのは他
のディスクと同様であるが、光が透過しないために透明
である必要はない。このため、従来一般的なポリカーボ
ネート樹脂やガラスのみならず、ニッケル板などの金属
板などでもよい。
相変化型光記録媒体(光ディスク)の概念断面構造図
で、基板22上に、第1保護層23−相変化型記録層2
4−第2保護層25−樹脂保護層(光透過層)26の順
に積層成膜されている。これは、膜面側から記録再生す
る光ディスクである。図1の相変化型ディスクと成膜す
る順を逆にした形態となっている。この場合、基板を通
さない光で記録再生するので、基板と記録再生光の傾き
による収差の発生が抑えられ、結果的に高い倍率の対物
レンズを用いることができるので記録密度を高められ
る。この本質的特徴からこの構成の記録層は相変化型に
限られるものではなく、光磁気型、有機色素記録型、無
機合金型、位相ピット再生専用型のいずれにも適用でき
る。また、基板22は、アドレス情報や、トラッキング
のために凹凸ピットやグルーブが形成されているのは他
のディスクと同様であるが、光が透過しないために透明
である必要はない。このため、従来一般的なポリカーボ
ネート樹脂やガラスのみならず、ニッケル板などの金属
板などでもよい。
【0040】また、光反射層(放熱層)は、図1〜図3
で用いた本発明による同様のものを使用することがで
き、その特性等の全てが既に上述した通り全く変わらな
いものである。また、膜厚は反射率の面では50nm程
度あれば十分であり、放熱の面からは基板材質と密接に
関係し、金属基板のように熱伝導が良い場合は反射放熱
層を厚くする必要はない。反射率、放熱の面からは純銀
が最良である。したがって銀以外の物はあまり入れない
方が良い。耐腐食性の面から上記の組成範囲が反射率と
両立できる範囲である。また、銀−銅系の合金の特徴と
してスパッタリングした膜の表面性がきわめて良いこと
から、この記録媒体の場合、反射層以外の全ての膜は反
射層の上に順にスパッタされるために反射層表面の滑ら
かさが影響する。銀合金の良好な表面性が他の全ての層
の表面性を滑らかにする。これはディスクの記録再生特
性のノイズを小さくすることに役立っている。
で用いた本発明による同様のものを使用することがで
き、その特性等の全てが既に上述した通り全く変わらな
いものである。また、膜厚は反射率の面では50nm程
度あれば十分であり、放熱の面からは基板材質と密接に
関係し、金属基板のように熱伝導が良い場合は反射放熱
層を厚くする必要はない。反射率、放熱の面からは純銀
が最良である。したがって銀以外の物はあまり入れない
方が良い。耐腐食性の面から上記の組成範囲が反射率と
両立できる範囲である。また、銀−銅系の合金の特徴と
してスパッタリングした膜の表面性がきわめて良いこと
から、この記録媒体の場合、反射層以外の全ての膜は反
射層の上に順にスパッタされるために反射層表面の滑ら
かさが影響する。銀合金の良好な表面性が他の全ての層
の表面性を滑らかにする。これはディスクの記録再生特
性のノイズを小さくすることに役立っている。
【0041】
【実施例】以下に本発明を実施例で更に説明するが、本
発明はこれらにいささかも限定されない。
発明はこれらにいささかも限定されない。
【0042】実施例1 直径120mm、板厚0.6mm、ピッチ0.74μm
の螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板
を用いて、相変化型光ディスクを試作した。誘電体第1
保護層はZnS−20at%SiO2 の75nm、記録
層はAg8 In12Sb55Te25(at%)の15nm、
誘電体第2保護層は(Ge−1wt%Al)Nの20n
m、光反射層(放熱層)は銀−銅系合金の150nm、
その主構成元素の銀−銅系合金と、その添加元素の元素
組成比(at%)を表1に示す。
の螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板
を用いて、相変化型光ディスクを試作した。誘電体第1
保護層はZnS−20at%SiO2 の75nm、記録
層はAg8 In12Sb55Te25(at%)の15nm、
誘電体第2保護層は(Ge−1wt%Al)Nの20n
m、光反射層(放熱層)は銀−銅系合金の150nm、
その主構成元素の銀−銅系合金と、その添加元素の元素
組成比(at%)を表1に示す。
【0043】成膜は全てアネルバ製インラインスパッタ
リング装置ILC−3105を用いてスパッタリング法
で行った。ガス圧力は2mTorrである。光反射層の
組成はあらかじめこの組成で作成した合金ターゲットを
用いた。また、スパッタの後、紫外線硬化樹脂の大日本
インキ製SD301をスピンコートし、紫外線で硬化さ
せた。その後、同様のプロセスで作成した別のディスク
と記録面同士を粘着シートで貼り合せた。紫外線硬化樹
脂と貼り合せシートの合計厚さは約50μmであった。
リング装置ILC−3105を用いてスパッタリング法
で行った。ガス圧力は2mTorrである。光反射層の
組成はあらかじめこの組成で作成した合金ターゲットを
用いた。また、スパッタの後、紫外線硬化樹脂の大日本
インキ製SD301をスピンコートし、紫外線で硬化さ
せた。その後、同様のプロセスで作成した別のディスク
と記録面同士を粘着シートで貼り合せた。紫外線硬化樹
脂と貼り合せシートの合計厚さは約50μmであった。
【0044】
【表1】
【0045】実施例2 直径120mm、板厚0.6mm、ピッチ0.74μm
の螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板
を用い、有機色素追記型光ディスクを試作した。有機色
素記録層はシアニン色素を有機溶媒に溶解してスピンコ
ートで塗布した。膜厚は120nm、光反射層は銀−銅
系合金の150nm、その主構成元素の銀−銅系合金
と、その添加元素の元素組成比(at%)を表2に示
す。
の螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板
を用い、有機色素追記型光ディスクを試作した。有機色
素記録層はシアニン色素を有機溶媒に溶解してスピンコ
ートで塗布した。膜厚は120nm、光反射層は銀−銅
系合金の150nm、その主構成元素の銀−銅系合金
と、その添加元素の元素組成比(at%)を表2に示
す。
【0046】反射膜の成膜はすべてアネルバ製インライ
ンスパッタリング装置ILC−3105を用いてスパッ
タリング法で行った。ガス圧力は2mTorrである。
光反射層(放熱層)の組成はあらかじめこの組成で作成
した合金ターゲットを用いた。スパッタの後、紫外線硬
化樹脂大日本インキ製SD301をスピンコートし、紫
外線で硬化させた。その後、同様のプロセスで作成した
別のディスクと記録面同士を粘着シートで貼り合せた。
紫外線硬化樹脂と貼り合せシートの合計厚さは約50μ
mであった。
ンスパッタリング装置ILC−3105を用いてスパッ
タリング法で行った。ガス圧力は2mTorrである。
光反射層(放熱層)の組成はあらかじめこの組成で作成
した合金ターゲットを用いた。スパッタの後、紫外線硬
化樹脂大日本インキ製SD301をスピンコートし、紫
外線で硬化させた。その後、同様のプロセスで作成した
別のディスクと記録面同士を粘着シートで貼り合せた。
紫外線硬化樹脂と貼り合せシートの合計厚さは約50μ
mであった。
【0047】
【表2】
【0048】実施例3 直径120mm、板厚0.6mm、ピッチ0.6μmの
螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板を
用い、光磁気ディスクを試作した。この基板は中心付近
のクランプ部のみ板厚さ1.2mmである。誘電体第1
保護層はSiNxの75nm、記録層はCd24Fe61C
o15(at%)の30nm、Cd31Fe69(at%)の
50nm、Tb20Fe68Co12(at%)の50nmの
3層構成で、誘電体第2保護層はSiNxの30nm、
光反射層は銀−銅系の合金の100nm、その主構成元
素の銀−銅系合金と、その添加元素の元素組成比(at
%)を表3に示す。成膜はすべてアネルバ製インライン
スパッタリング装置ILC−3105を用いてスパッタ
リング法で行った。ガス圧力は記録層中のTbFeCo
のみ5mTorrそれ以外は、2mTorrである。ス
パッタの後、紫外線硬化樹脂大日本インキ製SD301
をスピンコートし、紫外線で硬化させた。貼り合せしな
いで、単板で使用した。
螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板を
用い、光磁気ディスクを試作した。この基板は中心付近
のクランプ部のみ板厚さ1.2mmである。誘電体第1
保護層はSiNxの75nm、記録層はCd24Fe61C
o15(at%)の30nm、Cd31Fe69(at%)の
50nm、Tb20Fe68Co12(at%)の50nmの
3層構成で、誘電体第2保護層はSiNxの30nm、
光反射層は銀−銅系の合金の100nm、その主構成元
素の銀−銅系合金と、その添加元素の元素組成比(at
%)を表3に示す。成膜はすべてアネルバ製インライン
スパッタリング装置ILC−3105を用いてスパッタ
リング法で行った。ガス圧力は記録層中のTbFeCo
のみ5mTorrそれ以外は、2mTorrである。ス
パッタの後、紫外線硬化樹脂大日本インキ製SD301
をスピンコートし、紫外線で硬化させた。貼り合せしな
いで、単板で使用した。
【0049】
【表3】
【0050】実施例4 直径120mm、板厚0.6mm、ピッチ0.6μmの
螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板を
用い、無機追記型光ディスクを試作した。記録層はBi
2 Te3 の15nm、Sb2 Te3 の15nm、光反射
層は銀−銅系の合金の80nm、その主構成元素の銀−
銅系合金と、その添加元素の元素組成比(at%)を表
4に示す。成膜はすべてアネルバ製インラインスパッタ
リング装置ILC−3105を用いてスパッタリング法
で行った。ガス圧は光反射層(放熱層)の組成はあらか
じめこの組成で作成した合金ターゲットを用いた。スパ
ッタの後、紫外線硬化樹脂大日本インキ製SD301を
スピンコートし、紫外線で硬化させた。その後、同様の
プロセスで作成した別のディスクと記録面同士を粘着シ
ートで貼り合せた。紫外線硬化樹脂と貼り合せシートの
合計厚さは約50μmであった。
螺旋状のグルーブが形成されたポリカーボネート基板を
用い、無機追記型光ディスクを試作した。記録層はBi
2 Te3 の15nm、Sb2 Te3 の15nm、光反射
層は銀−銅系の合金の80nm、その主構成元素の銀−
銅系合金と、その添加元素の元素組成比(at%)を表
4に示す。成膜はすべてアネルバ製インラインスパッタ
リング装置ILC−3105を用いてスパッタリング法
で行った。ガス圧は光反射層(放熱層)の組成はあらか
じめこの組成で作成した合金ターゲットを用いた。スパ
ッタの後、紫外線硬化樹脂大日本インキ製SD301を
スピンコートし、紫外線で硬化させた。その後、同様の
プロセスで作成した別のディスクと記録面同士を粘着シ
ートで貼り合せた。紫外線硬化樹脂と貼り合せシートの
合計厚さは約50μmであった。
【0051】
【表4】
【0052】実施例5 直径120mm、板厚1.2mmのガラス板上に、Ni
メッキで形成した、ピッチ0.74μmの螺旋状のグル
ーブが形成された基板を用い、相変化型光磁気ディスク
を試作した。光反射層(放熱層)は銀−銅系の合金の1
00nm、その主構成元素の銀−銅系合金と、その添加
元素の元素組成比(at%)を表5に示す。誘電体第1
保護層は(Ge−1wt%Al)Nの20nm、記録層
はAg8 In12Sb55Te25(at%)の15nm、誘
電体第2保護層はZnS−20at%SiO2 の20n
m、樹脂保護層60μm、成膜はすべてアネルバ製イン
ラインスパッタリング装置ILC−3105を用いてス
パッタリング法で行った。ガス圧力は記録層中のTbF
eCoのみ5mTorrそれ以外は、2mTorrであ
る。光反射層(放熱層)の組成はあらかじめこの組成で
作成した合金ターゲットを用いた。スパッタの後、紫外
線硬化樹脂大日本インキ製SD301をスピンコート
し、スピンコート中に紫外線で硬化させた。こうするこ
とで、内外周の樹脂コート層の厚みむらを抑えた。樹脂
保護層を記録再生光が透過するためにこの厚みむらは収
差の原因になる。
メッキで形成した、ピッチ0.74μmの螺旋状のグル
ーブが形成された基板を用い、相変化型光磁気ディスク
を試作した。光反射層(放熱層)は銀−銅系の合金の1
00nm、その主構成元素の銀−銅系合金と、その添加
元素の元素組成比(at%)を表5に示す。誘電体第1
保護層は(Ge−1wt%Al)Nの20nm、記録層
はAg8 In12Sb55Te25(at%)の15nm、誘
電体第2保護層はZnS−20at%SiO2 の20n
m、樹脂保護層60μm、成膜はすべてアネルバ製イン
ラインスパッタリング装置ILC−3105を用いてス
パッタリング法で行った。ガス圧力は記録層中のTbF
eCoのみ5mTorrそれ以外は、2mTorrであ
る。光反射層(放熱層)の組成はあらかじめこの組成で
作成した合金ターゲットを用いた。スパッタの後、紫外
線硬化樹脂大日本インキ製SD301をスピンコート
し、スピンコート中に紫外線で硬化させた。こうするこ
とで、内外周の樹脂コート層の厚みむらを抑えた。樹脂
保護層を記録再生光が透過するためにこの厚みむらは収
差の原因になる。
【0053】
【表5】
【0054】比較例1 実施例1と同様の相変化型ディスクであるが、光反射層
(放熱層)をAg−2wt%Cu−0.2wt%Irと
した。 比較例2 実施例2と同様の有機色素型追記ディスクであるが、光
反射層(放熱層)を純銀とした。 比較例3 実施例3と同様の光磁気型ディスクであるが、光反射層
(放熱層)を純銀とした。 比較例4 実施例4と同様の無機合金型追記ディスクであるが、光
反射層(放熱層)を純銀とした。 比較例5 実施例5と同様の相変化型ディスクであるが、光反射層
(放熱層)を純銀とした。
(放熱層)をAg−2wt%Cu−0.2wt%Irと
した。 比較例2 実施例2と同様の有機色素型追記ディスクであるが、光
反射層(放熱層)を純銀とした。 比較例3 実施例3と同様の光磁気型ディスクであるが、光反射層
(放熱層)を純銀とした。 比較例4 実施例4と同様の無機合金型追記ディスクであるが、光
反射層(放熱層)を純銀とした。 比較例5 実施例5と同様の相変化型ディスクであるが、光反射層
(放熱層)を純銀とした。
【0055】以上、全ての光ディスクについて、試作後
に記録再生を行った。その後80℃85%RHの高温度
高湿環境下で500時間放置し、初期記録した信号のエ
ラーの変化を見た。膜面側から記録再生する型の実施例
5、比較例5の光ディスクは、波長650nmのNA
0.8の光ヘッドを用いた。それ以外のディスクは、波
長650nmNA0.63の光ヘッドを用いた。記録再
生は、線速度3.5m/s 記録記号はランダムなデー
タ列をEFM+変調した。クロックは、膜面側から再生
する表5のメディアは30MHz、それ以外は26MH
zの信号を用いた。エラー率の初期値に対する高温度高
湿試験後の増加率が1.5倍未満を○印、1.5〜2倍
を△印、2倍以上を×印として判定した。以上の結果
を、表1には相変化型光ディスク、表2には有機色素型
追記光ディスク、表3には光磁気型光ディスク、表4に
は無機追記型光ディスク、表5には膜面再生相変化型光
ディスクについて、それぞれ示した。
に記録再生を行った。その後80℃85%RHの高温度
高湿環境下で500時間放置し、初期記録した信号のエ
ラーの変化を見た。膜面側から記録再生する型の実施例
5、比較例5の光ディスクは、波長650nmのNA
0.8の光ヘッドを用いた。それ以外のディスクは、波
長650nmNA0.63の光ヘッドを用いた。記録再
生は、線速度3.5m/s 記録記号はランダムなデー
タ列をEFM+変調した。クロックは、膜面側から再生
する表5のメディアは30MHz、それ以外は26MH
zの信号を用いた。エラー率の初期値に対する高温度高
湿試験後の増加率が1.5倍未満を○印、1.5〜2倍
を△印、2倍以上を×印として判定した。以上の結果
を、表1には相変化型光ディスク、表2には有機色素型
追記光ディスク、表3には光磁気型光ディスク、表4に
は無機追記型光ディスク、表5には膜面再生相変化型光
ディスクについて、それぞれ示した。
【0056】
【発明の効果】以上から、本発明によれば、光磁気型光
ディスク、有機色素型追記光ディスク、光磁気型光ディ
スク、無機追記型光ディスク等の光記録媒体の光反射層
(放熱層)に主構成元素が銀−銅系の合金に、更に請求
項1〜6に示した添加元素を添加した合金層を設けたこ
とにより、銀反射放熱層の化学的安定性が向上し、優れ
た信頼性と耐久性を発揮させる光記録媒体を提供でき
る。また、従来から化学的安定性の高い銀合金としての
銀−Pd系合金が知られているが、本発明による添加元
素はPdよりも低廉で、耐腐食性、優れた保存性の向上
した銀−銅系合金からなる光反射層を提供できる。更に
は、この銀−銅系合金は、スパッタリングにおける成膜
レートがアルミニウム合金に比べて速いため、生産上の
タクトタイムが短縮でき、ディスクを安価に提供でき
る。
ディスク、有機色素型追記光ディスク、光磁気型光ディ
スク、無機追記型光ディスク等の光記録媒体の光反射層
(放熱層)に主構成元素が銀−銅系の合金に、更に請求
項1〜6に示した添加元素を添加した合金層を設けたこ
とにより、銀反射放熱層の化学的安定性が向上し、優れ
た信頼性と耐久性を発揮させる光記録媒体を提供でき
る。また、従来から化学的安定性の高い銀合金としての
銀−Pd系合金が知られているが、本発明による添加元
素はPdよりも低廉で、耐腐食性、優れた保存性の向上
した銀−銅系合金からなる光反射層を提供できる。更に
は、この銀−銅系合金は、スパッタリングにおける成膜
レートがアルミニウム合金に比べて速いため、生産上の
タクトタイムが短縮でき、ディスクを安価に提供でき
る。
【図1】本発明の一実施形態である、相変化型光ディス
クの概念断面図を示す。
クの概念断面図を示す。
【図2】本発明の一実施形態である、有機色素型追記光
ディスクの概念断面図を示す。
ディスクの概念断面図を示す。
【図3】本発明の一実施形態である、光磁気型ディスク
の概念断面図を示す。
の概念断面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態である、無機追記型光ディ
スクの概念断面図を示す。
スクの概念断面図を示す。
【図5】本発明の一実施形態である、膜面再生相変化型
光ディスクの概念断面図を示す。
光ディスクの概念断面図を示す。
1,7,11,17,22 基板 2,12,23 誘電体第1保護層 3,24 相変化型記録層 4,14,25 誘電体第2保護層 5,9,15,20,光反射層(放熱層) 6,10,16,21 樹脂保護層 8 有機記録層 13 光磁気記録層 18,19 合金化記録層 26 樹脂保護層(光透過層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝口 孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鈴木 栄子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田代 浩子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 譲原 肇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5D029 MA13 5D075 EE03 FG01
Claims (10)
- 【請求項1】基板上に積層成膜される光反射層が、銀を
主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体に
おいて、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素としてアルミニウム0.
5〜30重量%範囲であることを特徴とする光記録媒
体。 - 【請求項2】基板上に積層成膜される光反射層が、銀を
主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体に
おいて、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素として亜鉛0.5〜2重
量%範囲であることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項3】基板上に積層成膜される光反射層が、銀を
主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体に
おいて、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素としてカドミニウム0.
5〜5重量%範囲であることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項4】基板上に積層成膜される光反射層が、銀を
主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体に
おいて、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素として錫0.5〜5重量
%範囲であることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項5】基板上に積層成膜される光反射層が、銀を
主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体に
おいて、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素としてアンチモン0.5
〜5重量%範囲であることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項6】基板上に積層成膜される光反射層が、銀を
主成分元素とする銀−銅系の合金層である光記録媒体に
おいて、前記合金層を形成する元素組成比(at%)
が、銀100重量%当たり、銅4〜15重量%範囲にあ
る主構成元素に、更に添加元素としてアルミニウム、亜
鉛、カドウム、錫、アンチモン、イリジウムの群から選
ばれる少なくとも2種以上の元素が0.1〜5重量%範
囲であることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項7】基板上に積層される前記光反射層の間に、
有機色素記録層を設けることを特徴とする請求項1〜6
の何れかに記載の光記録媒体。 - 【請求項8】基板上に積層される前記光反射層の間に、
無機相変化型記録層を設けることを特徴とする請求項1
〜6の何れかに記載の光記録媒体。 - 【請求項9】基板上に積層される前記光反射層の間に、
光磁気記録層を設けることを特徴とする請求項1〜6の
何れかに記載の光記録媒体。 - 【請求項10】基板上に積層される前記光反射層の間
に、無機合金化型記録層を設けることを特徴とする請求
項1〜6の何れかに記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000285257A JP2002092959A (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000285257A JP2002092959A (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 光記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002092959A true JP2002092959A (ja) | 2002-03-29 |
Family
ID=18769353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000285257A Pending JP2002092959A (ja) | 2000-09-20 | 2000-09-20 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002092959A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002054396A1 (fr) * | 2000-12-28 | 2002-07-11 | Sony Corporation | Support d'enregistrement optique |
WO2004102553A1 (ja) * | 2003-05-16 | 2004-11-25 | Mitsubishi Materials Corporation | 光記録媒体の反射層形成用銀合金スパッタリングターゲット |
US7419711B2 (en) | 2002-08-08 | 2008-09-02 | Kobe Steel, Ltd. | Ag base alloy thin film and sputtering target for forming Ag base alloy thin film |
US8232042B2 (en) | 2005-03-31 | 2012-07-31 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
-
2000
- 2000-09-20 JP JP2000285257A patent/JP2002092959A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002054396A1 (fr) * | 2000-12-28 | 2002-07-11 | Sony Corporation | Support d'enregistrement optique |
US6985429B2 (en) | 2000-12-28 | 2006-01-10 | Sony Corporation | Optical recording medium |
US7419711B2 (en) | 2002-08-08 | 2008-09-02 | Kobe Steel, Ltd. | Ag base alloy thin film and sputtering target for forming Ag base alloy thin film |
US7514037B2 (en) | 2002-08-08 | 2009-04-07 | Kobe Steel, Ltd. | AG base alloy thin film and sputtering target for forming AG base alloy thin film |
US7566417B2 (en) | 2002-08-08 | 2009-07-28 | Kobe Steel, Ltd. | Ag base alloy thin film and sputtering target for forming Ag base alloy thin film |
US7722942B2 (en) | 2002-08-08 | 2010-05-25 | Kobe Steel, Ltd. | Ag base alloy thin film and sputtering target for forming Ag base alloy thin film |
US7758942B2 (en) | 2002-08-08 | 2010-07-20 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Ag base alloy thin film and sputtering target for forming Ag base alloy thin film |
DE10362283B4 (de) | 2002-08-08 | 2018-05-30 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Herstellungsverfahren für einen Film auf Ag-Legierungsbasis und Sputtertarget |
WO2004102553A1 (ja) * | 2003-05-16 | 2004-11-25 | Mitsubishi Materials Corporation | 光記録媒体の反射層形成用銀合金スパッタリングターゲット |
US8232042B2 (en) | 2005-03-31 | 2012-07-31 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
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