JP2762304B2 - 光電式煙感知器の感度調整方法及び感度調整装置 - Google Patents

光電式煙感知器の感度調整方法及び感度調整装置

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JP2762304B2 JP20698089A JP20698089A JP2762304B2 JP 2762304 B2 JP2762304 B2 JP 2762304B2 JP 20698089 A JP20698089 A JP 20698089A JP 20698089 A JP20698089 A JP 20698089A JP 2762304 B2 JP2762304 B2 JP 2762304B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、煙による光の散乱を光電素子で検出する光
電式煙感知器の感度調整方法及び感度調整装置に関する
ものである。
[従来の技術] 従来のこの種の光電式煙感知器の感度調整方法に、例
えば特公昭56−22933号公報に記載の発明がある。特公
昭56−22933号発明の調整方法は、第7図の(A),
(B)に示すような構成で行われる。
第7図の(A)において、1は暗箱、2は光源、3は
受光素子、4は感度調整板である。
このような装置を用いて感度を調整する場合は、予め
反射率の相違する多数の感度調整板4を作って置くと共
に、既に感度設定された煙感知器を準備する。作られた
感度調整板4の低い反射率のものから順に、調整済みの
煙感知器の内部に挿入して光源2を点灯して動作状態に
する。そして、感度調整板4によるノイズ光の増加によ
り、受光素子3が所定の光量を受光して煙感知器が動作
したときに、挿入した調整板4を標準感度調整板4とす
る。
次に、この標準感度調製板4を未調整の煙感知器に挿
入し、その煙感知器の感度を低い値から順に高くして行
く。そして、非動作状態から動作状態に移ったときに、
調整点を固定して感度合わせが終了する。同様にして、
調製済みの煙感知器の感度のチェックも、準備された多
数の感度調整板4を次々に挿入して、そのときの動作点
が感度と見做されてチェックが完了する。
また、第7図の(B)図は、(A)図の標準感度調整
板4に対応する標準感度調整ケース5を設けたものであ
る。(B)図の方法も、予め内面に濃淡が段階的に変わ
る塗料が塗布された標準感度調整ケース5が多数用意さ
れている。そして、標準感度調整板4のときと同様に、
順々に標準感度調製ケース5を取り変えながらノイズ光
を増減して動作点を求めて、感度合わせと感度チェック
が行われる。また、煙の検出量に比例する検出信号を出
力するいわゆるアナログ式の光電式煙感知器の場合にも
上記と同様に調整板等を用い、各感知器が同じ検出信号
を送信するように調整されている。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように従来の光電式煙感知器の感度の調整に
は、散乱光量を変えるための多数の感度調整板4や標準
感度調整ケース5が利用されている。そして、これらの
感度調整板4や標準感度調整ケース5を次々に取り替え
て、感度合わせや感度チャックが行われるようになって
いる。このため、散乱光量の違う感度調整板4等の製作
が困難であるばかりか、多数の調整試料を用意しなけれ
ばならない。また、試料の取換えと検知動作が繰返えさ
れるので、調整やチェックの操作が極めて面倒である。
感度調整板4等の試料を減らせば操作が簡単になるが、
半面検出精度が低下して規格に適合しなくなる等の問題
点があった。
本発明は、以上のような従来の光電式煙感知器の感度
調整方法の問題点を解決するためになされたもので、感
度の設定や調整の操作が容易で、しかも簡単な構成でバ
ラツキのない光電式煙感知器の感度調整方法及び感度調
整装置を実現することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、検煙部内の投光素子の投光域の外で受光素
子の受光域内に変位可能の調整片を配置し、この調整片
の反射面を変位させて受光素子へのノイズ光による受光
量を変化させて感度を調整する光電式煙感知器の感度調
整方法及び感度調整装置を採用したものである。
[作用] 検煙部内の受光域に設けられた調整片の反射面には、
投光素子から投射された光の散乱光がノイズ光として照
射されている。調整片の反射面に照射された散乱光は更
に反射されて、この反射光が受光域を介して受光素子に
入射している。ここで、検煙部内の調整片を軸を中心に
回転すると、反射面と投光域との相対的な位置関係が変
化して受光域への反射光量が増減する。この結果、受光
素子の受光量が変化して、受光素子の検出感度が調整さ
れる。
[発明の実施例] 第1図は本発明実施例方法を説明するための光電式煙
感知器の構成説明図、第2図及び第3図は第1図装置の
光学台の下面図及びそのカバーの上面図である。
第1図〜第3図において、1は感知器の本体である。
2は基台、3はプリント板である。プリント板3の上面
には、抵抗やコンデンサなどの回路素子が設けられてい
る。4は光学台、5はそのカバー、6と7は投光素子と
受光素子である。光学台4とカバー5とは組合せ構造に
なっていて、黒色の合成樹脂を用いてほぼ中空円筒形に
成型されている。41は光学台4の下面の中央付近に設け
られたV字形の遮光柱、42は周辺部に形成されたJ字や
I字形等の多数の遮光柱、43は3つの位置決め穴であ
る。
51と52はカバー5の上面側に突出した隆起片、53は3
本のピンである。隆起片51と52はそれぞれ投光素子6と
受光素子7に対向し、ピン53は位置決め穴43に対応す
る。そして、光学台4とカバー5は位置決め穴43にピン
53を挿入して所定の位置で上下方向から嵌め合わされ、
投光素子6と受光素子7が共に窓を有する収納室内に納
められる。嵌め合わされた光学台4とカバー5の内部は
周辺の遮光柱42によってラビリンス40が形成されて空気
即ち、煙を流通させるが外部光を遮断した検煙部Dを構
成している。収納室内に納められた投光素子6と受光素
子7の光軸は交差していて、投光素子6の直接光が入射
しないようになっている。81は薄い金属で作られた防虫
網、82は防虫網81の回りの本体1の覆いで、覆い82は防
虫網81を挟んで光学台4の回りを下方から覆っている。
第4図は、本発明実施例方法に使用するための調整用
のカバーの上面図である。
第4図の9は調整用のカバーである。調整用のカバー
9は、次に説明する感度調整機構以外は上述したカバー
5と同一構造に作られている。したがって、カバー9の
上面には、同じ位置に同じ大きさの隆起片91、92と3本
のピン93が設けられている。
90は感度調整機構で、上面に設けられた調整片94、ネ
ジ軸95、円弧状の摺動溝96及び調整片94に形成した突起
97から構成されている。調整片94は投光域L1の領域外
で、かつ受光素子7の受光域L2の領域内に設けられてい
る(第5図)。この調整片94は例えば黒い合成樹脂で作
られ、投光素子6と受光素子7に対向する反射面98には
乱反射を行うために例えば0.5mm以下のスリガラス状の
薄膜が張られている。ネジ軸95は実施例では、受光素子
7の光軸O−O上に設けられている。また、摺動溝96は
ネジ軸95と同心的に形成され、図示されていないが外の
光が検煙部D内に侵入しないようになっている。そし
て、ネジ軸95を緩めると、突起97が摺動溝96内を摺動し
て調整片94がネジ軸95を中心に回転する。
このような装置を利用する本発明の感度調整方法を、
次に説明する。
既に感度調整されて、検出感度が設定されている標準
的な煙感知器を取り出す。取り出された煙感知器におけ
る本体1の覆い82を除いてから、カバー5を外して第4
図に示された調整用のカバー9に着け代える。着け代え
後、煙感知器を作動状態にすると、検煙部D内の投光域
L1に投光素子6の光が投射される。このときの検煙部D
の状態が、第5図に示されている。一方、調整片94は投
光素子6の投光域L1外にあって、投光素子6の直接光の
1次または数次の反射光が反射面98に入射している。こ
こで、調整用のカバー9のネジ軸95を緩めて調整片94を
ネジ軸95を中心に回転を始めると、反射面98が投光素子
6から投射された光の投光域L1に少しずつ接近し始め
る。このため、反射面98に入射する反射光が増加し、こ
の反射光の増加に連れて受光域L2を介して受光素子7を
照射する散乱光も増加することになる。更に、調整片94
を回転させると、受光素子7の受光量も増加して、煙感
知器が非動作状態から動作状態に移行する。この移行し
たときを煙感知器の動作点として、調整片94の角度位置
をマークするか、或いは調整機構90を固定して調整用の
カバー9の校正が終了する。校正が終わったら調整用の
カバー9を取外して、標準的な煙感知器に元のカバー5
に差し替えてから覆い82を嵌める。
そして、校正された調整用のカバー9を用いて、前述
した従来方法に準じた操作によって未調整の煙感知器の
感度調整と、調整済みの煙感知器の動作チェックを行う
ことができる。
一般に、この種の煙感知器の検煙部内には、投光素子
6の光が構成部材の表面で1次又は数次的に反射するノ
イズ光Nが含まれ、前記のように煙が流入しない平常状
態のときでも受光素子7の微少な光が入射している。第
6図の(A)は、本発明の実験結果で得られた特性曲線
Cで、縦軸は上記のノイズ光N値を基準とする倍率、横
軸は調整片94の回転角θである。角θは(B)図に示す
ように、ネジ軸95を原点として光軸O−Oを垂直線(X
−Y2次元平面のY軸)とする第2象限内の時計方向の回
転角の値である。本発明による調整片94の回転に伴う受
光素子7の受光量の変化は、曲線Cで示されたノイズ光
Nの倍率の変化に対応する。曲線Cから明らかなよう
に、受光素子7の受光量は、第1象限内の150度付近か
ら受光量が増加して140度を過ぎると回転角に比例する
と見做せる。
このようにして感度調整や感度チェックされた煙感知
器の本体1は、天井等に取り付けられ配線の接続が済ん
だ図示しないベースに下から装着される。そして、各階
の煙感知器群が、配線を介して回線毎に図示しない受信
機等に並列に接続される。
いま、屋内に火災が発生すると燃焼生成物(以下煙)
が上昇し、天井の本体1の検煙部D内に流入する。一
方、光学台4内の投光素子6は、周期的にパルス点灯さ
れている。そして、投光素子6から投射した光が流入し
た煙によって散乱され、受光域L2の散乱光量が増加して
受光素子7がこの増加した散乱光を検出する。受光素子
7の検出信号は増幅されて、煙の濃度が設定値を越える
と動作信号が受信機に送られ、火災地区を表示すると共
に屋内の各所に設けられた警報機を吹鳴させて火災の発
生を報知する。
なお、上述の実施例の図面では調整片94が厚い角板状
の場合を例示して説明したが、薄い板や多少湾曲したよ
うなものでもよく、実施例に限定するものではない。ま
た、調整片94をネジ軸95を中心に回転して受光素子7の
受光量を変化したが、反射面の面積を変えるように構成
しても良い。また、上述の所定量の煙を検出した時に動
作信号を出力する場合と同様に煙の検出量に応じた検出
信号を出力するアナログ式の場合も調整することでき
る。
[発明の効果] 本発明は、検煙部内の投光素子の投光域外で受光素子
の受光域内に変位可能に調整片を配置し、この調整片を
変位させて受光素子へのノイズ光による受光量を変化さ
せて感度を調整する光電式煙感知器の感度調整装置を採
用した。この結果、感度調整は光学台のカバーを変えて
調整片を変位させればよいので、調整機構が極めて簡単
で、調整操作も容易である。特に、感度調整機構の調整
片を検煙部内の投光素子の投光域外に配置したので、受
光素子の受光量が変化率が小さくなり、調整精度を高め
ることができる。
よって、本発明によれば、調整が容易にできる等の種
々の特徴を備えた光電式煙感知器の感度調整方法及び感
度調製装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例方法を説明するための光電式煙感
知器の構成説明図、第2図及び第3図は第1図装置の光
学台の下面図及びカバーの上面図、第4図は、本発明実
施例方法に使用するための調整用のカバーの上面図、第
5図(A)(B)は本発明実施例方法の動作説明図、第
6図は本発明実施例方法を説明するための線図、第7図
(A)(B)は従来の感度調整方法の説明図である。 図において、1は煙感知器の本体、2は基台、3はプリ
ント板、4は光学台、5は光学台のカバー、6は投光素
子、7は受光素子、9は調整用のカバー、40はラビリン
ス、41はV字形の遮光柱、42はJ字形の遮光柱、43は位
置決め穴、51、52と91、92は隆起片、53と93はピン、D
は検煙部、L1は投光域、L2は受光域、81は防虫網、82は
覆い、94は調整片、95はネジ軸、96は摺動溝、97は突
起、98は反射面である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投光素子と該投光素子の投光域外の受光素
    子とを検煙部内に配置し、該検煙部に流入した煙による
    投光素子から投射した光の散乱光を前記受光素子で受光
    することにより煙を検出するように構成した煙感知器に
    おいて、 前記検煙部内の投光素子の投光域外で受光素子の受光域
    内に変位可能に調整片を配置し、該調整片を変位させて
    前記受光素子への前記検煙部内のノイズ光による受光量
    を変化させて感度を調整することを特徴とする光電式煙
    感知器の感度調整方法。
  2. 【請求項2】投光素子と該投光素子の投光域外でかつ投
    光素子から放射した光の煙による散乱光を受光する受光
    素子とが設けられる光学台に、カバーが取り付けられて
    煙が侵入しかつ外部光を遮る検煙部が構成される煙感知
    器の感度調整装置であって、前記カバーと同形状を有
    し、前記光学台に着脱自在の調整用カバーと、 該調整用カバーの検煙部側内面に、前記光学台の受光素
    子の光軸上に位置し、該受光素子へ向かう前記検煙部内
    を散乱するノイズ光の量を変化させるように変位可能に
    取り付けられる調整片と、 を有することを特徴とする光電式煙感知器の感度調整装
    置。
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