JP2020187462A - 散乱光式感知器 - Google Patents
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Abstract
Description
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、検出空間と、発光手段と、受光手段と、被調整手段と、調整手段とを備える散乱光式感知器に関するものである。
まず、本実施の形態に係る感知器の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る感知器の側面図であり、図2は、感知器の底面図であり、図3は、図1のA―A矢視断面図であり、図4は、感知器のブロック図である。なお、説明の便宜上、図1については、感知器100の外側を破線で示し、内側を実線で示しており、また、図3については、感知器100の断面の一部のみを示している。また、以下の説明では、図1〜図3に示すX―Y―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Z方向が鉛直方向であって、X方向及びY方向が鉛直方向に対して直交する水平方向であるものとして、例えば、Z方向を高さ方向と称し、+Z方向を上側(平面)と称し、−Z方向を下側(底面)と称して説明する。また、以下の「X―Y―Z方向」に関する用語については、図示の感知器100において、各構成品の相対的な位置関係(又は、方向)等を説明するための便宜的な表現であることとし、図3の遮光領域14の中心位置を基準として、XY平面において遮光領域14から離れる方向を「外側」と称し、遮光領域14に近づく方向を「内側」と称して、以下説明する。
図1の取付ベース11は、設置面900に対して、筐体12を取り付けるための取付手段である。この取付ベース11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、筐体12と設置面900との間において用いられるものであって、公知の固定手段(例えば、ねじあるいは嵌合構造等)によって固定されているものである。
図1の筐体12は、図3のラビリンス13、遮光領域14、防虫網15、検出空間16、電子ペーパ17、図4の検出部21、警報部22、記録部23、及び制御部24を収容する収容手段である。この図1の筐体12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高さ方向(Z方向)において上側(+Z方向)に設けられている円筒状部分と、この円筒状部分から下側(−Z方向)に突出するように形成されたものであって少なくとも防虫網15を収容するためのドーム状部分とによって形成されているものであり、図2の開口部121が設けられているものである。
図2の開口部121は、筐体12に対して気体を流入させる流入手段であり、また、筐体12に対して気体を流出させる流出手段である。この開口部121の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、筐体12のドーム状部分における防虫網15と対向する位置を複数設けられているものである。
図3のラビリンス13は、感知器100の外側からの光を遮光しつつ、気体を流入また又は流出させる遮光手段である。このラビリンス13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図1の高さ方向(Z方向)においてベース板131及びカバー板132の間に固定されるものであり、図3に示すように、防虫網15の内周全体に沿って複数設けられているものである。
図3の遮光領域14は、感知器100の外側からの光が遮光されている領域であり、具体的には、ラビリンス13、図1のベース板131、及びカバー板132によって取り囲まれている領域である。
図3の防虫網15は、遮光領域14に虫が進入するのを抑制する防虫手段であり、また、遮光領域14に対して気体を流入させる流入手段であり、また、遮光領域14に対して気体を流出させる流出手段である。この防虫網15の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、遮光領域14の外部と内部との間で、防虫網15自身の小孔を介して気体が流入又は流出するのを許容する一方で、遮光領域14に虫が入ることを防止するように構成されているものである。
図3の検出空間16は、遮光領域14内に設けられ、外部から煙が流入する空間であって、散乱光が生じる空間である。この検出空間16は具体的には、後述する発光部211の光軸と受光部212の光軸とが交わる点を少なくとも含む空間である。
電子ペーパ17は、後述する発光部211から発光され検出空間16を通過した検出光の一部又は全部が照射される被調整手段であって、自己に照射された検出光についての反射率である光学的調整対象が調整可能となっているものである。この電子ペーパ17の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、自己の白黒の表示色において明度を調整することにより反射率を調整可能に構成されており、また、発光部211の正面に設けられているものである。ここで、「発光部211の正面」とは、発光部211の光軸に対応する方向である。この電子ペーパ17は、詳細には、例えば、XY平面における遮光領域14の中央を基準にして、発光部211の反対側に設けられている2つのラビリンス13に各々設けられているものであり、より詳細には、当該ラビリンス13における内側の面に、接着剤等の固定手段を用いて固定されているものである。
図5は、明度反射率特定情報を例示した図である。図5の「明度反射率特定情報」とは、電子ペーパ17の明度と反射率との関係を示す情報である。項目「明度情報」に対応する情報は、電子ペーパ17の調整可能な明度を特定する明度情報である(図5では、「90」等であり、数値が高くなるほど明るくなることを示しており、つまり、数値が高くなるにつれて白色に近くなり、一方、数値が小さくなるにつれて黒色に近くなることを示している)。また、項目「反射率情報」に対応する情報は、発光部211が発光する検出光についての電子ペーパ17における反射率を特定する反射率情報である(図5では、「75」等であって、単位がパーセントであって、発光部211から発光されて電子ペーパ17に照射される光の光量に対する、当該電子ペーパ17にて反射される光の光量の割合を示しており、つまり、数値が高くなるにつれて反射される光の光量が増加し、一方、数値が低くなるにつれて反射される光の光量が減少することを示している)。そして、以下では、電子ペーパ17の明度と反射率との関係が、図5の明度反射率特定情報が示す関係となるように構成されている場合を例示して説明する。
図4の検出部21は、検出空間16に流入した煙を検出する検出手段である。この検出部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図3の発光部211及び受光部212を備えるものである。
発光部211は、煙を検出するための光である検出光を発光する発光手段であり、具体的には、検出空間16に向かって検出光を発光するものである。この発光部211の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、発光ダイオード等を備えるものである。
受光部212は、発光部211から発光された検出光に基づく光を受光する受光手段であり、具体的には、遮光領域14内で反射された反射光、及び検出空間16で発生した散乱光を受光するものである。この受光部212の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、フォトダイオード等を備えるものである。
図4の警報部22は、感知器100が火災を判定した場合に、警報を出力する警報手段である。この警報部22の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、音声にて警報を出力する不図示のスピーカ、あるいは、発光表示にて警報を出力する図2の表示灯221等を備えるものである。
図4の記録部23は、感知器100の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのフラッシュメモリ等(図示省略)を用いて構成されている。ただし、フラッシュメモリに代えてあるいはフラッシュメモリと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
図4の制御部24は、感知器100を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る制御プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して感知器100にインストールされることで、制御部24の各部を実質的に構成する。
次に、このように構成される図4の感知器100によって実行される防災処理について説明する。
(処理−防災処理)
図7は、防災処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「防災処理」とは、防災のための処理であり、具体的には、通常監視の動作及び発光動作試験の動作を行う処理である。この防災処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、感知器100の電源をオンした後に、繰り返し起動されて実行するものとして、防災処理が起動されたところから説明する。また、図8は、火災判定閾値と受光部212が受光した光の光量を例示する図である。この図8において、縦軸は光の光量を示しており、横軸は時間を示しているものとして、時間t1が火災発生の時間を示し、時間t2が火災発生を判定する時間を示しているものとする。ここでは、例えば、図4の記録部23の光学的調整対象特定情報として、図6に例示されている情報が格納されているものとして説明する。
このように本実施の形態によれば、受光部212により受光される反射光の光量を調整するべく、電子ペーパ17の光学的調整対象を調整することにより、例えば、受光される反射光の光量を調整可能な感知器100を提供することができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
また、上記実施の形態では、図3に示すように電子ペーパ17を発光部211の正面に設ける場合について説明したが、これに限らない。例えば、電子ペーパ17を、受光部212の正面に設けてもよい。ここで、「受光部212の正面」とは、受光部212の光軸に対応する方向であり、この場合、電子ペーパ17については、詳細には、例えば、XY平面における遮光領域14の中央を基準にして、受光部212の反対側に設けられているラビリンス13における内側の面に設けてもよい。このように構成した場合、電子ペーパ17が少なくとも受光部212の正面に設けられていることにより、例えば、受光部212に到達する直前の反射にて生じる反射光の光量を直接的に調整することができるので、受光部212にて受光される反射光の光量を微調整することができる。また、例えば、電子ペーパ17を、発光部211の正面及び受光部212の正面の両方に設けてもよい。
また、上記実施の形態では、電子ペーパ17がラビリンス13に設けられる場合について説明したが、これに限らない。例えば、発光部211の光軸上において、検出空間16とラビリンス13との間に、電子ペーパ17を固定するための部材である固定部材を設けて、当該固定部材に電子ペーパ17を固定してもよい。また、例えば、受光部212の光軸上において、検出空間16とラビリンス13との間に、電子ペーパ17を固定するための部材である固定部材を設けて、当該固定部材に電子ペーパ17を固定してもよい。また、例えば、この電子ペーパ17及び固定部材を、発光部211の正面及び受光部212の正面以外に設けてもよい。
また、上述の「電子ペーパについて(その2)」において、電子ペーパ17を検出光についての透過率を調整できるように構成し、且つ、固定部材を透明あるいは半透明の透光
性の材料により構成した上で、電子ペーパ17の透過率を調整することにより、受光部212にて受光される反射光の光量を調整してもよい。また、電子ペーパ17について、光の吸収率を調整可能に構成して、当該吸収率を調整することにより、受光部212にて受光される反射光の光量を調整してもよい。
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組合わせてもよい。
付記1の散乱光式感知器は、外部から遮光された遮光領域内に設けられ、検出対象が流入する検出空間と、前記検出空間に向けて検出光を発光する発光手段と、前記発光手段から発光された検出光が前記検出空間を通過した後に前記遮光領域内で反射されることで生じる反射光、及び、前記発光手段から発光された検出光が前記検出空間に流入した前記検出対象により散乱されることで生じる散乱光を受光する受光手段と、前記発光手段から発光され前記検出空間を通過した検出光の一部又は全部が照射される被調整手段であって、自己に照射された検出光についての反射率又は透過率である光学的調整対象が調整可能となっている前記被調整手段と、前記受光手段により受光される前記反射光の光量を調整するべく、前記被調整手段の前記光学的調整対象を調整する調整手段と、を備える。
付記1に記載の散乱光式感知器によれば、受光手段により受光される反射光の光量を調整するべく、被調整手段の光学的調整対象を調整することにより、例えば、受光される反射光の光量を調整可能な散乱光式感知器を提供することができる。
12 筐体
13 ラビリンス
14 遮光領域
15 防虫網
16 検出空間
17 電子ペーパ
21 検出部
22 警報部
23 記録部
24 制御部
100 感知器
121 開口部
131 ベース板
132 カバー板
211 発光部
212 受光部
221 表示灯
241 調整部
242 判定部
900 設置面
t1 時間
t2 時間
Claims (5)
- 外部から遮光された遮光領域内に設けられ、検出対象が流入する検出空間と、
前記検出空間に向けて検出光を発光する発光手段と、
前記発光手段から発光された検出光が前記検出空間を通過した後に前記遮光領域内で反射されることで生じる反射光、及び、前記発光手段から発光された検出光が前記検出空間に流入した前記検出対象により散乱されることで生じる散乱光を受光する受光手段と、
前記発光手段から発光され前記検出空間を通過した検出光の一部又は全部が照射される被調整手段であって、自己に照射された検出光についての反射率又は透過率である光学的調整対象が調整可能となっている前記被調整手段と、
前記受光手段により受光される前記反射光の光量を調整するべく、前記被調整手段の前記光学的調整対象を調整する調整手段と、
を備える散乱光式感知器。 - 前記調整手段は、前記発光手段の動作状態についての試験を行う場合の、前記被調整手段の前記光学的調整対象の値と、前記発光手段の動作状態についての試験を行わない場合の、前記被調整手段の前記光学的調整対象の値とが、相互に異なる値になるように前記被調整手段の前記光学的調整対象を調整する、
請求項1に記載の散乱光式感知器。 - 前記被調整手段は、少なくとも前記発光手段の正面に設けられている、
請求項1又は2に記載の散乱光式感知器。 - 前記被調整手段は、少なくとも前記受光手段の正面に設けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の散乱光式感知器。 - 前記被調整手段は、電気的に自己の前記光学的調整対象を調整可能な電子ペーパである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の散乱光式感知器。
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- 2019-05-13 JP JP2019090455A patent/JP2020187462A/ja active Pending
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