JP2019066901A - 減光式感知器 - Google Patents

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Abstract

【課題】自身の異常を容易且つ迅速に把握することが可能であり、且つ、誤報の発生頻度を減少させることが可能な減光式感知器を提供する。【解決手段】感知器100であって、監視領域の検出対象が流入する検出空間13と、検出空間に比べて検出対象が流入し難い基準空間14と、少なくとも検出空間を通過する検出光であって検出空間に流入する検出対象によって減光され得る検出光と、少なくとも基準空間を通過する基準光とが出力されるように発光する発光手段161と、検出空間を通過した検出光と、基準空間を通過した基準光とを受光する受光手段172、182と、少なくとも受光手段が受光した検出光に基づいて、監視領域の異常を判定する監視領域異常判定部と、少なくとも受光手段が受光した基準光に基づいて、感知器100の異常を判定する感知器異常判定部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、減光式感知器に関する。
従来、外部から遮光された遮光領域内に設けられている検出空間を備えており、この検出空間に流入した煙の濃度を検出することにより、火災を判定する散乱光式火災感知器が知られていた(例えば、特許文献1参照)。この散乱光式火災感知器は、検出光を発光する発光部と、発光部から発光された検出光に基づく光を受光する受光部とを備えており、発光部から発光された検出光が検出空間内の煙の粒子によって散乱されることにより生じる散乱光を受光部で受光し、受光部が受光した光の光量と判定用閾値とを比較し、比較結果に基づいて、火災を判定していた。
しかしながら、特許文献1の散乱光式火災感知器においては、検出空間に流入する煙の粒子径の違いによって散乱光の光量が変化し、火災を判定する感度が変化してしまう可能性があった。
そこで、検出光を発光する発光装置と、発光装置から離れた位置に設けられている受光装置であって、発光装置からの検出光を受光する受光装置とを備えている減光式分離型感知器が提案されていた。この減光式分離型感知器は、受光装置が受光する検出光の減少量に基づいて煙を検出して火災を判定していた。
特開2011−248547号公報
ところで、本願発明者は、前述の減光式分離型感知器の技術を用いて、特許文献1の散乱光式火災感知器の形状等の一般的な形状(例えば、直径約100mm程度の円盤形状等)の減光式感知器を製造することに想到した。すなわち、例えば直径約100mm程度の円盤形状等の一般的な形状の筐体に、発光装置に対応する構成である発光手段と、受光装置に対応する構成である受光手段とを設けることにより、減光式感知器を製造することに想到した。
しかしながら、このようにして製造した減光式感知器においては、筐体の内部に塵埃が入り込んで汚損したことに起因して、受光手段にて受光する検出光が本来の意図に反して減少することが想定されるが、当該汚損等の異常を判定し得ないために、汚損等の異常により受光手段にて受光する検出光が減少しているにも関わらず、当該減少を考慮せずに火災を判定することになるので、火災判定の感度が上がり、実際には火災が発生していないにも関わらず火災を報知する誤報が行われる可能性があった。
また、このような減光式感知器のように検出光の減少量に基づいて煙を検出する手法(以下、減光式)は、従来の散乱光式火災感知器のように散乱光に基づいて煙を検出する手法(以下、散乱光式)に比べて、汚損により及ぼされる悪影響の度合いが大きく、監視領域を正常に監視できなくなる可能性があった。すなわち、散乱光式においては、例えば、検出空間内の汚れで受光部での受光量が増えるが、ゼロ点(例えば、煙が流入していない場合に受光部で受光する光量に対応する値)が上がる程度で、補正(補償)が容易であり、補正を行うことにより監視領域を正常に監視することが可能であった。これに対して、減光式においては、汚れでも煙と同様に減光して受光手段での受光量が減り、汚れによる減光量の減少の度合いは、散乱光式の場合の汚れによる受光量の増加の度合いに比べ大きくなる可能性があった。更に、この減光式においては、発光手段からの光をミラーの如き反射手段にて反射して受光手段にて受光させるように構成することも考えられるが、この場合、反射手段も汚れの影響を受けるために、汚損により及ぼされる悪影響の度合いが更に大きくなる可能性があった。つまり、減光式においては、長期間の設置による汚れなどの影響で、補正で対応できる範囲(補正限界)を超え、正常に監視領域を監視できなくなる可能性があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、自身の異常を容易且つ迅速に把握することが可能であり、且つ、誤報の発生頻度を減少させることが可能な減光式感知器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の減光式感知器は、減光式感知器であって、監視領域の検出対象が流入する検出空間と、前記検出空間に比べて前記検出対象が流入し難い基準空間と、少なくとも前記検出空間を通過する検出光であって前記検出空間に流入する前記検出対象によって減光され得る前記検出光と、少なくとも前記基準空間を通過する基準光とが出力されるように発光する発光手段と、前記検出空間を通過した前記検出光と、前記基準空間を通過した前記基準光とを受光する受光手段と、少なくとも前記受光手段が受光した前記検出光に基づいて、前記監視領域の異常を判定する監視領域異常判定手段と、少なくとも前記受光手段が受光した前記基準光に基づいて、前記減光式感知器の異常を判定する感知器異常判定手段と、を備える。
また、請求項2に記載の減光式感知器は、請求項1に記載の減光式感知器において、前記基準空間は、密閉空間である。
また、請求項3に記載の減光式感知器は、請求項1又は2に記載の減光式感知器において、前記発光手段が発光した光を分光して前記検出光及び前記基準光を出力する分光手段、を備え、前記受光手段は、前記分光手段が出力した前記検出光と前記基準光とを受光する。
また、請求項4に記載の減光式感知器は、請求項1から3の何れか一項に記載の減光式感知器において、前記基準光を前記受光手段に反射する基準側反射手段と、前記検出光を前記受光手段に反射する検出側反射手段と、を備える。
また、請求項5に記載の減光式感知器は、請求項1から4の何れか一項に記載の減光式感知器において、前記感知器異常判定手段の判定結果に基づいて、前記減光式感知器の異常を補償するための処理である補償処理を行う補償手段、を備える。
請求項1に記載の減光式感知器によれば、少なくとも基準光に基づいて減光式感知器の異常を判定することにより、例えば、減光式感知器自身の状態を考慮して異常を判定することができるので、実際には監視領域で異常が発生していないにも関わらず異常を報知する誤報の発生頻度を減少させることが可能となる。また、例えば、減光式感知器の異常を判定するための基準として基準光を用いることができるので、基準に照らして状態を判定することができ、減光式感知器の異常を容易且つ迅速に把握することが可能となる。また、基準空間に検出対象が流入し難いことにより、例えば、検出対象の影響を受けにくい空間の基準光にて減光式感知器の異常を判定することができるので、当該異常の判定精度を向上させることが可能となる。
請求項2に記載の減光式感知器によれば、基準空間が密閉空間であることにより、例えば、外部環境による減光式感知器への影響(例えば、検出対象による影響、塵埃又は湯気等による影響等)を排除して減光式感知器の異常を判定することができるので、当該異常の判定精度を一層向上させることが可能となる。
請求項3に記載の減光式感知器によれば、発光手段が発光した光を分光して検出光及び基準光を出力することにより、例えば、発光手段を2つ設けることなく1つ設けることにより、検出光及び基準光を出力することができるので、発光手段の数を減らすことができ、減光式感知器の消費電力を低減することが可能となる。また、例えば、発光手段を1つのみ設けることにより、減光式感知器の異常を判定した場合に、当該異常の原因として発光手段の違いに起因する原因を除外することができるので、当該異常の原因を特定し易くすることが可能となる。また、例えば、発光手段を1つのみ設けることにより、発光手段の光出力が仮に低下した場合であっても、基準光の出力及び検出光の出力が相互に同様に低下することになるので、基準光の出力又は検出光の出力を明示的に調整することなく、基準光の出力及び検出光の出力が相互に同様となっている状態を維持することができ、減光式感知器の異常を容易且つ迅速に把握することが可能となる。また、例えば、基準光及び検出光を出力するための専用の発光手段を合計2個設けた場合、基準光の出力及び検出光の出力を調整するために2個の発光手段の調整(例えば、各出力の絶対値の調整、あるいは、各出力相互間の出力を相互に同様にする調整等)を行う必要があり比較的多くの手間及びコストがかかる可能性があるが、発光手段を1つのみ設けることにより、発光手段の調整の手間及びコストを削減することが可能となる。
請求項4に記載の減光式感知器によれば、検出側反射手段を備えることにより、例えば、検出光の光路長を伸ばすことができるので、検出空間に流入した検出対象にて検出光を十分に減光させることができ、監視領域の異常を確実に判定することが可能となる。また、基準側反射手段を設けることにより、例えば、検出光と同様にして反射された基準光を受光手段で受光することができるので、基準光にて減光式感知器が正常である場合の検出光を模擬することができ、減光式感知器の異常の判定精度を一層向上させることが可能となる。
請求項5に記載の減光式感知器によれば、補償処理を行うことにより、例えば、減光式感知器の異常を補償することができるので、監視領域の異常を判定する感度を一定に保つことができ、誤報の発生頻度を減少させることが可能となる。
本実施の形態に係る感知器の側面図である。 感知器の底面図である。 感知器の検出空間及び基準空間の拡大断面図である。 感知器のブロック図である。 防災処理のフローチャートである。 異常補償処理のフローチャートである。
以下に、本発明に係る減光式感知器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、減光式感知器に関するものである。
ここで、「減光式感知器」とは、監視領域の異常を判定する機器であり、具体的には、監視領域の検出対象を検出することにより、異常を判定する機器であり、例えば、煙感知器、及び火災感知器等を含む概念である。また、「減光式感知器」とは、例えば、検出空間、基準空間、発光手段、受光手段、監視領域異常判定手段、及び感知器異常判定手段を備えるものである。なお、「監視領域」とは、減光式感知器による監視の対象となっている領域であり、具体的には、一定の広がりを持った空間であって、屋内あるいは屋外の空間であって、例えば、建物の廊下、階段、又は部屋等の空間を含む概念である。また、「監視領域の異常」とは、監視領域が通常とは異なる状態になっていることであり、例えば、火災等を含む概念である。また、「検出対象」とは、減光式感知器による検出の対象であり、具体的には、監視領域の異常に関連するものであり、例えば、煙等を含む概念である。
また、「検出空間」とは、監視領域の検出対象が流入する空間であり、例えば、減光式感知器の外部から遮光されている空間である。また、「基準空間」とは、検出空間に比べて検出対象が流入し難い空間であり、例えば、検出対象が僅かに流入する空間、又は、検出対象が全く流入しない密閉空間等を含む概念である。
また、「発光手段」とは、検出光と基準光とが出力されるように発光する手段であり、例えば、検出空間又は基準空間に設けられるものであり、また、1つのみ又は複数設けられるもの等を含む概念である。また、「検出光」とは、少なくとも検出空間を通過する光であって検出空間に流入する検出対象によって減光され得る光であり、「基準光」とは、少なくとも基準空間を通過する光である。また、「減光される」とは、光が弱まることであり、例えば、光の強度が減少すること等を含む概念である。
また、「受光手段」とは、検出空間を通過した検出光と、基準空間を通過した基準光とを受光する手段であり、例えば、検出空間又は基準空間に設けられるものであり、また、1つのみ又は複数設けられるもの等を含む概念である。
また、「監視領域異常判定手段」とは、少なくとも受光手段が受光した検出光に基づいて、監視領域の異常を判定する手段であり、「感知器異常判定手段」とは、少なくとも受光手段が受光した基準光に基づいて、減光式感知器の異常を判定する手段である。なお、「減光式感知器の異常」とは、減光式感知器が正常でない状態になっていることであり、具体的には、減光式感知器の機能に悪影響が出る異常状態、及び減光式感知器の機能が損なわれている障害状態等に対応する概念であり、例えば、減光式感知器の構成要素である回路、基板、素子などの故障、異常、汚損、又は劣化等を原因として、減光式感知器の機能を発揮するために正常に発光又は正常に受光などができなくなる状態等を含む概念である。また、「減光式感知器の機能」とは、減光式感知器が有する主な機能であり、例えば、監視領域の異常を判定する機能等含む概念である。
そして、以下に示す実施の形態では、「監視領域」が「建物の部屋」であり、「発光手段」が検出空間に1つ設けられており、また、「受光手段」が検出空間と基準空間に1つずつ設けられている場合について説明する。また、以下に示す実施の形態にて示す数値については、説明の便宜上、一例として示したものであり、実際には、実施の形態に示す概念に従う限りにおいて、当該例示した数値以外の数値を用いてもよい。
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る感知器の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る感知器の側面図であり、図2は、感知器の底面図であり、図3は、感知器の検出空間及び基準空間の拡大断面図であり、図4は、感知器のブロック図である。なお、説明の便宜上、図1については、感知器100の外側を破線で示し、内側を実線で示しており、また、図3については、図2のA―A矢印から見た状態の感知器100の一部の断面図であり、ハッチングは適宜省略し、検出空間13及び基準空間14の内部の構成要素については、光学的な配置を図示しており物理的な配置(電気的な配線も含む)については任意であり、特記する事項を除いて便宜上の配置を図示している。また、以下の説明では、図1〜図3に示すX―Y―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Z方向が鉛直方向であって、X方向及びY方向が鉛直方向に対して直交する水平方向であるものとして、例えば、Z方向を高さ方向と称し、+Z方向を上側(平面)と称し、−Z方向を下側(底面)と称して説明する。また、以下の「X―Y―Z方向」に関する用語については、図示の感知器100において、各構成品の相対的な位置関係(又は、方向)等を説明するための便宜的な表現であることとし、図3の検出空間13の中心位置を基準として、検出空間13から離れる方向を「外側」と称し、検出空間13に近づく方向を「内側」と称して、以下説明する。
これら各図に示す感知器100は、減光式感知器であって、監視領域の検出対象を検出することにより、火災を判定する機器であり、具体的には、図1に示すように、監視領域の天井面である設置面900に取り付けて用いられるものであり、例えば、取付ベース11、筐体12、図3の検出空間13、基準空間14、防虫網15、図4の検出部21、警報部22、記録部23、及び制御部24を備える。
(構成−取付ベース)
図1の取付ベース11は、設置面900に対して、筐体12を取り付けるための取付手段である。この取付ベース11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、筐体12と設置面900との間において用いられるものであって、公知の固定手段(例えば、ねじあるいは嵌合構造等)によって固定されているものである。
(構成−筐体)
図1の筐体12は、感知器100の各種構成要素を収容する収容手段である。この筐体12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、高さ方向(Z方向)において上側(+Z方向)に設けられている円筒状部分と、この円筒状部分から下側(−Z方向)に突出するように形成されたドーム状部分とによって形成されているものであり、図2の開口部121が設けられているものである。
(構成−筐体−開口部)
図2の開口部121は、筐体12に対して気体を流入させる流入手段であり、また、筐体12に対して気体を流出させる流出手段である。この開口部121の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、筐体12のドーム状部分に複数設けられているものである。
(構成−検出空間)
図3の検出空間13は、監視領域の検出対象である煙が流入する空間である。この検出空間13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、基準空間14の下側(−Z方向)に隣接して設けられているものであり、また、仕切部131、ラビリンス132、及びカバー部133によって取り囲まれているものであり、また、検出側発光部161、検出側分光部162、検出側反射部171、及び検出側受光部172を収容しているものである。
(構成−検出空間−仕切部)
仕切部131は、検出空間13と基準空間14とを相互に隔てている隔離手段であり、例えば、後述する検出側分光部162が設けられる一部については、仕切部131を介して検出空間13側から基準空間14側に光が通過するように透光部131a(例えば、透明の部分)として形成されており、また、検出側分光部162が設けられる一部以外の他の一部については、検出空間13及び基準空間14の相互間で遮光するように遮光部131b(例えば、黒色の部分)として形成されているものである。
(構成−検出空間−ラビリンス、カバー部)
ラビリンス132は、感知器100の外側からの光を遮光しつつ、気体を流入また又は流出させる遮光流入出手段であり、具体的には、検出空間13を側面側から取り囲むものであり、例えば、従来の構成を適用することが可能であるものであって、円状に配置されているものである。カバー部133は、感知器100の外側からの光を遮光する遮光手段であり、具体的には、検出空間13を下側(−Z方向)から取り囲むものであり、例えば、従来の構成を適用することが可能であるものである。
(構成−検出空間−検出側発光部)
検出側発光部161は、検出光と基準光とが出力されるように発光する発光手段である。この検出側発光部161の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、検出側分光部162に向かって光を出力するものあり、また、自己に供給される電圧値に応じた強度の光を出力ものであり、一例としては、発光ダイオード等を用いて構成することができる。なお、この検出側発光部161については、動作範囲内で自己に供給される電圧値が大きいほど強い光を出力するように構成されていることとする。
(構成−検出空間−検出側分光部)
検出側分光部162は、検出側発光部161が発光した光を分光して検出光及び基準光を出力する分光手段である。この検出側分光部162の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、仕切部131の透光部131aに設けられているものであり、検出光を検出空間13側で出力し、また、基準光を仕切部131の透光部131aを介して基準空間14側に出力するものであり、また、光束を任意の比率で複数に分割するビームスプリッタとして構成することができるが、ここでは、一例としては、光束を1:1の比率で2つに分割するハーフミラーとして構成されていることとする。
(構成−検出空間−検出側反射部)
検出側反射部171は、検出光を検出側受光部172に反射する検出側反射手段である。この検出側反射部171の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、3つ設けられているものであり、比較的高い反射率(例えば、90%〜95%以上等)にて反射する反射ミラー等を用いて構成することができる。
(構成−検出空間−検出側受光部)
検出側受光部172は、検出空間13を通過した検出光を受光する受光手段である。この検出側受光部172の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、検出側分光部162が出力した検出光を受光するものであり、フォトダイオード等を用いて構成することができる。
(構成−基準空間)
基準空間14は、監視領域の検出対象である煙が流入しない密閉空間である。この基準空間14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、検出空間13の上側(+Z方向)に隣接して設けられているものであり、また、ベース部141、壁部142、及び仕切部131によって取り囲まれているものであり、また、基準側反射部181、及び基準側受光部182を収容しているものである。
(構成−基準空間−ベース部、壁部)
ベース部141は、感知器100の外側からの光を遮光する遮光手段であり、具体的には、基準空間14を上側(+Z方向)から取り囲むものであり、例えば、従来の構成を適用することが可能であるものである。壁部142は、感知器100の外側からの光を遮光する遮光手段であり、具体的には、基準空間14を側面側から取り囲むものであり、例えば、公知の遮光性の部材にて構成することができるものである。
(構成−基準空間−基準側反射部)
基準側反射部181は、基準光を基準側受光部182に反射する基準側反射手段である。この基準側反射部181の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、検出側反射部171と同様にして構成されていることとする。
(構成−基準空間−基準側受光部)
基準側受光部182は、基準空間14を通過した基準光を受光する受光手段である。この基準側受光部182の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、検出側受光部172と同様にして構成されていることとする。そして、前述のように基準側反射部181及び基準側受光部182と、検出側反射部171及び検出側受光部172とが相互に同様に構成されているので、例えば、検出空間13に煙が流入しておらず且つ感知器100が正常である場合に、検出側受光部172で受光する検出光の強度と基準側受光部182で受光する基準光の強度とが相互に同程度になる。
(構成−防虫網)
防虫網15は、検出空間13に虫が進入するのを抑制する防虫手段である。この防虫網15の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、検出空間13の外部と内部との間で、防虫網15自身の小孔を介して気体が流入又は流出するのを許容する一方で、検出空間13に虫が入ることを防止するように構成されているものである。
(構成−検出部)
図4の検出部21は、検出空間13に流入した煙を検出する検出手段である。この検出部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図3の検出側発光部161、及び検出側受光部172を備えるものである。
(構成−警報部)
図4の警報部22は、感知器100が火災を判定した場合に、警報を出力する警報手段である。この警報部22の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、音声にて警報を出力する不図示のスピーカ、あるいは、発光表示にて警報を出力する図2の表示灯221等を備えるものである。
(構成−記録部)
図4の記録部23は、感知器100の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、EEPROMやFlashメモリ等を用いて構成されている。ただし、EEPROMやFlashメモリに代えてあるいはEEPROMやFlashメモリと共に、ハードディスクの如き外部記録装置、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
そして、この記録部23には、供給電圧値情報が格納されている。「供給電圧値情報」とは、検出側発光部161に供給する電圧値を特定する情報である。この供給電圧値情報の格納手法は任意であるが、例えば、感知器100の製造時に任意の入力手段を用いて初期値として例えば「2.0」(V)(以下、単位Vを省略)が格納されており、後述する異常補償処理にて更新されることとする。
(構成−制御部)
図4の制御部24は、感知器100を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る制御プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して感知器100にインストールされることで、制御部24の各部を実質的に構成する。
この制御部24は、機能概念的に、監視領域異常判定部241、感知器異常判定部242、及び補償部243を備える。監視領域異常判定部241は、少なくとも検出側受光部172が受光した検出光に基づいて、監視領域の異常を判定する監視領域異常判定手段である。感知器異常判定部242は、少なくとも基準側受光部182が受光した基準光に基づいて、感知器100の異常を判定する感知器異常判定手段である。補償部243は、感知器異常判定部242の判定結果に基づいて、感知器100の異常を補償するための処理である補償処理を行う補償手段である。この制御部24の各部により行われる処理については、後述する。
(処理)
次に、このように構成される図4の感知器100によって実行される防災処理、及び異常補償処理について説明する。
(処理−防災処理)
図5は、防災処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「防災処理」とは、防災のための処理であり、具体的には、火災を判定する処理である。この防災処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、感知器100の電源をオンした後に、繰り返し起動されて実行するものとして、防災処理が起動されたところから説明する(後述する異常補償処理も同様な前提とする)。また、感知器100の電源をオンした場合、制御部24が、記録部23の供給電圧値情報を取得し、取得した供給電圧値情報が特定する値の電圧を、図3の検出側発光部161に供給して一定時間間隔(例えば、3秒〜5秒等)にて繰り返し、検出側発光部161を発光させるものとして説明する(後述する異常補償処理も同様な前提とする)。
まず、図5のSA1において監視領域異常判定部241は、監視領域で火災(異常)が発生したか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、検出側発光部161からの光が検出側分光部162に照射されて、照射された光が当該検出側分光部162にて分光されて基準光と検出光に分光され、分光された検出光が検出空間13を通過して検出側反射部171を介して検出側受光部172に照射されるが、以下のように処理する。詳細には、公知の減光式感知器での火災判定の技術を適用可能であるが、例えば、火災を判定する閾値としての検出光の強度である閾値強度が記録部23に記録されていることとし、検出側受光部172が実際に受光した検出光の強度を取得し、取得した検出光の強度と記録部23の閾値強度とを比較し、比較結果に基づいて判定する。そして、取得した検出光の強度が閾値強度以上である場合、火災が発生していないものと判定し(SA1のNO)、火災が発生しているものと判定するまで、SA1の処理を繰り返し実行する。また、取得した検出光の強度が閾値強度未満である場合、火災が発生しているものと判定し(SA1のYES)、SA2に移行する。
ここでは、例えば、火災が発生していない場合、検出側分光部162からの検出光が、ほぼ減光されずに検出側受光部172にて受光されることになるので、検出光の強度が閾値強度以上となり、監視領域異常判定部241は、火災が発生してないものと判定する。一方、例えば、火災が発生した場合、火災の煙が図3の防虫網15、ラビリンス132を介して検出空間13に流入するので、検出側分光部162からの検出光は、この流入した煙にて減光された後に検出側受光部172にて受光されることになるので、検出光の強度が閾値強度未満となり、監視領域異常判定部241は、火災が発生しているものと判定する。
図5のSA2において制御部24は、警報を行う。具体的には任意であるが、例えば、図4の警報部22の不図示のスピーカ、あるいは、図2の表示灯221等を介して、公知の手法を用いて、火災発生を警報する。ここでは、例えば、スピーカにて「火災を感知しました」等の警報メッセージを繰り返し音声出力し、また、表示灯221を赤色にて点灯して表示出力する。
図5のSA3において制御部24は、復旧するか否かを判定する。具体的に任意であるが、例えば、ユーザによる不図示の防災受信機に対する所定操作により、当該防災受信機から送信させる復旧信号を、感知器100の不図示の通信手段を介して受信したか否かに基づいて判定する。そして、復旧信号を受信していない場合、復旧しないものと判定し(SA3のNO)、復旧するものと判定するまで、繰り返しSA3を実行する。また、復旧信号を受信した場合、復旧するものと判定し(SA3のYES)、SA4に移行する。ここでは、例えば、ユーザが不図示の防災受信機に対して所定操作を行わない場合、復旧しないものと判定することになり、一方、ユーザが不図示の防災受信機に対して所定操作を行った場合、復旧するものと判定することになる。
図5のSA4において制御部24は、復旧を行う。具体的には、SA2で行った警報を停止することにより復旧を行った後、処理を終了する。これにて、防災処理を終了する。
(処理−異常補償処理)
図6は、異常補償処理のフローチャートである。「異常補償処理」とは、感知器100の異常を補償する処理であり、例えば、記録部23の供給電圧値情報を更新する処理である。ここでは、例えば、検出空間13は感知器100の外部と連通しているので、長期使用により検出空間13の内部に塵埃が堆積し、(例えば、数カ月単位で)徐々に検出側反射部171が汚損する場合があるが、このように検出側反射部171が汚損することを、「感知器100の異常」として判定し補償する場合について説明する。
まず、図6のSB1において感知器異常判定部242は、感知器100で異常が発生したか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、検出側発光部161からの光が検出側分光部162に照射されて、照射された光が当該検出側分光部162にて分光されて基準光と検出光に分光され上で、分光された検出光が検出空間13を通過して検出側反射部171を介して検出側受光部172に照射され、また、分光された基準光が仕切部131の透光部131aを介して基準空間14側に照射された後、当該基準光が基準空間14を通過して基準側反射部181を介して基準側受光部182に照射されるが、以下のように処理する。
詳細には、例えば、前述したように、検出空間13に煙が流入しておらず且つ感知器100が正常である場合に、検出側受光部172で受光する検出光の強度と基準側受光部182で受光する基準光の強度とが相互に同程度になること、また、検出空間13に煙が流入した場合、検出側受光部172で受光する検出光の強度が基準側受光部182で受光する基準光の強度に対して(例えば、数秒単位で)急激に低下すること、また、長期使用により検出側反射部171が徐々に汚損して、検出側受光部172で受光する検出光の強度が基準側受光部182で受光する基準光の強度に対して(例えば、数カ月単位で)徐々に低下することに着目して、処理する。より詳細には、例えば、感知器100の異常を判定する差分閾値としての光の強度である差分閾値強度が記録部23に記録されていることとし、検出側受光部172が実際に受光した検出光の強度を取得し、また、基準側受光部182が実際に受光した基準光の強度を取得し、取得した基準光の強度に対する検出光の強度の差分値(以下、強度差分値)を演算した上で、演算した強度差分値と記録部23の差分閾値とを比較し、比較結果に基づいて判定する。そして、演算した強度差分値が差分閾値より小さい場合、感知器100で異常が発生していないものと判定し(SB1のNO)、異常が発生しているものと判定するまで、SB1の処理を繰り返し実行する。また、演算した強度差分値が差分閾値より大きい場合又は両者が同じである場合、火災の煙が原因で強度差分値が大きくなっているのか、あるいは、感知器100の汚損が原因で強度差分値が大きくなっているのかを切り分けるために、強度差分値の変化速度に着目して、以下の判定を行う。例えば、直近の数分程度〜時間程度の過去の強度差分値が記録部23に格納されていることとし、この過去の強度差分値から強度差分値の変化速度を演算し、演算した変化速度が所定の火災時変化速度(例えば、検出側受光部172で受光する検出光の火災発生時の変化速度に対応する変化速度)に対応している場合、感知器100の汚損が原因というよりは、火災の煙が原因で強度差分値が大きくなっている可能性が高いものとして、感知器100で異常が発生していないものと判定し(SB1のNO)、異常が発生しているものと判定するまで、SB1の処理を繰り返し実行する。一方、演算した変化速度が所定の火災時変化速度に対応しておらず、所定の火災時変化速度よりも桁違いに遅い場合、火災の煙が原因というよりは、感知器100の汚損が原因で強度差分値が大きくなっている可能性が高いものとして、感知器100で異常が発生しているものと判定し(SB1のYES)、SB2に移行する。
ここでは、例えば、長期使用により検出側反射部171が徐々に汚損した場合において、強度差分値を演算した上で、演算した強度差分値と記録部23の差分閾値とを比較した場合、演算した強度差分値が差分閾値より大きくなり、また、数分程度〜時間程度の過去の強度差分値から演算した変化速度が、所定の火災時変化速度よりも桁違いに遅くなっているので、感知器100で異常が発生しているものと判定する。
図6のSB2において補償部243は、警報を行う。具体的には任意であるが、例えば、図4の警報部22の不図示のスピーカ、あるいは、図2の表示灯221等を介して、公知の手法を用いて、感知器100の異常発生を警報する。ここでは、例えば、スピーカにて「感知器での異常を検出しました」等の警報メッセージを繰り返し音声出力し、また、表示灯221を点滅して表示出力する。なお、ここでの警報メッセージの音声出力については、後述するSB3の処理を行うことにより防災処理に関しては問題なく行えること、及び、繰り返し出力が煩わしくなってしまう可能性があること等を考慮して、省略してもよい。
図6のSB3において補償部243は、補償処理を行う。具体的には任意であるが、例えば、SB1で演算した強度差分値を取得し、取得した強度差分値に対応する分だけ強度が強まった検出光を出力するために検出側発光部161に供給する必要がある電圧値を任意の手法(例えば、検出側発光部161の発光ダイオードの仕様書の情報に基づいて演算する手法等)で演算し、演算した電圧値にて記録部23の供給電圧値情報を更新する。なお、例えば、感知器100の汚損の程度が酷く、強度差分値が比較的大きな値となっており、前述の演算した電圧値が、検出側発光部161の発光ダイオードの動作範囲の上限である最大定格を越える場合、発光ダイオードの劣化を防止するために最大定格にて供給電圧値情報を更新してもよい。ここでは、例えば、検出側発光部161に供給する必要がある電圧値として最大定格を越えない「2.4」を演算した場合、記録部23の供給電圧値情報を「2.4」に更新する。この場合、検出側発光部161に供給される電圧値が「2.0」から「2.4」に変更され、検出光の強度が増大し感知器100での火災検出の感度を、汚損前の感度と同程度に維持することが可能となる。なお、基準光の強度も増大することになるが、図3の仕切部131にて検出空間13と基準空間14は相互に遮光されているので、当該増大した基準光が火災検出の感度に何等かの影響を及ぼすことはなく、火災を適切に検出することが可能となる。
図6のSB4において感知器異常判定部242は、感知器100が正常に戻ったか否かを判定する。具体的には任意であるが、例えば、検出側受光部172が実際に受光した検出光の強度を取得し、また、基準側受光部182が実際に受光した基準光の強度を取得し、取得した各強度がほぼ一致しているか否かに基づいて判定する。「ほぼ一致」とは、各強度が同じであること、あるいは、各強度の差分が一定の誤差範囲内におさまっていることに対応する概念である。そして、各強度がほぼ一致しているわけではない場合、感知器100が正常に戻っていないものと判定し(SB4のNO)、感知器100が正常に戻ったものと判定するまで、繰り返しSB4を実行する。また、各強度がほぼ一致している場合、感知器100が正常に戻ったものと判定し(SB4のYES)、SB5に移行する。ここでは、例えば、SB2で出力した警報により感知器100の異常を把握した作業者が、感知器100の内部清掃等のメンテナンスを行うことにより、検出側反射部171が汚損前の状態に戻った場合、各強度がほぼ一致するので、感知器100が正常に戻ったものと判定する。
図6のSB4において補償部243は、補償前の状態に戻す。具体的には任意であるが、例えば、記録部23の供給電圧値情報を初期値に戻す。ここでは、例えば、供給電圧値情報を「2.4」から「2.0」に戻して更新する。この場合、検出光の強度が増大前の状態に戻るので、感知器100での火災検出の感度を、汚損前の感度と同程度に維持することが可能となる。これにて、異常補償処理を終了する。
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、少なくとも基準光に基づいて感知器100の異常を判定することにより、例えば、感知器100の状態を考慮して異常である火災を判定することができるので、実際には監視領域で火災が発生していないにも関わらず火災を報知する誤報の発生頻度を減少させることが可能となる。また、例えば、感知器100の異常を判定するための基準として基準光を用いることができるので、基準に照らして状態を判定することができ、感知器100の異常を容易且つ迅速に把握することが可能となる。また、基準空間14に煙が流入し難いことにより、例えば、煙の影響を受けにくい空間の基準光にて感知器100の異常を判定することができるので、当該異常の判定精度を向上させることが可能となる。
また、基準空間14が密閉空間であることにより、例えば、外部環境による感知器100への影響(例えば、煙による影響、塵埃又は湯気等による影響等)を排除して感知器100の異常を判定することができるので、当該異常の判定精度を一層向上させることが可能となる。
また、検出側発光部161が発光した光を分光して検出光及び基準光を出力することにより、例えば、検出側発光部161を2つ設けることなく1つ設けることにより、検出光及び基準光を出力することができるので、検出側発光部161の数を減らすことができ、感知器100の消費電力を低減することが可能となる。また、例えば、検出側発光部161を1つのみ設けることにより、感知器100の異常を判定した場合に、当該異常の原因として検出側発光部161の違いに起因する原因を除外することができるので、当該異常の原因を特定し易くすることが可能となる。また、例えば、検出側発光部161を1つのみ設けることにより、検出側発光部161の光出力が仮に低下した場合であっても、基準光の出力及び検出光の出力が相互に同様に低下することになるので、基準光の出力又は検出光の出力を明示的に調整することなく、基準光の出力及び検出光の出力が相互に同様となっている状態を維持することができ、感知器100の異常を容易且つ迅速に把握することが可能となる。また、例えば、基準光及び検出光を出力するための専用の検出側発光部161を合計2個設けた場合、基準光の出力及び検出光の出力を調整するために2個の検出側発光部161の調整(例えば、各出力の絶対値の調整、あるいは、各出力相互間の出力を相互に同様にする調整等)を行う必要があり比較的多くの手間及びコストがかかる可能性があるが、検出側発光部161を1つのみ設けることにより、検出側発光部161の調整の手間及びコストを削減することが可能となる。
また、検出側反射部171を備えることにより、例えば、検出光の光路長を伸ばすことができるので、検出空間13に流入した煙にて検出光を十分に減光させることができ、監視領域の火災を確実に判定することが可能となる。また、基準側反射部181を設けることにより、例えば、検出光と同様にして反射された基準光を基準側受光部182で受光することができるので、基準光にて感知器100が正常である場合の検出光を模擬することができ、感知器100の異常の判定精度を一層向上させることが可能となる。
また、補償処理を行うことにより、例えば、感知器100の異常を補償することができるので、監視領域の火災を判定する感度を一定に保つことができ、誤報の発生頻度を減少させることが可能となる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
(感知器の異常の判定について)
また、上記実施の形態の図6のSB1では、感知器100の異常として、検出空間13の汚損を判定する場合について説明したが、感知器100の他の任意の状態を異常として判定してもよい。例えば、感知器100の異常として、検出側発光部161の劣化を判定してもよい。この場合、検出光又は基準光のうちの基準光の経年変化に着目して、基準光が所定の強度よりも低下した場合に、検出側発光部161の劣化を判定してもよい。また、例えば、図6のSB4で説明した感知器100の内部清掃等のメンテナンスを行った場合に、メンテナンスを行ったことを示すメンテナンス情報を感知器100に入力するようにし、この後、メンテナンス情報が入力されている状態において、SB4において所定時間(例えば、1時間〜3時間等)以内に感知器100が正常に戻ったものと判定しなかった場合、検出側受光部172での異常の可能性があるので、感知器100の異常として、検出側受光部172の異常を検出してもよい。
(火災の判定について)
また、上記実施の形態の図5のSA1では、検出光の強度に基づいて火災を判定する場合について説明したが、例えば、基準側受光部182が受光した基準光の強度及び検出側受光部172が受光した検出光の強度の両方を用いて火災を判定してもよい。具体的には、これらの各受光部の基準光及び検出光の差分値を演算し、演算した差分値が所定値以上であるか否かに基づいて火災を判定してもよい。
(構成要素の配置について)
また、上記実施の形態の図3において、検出空間13内の構成要素及び基準空間14内の構成要素を任意に変更してもよい。例えば、検出側発光部161及び検出側分光部162を基準空間14側に配置してもよい。また、例えば、検出側発光部161の如き発光手段を検出空間13側及び基準空間14側に1つずつ設け、検出側分光部162を省略した上で、検出空間13側の発光手段が検出光を出力し、また、基準空間14側の発光手段が基準光を出力するように構成してもよい。このように、1個ずつ発光手段を設ける場合において、更に、検出側受光部172又は基準側受光部182の一方を省略した上で、残った受光部にて各発光手段からの光を受光できるように構成した上で、各発光手段からの光の出力タイミングをずらした上で、実施の形態で説明した各処理を行ってもよい。
(検出側分光部の配置について)
また、上記実施の形態においては、図3の検出側分光部162を仕切部131の透光部131aに設ける場合について説明したが、これに限らない。例えば、仕切部131に検出側分光部162より小径の孔を設けた上で、この孔を塞ぐように検出空間13側に検出側分光部162を配置し、この孔を介して基準光を出力するように構成してもよい。
(反射部について(その1))
また、上記実施の形態において、検出側反射部171又は基準側反射部181を省略して、検出側反射部171又は基準側反射部181を介さずに、検出光又は基準光を直接的に各受光部にて受光するように構成してもよい。
(反射部について(その2))
また、上記実施の形態において、図3の検出側反射部171と基準側反射部181との個数を相互にそろえた上で、仕切部131を介して検出空間13側及び基準空間14側の両側にのびる共通の反射部材にて形成してもよい。
(補償について)
また、上記実施の形態の図6のSB3においては、検出側発光部161の発光ダイオードに供給される電圧値を増加させる場合について説明したが、これに限らず、例えば、感知器100の任意の異常に起因して検出光の強度が増大する場合等の任意の場合、当該電圧値を減少させて補償してもよい。また、例えば、検出側受光部172にフォートダイオードの出力を増幅する増幅回路を設けて、当該増幅回路の増幅率を変更することにより補償してもよい。
(空間について)
また、基準空間14については、密閉空間ではなく、検出空間13に流入する煙の量より少ない煙が流入し得る任意の空間として構成してもよい。また、検出空間13と基準空間14との物理的位置関係を入れ替えてもよい。
(設置位置について)
また、感知器100については、監視領域の天井面ではなく、壁面に設置して利用してもよい。
(特徴について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組合わせてもよい。
(付記)
付記1の減光式感知器は、減光式感知器であって、監視領域の検出対象が流入する検出空間と、前記検出空間に比べて前記検出対象が流入し難い基準空間と、少なくとも前記検出空間を通過する検出光であって前記検出空間に流入する前記検出対象によって減光され得る前記検出光と、少なくとも前記基準空間を通過する基準光とが出力されるように発光する発光手段と、前記検出空間を通過した前記検出光と、前記基準空間を通過した前記基準光とを受光する受光手段と、少なくとも前記受光手段が受光した前記検出光に基づいて、前記監視領域の異常を判定する監視領域異常判定手段と、少なくとも前記受光手段が受光した前記基準光に基づいて、前記減光式感知器の異常を判定する感知器異常判定手段と、を備える。
付記2の減光式感知器は、付記1に記載の減光式感知器において、前記基準空間は、密閉空間である。
付記3の減光式感知器は、付記1又は2に記載の減光式感知器において、前記発光手段が発光した光を分光して前記検出光及び前記基準光を出力する分光手段、を備え、前記受光手段は、前記分光手段が出力した前記検出光と前記基準光とを受光する。
付記4の減光式感知器は、付記1から3の何れか一項に記載の減光式感知器において、前記基準光を前記受光手段に反射する基準側反射手段と、前記検出光を前記受光手段に反射する検出側反射手段と、を備える。
付記5の減光式感知器は、付記1から4の何れか一項に記載の減光式感知器において、前記感知器異常判定手段の判定結果に基づいて、前記減光式感知器の異常を補償するための処理である補償処理を行う補償手段、を備える。
(付記の効果)
付記1に記載の減光式感知器によれば、少なくとも基準光に基づいて減光式感知器の異常を判定することにより、例えば、減光式感知器自身の状態を考慮して異常を判定することができるので、実際には監視領域で異常が発生していないにも関わらず異常を報知する誤報の発生頻度を減少させることが可能となる。また、例えば、減光式感知器の異常を判定するための基準として基準光を用いることができるので、基準に照らして状態を判定することができ、減光式感知器の異常を容易且つ迅速に把握することが可能となる。また、基準空間に検出対象が流入し難いことにより、例えば、検出対象の影響を受けにくい空間の基準光にて減光式感知器の異常を判定することができるので、当該異常の判定精度を向上させることが可能となる。
付記2に記載の減光式感知器によれば、基準空間が密閉空間であることにより、例えば、外部環境による減光式感知器への影響(例えば、検出対象による影響、塵埃又は湯気等による影響等)を排除して減光式感知器の異常を判定することができるので、当該異常の判定精度を一層向上させることが可能となる。
付記3に記載の減光式感知器によれば、発光手段が発光した光を分光して検出光及び基準光を出力することにより、例えば、発光手段を2つ設けることなく1つ設けることにより、検出光及び基準光を出力することができるので、発光手段の数を減らすことができ、減光式感知器の消費電力を低減することが可能となる。また、例えば、発光手段を1つのみ設けることにより、減光式感知器の異常を判定した場合に、当該異常の原因として発光手段の違いに起因する原因を除外することができるので、当該異常の原因を特定し易くすることが可能となる。また、例えば、発光手段を1つのみ設けることにより、発光手段の光出力が仮に低下した場合であっても、基準光の出力及び検出光の出力が相互に同様に低下することになるので、基準光の出力又は検出光の出力を明示的に調整することなく、基準光の出力及び検出光の出力が相互に同様となっている状態を維持することができ、減光式感知器の異常を容易且つ迅速に把握することが可能となる。また、例えば、基準光及び検出光を出力するための専用の発光手段を合計2個設けた場合、基準光の出力及び検出光の出力を調整するために2個の発光手段の調整(例えば、各出力の絶対値の調整、あるいは、各出力相互間の出力を相互に同様にする調整等)を行う必要があり比較的多くの手間及びコストがかかる可能性があるが、発光手段を1つのみ設けることにより、発光手段の調整の手間及びコストを削減することが可能となる。
付記4に記載の減光式感知器によれば、検出側反射手段を備えることにより、例えば、検出光の光路長を伸ばすことができるので、検出空間に流入した検出対象にて検出光を十分に減光させることができ、監視領域の異常を確実に判定することが可能となる。また、基準側反射手段を設けることにより、例えば、検出光と同様にして反射された基準光を受光手段で受光することができるので、基準光にて減光式感知器が正常である場合の検出光を模擬することができ、減光式感知器の異常の判定精度を一層向上させることが可能となる。
付記5に記載の減光式感知器によれば、補償処理を行うことにより、例えば、減光式感知器の異常を補償することができるので、監視領域の異常を判定する感度を一定に保つことができ、誤報の発生頻度を減少させることが可能となる。
11 取付ベース
12 筐体
13 検出空間
14 基準空間
15 防虫網
21 検出部
22 警報部
23 記録部
24 制御部
100 感知器
121 開口部
131 仕切部
131a 透光部
131b 遮光部
132 ラビリンス
133 カバー部
141 ベース部
142 壁部
161 検出側発光部
162 検出側分光部
171 検出側反射部
172 検出側受光部
181 基準側反射部
182 基準側受光部
221 表示灯
241 監視領域異常判定部
242 感知器異常判定部
243 補償部
900 設置面

Claims (5)

  1. 減光式感知器であって、
    監視領域の検出対象が流入する検出空間と、
    前記検出空間に比べて前記検出対象が流入し難い基準空間と、
    少なくとも前記検出空間を通過する検出光であって前記検出空間に流入する前記検出対象によって減光され得る前記検出光と、少なくとも前記基準空間を通過する基準光とが出力されるように発光する発光手段と、
    前記検出空間を通過した前記検出光と、前記基準空間を通過した前記基準光とを受光する受光手段と、
    少なくとも前記受光手段が受光した前記検出光に基づいて、前記監視領域の異常を判定する監視領域異常判定手段と、
    少なくとも前記受光手段が受光した前記基準光に基づいて、前記減光式感知器の異常を判定する感知器異常判定手段と、
    を備える減光式感知器。
  2. 前記基準空間は、密閉空間である、
    請求項1に記載の減光式感知器。
  3. 前記発光手段が発光した光を分光して前記検出光及び前記基準光を出力する分光手段、を備え、
    前記受光手段は、前記分光手段が出力した前記検出光と前記基準光とを受光する、
    請求項1又は2に記載の減光式感知器。
  4. 前記基準光を前記受光手段に反射する基準側反射手段と、
    前記検出光を前記受光手段に反射する検出側反射手段と、を備える、
    請求項1から3の何れか一項に記載の減光式感知器。
  5. 前記感知器異常判定手段の判定結果に基づいて、前記減光式感知器の異常を補償するための処理である補償処理を行う補償手段、を備える、
    請求項1から4の何れか一項に記載の減光式感知器。
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