JP2761898B2 - 抗レトロウイルスカスタノスペルミンエステル類 - Google Patents

抗レトロウイルスカスタノスペルミンエステル類

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、HIV感染を含めたレトロウイルス感染の処
置に於けるある種のカスタノスペルミンエステルの使用
に関するものである。
〔従来の技術〕
人及び動物中のウイルス感染に対する治療及び治癒を
開発するために、多くの研究が現在なされている。人に
於けるエイズ(AIDS)及びARCの症例は、驚くべき速度
で増加している。エイズを有する人の5年間の生存率
は、意気消沈させるものであり、感染によって免役系が
著しく損われたエイズ患者は、カポジ肉腫及びカリニ肺
炎を含めた数多くの日和見主義的(オポチュニスティッ
ク)感染に苦しんでいる。治療方法は知られておらず、
現在の治療法は適当な効果の実証がないものが多く、数
多くの望ましくない副作用を有している。病気に対する
恐怖は病気を有する人又は病気を有するおそれのある人
に対する社会的な追放、及び差別を生じている。
レトロウイルスはリボ核酸(RNA)ウイルスの一類で
あり、これは逆転写酵素を使用することによって複製さ
れ、相補DNA(cDNA)の鎖を形成し、これから二重鎖の
プロウイルスDNAが製造される。このプロウイルスDNA
は、次に宿主細胞のクロモソームDNA中にランダムに挿
入され、ウイルスゲノムを含有する統合化されたDNAが
後で翻訳されることによってウイルス複製が可能とな
る。
多くの既知のレトロウイルスは、発癌性又は腫瘍発生
性である。実際、最初の二つの発見された人レトロウイ
ルスは、人T細胞白血球ウイルスI及びII又はHTLV−I
及びIIであるが、Tリンパ球に感染した後、人の稀な白
血病を生じる。第三のそのような発見された人ウイルス
HTLV−IIIは、現在HIVと呼ばれT−リンパ球に感染した
後に細胞死を生じ、後天的免役不全症候群(AIDS)及び
エイズ関連コンプレックス(ARC)の原因物として同定
されている。
通常のウイルスカプシドに加えて、レトロウイルスは
リピド及び糖蛋白の外側膜であって、通常の細胞膜と似
たものを有している。実際、レトロウイルス膜のリピド
はおそらくは前に感染した宿主細胞の膜から直接由来し
ているが、ウイルス膜の糖蛋白はウイルス自身に独特で
あり、ウイルスのゲノムによってコードされる。レトロ
ウイルスによる宿主細胞の感染は、最初は宿主細胞表面
上の種々の受容器とウイルスの糖蛋白膜エンベロープと
の相互作用に依存している。その後ウイルスと細胞膜は
融合し、ヴィリオン(ウイルス粒子)の内容物は宿主細
胞の細胞質中に放出される。レトロウイルスの糖蛋白エ
ンベロープは、ヴィリオンと宿主細胞の最初の相互作用
及びウイルス膜と宿主細胞膜の後の融合の両方に重要な
役割を果す。
ウイルスのエンベロープ糖蛋白の形成を邪魔すること
は、最初のウイルスと宿主細胞の相互作用又はその後の
融合を防止し得るものであり、又はウイルスの膜の完成
に要求される適当な糖蛋白の構築を妨害することによっ
てウイルスの複製を妨害し得る。非特異的グリコシル化
阻害剤である2−デオキシ−D−グルコース及びβ−ヒ
ドロキシ−ノルバリンは、HIV糖蛋白の表現を阻止し、
シンシチア(syncytia)の形成を封鎖することが最近報
告された。エッチ.エー.ブロー等、Biochemical and
Biophysical Research Communications、141(1)、33
−38(1986)。これらの試薬で処置したHIV−感染細胞
のウイルス複製は停止されるが、おそらくはウイルスの
膜形成に必要とされる糖蛋白が入手できない為である。
別の報告に於いては、グリコシル化阻害剤2−デオキシ
−2−フルオロ−D−マンノースは、ウイルス膜蛋白の
グリコシル化を防止することによってインフルエンザで
感染した細胞に対する抗ウイルス活性を示すことが見出
された。ダブリュー・マクドーウェル等、Biochemistr
y、24(27)、8145−52(1985)。この報告はまた2−
デオキシグルコース及び2−デオキシ−2−フルオログ
ルコースの抗ウイルス活性を研究しており、各々が異な
る機構によってウイルス蛋白グルコシル化を阻害してい
ることを見出した。多くの他の知られたグリコシル化阻
害剤が、抗ウイルス活性を有しないことが見出された。
このようにグリコシル化阻害剤が膜を持ったウイルス一
般に対する抗ウイルス活性を有すること、そして特に抗
レトロウイルス活性を有することは全く予期されないこ
とである。
カスタノスペルミンは、カスタノスペルマムオースト
ラーレ(Castanospermum australe)の種子から単離さ
れたアルカロイドであり、次の式を有する。
系統的に、この化合物は以下の様に幾つかの方法で命名
することができる。[1S−(1α,6β,7α,8β,8a
β)]−オクタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロ
ール又は(1S,6S,7R,8R,8aR)−1,6,7,8−テトラヒドロ
キシインドリジジン又は1,2,4,8−テトラデオキシ−1,
4,8−ニトリロ−L−グリセロ−D−ガラクト−オクチ
トール。「カスタノスペルミン」という用語又は最初の
系統名は以下の議論に於いて使用される。
この化合物の単離及びその構造の決定は、エル.ディ
ー.ホッヘンシュッツ等、Phytochemistry、20、811(1
981)によって記載されている。カスタノスペルミンの
この研究の一部として、ホッヘンシュッツはカスタノス
ペルミンを非常に大量の無水酢酸と反応させることによ
って、カスタノスペルミンテトラアセテートを得ている
が、この記事にはカスタノスペルミンのどのような他の
エステルの示唆もされていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者等は、カスタノスペルミンある種のエステル
がHIV又は他のレトロウイルスによって感染することに
より生じるエイズ及びARCの治療を含めた種々のレトロ
ウイルス感染の治療に有用であることを発見した。
〔課題を解決する手段〕
本発明はカスタノスペルミンのある種のエステル誘導
体に関する。より詳しくは本発明は次の構造式を有する
化合物又は製薬上受け入れられるその化合物の塩に関す
るものである 〔式中R、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、C1-14
ルカノイル、シクロヘキサンカルボニル、C1-6アルコキ
シアセチル、 任意付加的にメチル又はハロゲンで置換され得るナフタ
レンカルボニル、フェニルが任意付加的にメチル又はハ
ロゲンで置換されていてもよいフェニル(C2-6アルカノ
イル)、シナモイル、任意付加的にメチル又はハロゲン
で置換されていてもよいピリジンカルボニル、C1-10
ルキルで任意付加的に置換されていてもよいジヒドロピ
リジンカルボニル、メチル又はハロゲンで任意付加的に
置換されていてもよいチオフェンカルボニル、又は任意
付加的にメチル又はハロゲンで置換されていてもよいフ
ランカルボニルであり、Yは水素、C1-4アルキル、C1-4
アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、C1-4アル
キルスルホニル、C1-4アルキルメルカプト、シアノ又は
ジメチルアミノであり、Y′は水素、C1-4アルキル、C
1-4アルコキシ、ハロゲン又はYと結合し、3,4−メチレ
ンジオキシを与え、Y″は水素、C1-4アルキル、C1-4
ルコキシ又はハロゲンであり、R、R1及びR2はこれらの
内の少なくとも一つが水素であるが、これらの内の二つ
を越えるものが水素となることはないように選択され、
但し、R2が水素で且つR1が水素で且つRが3−メチルベ
ンゾイルである場合は除かれる〕。
上に述べられたC1-14アルカノイル基は、直鎖又は分
枝鎖又は環状であり得、ホルミル、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、イソブチリル、シクロプロパンカルボ
ニル、ヘキサノイル、オクタノイル及びデカノイルによ
って例示できる。上に述べたC1-6アルコキシアセチル
は、メトキシアセチル、エトキシアセチル、及びブトキ
シアセチルであり得る。上に述べたハロゲンは、フッ
素、塩素、臭素又はヨウ素によって例示され得る。上に
述べたC2-6アルカノイル基は、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリル、及びヘキサノイルによっ
て例示され得る。上に述べたC1-4アルキル基であって単
独のもの又はアルコキシ、アルキルスルホニル又はアル
キルメルカプト基の一部のものとしてのものは、直鎖又
は分枝鎖アルキル基であって、4個までの炭素原子を含
有するものであり得る。そのような種々の基の例は、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキ
シ、ブトキシ、メチルスルホニル、エチルスルホニル、
メチルメルカプト及びエチルメルカプトである。上に述
べたフェニル(C2-6アルカノイル)基は、ベンゼンアセ
チル及びベンゼンプロピオニルによって例示され得る。
上に述べた種々のナフタレンカルボニル、ピリジンカル
ボニル、チオフェンカルボニル及びフランカルボニル基
は、種々の位置異性体を含んでおり、これらはナフタレ
ン−1−カルボニル、ナフタレン−2−カルボニル、ニ
コチノイル、イソニコチノイル、N−メチル−ジヒドロ
ピリジン−3−カルボニル、チオフェン−2−カルボニ
ル、チオフェン−3−カルボニル、フラン−2−カルボ
ニル及びフラン−3−カルボニルによって例示され得
る。ナフタレン、ピリジン、チオフェン及びフラン基が
更に任意付加的に上に述べたように置換され得る。
「製薬上受け入れられる酸付加塩」という表現は、塩
基化合物の任意の無毒性有機又は無機酸付加塩に適用さ
れる。適当な塩を形成する無機酸の例には塩酸、臭化水
素酸、硫酸、燐酸、及び酸金属塩、例えばオルト燐酸一
水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムが含まれる。適当
な塩を形成する有機酸の例にはモノ、ジ、及びトリカル
ボン酸が含まれる。そのような酸の例は、例えば酢酸、
グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイ
ン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、
桂皮酸、サリチル酸、及び2−フェノキシ安息香酸であ
る。適当な塩を形成する他の有機酸は、スルホン酸、例
えばメタンスルホン酸及び2−ヒドロキシエタンスルホ
ン酸である。これらの塩及び塩基化合物は水和された形
態又は実質的に無水の形態のいずれかで存在し得る。酸
塩は遊離塩基を水溶液又は水性アルコール溶液中に、又
は他の適当な酸を含有する適当な溶媒中に溶解し、溶液
を蒸発することによって単離することによるか、又は遊
離塩基を有機溶媒中で反応させるか等の標準技術によっ
て製造され、後者の場合には塩は直接分離するか又は溶
液の濃縮によって得ることが出来る。一般に本発明の化
合物の酸付加塩は、水及び種々の親水有機溶媒中に可溶
の結晶性物質であり、これらはそれらの遊離塩基形態と
比較してより高い融点を示し、より高い溶解度を示す。
本発明の化合物の好ましいものは、R、R1及びR2が1
又は2アルカノイル又は上に記載されるようにベンゾイ
ルがY、Y′及びY″で置換されているベンゾイル基、
特にC1-4アルカノイルであるか、又は任意付加的にアル
キル又はハロゲンで置換されることもあり得るベンゾイ
ルである。より好ましいものは、R、R1及びR2の一つが
アルカノイル又はベンゾイル、特にC1-4アルカノイル又
は任意付加的にアルキル又はハロゲンで置換されること
もあり得るベンゾイルであって、他のものが水素である
式Iの化合物である。より好ましいものはR、R1及びR2
の一つがC1-4アルカノイル又は任意付加的にアルキル又
はハロゲン、特にメチル、ブロモ、クロロ、又はフルオ
ロ基によって置換されることもあり得るベンゾイルであ
り、他のものが水素である式Iの化合物である。最も好
ましいのはR1がC1-4アルカノイル又は任意付加的にアル
キル又はハロゲン、特にメチル、ブロモ、クロロ、又は
フルオロ基で、そして最も好ましくはパラ位に於けるメ
チル、ブロモ、クロロ、又はフルオロ基で置換されるこ
ともあり得るベンゾイルであり、R及びR2が各々水素で
ある式Iの化合物である。
本発明のエステルは、カスタノスペルミンを適当な酸
塩化物又は酸無水物と不活性溶媒中で反応させることに
よって製造される。ハロゲン化物は塩化物又は臭化物で
あり得、無水物には混合無水物が含まれる。酸ハロゲン
化物又は酸無水物の使用される相対量、溶媒の相対量、
温度及び反応時間はすべてアシル化されるヒドロキシル
基の数を最小にするように制御される。従って、限られ
た過剰量の酸誘導体のみを使用し、このことは約3倍過
剰までのアシル化剤を意味している。比較的大量の溶媒
の使用は、これらの反応体を希釈するのに役立ち、生成
する高級アシル化生成物の量を押えるのに役立つ。使用
される溶媒は、好ましくは使用する反応体と反応するこ
となしにそれらを溶解するものである。更に、反応の過
程で生成するどんな酸とも反応し、除去してしまう第三
級アミンの存在下で反応を実施するものも好ましい。第
三級アミンは混合物に加えることが出来、又これはそれ
自体過剰量で使用でき、溶媒として役立つ。この点でピ
リジンは好ましい溶媒である。上で示したように時間及
び温度は行われるアシル化の量を制限するように同様に
制御される。好ましくは、反応は氷浴中で冷却しなが
ら、約16時間実施されモノエステルを与えるが、もしジ
エステルが望まれるならば反応時間はより長い時間、例
えば7日間に延長される。反応は実際は高温度に於いて
実施され、事実、種々の関与する要因が適当に制御され
る限り加熱され得る。これは実は反応が上記の様に実施
されたとき、最終反応混合物がまだかなりの量の未反応
カスタノスペルミンを含有しているからである。この未
反応物質は、反応混合物から回収され、後の反応に再循
環され、そのようにしてエステルに転換されるカスタノ
スペルミンの総括的な量を増加させる。この再循環は反
応がモノエステルの単離に有利な条件下で実施されると
きは、特に重要である。
上記の手順は一般的に6−又は7−モノエステル又は
6,7−又は6,8−ジエステルを与える。他の異性体は封鎖
基を適当に使用することによって得ることが出来る。例
えば、カスタノスペルミンを2−(ジブロモメチル)ベ
ンゾイルクロライドと反応させ、6,7−ジエステルを得
る。このジエステルを次に適当な酸ハロゲン化物又は無
水物と反応させ、対応する8−エステルを得る。二つの
保護基を次に二つのジブロモメチル基を(アセトン水溶
液中の過塩素酸銀及び2,4,6−コリジンを使用して)ホ
ルミルに転換し、続いてモルホリン及びヒドロキシドイ
オンを使用して得られるホルミル安息香酸エステルの加
水分解をすることによって容易に除去される。示された
手順はジエステル異性体を与えるのに同様の方法で使用
できる。
本発明のカスタノスペルミンエステル誘導体が抗レト
ロウイルス剤として作用する能力は、ネズミ白血病ウイ
ルス、発癌性レトロウイルスの生育及び複製を阻止する
その能力によってインビトロXC−プラーク検定により決
定されるように実証できる。この検定法はエル.フス等
(J.Virological Methods,1980,1,167−77)及びティ
ー.エル.ボウリン及びエム.アール.プロフィット
(J.Interferon Res.,1983,3(1),19−31)によって
以前に記載されるようにロー等(Virology,1970,42,113
6−39)の方法に従って実施された。マウスのSC−1細
胞(フィブロブラスト)(105)を6−ウェルクラスタ
ープレートの各々のウェル中に(コスター#3506)4ml
最小必須培地(MEM)中で10%牛胎児血清(FCS)ととも
に接種した。18時間の培養期間(37℃)に続いて、モロ
ニーネズミ白血病ウイルス(MoLV)を予め決めた力価で
適用し、ウイルスプラークの最適数(即ち計数可能な
数)を得た。ウイルスの添加2時間前に化合物を加え
た。培養基培地を除去した3日後SC−1細胞モノレイヤ
ー(単一膜)を紫外線照射にさらし(1800エルグ)、そ
してラッドXC細胞(106)を各ウェル中に4ml MEM中に接
種した。更に3日間の培養の後(37℃)、これらの細胞
のエチルアルコール(95%)で固定し、0.3%クリスタ
ルバイオレットで染色した。プラークを次に低倍率下で
計数した。種々の本発明の化合物の抗ウイルス活性を表
1に示す。
「Bz」はベンゾイルを示す。「p−F−Bz」はp−フル
オロベンゾイルを示す。「2,4−Cl2−Bz」は2,4−ジク
ロロベンゾイルを示す。「p−CH3−Bz」はp−メチル
ベンゾイルを示す。「p−CH3O−Bz」はp−メトキシベ
ンゾイルを示し、「Ac」はアセチルを示す。
本発明のカスタノスペルミンエステル誘導体は、レト
ロウイルスによって生じることが知られている数多くの
病気及び症状、例えばネズミ白血病ウイルス、ネコ白血
病ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、トリ筋腫
ウイルス、人免疫不全ウイルス(HIV)、HTLV−I、及
びHTLV−IIによって生じる病気及び症状を治療するのに
使用することが出来る。この分野の熟達者は、抗レトロ
ウイルス療法に要求される状況を容易に築くことが出来
る。発明者は本発明のカスタノスペルミンエステルを人
のHIV感染を治療するのに使用することが最も重要であ
ると考えている。本発明で「患者」という用語は人を含
めた霊長類、羊、馬、牛、豚、犬、猫、ラット及びマウ
ス等の哺乳類を意味するものとする。
投与されるべき式Iのカスタノスペルミンエステル誘
導体の量は、使用される特定の投与単位、治療期間、処
置される患者の年齢及び性、処置される病気の性質及び
程度、及び選ばれる特定のカスタノスペルミンエステル
誘導体に従って広く変化し得る。更にカスタノスペルミ
ンエステル誘導体は、レトロウイルス病の処置に有用で
あることが知られている他の試薬及びレトロウイルスに
よって生じる病気や症状と関連する症候群、及び併発症
の処置に有用であることが知られている試薬と組み合わ
せて使用することが出来る。式Iのカスタノスペルミン
エステル誘導体の抗レトロウイルス有効量は、約15mg/k
g〜500mg/kgの範囲が一般である。単位投与形は25〜500
mgのカスタノスペルミンエステル誘導体を含有出来、1
日当り1又はそれ以上の回数投与できる。カスタノスペ
ルミンエステル誘導体は、経口又は非経口の慣用の投与
単位を用いて製薬上の担体と共に投与することが出来
る。
好ましい投与経路は経口投与である。経口投与のため
にはカスタノスペルミンエステル誘導体は、カプセル、
丸薬、錠剤、トローチ、ロゼンジ、溶融物、粉末、溶
液、懸濁液、又はエマルジョン等の固体又は液体製剤に
処方できる。固体単位投与形は、通常の硬質又は軟質殻
ゼラチン型のものであって、例えば表面活性剤、潤滑
剤、及び不活性充填剤、例えば乳糖、庶糖、燐酸カルシ
ウム、及びトウモロコシ澱粉を含有しているカプセルで
あり得る。別の具体例に於いて本発明の化合物は乳糖、
庶糖、及びトウモロコシ澱粉などの慣用の錠剤基剤をア
ラビアゴム、トウモロコシ澱粉、又はゼラチンなどの結
合剤、投与の後の錠剤の分散及び溶解を助ける目的の馬
鈴薯澱粉、アルギン酸、トウモロコシ澱粉、及びグアー
ゴムなどの崩壊剤、錠剤顆粒の流れを改良し、打錠機及
びパンチの表面に錠剤物質が付着するのを防止する目的
の潤滑剤、例えば滑石、ステアリン酸、又はステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又はステア
リン酸亜鉛、染料、着色剤、及び錠剤の美的品質を改良
し患者により良く受け入れられるようにする目的の香味
剤と組み合わせて錠剤化することが出来る。経口液体投
与形に於いて使用するのに適した賦形薬には、希釈剤、
例えば水及びアルコール、例えばエタノール、ベンジル
アルコール、及びポリエチレンアルコール類が含まれ、
製薬上受け入れられる表面活性剤、懸濁剤、又は乳化剤
の添加と共に又は添加なしに用いられる。
本発明のカスタノスペルミンエステル誘導体は又、非
経口的、即ち皮下、静脈内、筋肉内、又は腹腔内に製薬
上の担体と共に生理的に受け入れられる希釈剤中の化合
物の注射可能な投与物として投与することが出来、製薬
担体は水、塩水、水性デキストロース及び関連投与液、
アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、又
はヘキサデシルアルコール、グリコール類、例えばプロ
ピレングリコール又はポリエチレングリコール、グリセ
ロールケタール類、例えば2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソラン−4−メタノール、エステル類、例えばポリ(エ
チレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステル
又はグリセリド、又はアセチル化脂肪酸グリセリド等の
滅菌液体、又は液体の混合物であることが出来、石鹸又
は洗剤、懸濁剤、例えばペクチン、カーボマー類、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
又はカルボキシメチルセルロース等の製薬上受け入れら
れる表面活性剤、又は乳化剤及び他の製薬上の助剤を加
えるか又は加えずに投与することが出来る。本発明の非
経口処方剤中に使用することの出来る油の例は、石油、
動物、植物、又は合成起源のもの、ピーナツ油、大豆
油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ペ
トロラタム、及び鉱油である。適当な脂肪酸にはオレイ
ン酸、ステアリン酸、及びイソステアリン酸が含まれ
る。適当な脂肪酸エステルは、例えばオレイン酸エチル
及びミリスチン酸イソプロピルである。適当な石鹸には
脂肪酸アルカリ金属、アンモニウム、及びトリエタノー
ルアミン塩が含まれ、そして適当な洗剤には陽イオン性
洗剤、例えばジメチルジアルキルアンモニウムハライ
ド、アルキルピリジニウムハライド、及びアルキルアミ
ンアセテート類、陰イオン性洗剤、例えばアルキル、ア
リール、及びオレフィンスルホネート類、アルキル、オ
レフィン、エーテル、及びモノグリセリドサルフェート
類、及びスルホコハク酸類、非イオン性洗剤、例えば脂
肪酸アミンオキシド類、脂肪酸アルカノールアミド類、
及びポリオキシエチレンポリプロピレン共重合体類、及
び両性洗剤、例えばアルキル−β−アミノプロピオネー
ト類、及び2−アルキルイミダゾリン第四級アンモニウ
ム塩、並びにそれらの混合物が含まれる。本発明の非経
口組成物は、典型的には約0.5〜約25重量%の式Iのカ
スタノスペルミンエステル誘導体を溶液中に含む。防腐
剤及び緩衝液も使用するのが有利である。注射の場所に
於ける刺激を最小にするか除去する為にそのような組成
物は、親水−親油バランス(HLB)約12〜約17を有する
非イオン性表面活性剤を含有し得る。そのような処方剤
中の表面活性剤の量は約15重量%の範囲である。表面活
性剤は、上記HLBを有する単一成分であり得るか又は所
望のHLBを有する2又はそれ以上の成分の混合物であり
得る。非経口処方剤中に使用される表面活性剤の例は、
ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル類のもの、例え
ばソルビタンモノオレエート及びプロピレンオキシドと
プロピレングリコールの縮合によって形成された酸化エ
チレンの疎水基剤との高分子量アダクトである。
〔実施例〕
実施例1 140mlのピリジン中の4.0gのカスタノスペルミンのス
ラリーを室温で30分間本質的にすべての固体が溶解する
まで攪拌した。溶液を氷/水浴中で0℃に冷却し、15ml
のピリジン中の5.85mlの塩化ベンゾイルの溶液を15分間
にわたって窒素下で滴下した。添加の後反応物を8℃で
一夜攪拌した。
反応混合物を225mlの塩化メチレン及び300mlの水の間
に分配した。有機層を分離し、水層を225ml部分の塩化
メチレンで2回抽出した。一緒にした有機層を連続し
て、150mlの0.5N塩酸、飽和炭酸ナトリウム、水及び飽
和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウム上
で乾燥した、減圧下で溶媒を蒸発させると、2.9gの褐色
のガラス状の残留物が得られた。
この物質をクロロホルム中でスラリーにし、白色沈殿
が生成した。これらの固体を単離し、910mgの白色粉末
を得た。薄層クロマトグラフィー(85:15、酢酸エチ
ル:メタノール)分析はこの物質が二つの成分から構成
されていることを示した(Rf0.33及びRf0.26)。固体混
合物を45mlの4:1酢酸エチル:メタノール中でスラリー
にし、濾過した。残留物を真空で乾燥し、350mgの[1S
−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ−1,6,
7,8−インドリジンテトロール 6−ベンゾエートを白
色の粉末状固体として与えた。融点は233〜236℃で分解
を伴う。これは混合物のより極性の低い成分に対応す
る。NMR(DMSO−d6)δ1.5−2.2(m、5H)、2.9−3.6
(m、4H)、4.1(m、1H、C1−H)、4.3(d、1H、−
OH)、4.7(d、1H、−OH)、4.8(セクステット、1H、
C6−H)、5.1(d、1H、−OH)、7.6−8.1(m、5H、
アリール)。MS(Cl−CH4)294(MH+)、276(MH+−H
2O)、172(MH+−PhCO2H)。
上記からの濾液を凝縮させ、分離用薄層クロマトグラ
フィーによって分別し(シリカゲル、80:20、酢酸エチ
ル:メタノール)、そして120mgのより極性の成分、即
ち、[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒド
ロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7−ベンゾエ
ートを白色粉末状固体として得た。融点約200〜202℃。
NMR(DMSO−d6+D2O)1.5−2.2(m、5H)、2.9−3.1
(m、2H)、3.6−3.8(m、2H)、4.1(m、1H、C1
H)、4.8(t、1H、−C7−H)、7.4−8.1(m、5H、
アリール)。MS(Cl−CH4)294(MH+)、276(MH+−H
2O)、172(MH+−PhCO2H)。この化合物は次の構造式を
有する。
実施例2 カスタノスペルミン(1.89g)を10mlのピリジンの攪
拌溶液に加え、氷浴中で0℃に冷却した。塩化ベンゾイ
ル3.0gを混合物に滴下し、生じる懸濁液を7日間0〜4
℃に保った。水10mlを加え、混合物を真空で蒸発乾固し
た。生じる残留物を1:1水:酢酸エチル(100ml)中に再
溶解し、相を分離した。水相を再度100mlの酢酸エチル
で抽出した。有機抽出物を一緒にし、シロップに濃縮
し、これは薄層クロマトグラフィーにより二つの主要な
成分の混合物であることが示された(1:1酢酸エチル:
ヘキサン、シリカゲル、Rf=0.42及びRf=0.11)。混合
物を分離用高圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、
1:1酢酸エチル:ヘキサン)によって分離し、1.9g(48
%)のより極性の[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]
−オクタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール
6,7−ジベンゾエートを融点約79〜81℃の乾燥発泡物と
して得た。NMR(DMSO−d6/D2O)δ1.5−2.3(m、5
H)、3.0−3.4(m、2H)、3.9(t、1H)、4.2(m、1
H、C1−H)、5.15(m、1H、C6−H)、5.3(t、1H、
C7−H)、7.4−8.0(m、10H、アリール)。MS(FAB−
Xe)398(MH+)、380(MH+−H2O)、276(MH+−PhCO
2H)。極性がより低い成分(Rf=0.42)を融点約75〜78
℃の乾燥発泡物として単離し、これは[1S−(1α,6
β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ−1,6,7,8−インド
リジンテトロール 6,7,8−トリベンゾエートであっ
た。
実施例3 カスタノスペルミン及び適当な酸塩化物を使用して実
施例1の手順を繰り返したとき、次の化合物が得られ
た。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−(4−フル
オロベンゾエート)融点約216〜218℃。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7−(4−フル
オロベンゾエート)融点約190〜193℃。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7−(2,4−ジク
ロロベンゾエート)融点約179〜181℃。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−(4−ブロ
モベンゾエート)融点約234〜235℃。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−(4−メト
キシベンゾエート)融点約221〜224℃。
実施例4 カスタノスペルミン及び4−フルオロベンゾイルクロ
ライドを使用して、実施例2の手順を繰り返したとき、
得られた生成物は[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]
−オクタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール
6,7−ビス(4−フルオロベンゾエート)融点約82〜84
℃であった。
実施例5 0℃で30mlのピリジン中の3gのカスタノスペルミンの
懸濁液に3gの4−メチルベンゾイルクロライドの溶液を
滴下した。添加の後混合物を室温に暖め、次に55℃で24
時間加熱した。反応混合物を10mlの水で希釈し、真空中
で蒸発乾固した。生じる残留物を150mlの1:2水:塩化メ
チレン混合物中で攪拌した。不溶物質を濾過によって分
離して、無定形の灰白色固体を得、これを60mの熱いメ
タノール中に溶解し、0.5gの活性炭で処理し、濾過し
た。無色の濾液を冷却し、無色の結晶の[1S−(1α,6
β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ−1,6,7,8−インド
リジンテトロール 6−(4−メチルベンゾエート)融
点約255〜258℃(分解を伴う)を得た(580mg、12%収
率)。
上で得られた二相 水/塩化メチレン混合物を蒸発乾
固し、残留物を50mlの1:2メタノール:酢酸エチル混合
物に溶解した。溶液を分離用高圧液体クロマトグラフィ
ー(シリカゲル、9:1酢酸エチル:メタノール)で分画
し、より極性の高い成分を含有しているフラクション
(即ち、前の節で得られた6−エステルよりも、より極
性のもの)を集め、真空で蒸発し、無色の固体を与え、
これは[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒ
ドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7−(4−
メチルベンゾエート)融点約220〜223℃(分解を伴う)
を与えた(210mg、4%収率)。
実施例6 カスタノスペルミン及び適当な酸塩化物を使用して実
施例5の手順を繰り返したとき、次のエステルが得られ
た。
6−(3−メチルベンゾエート)、 7−(3−メチルベンゾエート)、 6−(3−トリフルオロメチルベンゾエート)、 6−(4−メチルスルホニルベンゾエート)、 6−(4−メチルメルカプトベンゾエート)、 6−(3−ジアノベンゾエート)、 6−(4−ジメチルアミノベンゾエート)、 6−(3,4−メチレンジオキシベンゾエート)、 6−(3,4,5−トリクロロベンゾエート)、 7−(3,4,5−トリクロロベンゾエート)、 6−(2,4−ジメチルベンゾエート)、 6−(2−ナフタレンカルボキシレート)、 7−(2−ナフタレンカルボキシレート)、 6−(4−メチル−2−ナフタレンカルボキシレー
ト)、 6−(ベンゼンアセテート)、 7−(ベンゼンアセテート)、 6−(4−クロロベンゼンアセテート)、 6−(ベンゼンプロピオネート)、 6−(シンナメート)、 7−(シンナメート)、 6−(シクロヘキサンカルボキシレート)、 6−ニコチネート、 6−イソニコチネート、 6−(2−チオフェンカルボキシレート)、 6−(2−フランカルボキシレート)融点約209〜212
℃。
実施例7 カスタノスペルミン(350mg)を5mlのピリジンに加
え、窒素下で室温で攪拌した。無水酪酸(0.97g)を滴
下し、混合物を室温で24時間保った。反応混合物を真空
で蒸発乾固し、シロップ状残留物を残した。残留物をエ
ーテル中に溶解し、無色の固体がペンタンを加えたとき
に沈殿した。この固体をエーテル及び石油エーテルの混
合物から再結晶したとき、無色の針状物である[1S−
(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ−1,6,7,8
−インドリジンテトロール 6,8−ジブタノエート 融
点約110〜111℃を与えた(22mg、4%収率)。NMR(CDC
l3)δ3.7(t、1H、C7−H)、4.1(m、1H、C1
H)、4.85(t、1H、C8−H)、5.0(m、1H、C6
H)。MS(Cl−CH4)330(MH+)、312(MH+−H2O)。
実施例8 無水酢酸、無水プロピオン酸又は無水カプロン酸を無
水酪酸の代わりに使用して実施例7の手順を繰り返した
とき、対応する6,8−ジエステルが得られた。
実施例9 15mlのピリジン中の1.5gのカスタノスペルミンの氷浴
中で0℃に冷却された攪拌された懸濁液に1.0gの塩化ブ
チリルを滴下した。混合物を室温で3日間攪拌し、水:
塩化メチレンの1:1混合物(400ml)に加えた。沈殿の後
水相を真空で濃縮し、油状の残留物を与え、これを放射
状の薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、2mm厚みの
プレート、2:8エタノール:クロロホルム)により分画
し、68mgの[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オク
タヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−ブ
タノエートを与え、薄層クロマトグラフィー(シリカゲ
ル、2:8メタノール:クロロホルム、Rf=0.5)によって
均一であった。5:95イソプロパノール:ヘキサンから生
成物を再結晶すると無色の固体、融点113〜114℃が得ら
れた。NMR(CDCl3)δ3.5−3.8(2t、2H、C7−H及びC8
−H)、4.4(m、1H、C1−H)、4.95(m、1H、C6
H)。MS(Cl−CH4)260(MH+)、242(MH+−H2O)、17
2(MH+−C3H7CO2H)。
同様に上の手順を塩化アセチル又は塩化プロピオニル
を使用して繰り返したとき、次のモノエステル類が得ら
れた。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−アセテート
融点約188〜189℃。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7−プロピオネ
ート 融点約153〜155℃。
実施例10 次の組成をそれぞれ有する錠剤が製造される。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−ベンゾエー
ト 250mg 澱粉 40mg 滑石 10mg ステアリン酸マグネシウム 10mg 実施例11 次の組成をそれぞれ有する錠剤が製造される。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6,7−ジベンゾエ
ート 400mg 滑石 40mg ナトリウムカルボキシメチルセルロース 40mg 澱粉 120mg 実施例12 各々次の組成を有する注射可能な投与形が製造され
る。
[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オクタヒドロ
−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−(4−フル
オロベンゾエート) 0.500g ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 2.000g 塩化ナトリウム 0.128g 注射用水十分量 20.000ml
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 テリー エル.ボウリン アメリカ合衆国 45039 オハイオ州 メインビル ポンド リッジ ドライブ 8466 (56)参考文献 国際公開87/3903(WO,A) Journal of Chemic al Ecology 11[8 ](1985)p.1045−1051 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 471/00 - 471/22 A61K 31/435 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 〔式中、R、R1及びR2がそれぞれ独立に、水素、C1-4
    ルカノイル、C1-6アルコキシアセチル、任意付加的にア
    ルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換され得るベンゾ
    イル、又はフラノイルであり、但し、R、R1及びR2は、
    これらの少なくとも一つが水素であるが、これらが水素
    であるのは二個を越えることがないように選ばれ、ま
    た、R2が水素で且つR1が水素で且つRが3−メチルベン
    ゾイルである場合は除かれる〕のカスタノスペルミンエ
    ステル又は製薬上受け入れられるその塩の抗レトロウイ
    ルス有効量を含むレトロウイルス感染処置剤。
  2. 【請求項2】式 〔式中、R、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素、C1-4
    ルカノイル、C1-6アルコキシアセチル、任意付加的にア
    ルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換され得るベンゾ
    イル、又はフラノイルであり、但し、R、R1及びR2は、
    これらの少なくとも一つが水素であるが、これらが水素
    であるのは二個を越えることがないように選ばれ、ま
    た、R2が水素で且つR1が水素で且つRが3−メチルベン
    ゾイルである場合は除かれる〕のカスタノスペルミンエ
    ステル又は製薬上受け入れられるその塩の抗ウイルス有
    効量を含む、患者のサイトメガロウイルス感染処置剤。
  3. 【請求項3】R、R1及びR2がそれぞれ独立に水素、C1-4
    アルカノイル、C1-6アルコキシアセチル、又は任意付加
    的にメチル、ブロモ、クロロ、又はフルオロで置換され
    得るベンゾイルであり、R、R1及びR2がこれらの少なく
    とも一つが水素であるが、これらが水素であるのは二個
    を越えることがないように選ばれるカスタノスペルミン
    エステル、又は製薬上受け入れられるその塩の抗レトロ
    ウイルス有効量を含む請求項1又は2に記載の感染処置
    剤。
  4. 【請求項4】RがC1-4アルカノイル、C1-6アルコキシア
    セチル、又はアルキル基又はハロゲン基で任意付加的に
    置換されることもあり得るベンゾイルであるカスタノス
    ペルミンエステル、又は製薬上受け入れられるその塩の
    抗レトロウイルス有効量を含む請求項1又は2に記載の
    感染処置剤。
  5. 【請求項5】R1がC1-4アルカノイル、C1-6アルコキシア
    セチル、又は任意付加的にメチル、ブロモ、クロロ、又
    はフルオロ基で置換されることもあり得るベンゾイルで
    あるカスタノスペルミンエステル、又は製薬上受け入れ
    られるその塩の抗レトロウイルス有効量を含む請求項1
    又は2に記載の感染処置剤。
  6. 【請求項6】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オ
    クタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−
    ベンゾエートである請求項1又は2に記載の処置剤。
  7. 【請求項7】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オ
    クタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7−
    ベンゾエートである請求項1又は2に記載の処置剤。
  8. 【請求項8】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オ
    クタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6−
    (4−メチルベンゾエート)である請求項1又は2に記
    載の処置剤。
  9. 【請求項9】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−オ
    クタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7−
    (4−ブロモベンゾエート)である請求項1又は2に記
    載の処置剤。
  10. 【請求項10】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−
    オクタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6,8
    −ジブタノエートである請求項1又は2に記載の処置
    剤。
  11. 【請求項11】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−
    オクタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6
    −ブタノエートである請求項1又は2に記載の処置剤。
  12. 【請求項12】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−
    オクタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 6
    −(2−フランカルボキシレート)である請求項1又は
    2に記載の処置剤。
  13. 【請求項13】[1S−(1α,6β,7α,8β,8aβ)]−
    オクタヒドロ−1,6,7,8−インドリジンテトロール 7
    −(2,4−ジクロロベンゾエート)である請求項1又は
    2に記載の処置剤。
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