JPH07206822A - 新規な非対称チオ尿素化合物及びそれを有効成分とする抗ヒト免疫不全症ウイルス剤 - Google Patents

新規な非対称チオ尿素化合物及びそれを有効成分とする抗ヒト免疫不全症ウイルス剤

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JPH07206822A
JPH07206822A JP637094A JP637094A JPH07206822A JP H07206822 A JPH07206822 A JP H07206822A JP 637094 A JP637094 A JP 637094A JP 637094 A JP637094 A JP 637094A JP H07206822 A JPH07206822 A JP H07206822A
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JP
Japan
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compound
human immunodeficiency
hiv
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thiourea compound
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JP637094A
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English (en)
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Hisami Satake
寿巳 佐竹
Toshiyuki Takano
俊幸 高野
Kazuhiro Watanabe
和浩 渡邊
Hidetoshi Yoshioka
英敏 吉岡
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な非対称チオ尿素化合物及びそれを有効
成分とする抗ヒト免疫不全症ウイルス剤を提供するこ
と。 【構成】 下記一般式[1]を有する新規な非対称チオ
尿素化合物及びそれを有効成分とする抗ヒト免疫不全症
ウイルス剤。 【化1】 (式中、Xは水素原子、臭素原子又は塩素原子のいずれ
かを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な非対称チオ尿素
化合物及びこれを有効成分とする抗ヒト免疫不全症ウイ
ルス剤(以下『抗HIV剤』と略称する)に関するもの
であり、特にヒト免疫不全症の治療又は予防に使用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】後天性ヒト免疫不全症の原因であるHI
V(Human Immunodeficiency Virus)が、1983年に発見さ
れて以来、その正体について精力的な検討がなされ、そ
のライフサイクルについてはほぼ解明されている。
【0003】また、満屋らによってHIVに由来するエ
イズの治療における化学療法の可能性が示されて以来、
HIV固有の増殖過程、即ち、吸着・侵入段階、逆転写
段階、プロウイルスからの転写段階、構成タンパク・糖
タンパク質の合成段階及び出芽段階等をターゲットとし
た種々のエイズ治療を目的とする薬剤が検討されるとと
もに、Warner C.Greene は、AIDS and the Immune Syst
em において、将来のエイズ治療法はHIVの前記ライ
フサイクルの各段階に直接作用する抗HIV剤の組み合
わせになることを予測している。
【0004】他方、核酸関連物質のなかには抗ウイルス
作用を有する物質が多く知られており、なかでも逆転写
酵素阻害活性を示す抗HIV剤として、従来、アジドチ
ミジン(以下『AZT』と略称する)、ジデオキシイノ
シン(以下『DDI』と略称する)、ジデオキシシチジ
ン(以下『DDC』と略称する)等のジデオキシヌクレ
オシド類等が知られている。これらの抗HIV剤である
AZT、DDI、DDC等がジデオキシヌクレオシド類
という化合物群に属することが判明して以来、ジデオキ
シヌクレオシド類を種々の置換基で修飾した新規ジデオ
キシヌクレオシド類が合成されたが、現在のところ上記
した3種のみが抗HIV薬として認可されている。
【0005】また、非核酸系の逆転写酵素阻害剤として
は、ネビラピン、L697,639、LY30046 、R82913、R8251
0、HEPT等が知られている。
【0006】これらの抗HIV剤のなかでも、核酸系抗
HIV剤であるAZTについては、一定の臨床効果と延
命効果が確認され、現在、抗HIV治療薬として成果を
上げている。
【0007】しかし、ヒト免疫不全症であるエイズの化
学療法は、抗ウイルス効果が十分でないこと、長期療法
に伴う慢性毒性、薬剤耐性HIV株の出現、化学療法に
よって延命した患者の悪性腫瘍の好発等、新たに解決す
べき多くの問題を抱えているのが現状である。さらに、
非核酸系の抗HIV剤の多くは、複雑な化学構造を有す
ることから、経済的に合成するには難点がある等の問題
点もある。
【0008】以上の問題点のうち、薬剤耐性HIV株対
策としては、AZTとDDI、あるいはAZTとDDC
等の併用療法が検討されている。また、Yung-Kang Chow
によってAZT、DDI及び他の一種の薬剤(例えばネ
ビラピンまたはピリジノン)から成る混合薬剤を使用す
る3種収束療法(Covergenttriple therapy )が考案さ
れており、この方法によれば逆転写酵素はあまり激しく
変異するため失活してしまうことを明らかにしている。
【0009】従って、これらの3種収束療法等の併用療
法を効果的に行うには現在実用化されている核酸系抗H
IV剤であるAZTと同等あるいはそれ以上の抗HIV
作用をもち、さらに毒性の低いものが必要である。即
ち、50%エイズウイルスを抑制する有効濃度(EC50
値)の低い抗HIV剤で、治療係数SI値が高いものが
必要である。
【0010】また、既に抗HIV剤として使用されてい
る核酸系のAZTと同等であって、DDC、DDI等よ
りも抗HIV活性試験(in vitro実験)で治療係数値が
大幅に大きいものであれば、実際の人体への化学的影響
や副作用を大幅に軽減できる可能性が考えられる。この
ような優れた抗HIV活性のある抗HIV剤の開発が3
種収束療法の上からも切望されている。
【0011】以上より、核酸系抗HIV剤であるAZT
に匹敵する性能で且つ競争阻害でなく、つまり非核酸系
の化学構造の抗HIV剤の開発とともに、長期的な、お
そらく生涯に亙る継続投与を考慮して、薬価並び副作用
の面からも微量で効果のある薬剤の開発が待たれてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、従来、毒性が比較的少ないことから農園芸殺菌剤、
殺虫剤、医薬として検討されている非対称のチオ尿素化
合物に着目し新規な非対称チオ尿素化合物の抗HIV効
果について鋭意研究した結果、なかでも特定構造を有す
る新規な非対称のチオ尿素化合物が、従来、抗HIV剤
として使用されているAZT以上の薬効を有することを
見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0013】従って、本発明の目的は、新規な非対称チ
オ尿素化合物及びこれを有効成分とする核酸系抗HIV
剤であるAZTに匹敵する性能で、且つ競争阻害のない
抗HIV剤に関する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の課題は、
下記一般式[1]に示すような1分子中に1つのチオカ
ルバミド構造を有し、かつ該チオカルバミド構造の片側
が2−ピリジル基又は2−(5−ハロゲン化)ピリジル
基であり、もう一方の片側がフェニルエチル基で置換さ
れた非対称チオ尿素化合物により達成された。
【0015】
【化6】 式中Xは、水素原子、臭素原子又は塩素原子のいずれか
を表す。
【0016】本発明における一般式[1]で示される非
対称チオ尿素化合物としては、N-2-ピリジル-N'-フェニ
ルエチルチオ尿素、N-2-(5- クロロピリジル)N'- フェ
ニルチオ尿素、N-2-(5- ブロモピリジル)N'- フェニル
エチルチオ尿素等が挙げられる。
【0017】本発明における一般式[1]を有する非対
称チオ尿素化合物は以下の方法により製造される。
【0018】即ち、2-アミノ−ピリジンもしくは2-アミ
ノ-5- ハロゲン化ピリジン1.5 〜2.5mM を酢酸エチルに
溶解した溶液に、各種の置換基を有するイソチオシアン
酸β−フェニルエチル1 〜2mM を酢酸エチルに溶解させ
た溶液を滴下し、0〜80℃に加温下で撹拌することによ
り 6〜10時間反応する。反応終了後、反応液を酢酸エチ
ルで希釈し、塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ム(無水)で乾燥後、溶媒を除去し、結晶化、シリカゲ
ルプレート(カラム)による分離等の精製操作を行い、
目的とする前記一般式[1]で表される非対象チオ尿素
化合物を得ることができる。
【0019】置換基の種類による反応特性は、置換基X
が水素原子の場合が最も短時間でかつ収率が高く、置換
基Xが臭素及び塩素等のハロゲン原子の場合は水素原子
の場合に比較して反応時間も長くまた収率も低い。
【0020】これらの反応により得られた非対称チオ尿
素化合物は、いずれも全て無色の結晶である。
【0021】なお、本発明の非対称チオ尿素化合物は、
核酸系抗HIV剤であるAZT、DDI等に比較して、
その構造が単純であることからその合成が簡単であると
共に安価に合成できるという利点がある。
【0022】本発明において使用する抗HIV剤は、有
効成分として、前記一般式[1]で示される非対称チオ
尿素誘導体と投与方法及び投与形態に応じて選択された
薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物として調
整される。
【0023】すなわち、生体内部ウイルス疾患あるい
は、生体外部ウイルス感染部の治療又は消毒対象に応じ
て、経口的にあるいは非経口的に投与され、その投与方
法に応じて適当な薬物担体により、粉末、顆粒、注射用
もしくは内服用溶液剤、錠剤座薬、ペッサリー、軟膏、
クリーム、エアゾールなどの製剤として調整できる。こ
のための製剤化の手段としては、慣用の賦形剤、例えば
水、生理食塩水、アルコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセロールエステル、ゼラチン等が、また添加剤
として例えば防腐剤、滅菌剤、潤滑剤、湿潤剤、着色
剤、マスキングフレ−バ−、芳香剤等を用いることがで
きる。
【0024】また、前記一般式[1]で示される非対称
チオ尿素誘導体とすでに認可されているAZT、DD
I、DDCと共に、薬剤の投与方法及び投与形態に応じ
て選択された薬学的に許容される担体とからなる3種収
束療法用医薬組成物として調整しても良い。なお、本発
明の非対称チオ尿素化合物は、核酸系抗HIV剤である
AZT、DDI等に比較してその構造が単純であること
から体内に継続投与する場合、好適な薬剤となるという
利点がある。
【0025】本発明の抗HIV剤は、レトロウイルスの
増殖及び感染阻止剤として、ヒトの後天性免疫不全症の
治療・予防に用いることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0027】[実施例1]2-アミノ-5- ブロモピリジン
(259mg,1.5mM )を酢酸エチル(3ml )に溶解した溶液
に、イソチオシアン酸β−フェニルエチル(163mg 、 1
mM)を酢酸エチル(1ml)に溶解させた溶液を滴下し、60
℃で7時間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチル
で希釈、1N-塩酸、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウム
(無水)で乾燥後、濃縮し無色の油状物質を得た。この
油状物質を、シリカゲルプレ−ト(展開溶媒:酢酸エチ
ル/n-ヘキサン=1:3(v/v))で精製し、N-2-(5- ブロモ
ピリジル),N'-フェニルエチルチオ尿素の無色の結晶 1
51mg(収率:45.0%)を得た。
【0028】融点 152〜153℃1 H−NMR (DMSO−d6 )ppm δ=3.01(2H,t,J=7.0) δ=4.02(2H,dd,J=12.3,7.0) δ=6.62(1H,d,J=8.6) δ=7.24-7.37 (5H,m) δ=7.70(1H,dd,J=8.6 ,2.3) δ=8.00(1H,d,J=2.3) δ=8.44(1H,s) δ=11.21 (1H,s)
【0029】[実施例2]2-アミノピリジン(169mg,1.8
mM)を酢酸エチル( 2ml)に溶解し、溶液にイソチオシ
アン酸β−フェニルエチル(326mg,2.0mM)を酢酸エチル
(1ml)に溶解させた溶液を滴下し、50℃で6時間撹拌し
た。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈1N-塩酸、
飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウム(無水)で乾燥後、
濃縮し、N-2-ピリジル,N'-フェニルエチルチオ尿素の無
色結晶 338mg(収率:73.0%)を得た。
【0030】融点 154℃1 H−NMR (DMSO−d6 )ppm δ=3.03(2H,t,J=7.0) δ=4.04(2H,dd,J=12.5,7.0) δ=6.74(1H,d,J=7.5) δ=6.90(1H,dd,J=7.5 ,5.0) δ=7.22-7.36 (5H,m) δ=7.61(1H,t,J=7.5) δ=7.96(1H,d,J=5.0) δ=8.66(1H,s) δ=11.72 (1H,s)
【0031】[実施例3]2-アミノ-5- クロロピリジン
(257mg,2mM )を酢酸エチル(3ml )に溶解した溶液
に、イソチオシアン酸β−フェニルエチル(408mg,2.5m
M )を酢酸エチル(1ml )に溶解させた溶液を滴下し、
50℃で10時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を酢酸エ
チルで希釈、1N-塩酸、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリ
ウム(無水)で乾燥後、濃縮し無色の油状物質を得た。
この油状物質を、シリカゲルプレ−ト(展開溶媒:酢酸
エチル/n-ヘキサン=1:2(v/v))で精製し、N-2-(5- ク
ロロピリジル),N'-フェニルエチルチオ尿素の無色の結
晶354mg (収率:60.6%)を得た。
【0032】融点 154℃1 H−NMR (DMSO−d6 )ppm δ=3.03(2H,t,J=6.8) δ=4.04(2H,td,J=12.7,6.6) δ=6.75(2H,d,J=8.8) δ=7.25-7.40 (5H,m) δ=7.57(1H,dd,J=8.8 ,2.4) δ=7.90(1H,d,J=2.4) δ=8.84(1H,s) δ=11.19 (1H,s)
【0033】[実施例4] 抗エイズウイルス剤活性試験(MTT法) HIV−1( IIIB)に感染させた 1×104 個のMT−
4細胞と非感染のMT−4細胞を種々の濃度の化合物と
ともに96穴のマイクロタイタプレートの各穴に加え、37
℃の炭酸ガスインキュべーターで5日間培養後、3-(4,5
-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bro
mide(MTT) を加え、更に2時間培養を続けた。この間に
生細胞に取り込まれたMTT は細胞中のミトコンドリアの
有する酵素により還元、青紫色の水不溶性色素(formaz
an) を生成した。
【0034】5%TritonX-100を含む塩酸酸性2-プロパ
ノール溶液を添加し、生成した色素を可溶化させた後、
595nm における特異的吸光度と655nm における非特異的
吸光度をマイクロプレートリーダー(BIO-RAD モデル35
50) により測定することにより、両者の差を求め、得ら
れた数値から、50%有効濃度(EC50値)、50%細胞毒
性濃度(CC50値)及び治療係数SI値(SI 値=CC50値
/EC50値)を算出し、表1に示した。なお、SI値は、
細胞障害を起こさず、HIV感染による細胞障害を防御
する濃度領域でしかも正常細胞への毒性のない濃度領域
の表示として意義がある。従って、薬効の点ではEC50
値は小さな程望ましく、正常細胞への毒性の点でCC50
値は大きな程良い。またSI値はできるだけ大きな値
程、安全性の高いことを示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1より明らかなように、本発明の実施例
2記載のN-2-ピリジル,N'-フェニルエチルチオ尿素及び
実施例3記載のN-2-(5- クロロピリジル),N'-フェニル
エチルチオ尿素を有効成分とする新規抗HIV剤は、治
療係数SI値が既存の核酸系抗HIV剤であるAZTと
同等であり、有効な抗HIV剤である。
【0037】また、実施例1に記載のN-2-(5- ブロモピ
リジル),N'-フェニルエチルチオ尿素を有効成分とする
新規抗HIV剤は、治療係数SI値が既存の核酸系抗H
IV剤であるAZTと比較して極めて高いことから、比
較例1に示したAZTと比較して安全性が高いという特
徴がある。
【0038】なお、本発明における非対称チオ尿素化合
物のうち、特に臭素置換体が既存の核酸系抗HIV剤で
あるAZTに比較して治療係数SI値の点で極めて高い
理由については明らかではないが、HIV−1の逆転写
酵素のアロステリック阻害により、抗HIV活性を発現
すると考えられ、この臭素置換体が最もアロステリック
部位への適合性が高いためと推測される。
【0039】なお、本発明者等はN-2-ピリジル-N'-フェ
ニルチオ尿素の他、N-2-ピリジル-N'-フェニルエチルチ
オ尿素のハロゲン基以外の置換体、例えばメチル基置換
体等についても検討を行ったが、抗HIV活性は有しな
いものであった。
【0040】本発明における一般式[1]に示す非対称
チオ尿素化合物を有効成分とする新規抗HIV剤は、従
来使用されている核酸系のAZT、DDI、DDCのよ
うな競争阻害剤として働くのでなく、HIV−1の逆転
写酵素に対して極めて特異的な阻害により、従来のDD
I、DDCに比較して微量でHIV感染による細胞障害
を防御するものと推測される。従って、薬剤耐性HIV
株の出現の対策としての3種収束療法として有効な抗H
IV剤として使用可能であるものと推測される。
【0041】
【効果】本発明における一般式[1]に示す新規非対称
チオ尿素化合物を有効成分とす新規抗HIV剤は、従
来、使用されているAZTと同等若しくはそれ以上の抗
HIV活性を有する。特に、N-2-ピリジル,N'-フェニル
エチルチオ尿素化合物及びその臭素置換体であるN-2-(5
- ブロモピリジル),N'-フェニルエチルチオ尿素化合物
は、細胞毒性の指標であるCC50の数値が高いことか
ら、安全性が大であるという特徴がある。また、本発明
の一般式[1]に示す新規非対称チオ尿素化合物は、核
酸系抗HIV剤に比較してその構造が単純であることか
ら合成上有利であると共に、体内に継続投与する場合、
好適な薬剤となるという特徴もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 英敏 山口県岩国市飯田町2丁目8番1号 日本 製紙株式会社生物科学研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]に示す非対称チオ尿素
    化合物。 【化1】 (式中、Xは水素原子、臭素原子又は塩素原子のいずれ
    かを表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式[1]で表す非対称チオ尿素
    化合物を有効成分として含有することを特徴とする新規
    抗ヒト免疫不全症ウイルス剤。 【化2】 (式中、Xは水素原子、臭素原子又は塩素原子のいずれ
    かを表す。)
  3. 【請求項3】 下記一般式[1]に示す非対称チオ尿素
    化合物がN−2−(5−ブロモピリジル)N’−フェニ
    ルエチルチオ尿素であるを請求項2記載の新規抗ヒト免
    疫不全症ウイルス剤。 【化3】 (式中、Xは臭素原子を表す。)
  4. 【請求項4】 下記一般式[1]で示す非対称チオ尿素
    化合物が、N−2−ピリジルN’−フェニルエチルチオ
    尿素であるを請求項2記載の新規抗ヒト免疫不全症ウイ
    ルス剤。 【化4】 (式中、Xは水素原子を表す。)
  5. 【請求項5】 下記一般式[1]で示す非対称チオ尿素
    化合物が、N−2−(5−クロロピリジル)N’−フェ
    ニルエチルチオ尿素であるを請求項2記載の新規抗ヒト
    免疫不全症ウイルス剤。 【化5】 (式中、Xは塩素原子を表す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004506713A (ja) * 2000-08-21 2004-03-04 パシフィック コーポレーション 新規チオウレア誘導体およびこれを含有する薬学的組成物
CN103003236A (zh) * 2010-06-18 2013-03-27 爱维斯健有限公司 新型硫脲或脲衍生物及其制备方法以及包含其作为活性成分预防或治疗艾滋病的药物组合物

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