JP2761544B2 - 線状α―オレフィンの製造方法 - Google Patents

線状α―オレフィンの製造方法

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JP2761544B2
JP2761544B2 JP23956989A JP23956989A JP2761544B2 JP 2761544 B2 JP2761544 B2 JP 2761544B2 JP 23956989 A JP23956989 A JP 23956989A JP 23956989 A JP23956989 A JP 23956989A JP 2761544 B2 JP2761544 B2 JP 2761544B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、線状α−オレフィンの製造方法に関し、
さらに詳しく言うと、エチレンオリゴマーである線状α
−オレフィンを高純度で製造する方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 線状α−オレフィンは、ポリオレフィンの製造分野に
おける改質用コモノマーとして、あるいは、アルコール
化することにより可塑剤や界面活性剤として有用であ
る。
かかる線状α−オレフィンは、四塩化チタンとエチル
アルミニウムジクロライドとからなる2成分系の触媒
や、この系に第3成分を添加してなる3成分系の触媒の
存在下でエチレンをオリゴマー化することによって製造
することができる。
また、近年になって、更に活性の高い触媒として、上
記チタン化合物に代えて、ジルコニウム(Zr)化合物を
用いた2成分系の触媒が提案されている。例えば、特開
昭58−109428号公報、特公昭50−30042号公報、特開昭5
8−201729号公報、特開昭58−113138号公報にはそれぞ
れジルコニウム化合物とアルミニウム化合物との2成分
系触媒がそれぞれ開示されている。
また、米国特許第4,486,615号には、ジルコニウム化
合物とアルミニウム化合物との2成分系触媒の活性を高
めるために、触媒の第3成分としてルイス塩基である第
3級アミン、第2級アミン、エーテル、ホスフィンオキ
サイド、アルキルまたはアリールホスフェート、スルホ
キシドなどを添加してなる触媒が開示されている。
そして、従来から、線状α−オレフィンの製造方法に
おいては、製品純度の向上が問題になっている。
通常、線状α−オレフィンの純度を向上させるには、
重合条件として低温度、高エチレン圧力にすれば良いこ
とが知られている。具体的には100〜130℃の低温度条
件、30〜80kg/cm2Gの高圧条件が設定されている。
しかしながら、重合反応後に未反応エチレンを有効に
回収することも、線状α−オレフィンの工業的製造方法
に要求されることであり、この要求項目に対して、重合
反応後に0〜30kg/cm2Gの定圧に維持されたフラッシャ
ーに重合反応生成物を移送して未反応エチレンを回収す
る手法が採用される。
その結果、前記フラッシャー内でさらに副反応が進行
するために、製品純度が低下すると言う問題が生じる。
この問題を解消するために、重合反応生成液のフラッ
シャー内での滞留時間を短縮すると良いのであるが、純
度の低下がないような短時間の滞留時間で未反応エチレ
ンを回収することのできるフラッシャーを設計するのは
困難である。
この発明の目的は、従来の前記問題点を解消し、エチ
レンをオリゴマー化して線状α−オレフィンを製造する
方法において、高純度の線状α−オレフィンを製造する
方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するための本発明は、一般式[1]Zr
XaA4-a(ただし式中、式中XおよびAは同一であっても
異なっていても良く、それぞれ、Cl、Br、またはIを表
わす。また、aは0〜4の整数を表わす。)で表される
ジルコニウム化合物と、一般式[2]AlR1.51.5(式
中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わし、QはCl、
Br、またはIを表わす。なお、前記式は、Al2R3Q3によ
って表わすこともできる。)および/または一般式
[3]AlRbQ′3-b(式中、R′およびQ′は、それぞれ
前記Rおよび前記Qと同様の意味を表わす。また、bは
1〜3の整数を表わす。ただし、R′およびQ′はそれ
ぞれ同一のものであっても、異なったものであってもよ
い。)で表される有機アルミニウム化合物とから得られ
る触媒の存在下にエチレンを重合して得られる、線状α
−オレフィンを含有する重合反応生成液に、先づ、水、
アルコール、及びアミン類からなる群より選択される少
なくとも1種のジルコニウム化合物を失活させる失活剤
を、前記ジルコニウム化合物に対して0.5〜3.5モル倍の
割合で添加した後、未反応エチレンを除去し、次いで、
アンモニアおよび/またはアミン類からなる塩基性失活
剤を添加することを特徴とする線状α−オレフィンの製
造方法である。
本発明においては、ジルコニウム化合物と有機アルミ
ニウム化合物とから得られる触媒の存在下にエチレンを
重合して得られる、線状α−オレフィンを含有する重合
反応生成液中の触媒を失活させる手順が重要である。
以下、重合反応生成液およびその重合反応生成液中の
触媒の失活手順について順に説明する。
−重合反応生成液− この発明の方法を適用するのに好適な重合反応生成液
は、ジルコニウム化合物と有機アルミニウム化合物とか
ら得られる触媒の存在下に、エチレンを重合して得られ
る重合反応生成液であれば、前記ジルコニウム化合物と
有機アルミニウム化合物とから得られる2成分系の触媒
の存在下に重合して得られる重合反応生成液であっても
良いのであるが、本発明の効果を良く奏することのでき
る重合反応生成液は、前記ジルコニウム化合物と有機ア
ルミニウム化合物とルイス塩基とから得られる3成分系
の触媒の存在下に重合して得られる重合反応生成液であ
る。
ジルコニウム化合物 この発明の方法に使用することのできる前記ジルコニ
ウム化合物は、次式 ZrXaA4-a [1] (ただし式中、式中XおよびAは同一であっても異なっ
ていても良く、それぞれ、Cl、Br、またはIを表わす。
またaは0〜4の整数を表わす。)で表される。
前記式[1]で示されるハロゲン化ジルコニウムの具
体例として、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4、ZrBrCl3、ZrBr2、Cl
等を挙げることができる。これらの中でも、特にZrCl4
が好ましい。なお、これらは、一種単独で使用しても、
二種以上を組み合わせて使用してもよい。
この発明の方法における有機アルミニウム化合物は、
次式 AlR1.51.5 [2] (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わし、Qは
Cl、Br、またはIを表わす。なお、前記式は、Al2R3Q3
によって表わすこともできる。)で表わされるアルキル
アルミニウムセスキハライドおよび/または次式: AlRbQ′3-b [3] (式中、R′およびQ′は、それぞれ前記Rおよび前記
Qと同様の意味を表わす。また、bは1〜3の整数を表
わす。ただし、R′およびQ′はそれぞれ同一のもので
あっても、異なったものであってもよい。)で表わされ
るアルキルアルミニウム化合物である。
前記第[2]式で示されるアルキルアルミニウムセス
キハライドは、前記第[2]式中において、RおよびQ
がそれぞれ前記の条件を満足するものであれば、特に制
限はなく、具体例として、たとえば、メチルアルミニウ
ムセスキクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマ
イド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルア
ルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセス
キアイオダイド、エチルアルミニウムブロムクロライ
ド、プロピルアルミニウムセスキクロライド、イソプロ
ピルアルミニウムセスキクロライド、ブチルアルミニウ
ムセスキクロライド、イソブチルアルミニウムセスキク
ロライド、ペンチルアルミニウムセスキクロライド、オ
クチルアルミニウムセスキクロライド、等を挙げること
ができる。
これらの中でも、Rとして、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等が好ましく、特にエチル基が好ま
しい。
Qとしては、Clが好ましい。
具体的には、エチルアルミニウムセスキクロライドを
好適例として挙げることができる。
なお、これらのアルキルアルミニウムハライドは、一
種単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用して
もよい。
前記第[3]式で示されるアルキルアルミニウム化合
物は、前記[3]式中のR′およびQ′が前記の条件を
満足するものであれば特に制限されるものではなく、具
体例として、たとえば、トリエチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ
イソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウム
ブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチ
ルアルミニウムアイオダイド、エチルアルミニウムジブ
ロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルア
ルミニウムジアイオダイド等を挙げることができる。
もっとも、前記第[3]式で示される化合物の中で
も、bが3または2であるものが好ましい。
第[3]式中、R′としては、エチル基、プロピル
基、ブチル基、イソブチル基等が好ましく、特にエチル
基が好ましい。
Q′としては、Clが好ましい。
具体的には、たとえば、トリエチルアルミニウム、ジ
エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジ
クロライドが好適である。
なお、これらのアルキルアルミニウム化合物は、一種
単独で、あるいは二種以上を組み合わせて、有機アルミ
ニウム化合物として使用することができる。
本発明の方法に使用することのできる前記ルイス塩基
としては、チオエーテル類、二硫化アルキル類、チオフ
ェン類、チオ尿素、スルフィド類、ホスフィン類等を挙
げることができる。
前記チオエーテル類としては、たとえば、硫化ジメチ
ル、硫化ジエチル、硫化ジプロピル、硫化ジヘキシル、
硫化ジシクロヘキシル、ジフェニルチオエーテル等が挙
げられる。
前記二硫化アルキル類としては、たとえば二硫化ジメ
チル[(CH32S2]、二硫化ジエチル、二硫化ジプロピ
ル、二硫化ジブチル、二硫化ジヘキシル、二硫化ジシク
ロヘキシル、二硫化エチルメチル等が挙げられる。
前記チオフェン類としては、チオフェン、2−メチル
チオフェン、3−メチルチオフェン、2,3−ジメチルチ
オフェン、2−エチルチオフェン、ベンゾチオフェン、
テトラヒドロチオフェン、ベンゾチオフェン等が挙げら
れる。
前記スルフィド類としては、メチルスルフィド、エチ
ルスルフィド、ブチルスルフィド等が挙げられる。
前記ホスフィン類としては、たとえば、トリフェニル
ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフ
ォン、トリプロピルホスフィン、トリオクチルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン等を挙げることがで
きる。
前記第1級アミン類としては、たとえば、メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペ
ンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、アニリン、ベンジ
ルアミン、ナフチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、
ピリジン、ピコリン等の有機アミン類を挙げることがで
きる。
これらの化合物は、一種単独で用いても、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。
前記様々のルイス塩基の中でも、二硫化ジメチル、チ
オフェン、チオ尿素、トリフェニルホスフィン、トリオ
クチルホスフィン、アニリン等が好ましく、さらにはチ
オフェンが特に好ましい。
この発明の方法において、前述のように本発明の効果
を良く奏することのできる重合反応生成液を与える触媒
としては、ジルコニウム化合物と有機アルミニウム化合
物とルイス塩基とから得られる3成分系の触媒が好まし
い。
もっとも、前記有機アルミニウム化合物として特に前
記アルキルアルミニウムセスキハライドとアルキルアル
ミニウム化合物との混合物を選択し、この混合物とジル
コニウム化合物と前記ルイス塩基とを組み合せた触媒、
ならびに前記ジルコニウム化合物と前記アルキルアルミ
ニウムセスキハライドと前記ルイス塩基とを組み合せた
触媒が好ましく、特にアルキルアルミニウムセスキハラ
イドとトリアルキルアルミニウムとの混合物と、四塩化
ジルコニウム、チオフェンとからなる触媒、ならびにア
ルキルアルミニウムセスキハライドと、四塩化ジルコニ
ウムと、チオフェンとからなる触媒が好ましい。と言う
のは、このような触媒を使用すると、オリゴマー化反応
により生成する生成物中のワックス含有量をより一層低
減させることができると共にハロゲン化ジルコニウムの
重量当りの線状α−オレフィンの収量を大きくすること
ができ、しかも、得られる線状α−オレフィンの純度を
高めることができるからである。
前記アルキルアルミニウムセスキハライドと前記アル
キルアルミニウム化合物との混合物を触媒成分として使
用するときは、前記アルキルアルミニウムセスキハライ
ドと前記アルキルアルミニウム化合物との配合割合は、
通常、アルキルアルミニウム化合物が50モル%(Al基
準)以下、好ましくは30モル%(Al基準)以下に設定す
るのが望ましい。
この発明の方法においては、前記ジルコニウム化合物
と前記有機アルミニウム化合物と前記ルイス塩基とから
触媒を調製する方法については、特に制限がないが、前
記ジルコニウム化合物と前記有機アルミニウム化合物と
を、適当な溶媒の存在下で接触させて触媒調製液を生成
させ、エチレンの重合(オリゴマー化)に際し、あるい
は重合に先だって、この触媒調製液と前記ルイス塩基と
を混合することにより触媒液を調製するのが好ましい。
この触媒調製液もしくは触媒液を調製する際に、適当
な温度(通常、たとえば、重合反応の温度より低い温度
であり、具体的には60〜80℃の範囲)で10〜120分加熱
して、触媒の活性化処理を行なうことが望ましい。
前記溶媒としては、通常、不活性溶媒を使用すること
ができる、そのような溶媒として、たとえば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、エチルベン
ゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等の芳香族炭
化水素またはそのハロゲン置換体;ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族パ
ラフィン類;シクロヘキサン、デカリンなどのナフテン
系パラフィン類;ジクロロエタン、ジクロロブタン等の
ハロアルカン類等を挙げることができる。中でも、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルンエン、キシレン、クロロ
ベンゼンが好ましく、特にシクロヘキサン、ベンゼンが
好ましい。
これらの溶媒は、一種単独でも、二種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
この発明における、前記ジルコニウム化合物、有機ア
ルミニウム化合物、ルイス塩基および前記溶媒の配合割
合は、前記溶媒250ml当り、通常、ジルコニウム化合物
を0.01〜5ミリモル、好ましくは、0.03〜1ミリモル、
有機アルミニウム化合物を通常0.05〜15ミリモル、好ま
しくは0.06〜3ミリモル、ルイス塩基を通常0.01〜20ミ
リモル、好ましくはルイス塩基としてイオウ化合物(チ
オエーテル類、二硫化アルキル類、チオフェン類、チオ
尿素、スルフィド類)を用いる場合には、0.02〜20ミリ
モル、ルイス塩基としてホスフィン類または第1級アミ
ン類を用いる場合には0.01〜5ミリモルである。また、
前記ジルコニウム化合物と有機アルミニウム化合物との
配合比に関しては、Al/Zr(モル比)を1〜15の範囲に
設定することによって、さらに好ましい結果を得ること
ができる。また、有機アルミニウム化合物として、アル
キルアルミニウムセスキハライドとトリアルキルアルミ
ニウムとを併用するときには、有機アルミニウム化合物
全体に対してトリアルキルアルミニウムを50モル%以
下、好ましくは30モル%以下にするのが良い。
重合に際して、前記触媒液は、必要に応じてさらに前
記溶媒と混合し、濃度を調製して用いることができる。
このようにして調製した触媒もしく触媒液とエチレン
あるいはエチレを含有するガスとを前記溶媒の存在下で
所定の反応温度、反応圧力のもとに接触させることによ
って、エチレンの重合(オリゴマー化)が効率よく行な
われる。
使用するエチレンを含有するガスとしては、エチレン
を含有する不活性ガス、重合用精製エチレンガス、高純
度エチレン等の重合用エチレンガスを用いることがで
き、高純度エチレンが好ましい。
重合に際しての反応温度は、通常、50〜200℃、好ま
しくは、100〜150℃である。反応圧力には、通常、5k/c
m2G以上、好ましくは、25kg/cm2G以上、さらに好ましく
は30〜80kg/cm2Gである。反応時間は、通常、5分間〜
2時間程度、好ましくは、15分間〜1時間程度である。
なお、触媒の調製から重合反応を終了するまですべて
の操作は、空気、水分を避けて行なうことが望ましい。
触媒の調製は、たとえば、窒素、アルゴン等の不活性
ガス雰囲気下で行なうことが好適である。
また、触媒調製原料、溶媒、反応原料等は、十分に乾
燥しておくのが望ましい。ただし、微量の水分、空気の
共存によって、触媒活性、生成物の選択率が増加する場
合もある。
以下に、この発明における、線状α−オレフィンを含
有する重合反応生成液を得る方法の例を、より具体的に
述べる。
すなわち、撹拌機付容器中において、アルゴン、窒素
等の不活性ガス、雰囲気下で、四塩化ジルコニウム等の
前記ジルコニウム化合物とエチルアルミニウムセスキク
ロリド等の前記有機アルミニウム化合物とをシクロヘキ
サン等の前記溶媒に溶解した後、撹拌しながら、60〜80
℃で10〜120分間加熱して触媒調製液を調製する。
この触媒調製液の一部を前記不活性ガス雰囲気下で、
別の撹拌機付容器に導入し、シクロヘキサン等の前記溶
媒で希釈し、室温付近でチオフェン等の前記ルイス塩基
を添加し、撹拌し触媒液を調製する。このようにして触
媒を調製することによって、四塩化ジルコニウム等のハ
ロゲン化ジルコニウムとアルキルアルミニウム化合物と
の錯体触媒が形成され、目的とする生成物の収率、線状
α−オレフィンの純度を向上させることができる。
次に不活性ガス雰囲気下で、前記触媒を50〜60℃に保
った反応器中に圧輸送によって導入し、触媒液を撹拌し
ながら、高純度エチレン等のエチレンを含有するガスを
導入して前記反応条件でオリゴマー化させる。
以上のようにして線状α−オレフィンを含有する重合
反応生成液を得る。
−触媒失活− この発明においては、エチレンの重合(オリゴメリゼ
ーション)によって得られる重合反応生成液に触媒失活
剤を添加して反応を停止させる場合の失活剤の添加方法
が重要である。
すなわち、前述のようにして得られる重合反応生成液
を例えばフラッシャーに供給して未反応エチレンを回収
する前後において触媒失活を行なう。
未反応エチレンの回収前に行なう触媒の失活は、重合
反応生成液に、ジルコニウム化合物と反応可能な化合物
を添加することにより行なわれる。
前記ジルコニウム化合物と反応可能な化合物として
は、水、アルコール、及びアミン類からなる群より選択
される少なくとも1種を使用し、特に好ましいのは水お
よび/またはアルコールである。アルコールとしては、
一価アルコール、多価アルコール、環状アルコール、非
環状アルコール、脂肪族アルコール、芳香族アルコール
等である。これらのアルコールは一種単独で用いても、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。また水とアルコ
ールとを組み合わせて用いることもできる。
このジルコニウム化合物と反応可能な化合物の添加量
は、ジルコニウム化合物に対して0.5〜3.5モル倍量であ
る。ジルコニウム化合物1モルに対しては失活剤として
の前記化合物0.5モル未満ではジルコニウム化合物を失
活させるのに十分でなく、失活剤が3.5モルを越える
と、失活時に発生したハロゲ化水素がα−オレフィンに
付加し、製品α−オレフィン中に有機ハロゲン化化合物
が混入し、製品の純度および製品の品質を低下させるた
めに好ましくない。
この最初の触媒失活操作につき、温度および圧力に関
する条件としては特に制限がないのであるが、温度とし
て50〜130℃、特に80〜110℃が好ましい。
このような条件の下で重合反応生成液に前記失活剤と
しての化合物を添加して、十分に混合する。この混合を
行なう時間としては、重合反応生成液の容量にもよって
一概に規定することはできないが、通常1〜10分間であ
る。
重合反応生成液からの未反応エチレンの回収は、重合
反応生成液の雰囲気圧力を、重合反応時の圧力よりも低
くすることにより行なうことができる。前記最初の触媒
失活操作を重合反応時の圧力よりも低い圧力下で行なう
のであれば、前記最初の触媒失活操作と未反応エチレン
の回収操作を同時に行なうことができ、装置の簡略化を
達成することができる。
もっとも、フラッシャーに重合反応生成液を供給する
直前に、失活剤を重合反応生成液に供給するのが、ジル
コニウム化合物の失活反応生成物の影響を避けるために
も、好ましい。
フラッシャーで未反応エチレを回収した後、さらに塩
基性失活剤を添加して完全に触媒を失活させる。塩基性
化合物の添加により、生成する線状α−オレフィンに触
媒由来のハロゲンが付加するのを防止し、線状α−オレ
フィンの純度をより一層向上させることができる。
前記塩基性失活剤としては、アンモニアおよび/また
はアミン類を使用する。アミン類としてはメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペ
ンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、アニリン、ベンジ
ルアミン、ナフチルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジブチルアミン、ジフェニルアミン、メチルフ
ェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、ピ
コリン等が挙げられる。
これらのアミンは、一種単独で使用することもできる
し、また二種以上を併用することもできる。
前記塩基性失活剤の添加量は、通常、重合反応に使用
した有機アルミニウム化合物に対して過剰であれば良い
のであるが、有機アルミニウム化合物に対して0.5〜30
モル倍であり、好ましくは1〜10モル倍である。
このようにして触媒を失活させた後の重合反応生成液
中には、炭素数が6〜44程度、特に炭素数が6〜20の範
囲にあり、しかもハロゲンを付加していない線状α−オ
レフィンが高い分率で含まれる。一方、ワックス分の副
生は、著しく抑制される。
触媒失活後の前記重合反応生成液に、たとえば、水素
による洗浄、抽出、濾過等による分離、乾燥工程等の通
常の後処理工程を施して、目的生成物である高純度の線
状α−オレフィンを高い効率で回収することができる。
すなわち、この発明の方法によって、炭素数が6から
20程度の範囲の純度の高い線状α−オレフィンを高い収
率、高い選択率をもって、安定に得ることができる。な
お、反応条件、触媒組成、濃度等の選定によって、生成
物の炭素数分布をさらに狭い範囲に調製することも可能
である。
なお、回収された未反応エチレン、もしくは、これを
含有する低沸点留分は、そのまま、もしくは、精製後、
リサイクルして反応原料の一部として、使用することも
できる。
この発明の方法によって製造された線状α−オレフィ
ンは、種々の共重合体製造用のコモノマーとして、ま
た、可塑剤、界面活性剤原料等の種々の工業分野等に好
適に用いることができる。
[実施例] 触媒液の調製 1,000mlの撹拌機付きフラスコに、アルゴン雰囲気下
で、無水四塩化ジルコニウム(ZrCl4)100ミリモルと乾
燥したシクロヘキサン500mlとを導入し、10分間かけて
撹拌した。これにトリエチルアルミニウム(TEAと略記
することがある)158.3ミリモルを添加し、約10分かけ
て撹拌したのち、エチルアルミニウムセスキクロライド
(EASCと略記することがある)541.7ミリモルを添加
し、70℃でさらに2時間かけて撹拌しながら錯体を形成
した。
次に、500mlの三ツ口フラスコに、アルゴン雰囲気下
でシクロヘキサン250mlと前記錯体溶液をZrCl4が0.12ミ
リモル、EASCが0.65ミリモル、TEAが0.19ミリモルにな
るように導入し、チオフェン0.36ミリモルを加えて室温
で10分間かけて撹拌して触媒液を調製した。
(実施例1〜6および比較例1〜6) α−オレフィンの製造例(エチレンのオリゴマー化) 1の撹拌付きオートクレープに、乾燥したアルゴン
雰囲気下で、前記触媒調製例で調製した触媒液をアルゴ
ン圧送することにより導入した。このとき、オートクレ
ープの温度は、50〜60℃に保持した。触媒液の張り込み
が終了した後、撹拌を開始し、オートクレープ内に高純
度のエチレンガスをその圧力が65kg/cm2Gになるまで急
速に吹き込み、しかるのち、120℃に昇温した。エチレ
ンは、前記圧力を維持するのに必要な量を導入し続け
た。この反応条件で30分反応を続けた。
30分間反応させた後、第1表に示すフラッシュ条件で
脱圧、降温し、第1表に示す種類および量の失活剤を圧
入し、フラッシュ開始時、5分目、10分目の生成液を採
取して30%アンモニア水溶液中に投入して撹拌すること
により、最終的な触媒失活を行ない、ガスクロマトグラ
フを用いて分析した。フラッシュ開始時と5分経過後、
10分経過後の炭素数14(C14)、炭素数16(C16)、炭素
数18(C18)の線状α−オレフィンの純度の差を第1表
に示した。
[発明の効果] この発明によると、高純度の線状α−オレフィンを製
造することができるとともに、有機ハロゲン化物の混入
量を極力抑制することのできる線状α−オレフィンの製
造方法を提供することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] ZrXaA4-a [1] (ただし式中、式中XおよびAは同一であっても異なっ
    ていても良く、それぞれ、Cl、Br、またはIを表わす。
    また、aは0〜4の整数を表わす。)で表されるジルコ
    ニウム化合物と、 一般式[2] AlR1.51.5 [2] (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わし、Qは
    Cl、Br、またはIを表わす。なお、前記式は、Al2R3Q3
    によって表わすこともできる。) および/または一般式[3] AlRbQ′3-b [3] (式中、R′およびQ′は、それぞれ前記Rおよび前記
    Qと同様の意味を表わす。また、bは1〜3の整数を表
    わす。ただし、R′およびQ′はそれぞれ同一のもので
    あっても、異なったものであってもよい。)で表される
    有機アルミニウム化合物とから得られる触媒の存在下に
    エチレンを重合して得られる、線状α−オレフィンを含
    有する重合反応生成液に、先づ、水、アルコール、及び
    アミン類からなる群より選択される少なくとも1種のジ
    ルコニウム化合物を失活させる失活剤を、前記ジルコニ
    ウム化合物に対して0.5〜3.5モル倍の割合で添加した
    後、未反応エチレンを除去し、次いで、アンモニアおよ
    び/またはアミン類からなる塩基性失活剤を添加するこ
    とを特徴とする線状α−オレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記請求項1における触媒がハロゲン化ジ
    ルコニウムと前記請求項1における有機アルミニウム化
    合物とルイス塩基とから得られる触媒である前記請求項
    1に記載の線状α−オレフィンの製造方法。
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