JP3832869B2 - 線状α−オレフィンの製造方法 - Google Patents

線状α−オレフィンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリオレフィンの改質用コモノマーなどとして用いられる線状(直鎖状)α−オレフィンの製造方法に関し、詳しくは反応溶媒としての芳香族系炭化水素溶媒からの副生成物の生成が抑制され、不純物の少ない線状α−オレフィンを効率よく製造することのできる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
線状α−オレフィンは、ポリオレフィンの改質用コモノマーとして、或いは合成潤滑油,可塑剤,界面活性剤等の原料などとして需要が増加しており、高純度の線状α−オレフィンが要求されてきている。
このような線状α−オレフィンは、一般的にはハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒の存在下でエチレンをオリゴマー化することにより製造されている。
この際に反応溶媒として芳香族炭化水素は優れたものであり、触媒性能を著しく向上させることができる。
しかしながら、反応溶媒として芳香族炭化水素溶媒を用いた場合、これから得られる線状α−オレフィンを用いてさらに誘導体(例えば低圧法低密度ポリエチレン)を合成する際に触媒毒になる微量不純物が含まれるため、誘導体を効率的に合成できないという問題がある。
例えば、反応溶媒として芳香族炭化水素溶媒、例えばベンゼンを用いた場合には、副生成物として芳香族アルキル化物であるアルキルベンゼンが生成し、製品である線状α−オレフィンの中に混入し、このため低圧法低密度ポリエチレンを製造しようとしたときに、その重合触媒の活性低下をもたらしたりする。
従って、実際上は芳香族炭化水素溶媒の使用は不可能である。
【0003】
一方、ハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒と、芳香族炭化水素溶媒との存在下に、オレフィン含有ガスを重合させて線状α−オレフィンを製造するにあたり、触媒の重合活性を失わせる薬剤(失活剤)を用いて、触媒の重合活性を失わせ、有害な副反応を防止ないし抑制することが提案されており、例えば水,アルコール,カルボン酸等の失活剤を用いる方法(特公平2−37893号公報)が知られている。
また、含窒素化合物を添加した後に失活剤を加えて触媒を失活させることにより、触媒に含有されているハロゲンが最終生成物であるα−オレフィンに付加することを抑制する方法(特公平4−46929号公報参照)が知られている。
【0004】
しかしながら、これら失活剤を用いる方法によっても反応溶媒として芳香族炭化水素溶媒を用いた場合には、副生成物として芳香族アルキル化物が生成することは避けらず、製品である線状α−オレフィンの中に混入し、このため低圧法低密度ポリエチレンなどを製造しようとしたときに、その重合触媒の活性低下をもたらしたりするため、反応溶媒として芳香族炭化水素溶媒を用いることは不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題点を解消し、ハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒と芳香族系炭化水素溶媒の存在下に、エチレンをオリゴマー化してα−オレフィンを製造する方法において、触媒中のジルコニウムに対して4倍モル以上のエーテル化合物の存在下に失活剤を用いて前記触媒を失活させることにより、芳香族系炭化水素溶媒からの副生成物の生成が抑制されているため、反応溶媒として優れた芳香族系炭化水素溶媒を使用することができ、しかも不純物の少ない線状α−オレフィンを効率よく製造することのできる方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒と、芳香族系炭化水素溶媒との存在下に、オレフィン含有ガスを重合させて線状α−オレフィンを製造するにあたり、前記触媒中のジルコニウムに対して4倍モル以上のエーテル化合物の存在下に失活剤を用いて前記触媒を失活させることを特徴とする線状α−オレフィンの製造方法を提供するものである。
【0007】
本発明の方法においては、触媒としてハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒を用いる。
ここでハロゲン化ジルコニウム化合物としては、次式〔1〕
ZrXa Y4-a ・・・〔1〕
で表される化合物が用いられる。
式〔1〕中、XとYとは同一のものであっても異なったものであっても良く、それぞれ、塩素,臭素又はヨウ素を示す。また、aは0〜4の整数を示す。
このようなハロゲン化ジルコニウム化合物として、具体的には例えば、ZrCl4,ZrBr4,ZrI4,ZrBrCl3,ZrBr2 Cl等が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上を用いる。本発明においては、これらの中でもZrCl4 (四塩化ジルコニウム)を用いることが好ましい。
【0008】
次に、アルキルアルミニウム化合物としては、次式〔2〕
Al2 R3 Q3 ・・・〔2〕
で表されるアルキルアルミニウム化合物、及び/又は、次式〔3〕
AlR' b Q'3-b・・・〔3〕
で表されるアルキルアルミニウム化合物が用いられる。
式〔2〕中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、Qは塩素,臭素又はヨウ素を示す。
また、式〔3〕中、R' は前記Rと同様の意味を示し、Q' は前記Qと同様の意味を示す。また、bは1〜3の整数を表す。
【0009】
前記式〔2〕で表されるアルキルアルミニウム化合物としては、Rがメチル基,エチル基,プロピル基及びブチル基であるものが好ましく、エチル基であるものが特に好ましい。また、前記式〔2〕で表されるアルキルアルミニウム化合物としては、Qが塩素であるものが好ましい。
式〔2〕で表されるアルキルアルミニウム化合物として、具体的には例えば、Al2(CH3)3 Cl3 , Al2(CH3)3 Br3 , Al2(C2 H5)3 Cl3,Al2(C2 H5)3 Br3 , Al2(C2 H5)3 I3 , Al2(C2 H5)3 BrCl2 , Al2(n−C3 H7)3 Cl3 , Al2(iso-C3 H7)3 Cl3 , Al2(n−C4 H9)3 Cl3 , Al2(iso-C4 H9)3 Cl3 , Al2(n−C5 H11)3 ,Al2(n−C8 H17)3Cl3 , Al2(C2 H5)2(CH3)Cl3 等が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上を用いる。本発明においては、これらの中でもエチルアルミニウムセスキクロライド〔Al2(C2 H5)3 Cl3 〕を用いるのが好ましい。
【0010】
次に、前記式〔3〕で表されるアルキルアルミニウム化合物としては、bが3又は2であるものが好ましく、R’がエチル基,プロピル基,ブチル基及びイソブチル基であるものが好ましく、エチル基であるものが特に好ましい。また、前記式〔2〕で表されるアルキルアルミニウム化合物としては、Q’が塩素であるものが好ましい。
前記式〔3〕で表されるアルキルアルミニウム化合物として、具体的には例えば、Al( CH3)3 , Al( C2 H5)3 , Al( n−C3 H7)3 , Al(iso- C3 H7)3 , Al( n−C4 H9)3 , Al(iso- C4 H9)3 , Al( n−C5 H11)3 ,Al( n−C6 H13)3 ,Al( n−C8 H17)3 ,Al( C2 H5)2 Cl, Al( C2 H5)2 Br, Al( C2 H5)2 I,Al( C2 H5)Cl2 , Al( C2 H5)Br2 , Al( C2 H5)I2 等が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上を用いる。本発明においては、これらの中でもトリエチルアルミニウム,ジエチルアルミニウムクロライドを用いるのが好ましい。
【0011】
また、式〔2〕で表されるアルキルアルミニウム化合物と式〔3〕で表されるアルキルアルミニウム化合物とを併用する場合には、両者の割合を通常、式〔3〕で表されるアルキルアルミニウム化合物が50%(Al基準)以下、好ましくは30%(Al基準)以下に設定するのが望ましい。
【0012】
さらに本発明では、触媒成分として、前記ハロゲン化ジルコニウムとアルキルアルミニウム化合物との混合物に加えて、有機イオウ化合物,有機リン化合物及び有機窒素化合物よりなる群から選択される少なくとも一種の化合物を併用することが好ましい。
ここで有機イオウ化合物としては例えば、硫化ジメチル,硫化ジエチル,硫化ジプロピル,硫化ジヘキシル,硫化ジシクロヘキシル,ジフェニルチオエーテル等のチオエーテル類、二硫化ジメチル[(CH3)2 S2],二硫化ジエチル,二硫化ジプロピル,二硫化ジブチル,二硫化ジヘキシル,二硫化ジシクロヘキシル,二硫化エチルメチル等の二硫化ジアルキル化合物、チオフエン,2−メチルチオフエン,3−メチルチオフエン,2,3−ジメチルチオフエン,2−エチルチオフエン,ベンゾチオフエン等のチオフエン類、テトラヒドロチオフエン,チオピラン等のヘテロ環イオウ化合物、二硫化ジフエニル,二硫化メチルフエニル,メチルフエニルイオウ等の芳香族イオウ化合物、チオ尿素[(NH2)2 CS] ,メチルスルフイド,エチルスルフイド,ブチルスルフイド等のスルフイド類等を挙げることができる。
【0013】
次に、有機リン化合物としては例えば、トリフエニルホスフイン,トリエチルホスフイン,トリブチルホスフイン,トリプロピルホスフイン,トリオクチルホスフイン,トリシクロヘキシルホスフイン等のホスフイン類を挙げることができる。
【0014】
さらに、有機窒素化合物としては例えば、メチルアミン,エチルアミン,プロピルアミン,ブチルアミン,ペンチルアミン,ヘキシルアミン,シクロヘキシルアミン,オクチルアミン,デシルアミン,アニリン,ベンジルアミン,ナフチルアミン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,ジブチルアミン,ジフエニルアミン,メチルフエニルアミン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリブチルアミン,トリフエニルアミン,ピリジン,ピコリン等の有機アミン類を挙げることができる。
【0015】
前記有機イオウ化合物,有機リン化合物及び有機窒素化合物の中でも特に二硫化ジメチル,チオフエン,チオ尿素,トリフエニルホスフイン,トリブチルホスフイン,トリオクチルホスフイン及びアニリンよりなる群から選択される少なくとも一種の化合物を使用することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の方法においては芳香族系炭化水素溶媒を用いる。ここで芳香族系炭化水素溶媒としては例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,クロロベンゼン,エチルベンゼン,クロロトルエン等の芳香族炭化水素又はそのハロゲン置換体が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上を用いる。これらの中でもベンゼン,キシレン,クロロベンゼンが好ましく、ベンゼンが特に好ましい。
【0017】
また、オレフイン含有ガスとしては、エチレンを含有するガス、プロピレンを含有するガス、ブテン−1を含有するガスなどが用いられ、特にエチレンを含有するガスが好ましい。エチレンを含有するガスとしては例えば、エチレンを含有する不活性ガス,重合用精製エチレンガス,高純度エチレン等の重合用精製エチレンガスなどを挙げることができる。これらの中でも、特に高純度エチレンが好ましい。
【0018】
本発明においては、前記した如きハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒と、前記芳香族系炭化水素溶媒との存在下に、前記オレフィン含有ガスを重合させて線状α−オレフィンを製造するにあたり、前記触媒中のジルコニウムに対して4倍モル以上のエーテル化合物の存在下に失活剤を用いて前記触媒を失活させることが必要である。
【0019】
ここでエーテル化合物としては例えば、ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,ジプロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、ジフエニルエーテル,フエニルメチルエーテル等の芳香族エーテル類、プロピレンオキサイド,テトラヒドロフラン,フラン等の環状エーテル類等を挙げることができる。これらエーテル化合物は、1種を単独で用いても、或いは2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて、エーテル化合物と共に、アンモニアやアミン類等の含窒素化合物を用いることもできる。
【0020】
また、失活剤として具体的には、水,アルコール(例えば、一価アルコール,多価アルコール,環状アルコール,非環状アルコール,脂肪族アルコール,芳香族アルコール),カルボン酸,フエノール類等を挙げることができ、特開昭58−109428号公報に記載されたものを用いることができる。これらの中でも特に水及びメタノール,エタノール等のアルコールが好ましい。
【0021】
本発明においては、前記触媒中のジルコニウムに対して4倍モル以上のエーテル化合物の存在下に失活剤を用いて前記触媒を失活させればよく、エーテル化合物の添加時期については特に制限はないが、失活剤は必ずエーテル化合物の存在下に用いることが必要である。
すなわち、(1)エーテル化合物をまず添加し、次いで失活剤を添加する方法と、(2)エーテル化合物と失活剤とを同時に添加する方法がある。
また、失活剤はオレフイン含有ガスの反応後に添加するものであるが、エーテル化合物の添加時期は原則として制限がない。つまり、(1)の方法においてはさらに、(3)重合反応前の前記触媒中にエーテル化合物を添加する方法(エーテル化合物を添加した触媒を用いる方法)、(4)重合反応中にエーテル化合物を添加し、重合反応後に失活剤を添加する方法、(5)重合反応後にエーテル化合物を添加してから失活剤を添加する方法とがある。これらの中でも(3),(5)の方法が好ましい。
【0022】
本発明の方法において、前記触媒と前記芳香族系炭化水素溶媒と生成α−オレフインとの混合物に失活剤を加えて触媒を失活させる際の失活温度は、通常、常温〜150℃、好ましくは110〜130℃である。また、失活圧力は、常圧〜5MPa、好ましくは常圧〜1MPaである。失活時間は1分以下である。
【0023】
本発明の方法において、前記触媒溶液を調製する場合、前記各触媒成分と前記芳香族系炭化水素溶媒との配合の順序、方法については特に制限はない。例えば、ハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物とをそれぞれ、或いは同時に、適量の触媒調製用溶媒に溶解して触媒調製溶液を調製しておき、重合に先立って、この触媒調製溶液に、或いはこの触媒調製溶液に有機イオウ化合物,有機リン化合物及び有機窒素化合物よりなる群から選択される少なくとも一種の化合物を加えたものに、前記芳香族系炭化水素溶媒を加えて触媒溶液を調製しておく方法が好適である。また、この際に、触媒に公知の活性化処理を施しておくことが好ましい。
なお、触媒調製用溶媒としては、通常、前記芳香族系炭化水素溶媒として例示したものを用いればよく、特にベンゼン,キシレン,クロロベンゼンが好適である。
【0024】
通常、このようにして調製した触媒若しくは触媒溶液とオレフイン含有ガスとを、前記芳香族系炭化水素溶媒の存在下で接触させた後、含酸素化合物と失活剤とを添加し、前記溶媒の重合活性を失わせることにより、オレフィンの重合(オリゴマー化)を効率よく行なうことができる。
【0025】
オリゴマー化の反応条件としては、反応温度は、通常、50〜200℃、好ましくは100〜150℃である。また、反応圧力は通常、0.5MPa以上、好ましくは2.5MPa以上である。さらに、反応時間は15分〜2時間、好ましくは30〜60分である。
【0026】
なお、触媒の調製は、窒素,アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好適である。また、触媒調製原料,溶媒,反応原料等は、充分に乾燥しておくことが望ましい。触媒の調製から重合反応終了までの操作は、水分,空気を避けて行なうことが望ましい。
【0027】
以上のようにして、反応溶媒としての芳香族炭化水素溶媒からの副生成物の生成が抑制され、不純物の少ない線状α−オレフィンを効率よく製造することができる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1〜3
(1)触媒の調製(触媒溶液の調製)
1リットル容の攪拌機付きフラスコにアルゴン雰囲気下、50ミリモルの無水四塩化ジルコニウムと乾燥したベンゼン472mlとを導入し、30分間攪拌した。これにエチルアルミニウムセスキクロライド(〔Al2(C2 H5)3 Cl3 〕210ミリモル及びトリエチルアルミニウム40ミリモルを添加し、70℃で3時間加熱攪拌し、触媒溶液を調製した。
次に、500ml容の三ツ口フラスコにアルゴン雰囲気下、乾燥したベンゼン50mlと前記触媒溶液の一部を導入した。実施例1,2では、これにさらにイオウ化合物としてチオフェンを所定量加えて、室温で10分間攪拌し、触媒溶液を調製した。また、実施例3では、これにさらにエーテル化合物としてテトラヒドロフラン(THF)を所定量加えて、室温で10分間攪拌し、触媒溶液を調製した。
【0029】
(2)α−オレフインの製造(エチレンのオリゴマー化)
1リットル容の攪拌機付きオートクレーブに乾燥したアルゴン雰囲気下、ベンゼン200mlを導入した。その後、攪拌を開始し、反応温度(120℃)まで昇温した。設定温度に達した後、オートクレーブ内に高純度のエチレンガスを反応圧力(7MPa)まで昇圧し、前記(1)で調製した触媒溶液を圧送し、反応を開始した。エチレンは、前記圧力を維持するのに必要な量を導入し続けた。1時間反応を続けた後、オートクレーブ内を冷却、脱圧し、第1表に示した条件下、表示量のエーテル化合物を攪拌しながらオートクレーブ内に張り込んだ。その後第1表に示した量の失活剤を加え、触媒を失活させた。
さらにその後、水洗し、廃触媒を除去し、生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。第2表に得られた生成物分布を示した。また、第1表に生成α−オレフィンの代表として、1−デセン中に混合する不純物(アルキルベンゼン)量を示した。
【0030】
比較例1
添加物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で行なった。結果を第1表に示す。
【0031】
比較例2
エーテル化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で行なった。結果を第1表に示す。
【0032】
比較例3
エーテル化合物を用いなかったこと以外は、実施例2と同様の方法で行なった。結果を第1表に示す。
【0033】
比較例4
エーテル化合物を用いなかったこと以外は、実施例3と同様の方法で行なった。結果を第1表に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003832869
【0035】
〔第1表の脚注〕
*1:生成物は主にC4 〜C18まであるが、代表例として示した。
*2:C10中に含まれるアルキルベンゼン量
*3:アンモニア濃度28%
【0036】
【表2】
Figure 0003832869
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、ハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒と芳香族系炭化水素溶媒の存在下に、エチレンをオリゴマー化してα−オレフィンを製造する方法において、触媒中のジルコニウムに対して4倍モル以上のエーテル化合物の存在下に失活剤を用いて前記触媒を失活させることにより、芳香族系炭化水素溶媒からの副生成物の生成が抑制されているため、反応溶媒として優れた芳香族系炭化水素溶媒を使用することができる。
このため、本発明によれば、触媒性能を飛躍的に向上させることができる。
しかも本発明によれば、不純物の少ない線状α−オレフィンを効率よく製造することができる。
【0038】
なお、本発明の各種態様を示すと、次の通りである。
(1).ハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒と、芳香族系炭化水素溶媒との存在下に、オレフィン含有ガスを重合させて線状α−オレフィンを製造するにあたり、前記触媒中のジルコニウムに対して4倍モル以上のエーテル化合物の存在下に失活剤を用いて前記触媒を失活させることを特徴とする線状α−オレフィンの製造方法。
【0039】
(2).ハロゲン化ジルコニウム化合物が、前記式〔1〕で表される化合物である、前記(1)記載の線状α−オレフィンの製造方法。
【0040】
(3).アルキルアルミニウム化合物が、前記式〔2〕で表されるアルキルアルミニウム化合物、及び/又は、前記式〔3〕で表されるアルキルアルミニウム化合物である、前記(1)記載の線状α−オレフィンの製造方法。
【0041】
(4).前記式〔2〕で表されるアルキルアルミニウム化合物がエチルアルミニウムセスキクロライドである、前記(3)記載の線状α−オレフィンの製造方法。
【0042】
(5).前記式〔3〕で表されるアルキルアルミニウム化合物がジエチルアルミニウムクロライド又はトリエチルアルミニウムである、前記(3)記載の線状α−オレフィンの製造方法。
【0043】
(6).芳香族系炭化水素溶媒が、ベンゼン,トルエン,キシレン,クロロベンゼン,エチルベンゼン,クロロトルエン、及びそのハロゲン置換体から選ばれた1種又は2種以上のものである、前記(1)記載の線状α−オレフィンの製造方法。
【0044】
(7).エーテル化合物を反応終了前に添加することを特徴とする前記(1)記載の線状α−オレフィンの製造方法。

Claims (3)

  1. ハロゲン化ジルコニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物との混合物からなる触媒と、芳香族系炭化水素溶媒との存在下に、オレフィン含有ガスを重合させて線状α−オレフィンを製造するにあたり、前記触媒中のジルコニウムに対して4倍モル以上のエーテル化合物の存在下に失活剤を用いて前記触媒を失活させることを特徴とする線状α−オレフィンの製造方法。
  2. ハロゲン化ジルコニウム化合物が、次式〔1〕
    ZrXa Y4-a ・・・〔1〕
    (式中、XとYとは同一のものであっても異なったものであっても良く、それぞれ、塩素,臭素又はヨウ素を示す。また、aは0〜4の整数を示す。)
    で表される化合物である請求項1記載の線状α−オレフィンの製造方法。
  3. アルキルアルミニウム化合物が、次式〔2〕
    Al2 R3 Q3 ・・・〔2〕
    (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、Qは塩素,臭素又はヨウ素を示す。)
    で表されるアルキルアルミニウム化合物、及び/又は、次式〔3〕
    AlR' b Q'3-b・・・〔3〕
    (式中、R' は前記Rと同様の意味を示し、Q' は前記Qと同様の意味を示す。また、bは1〜3の整数を表す。)
    で表されるアルキルアルミニウム化合物である請求項1記載の線状α−オレフィンの製造方法。
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